(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】中間金型、金型装置、および射出成形機
(51)【国際特許分類】
B29C 49/06 20060101AFI20240109BHJP
B29C 45/12 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
B29C49/06
B29C45/12
(21)【出願番号】P 2023141132
(22)【出願日】2023-08-31
【審査請求日】2023-08-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 礼
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴之
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-335360(JP,A)
【文献】特許第4283181(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00,45/00,49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形機の金型装置における固定側金型と可動側金型との間に配置された中間金型であって、
前記固定側金型と前記可動側金型とのうち対向する対向金型と型開閉動作を行う金型部と、
前記金型部を貫通し、前記型開閉動作をガイドするガイドバーと、
回転軸を有し、前記ガイドバーに接合された状態で、当該ガイドバーおよび前記金型部とともに回転する回転枠体と、
前記金型部における、前記金型装置の型締力を変化させない部分である、前記ガイドバーが貫通する孔の縁部近傍に配置された、前記型開閉動作により生じる衝撃を緩衝する緩衝部材と、
を備え、
前記金型部は、前記ガイドバーの先端部に一時的に把持され、前記対向金型に一時的に把持されることを特徴とする、
中間金型。
【請求項2】
前記金型部は、前記対向金型に対向する位置の間を回転移動する回転移動時、および前記対向金型との型開時に前記ガイドバーの先端部に把持され、前記対向金型との型閉時に当該対向金型に把持されることを特徴とする、
請求項1に記載の中間金型。
【請求項3】
前記ガイドバーの先端部および前記金型部に、当該金型部を当該ガイドバーに把持させるための第1機構と、当該金型部を前記対向金型に把持させるための第2機構とを有することを特徴とする、
請求項2に記載の中間金型。
【請求項4】
前記第1機構は、前記金型部が前記対向金型に把持されるときに当該金型部を解放し、前記金型部が当該対向金型から解放されるときに当該金型部を前記ガイドバーに把持させることを特徴とする、
請求項3に記載の中間金型。
【請求項5】
前記第1機構は、前記金型部が前記ガイドバーの軸方向に摺動することを係止する係止部材を有することを特徴とする、
請求項4に記載の中間金型。
【請求項6】
前記係止部材は、前記金型部が前記ガイドバーの軸方向の先端側に向かって摺動することを係止する第
2係止部と、当該金型部が当該ガイドバーの軸方向の前記回転枠体側に向かって摺動することを係止する第
1係止部とを有することを特徴とする、
請求項5に記載の中間金型。
【請求項7】
前記緩衝部材は、前記第2係止部と前記金型部とが接触する部分に配置されていることを特徴とする、
請求項6に記載の中間金型。
【請求項8】
前記金型部は、前記回転移動時および前記型開時に前記第1係止部に係止され、前記型開時に押圧されて可動することで当該第1係止部から解放される被係止部材を有することを特徴とする、
請求項6に記載の中間金型。
【請求項9】
前記被係止部材は、前記対向金型に設けられた押圧部材に押圧されて可動することで前記第1係止部から解放されることを特徴とする、
請求項
8に記載の中間金型。
【請求項10】
前記第2機構は、押圧されて可動する可動フック部と、当該可動フック部を押圧する押圧部材とを有し、前記対向金型に固定された固定フック部に当該可動フック部を係合させることを特徴とする、
請求項
9に記載の中間金型。
【請求項11】
前記可動フック部は、前記型開時に、前記ガイドバーの先端部に設けられた押圧部材に押圧されることで可動すると、前記固定フック部との係合状態が解除されることを特徴とする、
請求項
10に記載の中間金型。
【請求項12】
前記第1機構の前記係止部材は、前記第2機構の前記押圧部材と一体成形された部材であることを特徴とする、
請求項
11に記載の中間金型。
【請求項13】
前記金型部と、前記ガイドバーとの各々が、前記金型部の前記回転移動および前記型開閉動作を許容するサイズおよび形状で構成されていることを特徴とする、
請求項2に記載の中間金型。
【請求項14】
射出成形機の金型装置における固定側金型と可動側金型との間に配置された中間金型であって、
前記固定側金型と前記可動側金型とのうち対向する対向金型と型開閉動作を行う金型部と、
前記金型部を貫通し、前記型開閉動作をガイドするガイドバーと、
回転軸を有し、前記ガイドバーに接合された状態で、当該ガイドバーおよび前記金型部とともに回転する回転枠体と、
前記金型部を前記ガイドバーの先端部に一時的に把持させる第1機構の一部を構成するとともに、前記対向金型に固定された固定フック部に可動フック部を係合させることで当該金型部を当該対向金型に一時的に把持させる第2機構の一部を構成するブロック部材と、
を備え、
前記ブロック部材は、前記第1機構の一部として、前記金型部が前記ガイドバーの軸方向の前記回転枠体側に向かって摺動することを係止する第1係止部と、当該金型部が当該ガイドバーの軸方向の先端側に向かって摺動することを係止する第2係止部とを有し、前記第2機構の一部として、前記第1係止部の反対側に、前記可動フック部の被押圧部を押圧して当該可動フック部を可動させることで前記固定フック部に係合させる押圧部を有することを特徴とする、
中間金型。
【請求項15】
前記ブロック部材の前記押圧部を形成する面と、前記可動フック部の前記被押圧部を形成する面とが平行または略平行であることを特徴とする、
請求項14に記載の中間金型。
【請求項16】
射出成形機の金型装置であって、
固定側金型と可動側金型との間に配置された中間金型が、
前記固定側金型と前記可動側金型とのうち対向する対向金型と型開閉動作を行う金型部と、
前記金型部を貫通し、前記型開閉動作をガイドするガイドバーと、
回転軸を有し、前記ガイドバーに接合された状態で、当該ガイドバーと前記金型部とともに回転する回転枠体と、
型締力を変化させない部分である、前記ガイドバーが貫通する孔の縁部近傍に配置された、前記型開閉動作により生じる衝撃を緩衝する緩衝部材と、
を備え、
前記金型部は、前記ガイドバーの先端部に一時的に把持され、前記対向金型に一時的に把持されることを特徴とする、
金型装置。
【請求項17】
固定側金型と、可動側金型と、当該固定側金型と当該可動側金型との間に配置された中間金型とからなる金型装置が搭載された射出成形機であって、
前記中間金型が、
前記固定側金型と前記可動側金型とのうち対向する対向金型と型開閉動作を行う金型部と、
前記金型部を貫通し、前記型開閉動作をガイドするガイドバーと、
回転軸を有し、前記ガイドバーに接合された状態で、当該ガイドバーと前記金型部とともに回転する回転枠体と、
前記金型部における、前記金型装置の型締力を変化させない部分である、前記ガイドバーが貫通する孔の縁部近傍に配置された、前記型開閉動作により生じる衝撃を緩衝する緩衝部材と、
を備え、
前記金型部は、前記ガイドバーの先端部に一時的に把持され、前記対向金型に一時的に把持されることを特徴とする、
射出成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中間金型、金型装置、および射出成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機を構成する金型装置として、固定側の金型と可動側の金型との間に中間金型が配置されるものがある。また、中間金型として、固定側の金型に対向する位置と、可動側の金型に対向する位置との間を回転しながら移動し、それぞれの位置における型開閉動作を交互に行う回転金型を有するものがある(例えば、特許文献1)。このような回転金型は、固定側の金型または可動側の金型のいずれかと型開閉動作を行うために対向している状態と、それぞれの位置の間を回転しながら移動可能な状態とが交互に繰り返されるように制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、回転金型の状態のうち、固定側の金型または可動側の金型のいずれかと型開閉動作を行うために対向している状態と、固定側の金型に対向する位置と可動側の金型に対向する位置との間を回転しながら移動可能な状態との切り替えを型開閉動作により行うことはできなかった。
【0005】
本発明の目的は、回転金型の状態のうち、固定側の金型または可動側の金型のいずれかと型開閉動作を行うために対向している状態と、固定側の金型に対向する位置と可動側の金型に対向する位置との間を回転しながら移動可能な状態との切り替えを型開閉動作により行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと完成させた本発明は、射出成形機の金型装置における固定側金型と可動側金型との間に配置された中間金型であって、前記固定側金型と前記可動側金型とのうち対向する対向金型と型開閉動作を行う金型部と、前記金型部を貫通し、前記型開閉動作をガイドするガイドバーと、回転軸を有し、前記ガイドバーに接合された状態で、当該ガイドバーおよび前記金型部とともに回転する回転枠体と、を備え、前記金型部は、前記ガイドバーの先端部に一時的に把持され、前記対向金型に一時的に把持されることを特徴とする、中間金型である。
ここで、前記金型部は、前記対向金型に対向する位置の間を回転移動する回転移動時、および前記対向金型との型開時に前記ガイドバーの先端部に把持され、前記対向金型との型閉時に当該対向金型に把持されてもよい。
また、前記ガイドバーの先端部および前記金型部に、当該金型部を当該ガイドバーに把持させるための第1機構と、当該金型部を前記対向金型に把持させるための第2機構とを有してもよい。
また、前記第1機構は、前記金型部が前記対向金型に把持されるときに当該金型部を解放し、前記金型部が当該対向金型から解放されるときに当該金型部を前記ガイドバーに把持させてもよい。
また、前記第1機構は、前記金型部が前記ガイドバーの軸方向に摺動することを係止する係止部材を有してもよい。
また、前記係止部材は、前記金型部が前記ガイドバーの軸方向の先端側に向かって摺動することを係止する第1係止部と、当該金型部が当該ガイドバーの軸方向の前記回転枠体側に向かって摺動することを係止する第2係止部とを有してもよい。
また、前記金型部は、前記回転移動時および前記型開時に前記第1係止部に係止され、前記型開時に押圧されて可動することで当該第1係止部から解放される被係止部材を有してもよい。
また、前記被係止部材は、前記対向金型に設けられた押圧部材に押圧されて可動することで前記第1係止部から解放されてもよい。
また、前記第2機構は、押圧されて可動する可動フック部と、当該可動フック部を押圧する押圧部材とを有し、前記対向金型に固定された固定フック部に当該可動フック部を係合させてもよい。
また、前記可動フック部は、前記型開時に、前記ガイドバーの先端部に設けられた押圧部材に押圧されることで可動すると、前記固定フック部との係合状態が解除されてもよい。
また、前記第1機構の前記係止部材は、前記第2機構の前記押圧部材と一体成形された部材であってもよい。
また、前記金型部と、前記ガイドバーとの各々が、前記金型部の前記回転移動および前記型開閉動作を許容するサイズおよび形状で構成されてもよい。
また、本発明は、射出成形機の金型装置であって、固定側金型と可動側金型との間に配置された中間金型が、前記固定側金型と前記可動側金型とのうち対向する対向金型と型開閉動作を行う金型部と、前記金型部を貫通し、前記型開閉動作をガイドするガイドバーと、回転軸を有し、前記ガイドバーに接合された状態で、当該ガイドバーと前記金型部とともに回転する回転枠体と、を備え、前記金型部は、前記ガイドバーの先端部に一時的に把持され、前記対向金型に一時的に把持されることを特徴とする、金型装置である。
また、本発明は、固定側金型と、可動側金型と、当該固定側金型と当該可動側金型との間に配置された中間金型とからなる金型装置が搭載された射出成形機であって、前記中間金型が、前記固定側金型と前記可動側金型とのうち対向する対向金型と型開閉動作を行う金型部と、前記金型部を貫通し、前記型開閉動作をガイドするガイドバーと、回転軸を有し、前記ガイドバーに接合された状態で、当該ガイドバーと前記金型部とともに回転する回転枠体と、を備え、前記金型部は、前記ガイドバーの先端部に一時的に把持され、前記対向金型に一時的に把持されることを特徴とする、射出成形機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回転金型の状態のうち、固定側の金型または可動側の金型のいずれかと型開閉動作を行うために対向している状態と、固定側の金型に対向する位置と可動側の金型に対向する位置との間を回転しながら移動可能な状態との切り替えを型開閉動作により行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(A)は、本実施の形態にかかる射出成形機の外観構成の一例を示す斜視図である。(B)は、(A)の射出成形機に搭載された金型装置の一部分の外観構成の一例を示す断面斜視図である。
【
図2】カムロック機構の構成および動作を示す図である。
【
図3】カムロック機構の構成および動作を示す図である。
【
図4】カムロック機構の構成および動作を示す図である。
【
図5】第1状態の金型部が天地方向の天側に位置しているときの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(射出成形機の構成)
図1(A)は、本実施の形態にかかる射出成形機100の外観構成の一例を示す斜視図である。
図1(B)は、
図1(A)の射出成形機100に搭載された金型装置1の一部分の外観構成の一例を示す断面斜視図である。
【0010】
図1(A)に示す射出成形機100は、インジェクションブロー成形に用いられる成形機である。インジェクションブロー成形とは、インジェクション成形(射出成形)とブロー成形とを2段階で行う成形の手法のことをいう。インジェクションブロー成形では、まず、インジェクション成形(射出成形)において、製品の原型となるプリフォームを成形する。そして、ブロー成形において、プリフォームの内部に空気を送り込み膨張させることで製品を成形する。
【0011】
射出成形機100は、
図1(B)に示す金型装置1を搭載している。金型装置1は、インジェクションブロー成形を可能にする金型装置であり、中間金型10と、固定側金型30と、可動側金型20と、を含むように構成されている。中間金型10は、固定側金型30と可動側金型20との間に配置された回転金型である。中間金型10は、固定側金型30と可動側金型20との各々と対向する位置で、型閉じを行う型閉動作と、型開きを行う型開動作とを行う。金型装置1は、中間金型10と固定側金型30との型閉動作によりインジェクション成形(射出成形)を行い、中間金型10と可動側金型20との型閉動作によりブロー成形を行う。
【0012】
図1(B)に示すように、中間金型10は、回転枠体11と、金型部12と、支持枠13と、天側部材14とを有する。回転枠体11は、回転軸200により回転する金属製の枠体である。また、図示はしないが、回転枠体11には、回転軸200により回転する軸体が取り付けられている。軸体は、回転枠体11における回転軸方向の第3側および第4側にそれぞれ取り付けられた状態、または回転枠体11を貫通した状態で支持枠13の軸受部に支持されている。また、軸体の第3側と第4側との少なくとも一方には、軸体を回転させる駆動部が接続されている。
【0013】
回転枠体11には、金型部12の型開閉動作をガイドするガイドバー111が固定されている。ガイドバー111は、金型部12を摺動可能に貫通する棒状の金属製の部材である。ガイドバー111の先端部には、金属製のブロック部材122が接合されている。
図1において、ブロック部材122は、金型部12がガイドバー111を摺動することを係止している。この状態は、金型部12がガイドバー111の先端部に把持されている状態となる。
【0014】
金型部12は、金型のプレートであり、2枚の金型部12がガイドバー111を介して回転枠体11に着脱可能に取り付けられている。金型部12は、回転枠体11が回転軸200により回転すると、それとともに回転し、固定側金型30との型閉動作によりインジェクション成形(射出成形)を行う位置と、可動側金型20との型閉動作によりブロー成形を行う位置との間を回転しながら移動する。
【0015】
金型部12は、ガイドバー111の先端部に把持されるための第1機構を構成する摺動機構201を有する。また、金型部12は、固定側金型30と可動側金型20とのうち、自身と対向して型開閉動作の対象となる金型(以下、「対向金型」と呼ぶ。)に把持されるための第2機構を構成する摺動機構202を有する。なお、摺動機構201および摺動機構202の各々の構成および動作の詳細については、
図2以降の図を参照して後述する。
【0016】
支持枠13は、金型部12の第1側および第2側の各々を着脱可能に支持する部材であり、射出成形機100の内部に固定されている。支持枠13には、開閉方向に貫通する貫通孔131が設けられている。貫通孔131は、金型部12と固定側金型30との型開閉動作、および金型部12と可動側金型20との型開閉動作を案内するタイバー(図示せず)を摺動させるための貫通孔である。なお、
図1(B)は断面図であるため、支持枠13のうち、金型部12の第2側を支持する部分のみ示されてるが、実際には金型部12の第1側を支持する部分が存在する。
【0017】
天側部材14は、支持枠13の天地方向の天側に配置された部材である。天側部材14と支持枠13とは、ボルト等により着脱可能に接続されていてもよいし、溶接等で接合されていてもよい。また、支持枠13の地側には、支持枠13を射出成形機100の内部に固定するための地側部材(図示せず)が配置されている。
【0018】
ガイドバー111と、ガイドバー111の先端部に把持された金型部12との各々は、金型部12の回転動作と、金型部12の型開閉動作とを許容するサイズで構成されている。すなわち、ガイドバー111と金型部12との各々は、ガイドバー111の先端部に把持された金型部12が回転移動する際、金型部12の一部(例えば端部)と対向金型の一部(例えば端部)とが干渉しないサイズおよび形状で構成されている。
【0019】
(カムロック機構の構成および動作)
図2乃至
図4は、カムロック機構の構成および動作を示す図である。
図2乃至
図4には、上述の
図1の金型装置1を回転軸方向の第3側から第4側に向かって見たときにおける金型装置1の状態が示されている。本実施の形態において、「カムロック機構」とは、金型部12の状態のうち、固定側金型30に対向する位置と、可動側金型20に対向する位置との間を回転移動している状態(以下、「第1状態」と呼ぶ。)から、固定側金型30または可動側金型20のいずれかと型開閉動作を行うために対向している状態(以下、「第2状態」と呼ぶ。)との切り替えを1回の型開閉動作により実現させるための機構のことをいう。
【0020】
すなわち、金型部12は、第1状態のときには、一時的にガイドバー111の先端部に把持され、対向金型に把持されていない状態になるので、安定的に回転移動できる。また、金型部12は、第2状態のときには、一時的に対向金型に把持され、ガイドバー111の先端部に把持されていない状態になるので、型閉時には型閉動作による衝撃の影響を抑制でき、型開時には離型の順番を遵守できる。
【0021】
カムロック機構は、
図2乃至
図4に示すように、ガイドバー111の先端部に接合されたブロック部材122と、金型部12に設けられた摺動機構201および202と、固定側金型30に固定された固定フック31とで構成される。ブロック部材122は、金型部12がガイドバー111の軸方向に摺動することを係止する機能を有する部材である。ブロック部材122は、第1係止部123と、第2係止部124とを有する。
【0022】
第1係止部123は、ブロック部材122の開閉方向の第1側の端部から天地方向の天側に突出した凸状の部位である、第1係止部123は、金型部12がガイドバー111の軸方向の回転枠体11側(
図2乃至
図4では開閉方向の第1側)に向かって摺動することを係止する。第2係止部124は、ブロック部材122の開閉方向の第1側の端部に形成された面である。第2係止部124は、金型部12がガイドバー111の軸方向の先端側(
図2乃至
図4では開閉方向の第2側)に向かって摺動することを係止する。第2係止部124と、金型部12の第2側の面121との接触部分には、接触時の衝撃を緩衝するための緩衝部材126が配置されている。緩衝部材126としては、例えば、ウレタン等の発泡部材などである。
【0023】
摺動機構201は、第1機構の一部を構成し、金型部12がガイドバー111の先端部に把持されるようにするための機構である。摺動機構201は、被係止部材211と、固定部材212と、バネ機構213とを有する。被係止部材211は、ガイドバー111のブロック部材122に係止される部材である。固定部材212は、金型部12の開閉方向の第2側の面121に摺動機構201を固定する部材である。固定部材212の内側には、被係止部材211を摺動させるための空間が形成されている。バネ機構213は、バネの弾性力を用いて被係止部材211をガイドバー111に向かって摺動させ、ブロック部材122に係止された状態にするための機構である。なお、バネ機構213に替えて、ショックアブソーバ、ガススプリング、シリンダなどを用いてもよい。
【0024】
摺動機構202は、第2機構の一部を構成し、金型部12が固定側金型30に把持されるようにするための機構である。摺動機構202は、可動フック221と、固定部材222と、バネ機構223とを有する。可動フック221は、固定側金型30の固定フック31に係合される部材である。固定部材222は、金型部12の第2側の面121に摺動機構202を固定する部材である。固定部材222の内側には可動フック221を摺動させるための空間が形成されている。バネ機構223は、バネの弾性力を用いて可動フック221をガイドバー111に向かってに摺動させ、固定側金型30の固定フック31に係合された状態にするための機構である。なお、バネ機構223に替えて、ショックアブソーバ、ガススプリング、シリンダなどを用いてもよい。
【0025】
図2に示す金型部12の状態は第1状態である。
図2に示すように、金型部12が第1状態にある場合には、ガイドバー111のブロック部材122の第1係止部123が、金型部12の摺動機構201の被係止部材211を係止し、ブロック部材122の第2係止部124が、金型部12の第2側の面121を係止している。また、ブロック部材122の天地方向の地側の面を形成する押圧部125が、金型部12の摺動機構202の可動フック221の天地方向の天側の面を形成する被押圧部224を地側に押圧して可動フック221を押し下げている。
【0026】
金型部12の第1状態において、ブロック部材122の第1係止部123における開閉方向の第2側の面の傾斜角度は、摺動機構201の被係止部材211における開閉方向の第1側の面の傾斜角度と同一または略同一である。これにより、第1係止部123が被係止部材211を面で係止するので、第1係止部123に対して力が均一に加わる。これに対して、傾斜角度を同一または略同一としなかった場合には、第1係止部123に対して偏った力が加わり、接触不良、劣化、破損等のリスクが高くなる。
【0027】
さらに、本実施の形態にかかる第1係止部123の開閉方向の第2側の面、および被係止部材211の開閉方向の第1側の面は、いずれも天地方向の天側の端部よりも地側の端部の方が開閉方向の第2側に位置するように傾いている。これにより、ブロック部材122が開閉方向の第2側に向かって移動する際、第1係止部123の開閉方向の第2側の面と、被係止部材211の開閉方向の第1側の面とが摺動しやすくなる。その結果、第1係止部123により係止された被係止部材211の解除動作がスムーズになる。
【0028】
また、金型部12の第1状態において、ブロック部材122の第2係止部124の傾斜角度は、金型部12の開閉方向の第2側の面の傾斜角度と同一または略同一である。これにより、第2係止部124が金型部12を面で係止するので、第2係止部124に対して力が均一に加わる。これに対して、傾斜角度を同一または略同一としなかった場合には、第2係止部124に対して偏った力が加わり、接触不良、劣化、破損等のリスクが高くなる。
【0029】
また、金型部12の第1状態において、ブロック部材122の押圧部125の傾斜角度は、摺動機構202の可動フック221の被押圧部224の傾斜角度と同一または略同一である。これにより、押圧部125が被押圧部224を面で押圧するので、被押圧部224に対して力が均一に加わる。これに対して、傾斜角度を同一または略同一としなかった場合には、被押圧部224に対して偏った力が加わり、接触不良等のリスクが高くなる。
【0030】
さらに、本実施の形態にかかるブロック部材122の押圧部125、および摺動機構202の可動フック221の被押圧部224は、いずれも開閉方向の第1側の端部よりも第2側の端部の方が天地方向の地側に位置するように傾いている。これにより、ブロック部材122が開閉方向の第1側に移動すると、被押圧部224に対して押圧部125が摺動しながら可動フック221を押し下げ、固定フック31に係合された可動フック221が解除させる。
【0031】
図3および
図4に示す金型部12の状態は第2状態である。金型部12と固定側金型30との型閉動作が開始されるタイミング、すなわち、ブロック部材122が金型部12を係止した状態が解除され、可動フック221と固定フック31とが係合したタイミングで、金型部12の状態が第1状態から第2状態に移行する。金型部12と固定側金型30との型閉動作では、ガイドバー111が固定側金型30に挿入される。すると、
図3に示すように、固定側金型30のローラーフォロア32が被係止部材211に接触し、そのまま被係止部材211を押し上げる。具体的には、上述の
図1の回転軸方向の回転軸を有するローラーフォロア32が、被係止部材211の被押圧面214の表面を転がりながら、被係止部材211がガイドバー111から離隔する方向(
図3の天地方向の天側および開閉方向の第1側)に向かって押圧し、被係止部材211を押し上げる。これにより、ブロック部材122が被係止部材211を係止している状態が解除される。その結果、金型部12が、回転枠体11に向かってガイドバー111を摺動する。
【0032】
図3および
図4示す金型部12の第2状態において、摺動機構201の被係止部材211の被押圧面214は、開閉方向の第1側の端部よりも第2側の端部が天地方向の天側に位置するように傾斜している。これにより、固定側金型30のローラーフォロア32が被係止部材211の被押圧面214の表面を転がりながら被係止部材211を押し上げる際、ローラーフォロア32が被押圧面214の表面を転がりやすくなる。なお、ローラーフォロア32を、同様の傾斜角を有する他のテーパー部材に置き換えてもよい。
【0033】
また、固定側金型30にガイドバー111が挿入されると、ブロック部材122が可動フック221を係止している状態が解除される。すると、バネ機構223の弾性力によって可動フック221がガイドバー111に向かって摺動し、可動フック221と固定フック31とが係合される。その後、固定側金型30にガイドバー111が完全に挿入されて、回転枠体11と金型部12とが接触する。これにより、金型部12と固定側金型30との型閉動作が完了し、
図4に示す状態になる。
【0034】
金型部12と固定側金型30との型閉動作が完了すると、型開動作が開始される。型開動作は、上述の
図4に示す第2状態を上述の
図2に示す第1状態に戻す動作である。すなわち、可動フック221と固定フック31との係合が解除され、ブロック部材122が金型部12を係止したタイミングで、金型部12の状態は第2状態から第1状態に移行する。金型部12と固定側金型30との型開動作では、固定側金型30からガイドバー111が引き抜かれる。
【0035】
すると、
図2に示すように、固定側金型30のローラーフォロア32と被係止部材211とが離隔した状態となり、バネ機構213が被係止部材211をガイドバー111に向かって摺動させる。具体的には、ローラーフォロア32が、被係止部材211の被押圧面214の表面を転がった後に離隔すると、バネ機構213が被係止部材211をガイドバー111に接近する方向(
図2の天地方向の地側)向かって押圧し、被係止部材211を押し下げる。これにより、ブロック部材122が被係止部材211を係止する。その結果、金型部12が回転枠体11に向かってガイドバー111を摺動することを係止した状態になる。
【0036】
また、固定側金型30からガイドバー111が引き抜かれると、ブロック部材122の押圧部125が可動フック221の被押圧部224に接触して可動フック221を押圧する。すると、可動フック221がガイドバー111から離隔する方向(
図2の天地方向の地側)に向かって摺動し、可動フック221と固定フック31との係合が解除されて可動フック221が解放される。これにより、金型部12と固定側金型30との型開動作が完了し、
図2に示す状態になる。
【0037】
図5は、第1状態の金型部12が天地方向の天側に位置しているときの様子を示す図である。
図5に示すように、金型部12が天地方向の天側に位置しているときには、金型部12に対して、ガイドバー111に沿って回転枠体11の方向に摺動させようとする力が加わる。しかしながら、
図5に示す状態においても、上述の
図2に示す状態と同様に、ガイドバー111のブロック部材122の第1係止部123が、金型部12の摺動機構201の被係止部材211を係止している。これにより、金型部12は、ガイドバー111に沿って回転枠体11の方向に摺動しない。
【0038】
また、金型部12が天側に位置しているときには、回転移動時に生じる遠心力により、金型部12に対して、ガイドバー111に沿って先端方向に摺動させようとする力が加わる。しかしながら、
図5に示す状態においても、上述の
図2に示す状態と同様に、ガイドバー111のブロック部材122の第2係止部124が、金型部12の第2側の面121を係止している。これにより、金型部12は、ガイドバー111に沿って先端方向に摺動しない。以上のことから、
図5に示す状態においても、金型部12がガイドバー111の先端部に把持された状態が維持される。
【0039】
以上まとめると、本発明が適用される中間金型、金型装置、および射出成形機は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
すなわち、本実施の形態にかかる中間金型10は、射出成形機100の金型装置1における固定側金型30と可動側金型20との間に配置された中間金型であって、固定側金型30と可動側金型20とのうち対向する対向金型(固定側金型30または可動側金型20)と型開閉動作を行う金型部12と、金型部12を貫通し、型開閉動作をガイドするガイドバー111と、回転軸200を有し、ガイドバー111に接合された状態でガイドバー111および金型部12とともに回転する回転枠体11と、を備え、金型部12は、ガイドバー111の先端部に一時的に把持され、対向金型に一時的に把持されることを特徴とする、中間金型である。
【0040】
これにより、対向金型と型開閉動作を行う金型部12と、金型部12を貫通した状態で型開閉動作をガイドするガイドバー111と、ガイドバー111に接合された状態でガイドバー111および金型部12とともに回転する回転枠体11とを有する中間金型10において、金型部12が、ガイドバー111の先端部に一時的に把持され、対向金型に一時的に把持される。その結果、金型部12の状態のうち、ガイドバー111の先端部に把持された状態と、対向金型に把持された状態との切り替えを型開閉動作により行うことが可能となる。
【0041】
ここで、金型部12は、対向金型に対向する位置の間を回転移動する回転移動時、および対向金型との型開時にガイドバー111の先端部に把持され、対向金型との型閉時に対向金型に把持されてもよい。
これにより、金型部12が、対向金型に対向する位置の間を回転移動する回転移動時、および対向金型との型開時にガイドバー111の先端部に把持され、対向金型との型閉時に対向金型に把持される。その結果、金型部12の状態のうち、ガイドバー111の先端部に把持された状態で、対向金型に対向する位置の間を回転移動可能とする第1状態と、固定側金型30または可動側金型20のいずれかと型開閉動作を行うために対向している第2状態との切り替えを型開閉動作により行うことが可能となる。
【0042】
また、ガイドバー111の先端部および金型部12に、金型部12をガイドバー111に把持させるための第1機構(ブロック部材122および摺動機構201)と、金型部12を対向金型に把持させるための第2機構(ブロック部材122および摺動機構202)とを有してもよい。
これにより、ガイドバー111の先端部において、第1機構が、金型部12を把持するために機能し、第2機構が、金型部12を対向金型に把持させるために機能する。その結果、金型部12の状態のうち、ガイドバー111の先端部に把持された状態で、対向金型に対向する位置の間を回転移動可能とする第1状態と、固定側金型30または可動側金型20のいずれかと型開閉動作を行うために対向している第2状態とをつくりだすことが可能となる。
【0043】
また、第1機構は、金型部12が対向金型に把持されるときに金型部12を解放し、金型部12が対向金型から解放されるときに金型部12をガイドバー111に把持させてもよい。
これにより、第1機構が、金型部12が対向金型に把持されるときに金型部12を解放し、金型部12が対向金型から解放されるときに金型部12をガイドバー111に把持させるので、金型部12がガイドバー111の先端部に把持された状態と、金型部12が対向金型に把持された状態との切り替えが潤滑に行われる。
【0044】
また、第1機構は、金型部12がガイドバー111の軸方向に摺動することを係止する係止部材(ブロック部材122)を有してもよい。
これにより、第1機構の係止部材が、金型部12がガイドバー111の軸方向に摺動することを係止するので、ガイドバー111の先端部に金型部12を把持させることができる。
【0045】
また、係止部材は、金型部12がガイドバー111の軸方向の先端側に向かって摺動することを係止する第1係止部123と、金型部12がガイドバー111の軸方向の回転枠体11側に向かって摺動することを係止する第2係止部124とを有してもよい。
これにより、係止部材の第1係止部123が、ガイドバー111の軸方向の先端側に向かって金型部12が摺動することを係止し、係止部材の第2係止部124が、ガイドバー111の軸方向の回転枠体11側に向かって金型部12が摺動することを係止する。その結果、ガイドバー111の先端部に金型部12を把持させることができる。
【0046】
また、金型部12は、回転移動時および型開時に第1係止部123に係止され、型開時に押圧されて可動することで第1係止部123から解放される被係止部材211を有してもよい。
これにより、金型部12の被係止部材211が、回転移動時および型開時に第1係止部123に係止され、型開時に押圧されて可動することで第1係止部123から解放される。その結果、型開閉動作に合わせて金型部12の状態の切り替えることが可能となる。
【0047】
また、被係止部材は、対向金型に設けられた押圧部材(ローラーフォロア32)に押圧されて可動することで第1係止部123から解放されてもよい。
これにより、被係止部材が、対向金型に設けられた押圧部材に押圧されて可動することで第1係止部123から解放される。その結果、型閉動作に合わせてガイドバー111から金型部12を解放することが可能となる。
【0048】
また、第2機構は、押圧されて可動する可動フック221と、可動フック221を押圧する押圧部材(ブロック部材122)とを有し、対向金型に固定された固定フック31に可動フック221を係合させてもよい。
これにより、可動フック221が押圧部材に押圧されて可動することで固定フック31に係合される。その結果、型閉動作に合わせて対向金型に金型部12を把持させることができる。
【0049】
また、可動フック221は、型開時に、ガイドバー111の先端部に設けられた押圧部材(ブロック部材122)に押圧されることで可動すると、固定フック31との係合状態が解除されてもよい。
これにより、可動フック221が、型開時に、ガイドバー111の先端部に設けられた押圧部材に押圧されることで可動すると、固定フック31との係合状態が解除される。その結果、対向金型に把持された金型部12を型開動作に合わせて解放することができる。
【0050】
また、第1機構の係止部材は、第2機構の押圧部材と一体成形された部材(ブロック部材122)であってもよい。
これにより、第1機構の係止部材と、第2機構の押圧部材とが一体成形されるため、機構のコンパクト化を図ることができる。
【0051】
また、金型部12と、ガイドバー111との各々が、金型部12の回転移動および型開閉動作を許容するサイズおよび形状で構成されていてもよい。
これにより、金型部12と、ガイドバー111との各々が、金型部12の回転移動および型開閉動作を許容するサイズおよび形状で構成されるため、ガイドバー111の先端部に把持された金型部12が回転移動する際、金型部12と対向金型との衝突等の干渉を抑制できる。
【0052】
また、本実施の形態にかかる金型装置1は、射出成形機100の金型装置であって、固定側金型30と可動側金型20との間に配置された中間金型10が、固定側金型30と可動側金型20とのうち対向する対向金型と型開閉動作を行う金型部12と、金型部12を貫通し、型開閉動作をガイドするガイドバー111と、回転軸200を有し、ガイドバー111に接合された状態で、ガイドバー111と金型部12とともに回転する回転枠体11と、を備え、金型部12は、ガイドバー111の先端部に一時的に把持され、対向金型に一時的に把持されることを特徴とする、金型装置である。
【0053】
これにより、対向金型と型開閉動作を行う金型部12と、金型部12を貫通した状態で型開閉動作をガイドするガイドバー111と、ガイドバー111に接合された状態でガイドバー111および金型部12とともに回転する回転枠体11とを有する中間金型10を含む金型装置1において、金型部12が、ガイドバー111の先端部に一時的に把持され、対向金型に一時的に把持される。その結果、金型部12の状態のうち、固定側金型30に対向する位置と可動側金型20に対向する位置との間を回転移動可能な第1状態と、固定側金型30または可動側金型20のいずれかと型開閉動作を行うために対向している第2状態との切り替えを型開閉動作により行うことができる。
【0054】
また、本実施の形態にかかる射出成形機100は、固定側金型30と、可動側金型20と、固定側金型30と可動側金型20との間に配置された中間金型10とからなる金型装置1が搭載された射出成形機であって、中間金型10が、固定側金型30と可動側金型20とのうち対向する対向金型と型開閉動作を行う金型部12と、金型部12を貫通し、型開閉動作をガイドするガイドバー111と、回転軸200を有し、ガイドバー111に接合された状態で、ガイドバー111と金型部12とともに回転する回転枠体11と、を備え、金型部12は、ガイドバー111の先端部に一時的に把持され、対向金型に一時的に把持されることを特徴とする、射出成形機である。
【0055】
これにより、対向金型と型開閉動作を行う金型部12と、金型部12を貫通した状態で型開閉動作をガイドするガイドバー111と、ガイドバー111に接合された状態でガイドバー111および金型部12とともに回転する回転枠体11とを有する中間金型10を含む金型装置1を備える射出成形機100において、金型部12が、ガイドバー111の先端部に一時的に把持され、対向金型に一時的に把持される。その結果、金型部12の状態のうち、固定側金型30に対向する位置と可動側金型20に対向する位置との間を回転移動可能な第1状態と、固定側金型30または可動側金型20のいずれかと型開閉動作を行うために対向している第2状態との切り替えを型開閉動作により行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1…金型装置、10…中間金型、11…回転枠体、12…金型部、13…支持枠、14…天側部材、31…固定フック、32…ローラーフォロア、111…ガイドバー、122…ブロック部材、200…回転軸、201,202…摺動機構、211…被係止部材、221…可動フック
【要約】
【課題】回転金型の状態のうち、固定側の金型または可動側の金型のいずれかと型開閉動作を行うために対向している状態と、固定側の金型に対向する位置と可動側の金型に対向する位置との間を回転しながら移動可能な状態との切り替えを型開閉動作により行う。
【解決手段】射出成形機の金型装置における固定側金型と可動側金型との間に配置された中間金型10は、固定側金型と可動側金型とのうち対向する対向金型と型開閉動作を行う金型部12と、金型部12を貫通し、型開閉動作をガイドするガイドバー111と、回転軸を有し、ガイドバー111に接合された状態で、ガイドバー111および金型部12とともに回転する回転枠体11と、を備え、金型部12は、ガイドバー111の先端部に一時的に把持され、対向金型に一時的に把持される。
【選択図】
図2