(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】気流計測システム、通信モジュール
(51)【国際特許分類】
G01P 13/00 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
G01P13/00 E
(21)【出願番号】P 2021540675
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(86)【国際出願番号】 JP2020028010
(87)【国際公開番号】W WO2021033475
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2019150833
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】永渡 実
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-63055(JP,A)
【文献】特表2015-524910(JP,A)
【文献】特開2013-11460(JP,A)
【文献】特開2005-3313(JP,A)
【文献】特開2014-36273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0303166(US,A1)
【文献】特開2001-264180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P13/00-13/04
G08C13/00-25/04
F24F11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信モジュールと、情報処理装置とを含む気流計測システムであって、
前記通信モジュールは、
通信端末とメッシュネットワークを介して通信し、気流解析対象である空間の任意の位置に設置され、
気流センサと、
電力源であるバッテリと、前記気流センサから出力されるデータを取得し、前記データを無線通信によって外部へ送信する通信部と、を含む本体部と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記複数の通信モジュールの前記気流センサから出力される前記データを収集するデータ収集部と、
前記データに含まれる、前記気流センサが検出した風向と風速と、自機を特定するための識別情報と、前記複数の通信モジュールが設置された位置を示す情報とに基づき、空間の気流の状態を予測する気流予測部と、
前記予測した結果を出力する出力部と、を有
し、
前記出力部は、
前記複数の通信モジュールのうちの各通信モジュールから取得された前記データを含む第一の画面と、
前記複数の通信モジュールから収集したデータを含む第二の画面と、を端末装置に表示させる、気流計測システム。
【請求項2】
前記データは、温度、湿度、気圧、照度、前記バッテリの残容量の少なくともひとつを含み、
前記第一の画面では、前記通信モジュールの識別情報と、前記通信モジュールから取得された前記データが示す数値とが対応付けられて表示され、
前記第二の画面では、前記複数の通信モジュールのそれぞれすら収集された前記データから作成されたグラフが表示される、請求項1記載の気流計測システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記収集したデータに基づき、前記複数の通信モジュールが配置された空間における粉塵の動きを予測する粉塵予測部を有する、請求項1
又は2記載の気流計測システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、
前記気流予測部と前記粉塵予測部0の予測結果に基づき、前記複数の通信モジュールが配置された空間内に、管理されている物品に対して気流や粉塵が影響を及ぼす可能性がある箇所をあるか否かを判定する影響箇所判定部を有する、請求項3記載の気流計測システム。
【請求項5】
複数の通信モジュールと、情報処理装置とを含む気流計測システムであって、
前記通信モジュールは、
気流センサと、
前記気流センサから出力されるデータを取得し、前記データを無線通信によって外部へ送信する通信部を含む本体部と、を有し、
微粒子計の近傍に配置されており、前記微粒子計による測定結果を取得して、前記気流センサから出力されるデータと共に前記情報処理装置へ送信し、
前記情報処理装置は、
前記複数の通信モジュールの前記気流センサから出力される前記データを収集するデータ収集部と、
前記収集したデータを出力する出力部と、
前記収集したデータに基づき、前記複数の通信モジュールが配置された空間の気流の状態を予測する気流予測部と、
前記収集したデータに基づき、前記複数の通信モジュールが配置された空間における粉塵の動きを予測する粉塵予測部と、を有し、
前記粉塵予測部は、
前記微粒子計による計測結果を用いて前記粉塵の動きを予測する、気流計測システム。
【請求項6】
前記出力部は、
前記気流予測部による予測結果と、前記粉塵予測部による予測結果と、を表示装置に表示させる、請求項
5記載の気流計測システム。
【請求項7】
前記複数の通信モジュールと、前記情報処理装置とは、通信端末を介して通信を行う、請求項
6記載の気流計測システム。
【請求項8】
通信端末とメッシュネットワークを介して通信し、気流解析対象である空間の任意の位置に設置される通信モジュールであって、
気流センサと、
電力源であるバッテリと、前記気流センサから出力されるデータを取得し、前記データを無線通信によって外部へ送信する通信部と、を含む本体部と、を有し、
前記本体部は、
温度センサ、湿度センサ、加速度センサ、照度センサ、紫外線センサの少なくとも何れか1つを含み、
前記データは、温度、湿度、気圧、照度、前記バッテリの残容量を含み、前記気流を可視化するための情報の生成に用いられる、通信モジュール。
【請求項9】
前記気流センサは、
前記通信モジュールが設置された空間における空気の流向又は流速を検出する、請求項
8記載の通信モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気流計測システム、通信モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、空気等の流体の流向や流速を測定するセンサ素子を搭載した流向流速測定装置が知られている。このような流向流速測定装置は、センサ素子が実装された基板を保持する筐体と、外周部が複数の支柱により筐体に固定された流路板とを有するものが知られている。また、従来では、データセンタ内の気流を計測する気流計測装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-54528号公報
【文献】特許第6494811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の技術では、気流の計測を行う度に、計測者が気流計測装置を適当な場所に移動させてセットする必要があり、煩雑である。
【0005】
開示の技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、容易に気流を計測することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術は、複数の通信モジュール(200)と、情報処理装置(400)とを含む気流計測システム(100)であって、前記通信モジュールは、通信端末とメッシュネットワークを介して通信し、気流解析対象である空間の任意の位置に設置され、気流センサ(210)と、電力源であるバッテリと、前記気流センサから出力されるデータを取得し、前記データを無線通信によって外部へ送信する通信部(222)と、を含む本体部(220)と、を有し、前記情報処理装置は、前記複数の通信モジュールの前記気流センサから出力される前記データを収集するデータ収集部(410)と、前記データに含まれる、前記気流センサが検出した風向と風速と、自機を特定するための識別情報と、前記複数の通信モジュールが設置された位置を示す情報とに基づき、空間の気流の状態を予測する気流予測部と、前記予測した結果を出力する出力部(450)と、を有し、前記出力部は、前記複数の通信モジュールのうちの各通信モジュールから取得された前記データを含む第一の画面と、前記複数の通信モジュールから収集したデータを含む第二の画面と、を端末装置に表示させる。
【発明の効果】
【0007】
容易に気流を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第一の実施形態の気流計測システムのシステム構成について説明する図である。
【
図2】気流計測システムの利用シーンを説明する第一の図である。
【
図6】第一の実施形態の情報処理装置のハードウェア構成を説明する図である。
【
図7】第一の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。
【
図8】第一の実施形態の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図9】第一の実施形態の処理結果の出力例を示す図である。
【
図10A】第一の実施形態の通信モジュールから収集されたデータの出力例を示す第一の図である。
【
図10B】第一の実施形態の通信モジュールから収集されたデータの出力例を示す第二の図である。
【
図11】第二の実施形態の気流計測システムのシステム構成について説明する図である。
【
図12】第三の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。
【
図13】第四の実施形態の気流計測システムのシステム構成を説明する図である。
【
図14】第四の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。
【
図15】通信モジュールの配置を説明する図である。
【
図16】気流計測システムの利用シーンを説明する第二の図である。
【
図17】気流計測システムの利用シーンを説明する第三の図である。
【
図18】気流計測システムの利用シーンを説明する第四の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して、第一の実施形態について説明する。
図1は、第一の実施形態の気流計測システムのシステム構成について説明する図である。
【0010】
本実施形態の気流計測システム100は、通信モジュール群200Gと、通信端末300と、情報処理装置400と、を含む。
【0011】
通信モジュール群200Gは、複数の通信モジュール200-1、200-2、・・・、200-5を含む。尚、複数の通信モジュール200-1、200-2、・・・、200-5のそれぞれを区別しない場合には、通信モジュール200と呼ぶ。
【0012】
また、
図1では、通信モジュール群200Gは、5つの通信モジュール200-1、200-2、・・・、200-5を含むものとしたが、通信モジュール群200Gに含まれる通信モジュール200の数は、
図1に示す5つに限定されない。通信モジュール群200Gに含まれる通信モジュール200の数は限定されない。
【0013】
本実施形態の通信モジュール200は、風向又は風速を検出するための気流センサと、気流センサによって検出されたデータを通信端末300へ送信する無線通信機能と、を有する。通信モジュール200の詳細は、後述する。
【0014】
通信端末300は、通信モジュール200と情報処理装置400との間の通信を中継するアクセスポイントとなる。
【0015】
情報処理装置400は、通信端末300を介して、通信モジュール群200Gからデータを収集する。また、情報処理装置400は、収集したデータを解析し、通信モジュール群200Gが設置された空間の空気の流れを解析する。
【0016】
また、情報処理装置400は、ネットワーク等を介して端末装置500と通信を行い、端末装置500へ解析結果を出力する。
【0017】
また、
図1の例では、通信端末300と情報処理装置400とを別々に設けるものとしたが、これに限定されない。通信端末300と情報処理装置400とは、1つの装置に含まれても良い。言い換えれば、通信端末300は、情報処理装置400に含まれて良い。
【0018】
次に、
図2を参照して、本実施形態の気流計測システム100の利用シーンについて説明する。
図2は、気流計測システムの利用シーンを説明する第一の図である。
【0019】
図2は、例えば、半導体集積回路の製造工場等に設けられたクリーンルーム2の上面図である。
図2の例では、クリーンルーム2内に複数の通信モジュール200が配置されている。通信モジュール200は、任意の場所に設置可能であり、例えば、クリーンルーム2の管理者等によって、設置場所が決められても良い。
【0020】
本実施形態の各通信モジュール200と、通信端末300とは、例えば、Bluetoothを用いたメッシュネットワークを介して通信を行う。したがって、各通信モジュール200のそれぞれは、情報の受信元と送信先が決まっている。
【0021】
例えば、通信モジュール200-1は、情報の受信元である通信端末300から、通信モジュール200-3の気流センサ210が検出したデータの送信要求を受信すると、この送信要求を、情報の送信先である通信モジュール200-2へ送信する。
【0022】
通信モジュール200-2は、情報の受信元である通信モジュール200-1から、通信モジュール200-3の気流センサ210が検出したデータの送信要求を受信すると、この送信要求を、情報の送信先である通信モジュール200-3へ送信する。
【0023】
通信モジュール200-3は、情報の受信元である通信モジュール200-1から、気流センサ210が検出したデータの送信要求を受信すると、通信モジュール200-3の気流センサ210が検出したデータを通信モジュール200-2へ返す。通信モジュール200-2は、このデータを通信モジュール200-1へ返し、通信モジュール200-1は、このデータを通信端末300へ返す。
【0024】
本実施形態では、このような通信を繰り返し、通信モジュール群200Gに含まれる各通信モジュール200において、気流センサ210によって検出されたデータを収集する。
【0025】
また、本実施形態の気流計測システム100は、例えば、機械製造工場内の気流の管理や、植物を生育する植物工場内の気流の管理等に適用されても良い。
【0026】
本実施形態によれば、空間における任意の箇所に通信モジュール200を設置することで、多点の気流の変化をモニタリングすることができる。また、本実施形態では、メッシュネットワークを用いるため、アクセスポイントを複数設ける必要がなく、遮蔽物等が存在する大規模な工場等であっても1つのシステムで多点の気流を計測することができる。このため、本実施形態によれば、気流計測システム100を低コストで簡単に導入することができる。
【0027】
次に、
図3乃至
図5を参照して、本実施形態の通信モジュール200について説明する。
図3は、通信モジュールについて説明する図であり、
図4は、気流センサについて説明する図であり、
図5は、本体部について説明する図である。
【0028】
本実施形態の通信モジュール200は、気流センサ210と、本体部220とを有する。
【0029】
気流センサ210は、流路形成部211と、筐体212とを有する流向流速測定装置である。気流センサ210において、流路形成部211と筐体212とが固着されている。
【0030】
筐体212は、ほぼ円筒状の外枠214と、開口部が形成された環状の基板固定部213と、ほぼ円盤状の底蓋215とを有する。基板固定部213は、外枠214の上端部から内側に延在している。例えば、外枠214と基板固定部213とは、一体成形されている。また、筐体212の内部には、基板固定部213によって固定された基板が収納されており、基板には、空気等の流体の流向及び流速を検出するセンサ素子が実装されている。
【0031】
底蓋215は、外枠214の下端部に接続されている。底蓋215には、外部接続端子216が挿通される複数の貫通孔が形成されている。
【0032】
気流センサ210は、外部接続端子216が本体部220に差し込まれることで、本体部220と導通する。
【0033】
本実施形態の本体部220は、演算処理装置221、通信装置222、温湿度センサ223、気圧センサ224、照度センサ225、UV(ultraviolet)センサ226、加速度センサ227、バッテリ228を有する。
【0034】
演算処理装置221は、気流センサ210とシリアルバスで接続されており、気流センサ210から出力されるデータを取得する。通信装置222は、データの受信元及びデータの送信先との通信を行う。
【0035】
温湿度センサ223は、通信モジュール200が設置された空間の温度と湿度を検出する。温度と湿度は、通信モジュール200が設置された空間の温度管理と湿度管理に用いられても良い。
【0036】
気圧センサ224は、通信モジュール200が設置された空間の気圧を検出する。気圧
は、例えば、気圧が影響する湿度の補正等に用いられても良い。
【0037】
照度センサ225は、通信モジュール200が設置された空間の照度を検出する。UV(ultraviolet;紫外線)センサ226は、通信モジュール200が設置された空間の紫外線の強度を検出する。
【0038】
加速度センサ227は、通信モジュール200の加速度を検出する。本実施形態では、例えば、加速度センサ227によって検出された値によって、通信モジュール200が設置された場所から落下したことを検出したりできる。バッテリ228は、通信モジュール200を駆動させるための電力を供給する電力源である。
【0039】
尚、本実施形態の本体部220は、温湿度センサ223、気圧センサ224、照度センサ225、UVセンサ226、加速度センサ227を有するものとしたが、これに限定されない。本体部220は、演算処理装置221と通信装置222とバッテリ228を有していれば良く、気流センサ210以外のセンサは有していなくても良い。また、本実施形態の本体部220は、温湿度センサ223、気圧センサ224、照度センサ225、UVセンサ226、加速度センサ227のうち、いずれか1つ又は複数を有していても良い。
【0040】
次に、
図6を参照して、本実施形態の情報処理装置400のハードウェア構成について説明する。
図6は、第一の実施形態の情報処理装置のハードウェア構成を説明する図である。
【0041】
本実施形態の情報処理装置400は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置41、出力装置42、ドライブ装置43、補助記憶装置44、メモリ装置45、演算処理装置46及びインターフェース装置47を含むコンピュータである。
【0042】
入力装置41は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等により実現される。出力装置42は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等により実現される。インターフェース装置47は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0043】
情報処理プログラムは、情報処理装置400を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。情報処理プログラムは、例えば、記憶媒体48の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。情報処理プログラムを記録した記憶媒体48は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
【0044】
また、情報処理プログラムは、情報処理プログラムを記録した記憶媒体48がドライブ装置43にセットされると、記憶媒体48からドライブ装置43を介して補助記憶装置44にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた情報処理プログラムは、インターフェース装置47を介して補助記憶装置44にインストールされる。
【0045】
補助記憶装置44は、情報処理装置400の有する各記憶部等を実現するものであり、情報処理装置400にインストールされた情報処理プログラムを格納すると共に、情報処理装置400による各種の必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置45は、情報処理装置400の起動時に補助記憶装置44から情報処理プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置46はメモリ装置45に格納された情報処理プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0046】
次に、
図7を参照して、本実施形態の情報処理装置400の機能について説明する。
図7は、第一の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。
【0047】
本実施形態の情報処理装置400は、データ収集部410、気流予測部420、粉塵予測部430、影響箇所判定部440、出力部450、記憶部460を有する。
【0048】
本実施形態のデータ収集部410、気流予測部420、粉塵予測部430、影響箇所判定部440、出力部450は、情報処理装置400の演算処理装置46が、メモリ装置45等に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される機能である。記憶部460は、メモリ装置45や補助記憶装置44等によって実現される。
【0049】
データ収集部410は、通信モジュール群200Gに含まれる各通信モジュール200から出力されるデータを通信端末300が受信すると、このデータを収集する。
【0050】
気流予測部420は、データ収集部410が収集したデータを解析し、通信モジュール群200Gが設置された空間の空気の流れ(気流)を予測する。粉塵予測部430は、気流予測部420による予測の結果に応じて、空間内の粉塵の分布を予測する。
【0051】
影響箇所判定部440は、気流予測部420と粉塵予測部430の予測結果に基づき、空間内に、管理されている物品に対して気流や粉塵が影響を及ぼす可能性がある箇所をあるか否かを判定する。また、影響箇所判定部440は、該当する箇所が存在する場合には、該当する箇所を特定し、この箇所に関する情報を出力部450により出力する。
【0052】
出力部450は、気流予測部420による予測結果や、粉塵予測部430による予測結果を出力する。また、出力部450は、影響箇所判定部440により特定された箇所に関する情報を出力する。出力部450の出力先は、例えば、端末装置500であっても良いし、情報処理装置400の有するディスプレイ等であっても良い。
【0053】
記憶部460は、センサ位置情報465が格納されている。センサ位置情報465は、通信モジュール群200Gを設置した際に、予め情報処理装置400に入力され、記憶部460に格納される。
【0054】
センサ位置情報465は、各通信モジュール200を特定するための識別情報と、各通信モジュール200が設置された位置を示す情報とが対応付けられた情報である。通信モジュール200が設置された位置とは、3次元の座標情報であっても良い。
【0055】
次に、
図8を参照して、本実施形態の情報処理装置400の動作について説明する。
図8は、第一の実施形態の情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【0056】
本実施形態の情報処理装置400は、データ収集部410により、通信モジュール群200Gからデータを収集する(ステップS701)。
【0057】
具体的には、情報処理装置400は、データの収集を通信端末300へ指示する。通信端末300は、この指示を受け付けて、自機の最も近くに設置された通信モジュール200に対して、データの収集を指示するコマンドを送信しても良い。
【0058】
データ収集部410により収集されるデータは、少なくとも、各通信モジュール200の有する気流センサ210が検出した風向(流向)と風速(流速)と、各通信モジュール200を特定するための識別情報とを含む。また、データ収集部410により収集されたデータは、通信モジュール200の本体部220が有する各センサが検出したデータが含まれても良い。
【0059】
続いて、情報処理装置400は、気流予測部420により、データ収集部410が収集したデータを、センサ位置情報465を参照して解析し、通信モジュール群200Gが設置された空間内の気流を予測する(ステップS702)。言い換えれば、気流予測部420は、データ収集部410が収集したデータを解析し、気流を可視化するための情報を生成する。
【0060】
続いて、情報処理装置400は、粉塵予測部430により、気流予測部420による予測の結果から、空間内における粉塵の動きを予測する(ステップS703)。言い換えれば、粉塵予測部430は、予測された気流によって生じる粉塵の飛散の状況を可視化するための情報を生成する。
【0061】
続いて、情報処理装置400は、影響箇所判定部440により、管理されている物品に対して影響を及ぼす可能性がある箇所があるか否かを判定する(ステップS704)。具体的には、影響箇所判定部440は、一定量以上の粉塵が滞留する箇所を、管理されている物品に対して影響を及ぼす可能性がある箇所と判定しても良い。また、管理されている物品とは、例えば、空間内で製造されている製品や、空間内で栽培されている植物等であっても良い。
【0062】
ステップS704において、該当する箇所が存在する場合、影響箇所判定部440は、該当する場所を特定し(ステップS705)、後述するステップS706へ進む。
【0063】
ステップS704において、該当する箇所が存在しない場合、情報処理装置400は、出力部450により、処理結果を出力し(ステップS706)、処理を終了する。
【0064】
尚、出力部450は、データ収集部410による処理結果と、気流予測部420による処理結果と、粉塵予測部430と影響箇所判定部440による処理結果と、をそれぞれ個別に出力しても良い。
【0065】
次に、
図9を参照して、本実施形態の処理結果の出力例について説明する。
図9は、第一の実施形態の処理結果の出力例を示す図である。
【0066】
図9に示す画面81と、
図9に示す画面82と、
図9に示す画面83とは、端末装置500に表示されても良いし、情報処理装置400のディスプレイに表示されても良い。
【0067】
画面81は、データ収集部410が収集したデータから、通信モジュール群200Gが設置された空間内の各箇所における風向きを可視化された状態で表示されている。具体的には、各箇所における風向きは、画面81に表示された矢印の向きによって示される。
【0068】
画面82は、気流予測部420によって予測された気流が可視化された状態で表示されている。画面82では、気流を示す実線82Aが表示される。
【0069】
画面83は、粉塵予測部430によって予測された粉塵の動きと、影響箇所判定部440によって特定された箇所と、が可視化された状態で表示されている。
【0070】
画面83では、粉塵は、点83Bとして表示されており、影響箇所判定部440によって特定された箇所は、マーカ83Cで囲われている。
【0071】
図9の例では、画面82において、空間内の中央付近に気流が渦巻いている箇所があり、この箇所に運ばれた粉塵が滞留すると予測されたことがわかる。
【0072】
したがって、空間の管理者等は、空間内の空調の風向や風速を変更したり、画面83において、マーカ83Cが示す箇所を頻繁に掃除する、といった対策をとることができる。
【0073】
本実施形態の情報処理装置400では、画面82、83、84の中から、表示させる画面を選択することが可能であっても良い。
【0074】
次に、
図10A、
図10Bを参照して、データ収集部410によって収集されたデータの出力について説明する。
図10Aは、第一の実施形態の通信モジュールから収集されたデータの出力例を示す第一の図であり、
図10Bは、第一の実施形態の通信モジュールから収集されたデータの出力例を示す第二の図である。
【0075】
図10Aに示す画面501と、
図10Bに示す画面502は、例えば、端末装置500に表示される。画面501は、通信モジュール群200Gに含まれるある通信モジュール200から収集されたデータの表示例であり、画面502は、通信モジュール群200Gから収集したデータを集計した結果の表示例である。
【0076】
画面501は、表示欄501Aと、表示欄501Bとを含む。表示欄501Aには、データが表示される通信モジュール200を特定する情報が表示される。表示欄501Bには、表示欄501Aに通信モジュール200から取得したデータが表示される。
【0077】
図10Aの例では、表示欄501Aには、「通信モジュール200-1から取得したデータ」という情報が表示されており、表示欄501Bには、通信モジュール群200Gに含まれる通信モジュール200のうち、通信モジュール200-1に含まれる各センサから取得したデータが表示されている。
【0078】
具体的には、表示欄501Bには、気流(風速、風向)、温度、湿度、気圧、照度、バッテリの残容量が表示される。
【0079】
画面502は、表示欄502Aと表示欄502Bとを含む。表示欄502Aには、通信モジュール群200Gから収集したデータであることを示す情報が表示される。表示欄502Bには、通信モジュール群200Gから収集したデータが表示される。
【0080】
図10Bの例では、表示欄502Aには、「通信モジュール群200Gから収集したデータ」という情報が表示されており、表示欄502Bには、通信モジュール群200Gに含まれる各通信モジュール200の気流センサ210から収集したデータから作成されたグラフが表示されている。
【0081】
本実施形態の情報処理装置400は、例えば、端末装置500から、特定の通信モジュール200から取得されたデータや、通信モジュール群200Gから取得されたデータの表示要求を受け付けると、端末装置500に画面501や画面502を表示させても良い。
【0082】
尚、
図10A、
図10Bに示す画面は、端末装置500に表示されるものとしたが、これに限定されない。
図10A、
図10Bに示す画面は、情報処理装置400のディスプレイ等に表示されても良い。
【0083】
以上のように、本実施形態によれば、任意の位置に設定された通信モジュール200から、無線通信によって、通信モジュール200が有する各センサが出力するデータを収集することができる。したがって、本実施形態によれば、容易に気流を計測することができる。
【0084】
また、本実施形態では、メッシュネットワークによって、各通信モジュール200からデータを収集している。したがって、本実施形態によれば、ある通信モジュール200とある通信モジュール200とがそれぞれ異なる部屋に設定された場合であっても、各通信モジュール200から出力されるデータを通信端末300まで転送することができる。したがって、本実施形態によれば、空間の構造等に影響されずに、任意の場所に通信モジュール200を設置することができる。
【0085】
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、通信モジュール群200Gから収集したデータの解析を、サーバ装置で行う点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0086】
図11は、第二の実施形態の気流計測システムのシステム構成について説明する図である。
【0087】
本実施形態の気流計測システム100Aは、通信モジュール群200G、通信端末300、情報処理装置400Aを含む。
【0088】
また、本実施形態の気流計測システム100Aにおいて、情報処理装置400Aは、サーバ装置600及び端末装置500とネットワークを介して接続される。
【0089】
本実施形態の情報処理装置400Aは、データ収集部410と、出力部450とを有する。本実施形態の情報処理装置400Aは、データ収集部410により、通信モジュール群200Gからデータを収集し、出力部450は、収集したデータをサーバ装置600へ出力する。また、出力部450は、収集したデータを端末装置500に出力しても良い。
【0090】
本実施形態のサーバ装置600は、データ取得部610、気流予測部420、粉塵予測部430、影響箇所判定部440、記憶部460、表示制御部620を有する。
【0091】
データ取得部610は、情報処理装置400Aから、情報処理装置400Aが収集したデータを取得する。表示制御部620は、気流予測部420、粉塵予測部430、影響箇所判定部440による処理の結果を、情報処理装置400Aのディスプレイや端末装置500に表示させる。
【0092】
本実施形態では、このように、通信モジュール群200Gから収集したデータの解析処理をサーバ装置600で実行させることで、情報処理装置400Aの処理負荷を軽減できる。
【0093】
(第三の実施形態)
以下に図面を参照して、第三の実施形態について説明する。第三の実施形態は、センサ位置情報を生成する点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第三の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0094】
図12は、第三の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。本実施形態の情報処理装置400Bは、気流計測システム100Bに含まれる。
【0095】
気流計測システム100Bは、通信モジュール群200Gと、通信端末300と、情報処理装置400Bとを含む。
【0096】
本実施形態の情報処理装置400Bは、データ収集部410、気流予測部420、粉塵予測部430、影響箇所判定部440、出力部450、記憶部460A、位置推定部470を有する。
【0097】
本実施形態の位置推定部470は、データ収集部410によって、一定期間通信モジュール群200Gからデータを収集し、収集したデータに基づき、各通信モジュール200の相対的な位置関係を推定する。そして、位置推定部470は、推定された位置関係に基づき、通信モジュール200と推定された位置を示す位置情報とを対応付けたセンサ位置情報465を生成して、記憶部460Aに格納する。
【0098】
より具体的には位置推定部470は、通信端末300が各通信モジュール200からデータを受信する際の信号強度から、通信モジュール200間の距離を割り出す。そして、位置推定部470は、通信端末300が設置された位置を基準として、各通信モジュール200の位置を推定し、センサ位置情報を生成する。
【0099】
本実施形態では、このように、通信端末300がデータを受信した際の信号強度からセンサ位置情報を生成するため、センサ位置情報を予め情報処理装置400Bに保持せる必要がない。つまり、本実施形態によれば、各通信モジュール200を設置した際に、通信モジュール200の位置情報を情報処理装置400に入力する必要がなく、簡単に気流計測システム100Bを導入することができる。
【0100】
(第四の実施形態)
以下に図面を参照して、第四の実施形態について説明する。第四の実施形態は、通信モジュール200がパーティクルカウンタの近傍に配置される点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第四の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0101】
図13は、第四の実施形態の気流計測システムのシステム構成を説明する図である。本実施形態の気流計測システム100Cは、通信モジュール群200Gと、通信モジュール群200Gに含まれる各通信モジュール200の近傍に設置されたパーティクルカウンタ700と、通信端末300と、情報処理装置400Cとを含む。
【0102】
パーティクルカウンタ700は、パーティクルカウンタ700-1、700-2、700-3、700-4、700-5を含み、それぞれを区別しない場合には、パーティクルカウンタ700と呼ぶ。また、複数のパーティクルカウンタ700を、パーティクルカウンタ群700Gと呼ぶ。
【0103】
本実施形態のパーティクルカウンタ700は、空気中や液体中にある塵・ホコリ・異物・ダスト等をカウントする計測器で、微粒子計とも呼ばれる。
【0104】
本実施形態では、パーティクルカウンタ700の近傍に通信モジュール200が設置される。具体的には、通信モジュール200は、パーティクルカウンタ700の筐体等に取り付けられても良い。
【0105】
本実施形態のパーティクルカウンタ700は、空間における微粒子の数を出力する。また、本実施形態のパーティクルカウンタ700は、通信モジュール200と通信を行って、カウントされた微粒子の数を通信モジュール200へ通知する。
【0106】
通信モジュール200は、パーティクルカウンタ700から取得した微粒子の数を、通信モジュール200が有する各センサから出力されるデータと共に、通信端末300へ送信する。
【0107】
図14は、第四の実施形態の情報処理装置の機能を説明する図である。本実施形態の情報処理装置400Cは、データ収集部410A、気流予測部420、粉塵予測部430A、影響箇所判定部440A、出力部450、記憶部460を有する。
【0108】
本実施形態の通信端末300は、通信モジュール群200Gから、各通信モジュール200の近傍に配置されたパーティクルカウンタ700から出力された微粒子の数を含むデータを受信する。
【0109】
本実施形態のデータ収集部410Aは、通信端末300から、パーティクルカウンタ700から出力された微粒子の数を含むデータを収集する。
【0110】
本実施形態の粉塵予測部430Aは、パーティクルカウンタ700から出力された微粒子の数に基づき、粉塵の動きを予測する。
【0111】
また、本実施形態の影響箇所判定部440Aは、パーティクルカウンタ700から出力された微粒子の数に応じて、物品に対して気流や粉塵が影響を及ぼす可能性がある箇所の有無を判定する。
【0112】
具体的には、影響箇所判定部440Aは、例えば、所定数以上の微粒子の数が検出されたパーティクルカウンタ700が設置されている箇所を、物品に対して気流や粉塵が影響を及ぼす可能性がある箇所と判定しても良い。
【0113】
このように、本実施形態では、パーティクルカウンタ700と通信モジュール200とを接続させ、通信モジュール200を介してパーティクルカウンタ700の出力も通信端末300へ転送することで、粉塵の動きの予測の精度を向上させることができる。
【0114】
尚、上述した各実施形態では、気流計測システムでは、メッシュネットワークを用いてデータの転送を行うものとしたが、これに限定されない。
【0115】
本実施形態では、例えば、通信モジュール200から通信端末300へ、一定間隔毎に各センサから出力されるデータを送信しても良い。
【0116】
図15は、通信モジュールの配置を説明する図である。
図15の例では、通信モジュール200-1、200-2、200-3等のそれぞれが、定期的にセンサから出力されるデータと、自機の識別情報とを含む信号を通信端末300に向かって送信する。
【0117】
この形態は、例えば、通信端末300と通信モジュール200とが同じ部屋にある場合等に適用されても良い。
【0118】
尚、上述した各実施形態では、気流計測システム100が、半導体集積回路の製造工場等に設けられたクリーンルーム等において利用される場合について説明したが、気流計測システムは、クリーンルーム以外でも利用することができる。
【0119】
具体的には、例えば、医療機関等に設けられた陰圧室において、気流計測システム100を利用することができる。以下に、
図16を参照して、陰圧室に、気流計測システム100を利用した例について説明する。陰圧室とは、室内の気圧を外部よりも低くし、室内の空気が外部に流出しないようにした部屋である。
【0120】
図16は、気流計測システムの利用シーンを説明する第二の図である。
図16に示す陰圧室160には、給気ファン161と、排気ファン162とが設けられており、給気ファン161と排気ファン162とを制御することで、室内を陰圧状態又は陽圧状態とする。
【0121】
具体的には、陰圧室160では、給気量よりも排気量が大きくなるように、給気ファン161と排気ファン162を制御することで、室内を陰圧状態とする。また、陰圧室160では、給気量よりも排気量が小さくなるように、給気ファン161と排気ファン162を制御することで、室内を陽圧状態とする。
【0122】
本実施形態では、例えば、複数の通信モジュール200を陰圧室160内に設置し、各通信モジュール200により、給気ファン161近傍の風向又は風速と、排気ファン162近傍の風向又は風速と、を検出する。
【0123】
各通信モジュール200は、検出した結果を通信端末300に送信する。通信端末300は、各通信モジュール200から収集した検出結果を、情報処理装置400へ送信する。情報処理装置400は、通信端末300から受信した検出結果から、給気量と換気量を把握する。
【0124】
そして、情報処理装置400は、給気量と排気量とが、目標量の通りに行われていれば正常と判定し、給気量と排気量とのいずれかが目標量と違っていれば、陰圧室160において、陰圧状態が維持されていないものと判定し、アラートを出力する。アラートは、例えば、陰圧室160のフィルタ劣化を通知するアラート等であってよい。
【0125】
このように、本実施形態の気流計測システム100を用いることで、陰圧室160内の状態をモニタリングすることができる。
【0126】
また、本実施形態の気流計測システム100は、オフィスや店舗等において、利用することができる。以下に、
図17を参照して、オフィスに気流計測システム100を利用した例について説明する。
【0127】
図17は、気流計測システムの利用シーンを説明する第三の図である。
図17に示すオフィス170には、パテーション、壁、机、OA(Office Automatic)機器等が配置されている。また、オフィス170には、ドア171と、窓172、173、174とが設けられており、ドア171と、窓172、173、174の開閉によって、オフィス170内の換気が行われる。
【0128】
図17の例では、通信モジュール200を各エリアの各所に配置することで、窓173、174からオフィス170内へ流れ込む空気の風向又は風速と、ドア171と窓172からオフィス170外へ流れ出す空気の風向又は風速と、を検出し、検出結果を通信端末300へ送信する。
【0129】
通信端末300は、各通信モジュール200から収集した検出結果を情報処理装置400へ送信する。
【0130】
情報処理装置400は、通信端末300から受信した検出結果から、オフィス170内の充分な換気が行われているか否かを判定する。
【0131】
そして、情報処理装置400は、換気が不十分と判定した場合には、オフィス170内のレイアウト変更を促すアラートを出力する、ファン500など動作させる等を行ってもよい。
【0132】
また、情報処理装置400は、換気の際の空気の流れの設定を受け付け、設定された方向に気流が流れていない場合に、換気が不十分であると判定してもよい。また、情報処理装置400は、例えば、一定期間、設定された方向に向かう空気の流れが検出されない場合に、換気わすれを通知するアラートを出力してもよい。
【0133】
このように、本実施形態の気流計測システム100を、オフィス170等での室内で利用することで、室内の換気忘れを防止することができる。
【0134】
また、本実施形態の気流計測システム100は、家屋等において、利用することができる。以下に、
図18を参照して、家屋に気流計測システム100を利用した例について説明する。
【0135】
図18は、気流計測システムの利用シーンを説明する第四の図である。
【0136】
図18に示す家屋180は、外気を取り込むために屋外に設置されたファン181と、家屋180内の空気を外部へ排気するためのファン182とを有する。
【0137】
家屋180では、屋外に設置されたファン181を動作させ外気を屋内に取り込み、ファン181内部に設けられたフィルタで、外気の塵埃や花粉などを除去し、パイプ184などを介して家屋180内に空気を送り込む。
【0138】
家屋180に送り込まれた空気は、家屋180に配置されたパイプ183等を介して、ファン182を回転させて屋外に送り出される。
【0139】
図18の例では、各部屋に通信モジュール200が設置されており、各通信モジュール200は、設置された部屋の風向又は風速を検出し、検出結果を通信端末300へ送信する。通信端末300は、各通信モジュール200から収集した検出結果を、情報処理装置400に送信する。
【0140】
情報処理装置400は、例えば、各部屋で検出された風向又は風速が、所定の値を下回った場合に、換気が効率的に行われないと判定し、ファン181を動作させて外気を送り込む、もしくはファン182を動作させて屋内の空気を外部に排出させる。
【0141】
このように、本実施形態の気流計測システム100を、家屋180等で利用することで効率的に屋内を換気することができる。
【0142】
また、本実施形態では、例えば、通信端末300に、情報処理装置400の機能を設けてもよい。また、通信端末300は、例えば、スマートフォン等であってもよい。
【0143】
この場合、通信端末300の利用者が通信モジュール200を身につけることで、通信端末300は、通信モジュール200が検出した自身の呼気の風向又は風速を等から拡散度合いを予測することができる。このため、通信端末300と、通信モジュール200とを含む気流計測システム100は、通信端末300の利用者に対し、ウィルスの飛沫感染等に対して安全な距離を把握させることができ、感染予防に役立てることができる。
【0144】
また、本国際出願は、2019年8月21日に出願された日本国特許出願2019-150833に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願2019-150833の全内容を本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0145】
100、100A、100B、100C 気流計測システム、200 通信モジュール、 210 気流センサ、220 本体部、300 通信端末、400、400A、400B、400C 情報処理装置、410、410A データ収集部、420 気流予測部、430、430A 粉塵予測部、440、440A 影響箇所判定部、450 出力部、460 記憶部、465 センサ位置情報、470 位置推定部、500 端末装置、600 サーバ装置