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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】伝送装置及び歪み補償方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/2507 20130101AFI20240110BHJP
   H04L 27/38 20060101ALI20240110BHJP
   H04L 27/22 20060101ALI20240110BHJP
   H04B 10/61 20130101ALN20240110BHJP
【FI】
H04B10/2507
H04L27/38
H04L27/22 A
H04B10/61
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020049178
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021150823
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-10-06
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度、総務省、「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」研究開発委託契約に基づく開発項目「5Tbps級高速大容量・低消費電力光伝送技術」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】野村 義孝
(72)【発明者】
【氏名】中島 久雄
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-019023(JP,A)
【文献】国際公開第2020/039519(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0008279(US,A1)
【文献】特開平03-255729(JP,A)
【文献】特開2010-178308(JP,A)
【文献】国際公開第2018/042838(WO,A1)
【文献】特開2001-230827(JP,A)
【文献】特開2012-124782(JP,A)
【文献】特開2012-119923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/2507
H04L 27/38
H04L 27/22
H04B 10/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同期データ、主信号データ、及び誤り訂正符号を含むフレーム信号を受信する受信部と、
補償係数に基づき前記フレーム信号の歪みを補償する補償部と、
前記同期データから前記フレーム信号の同期タイミングを検出する検出部と、
前記歪みが補償された前記フレーム信号の誤りを、前記同期タイミングに従って前記誤り訂正符号に基づき訂正する訂正部と、
前記訂正部により誤りを訂正された前記フレーム信号から、前記同期タイミングに基づき、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号に該当するレプリカ信号を生成する生成部と、
前記レプリカ信号と、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号とから前記補償係数を更新する更新処理部とを有することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
前記更新処理部は、該更新前の前記補償係数と、前記レプリカ信号と、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号とから前記補償係数を更新することを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
【請求項3】
前記フレーム信号には、I成分及びQ成分のデータが含まれ、
前記補償部は、前記更新処理部により前記補償係数がそれぞれ設定された第1フィルタ回路及び第2フィルタ回路を有し、
前記第1フィルタ回路は、前記I成分及び前記Q成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記I成分のデータの歪みを補償し、
前記第2フィルタ回路は、前記I成分及び前記Q成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記Q成分のデータの歪みを補償することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送装置。
【請求項4】
前記フレーム信号には、光信号に含まれる第1偏波成分及び第2偏波成分のデータが含まれ、
前記補償部は、前記更新処理部により前記補償係数がそれぞれ設定された第3フィルタ回路及び第4フィルタ回路を有し、
前記第3フィルタ回路は、前記第1偏波成分及び前記第2偏波成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記第1偏波成分のデータの歪みを補償し、
前記第4フィルタ回路は、前記第1偏波成分及び前記第2偏波成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記第2偏波成分のデータの歪みを補償することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送装置。
【請求項5】
前記歪みを補償される前の前記フレーム信号を格納する第1格納部と、
前記訂正部により誤りを訂正された前記フレーム信号を格納する第2格納部と、
前記同期タイミングを基準とする第1タイミングで前記第1格納部に前記フレーム信号を格納し、前記同期タイミングを基準とする第2タイミングで前記第2格納部に前記フレーム信号を格納する格納処理部とを有し、
前記生成部は、前記レプリカ信号の生成元の前記フレーム信号を前記第格納部から読み出し、
前記更新処理部は、前記レプリカ信号に該当する前記フレーム信号を前記第格納部から読み出すことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の伝送装置。
【請求項6】
前記生成部は、選択に従って、前記同期データ、前記主信号データ、及び前記誤り訂正符号のうち、前記同期データまたは前記誤り訂正符号を省いて前記レプリカ信号を生成することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の伝送装置。
【請求項7】
同期データ、主信号データ、及び誤り訂正符号を含むフレーム信号を受信し、
補償係数に基づき前記フレーム信号の歪みを補償し、
前記同期データから前記フレーム信号の同期タイミングを検出し、
前記歪みが補償された前記フレーム信号の誤りを、前記同期タイミングに従って前記誤り訂正符号に基づき訂正し、
前記誤りを訂正された前記フレーム信号から、前記同期タイミングに基づき、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号に該当するレプリカ信号を生成し、
前記レプリカ信号と、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号とから前記補償係数を更新することを特徴とする歪み補償方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、伝送装置及び歪み補償方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量のデータ伝送の需要の増加に応じ、例えば1つの波長光で100(Gbps)以上の伝送を可能とするデジタルコヒーレント伝送方式が研究開発されている(例えば特許文献1を参照)。デジタルコヒーレント伝送方式では、光の強度及び位相を用いた多値変調が用いられる。多値変調としては、例えば位相偏移変調(PSK: Phase Shift Keying)や直交振幅変調(QAM: Quadrature Amplitude Modulation)が挙げられる。
【0003】
多値変調の多値度及びシンボルレートが高いほど、伝送性能が様々な要因で劣化しやすく、伝送距離が短くなる。このような伝送性能の劣化の一例として、伝送装置の送信デバイスの特性などに起因する信号歪みが挙げられる。伝送装置は、他の伝送装置から受信した主信号の信号歪みを例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタなどの補償回路により補償する。補償回路は、送信側の伝送装置が主信号に付与した所定パタンの補償用の信号に基づきFIRフィルタのタップ係数を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-193204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の信号歪みは温度及び時間経過に応じて変化するため、送信側の伝送装置は、データパタンが固定された補償用の信号を例えば周期的に主信号に付与し、補償回路は、一定間隔で取得される補償用の信号に基づきタップ係数を更新する。
【0006】
しかし、送信側の伝送装置が補償用の信号を主信号に付与すると、補償用の信号を格納する大容量のメモリが受信側の伝送装置に必要となるだけでなく、主信号に割り当て可能な伝送帯域が減少する。
【0007】
そこで本件は、歪み補償用の信号が付与されていない主信号の歪みを補償することができる伝送装置及び歪み補償方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの態様では、伝送装置は、同期データ、主信号データ、及び誤り訂正符号を含むフレーム信号を受信する受信部と、補償係数に基づき前記フレーム信号の歪みを補償する補償部と、前記同期データから前記フレーム信号の同期タイミングを検出する検出部と、前記歪みが補償された前記フレーム信号の誤りを、前記同期タイミングに従って前記誤り訂正符号に基づき訂正する訂正部と、前記訂正部により誤りを訂正された前記フレーム信号から、前記同期タイミングに基づき、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号に該当するレプリカ信号を生成する生成部と、前記レプリカ信号と、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号とから前記補償係数を更新する更新処理部とを有する。
【0009】
1つの態様では、歪み補償方法は、同期データ、主信号データ、及び誤り訂正符号を含むフレーム信号を受信し、補償係数に基づき前記フレーム信号の歪みを補償し、前記同期データから前記フレーム信号の同期タイミングを検出し、前記歪みが補償された前記フレーム信号の誤りを、前記同期タイミングに従って前記誤り訂正符号に基づき訂正し、前記訂正部により誤りを訂正された前記フレーム信号から、前記同期タイミングに基づき、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号に該当するレプリカ信号を生成し、前記レプリカ信号と、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号とから前記補償係数を更新する方法である。
【発明の効果】
【0010】
1つの側面として、歪み補償用の信号が付与されていない主信号の歪みを補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】送信側の伝送装置の一例を示す構成図である。
図2】受信側の伝送装置の一例を示す構成図である。
図3】信号制御部の一例を示す構成図である。
図4】レプリカ信号生成部の一例を示す構成図である。
図5】入力データメモリ及び出力データメモリのフレーム信号の格納のタイミングの例を示すタイムチャートである。
図6】レプリカ信号のシンボルと歪み補償されていないフレーム信号のシンボルの例を示す図である。
図7】歪み補償部の一例を示す構成図である。
図8】FIRフィルタの一例を示す構成図である。
図9】最小平均二乗誤差法を用いる係数算出部の一例を示す構成図である。
図10】最小二乗法を用いる係数算出部の一例を示す構成図である。
図11】歪み補償部の他の例を示す構成図である。
図12】最小平均二乗誤差法を用いる係数算出部の他の例を示す構成図である。
図13】最小二乗法を用いる係数算出部の他の例を示す構成図である。
図14】他の信号制御部の例を示す構成図である。
図15】生成処理部の一例を示す構成図である。
図16】他の生成処理部の一例を示す構成図である。
図17】他の生成処理部の一例を示す構成図である。
図18】プロセッサを含む信号制御部の一例を示す構成図である。
図19】プロセッサの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、送信側の伝送装置8の一例を示す構成図である。伝送装置8は、偏波多重方式を用い、デジタルコヒーレント光伝送方式に従って光信号Stを、光ファイバなどの伝送路9を介し受信側の伝送装置7に送信する。
【0013】
伝送装置8は、送信処理回路80と、デジタルアナログ変換器(DAC: Digital-to-Analog Converter)82a~82dと、マッハツェンダ変調器(MZM: Mach-Zehnder Modulator)83a~83dとを有する。さらに、伝送装置8は、増幅器(AMP)84a~84d、偏波ビームコンバイナ(PBC: Polarization Beam Combiner)85と、偏波ビームスプリッタ(PBS: Polarization Beam Splitter)86と、光源87とを有する。
【0014】
送信処理回路80は、他装置から入力されたデータ信号Dtから電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを生成する。送信処理回路80は、受信部800、同期信号生成部801、マッピング部802,804、パリティ(PTY)付与部803、及びフレーム生成部805を有する。なお、送信処理回路80としては、例えばDSP(Digital Signal Processor)が挙げられるが、これに限定されず、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)であってもよい。
【0015】
受信部800は、他の装置からデータ信号Dtを受信する。データ信号Dtは例えばイーサネット(登録商標、以下同様)信号である。受信部800は、データ信号Dtから主信号データを取り出してPTY付与部803に出力する。
【0016】
同期信号生成部801は、同期データを生成してマッピング部802に出力する。同期データは、例えば固定パタンのデータであり、主信号データを格納するフレーム信号のフレーム同期を確立するためのデータである。
【0017】
マッピング部802は、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の変調方式に従って同期データをシンボルデータにマッピングする。マッピング部802は、シンボルデータをフレーム生成部805に出力する。
【0018】
PTY付与部803は、主信号データからパリティを算出して主信号データに付与しマッピング部804に出力する。パリティは、受信側の伝送装置7が主信号データの誤りを訂正するための誤り訂正符号の一例である。
【0019】
マッピング部804は、例えばQAM(Quadrature Amplitude Modulation)の変調方式に従って主信号データ及びパリティをシンボルデータにマッピングする。マッピング部804は、シンボルデータをフレーム生成部805に出力する。なお、マッピング部804は、同期データのマッピング部802とは異なる多値変調を用いてもよいし、同一の多値変調を用いてもよい。
【0020】
フレーム生成部805は、マッピング部802,804からそれぞれ入力されたシンボルデータからフレーム信号を生成する。フレーム信号は、受信側の伝送装置7に伝送される主信号であり、符号G1で示されるように、時間軸上で連続する複数のフレーム#1,#2,・・・を含む。各フレーム#1,#2,・・・には、同期データ、主信号データ、及びパリティが含まれる。なお、同期データ、主信号データ、及びパリティは、それぞれ、所定のデータ量を有する。フレーム生成部805は、フレーム信号を、一例として4つの電界信号Xi,Xq,Yi,YqとしてDAC82a~82dに出力する。
【0021】
電界信号Xi,Xqは、それぞれ、伝送装置8が送信する光信号StのX偏波のI成分及びQ成分(同相成分及び直交位相成分)の信号である。電界信号Yi,Yqは、それぞれ、光信号StのX偏波に直交するY偏波のI成分及びQ成分の信号である。
【0022】
DAC82a~82dは、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqをそれぞれアナログ信号に変換する。AMP84a~84dは、アナログ信号に変換された電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを増幅する。増幅された電界信号Xi,Xq,Yi,Yqは、MZM83a~83dにそれぞれ入力される。なお、DAC82a~82dは、送信処理回路80内に構成されてもよい。
【0023】
光源87は、例えばレーザダイオードなどから構成され、所定の中心周波数の送信光LOsをPBS86に出力する。PBS86は、送信光LOsをX軸及びY軸(偏光軸)に分離する。送信光LOsのX偏波成分はMZM83a,83bにそれぞれ入力され、送信光LOsのY偏波成分はMZM83c,83dにそれぞれ入力される。
【0024】
MZM83a~83dは、DAC82a~82dからのアナログ信号に基づき送信光LOsを光変調する。より具体的には、MZM83a,83bは、送信光LOsのX偏波成分をDAC82a,82bからのアナログ信号に基づき光変調し、MZM83c,83dは、送信光LOsのY偏波成分をDAC82c,82dからのアナログ信号に基づき光変調する。
【0025】
光変調された送信光LOsのX偏波成分及びY偏波成分はPBC85に入力される。PBC85は、送信光LOsのX偏波成分及びY偏波成分を偏波合成することにより光信号Stを生成し伝送路9に出力する。
【0026】
図2は、受信側の伝送装置7の一例を示す構成図である。伝送装置7は送信側の伝送装置8から光信号Stを受信する。なお、以下に述べる伝送装置7の処理は、フレーム信号の歪み補償方法の一例である。
【0027】
受信側の伝送装置7は、受信処理回路70と、ADC(Analog-to-Digital Convertor)72a~72dと、フロントエンド部79とを有する。フロントエンド部79は、フレーム信号を受信する受信部の一例である。符号G2は、フロントエンド部79が受信するフレーム信号の構成を示す。フレーム信号は、送信側の伝送装置8から送信されたフレーム信号と同じである。
【0028】
フロントエンド部79は、光源71と、バランス型のフォトダイオード(PD: Photodiode)73a~73dと、90度光ハイブリッド回路(90度光ハイブリッド)740,741と、PBS75,76とを有する。
【0029】
PBS76は、光信号StをX偏波成分及びY偏波成分に分離して90度光ハイブリッド回路740,741にそれぞれ出力する。また、光源71は、例えばレーザダイオードなどから構成され、所定の中心周波数の局発光LOrをPBS75に入力する。PBS75は、局発光LOrをX偏波成分及びY偏波成分に分離して90度光ハイブリッド回路740,741にそれぞれ出力する。
【0030】
90度光ハイブリッド回路740は、光信号StのX偏波成分及び局発光LOrのX偏波成分を干渉させるための導波路を有し、光信号StのX偏波成分を検波する。90度光ハイブリッド回路740は、検波結果として、同相成分及び直交位相成分の振幅及び位相に応じた光成分をPD73a,73bにそれぞれ出力する。
【0031】
90度光ハイブリッド回路741は、光信号StのY偏波成分及び局発光LOrのY偏波成分を干渉させるための導波路を有し、光信号StのY偏波成分を検波する。90度光ハイブリッド回路741は、検波結果として、同相成分及び直交位相成分の振幅及び位相に応じた光成分をPD73c,73dにそれぞれ出力する。
【0032】
PD73a~73dは、90度光ハイブリッド回路740,741から入力された光成分を電気信号に変換して、電気信号をADC72a~72dにそれぞれ出力する。ADC72a~72dは、PD73a~73dから入力された電気信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。この変換により、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqが得られる。電界信号Xi,Xq,Yi,YqはADC72a~72dから受信処理回路70に出力される。
【0033】
受信処理回路70は、信号制御部700と、適応等化処理部701と、周波数オフセット補償部702と、搬送波位相復元部703と、歪み補償部704と、誤り訂正部705とを有する。なお、受信処理回路70としては、例えばDSPが挙げられるが、これに限定されず、例えばFPGAであってもよい。
【0034】
適応等化処理部701は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに対し適応等化処理を行う。より具体的には、適応等化処理部701は、伝送路91上で発生する偏波モード分散や偏波依存性損失により生じた光信号Stの波形歪みを動的なパラメータに基づいて補償する。適応等化処理部701は、適応等化処理を行った電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを周波数オフセット補償部702に出力する。
【0035】
周波数オフセット補償部702は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqが変調方式に応じた信号コンスタレーション(信号空間ダイヤグラム)により正常に復調処理されるように、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqの搬送周波数と光源71の間の周波数の差分及び位相の差分を補償する。周波数オフセット補償部702は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを搬送波位相復元部703に出力する。
【0036】
搬送波位相復元部703は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqから雑音成分を除去し、正しい搬送波位相を推定し、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqの位相を、推定した搬送波位相に同期させる。搬送波位相復元部703は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを歪み補償部704及び信号制御部700に出力する。
【0037】
歪み補償部704は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに対し送信側の伝送装置8で生じた歪みを補償する。歪み補償部704は、例えばFIRフィルタなどの補償回路により信号歪みを補償する。このとき、FIRフィルタのタップ係数は、信号制御部700により算出されて設定される。
【0038】
歪み補償部704は、補償係数に基づきフレーム信号の歪みを補償する補償部の一例である。また、タップ係数は補償係数の一例である。歪み補償部704は、歪みが補償された電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを誤り訂正部705及び信号制御部700に出力する。
【0039】
誤り訂正部705は、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqのシンボルデータを復調処理することによりデマッピングしてフレーム信号を再生し、パリティに基づいてフレーム信号の誤り訂正を行う。誤り訂正部705は、信号制御部700から通知される誤り訂正のタイミングで誤り訂正を行う。誤り訂正部705は、フレーム信号の主信号データからデータ信号Dt’を再生して信号制御部700及び不図示の後段の機能部に出力する。なお、データ信号Dt’は、誤り訂正部705により誤りを訂正されたフレーム信号の一例である。
【0040】
図3は、信号制御部700の一例を示す構成図である。信号制御部700は、歪み補償部704のタップ係数の更新と、誤り訂正部705に対する誤り訂正のタイミングの通知とを行う。
【0041】
信号制御部700は、入力データメモリ10、出力データメモリ11、レプリカ信号生成部12、同期検出部13、係数算出部14、及びタイミング指示部15を有する。入力データメモリ10には、搬送波位相復元部703から電界信号Xi,Xq,Yi,Yqが入力される。入力データメモリ10は、歪み補償部704により歪みを補償される前のフレーム信号を格納する第1格納部の一例である。
【0042】
また、出力データメモリ11には、誤り訂正部705から再生後のデータ信号Dt’が入力される。出力データメモリ11は、誤り訂正部705により誤りを訂正されたフレーム信号を格納する第2格納部の一例である。
【0043】
同期検出部13は、歪み補償部704から入力される電界信号Xi,Xq,Yi,Yqからフレーム信号の同期データを検出する。同期検出部13は、例えば電界信号Xi,Xq,Yi,Yqからフレーム信号を再生し、フレーム信号のデータパタンを同期データのパタンと照合することにより同期データを検出する。同期検出部13は、同期データからフレーム信号の同期タイミングを検出する検出部の一例である。
【0044】
同期検出部13は、同期データを検出したタイミングに基づき誤り訂正のタイミングを誤り訂正部705に通知する。誤り訂正部705は、歪みが補償されたフレーム信号の誤りを、同期タイミングに従って誤り訂正符号に基づき訂正する訂正部の一例である。例えば誤り訂正部705は、同期タイミングからパリティを検出して誤り訂正に用いる。また、同期検出部13は、誤り訂正のタイミングをタイミング指示部15に通知する。
【0045】
レプリカ信号生成部12は、出力データメモリ11からフレーム信号のデータDbを読み出して、データDbからレプリカ信号Rを生成する。レプリカ信号生成部12はレプリカ信号Rを係数算出部14に出力する。
【0046】
図4は、レプリカ信号生成部12の一例を示す構成図である。レプリカ信号生成部12は、出力データメモリ11からフレーム信号のデータDbを読み出して、データDbを主信号データとして、データDbに同期データ及びパリティを追加することによりレプリカ信号Rを生成する。
【0047】
レプリカ信号生成部12は、誤り訂正部705により誤りを訂正されたフレーム信号から、同期タイミングに基づき、歪みを補償される前のフレーム信号に該当するレプリカ信号を生成する生成部の一例である。レプリカ信号生成部12は、パリティ(PTY)付与部60、マッピング部61,63、同期信号生成部62、及びフレーム生成部64を有する。
【0048】
同期信号生成部62は、同期データを生成してマッピング部63に出力する。マッピング部63は、例えばQPSKの変調方式に従って同期データをシンボルデータにマッピングする。マッピング部63は、シンボルデータをフレーム生成部64に出力する。
【0049】
PTY付与部60は、データDbからパリティを生成してデータDbに付与する。PTY付与部60は、データDb及びパリティをマッピング部61に出力する。
【0050】
マッピング部61は、例えばQAMの変調方式に従ってデータDb及びパリティをシンボルデータにマッピングする。マッピング部61は、シンボルデータをフレーム生成部64に出力する。なお、マッピング部61は、同期データのマッピング部63とは異なる多値変調を用いてもよいし、同一の多値変調を用いてもよい。
【0051】
フレーム生成部64は、マッピング部61,63からそれぞれ入力されたシンボルデータからレプリカ信号Rを生成する。符号G3は、レプリカ信号Rの構成の例を示す。レプリカ信号Rは、同期データ、主信号データであるデータDb、及びパリティを含む。フレーム生成部64は、レプリカ信号Rを電界信号Xi,Xq,Yi,Yqと同様の電界信号Xi_r,Xq_r,Yi_r,Yq_rとして係数算出部14に出力する。
【0052】
再び図3を参照すると、係数算出部14は、入力データメモリ10からフレーム信号のデータDaを読み出して、データDa及びレプリカ信号Rから歪み補償部704のタップ係数Hを算出して歪み補償部704に設定する。係数算出部14は、周期的にタップ係数Hを算出して更新する。係数算出部14は、レプリカ信号Rと、歪みを補償される前のフレーム信号とから補償係数を更新する更新処理部の一例である。
【0053】
タイミング指示部15は、同期検出部13から通知された同期タイミングに従って、入力データメモリ10及び出力データメモリ11にそれぞれフレーム信号を格納するタイミングTa,Tbを指示する。タイミング指示部15は、例えば入力データメモリ10及び出力データメモリ11のライトイネーブルにより書き込み可否を制御することによってタイミングTa,Tbを指示する。
【0054】
出力データメモリ11は、誤り訂正部705から出力される再生後のデータ信号Dt’をタイミングTbで格納する。なお、出力データメモリ11に格納されたデータ信号Dt’のデータをデータDbとする。レプリカ信号生成部12は、出力データメモリ11からデータDbを読み出してレプリカ信号Rを生成し係数算出部14に出力する。
【0055】
入力データメモリ10は、搬送波位相復元部703から歪み補償部704に出力される電界信号Xi,Xq,Yi,YqのデータDaをタイミングTaで格納する。係数算出部14は、入力データメモリ10からデータDaを読み出して、レプリカ信号Rとともにタップ係数の算出に用いる。
【0056】
このように、タイミング指示部15はフレーム信号の格納のタイミングTa,Tbを指示する。このため、レプリカ信号生成部12は、誤り訂正部705により誤りを訂正されたフレーム信号から、同期タイミングに基づき、歪みを補償される前のフレーム信号に該当するレプリカ信号Rを生成することができる。
【0057】
図5は、入力データメモリ10及び出力データメモリ11のフレーム信号の格納のタイミングTa,Tbの例を示すタイムチャートである。図5の横軸は時刻を示す。
【0058】
符号Saは、入力データメモリ10に入力されるフレーム信号の例を示す。符号Sbは、誤り訂正部705に入力されるフレーム信号の例を示す。符号Scは、出力データメモリ11に入力されるフレーム信号の例である。
【0059】
フレーム信号にはフレーム#1~#3が含まる。係数算出部14は、符号Saにより示されるフレーム信号のフレーム#3のデータDaと、データDbに該当し、符号Scにより示されるフレーム信号のフレーム#3のデータDbとをタップ係数の算出に用いると仮定する。
【0060】
また、歪み補償部704及び誤り訂正部705の各処理によるフレーム信号の遅延時間は、それぞれ、フレーム1個分の時間ΔTであると仮定する。このため、入力データメモリ10に入力されるフレーム#1~#3と出力データメモリ11に入力されるフレーム#1~#3の間には、2×ΔT分の時間差が存在することになる。
【0061】
同期検出部13は、誤り訂正部705に入力されるフレーム#1の同期データのパタン照合から、その入力時刻Tsを同期タイミングとして検出する。タイミング指示部15は、入力時刻Tsを基準時刻として、入力データメモリ10及び出力データメモリ11にデータDa,Dbの格納時刻を、それぞれ、タイミングTa,Tbとして指示する。
【0062】
入力データメモリ10へのフレーム#3の格納時刻は、誤り訂正部705へのフレーム#1の入力時刻Tsの時間ΔT後であるため、(Ts+ΔT)である。タイミング指示部15は、例えばタイマ回路を用いて入力時刻Tsからフレーム#3の格納時刻(Ts+ΔT)を検出して、タイミングTaとして入力データメモリ10に指示する。なお、タイミング指示部15は、フレーム信号の格納が1フレーム分の時間ΔTだけ可能となるように入力データメモリ10を制御する。
【0063】
これにより、入力データメモリ10に入力されるフレーム#1~#3のうち、フレーム#3だけが入力データメモリ10に格納される。つまり、入力データメモリ10にはフレーム#3だけが記憶される。このため、係数算出部14は、入力データメモリ10に記憶されたフレーム#3を、データDaとして読み出してタップ係数の算出に用いる。
【0064】
また、出力データメモリ11へのフレーム#3の格納時刻は、誤り訂正部705へのフレーム#1の入力時刻Tsの時間(3×ΔT)後であるため、(Ts+3×ΔT)である。タイミング指示部15は、例えばタイマ回路を用いて入力時刻Tsからフレーム#3の格納時刻(Ts+3×ΔT)を検出して、タイミングTbとして出力データメモリ11に指示する。なお、タイミング指示部15は、フレーム信号の格納が1フレーム分の時間ΔTだけ可能となるように出力データメモリ11を制御する。
【0065】
これにより、出力データメモリ11に入力されるフレーム#1~#3のうち、フレーム#3だけが出力データメモリ11に格納される。つまり、出力データメモリ11にはフレーム#3だけが記憶される。このため、レプリカ信号生成部12は、出力データメモリ11に記憶されたフレーム#3を、データDbとして読み出してレプリカ信号Rの生成に用いる。
【0066】
このように、タイミング指示部15は、フレーム信号の同期タイミングを基準とするタイミングTaで入力データメモリ10にフレーム信号を格納させ、同期タイミングを基準とするタイミングTbで出力データメモリ11にフレーム信号を格納する。このため、入力データメモリ10及び出力データメモリ11は、例えば係数算出部14でタップ係数の算出に用いられる1フレーム分だけの容量を備えればよい。
【0067】
これに対し、仮に送信側の伝送装置8がフレーム信号に補償用の信号を付与し、歪み補償部704が補償用の信号を用いてフレーム信号の歪みを補償する場合、伝送帯域の制限から補償用の信号のデータ量はフレーム信号より少なくなる。このため、送信側の伝送装置8は、複数のフレーム信号と他の複数のフレーム信号の間に補償用の信号を挿入する必要がある。したがって、受信側の伝送装置7は、補償用の信号を途切れさせずに一連のデータとしてメモリに格納するため、複数のフレーム信号のデータ分と補償用の信号の2倍のデータ分との合計以上の大容量を備えるメモリが必要となる。
【0068】
したがって、タイミング指示部15によると、フレーム信号を格納するためのメモリ容量が低減される。なお、伝送装置7は、これに限定されず、入力データメモリ10及び出力データメモリ11に所定数のフレーム分のフレーム信号を格納し、格納済みのフレーム信号から同一のフレームを検索してタップ係数の算出に用いてもよい。また、タイミング指示部15は格納処理部の一例であり、タイミングTa,Tbは、それぞれ、同期タイミングを基準とする第1タイミング及び第2タイミングの一例である。
【0069】
上述したように、レプリカ信号生成部12は、誤り訂正部705により誤りを訂正されたフレーム信号から、同期タイミングに基づき、歪みを補償される前のフレーム信号に該当するレプリカ信号Rを生成する。このため、係数算出部14は、誤り訂正部705により誤りを訂正されたフレーム信号、及び歪み補償部704により、歪みを補償される前のフレーム信号の各々のフレーム#3からタップ係数を算出して更新することができる。
【0070】
図6は、レプリカ信号Rのシンボルと歪み補償されていないフレーム信号のシンボルの例を示す図である。本例では、フレーム信号の変調方式としてQPSKを挙げる。
【0071】
符号G4aは、コンスタレーション内のレプリカ信号Rのシンボルの例を示し、符号G4bは、コンスタレーション内のフレーム信号のシンボルの例を示す。各コンスタレーション内のシンボルP1~P4は、それぞれ、同一のデータ値に対応している。
【0072】
レプリカ信号Rは、誤り訂正部705による誤り訂正後のフレーム信号の主信号データ(データ信号Dt’)から生成されるため、符号G4aのコンスタレーション内の各シンボルP1~P4は、実質的に互いに等間隔であって、原点(0,0)を中心とした対称的な座標に配置される。
【0073】
例えば、P1の座標は(0.7,0.7)であり、P2の座標は(0.7,-0.7)である。また、P3の座標は(-0.7,-0.7)であり、P4の座標は(-0.7,0.7)である。
【0074】
一方、フレーム信号は、適応等化処理部701、周波数オフセット補償部702、及び搬送波位相復元部703の各処理により、伝送路9で生じた歪みなどを補償されているが、歪み補償部704による補償、及び誤り訂正部705による誤り訂正が行われていないため、送信側の伝送装置8の変調器などで生じた歪みを有している。このため、符号G4bのコンスタレーション内の各シンボルは、レプリカ信号RのシンボルP1~P4のような実質的に理想的な座標からずれた座標に配置される。
【0075】
例えば、P1の座標は(0.43,0.89)であり、P2の座標は(0.4,-0.43)である。また、P3の座標は(-1.0,-0.78)であり、P4の座標は(-0.84,0.98)である。
【0076】
係数算出部14は、コンスタレーション内の理想的な座標がずれた誤り訂正前のシンボルP1~P4と、コンスタレーション内の理想的な座標を有するレプリカ信号RのシンボルP1~P4とから最適なタップ係数を算出することができる。
【0077】
このため、係数算出部14は、送信側の伝送装置8からフレーム信号とは別に歪み補償用の信号を受信して、タップ係数の算出に用いる必要がない。したがって、伝送装置7は、歪み補償用の信号が付与されていないフレーム信号の歪みを補償することができる。
【0078】
(歪み補償部704の構成例)
図7は、歪み補償部704の一例を示す構成図である。歪み補償部704は、一例として1×4等化器の構成を有する。1×4等化器は、4つの出力信号のそれぞれの算出に1つの入力信号が用いられる構成を備える。
【0079】
歪み補償部704は、電界信号Xi,Xq,Yi,YqごとのFIRフィルタ5a~5dを有する。搬送波位相復元部703から出力された電界信号Xi,Xq,Yi,Yqは、FIRフィルタ5a~5dをそれぞれ通過して、歪みが補正された電界信号(以下、「補償済み電界信号」と表記)Xi_h,Xq_h,Yi_h,Yq_hとして誤り訂正部705に入力される。FIRフィルタ5a~5dには、係数算出部14からタップ係数Hxi,Hxq,Hyi,Hyqがそれぞれ設定される。
【0080】
【数1】
【0081】
歪み補償部704で行われる補償処理は、例えば上記の式(1)により表される。補償済み電界信号Xi_h,Xq_h,Yi_h,Yq_hは、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqとタップ係数Hxi,Hxq,Hyi,Hyqの積としてそれぞれ算出される。つまり、出力信号である補償済み電界信号Xi_h,Xq_h,Yi_h,Yq_hの各々は、1つの入力信号である電界信号Xi,Xq,Yi,Yqの1つから算出される。
【0082】
図8は、FIRフィルタ5a~5dの一例を示す構成図である。FIRフィルタ5a~5dは、複数のフリップフロップ(FF)50と、複数の乗算器51と、加算器(Σ)52とを有する。FF50及び乗算器51はタップ数分だけ設けられている。
【0083】
FIRフィルタ5a~5dは、前段の搬送波位相復元部703から入力された信号S[0](電界信号Xi,Xq,Yi,Yq)を、複数のFF50により順次に遅延させて信号S[1]~S[n](n:正の整数)を生成する。FIRフィルタ5a~5dは、乗算器51により信号S[0]~S[n]にタップ係数h0~hnをそれぞれ乗算して、各乗算器41からの出力値を加算器52で合計して誤り訂正部705に出力する。なお、各FIRフィルタ5a~5dのタップ係数h0~hnは、代表的にタップ係数Hxi,Hxq,Hyi,Hyq(H)により表記される。
【0084】
係数算出部14は、例えば最小平均二乗誤差法(MMSE: Minimum Mean Square Error)または最小二乗法(LMS: Least Mean Square)によりタップ係数Hxi,Hxq,Hyi,Hyqを算出する。
【0085】
(最小平均二乗誤差法を用いる係数算出部14の構成例)
図9は、最小平均二乗誤差法を用いる係数算出部14の一例を示す構成図である。係数算出部14は算出回路4a~4dを有する。
【0086】
算出回路4aは、入力データメモリ10から読み出したデータDxiと、レプリカ信号生成部12から入力されたレプリカ信号Rxiとから電界信号Xiのタップ係数Hxi(h0~hn)を算出する。算出回路4bは、入力データメモリ10から読み出したデータDxqと、レプリカ信号生成部12から入力されたレプリカ信号Rxqとから電界信号Xqのタップ係数Hxq(h0~hn)を算出する。
【0087】
算出回路4cは、入力データメモリ10から読み出したデータDyiと、レプリカ信号生成部12から入力されたレプリカ信号Ryiとから電界信号Yiのタップ係数Hyi(h0~hn)を算出する。算出回路4dは、入力データメモリ10から読み出したデータDyqと、レプリカ信号生成部12から入力されたレプリカ信号Ryqとから電界信号Yqのタップ係数Hyq(h0~hn)を算出する。
【0088】
算出回路4a~4dは、周期的にタップ係数Hxi,Hxq,Hyi,Hyqをそれぞれ算出して歪み補償部704に設定することによりタップ係数Hxi,Hxq,Hyi,Hyqの更新処理を行う。なお、データDxi,Dxq,Dyi,Dyqは代表的にデータDaにより表記され、レプリカ信号Rxi,Rxq,Ryi,Ryqは代表的にレプリカ信号Rにより表記される。
【0089】
算出回路4a~4dは、例えば最小平均二乗誤差法によりタップ係数Hxi,Hxq,Hyi,Hyqをそれぞれ算出する。以下に例を挙げる。
【0090】
(h0 h1 ・・・ hn)=(DaDa)-1(DaR) ・・・(2)
=(rnn+1 ・・・ rL-1) ・・・(3)
【0091】
【数2】
【0092】
各電界信号Xi,Xq,Yi,Yqのタップ係数h0~hnは、それぞれ、上記の式(2)の行列演算式により算出される。式(2)において、添え字「T」は転置行列を表し、添え字「H」はエルミート行列を表す。
【0093】
式(2)におけるレプリカ信号Rは、上記の式(3)で表される行列である。データr,rn+1,・・・,rL-1は、レプリカ信号Rに含まれる各電界信号Xi_r,Xq_r,Yi_r,Yq_rに含まれるデータである。ここで、添え字「n」はFIRフィルタ5a~5dのタップ数であり、添え字「L」は、最小平均二乗誤差法を適用する際に用いられるデータDaの信号長である。なお、L-nはレプリカ信号Rの信号長に該当する。
【0094】
式(2)におけるデータDaは、上記の式(4)で表される行列である。データd0,d,・・・,dL-1は、各電界信号Xi,Xq,Yi,Yqのデータである。添え字「n」及び「L」は上記の意味である。
【0095】
各算出回路4a~4dは、各電界信号Xi,Xq,Yi,Yqについて式(2)~(4)を用いてタップ係数h0~hnをそれぞれ算出する。例えば電界信号Xiのタップ係数h0~hn(Hxi)の算出では、データDaに含まれる電界信号Xiとレプリカ信号Rに含まれる電界信号Xi_rが用いられる。また、電界信号Yqのタップ係数h0~hn(Hyq)の算出では、データDaに含まれる電界信号Yqとレプリカ信号Rに含まれる電界信号Yq_rが用いられる。
【0096】
係数算出部14は、周期的にタップ係数h0~hnを算出してFIRフィルタ5a~5dに設定する。これにより、タップ係数h0~hnが更新される。
【0097】
(最小二乗法を用いる係数算出部14の構成例)
図10は、最小二乗法を用いる係数算出部14の一例を示す構成図である。係数算出部14は、算出回路4ax~4dx及び設定回路4xを有する。
【0098】
算出回路4ax~4dxは、算出回路4a~4dと同様に、入力データメモリ10からデータDxi,Dxq,Dyi,Dyqをそれぞれ読み出す。また、算出回路4ax~4dxには、算出回路4a~4dと同様に、レプリカ信号生成部12からレプリカ信号Rxi,Rxq,Ryi,Ryqがそれぞれ入力される。また、設定回路4xは、ステップサイズμを算出回路4ax~4dxに設定する。
【0099】
算出回路4ax~4dxは、データDxi,Dxq,Dyi,Dyq及びレプリカ信号Rxi,Rxq,Ryi,Ryqに最小二乗法を適用することによりタップ係数Hxi,Hxq,Hyi,Hyqをそれぞれ算出する。算出回路4ax~4dxは、前回の算出処理で得られた時刻k(整数)のタップ係数Hxi,Hxq,Hyi,Hyq及びステップサイズμから、その次の算出処理の時刻(k+1)のタップ係数Hxi,Hxq,Hyi,Hyqをそれぞれ算出する。以下に例を挙げる。
【0100】
(h0[k+1] h1[k+1] ・・・ hn[k+1])
=(h0[k] h1[k] ・・・ hn[k])+μ・e[k]Da[k]
・・・(5)
e[k]=R[k]-(h0[k] h1[k] ・・・ hn[k])Da[k]
・・・(6)
R[k]=r[k] ・・・(7)
Da[k]=(d[k] d[k-1] ・・・ d[k-n]) ・・・(8)
【0101】
各電界信号Xi,Xq,Yi,Yqのタップ係数h0~hnは、それぞれ、上記の式(5)の行列演算式により算出される。式(5)において、タップ係数h0[k+1]~hn[k+1]は時刻(k+1)のタップ係数h0~hnであり、タップ係数h0[k]~hn[k]は時刻kのタップ係数h0~hnである。また、添え字「T」は転置行列を表し、「*」は複素共役な行列を表す。
【0102】
e[k]は上記の式(6)により算出される。式(6)において、レプリカ信号R[k]は、上記の式(7)に示されるように、時刻kの各電界信号Xi_r,Xq_r,Yi_r,Yq_rに含まれるデータr[k]である。
【0103】
また、式(6)におけるデータDa[k]は、上記の式(8)で表される行列である。データd[k],d[k-1],・・・,d[k-n]は、時刻kの各電界信号Xi,Xq,Yi,Yqのデータである。添え字「n」は上記の意味である。
【0104】
各算出回路4ax~4dxは、各電界信号Xi,Xq,Yi,Yqについて式(5)~(8)を用いて時刻(k+1)のタップ係数h0~hnをそれぞれ算出する。例えば電界信号Xiのタップ係数h0~hn(Hxi)の算出では、前回算出した時刻kの電界信号Xiのタップ係数h0~hn、データDaに含まれる電界信号Xi、及びレプリカ信号Rに含まれる電界信号Xi_rが用いられる。また、電界信号Yqのタップ係数h0~hn(Hyq)の算出では、前回算出した時刻kの電界信号Yqのタップ係数h0~hn、データDaに含まれる電界信号Yq、及びレプリカ信号Rに含まれる電界信号Yq_rが用いられる。
【0105】
このように、係数算出部14は、更新前のタップ係数h0~hnと、レプリカ信号Rと、歪みを補償される前のフレーム信号とからタップ係数h0~hnを更新する。このため、係数算出部14は、最小平均二乗誤差法を用いる場合と比べると、タップ係数h0~hnの更新時の変動量を抑制することができる。
【0106】
(歪み補償部704の他の構成例)
図11は、歪み補償部704の他の例を示す構成図である。本例の歪み補償部704aは、一例として4×4等化器の構成を有する。4×4等化器は、4つの出力信号のそれぞれの算出に4つの入力信号が用いられる構成を備える。
【0107】
歪み補償部704aは、タップ係数H*_xi,H*_xq,H*_yi,H*_yq(*:xi,xq,yi,yq)ごとのフィルタ回路3a~3dを有する。フィルタ回路3aはFIRフィルタ30a~30d及び加算器(Σ)34を有し、フィルタ回路3bはFIRフィルタ31a~31d及び加算器35を有する。フィルタ回路3cはFIRフィルタ32a~32d及び加算器36を有し、フィルタ回路3dはFIRフィルタ33a~33d及び加算器37を有する。各FIRフィルタ30a~30d,31a~31d,32a~32d,33a~33dは、図8に示される構成を有する。
【0108】
電界信号Xi,Xq,Yi,Yqは、搬送波位相復元部703からフィルタ回路3a~3dの各々に入力される。電界信号XiはFIRフィルタ30a~33aに入力され、電界信号XqはFIRフィルタ30b~33bに入力される。電界信号YiはFIRフィルタ30c~33cに入力され、電界信号YqはFIRフィルタ30d~33dに入力される。
【0109】
係数算出部14は、FIRフィルタ30a~30dに個別のタップ係数Hxi_xi,Hxq_xi,Hyi_xi,Hyq_xiを設定し、FIRフィルタ31a~31dに個別のタップ係数Hxi_xq,Hxq_xq,Hyi_xq,Hyq_xqを設定する。係数算出部14は、FIRフィルタ32a~32dに個別のタップ係数Hxi_yi,Hxq_yi,Hyi_yi,Hyq_yiを設定し、FIRフィルタ33a~33dに個別のタップ係数Hxi_yq,Hxq_yq,Hyi_yq,Hyq_yqを設定する。
【0110】
加算器34は、FIRフィルタ30a~30dをそれぞれ通過した電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを加算することにより電界信号Xi_hを生成して誤り訂正部705に出力する。これにより、フレーム信号のX偏波のI成分の歪みが補償される。
【0111】
加算器35は、FIRフィルタ31a~31dをそれぞれ通過した電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを加算することにより電界信号Xq_hを生成して誤り訂正部705に出力する。これにより、フレーム信号のX偏波のQ成分の歪みが補償される。
【0112】
加算器36は、FIRフィルタ32a~32dをそれぞれ通過した電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを加算することにより電界信号Yi_hを生成して誤り訂正部705に出力する。これにより、フレーム信号のY偏波のI成分の歪みが補償される。
【0113】
加算器37は、FIRフィルタ33a~33dをそれぞれ通過した電界信号Xi,Xq,Yi,Yqを加算することにより電界信号Yq_hを生成して誤り訂正部705に出力する。これにより、フレーム信号のY偏波のQ成分の歪みが補償される。
【0114】
【数3】
【0115】
歪み補償部704aで行われる補償処理は、例えば上記の式(9)により表される。補償済み電界信号Xi_hは、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqとタップ係数Hxi_xi,Hxq_xi,Hyi_xi,Hyq_xiのそれぞれの積として算出される。補償済み電界信号Xq_hは、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqとタップ係数Hxi_xq,Hxq_xq,Hyi_xq,Hyq_xqのそれぞれの積として算出される。
【0116】
補償済み電界信号Yi_hは、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqとタップ係数Hxi_yi,Hxq_yi,Hyi_yi,Hyq_yiのそれぞれの積として算出される。補償済み電界信号Yq_hは、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqとタップ係数Hxi_yq,Hxq_yq,Hyi_yq,Hyq_yqのそれぞれの積として算出される。このように、出力信号である補償済み電界信号Xi_h,Xq_h,Yi_h,Yq_hの各々は、4つの入力信号である電界信号Xi,Xq,Yi,Yqから算出される。
【0117】
係数算出部14は、例えば最小平均二乗誤差法または最小二乗法によりタップ係数H*_xi,H*_xq,H*_yi,H*_yq(*:xi,xq,yi,yq)を算出する。例えばタップ係数Hxi_xiは電界信号Xi内の歪みを補償する係数であり、タップ係数Hxq_xi,Hyi_xi,Hyq_xiは、電界信号Xq,Yi,Yqから電界信号Xiに対する影響による歪みを補償する係数である。
【0118】
(最小平均二乗誤差法を用いる係数算出部14の他の構成例)
図12は、最小平均二乗誤差法を用いる係数算出部14の他の例を示す構成図である。係数算出部14は算出回路4s~4vを有する。
【0119】
算出回路4sは、入力データメモリ10から読み出したデータDxi,Dxq,Dyi,Dyqと、レプリカ信号生成部12から入力されたレプリカ信号Rxiとから電界信号Xiのタップ係数H*_xi(h0~hn)を算出する。算出回路4tは、入力データメモリ10から読み出したデータDxi,Dxq,Dyi,Dyqと、レプリカ信号生成部12から入力されたレプリカ信号Rxqとから電界信号Xqのタップ係数H*_xq(h0~hn)を算出する。
【0120】
算出回路4uは、入力データメモリ10から読み出したデータDxi,Dxq,Dyi,Dyqと、レプリカ信号生成部12から入力されたレプリカ信号Ryiとから電界信号Yiのタップ係数H*_yi(h0~hn)を算出する。算出回路4vは、入力データメモリ10から読み出したデータDxi,Dxq,Dyi,Dyqと、レプリカ信号生成部12から入力されたレプリカ信号Ryqとから電界信号Yqのタップ係数H*_yq(h0~hn)を算出する。
【0121】
算出回路4s~4vは、周期的にタップ係数H*_xi,H*_xq,H*_yi,H*_yqをそれぞれ算出して歪み補償部704aに設定することによりタップ係数H*_xi,H*_xq,H*_yi,H*_yqの更新処理を行う。
【0122】
H*_xi=(Hxi_xi Hxq_xi Hyi_xi Hyq_xi)
・・・(10)
H*_xq=(Hxi_xq Hxq_xq Hyi_xq Hyq_xq)
・・・(11)
H*_yi=(Hxi_yi Hxq_yi Hyi_yi Hyq_yi)
・・・(12)
H*_yq=(Hxi_yq Hxq_yq Hyi_yq Hyq_yq)
・・・(13)
【0123】
次にタップ係数H*_xi,H*_xq,H*_yi,H*_yqの算出例を述べる。タップ係数H*_xi,H*_xq,H*_yi,H*_yqは上記の式(10)~(13)で表される。例えば電界信号Xiのタップ係数H*_xiを例に挙げると、タップ係数Hxi_xi,Hxq_xi,Hyi_xi,Hyq_xiはFIRフィルタ30a~30dにそれぞれ設定される。
【0124】
Hxi_xi=(h0xi_xi h1xi_xi h2xi_xi
・・・ hnxi_xi) ・・・(14)
Hxq_xi=(h0xq_xi h1xq_xi h2xq_xi
・・・ hnxq_xi) ・・・(15)
Hyi_xi=(h0yi_xi h1yi_xi h2yi_xi
・・・ hnyi_xi) ・・・(16)
Hyq_xi=(h0yq_xi h1yq_xi h2yq_xi
・・・ hnyq_xi) ・・・(17)
【0125】
タップ係数Hxi_xi,Hxq_xi,Hyi_xi,Hyq_xiは、上記の式(14)~(17)で示されるように、それぞれ、各FIRフィルタ30a~30dのタップ係数h0~hnであるタップ係数h0*_*~hn*_*を含む。なお、他の電界信号Xq,Yi,Yqのタップ係数H*_xq,H*_yi,H*_yqも、タップ係数H*_xiと同様に各FIRフィルタ31a~31d,32a~32d,33a~33dのタップ係数h0~hnをそれぞれ含む。
【0126】
H*_xi=(DaDa)-1(DaRxi) ・・・(18)
Da=(Dxi Dxq Dyi Dyq) ・・・(19)
Rxi=(Rxi RxiL+1 ・・・ RxiN-1) ・・・(20)
【0127】
【数4】
【0128】
例えば電界信号Xiのタップ係数H*_xiは、上記の式(18)によりデータDa及びレプリカ信号Rxiから算出される。データDaは、上記の式(19)で示されるように、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqに相当するデータDxi,Dxq,Dyi,Dyqを含む。
【0129】
また、式(18)内のレプリカ信号Rxiは上記の式(20)で表され、式(19)内のデータD*(Dxi,Dxq,Dyi,Dyq)は上記の式(21)で表される。ここで、添え字「n」及び「L」は上記の意味である。なお、他の電界信号Xq,Yi,Yqのタップ係数H*_xq,H*_yi,H*_yqも、タップ係数H*_xiと同様の式により算出される。
【0130】
(最小二乗法を用いる係数算出部14の他の構成例)
図13は、最小二乗法を用いる係数算出部14の他の例を示す構成図である。係数算出部14は、算出回路4sx~4vx及び設定回路4xを有する。
【0131】
算出回路4sx~4vxは、算出回路4s~4vと同様に、入力データメモリ10からデータDxi,Dxq,Dyi,Dyqをそれぞれ読み出す。また、算出回路4sx~4vxには、算出回路4s~4vと同様に、レプリカ信号生成部12からレプリカ信号Rxi,Rxq,Ryi,Ryqがそれぞれ入力される。また、設定回路4xは、ステップサイズμを算出回路4sx~4vxに設定する。
【0132】
算出回路4ax~4dxは、データDxi,Dxq,Dyi,Dyq及びレプリカ信号Rxi,Rxq,Ryi,Ryqに最小二乗法を適用することによりタップ係数H*_xi,H*_xq,H*_yi,H*_yqをそれぞれ算出する。算出回路4sx~4vxは、前回の算出処理で得られた時刻kのタップ係数H*_xi,H*_xq,H*_yi,H*_yq及びステップサイズμから、その次の算出処理の時刻(k+1)のタップ係数H*_xi,H*_xq,H*_yi,H*_yqをそれぞれ算出する。以下に例を挙げる。
【0133】
H*_xi[k]=(Hxi_xi[k] Hxq_xi[k]
Hyi_xi[k] Hyq_xi[k])・・・(22)
H*_xq[k]=(Hxi_xq[k] Hxq_xq[k]
Hyi_xq[k] Hyq_xq[k])・・・(23)
H*_yi[k]=(Hxi_yi[k] Hxq_yi[k]
Hyi_yi[k] Hyq_yi[k])・・・(24)
H*_yq[k]=(Hxi_yq[k] Hxq_yq[k]
Hyi_yq[k] Hyq_yq[k])・・・(25)
【0134】
時刻kのタップ係数H*_xi[k],H*_xq[k],H*_yi[k],H*_yq[k]は上記の式(22)~(25)で表される。例えば電界信号Xiのタップ係数H*_xi[k]を例に挙げると、タップ係数Hxi_xi[k],Hxq_xi[k],Hyi_xi[k],Hyq_xi[k]はFIRフィルタ30a~30dにそれぞれ設定される。
【0135】
Hxi_xi[k]=(h0xi_xi[k] h1xi_xi[k]
h2xi_xi[k] ・・・ hnxi_xi[k])・・・(26)
Hxq_xi[k]=(h0xq_xi[k] h1xq_xi[k]
h2xq_xi[k] ・・・ hnxq_xi[k])・・・(27)
Hyi_xi[k]=(h0yi_xi[k] h1yi_xi[k]
h2yi_xi[k] ・・・ hnyi_xi[k])・・・(28)
Hyq_xi[k]=(h0yq_xi[k] h1yq_xi[k]
h2yq_xi[k] ・・・ hnyq_xi[k])・・・(29)
【0136】
タップ係数Hxi_xi[k],Hxq_xi[k],Hyi_xi[k],Hyq_xi[k]は、上記の式(26)~(29)で示されるように、それぞれ、各FIRフィルタ30a~30dのタップ係数h0~hnであるタップ係数h0*_*~hn*_*を含む。なお、他の電界信号Xq,Yi,Yqのタップ係数H*_xq[k],H*_yi[k],H*_yq[k]も、タップ係数H*_xi[k]と同様に各FIRフィルタ31a~31d,32a~32d,33a~33dのタップ係数h0~hnをそれぞれ含む。
【0137】
H*_xi[k+1]=H*_xi[k]+μ・e_xi[k]Da[k]
・・・(30)
e_xi[k]=Rxi[k]-H*_xi[k]Da[k] ・・・(31)
Da[k]=(Da_xi[k] Da_xq[k]
Da_yi[k] Da_yq[k]) ・・・(32)
Da_xi[k]=(Dxi[k] Dxi[k-1] ・・・ Dxi[k-n])
・・・(33)
Da_xq[k]=(Dxq[k] Dxq[k-1] ・・・ Dxq[k-n])
・・・(34)
Da_yi[k]=(Dyi[k] Dyi[k-1] ・・・ Dyi[k-n])
・・・(35)
Da_yq[k]=(Dyq[k] Dyq[k-1] ・・・ Dyq[k-n])
・・・(36)
【0138】
例えば時刻(k+1)の電界信号Xiのタップ係数H*_xi[k+1]は、上記の式(30)の行列演算式により時刻kのH*_xi[k]から算出される。式(30)において、データDa[k]は、式(32)で表される行列である。式(32)内のDa_xi[k],Da_xq[k], Da_yi[k],Da_yq[k]は、式(33)~(36)でそれぞれ表されるように、時刻kのデータDxi,Dxq,Dyi,Dyqで構成される。
【0139】
また、e_xi[k]は上記の式(31)により算出される。Rxi[k]は時刻kのレプリカ信号Rxiである。なお、他の電界信号Xq,Yi,Yqのタップ係数H*_xq[k+1],H*_yi[k+1],H*_yq[k+1]も、タップ係数H*_xi[k+1]と同様の式により算出される。
【0140】
このように、係数算出部14は、更新前のタップ係数H*_xq,H*_yi,H*_yqと、レプリカ信号Rと、歪みを補償される前のフレーム信号とからタップ係数H*_xq,H*_yi,H*_yqを更新する。このため、係数算出部14は、最小平均二乗誤差法を用いる場合と比べると、タップ係数H*_xq,H*_yi,H*_yqの更新時の変動量を抑制することができる。
【0141】
また、フレーム信号には、上述したように電界信号Xi,Xq,Yi,Yqのデータが含まれる。電界信号Xi,YiのデータはI成分のデータの一例であり、電界信号Xq,YqのデータはQ成分のデータの一例である。X偏波の電界信号Xi,Xqのデータは第1偏波成分のデータの一例であり、Y偏波の電界信号Yi,Yqのデータは第2偏波成分のデータの一例である。
【0142】
本例の歪み補償部704aは、係数算出部14によりタップ係数H*_xi,H*_xq,H*_yi,H*_yqがそれぞれ設定されたフィルタ回路3a~3dを有する。フィルタ回路3a,3cは、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqのデータのフィルタ処理を行うことによりI成分の電界信号Xi,Yiのデータの歪みを補償する。フィルタ回路3b,3dは、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqのデータのフィルタ処理を行うことによりQ成分の電界信号Xq,Yqのデータの歪みを補償する。
【0143】
このため、歪み補償部704aは、I成分の電界信号Xi,YiとQ成分の電界信号Xq,Yqの間のクロストークに起因する歪みを補償することができる。なお、フィルタ回路3a,3cは第1フィルタ回路の一例であり、フィルタ回路3b,3dは第2フィルタ回路の一例である。
【0144】
また、フィルタ回路3a,3bは、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqのデータのフィルタ処理を行うことにより光信号StのX偏波成分の電界信号Xi,Xqのデータの歪みを補償する。フィルタ回路3c,3dは、電界信号Xi,Xq,Yi,Yqのデータのフィルタ処理を行うことにより光信号StのY偏波成分の電界信号Yi,Yqのデータの歪みを補償する。
【0145】
このため、歪み補償部704aは、X偏波成分の電界信号Xi,XqとY偏波成分の電界信号Yi,Yqの間のクロストークに起因する歪みを補償することができる。なお、フィルタ回路3a,3bは第3フィルタ回路の一例であり、フィルタ回路3c,3dは第4フィルタ回路の一例である。また、X偏波成分及びY偏波成分は、それぞれ、第1偏波成分及び第2偏波成分の一例である。
【0146】
(レプリカ信号Rの切換)
上記の例において、レプリカ信号Rは同期データ、主信号データ、及びパリティを含むが、同期データ及びパリティの何れかが省けるようにレプリカ信号Rの切り替え手段が設けられてもよい。
【0147】
図14は、他の信号制御部700aの例を示す構成図である。受信側の伝送装置7は、上記の信号制御部700に代えて信号制御部700aを有する。図14において、図3と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0148】
信号制御部700aは、入力データメモリ10、出力データメモリ11、レプリカ信号生成部12a、同期検出部13、係数算出部14a、タイミング指示部15、セレクタ16、及び切換制御部17を有する。
【0149】
レプリカ信号生成部12aは3つの生成処理部120~122を有する。生成処理部120~122は、切換制御部17から入力されるオンオフ信号により起動または停止する。切換制御部17は、生成処理部120~122の1つだけが起動して動作し、残りが停止するようにオンオフ信号を出力する。
【0150】
生成処理部120~122は、互いに異なる構成のレプリカ信号Rを生成する。生成処理部120~122が生成したレプリカ信号Rは係数算出部14aに入力される。
【0151】
係数算出部14aは3つの算出処理部140~142を有する。生成処理部120~122が生成したレプリカ信号Rは算出処理部140~142にそれぞれ入力される。算出処理部140~142は、切換制御部17から入力されるオンオフ信号により起動または停止する。切換制御部17は、算出処理部140~142の1つだけが起動して動作し、残りが停止するようにオンオフ信号を出力する。
【0152】
算出処理部140~142は、生成処理部120~122が生成したレプリカ信号Rに応じたタップ係数Hを算出する。算出処理部140~142により算出されたタップ係数Hはセレクタ16を介して歪み補償部704に入力される。
【0153】
セレクタ16は、算出処理部140~142が生成したレプリカ信号Rから、歪み補償部704に出力するレプリカ信号Rを選択する。セレクタ16は、切換制御部17からの切換信号に従ってレプリカ信号Rを選択する。
【0154】
切換制御部17は、例えば不図示の管理装置からの指示に従って生成処理部120~122、算出処理部140~142、及びセレクタ16を切り替える。切換制御部17は、生成処理部120及び算出処理部140、生成処理部121及び算出処理部141、及び生成処理部122及び算出処理部142の何れかの組だけが起動するようにオンオフ信号を出力する。また、切換制御部17は、その起動した組の算出処理部140~142が算出したタップ係数Hが選択されるようにセレクタ16に切換信号を出力する。
【0155】
これにより、切換制御部17が選択した生成処理部120~122が生成したレプリカ信号Rが歪み補償部704に出力される。
【0156】
図15は、生成処理部120の一例を示す構成図である。図15において、図4と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0157】
生成処理部120は、PTY付与部60、マッピング部61,63、同期信号生成部62、及びフレーム生成部64を有する。このため、符号G5で示されるように、生成処理部120は、レプリカ信号生成部12と同様に、同期データ、主信号データ、及びパリティを含むレプリカ信号Rを生成する。同期データ、主信号データ、及びパリティは算出処理部140によりタップ係数Hの算出に用いられる。
【0158】
図16は、他の生成処理部121の一例を示す構成図である。図16において、図4と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0159】
生成処理部121は、マッピング部61,63、同期信号生成部62、及びフレーム生成部64を有するが、PTY付与部60を有していない。このため、符号G6で示されるように、生成処理部121は、レプリカ信号生成部12とは異なり、パリティを含まず、同期データ及び主信号データだけを含むレプリカ信号Rを生成する。同期データ及び主信号データは算出処理部141によりタップ係数Hの算出に用いられる。
【0160】
図17は、他の生成処理部122の一例を示す構成図である。図17において、図4と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0161】
生成処理部122は、マッピング部61及びフレーム生成部64を有するが、PTY付与部60、同期信号生成部62、及びマッピング部63を有していない。このため、符号G7で示されるように、生成処理部122は、レプリカ信号生成部12とは異なり、同期データ及びパリティを含まず、主信号データだけを含むレプリカ信号Rを生成する。主信号データは算出処理部142によりタップ係数Hの算出に用いられる。
【0162】
このように、レプリカ信号生成部12aは、切換制御部17による選択に従って、同期データ、主信号データ、及び誤り訂正符号のうち、同期データまたは誤り訂正符号を省いてレプリカ信号を生成する。このため、レプリカ信号生成部12aは、フレーム信号に応じて適切なレプリカ信号Rを生成することができる。
【0163】
(プロセッサを用いる例)
伝送装置7は、上述した信号制御部700,700aに代えて、プロセッサ18を含む信号制御部700bを備えてもよい。
【0164】
図18は、プロセッサ18を含む信号制御部700bの一例を示す構成図である。図18において、図3と共通する構成には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0165】
信号制御部700bは、入力データメモリ10、出力データメモリ11、同期検出部13、タイミング指示部15、プロセッサ18、ROM(Read Only Memory)190、RAM(Random Access Memory)191を有する。プロセッサ18のバス180には、入力データメモリ10、出力データメモリ11、ROM190、及びRAM191が接続されている。
【0166】
プロセッサ18は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、ROM190から読み出したプログラムに従って動作する。プロセッサ18は、受信処理回路70の外部に設けられてもよい。
【0167】
ROM190は、プロセッサ18を駆動するプログラムが格納されている。プログラムには、レプリカ信号生成部12,12a及び係数算出部14,14aと同様の機能が含まれる。RAM191は、プロセッサ18のワーキングメモリとして機能する。
【0168】
図19は、プロセッサ18の処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサ18は、ROM190から読み出したプログラムに従って以下の処理を実行する。
【0169】
プロセッサ18は、入力データメモリ10及び出力データメモリ11へのフレーム信号の格納が完了したか否かを判定する(ステップST1)。プロセッサ18は、フレーム信号の格納が完了していない場合(ステップST1のNo)、再びステップST1の処理を実行する。
【0170】
また、フレーム信号の格納が完了している場合(ステップST1のYes)、プロセッサ18は、出力データメモリ11から誤り訂正済みのフレーム信号のデータDbを読み出す(ステップST2)。次にプロセッサ18は、データDbからレプリカ信号Rを生成する(ステップST3)。
【0171】
次にプロセッサ18は、入力データメモリ10から誤り訂正前のフレーム信号のデータDaを読み出す(ステップST4)。次にプロセッサ18は、上述したように、最小平均二乗誤差法または最小二乗法に従ってデータDa,Dbからタップ係数Hを算出する(ステップST5)。次にプロセッサ18はタップ係数Hを歪み補償部704に出力する(ステップST6)。このようにしてプロセッサ18は処理を実行する。
【0172】
このように、プロセッサ18は、レプリカ信号生成部12,12a及び係数算出部14,14aと同様の処理を実行する。このため、上述した内容と同様の効果が得られる。なお、プロセッサ18は生成部及び更新処理部の一例である。
【0173】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能である。
【0174】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 同期データ、主信号データ、及び誤り訂正符号を含むフレーム信号を受信する受信部と、
補償係数に基づき前記フレーム信号の歪みを補償する補償部と、
前記同期データから前記フレーム信号の同期タイミングを検出する検出部と、
前記歪みが補償された前記フレーム信号の誤りを、前記同期タイミングに従って前記誤り訂正符号に基づき訂正する訂正部と、
前記訂正部により誤りを訂正された前記フレーム信号から、前記同期タイミングに基づき、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号に該当するレプリカ信号を生成する生成部と、
前記レプリカ信号と、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号とから前記補償係数を更新する更新処理部とを有することを特徴とする伝送装置。
(付記2) 前記更新処理部は、該更新前の前記補償係数と、前記レプリカ信号と、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号とから前記補償係数を更新することを特徴とする付記1に記載の伝送装置。
(付記3) 前記フレーム信号には、I成分及びQ成分のデータが含まれ、
前記補償部は、前記更新処理部により前記補償係数がそれぞれ設定された第1フィルタ回路及び第2フィルタ回路を有し、
前記第1フィルタ回路は、前記I成分及び前記Q成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記I成分のデータの歪みを補償し、
前記第2フィルタ回路は、前記I成分及び前記Q成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記Q成分のデータの歪みを補償することを特徴とする付記1または2に記載の伝送装置。
(付記4) 前記フレーム信号には、光信号に含まれる第1偏波成分及び第2偏波成分のデータが含まれ、
前記補償部は、前記更新処理部により前記補償係数がそれぞれ設定された第3フィルタ回路及び第4フィルタ回路を有し、
前記第3フィルタ回路は、前記第1偏波成分及び前記第2偏波成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記第1偏波成分のデータの歪みを補償し、
前記第4フィルタ回路は、前記第1偏波成分及び前記第2偏波成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記第2偏波成分のデータの歪みを補償することを特徴とする付記1または2に記載の伝送装置。
(付記5) 前記歪みを補償される前の前記フレーム信号を格納する第1格納部と、
前記訂正部により誤りを訂正された前記フレーム信号を格納する第2格納部と、
前記同期タイミングを基準とする第1タイミングで前記第1格納部に前記フレーム信号を格納し、前記同期タイミングを基準とする第2タイミングで前記第2格納部に前記フレーム信号を格納する格納処理部とを有し、
前記生成部は、前記レプリカ信号の生成元の前記フレーム信号を前記第格納部から読み出し、
前記更新処理部は、前記レプリカ信号に該当する前記フレーム信号を前記第格納部から読み出すことを特徴とする付記1乃至4の何れかに記載の伝送装置。
(付記6) 前記生成部は、選択に従って、前記同期データ、前記主信号データ、及び前記誤り訂正符号のうち、前記同期データまたは前記誤り訂正符号を省いて前記レプリカ信号を生成することを特徴とする付記1乃至5の何れかに記載の伝送装置。
(付記7) 同期データ、主信号データ、及び誤り訂正符号を含むフレーム信号を受信し、
補償係数に基づき前記フレーム信号の歪みを補償し、
前記同期データから前記フレーム信号の同期タイミングを検出し、
前記歪みが補償された前記フレーム信号の誤りを、前記同期タイミングに従って前記誤り訂正符号に基づき訂正し、
前記誤りを訂正された前記フレーム信号から、前記同期タイミングに基づき、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号に該当するレプリカ信号を生成し、
前記レプリカ信号と、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号とから前記補償係数を更新することを特徴とする歪み補償方法。
(付記8) 前記補償係数の更新処理は、該更新前の前記補償係数と、前記レプリカ信号と、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号とから前記補償係数を更新することを特徴とする付記7に記載の歪み補償方法。
(付記9) 前記フレーム信号には、I成分及びQ成分のデータが含まれ、
前記フレーム信号の歪みの補償に、前記補償係数がそれぞれ設定された第1フィルタ回路及び第2フィルタ回路を用い、
前記第1フィルタ回路は、前記I成分及び前記Q成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記I成分のデータの歪みを補償し、
前記第2フィルタ回路は、前記I成分及び前記Q成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記Q成分のデータの歪みを補償することを特徴とする付記7または8に記載の歪み補償方法。
(付記10) 前記フレーム信号には、光信号に含まれる第1偏波成分及び第2偏波成分のデータが含まれ、
前記フレーム信号の歪みの補償に、前記更新処理部により前記補償係数がそれぞれ設定された第3フィルタ回路及び第4フィルタ回路を用い、
前記第3フィルタ回路は、前記第1偏波成分及び前記第2偏波成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記第1偏波成分のデータの歪みを補償し、
前記第4フィルタ回路は、前記第1偏波成分及び前記第2偏波成分のデータのフィルタ処理を行うことにより前記第2偏波成分のデータの歪みを補償することを特徴とする付記7または8に記載の歪み補償方法。
(付記11) 前記同期タイミングを基準とする第1タイミングで、前記歪みを補償される前の前記フレーム信号を第1格納部に格納し、
前記同期タイミングを基準とする第2タイミングで、前記誤りを訂正された前記フレーム信号を第2格納部に格納し、
前記レプリカ信号の生成元の前記フレーム信号を前記第格納部から読み出し、
前記レプリカ信号に該当する前記フレーム信号を前記第格納部から読み出すことを特徴とする付記7乃至10の何れかに記載の歪み補償方法。
(付記12) 選択に従って、前記同期データ、前記主信号データ、及び前記誤り訂正符号のうち、前記同期データまたは前記誤り訂正符号を省いて前記レプリカ信号を生成することを特徴とする付記7乃至11の何れかに記載の歪み補償方法。
【符号の説明】
【0175】
3a~3d フィルタ回路
5a~5d FIRフィルタ
7,8 伝送装置
10 入力データメモリ
11 出力データメモリ
12,12a レプリカ信号生成部
13 同期検出部
14,14a 係数算出部
15 タイミング指示部
18 プロセッサ
30a~30d,31a~31d FIRフィルタ
32a~32d,33a~33d FIRフィルタ
79 フロントエンド部
704,704a 歪み補償部
705 誤り訂正部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19