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特許7415166無線局、無線局システムおよび複数無線局の同期方法
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  • 特許-無線局、無線局システムおよび複数無線局の同期方法 図1
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  • 特許-無線局、無線局システムおよび複数無線局の同期方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】無線局、無線局システムおよび複数無線局の同期方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 56/00 20090101AFI20240110BHJP
【FI】
H04W56/00 130
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020056692
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2021158518
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000100746
【氏名又は名称】アイコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100131152
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100174573
【弁理士】
【氏名又は名称】大坂 知美
(74)【代理人】
【識別番号】100173462
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 一浩
(72)【発明者】
【氏名】冨田 丈夫
(72)【発明者】
【氏名】赤阪 仁規
(72)【発明者】
【氏名】上野 康男
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-187340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の無線局から送信される一定周期の時刻信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信した時刻信号を同期クロックとする無線通信部と、
前記無線通信部の同期クロックとする時刻信号を他の無線局に送信する送信部と、
GNSSからの信号を受信して一定周期の時刻信号を生成するGNSS受信機と、
前記無線通信部の同期クロックとする時刻信号を、前記受信部で受信した時刻信号と、前記GNSS受信機で生成した時刻信号とで切り替えるスイッチと、
を備え
前記受信部で、前記一定周期より長い時間、時刻信号を受信しなかった場合に、前記無線通信部の同期クロックとする時刻信号を、前記GNSS受信機が生成する時刻信号に切り替える無線局。
【請求項2】
GNSSからの信号を受信して一定周期の時刻信号を生成する第1のGNSS受信機、
前記第1のGNSS受信機で生成した時刻信号を同期クロックとする第1の無線通信部、および、
前記第1の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を他の無線局に送信する第1の送信部、
を備える第1の無線局と、
他の無線局から送信される一定周期の時刻信号を受信する受信部、および、
前記受信部で受信した時刻信号を同期クロックとする第2の無線通信部、
を備える第2の無線局と、
を含み、
少なくとも1台の前記第2の無線局は、前記第2の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を他の第2の無線局に送信する第2の送信部を備え、
少なくとも1台の前記第2の送信部を備える前記第2の無線局は、
GNSSからの信号を受信して前記一定周期の時刻信号を生成する第2のGNSS受信機と、
前記第2の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を、前記受信部で受信した時刻信号と、前記第2のGNSS受信機で生成した時刻信号とで切り替えるスイッチと、
をさらに備え、
前記受信部で、前記一定周期より長い時間、時刻信号を受信しなかった場合に、前記第2の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を、前記第2のGNSS受信機が生成する時刻信号に切り替える、
無線局システム。
【請求項3】
GNSSからの信号を受信して一定周期の時刻信号を生成する第1のGNSS受信機および第1の無線通信部を備える第1の無線局と、第2の無線通信部を備える少なくとも1台の第2の無線局と、を含む無線局システムが実行する、複数無線局の同期方法であって、
前記第1の無線局は、
前記第1のGNSS受信機で一定周期の時刻信号を生成し、
前記第1のGNSS受信機で生成した時刻信号を前記第1の無線通信部の同期クロックとし、
前記第1の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を前記第2の無線局に送信し、
前記第2の無線局は、
前記第1の無線局または他の前記第2の無線局から送信される時刻信号を受信し、
受信した時刻信号を前記第2の無線通信部の同期クロックとし、
GNSSからの信号を受信して前記一定周期の時刻信号を生成する第2のGNSS受信機を備える前記第2の無線局は、
前記一定周期より長い時間、前記第1の無線局または他の前記第2の無線局から送信される時刻信号を受信しなかった場合に、
前記第2のGNSS受信機で一定周期の時刻信号を生成し、かつ、前記第2の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を、前記第2のGNSS受信機が生成する時刻信号に切り替える、
複数無線局の同期方法。
【請求項4】
少なくとも1台の前記第2の無線局は、前記第2の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を他の前記第2の無線局に送信する、請求項に記載の複数無線局の同期方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の無線局の同期に関する。
【背景技術】
【0002】
サイマルキャスト通信を行う無線通信システムは、複数のサイトの無線局が同時に同一の信号を送信することにより、受信可能領域を広げる無線システムである。サイマルキャスト通信では、複数の無線局を同期させる必要がある。
【0003】
複数の無線局を同期させるために、GNSS(Global Navigation Satellite System)から受信する信号で時刻を同期させる技術が用いられている。例えば、特許文献1の複数局間の通信同期方式は、各通信局が共通の時間信号を無線により受信する手段、すなわちGNSS受信機を備え、GNSSから受信する世界標準時に同期した時間信号で通信同期用クロックを共通にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-251654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の複数局間の通信同期方式では、通信局それぞれにGNSS受信機が必要である。また、GNSS受信機の障害に備えるためには、通信局それぞれでGNSS受信機を二重化する必要がある。
【0006】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、複数の無線局を含む無線局システムで、GNSS受信機の数を、無線局の数より少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第の観点に係る無線局は、
他の無線局から送信される一定周期の時刻信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信した時刻信号を同期クロックとする無線通信部と、
前記無線通信部の同期クロックとする時刻信号を他の無線局に送信する送信部と、
GNSSからの信号を受信して一定周期の時刻信号を生成するGNSS受信機と、
前記無線通信部の同期クロックとする時刻信号を、前記受信部で受信した時刻信号と、前記GNSS受信機で生成した時刻信号とで切り替えるスイッチと、
を備え
前記受信部で、前記一定周期より長い時間、時刻信号を受信しなかった場合に、前記無線通信部の同期クロックとする時刻信号を、前記GNSS受信機が生成する時刻信号に切り替える。
【0010】
本発明の第の観点に係る無線局システムは、
GNSSからの信号を受信して一定周期の時刻信号を生成する第1のGNSS受信機、
前記第1のGNSS受信機で生成した時刻信号を同期クロックとする第1の無線通信部、および、
前記第1の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を他の無線局に送信する第1の送信部、
を備える第1の無線局と、
他の無線局から送信される一定周期の時刻信号を受信する受信部、および、
前記受信部で受信した時刻信号を同期クロックとする第2の無線通信部、
を備える第2の無線局と、
を含み、
少なくとも1台の前記第2の無線局は、前記第2の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を他の第2の無線局に送信する第2の送信部を備え、
少なくとも1台の前記第2の送信部を備える前記第2の無線局は、
GNSSからの信号を受信して前記一定周期の時刻信号を生成する第2のGNSS受信機と、
前記第2の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を、前記受信部で受信した時刻信号と、前記第2のGNSS受信機で生成した時刻信号とで切り替えるスイッチと、
をさらに備え、
前記受信部で、前記一定周期より長い時間、時刻信号を受信しなかった場合に、前記第2の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を、前記第2のGNSS受信機が生成する時刻信号に切り替える
【0013】
本発明の第の観点に係る複数無線局の同期方法は、
GNSSからの信号を受信して一定周期の時刻信号を生成する第1のGNSS受信機および第1の無線通信部を備える第1の無線局と、第2の無線通信部を備える少なくとも1台の第2の無線局と、を含む無線局システムが実行する、複数無線局の同期方法であって、
前記第1の無線局は、
前記第1のGNSS受信機で一定周期の時刻信号を生成し、
前記第1のGNSS受信機で生成した時刻信号を前記第1の無線通信部の同期クロックとし、
前記第1の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を前記第2の無線局に送信し、
前記第2の無線局は、
前記第1の無線局または他の前記第2の無線局から送信される時刻信号を受信し、
受信した時刻信号を前記第2の無線通信部の同期クロックとし、
GNSSからの信号を受信して前記一定周期の時刻信号を生成する第2のGNSS受信機を備える前記第2の無線局は、
前記一定周期より長い時間、前記第1の無線局または他の前記第2の無線局から送信される時刻信号を受信しなかった場合に、
前記第2のGNSS受信機で一定周期の時刻信号を生成し、かつ、前記第2の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を、前記第2のGNSS受信機が生成する時刻信号に切り替える
【0014】
好ましくは、
少なくとも1台の前記第2の無線局は、前記第2の無線通信部の同期クロックとする時刻信号を他の前記第2の無線局に送信する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、1つの無線局では、GNSS受信機で生成した時刻信号を同期クロックとし、同期クロックとする時刻信号を他の無線局に送信する。別の1つの無線局では、他の無線局から送信される一定周期の時刻信号を受信し、受信した時刻信号を同期クロックとする。その結果、GNSS受信機の数を、無線局の数より少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態1に係る無線局システムの構成を示すブロック図
図2】本発明の実施の形態2に係る無線局システムの構成を示すブロック図
図3】実施の形態2に係る時刻信号切替の動作の一例を示すフローチャート
図4】変形例に係る無線局システムの構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態に係る無線局、無線局システムおよび複数無線局の同期方法について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
【0019】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線局システムの構成を示すブロック図である。図1の無線局システムは、サイマルキャストを行う複数のサイトのうちの1つのサイトの無線局システムの構成を示す。実施の形態1に係る無線局システムは、1つの無線局10、1以上の無線局20、および無線局30を備える。無線局10,20および30は、それぞれ、サイマルキャスト通信を行う無線通信システムの中継装置である。無線局システムが2つの無線局から構成される場合は、無線局20はなくてもよい。あるいは、無線局30の代わりに無線局20を備えてもよい。
【0020】
無線局10は、GNSS受信機1、送信部2、無線通信部4および制御回路5を備える。無線局20は、受信部3、送信部2、無線通信部4および制御回路5を備える。無線局20は、無線局10のGNSS受信機1の代わりに、受信部3を備える。その他の構成は、無線局10と同じである。無線局30は、無線局20の構成から送信部2を除いた構成である。
【0021】
無線局10,20,30は、サイマルキャスト通信を行う中継装置であって、無線通信部4を用いて、図示しない自通信エリア内の移動無線局との間で、音声、データおよび通信制御情報を伝送する。また、無線通信部4は、図示しない通信制御装置と自通信エリア内の移動無線局との間で通信制御情報を中継する。さらに、無線通信部4は、他の中継装置との間で、音声、データを中継する。
【0022】
無線通信部4は、例えば、RX(受信)回路、TX(送信)回路、NIF(ネットワークインタフェース)回路、およびBBP(ベースバンド処理)回路を有する。制御回路5は、無線通信部4を制御し、通信を中継する処理及び通信制御処理を行う。
【0023】
無線局10のGNSS受信機1は、GNSSアンテナ11でGNSSからの電波を捕捉して、GNSS信号を受信する。GNSS受信機1は、受信したGNSS信号から一定周期の時刻信号Cを生成する。時刻信号Cは、世界標準時に同期した信号である。時刻信号Cは、例えば、周期が1秒のパルス(PPS:Pulse Per Second)である。無線局10の無線通信部4は、GNSS受信機1で生成した時刻信号Cを同期クロックとして動作する。
【0024】
無線局10の送信部2は、無線通信部4の同期クロックとする時刻信号Cを、他の無線局20または無線局30に送信する。無線局10は、GNSS受信機1でGNSS信号から生成した時刻信号Cに同期するので、他のサイトの無線局と時刻同期する。
【0025】
無線局20、30の受信部3は、無線局10または他の無線局20の送信部2から送信される時刻信号Cを受信し、自局の無線通信部4の同期クロックとして供給する。無線局20の送信部2は、無線通信部4の同期クロックとする時刻信号Cを、他の無線局20または無線局30に送信する。
【0026】
無線局10を先頭として、無線局10、20は送信部2および受信部3でデイジーチェーンに接続され、末尾の無線局30に接続される。無線局30は、無線局10または無線局20から送信される時刻信号Cを受信部3で受信し、無線通信部4の同期クロックとする。無線局30はデイジーチェーンの末尾なので、送信部2を必要としない。
【0027】
無線局10,20,30は、時刻信号Cを送る信号線がデイジーチェーンに接続され、無線局システム全体で1つのGNSS受信機1でGNSS信号を受信して生成した時刻信号に同期する。送信部2は、信号線に時刻信号Cのパルスを送出するだけであって、遅延時間を無視できる。受信部3は、信号線を終端して時刻信号Cを受信するだけであって、遅延時間を無視できる。1つのサイトを構成する無線局の数では、サイマルキャストの同期に関して、時刻信号をデイジーチェーンで接続する遅延時間は無視できる。
【0028】
無線局システム全体は、GNSS信号から生成した時刻信号に同期するので、他のサイトの無線局と同期する。そのため、無線局システムをサイマルキャスト通信に用いることができる。
【0029】
以上説明したように、実施の形態1の無線局システムによれば、1つのGNSS受信機1で2以上の無線局10,20,30を同期させるので、複数の無線局を含む無線局システムで、GNSS受信機1の数を無線局10,20,30の数より少なくすることができる。
【0030】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2に係る無線局システムの構成を示すブロック図である。実施の形態2では、無線局10以外にGNSS受信機1を備える無線局40が無線局システムに含まれる。実施の形態2の無線局システムは、実施の形態1の無線局20の1つに、GNSS受信機1とスイッチ6を追加した構成である。その他の構成は、実施の形態1と同様である。図2では、無線局20と無線局30の無線通信部4の内部の各回路が省略されている。
【0031】
無線局40では、無線局10が正常に動作し、無線局10のGNSS受信機1が生成した時刻信号Cを受信部3で受信している間は、制御回路5はスイッチ6に受信部3と無線通信部4とを接続させ、受信部3から出力される時刻信号Cを同期クロックとして無線通信部4に供給している。そして、送信部2は、無線通信部4の同期クロックとする時刻信号Cを他の無線局に送信する。
【0032】
無線局10の何らかの障害で、例えば、GNSS受信機1の故障で、時刻信号Cを受信できなくなった場合に、無線局40の制御回路5は、スイッチ6に無線局40のGNSS受信機1と無線通信部4とを接続させ、GNSS受信機1が生成する時刻信号Cを無線通信部4の同期クロックとして供給する。例えば、時刻信号Cの一定周期より長い時間、時刻信号Cを受信しなかった場合に、制御回路5は、スイッチ6を切り替えて、GNSS受信機1と無線通信部4とを接続し、無線通信部4の同期クロックを受信部3の出力からGNSS受信機1の生成する時刻信号Cに切り替える。
【0033】
無線局40のGNSS受信機1は、待機系である。受信部3で時刻信号Cを受信できなくなったときにGNSS受信機1を起動してもよいが、通信の途切れる時間を短くするために、常時作動させておくことが望ましい。
【0034】
無線局40の下流に接続される無線局20および無線局30は、無線局10からの時刻信号Cが途絶えても、無線局40が送信する時刻信号Cで同期できる。したがって図2に示すように、無線局10から直接、時刻信号Cを受信する位置に、無線局40を配置するのが望ましい。
【0035】
図3は、実施の形態2に係る時刻信号切替の動作の一例を示すフローチャートである。無線局40は、起動されたときに時刻信号切替処理を開始する。まず、時刻信号の周期より長い時間のタイマーをセットして(ステップS10)、タイマー時間が経過したか否かを判別する(ステップS11)。
【0036】
タイマー時間が経過していない場合は(ステップS11;N)、時刻信号を受信したか否かを判別する(ステップS12)。時刻信号Cを受信していない場合は(ステップS12;N)、ステップS11に戻る。タイマー時間が経過していない間に(ステップS11;N)、時刻信号を受信すれば(ステップS12;Y)、タイマーをリセットして(ステップS13)、ステップS11から繰り返す。
【0037】
時刻信号を受信する前に(ステップS12;N)、タイマー時間が経過した場合は(ステップS11;Y)、無線通信部4の同期クロックとする時刻信号を、GNSS受信機1が生成する時刻信号に切り替えて(ステップS14)、処理を終了する。つまり、時刻信号の一定周期より長い時間、時刻信号Cを受信しなかった場合に、無線通信部4の同期クロックとする時刻信号を、GNSS受信機1が生成する時刻信号Cに切り替える。
【0038】
以上説明したように、実施の形態2の無線局システムでは、少なくとも1台の無線局40は、受信部3で、一定周期より長い時間、時刻信号Cを受信しなかった場合に、無線通信部4の同期クロックとする時刻信号Cを、GNSS受信機1が生成する時刻信号Cに切り替える。無線局10のGNSS受信機1が故障した場合でも、デイジーチェーンの無線局40以下の無線局20、30は、GNSS受信機1で生成した時刻信号Cに同期し、無線通信部4でサイマルキャストの無線通信を継続できる。
【0039】
変形例.
図4は、変形例に係る無線局システムの構成を示すブロック図である。変形例では、無線局10に受信部3およびスイッチ6を追加した無線局50を備え、無線局30に代えて無線局20を備える。そして、デイジーチェーンの末尾の無線局20の送信部2から、無線局50の受信部3に時刻信号Cを送信する。
【0040】
無線局50では、自局のGNSS受信機1で時刻信号Cを生成できなくなったときに、すなわち、時刻信号Cの一定周期より長い時間、時刻信号Cが生成されなかった場合に、無線通信部4の同期クロックとする時刻信号Cを、受信部3で受信する時刻信号Cに切り替える。
【0041】
変形例の無線局システムは、デイジーチェーンが環状に接続されるので、無線局50のGNSS受信機1が故障した場合でも、すべての無線局20,40,50は、無線局40のGNSS受信機1が生成する時刻信号Cに同期し、無線通信部4でサイマルキャストの無線通信を継続できる。
【符号の説明】
【0042】
1 GNSS受信機
2 送信部
3 受信部
4 無線通信部
5 制御回路
6 スイッチ
10,20,30,40,50 無線局
11 GNSSアンテナ
図1
図2
図3
図4