IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ノジマの特許一覧

<>
  • 特許-商品選択支援システム 図1
  • 特許-商品選択支援システム 図2
  • 特許-商品選択支援システム 図3
  • 特許-商品選択支援システム 図4
  • 特許-商品選択支援システム 図5
  • 特許-商品選択支援システム 図6
  • 特許-商品選択支援システム 図7
  • 特許-商品選択支援システム 図8
  • 特許-商品選択支援システム 図9
  • 特許-商品選択支援システム 図10
  • 特許-商品選択支援システム 図11
  • 特許-商品選択支援システム 図12
  • 特許-商品選択支援システム 図13
  • 特許-商品選択支援システム 図14
  • 特許-商品選択支援システム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】商品選択支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240109BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240109BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0601 330
G06Q30/0601 340
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023129572
(22)【出願日】2023-08-08
【審査請求日】2023-08-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500196205
【氏名又は名称】株式会社ノジマ
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】野島 廣司
(72)【発明者】
【氏名】國井 弘文
(72)【発明者】
【氏名】山根 純一
(72)【発明者】
【氏名】内田 武志
(72)【発明者】
【氏名】長山 将太
(72)【発明者】
【氏名】森本 慶司
(72)【発明者】
【氏名】石原 彩子
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-049882(JP,A)
【文献】特開2019-159887(JP,A)
【文献】特開2019-096063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の商品の商品情報が分類分けして記憶された商品情報記憶手段を有し、
異なる商品分類毎に存在するそれぞれの商品分類における顧客満足度の高い販売員が接客中に確認している事項を、異なる商品分類毎にそれぞれ記憶させた確認事項記憶表示手段を有し、
顧客が購入を検討する商品分類を選択可能となっており、当該顧客が商品分類を選択すると、前記確認事項記憶表示手段で、選択された商品分類における顧客満足度の高い販売員が接客中に確認している事項が包含された確認事項が、顧客情報を入力する入力手段に表示されるようになっており、
前記入力手段に表示された確認事項に対して入力された前記顧客情報に基づき、前記商品情報記憶手段の選択した商品分類の中から当該顧客に合わせた商品候補を選択して提示する選択手段を有しており、
前記確認事項記憶表示手段からの前記確認事項の内容と、前記確認事項に対する前記入力手段で入力された前記顧客情報の内容と、前記顧客情報に基づき前記選択手段で提示された前記商品候補の内容と、当該接客の結果として前記商品候補の中の商品が販売に至ったかどうかと販売に至った前記商品の種類とを記録した結果情報を蓄積する記録手段を有し、
蓄積された前記結果情報を商品分類毎に分析して、その後の接客時の前記確認事項の内容を前記商品が販売に至った場合の記録に即して商品分類毎に変化させる変更手段を有し、
前記確認事項は、前記記録手段と変更手段で異なる商品分類毎に更新されて変化するようになっており、
さらに、会員登録している顧客が以前記載したり販売員に伝えたりした顧客保存情報が保存された顧客情報記憶表示手段を有し、
前記確認事項記憶表示手段は、前記顧客情報記憶表示手段に保存された前記顧客保存情報に合わせて、変更手段で更新された商品分類毎の確認事項の内容を、当該顧客に合わせて変化させて表示するように構成されていることを特徴とする商品選択支援システム。
【請求項2】
前記商品情報記憶手段と前記確認事項記憶表示手段と前記選択手段と前記顧客情報記憶表示手段と前記記録手段と前記変更手段とを有するサーバと、
前記入力手段を有する端末と、
がネットワークで接続されていることを特徴とする請求項1に記載の商品選択支援システム。
【請求項3】
前記入力手段は、確認事項を表示させる際に、販売員と顧客が一緒に見て進めていく画面と、顧客満足度の高い販売員のノウハウが表示された販売員のみが確認できる画面とを有しており、
販売員は当該画面の表示を適宜変更できるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の商品選択支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の商品の中から適切な商品を選択する支援を行う商品選択支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客が家電等の商品を選ぶときには、店舗に陳列された様々な商品を見て吟味し、当該顧客が必要とする商品を選んでいく必要があった(特許文献1等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-050875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような商品の選択方法では、多大な時間と労力が掛かってしまい、非効率と言わざるを得ない状態であった。そのため、もっと効率よく必要な商品を選ぶことができるようなシステムが望まれていた。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、効率よく顧客の必要とする商品を選択することができるように支援する商品選択支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成するために、本発明は、複数の商品の商品情報が記憶された商品情報記憶手段と、顧客への商品提案時に販売員が顧客から聞き取りした方が良い確認事項が記憶され、当該商品提案時に画面表示する確認事項記憶表示手段と、前記確認事項記憶表示手段における前記確認事項に対する顧客情報を入力する入力手段と、前記入力手段に入力された前記顧客情報に基づき、前記商品情報記憶手段から当該顧客に合わせた商品候補を選択して提示する選択手段と、を有する商品選択支援システムとしたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記構成に加え、前記確認事項記憶表示手段からの前記確認事項の内容と、前記確認事項に対する前記入力手段で入力された前記顧客情報の内容と、前記顧客情報に基づき前記選択手段で提示された前記商品候補の内容と、当該接客の結果として前記商品候補の中の商品が販売に至ったかどうかと販売に至った前記商品の種類とを記録した結果情報を蓄積する記録手段を有し、蓄積された前記結果情報を分析して、その後の接客時の前記確認事項の内容を前記商品が販売に至った場合の記録に即して変化させる変更手段を有している商品選択支援システムとしたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記構成に加え、前記商品情報記憶手段と前記確認事項記憶表示手段と前記選択手段とを有するサーバと、前記入力手段を有する端末と、がネットワークで接続されており、前記サーバから前記確認事項記憶表示手段における前記確認事項が前記前記端末に送信され、前記サーバから送信された前記確認事項に基づき、前記端末の前記入力手段に前記顧客情報の入力を行い、前記端末から前記入力手段に入力された前記顧客情報を前記サーバに送信し、前記サーバの前記選択手段が、前記入力手段に入力された前記顧客情報に基づき、前記商品情報記憶手段から当該顧客に合わせた前記商品候補を選択して前記端末に送信し、前記端末で前記商品候補を提示するようになっている商品選択支援システムとしたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記構成に加え、前記確認事項記憶表示手段は、顧客満足度の高い販売員が接客中に確認している事項を含めた前記確認事項を記憶しており、前記確認事項記憶表示手段は、全ての販売員に、前記確認事項のうちの前記顧客満足度の高い販売員が接客中に確認している事項を特に確認するように促す構成となっている商品選択支援システムとしたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記構成に加え、前記確認事項記憶表示手段は、異なる商品分野毎で当該分野における顧客満足度の高い販売員が接客中に確認している事項を含めた前記確認事項を記憶するようになっており、前記確認事項記憶表示手段は、全ての販売員に、異なる商品分野毎に当該分野における前記確認事項のうちの前記顧客満足度の高い販売員が接客中に確認している事項を特に確認するように促す構成となっている商品選択支援システムとしたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記構成に加え、前記確認事項記憶表示手段は、顧客満足度の高い複数の販売員から定期的又は不定期に前記接客中に確認している事項を取得し、当該取得した事項を前記確認事項に統合した上で、最適な前記確認事項に再構築して記憶しておくように構成された商品選択支援システムとしたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記構成に加え、前記確認事項記憶表示手段は、以前に取得した顧客保存情報に合わせて、前記確認事項の内容を変化させて表示するように構成された商品選択支援システムとしたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記構成に加え、前記選択手段は、前記商品候補を選択して提示すると共に、販売員から顧客に対して伝えるべき商品選びに関する事項を表示させるように構成された商品選択支援システムとしたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記構成に加え、前記入力手段は、音声入力が可能となっており、前記確認事項に対する前記顧客情報を音声から拾い出して入力項目に入力していくように構成された商品選択支援システムとしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、確認事項に沿って顧客情報を入力することで、当該顧客の必要とする商品候補を選択することができるため、その中からいち早く顧客の必要とする商品を選出することができる。
【0016】
また、本発明によれば、確認事項を利用して商品が販売に至ったときの成功事例を記録してフィードバックし、その後の接客時に使用する確認事項を当該成功事例を踏まえてより商品の販売に繋がるパターンに変化させることで、より良い支援システムにアップデートしていくことができる。
【0017】
また、本発明によれば、ネットワークで接続されたサーバと端末によって、確認事項の確認から顧客情報の入力、商品候補の選択までできるようになっているため、端末を持った店員が顧客の側で商品候補の絞込を行うことができ、より効率よく顧客の必要とする商品を選出することができる。
【0018】
また、本発明によれば、顧客満足度の高い販売員が接客中に確認している事項を共有して、全ての販売員が当該確認を行うことで、さらに確実に効率よく顧客の必要とする商品を選出することができる。
【0019】
また、本発明によれば、異なる商品分野毎に当該分野における顧客満足度の高い販売員が接客中に確認している事項を共有し、全ての販売員が異なる商品分野毎に当該分野における確認を行うことで、またさらに確実に効率よく顧客の必要とする商品を選出することができる。
【0020】
また、本発明によれば、顧客満足度の高い複数の販売員から定期的又は不定期に接客中に確認している事項を取得して確認事項に統合してアップデートしていくことで、最適な確認事項を保持して活用していくことができる。
【0021】
また、本発明によれば、以前に取得していた顧客保存情報を用いて今回の接客時に顧客に確認する確認事項を変化させることができるため、より顧客に合わせた確認事項とすることができ、より効率的に顧客の必要とする商品を選出することができる。
【0022】
また、本発明によれば、顧客に商品候補を提示すると共に、商品選びのポイントやお勧め等の商品選びに関する事項を表示させるため、より顧客に商品選びで迷わないようにアドバイスをすることができ、結果として全従業員が顧客満足度の高い従業員のノウハウで商品選定をスピード感を持って行うことができる。
【0023】
また、本発明によれば、顧客情報の入力を音声入力で行うことできるようになっていることで、販売員がわざわざ端末に手で入力する手間を省き、さらなる時間短縮を図ることができ、もっと効率よく顧客の必要とする商品を選出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態に係る商品選択支援システムを示す機能ブロック図である。
図2】同実施の形態に係る商品選択支援システムの手順を示すフローチャートである。
図3】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおける製品カテゴリリストを示す図である。
図4】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおけるカテゴリ内の製品リストを示す図である。
図5】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおけるカテゴリ内の製品の特徴リストを示す図である。
図6】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおける接客対応結果リストを示す図である。
図7】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおける端末の表示画面を示す図である。
図8】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおける端末の表示画面を示す図である。
図9】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおける端末の表示画面を示す図である。
図10】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおける端末の表示画面を示す図である。
図11】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおける端末の表示画面を示す図である。
図12】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおける端末の表示画面を示す図である。
図13】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおける端末の表示画面を示す図である。
図14】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおける端末の表示画面を示す図である。
図15】同実施の形態に係る商品選択支援システムにおける端末の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1図15は、本発明の実施の形態を示す図である。なお、本発明及び本実施の形態において、商品とは物とサービスを含むものであるとする。例えば、家電商品と言った場合には、本発明及び本実施の形態では、冷蔵庫やパソコン、電子レンジ等の販売されている物と、携帯電話契約サービスやエアコン設置サービス、配送サービス等の提供されるサービスの双方を含むものとする。また、商品選択、商品情報、商品候補等についても、物とサービスの双方の選択、情報、候補を含むものとする。
【0026】
本実施の形態の商品選択支援システム10は、店員又は顧客が、複数の商品の中から顧客に対して適切な商品を選択する支援を行うものである。この商品選択支援システム10は、図1に示すように、商品情報記憶手段20、確認事項記憶表示手段30、入力手段40、選択手段50等を有する構成となっている。また、本実施の形態では、これらに加え、顧客情報記憶表示手段60、記録手段70、変更手段80も有する構成となっている。
【0027】
また、本実施の形態では、ネットワークNを介してメインコンピュータであるサーバ11と各店舗の販売員が携行する端末15が接続された構成となっている。ここでは、サーバ11に商品情報記憶手段20と確認事項記憶表示手段30と選択手段50と顧客情報記憶表示手段60と記録手段70と変更手段80が設けられており、端末15に入力手段40が設けられるように構成されている。
【0028】
なお、ネットワークNとしては、ここでは、利便性の観点から無線LAN等の無線ネットワークを用いており、セキュリティの観点から店舗内又は企業内のみで使用されるイントラネットを用いているが、これに限るものではなく、必要に応じて、有線ネットワークを用いても良いし、インターネット等のオープンネットワークを介して接続されるようになっていても良い。
【0029】
上記構成についてさらに詳述すると、本実施の形態のサーバ11は、複数の商品の商品情報21,21,21…が記憶された商品情報記憶手段20と、顧客への商品提案時に販売員が顧客から聞き取りした方が良い確認事項31,31,31…が記憶され、当該商品提案時に端末15の画面16に表示する確認事項記憶表示手段30と、後述する端末15の入力手段40に入力された顧客情報41に基づき、商品情報記憶手段20から当該顧客に合わせた商品候補を選択して提示する選択手段50とを有している。
【0030】
また、本実施の形態のサーバ11は、これらに加えて、会員登録している顧客が以前記載したり販売員に伝えたりした顧客保存情報61,61,61…が保存された顧客情報記憶表示手段60を有している。さらに、本実施の形態のサーバ11は、確認事項記憶表示手段30からの確認事項31の内容と、確認事項31に対する入力手段40で入力された顧客情報41の内容と、顧客情報41に基づき選択手段50で提示された商品候補51の内容と、当該接客の結果として商品候補51の中の商品が販売に至ったかどうかと販売に至った商品の種類とを記録した結果情報71を蓄積する記録手段70を有している。またさらに、本実施の形態のサーバ11は、蓄積された結果情報71を分析して、その後の接客時の確認事項31の内容を商品が販売に至った場合の記録に即して変化させる変更手段80を有している。
【0031】
また、本実施の形態の端末15は、タブレット端末等の画面16(図7図15参照)を備えた端末であり、確認事項記憶表示手段30からの確認事項31に対する顧客情報41を入力する図8及び図10に示すような入力手段40を有している。また、画面16には、図9に示すように選択手段50によって選択された商品候補51を表示できるように構成されている。
【0032】
これらのうち、サーバ11の商品情報記憶手段20は、複数の商品の種々の商品情報21を有するデータベースであり、図3に示すように、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の商品毎で分類分けされ、それぞれの分類において商品情報21がリスト化されているものである。また、当該商品情報21は、それぞれの特徴が記載されたものとなっており、例えば冷蔵庫なら、図4に示すように、商品ID(商品名)に、容量、寸法、色展開、扉は左開きか右開きか両開きか、野菜室は上中下段の何れに設けられているか、店舗標準価格(図示省略)等が記載されている。
【0033】
また、サーバ11の確認事項記憶表示手段30は、顧客への商品提案時に販売員が顧客から聞き取りした方が良い確認事項31が、それぞれの商品分類毎に記載されて記憶されており、端末15から当該商品分類についての商品提案を行う旨の入力があると、提案を行う商品に合わせた確認事項31を呼び出して端末15に送信して表示させるようになっている。
【0034】
この確認事項31の中には、例えば冷蔵庫の場合には、設置場所の大きさ寸法、玄関や廊下の幅や高さ寸法、家族構成、好みの色等を確認するなどの基本的な項目の他、冷蔵庫分野での顧客満足度の高い販売員から聞き取って記憶させていた、顧客満足度の高い販売員が確認する事項についても確認するように記載されている。
【0035】
具体的には、図5に示すように、下段野菜室の場合には子供が冷蔵品を取り出しやすいというメリットに対して、膝や腰が悪い人にとっては毎日の料理で膝や腰を曲げて低い位置から野菜を取り出す必要がある、というデメリットがあるとの確認事項31が表示され、これを確認することで膝が悪い顧客の場合は、下段野菜室のパターンを候補から除外するようにし、子供がお手伝いをすることを想定している家族の場合には下段野菜室をお勧めするように条件化するものである。
【0036】
なお、顧客満足度の高い販売員としては、顧客からのアンケート結果やアフターフォロー時の評価の高い販売員、売上上位者、顧客からの指名が多い販売員等の何れか、又はそれらの複合的な評価の高い販売員を指すものとする。
【0037】
また、端末15においては、確認事項31を表示させる際に、図7図10に示すように、販売員と顧客が一緒に見て進めていく画面16と、販売員のみが確認できる画面(図示省略)とを有していて、販売員は適宜画面表示を変更しながら商品の提案を行うようになっていても良い。この場合、販売員のみが確認できる画面には、顧客満足度の高い販売員のノウハウ等の販売員へのアドバイスやトーク方法等の情報が表示されるようになっていると良い。
【0038】
また、確認事項31の項目の追加、修正等については、定期的又は不定期に内容を見直して更新するようになっている。特に、顧客満足度の高い販売員が通常確認している事項については、新製品の販売時、季節や景気動向、月初か月中か月末か、給料日の前後、ボーナス月かどうか、当該商品分野の売れ行き状況等に応じて、顧客満足度の高い販売員が確認している事項が変化しているときには、随時その状況に合わせて確認事項31を変化させるようになっている。
【0039】
なお、特に顧客満足度の高い販売員から聞き取りした又はアンケート回答を受けた確認事項31については、当該聞き取り又はアンケートの内容をAIが自動的に文書にして販売員が一言で表現できるようにまとめられるようになっており、その内容が確認事項記憶表示手段30の該当分野の確認事項31の中に追加されるように構成されていても良い。また、商品分野によっては、季節が変化したことで販売時期が過ぎてしまった場合や、商品の入れ替えによってお勧めポイントが変化した場合等、種々の要因によって確認事項31の中から特定の文言を削除したり修正したりする場合もあり、その場合にもAIが自動的に判断して、削除、修正を行うように構成されていても良い。
【0040】
また、確認事項31に対する入力手段40の回答欄の生成、入力された顧客情報41に対して選択手段50が商品選択を行う判断は、特定のアルゴリズムによって自動的に行われるが、ここでもAIが判断し学習して自動的に適切な選択を行うように更新されていくようになっていても良い。
【0041】
また、端末15の入力手段40は、例えばそれぞれの確認事項31に対してそのすぐ下方又は横等に回答が記載されるように構成されており、確認事項31の質問内容によって自由記載欄になっていたり選択欄になっていたりするものである。これら入力手段40への回答記載が完了したら、送信ボタン等を押すことで、回答内容を端末15からサーバ11に送信するようになっている。
【0042】
また、サーバ11の選択手段50は、端末15の入力手段40で入力された内容を分析し、商品情報記憶手段20から当該顧客に合わせた商品候補51を複数選択し(ここでは3種類)、端末15に送信して端末15で表示させるようになっている。
【0043】
また、本実施の形態では、会員登録している顧客が以前記載した顧客保存情報61を保存した顧客情報記憶表示手段60をサーバ11に有している。そして、接客の最初に顧客にログインしてもらうことで、予め記憶されている当該顧客の顧客保存情報61を呼び出し、例えば冷蔵庫の設置場所の大きさ寸法等については以前の接客時に確認している又は予め顧客が自宅で記載してきているので再度の確認は不要等、確認の手間を省き、より効率的な接客対応を行うことができ、さらに効率的に顧客に必要な商品を選ぶことの支援を行うことができるようになっている。
【0044】
また、本実施の形態では、確認事項記憶表示手段30からの確認事項31の内容と、確認事項31に対する入力手段40で入力された顧客情報41の内容と、顧客情報41に基づき選択手段50で提示された商品候補51の内容と、当該接客の結果として商品候補51の中の商品が販売に至ったかどうかと販売に至った商品の種類と、を結果情報71として1つにまとめて記録するようになっており、この結果情報71を蓄積する記録手段をサーバ11に有している。
【0045】
なお、記録手段70への結果情報71の記録は、販売員が手動で行うようになっていても良いが、当該案件に案件番号等を付して、当該案件番号を付した確認事項31と、顧客情報41と、商品候補51と、販売に至った商品の種類と、顧客に対して後日行うアンケートの回答結果等を自動的に1つの結果情報71として吸い上げてまとめて記録するようになっていても良い。また、結果情報71としては、これらの情報全てを含んでいるものに限らず、これらのうちの一部のみを有するものであっても良い。
【0046】
また、本実施の形態では、蓄積された結果情報71を分析して、その後の接客時の確認事項31の内容を商品が販売に至った場合の記録に即して変化させる変更手段80をサーバ11に有している。ここで、特に基本的な確認事項31の他、顧客満足度の高い販売員から得た確認事項31に応じた顧客情報41、商品候補51、販売結果を分析するようになっており、顧客満足度の高い販売員からの情報の中でも、より販売結果に繋がる情報を重要視して、他の販売員に共有することで、より効率的に顧客の必要としている商品に辿り着けるように確認事項31を厳選、変化させるようになっている。なお、具体的な分析方法等は、一般的なアルゴリズム解析を用いても良い。また、この変更手段80による結果情報71の分析、確認事項の変化について、AIを用いて学習させて結論を出すようになっていても良い。
【0047】
また、図11図15に示すように、販売員が接客後に当該接客に関する事項を端末15に結果情報71として記入するようになっていても良い。これらの結果情報71も記録手段70に記録されて蓄積され、その後、変更手段80の分析でさらに確認事項31の変更が行われるようになっていても良い。
【0048】
次に、本実施の形態の商品選択支援システム10における手順について、図2等を用いて説明する。
【0049】
店舗の販売員が顧客の必要とする商品を選択する支援を行うに当たっては、まず、アプリの二次元バーコードを読み込む(ステップS1)又は顧客名で検索を行う(ステップS2)等によって当該顧客のログインを行う。ログインを行うと、顧客情報記憶表示手段60に記憶された当該顧客の顧客保存情報61が呼び出される。
【0050】
また、端末15の画面16に、図7に示すような商品カテゴリのリストを表示する(ステップS3)。この中から今回購入したい商品のカテゴリを選択する(ステップS4)。ここでは、例えば冷蔵庫のアイコンをタップすることで、冷蔵庫の商品選択支援を行うようにサーバ11に信号が送信され、サーバ11は端末15からの信号を受け取ると、確認事項記憶表示手段30における冷蔵庫分野の確認事項31を呼び出し、端末15に送信する。
【0051】
端末15では、確認事項31に沿って入力手段40に顧客情報41を入力していく。
【0052】
ここでは、例えば、家族構成などの基本情報の入力(ステップS5)、メーカーや製品タイプなどの基本希望内容の入力(ステップS6)を行い、当該基本情報を基におすすめ商品、おすすめポイント等を表示する(ステップS7)。なお、このとき、前記した記録手段70と変更手段80等によって確認事項31が更新される場合には、以前に売り上げた実績に基づき、おすすめポイントが表示されるようになっていても良い。次に、おすすめポイントに基づき気にすべきポイントを入力手段40で選択して顧客情報41の一部とする(ステップS8)。
【0053】
これらの顧客情報41をサーバ11に送信し、サーバの選択手段50が当該顧客情報41に基づきフィルタ処理を掛け(ステップS9)、商品情報記憶手段20から商品候補51として該当する商品を複数選択する(ステップS10)。ここでは、商品候補51として3つの商品を選択するようになっている。この商品候補51を端末15に送信し、端末15の画面16で表示させて顧客に提示する。その後は、販売員と顧客の間で実際の商品を確認する等して最終的に1つに絞って購入手続きとなる。なお、商品候補51が表示された後で顧客に対してお伝えする又は聞き取りする確認事項31を予め表示しておき、商品候補51が表示されたら消去されるようになっていても良い。
【0054】
その後、顧客にアンケートをお願いし、顧客がアンケートに回答すると、図6に示すような履歴データに登録され、結果情報71として記録手段70に記録される(ステップS11)。
【0055】
最後に、アフターケアとして、例えば商品購入の1か月後等に商品や販売員への評価をヒアリングする電話、アンケート(郵送、Web等適宜の方法によるアンケート含む)等を行い、この結果も結果情報71として記録手段70に記録し、その後、変更手段80による分析に掛けられ、確認事項31のアップデート、更新が行われる。
【0056】
以上のように、本実施の形態の商品選択支援システム10によれば、確認事項31に沿って顧客情報41を入力することで、当該顧客の必要とする商品候補51を選択することができるため、その中からいち早く顧客の必要とする商品を選出することができる。
【0057】
また、本実施の形態の商品選択支援システム10によれば、確認事項31を利用して商品が販売に至ったときの成功事例を記録してフィードバックし、その後の接客時に使用する確認事項31を当該成功事例を踏まえてより商品の販売に繋がるパターンに変化させることで、より良い支援システム10にアップデートしていくことができる。
【0058】
また、本実施の形態の商品選択支援システム10によれば、ネットワークNで接続されたサーバ11と端末15によって、確認事項31の確認から顧客情報41の入力、商品候補51の選択までできるようになっているため、端末15を持った店員が顧客の側で商品候補51の絞込を行うことができ、より効率よく顧客の必要とする商品を選出することができる。
【0059】
また、本実施の形態の商品選択支援システム10によれば、顧客満足度の高い販売員が接客中に確認している事項を共有して、全ての販売員が当該確認を行うことで、さらに確実に効率よく顧客の必要とする商品を選出することができる。
【0060】
また、本実施の形態の商品選択支援システム10によれば、異なる商品分野毎に当該分野における顧客満足度の高い販売員が接客中に確認している事項を共有し、全ての販売員が異なる商品分野毎に当該分野における確認を行うことで、またさらに確実に効率よく顧客の必要とする商品を選出することができる。
【0061】
また、本実施の形態の商品選択支援システム10によれば、顧客満足度の高い複数の販売員から定期的又は不定期に接客中に確認している事項を取得して確認事項31に統合してアップデートしていくことで、最適な確認事項31を保持して活用していくことができる。
【0062】
また、本実施の形態の商品選択支援システム10によれば、以前に取得していた顧客保存情報61を用いて今回の接客時に顧客に確認する確認事項31を変化させることができるため、より顧客に合わせた確認事項31とすることができ、より効率的に顧客の必要とする商品を選出することができる。
【0063】
また、本実施の形態の商品選択支援システム10によれば、顧客に商品候補51を提示すると共に、商品選びのポイントやお勧め等の商品選びに関する事項を表示させるため、より顧客に商品選びで迷わないようにアドバイスをすることができ、結果として全従業員が顧客満足度の高い従業員のノウハウで商品選定をスピード感を持って行うことができる。
【0064】
なお、本実施の形態の商品選択支援システム10において、入力手段40が顧客情報41の入力を音声入力で行うことできるようになっていれば、確認事項31に対する顧客情報41を音声から拾い出して入力項目に入力していくことが可能となり、販売員がわざわざ端末15に手で入力する手間を省き、さらなる時間短縮を図ることができ、もっと効率よく顧客の必要とする商品を選出することができる。
【0065】
以上説明した実施の形態は本発明の一例であり、本発明が前記した実施の形態のみに限定されるものではないことは、いうまでもない。すなわち、前記した実施の形態の具体的な構成や具体的な手順は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更が可能である。
【0066】
例えば、前記した実施の形態では、選択手段50は3つの商品候補51を選択して提示するようになっていたが、これに限るものではなく、場合によっては商品候補51を1つ又は2つに絞るようになっていても良いし、また、4つ以上の商品候補51を提示するようになっていても良い。
【0067】
また、前記した実施の形態では、サーバ11とネットワークNで接続された端末15とで商品選択支援システム10を構成するようになっていたが、これに限るものではなく、例えばデータ容量等によっては、端末15に、商品情報記憶手段20、確認事項記憶表示手段30、入力手段40、選択手段50、顧客情報記憶表示手段60、記録手段70、変更手段80の全てを有しており、スタンドアローンで可動するようになっていても良い。また、ネットワークNを介してサーバ11と端末15が接続されている構成であっても、端末15が入力手段40以外の構成、例えば商品情報記憶手段20を有していたり、選択手段50を有していたりしても良い。
【0068】
また、前記した実施の形態では、商品選択支援システム10に顧客情報記憶表示手段60、記録手段70、変更手段80を有するシステムとなっていたが、これに限るものではなく、これらのうちの1つ又は複数若しくは全部を有していないシステムの場合もあり得る。また、その他の機能を付加したシステムとなっていても良い。
【0069】
また、前記した実施の形態では、家電商品を選択する際の支援システムについて記載したが、これに限るものではなく、家電以外の他の商品を選択する際の支援システムに本発明を適用しても良い。その場合でも、本発明の商品とは、物とサービスの双方を含むものであり、商品選択、商品情報、商品候補とは、物とサービスの双方における選択、情報、候補を含むものとする。
【符号の説明】
【0070】
10 商品選択支援システム
11 サーバ
15 端末
16 画面
20 商品情報記憶手段
21 商品情報
30 確認事項記憶表示手段
31 確認事項
40 入力手段
41 顧客情報
50 選択手段
51 商品候補
60 顧客情報記憶表示手段
61 顧客保存情報
70 記録手段
71 結果情報
80 変更手段
N ネットワーク
【要約】
【課題】効率よく顧客の必要とする商品を選択することができるように支援する商品選択支援システムを提供する。
【解決手段】複数の商品の商品情報21が記憶された商品情報記憶手段20と、顧客への商品提案時に販売員が顧客から聞き取りした方が良い確認事項31が記憶され、当該商品提案時に画面表示する確認事項記憶表示手段30と、確認事項記憶表示手段30における確認事項31に対する顧客情報41を入力する入力手段40と、入力手段40に入力された顧客情報41に基づき、商品情報記憶手段20から当該顧客に合わせた商品候補51を選択して提示する選択手段50と、を有する商品選択支援システム10とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15