IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 横浜ゴム株式会社の特許一覧

特許7415143金属接着用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】金属接着用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤ
(51)【国際特許分類】
   C08L 7/00 20060101AFI20240110BHJP
   C08L 9/00 20060101ALI20240110BHJP
   C08K 3/06 20060101ALI20240110BHJP
   C08K 5/13 20060101ALI20240110BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20240110BHJP
   B60C 1/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
C08L7/00
C08L9/00
C08K3/06
C08K5/13
C08K5/17
B60C1/00 C
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019214082
(22)【出願日】2019-11-27
(65)【公開番号】P2021084946
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】鹿久保 隆志
【審査官】松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-156667(JP,A)
【文献】特開昭58-051146(JP,A)
【文献】特開昭60-049043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00 - 101/14
C08K 3/00 - 13/08
B60C 1/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを80質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、
アミン系老化防止剤を0.2~5質量部、
フェノール系老化防止剤を0.5~8質量部、および
イソプレンおよび/またはブタジエン成分を含む重量平均分子量3,000~100,000の液状ゴムを0.5~10質量部
含有してなり、
前記フェノール系老化防止剤が、没食子酸エステルである
ことを特徴とする金属接着用ゴム組成物。
【請求項2】
さらに硫黄を含有してなり、前記硫黄の配合量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、4質量部以上10質量部未満であることを特徴とする請求項に記載の金属接着用ゴム組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の金属接着用ゴム組成物をベルト層に用いたタイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属接着用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関するものであり、詳しくは、劣化後であっても良好な破断特性および金属製補強コードとの接着性を有する金属接着用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤは左右一対のビード部およびサイドウォール部と、両サイドウォール部に連なるトレッド部とから主に構成されている。タイヤの内側にはカーカス層が設けられ、カーカス層の両端部はビードコアをタイヤ内側から外側へ包みこむように折り返されている。
トレッド部は、キャップトレッドとアンダートレッドとからなり、このアンダートレッドとカーカス層との間に、ベルト層が配設されている。
このベルト層には、強い衝撃や大きな荷重がかかるため、補強材としてスチールコードのような金属製補強コードが用いられている。このようなスチールコードを被覆するゴムは、スチールコードとの良好な接着性が必要とされ、そのため、スチールコードにはブラスメッキを施し、ゴムには有機酸Co塩を配合する手法がある(例えば下記特許文献1参照)。
【0003】
また下記特許文献2には、耐久性の向上を目的として、ブラスめっきを周面に施したスチールコードを、ジエン系ゴムからなるゴム成分100質量部に対して、アミン系老化防止剤を0.5質量部以上かつ3質量部未満、フェノール系老化防止剤を0.5質量部以上5質量部以下、二次老化防止剤として硫黄系老化防止剤を0.5質量部以上3.0質量部以下、カーボンブラックを5質量部以上40質量部以下配合したゴム組成物を用いて被覆ゴムで被覆してなるスチールコード-ゴム複合体が開示されている。
しかしながら、該特許文献2に開示されたスチールコード-ゴム複合体は、劣化後の破断特性および接着性が不十分である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開昭60-158230号公報
【文献】特許第6275387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の目的は、劣化後であっても良好な破断特性および金属製補強コードとの接着性を有する金属接着用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、アミン系老化防止剤およびフェノール系老化防止剤の特定量、並びに特定の分子量および構造を有する液状ゴムを特定量配合することにより、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下の通りである。
【0007】
1.少なくとも天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを80質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、
アミン系老化防止剤を0.2~5質量部、
フェノール系老化防止剤を0.5~8質量部、および
イソプレンおよび/またはブタジエン成分を含む重量平均分子量3000~100,000の液状ゴムを0.5~10質量部
含有してなることを特徴とする金属接着用ゴム組成物。
2.前記フェノール系老化防止剤が、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾールであることを特徴とする前記1に記載の金属接着用ゴム組成物。
3.前記フェノール系老化防止剤が、没食子酸エステルであることを特徴とする前記1に記載の金属接着用ゴム組成物。
4.さらに硫黄を含有してなり、前記硫黄の配合量が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、4質量部以上10質量部未満であることを特徴とする前記1~3のいずれかに記載の金属接着用ゴム組成物。
5.前記1~4のいずれかに記載の金属接着用ゴム組成物をベルト層に用いたタイヤ。
【発明の効果】
【0008】
本発明の金属接着用ゴム組成物は、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、アミン系老化防止剤およびフェノール系老化防止剤の特定量、並びに特定の分子量および構造を有する液状ゴムを特定量配合したので、劣化後であっても良好な破断特性および金属製補強コードとの接着性を有する金属接着用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0010】
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、天然ゴム(NR)および/または合成イソプレンゴム(IR)を必須成分とする。NRおよび/またはIRの配合量は、ジエン系ゴム全体を100質量部としたときに80質量部以上であることが必要である。NRおよび/またはIRの配合量が80質量部未満であると、引張強度が悪化し、好ましくない。なお、NRおよびIR以外にも他のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体ゴム(NBR)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
【0011】
(アミン系老化防止剤)
本発明で使用されるアミン系老化防止剤としては、例えばアルキル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N′-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N′-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-N′-1,3-ジメチルブチル-p-フェニレンジアミン、p-(p-トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N-フェニル-N′-(3-メタクロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体等が挙げられ、中でもN-フェニル-N′-1,3-ジメチルブチル-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体がとくに好ましい。
【0012】
(フェノール系老化防止剤)
本発明で使用されるフェノール系老化防止剤としては、本発明の効果向上の観点から好ましいものとして、例えば下記式1で表される2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール(BHT)、下記式2で表されるペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート、下記式3で表される3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、下記式4で表される没食子酸プロピル、下記式5で表される没食子酸ドデシル、下記式6で表される没食子酸オクチルのような没食子酸エステル等が挙げられる。なお、下記で示す化合物以外の、公知のフェノール系老化防止剤も使用することができる。
【0013】
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
(液状ゴム)
本発明で使用される液状ゴムは、イソプレンおよび/またはブタジエン成分を含むものであり、例えば液状ポリイソプレン(液状IR)、液状ポリブタジエン(液状BR)および液状スチレン-ブタジエン共重合体(液状SBR)等が挙げられる。液状ゴムは、例えば重量平均分子量が3,000~100,000、好ましくは3,000~50,000のものを使用することができる。なお、本発明で言う重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で分析されるポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。
なお、本発明で使用される液状ゴムは、23℃で液体である。したがって、この温度では固体である前記ジエン系ゴムとは区別される。
【0020】
本発明では、前記液状ゴムを使用することによって、劣化後であっても良好な破断特性および金属製補強コードとの接着性を得ることができる。そのメカニズムとして、前記液状ゴムは、例えば熱老化によるスルフィド結合の切断部分に作用し、硫黄の再架橋を防止することができ、これにより劣化後の伸びや破断強度の悪化を抑制することが挙げられる。
【0021】
(金属接着用ゴム組成物の配合割合)
本発明の金属接着用ゴム組成物は、少なくとも天然ゴムおよび/または合成イソプレンゴムを80質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、アミン系老化防止剤を0.2~5質量部、フェノール系老化防止剤を0.5~8質量部、およびイソプレンおよび/またはブタジエン成分を含む重量平均分子量3,000~100,000の液状ゴムを0.5~10質量部含有してなることを特徴とする。
前記アミン系老化防止剤の配合量が0.2質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に5質量部を超えると破断特性が悪化する。
前記フェノール系老化防止剤の配合量が0.5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に8質量部を超えると破断特性が悪化する。
前記液状ゴムの配合量が0.2質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に10質量部を超えると硬度が低下する。
【0022】
前記アミン系老化防止剤の配合量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5~3質量部であるのが好ましい。
前記フェノール系老化防止剤の配合量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5~3質量部であるのが好ましい。
前記液状ゴムの配合量は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、1~5質量部であるのが好ましい。
【0023】
(有機酸コバルト塩)
また本発明の金属接着用ゴム組成物には、有機酸コバルト塩を配合することにより、金属部材との接着性をさらに高めることができる。
有機酸コバルト塩としては、例えばナフテン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト、ホウ酸ネオデカン酸コバルト、アセチルアセトナートコバルト等を例示することができる。
有機酸コバルト塩の配合割合は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、0.1~5質量部であるのが好ましく、0.5~3質量部であるのがさらに好ましい。
【0024】
(補強用充填剤)
本発明の金属接着用ゴム組成物は、補強性充填剤を配合することができる。その例としては、カーボンブラック、シリカ、クレー、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン等が挙げられる。
【0025】
なお、カーボンブラックを配合する場合は、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、40質量部超80質量部以下であるのが好ましく、50~70質量部であるのがさらに好ましい。
前記カーボンブラックの配合量を40質量部超とすることにより、モジュラスや破断物性の点で有利となり、80質量部以下とすることにより、低発熱性の点で有利となる。
【0026】
本発明の金属接着用ゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種充填剤、各種オイル、酸化防止剤、老化防止剤、可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
【0027】
なお、加硫剤として硫黄を使用する場合、金属製補強コードとの接着性をさらに高めるという観点から、その配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、4質量部以上10質量部未満であるのが好ましく、5~8質量部であるのがさらに好ましい。
【0028】
本発明の金属接着用ゴム組成物は、金属製補強コードとの接着性が良好であり、例えば、アンダートレッドに埋設されるベルト(スチールコード)を被覆するゴムとして好適に使用することができる。また、スチールコードは、ブラスメッキされているのが好ましい。
【0029】
また本発明のゴム組成物は従来のタイヤの製造方法に従ってタイヤを製造するのに使用することができる。また本発明のタイヤは、空気入りタイヤであることが好ましく、空気、窒素等の不活性ガス及びその他の気体を充填することができる。
なお、上記では、本発明の金属接着用ゴム組成物をタイヤ用途として説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば金属製補強コードを備えたホースやベルトコンベア用ベルトにも好適に適用できる。
【実施例
【0030】
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
【0031】
実施例1~16および比較例1~5
サンプルの調製
表1および2に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
【0032】
老化後M100:ギアオーブンにて80℃96時間老化させた加硫ゴム試験片を用い、JIS K6251(3号ダンベル使用)に基づき、室温にて引張試験を実施し、100%変形モジュラスを測定した。結果は比較例1の値を100として指数で示した。指数が小さいほど、老化後の硫黄の再架橋が防止され、伸びの悪化が抑制されていることを示す。
老化後TB:ギアオーブンにて80℃96時間老化させた加硫ゴム試験片を用い、JIS K 6251に従い、室温で試験した。結果は、比較例の値を100として指数で示した。この値が大きいほど、高破断強度であることを示す。
老化後EB:ギアオーブンにて80℃96時間老化させた加硫ゴム試験片を用い、JIS K 6251に従い、室温で試験した。結果は、比較例の値を100として指数で示した。この値が大きいほど、高破断伸びであることを示す。
老化後ワイヤ引抜力:ASTM D-2に準拠してコードを引き抜き、その引き抜き時の引抜力を調べた。なお、サンプルはギアオーブンにて80℃96時間老化させたものを用いた。結果は、比較例の値を100として指数で示した。この値が大きいほど、ゴムに対する接着性が優れている。
老化後ゴム付着力:ASTM D-2229に準拠して試験を行なった。12.7mm間隔で平行に並べたブラスめっきスチールコードを上記ゴム組成物で被覆すると共に、埋め込み長さ12.7mmで埋め込み、160℃×20分間の加硫条件で加硫接着して接着サンプルを作製した。この接着サンプルをギアオーブンにて80℃96時間老化させた。このサンプルからスチールコードを引抜き、ゴム付着量(%)を測定し、評価した。結果は比較例1の値を100として指数表示した。この値が大きいほどゴムに対する接着性が優れている。
結果を表1および2に併せて示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
*1:NR(RSS#3)
*2:カーボンブラック(東海カーボン(株)製シースト300)
*3:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*4:ステアリン酸コバルト(DIC(株)製)
*5:老化防止剤6PPD(フレキシス製サントフレックス6PPD、N-フェニル-N′-1,3-ジメチルブチル-p-フェニレンジアミン)
*6:老化防止剤RD(大内新興化学工業(株)製ノクラック224、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体)
*7:加硫促進剤DCBS(大内新興化学工業(株)製ノクセラーDZ)
*8:硫黄(アクゾノーベル(株)製クリステックスHS OT 20)
*9:BHT(東京化成工業(株)製2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール)
*10:液状IR((株)クラレ製LIR-50、重量平均分子量=54,000)
*11:液状BR((株)クラレ製LBR-300、重量平均分子量=45,000)
*12:HyPプロピオナート(東京化成工業(株)製ペンタエリトリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート)
*13:HyPプロピオン酸ステアリル(東京化成工業(株)製3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル)
【0036】
上記の表1、2から明らかなように、各実施例におけるゴム組成物は、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、アミン系老化防止剤およびフェノール系老化防止剤の特定量、並びに特定の分子量および構造を有する液状ゴムを特定量配合してなるものであるので、比較例1のゴム組成物に比べ、劣化後であっても良好な破断特性および金属製補強コードとの接着性を有する。
これに対し、比較例2、3は、液状ゴムを配合していないので、劣化後の破断特性および金属製補強コードとの接着性が悪化している。
比較例4、5は、フェノール系老化防止剤を配合していないので、劣化後の破断特性および金属製補強コードとの接着性が悪化している。