(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】電子メール監視装置及び電子メール管理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 51/00 20220101AFI20240110BHJP
G06F 3/06 20060101ALI20240110BHJP
G06F 16/31 20190101ALI20240110BHJP
【FI】
H04L51/00
G06F3/06 301W
G06F16/31
(21)【出願番号】P 2019178225
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-06-03
(73)【特許権者】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091546
【氏名又は名称】佐藤 正美
(74)【代理人】
【識別番号】100206379
【氏名又は名称】丸山 正
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 孝
(72)【発明者】
【氏名】澤田 隆行
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 伸祐
(72)【発明者】
【氏名】奥谷 悠典
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-249101(JP,A)
【文献】特開2010-010859(JP,A)
【文献】特開2016-208218(JP,A)
【文献】特開2005-352949(JP,A)
【文献】特開2001-251361(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
G06F 3/06
G06F 16/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
WAN(Wide Area Network)とLAN(Local Area Network)との間において、ルーターの配下に設けられ、LANに接続されている、電子メールの送受信が可能な1または複数個の端末で送受される電子メールを記憶部に蓄積する電子メール監視装置であって、
前記電子メールのメール本文情報及び/又は添付情報について、送信メール及び受信メールの区別なく、同一の情報が既に前記記憶部に蓄積されているか否かを判別する重複判別手段と、
前記電子メールのヘッダ情報は、全て前記記憶部に蓄積すると共に、前記重複判別手段で同一の情報は前記記憶部に蓄積されていないと判別された前記メール本文情報及び/又は前記添付情報は、前記ヘッダ情報に対応付け可能に前記記憶部に蓄積し、前記重複判別手段で同一の情報が既に前記記憶部に蓄積されていると判別された前記メール本文情報及び/又は前記添付情報については、前記記憶部に蓄積されている前記メール本文情報及び/又は前記添付情報のそれぞれを参照可能とするリンク情報を前記ヘッダ情報に対応付けて蓄積する蓄積制御手段と、
受け取った電子メールが、前記1または複数個の端末からの送信メールか、前記1または複数個の端末宛の受信メールかを判別する送受信メール判別手段と、
を備え、
LANに接続されている、電子メールの送受信が可能な1または複数個の前記端末には、同一のドメイン名を含むメールアドレスが付与されているものであり、
前記受信メールのヘッダ情報の送信元と送信先とのメールアドレスが同一のドメイン名を有するものであるか否かを判別するドメイン名判別手段を備え、
前記重複判別手段は、前記ドメイン名判別手段での判別結果に基づいて、既に前記記憶部に蓄積されているか否かを判別するために参照する記憶部の記憶エリアを異ならせる
を備えることを特徴とする電子メール監視装置。
【請求項2】
前記重複判別手段は、前記
ドメイン名判別手段で、前記受信メールのヘッダ情報の送信元と送信先とのメールアドレスが同一のドメイン名を有する
と判別した場合には、前記記憶部に蓄積されている送信メールの中から、前記受信メールと同一の送信メールがあるか否か
を判別し、前記
同一の送信メールがあると判別したときには、前記メール本文情報及び/又は前記添付情報について同一の情報が前記記憶部に既に蓄積管理されていると判別する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子メール監視装置。
【請求項3】
受け取った前記電子メールが、前記1または複数個の端末からの送信メールか、前記1または複数個の端末宛の受信メールかを判別する送受信メール判別手段を備え、
前記蓄積制御手段は、
前記電子メールを、前記ヘッダ情報の記憶エリアと、前記メール本文情報の記憶エリアと、前記添付情報の記憶エリアとに分けて管理するものであり、
前記メール本文情報の記憶エリア及び前記添付情報の記憶エリアには、前記重複判別手段で同一の情報は前記記憶部に蓄積されていないと判別された前記メール本文情報及び前記添付情報を記憶し、
前記ヘッダ情報の記憶エリアには、前記電子メールのヘッダ情報を前記送信メールと前記受信メールとの区別可能に記憶すると共に、それぞれのヘッダ情報が付加されていた前記メール本文情報及び/又は前記添付情報の前記リンク情報を、前記ヘッダ情報に対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子メール監視装置。
【請求項4】
前記重複判別手段は、前記メール本文情報及び/又は前記添付情報について、判別対象の電子メールの情報と、蓄積されている情報とで、判別対象の電子メールのデータサイズが同一であるか否か判別し、データサイズが同一であると判別したときには、判別対象の電子メールの情報と、蓄積されている情報とで、差分を求め、差分がないと判別したときに、同一の情報が既に蓄積されていると判別する
ことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の電子メール監視装置。
【請求項5】
他の装置からの閲覧要求を受けて、前記
記憶部に蓄積
されている前記電子メールの情報を提供する機能を備え、
前記リンク情報は、前記メール本文情報及び/又は前記添付情報に対応するショートカットもしくはシンボリックリンクであり、前記閲覧要求を受けたときに、前記ショートカットもしくはシンボリックリンクの情報を提供する
ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の電子メール監視装置。
【請求項6】
WAN(Wide Area Network)とLAN(Local Area Network)との間において、ルーターの配下に設けられる電子メール監視装置が、LANに接続されている、電子メールの送受信が可能な1または複数個の端末で送受される電子メールを記憶部に蓄積する方法であって、
前記電子メールのメール本文情報及び/又は添付情報について、送信メール及び受信メールの区別なく、同一の情報が既に前記記憶部に蓄積されているか否かを判別する重複判別工程と、
前記電子メールのヘッダ情報は、全て前記記憶部に蓄積すると共に、前記重複判別工程で同一の情報は前記記憶部に蓄積されていないと判別された前記メール本文情報及び/又は前記添付情報は、前記ヘッダ情報に対応付け可能に前記記憶部に蓄積し、前記重複判別工程で同一の情報が既に前記記憶部に蓄積されていると判別された前記メール本文情報及び/又は前記添付情報については、前記記憶部に蓄積されている前記メール本文情報及び/又は前記添付情報のそれぞれを参照可能とするリンク情報を前記ヘッダ情報に対応付けて蓄積する蓄積制御工程と、
受け取った電子メールが、前記1または複数個の端末からの送信メールか、前記1または複数個の端末宛の受信メールかを判別する送受信メール判別工程と、
を有し、
LANに接続されている、電子メールの送受信が可能な1または複数個の前記端末には、同一のドメイン名を含むメールアドレスが付与されているものであり、
前記受信メールのヘッダ情報の送信元と送信先とのメールアドレスが同一のドメイン名を有するものであるか否かを判別するドメイン名判別工程を有し、
前記重複判別工程では、前記ドメイン名判別
工程での判別結果に基づいて、既に前記記憶部に蓄積されているか否かを判別するために参照する記憶部の記憶エリアを異ならせる
ことを特徴とする電子メール管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、WAN(Wide Area Network)とLAN(Local Area Network)との間において、LANに接続されている、電子メールの送受信が可能な1または複数個の機器で送受される電子メールを蓄積管理する電子メール監視装置及び電子メール管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
WANとLANとの間において、LANに接続されている、電子メールの送受信が可能な1または複数個の機器で送受される電子メールを監視する電子メール監視装置が知られている(例えば特許文献1(特開2003-67307号公報)参照)。
【0003】
従来のこの種の電子メール監視装置においては、複数個の機器で送受される電子メールの全てを、自動で、記憶部に記憶蓄積するようにしている。その場合に、従来の電子メール監視装置では、電子メールは、送信メールと受信メールとで別々の記憶エリアに記憶されると共に、ヘッダ情報及びメール本体情報をそのまま記憶すると共に、添付情報が付加されている場合には、その添付情報もそのまま記憶して、全てを、履歴通りに、1通ずつ記憶するようにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、電子メール監視装置の記憶部は、ハードディスク装置(HDD(Hard Disc Drive)装置)や半導体メモリ装置(SSD(Solid State Drive)装置)が用いられ、その記憶容量は有限である。
【0006】
したがって、LANに接続される機器が多数存在する場合には、送受信される電子メールが多量であり、電子メール監視装置の記憶部は、比較的、短期間で空き記憶領域がなくなってしまうという問題がある。
【0007】
この発明は、以上の問題点を解決することができるようにした電子メール管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、
WAN(Wide Area Network)とLAN(Local Area Network)との間において、ルーターの配下に設けられ、LANに接続されている、電子メールの送受信が可能な1または複数個の端末で送受される電子メールを記憶部に蓄積する電子メール監視装置であって、
前記電子メールのメール本文情報及び/又は添付情報について、送信メール及び受信メールの区別なく、同一の情報が既に前記記憶部に蓄積されているか否かを判別する重複判別手段と、
前記電子メールのヘッダ情報は、全て前記記憶部に蓄積すると共に、前記重複判別手段で同一の情報は前記記憶部に蓄積されていないと判別された前記メール本文情報及び/又は前記添付情報は、前記ヘッダ情報に対応付け可能に前記記憶部に蓄積し、前記重複判別手段で同一の情報が既に前記記憶部に蓄積されていると判別された前記メール本文情報及び/又は前記添付情報については、前記記憶部に蓄積されている前記メール本文情報及び/又は前記添付情報のそれぞれを参照可能とするリンク情報を前記ヘッダ情報に対応付けて蓄積する蓄積制御手段と、
受け取った電子メールが、前記1または複数個の端末からの送信メールか、前記1または複数個の端末宛の受信メールかを判別する送受信メール判別手段と、
を備え、
LANに接続されている、電子メールの送受信が可能な1または複数個の前記端末には、同一のドメイン名を含むメールアドレスが付与されているものであり、
前記受信メールのヘッダ情報の送信元と送信先とのメールアドレスが同一のドメイン名を有するものであるか否かを判別するドメイン名判別手段を備え、
前記重複判別手段は、前記ドメイン名判別手段での判別結果に基づいて、既に前記記憶部に蓄積されているか否かを判別するために参照する記憶部の記憶エリアを異ならせる
を備えることを特徴とする電子メール監視装置を提供する。
【0009】
電子メールには、同一のメールが再度送信される再送メールや、同一のメール本文情報が複数の異なる宛先に送信される同報メール、受信したメール本文情報を他の宛先に転送する転送メールなどがあり、ヘッダ情報及びメール本文情報が同一のものや、少なくともメール本文情報が同一のものを含むものもある。また、同一の添付情報が、異なる電子メールに添付されて送受信される場合もある。
【0010】
請求項1の発明は、以上のような電子メールの性質を利用したもので、電子メールのメール本文情報及び/又は添付情報について、送信メール及び受信メールの区別なく、同一の情報が既に記憶部に蓄積されているか否かを判別する重複判別手段を備える。
【0011】
そして、蓄積制御手段は、電子メールのヘッダ情報は全て記憶部に蓄積すると共に、重複判別手段で同一の情報は記憶部に蓄積されていないと判別されたメール本文情報及び/又は添付情報は、ヘッダ情報に対応付けて記憶部に蓄積し、重複判別手段で同一の情報が記憶部に蓄積されていると判別されたメール本文情報及び/又は添付情報については、記憶部に蓄積されているメール本文情報及び/又は添付情報のそれぞれを参照可能とするリンク情報をヘッダ情報に対応付けて蓄積する。
【0012】
したがって、この発明による電子メール監視装置においては、記憶部には、送信メール及び受信メールの区別なく、メール本文情報及び/又は添付情報の同一の情報については一つが記憶されて重複記憶が回避されるので、記憶部の記憶エリアの省スペース化を図ることができる。しかも、記憶部には、重複するメール本文情報及び/又は添付情報については、記憶部に記憶されている同一のメール本文情報及び/又は添付情報を参照可能とするリンク情報が記憶されるので、元の電子メールを容易に再構築することができる。
【0013】
これにより、電子メール監視装置の記憶部には、その記憶エリアを効率よく最大限に利用して、従来よりも大量の電子メールの全てを、記憶することができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明による電子メール監視装置によれば、記憶部の記憶エリアの省スペース化を図ることができると共に、重複するメール本文情報及び/又は添付情報については、記憶されているメール本文情報及び/又は添付情報を参照可能とするリンク情報が記憶されるので、元の電子メールを容易に再構築することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明による電子メール監視装置の実施形態を含む通信システムの構成例を示す図である。
【
図2】この発明による電子メール監視装置の実施形態の構成例を説明するためのブロック部である。
【
図3】この発明による電子メール監視装置の実施形態が備える記憶部の記憶内容の例を示す図である。
【
図4】この発明による電子メール監視装置の実施形態の動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【
図5】この発明による電子メール監視装置の実施形態の動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【
図6】この発明による電子メール監視装置の実施形態の動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【
図7】この発明による電子メール監視装置の実施形態の動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【
図8】この発明による電子メール監視装置の実施形態の動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【
図9】この発明による電子メール監視装置の他の実施形態が備える記憶部の記憶内容の例を示す図である。
【
図10】この発明による電子メール監視装置の実施形態の動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【
図11】この発明による電子メール監視装置の実施形態の動作例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明による電子メール監視装置の実施形態を、図を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、この発明による電子メール監視装置の実施形態を含む通信システムの構成例を示す図である。
【0018】
実施形態の電子メール監視装置1は、ルーター2とLAN3との間において、ルーター2の配下(ルーター2のLAN3側)に設けられる。電子メール監視装置1は、これを通じて送受信される電子メールの情報を記憶して履歴として残すための記憶部1Mを備えている。なお、電子メール監視装置1は、セキュリティゲートウェイ装置に、その機能部として搭載されていてもよい。
【0019】
LAN3には、電子メールの送受信が可能な端末、この例ではパーソナルコンピュータ4の複数個が接続されている。この例では、LAN3に接続されている複数個のパーソナルコンピュータのそれぞれには、固有の電子メールアドレスが付与されているが、それらの電子メールアドレスのドメイン名は同一とされている。LAN3は、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。また、電子メールの送受信が可能な端末は、パーソナルコンピュータに限られるものではないことは言うまでもなく、また、据え置き型の機器であってもよいし、携帯型の機器であってもよい。
【0020】
ルーター2のWAN側には、通信ネットワーク5が接続され、この通信ネットワーク5には、
図1の例では、メールサーバ6A,6B,・・・が接続されている。メールサーバ6A、6Bは、送信サーバ6AS、6BS及び受信サーバ6AR、6BRを備えて構成されている。
【0021】
この例では、メールサーバ6Aは、LAN3に接続されているパーソナルコンピュータ4の電子メールアドレスのドメイン名用のメールサーバである。また、メールサーバ6Bは、LAN3に接続されているパーソナルコンピュータ4の電子メールアドレスのドメイン名とは異なるドメイン名用のメールサーバの一つである。
【0022】
そして、
図1の例では、メールサーバ6Bを経由して電子メールが送受信される通信端末の例として、電子メールの送受信機能を備える通信端末7が通信ネットワーク5に接続されている。
【0023】
なお、メールサーバ6Bが電子メールのやり取りに介在する通信端末は、
図1の例のような単独の通信端末7ではなく、ルーター及び電子メール監視装置を介して通信ネットワーク5に接続されるLANに接続される複数の通信端末であってもよいことは言うまでもない。そして、その場合の電子メール監視装置を、実施形態の電子メール監視装置と同様に構成してもよいことは勿論である。
【0024】
<電子メールの送受信>
LAN3に接続されているパーソナルコンピュータ4から送信された送信メールは、電子メール監視装置1、ルーター2、通信ネットワーク5を順次通じてメールサーバ6Aの送信サーバ6ASに送信される。このとき、電子メール監視装置1では、後述するようにして、蓄積情報の重複を避けて、送信メールの情報を記憶部1Mに記憶する処理を行う。
【0025】
メールサーバ6Aでは、受け取った送信メールの宛先についてのアドレス解決を行って、宛先の電子メールアドレスのドメイン名に応じたメールサーバの受信サーバに送る。すなわち、宛先の電子メールアドレスのドメイン名がLAN3に接続されているパーソナルコンピュータ4の電子メールアドレスのドメイン名と同一であるときには、送信サーバ6ASは、送信メールをメールサーバ6A自身の受信サーバ6ARに送信し、受信サーバ6ARは、受信した送信メールを受信メールボックスに保存する。
【0026】
また、メールサーバ6Aでのアドレス解決の結果、宛先の電子メールアドレスのドメイン名がLAN3に接続されているパーソナルコンピュータ4の電子メールアドレスのドメイン名と異なるときには、送信サーバ6ASは、送信メールを、その宛先の電子メールアドレスのドメイン名に対応するメールサーバ、例えばメールサーバ6Bの受信サーバ6BRに送信する。メールサーバ6Bの受信サーバ6BRは、受信した送信メールを受信メールボックスに保存する。
【0027】
そして、LAN3に接続されているパーソナルコンピュータ4のそれぞれや、通信端末7は、自端末宛の電子メールを受信するときには、メールサーバ6Aや、メールサーバ6Bに電子メールの受信要求を送る。
【0028】
そして、メールサーバ6Aは、LAN3に接続されているパーソナルコンピュータ4のいずれかからの電子メールの受信要求を受けると、受信サーバ6ARの受信メールボックスに保存していた電子メールの内に、受信要求をしてきたパーソナルコンピュータ4宛の電子メールが存在する場合には、その電子メールを、当該受信要求してきたパーソナルコンピュータ4に、通信ネットワーク5、ルーター2、電子メール監視装置1、LAN3を順次通じて送る。このとき、電子メール監視装置1では、後述するようにして、蓄積情報の重複を避けて、受信メールの情報を記憶部1Mに記憶する処理を行う。
【0029】
そして、メールサーバ6Bは、通信端末7からの電子メールの受信要求を受けると、受信サーバ6BRの受信メールボックスに保存していた電子メールの内に受信要求をしてきた通信端末7宛の電子メールが存在する場合には、その電子メールを、当該受信要求してきた通信端末7に、通信ネットワーク5を通じて送る。
【0030】
<電子メール監視装置1の構成例>
図2は、実施形態の電子メール監視装置1の機能的構成例を示すブロック図である。すなわち、電子メール監視装置1は、メール処理手段11と、送受信メール判別手段12と、重複判別手段13と、蓄積制御手段14と、閲覧要求処理手段15と、記憶部1Mとを備えている。
【0031】
メール処理手段11は、WAN側端子16Wと、LAN側端子17Lとの間に接続される。WAN側端子16Wは、ルーター2に接続され、LAN側端子17Lは、LAN3に接続される。メール処理手段11は、LAN側端子17Lから受けた送信メールをWAN側端子16Wからルーター2に送出し、また、WAN側端子16Wから受けた受信メールをLAN側端子17LからLAN3に送出する。また、メール処理手段11は、送信メール又は受信メールの電子メールを受け取ったことを検出したときには、その電子メールの情報を抽出して、送受信メール判別手段12に渡すようにする。
【0032】
送受信メール判別手段12は、メール処理手段11から受け取った電子メールが送信メールか受信メールかを判別し、その判別結果と共に、電子メールの情報を重複判別手段13に渡す。
【0033】
重複判別手段13は、送受信メール判別手段12から受け取った電子メールの情報が、記憶部1Mに既に記憶されている電子メールの情報と重複しているか否かを判別する。この場合に、重複判別手段13は、受け取った電子メールについての重複の判別に当たっては、送信メールの情報か受信メールの情報かに関係なく、記憶部1Mに記憶されている全ての電子メールの情報を対象として、重複しているか否かを判別する。
【0034】
ところで、電子メールの情報としては、ヘッダ情報と、メール本文情報と、添付情報が付加されているときには、その添付情報とからなる。ヘッダ情報は、送信日時の情報、送信元のメールアドレス、送信先のメールアドレスなどを含み、完全一致するものはないので、この実施形態では、記憶部1Mにすべて記憶するようにする。これに対して、メール本文情報と、添付情報とは、既に記憶されているものと同一のものが存在する可能性がある。
【0035】
重複判別手段13は、メール本文情報と添付情報とについて、既に記憶部1Mに記憶されているものと同一のものが存在するか否かの重複判別を実行する。ただし、この重複判別手段13における、メール本文情報及び添付情報が重複しているか否かの重複判別処理においては、この実施形態では、記憶されているメール本文情報及び添付情報と、新たに取得した電子ーメールのメール本文情報及び添付情報とを比較して同一であるか否かを判別するだけでなく、ヘッダ情報をも考慮して判別する場合もある。この重複判別手段13における重複判別の手法の例については、後で詳述する。
【0036】
そして、この実施形態では、重複判別手段13は、新たに取得したメール本文情報及び/又は添付情報について、重複しているか否かの判別結果と、重複していると判別したときには、既に記憶部1Mに記憶されている重複するメール本文情報及び/又は添付情報が記憶されている記憶部1Mのメモリアドレスを、蓄積制御手段14に渡す。
【0037】
蓄積制御手段14は、重複判別手段13から、メール本文情報及び/又は添付情報について、重複してはいないとの判別結果を得たときには、メール処理手段11で抽出した電子メールのヘッダ情報、メール本部情報とをそのまま記憶部1Mに記憶すると共に、添付情報があれば、その添付情報をそのまま記憶部1Mに記憶する。
【0038】
この場合に、この例では、記憶部1Mは、
図3に示すように、送信メール記憶エリアと、受信メール記憶エリアとに、記憶エリアが分離されている。そして、蓄積制御手段14は、送受信メール判別手段12の判別結果に応じて、電子メールの送信メールは送信メール記憶エリアに、受信メールは受信メール記憶エリアに、それぞれ分離して記憶する。
【0039】
そして、記憶部1Mには、
図3に示すように、各電子メールは、履歴順に、ヘッダ情報とメール本文情報と、添付がある場合には添付情報とが、対応付けられて記憶される。添付情報が存在しない場合には、添付なしが記憶される、あるいは、添付情報のエリアは設けられない。
【0040】
そして、蓄積制御手段14は、メール本文情報及び/又は添付情報について、重複しているとの判別結果及び重複するメール本文情報及び/又は添付情報が記憶されている記憶部1Mのメモリアドレスを得たときには、メール処理手段11で抽出した電子メールのメール本部情報及び/又は添付情報は記憶部1Mには記憶しない。その代わりに、蓄積制御手段14は、記憶部1Mに既に記憶されている重複するメール本文情報及び/又は添付情報へのパスであるリンク情報を、重複するメール本文情報及び/又は添付情報が記憶されている記憶部1Mのメモリアドレスを用いて生成して記憶する。
【0041】
この実施形態では、リンク情報は、記憶部1Mに既に記憶されている重複するメール本文情報及び/又は添付情報が記憶されている当該記憶部1Mのメモリアドレスを含むと共に、後述するように、記憶部1Mに対して、記憶されている電子メールの情報の閲覧要求が到来したときに、そのリンク情報を閲覧者に報知するための標章画像の情報を含む。なお、重複判別手段13は、重複するメール本文情報及び/又は添付情報が記憶されている記憶部1Mのメモリアドレスを蓄積制御手段14に渡すのではなく、リンク情報を生成して、蓄積制御手段14に渡すように構成してもよい。
【0042】
この実施形態では、このリンク情報は、いわゆるショートカットとされ、閲覧者に報知するための標章画像はショートカットアイコンとされる。閲覧者は、パーソナルコンピュータ4の表示画面に表示されるショートカットアイコンをクリックすることで、当該リンク情報に紐付けられている記憶部1Mのメール本文情報又は添付情報を、電子メール監視装置1から取得して、表示画面に表示させて、観視することができる。なお、ショートカットの代わりに、シンボリックリンクを用いるようにしてもよい。
【0043】
そして、この実施形態では、電子メール監視装置1の記憶部1Mに記憶されている電子メールの情報(履歴情報)は、LAN3に接続されている複数個のパーソナルコンピュータ4の内の、閲覧権限を有するものからの閲覧要求に応じて、閲覧可能とされている。閲覧要求処理手段15は、この閲覧要求に応じた処理をするために設けられている。
【0044】
この場合に、閲覧権限を有するものからの閲覧要求であるか否かの認証は、予め定められたパスワードなどの認証情報が閲覧要求に含まれているか否かの判別によりなされる。あるいは、予め定められた閲覧権限を有する管理者用のパーソナルコンピュータ4からの閲覧要求であるか否かを判別することにより、認証を行ってもよい。予め定められた閲覧権限を有する管理者用のパーソナルコンピュータ4からの閲覧要求であるか否かは、当該管理者用のパーソナルコンピュータ4の識別情報(MACアドレスなど)が閲覧要求に含まれているか否かなどを判別することによりできる。
【0045】
閲覧要求処理手段15は、LAN側端子17Lを通じて入力された閲覧要求が閲覧権限を有するものからの閲覧要求であるか否かをチェックし、閲覧権限を有するものからの閲覧要求であることを確認したときには、記憶部1Mに記憶されている電子メールの情報を、閲覧要求してきたパーソナルコンピュータ4に送信する。そして、閲覧要求処理手段15は、LAN側端子17Lを通じて、リンク情報を含む情報取得要求をうけたときには、当該リンク情報により指定される記憶部1Mのアドレスに記憶されているメール本文情報及び/又は添付情報を、情報取得要求してきた相手に、LAN側端子17Lを通じて送出する。
【0046】
<重複判別手段における重複態様及び重複判別について>
送信メールのメール本文情報及び/又は添付情報が、記憶部1Mに記憶済みの過去の電子メール(送信メールと受信メールの両方)のメール本文情報及び/又は添付情報と同一となって重複する態様としては、
(S1)同一の送信メールの再送(送信メール同士で重複)、
(S2)受信メールのメール本文情報をそのまま転送(受信メールと送信メールとで重複)、
(S3)同じ送信元から、同一のメール本文情報及び/又は添付情報を、異なる複数の送信先へ送信する複数の送信メール(送信メール同士で重複)、
(S4)受信した添付情報を使い回して送信(受信メールと送信メールとで重複)、
などの態様が挙げられる。
【0047】
また、受信メールのメール本文情報及び/又は添付情報が、記憶部1Mに記憶済みの過去の電子メール(送信メールと受信メールの両方)のメール本文情報及び/又は添付情報と同一となって重複する態様としては、
(R1)同じ送信元からの再送メール(送信元と送信先とのドメイン名が異なる場合には受信メール同士、送信元と送信先とのドメイン名が同じ場合には受信メールと送信メールとで重複)、
(R2)同一の送信元からLAN3に接続されているパーソナルコンピュータの一つをそれぞれ宛先とする、同一のメール本文情報及び/又は添付情報からなる複数の受信メール(送信元と送信先とのドメイン名が異なる場合には受信メール同士、送信元と送信先とのドメイン名が同じ場合には受信メールと送信メールとで重複)
(R3)送信元と送信先のメールアドレスが同一のドメイン名を有するものであって、そのドメイン名が、LAN3の複数のパーソナルコンピュータ4のメールアドレスのドメイン名と同一である受信メール(送信メールと受信メールとで重複)
などの態様が挙げられる。態様(R1)及び態様(R2)と、態様(R3)とは一部が重なるものである。
【0048】
なお、電子メールが重複する態様としては、上述に挙げた態様の例のものに限られるものではないことは言うまでもない。
【0049】
この実施形態では、メール処理手段11が検出した電子メールの情報と、記憶部1Mに記憶されている電子メールの情報とが重複しているか否かの判別方法としては、主として、電子メールのメール本体情報同士及び/又は添付情報同士が同一であるか否かにより重複しているか否かを判別する方法を用いるが、これに加えて、必要に応じて、ヘッダ情報を参照して、より効率的に重複判別をする方法を用いる。
【0050】
電子メールのメール本体情報同士が重複しているか否かの重複判別や、添付情報同士が重複しているか否かの重複判別は、この実施形態の例では、重複判別の対象となる2つのメール本文情報や添付情報のデータサイズが同一であるか否かと、重複判別の対象となる2つのメール本文情報や添付情報の差分を演算し、差分が無いか否かにより行う。すなわち、重複判別の対象となる2つのメール本文情報や添付情報のデータサイズが同一であり、かつ、差分が無いと判別したときには、重複判別の対象となる2つのメール本文情報や添付情報が重複していると判別する。そして、重複判別の対象となる2つのメール本文情報や添付情報のデータサイズが同一ではない、あるいは、差分が有ると判別したときには、重複判別の対象となる2つのメール本文情報や添付情報が重複していないと判別する。
【0051】
なお、電子メールのメール本体情報同士や、添付情報同士が重複しているか否かの重複判別は、上述のようなデータサイズと差分とにより行う場合に限られるものではない。例えば、重複判別の対象となる2つの電子メールのメール本体情報同士のバイナリーデータ同士を比較することで重複判別する方法を用いてよい。この場合に、バイナリーデータ同士を比較することで重複判別する方法を、上記のデータサイズ及び差分を用いる重複判別の方法に代えて用いてもよいし、データサイズ及び差分を用いる重複判別の方法に追加するようにしてもよい。あるいは、データサイズを用いる重複判別の方法と差分を用いる重複判別の方法の一方を、バイナリーデータ同士を比較することで重複判別する方法に置き換えてもよい。
【0052】
また、重複判別の対象となる2つの電子メールのメール本体情報同士や、添付情報同士において、先頭部分、同じ中間位置の部分、最後の部分について一致をしているか否かを判別する方法を、上述した重複判別方法と組み合わせるようにしてもよい。また、重複判別の対象となる2つの電子メールのメール本体情報同士や、添付情報同士が完全一致をしているか否かにより判別してもよいことは勿論である。
【0053】
そして、態様(S1)の送信メールの再送の場合には、送信日時が異なるのみであるので、まず、送信日時を省いてヘッダ情報が同一か否かを判別し、送信日時を除くヘッダ情報が同一であると判別したときには、上述した電子メールのメール本体情報同士や、添付情報同士が重複しているか否かの重複判別を、送信メールの記憶エリアにおいて実行することができる。
【0054】
また、この実施形態では、上述した受信メールの重複の態様(R1)~(R3)の特徴を考慮して、受信メールについての重複判別においては、まず、受信メールの送信元と送信先のメールアドレスのドメイン名が同一であるか否かをヘッダ情報を用いて判別し、ドメイン名が同一であるときには、送信メールの記憶エリアを参照して、受信メールと同一の送信メールを探索するようにすることができる。
【0055】
<実施形態の記憶部1Mの記憶内容の例>
次に、
図3に、この実施形態の場合における記憶部1Mの記憶内容の例について説明する。この実施形態では、記憶エリア1Mは、
図3に示すように、送信メール記憶エリアと受信メール記憶エリアとに分けられている。そして、
図3の例では、記憶部1Mの送信メール記憶エリアには、送信メールA、B、Cが記憶されている。
【0056】
図3の例では、送信メールAについては、重複判別手段13の重複判別結果が重複無しであったので、記憶部1Mには、ヘッダ情報HA、メール本文情報MA及び添付情報AAがそのまま記憶されている。
【0057】
送信メールBについては、ヘッダ情報HBがそのまま記憶されると共に、メール本文情報は、送信メールAのメール本文情報MAと同一であって重複すると判別されたので、送信メールBのメール本文情報は記憶されず、その代わりに、送信メールAのメール本文情報MAへのリンク情報LMA(例えばショートカット、以下同様)が記憶されている。そして、この送信メールBには、添付情報は存在しないので、この例では添付なしを示す情報が記憶されている。なお、添付情報が存在しない場合には、添付なしを示す情報を記憶するのではなく、何も記憶しないようにして、記憶部1Mの記憶エリアの無駄な使用を回避するようにしてもよい。
【0058】
また、送信メールCの電子メールについては、ヘッダ情報HCはそのまま記憶されると共に、メール本文情報については重複無しと判別されたので、メール本文情報MCもそのまま記憶されている。そして、送信メールCの添付情報は、送信メールAの添付情報と同一であって、重複していると判別されたので、送信メールCの添付情報は記憶されず、その代わりに、送信メールAの添付情報AAへのリンク情報LAAが記憶されている。
【0059】
そして、
図3の例では、記憶部1Mの受信メール記憶エリアには、受信メールD、E、Fが記憶されている。
【0060】
図3の例では、受信メールDについては、重複判別手段13の重複判別結果が重複無しであったので、記憶部1Mには、ヘッダ情報HD、メール本文情報MD及び添付情報ADがそのまま記憶されている。
【0061】
受信メールEについては、ヘッダ情報HEはそのまま記憶されると共に、メール本文情報は、送信メールAのメール本文情報MAと同一であって重複すると判別されたので、受信メールEのメール本文情報は記憶されず、その代わりに、送信メールAのメール本文情報MAへのリンク情報LMAが記憶されている。そして、この受信メールEには、添付情報は存在しないので、この例では添付なしを示す情報が記憶されている。
【0062】
また、受信メールFの電子メールについては、ヘッダ情報HFはそのまま記憶されると共に、メール本文情報については重複無しと判別されたので、メール本文情報MFもそのまま記憶されている。そして、受信メールFの添付情報は、受信メールDの添付情報と同一であって、重複していると判別されたので、受信メールFの添付情報は記憶されず、その代わりに、受信メールDの添付情報ADに対するリンク情報LADが記憶されている。
【0063】
<実施形態の電子メール監視装置1の電子メールの蓄積制御動作例>
次に、この実施形態の電子メール監視装置1における電子メールの記憶部1Mへの蓄積制御動作例を、
図4~
図8のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下の説明おいては、電子メール監視装置1が備えるコンピュータが、メール処理手段11と、送受信メール判別手段12と、重複判別手段13と、蓄積制御手段14との機能を、プログラムに従って実行する場合として説明し、各ステップの処理主体は便宜上、電子メール監視装置1とする。
【0064】
まず、電子メール監視装置1は、電子メール(送信メールあるいは受信メール)を検出したか否かを判別し(
図4のステップS101)、電子メールを検出してはいないと判別したときには、このステップS101の電子メールの検出の判別動作を繰り返す。
【0065】
ステップS101で、電子メールを検出したと判別したときには、電子メール監視装置1は、検出した電子メールの情報(ヘッダ情報と、メール本体情報と、添付があれば添付情報)を抽出し、その抽出した電子メールの情報が送信メールか受信メールかを判別する(ステップS102)。
【0066】
ステップS102で、電子メールは送信メールであると判別されたときには、電子メール監視装置1は、そのメール本体情報について、記憶部1Mに記憶されている電子メールのメール本体情報との間の重複チェックを、上述したような重複判別方法を実行することで行う(ステップS103)。この場合に、重複チェックは、記憶部1Mの送信メール記憶エリアのメール本体情報のみならず、受信メール記憶エリアのメール本文情報をも対象とする。そして、電子メール監視装置1は、このステップS103での重複チェックの結果、メール本体情報については記憶部1Mにおいて同一の情報が記憶されているか否かにより、重複しているメール本文情報が検出されたか否か判別する(ステップS104)。
【0067】
ステップS104で、重複しているメール本文情報は検出されなかったと判別したときには、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールには添付情報が添付されているか否か判別する(ステップS105)。
【0068】
そして、ステップS105で、添付情報は添付されてはいないと判別したときには、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールの情報のヘッダ情報と、メール本文情報とを、そのまま記憶部1Mの送信メール記憶エリアに記憶する(ステップS106)。電子メール監視装置1は、このステップS106の次には、処理をステップS101に戻し、ステップS101以降の処理を繰り返す。
【0069】
ステップS105で、添付情報が添付されていると判別したときには、電子メール監視装置1は、添付情報について、上述したような重複判別方法を実行することで、記憶部1Mに記憶されている電子メールの添付情報との重複チェックを行う(ステップS107)。この場合に、重複チェックは、記憶部1Mの送信メール記憶エリアの添付情報のみならず、受信メール記憶エリアの添付情報をも対象とする。そして、電子メール監視装置1は、このステップS107での重複チェックの結果、添付情報については記憶部1Mにおいて同一の情報が記憶されているか否かにより、重複している添付情報が検出されたか否か判別する(ステップS108)。
【0070】
このステップS108で、添付情報については、重複はしていないと判別したときには、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールのヘッダ情報と、メール本文情報と、添付情報とを、そのまま記憶部1Mの送信メール記憶エリアに記憶する(ステップS109)。電子メール監視装置1は、このステップS109の次には、処理をステップS101に戻し、ステップS101以降の処理を繰り返す。
【0071】
ステップS108で、添付情報について重複していると判別したときには、電子メール監視装置1は、重複しているとして検出された、記憶部1Mに記憶されている添付情報のメモリアドレスへのリンク情報、この例ではショートカットを生成する(ステップS110)。そして、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールのヘッダ情報と、ステップS104で重複していないと判別されたメール本体情報と、ステップS110で生成された添付情報についてのリンク情報とを、互いに対応付けて、記憶部1Mの送信メール記憶エリアに記憶する(ステップS111)。電子メール監視装置1は、このステップS111の次には、処理をステップS101に戻し、ステップS101以降の処理を繰り返す。
【0072】
ステップS104で、重複しているメール本文情報を検出したと判別したときには、電子メール監視装置1は、重複しているとして検出された、記憶部1Mに記憶されているメール本文情報のメモリアドレスへのリンク情報、この例ではショートカットを生成する(
図5のステップS121)。
【0073】
次に、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールには添付情報が添付されているか否か判別する(ステップS122)。そして、ステップS122で、添付情報は添付されてはいないと判別したときには、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールの情報のヘッダ情報と、ステップS121で生成されたメール本文情報についてのリンク情報とを互いに対応付けて、記憶部1Mの送信メール記憶エリアに記憶する(ステップS123)。電子メール監視装置1は、このステップS123の次には、処理をステップS101に戻し、ステップS101以降の処理を繰り返す。
【0074】
ステップS122で、添付情報が添付されていると判別したときには、電子メール監視装置1は、添付情報について、上述したような重複判別方法を実行することで、記憶部1Mに記憶されている電子メールの添付情報との重複チェックを行う(ステップS124)。そして、電子メール監視装置1は、このステップS124での重複チェックの結果、添付情報については記憶部1Mにおいて同一の情報が記憶されているか否かにより、重複している添付情報が検出されたか否か判別する(ステップS125)。
【0075】
このステップS125で、添付情報については、重複はしていないと判別したときには、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールのヘッダ情報と、ステップS121で生成されたメール本文情報についてのリンク情報と、重複はしていないと判別された添付情報とを、互いに対応付けて、記憶部1Mの送信メール記憶エリアに記憶する(ステップS126)。電子メール監視装置1は、このステップS126の次には、処理をステップS101に戻し、ステップS101以降の処理を繰り返す。
【0076】
ステップS125で、添付情報について重複していると判別したときには、電子メール監視装置1は、重複しているとして検出された、記憶部1Mに記憶されている添付情報のメモリアドレスへのリンク情報、この例ではショートカットを生成する(ステップS127)。そして、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールのヘッダ情報と、ステップS121で生成されたメール本文情報についてのリンク情報と、ステップS127で生成された添付情報についてのリンク情報とを、互いに対応付けて、記憶部1Mの送信メール記憶エリアに記憶する(ステップS128)。電子メール監視装置1は、このステップS128の次には、処理をステップS101に戻し、ステップS101以降の処理を繰り返す。
【0077】
次に、ステップS102で、検出された電子メールは受信メールであると判別したときには、電子メール監視装置1は、そのヘッダ情報の送信元及び送信先のメールアドレスを参照し、両者が同一ドメイン名を有するものであるか否かを判別する(
図6のステップS131)。
【0078】
このステップS131で、同一ドメイン名を有するものではないと判別したときには、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールの受信メールのメール本体情報についても、ステップS103と同様に、上述したような重複判別方法を実行することで、記憶部1Mに記憶されている電子メールのメール本体情報との重複チェックを行う(ステップS132)。
【0079】
そして、電子メール監視装置1は、この受信メールについても、前述の
図4のステップS104~ステップS111及び
図5のステップS121~128に対応する
図6のステップS133~ステップS140及び
図7のステップS151~ステップS158の処理を同様にして実行する。
【0080】
この明細書では、説明が冗長になるのを避けるため、
図6のステップS133~ステップS140及び
図7のステップS151~ステップS158の処理動作についての説明は省略する。ただし、ステップS135、ステップS138、ステップS140、ステップS153、ステップS156及びステップS158では、記憶部1Mの受信メール記憶エリアに情報の記憶がなされる点が、ステップS106、ステップS109、ステップS11、ステップS123、ステップS126及びステップS128と異なるものである。
【0081】
そして、
図6のステップS131で、送信元及び送信先のメールアドレスが同一ドメイン名を有するものであると判別したときには、電子メール監視装置1は、記憶部1Mの送信メール記憶エリアで、抽出した受信メールと同一の送信メールについて重複チェックを行う(
図8のステップS161)。この重複チェックは、受信メールのヘッダ情報と一致する、送信メールのヘッダ情報を検出したか否かとすることが可能である。より確実には、ヘッダ情報のみではなく、上述のような方法で、メール本文情報についても同一であるか否かを検出するようにしてもよい。
【0082】
そして、電子メール監視装置1は、ステップS161での重複チェックの結果、抽出した受信メールと同一の送信メールを検出したか否かにより、重複する送信メールを検出したか否かを判別する(ステップS162)。
【0083】
ステップS162で、重複する送信メールは検出されなかったと判別したときには、電子メール監視装置1は、処理を
図6のステップS132に移行させ、このステップS132以降の処理を実行するように制御する。
【0084】
また、ステップS162で、重複する送信メールを検出したと判別したときには、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールには添付情報が添付されているか否か判別する(ステップS163)。
【0085】
そして、ステップS163で、添付情報は添付されてはいないと判別したときには、電子メール監視装置1は、記憶部1Mに記憶されている、重複している送信メールのメール本文情報のメモリアドレスへのリンク情報、この例ではショートカットを生成する(ステップS164)。そして、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールの情報のヘッダ情報と、ステップS164で生成されたメール本文情報についてのリンク情報とを、互いに対応付けて、記憶部1Mの受信メール記憶エリアに記憶する(ステップS165)。電子メール監視装置1は、このステップS165の次には、処理をステップS101に戻し、ステップS101以降の処理を繰り返す。
【0086】
また、ステップS163で、添付情報が添付されていると判別したときには、電子メール監視装置1は、記憶部1Mに記憶されている、重複している送信メールのメール本文情報のメモリアドレスへのリンク情報、この例ではショートカットを生成する(ステップS166)と共に、記憶部1Mに記憶されている、重複している送信メールの添付情報のメモリアドレスへのリンク情報、この例ではショートカットを生成する(ステップS167)。そして、電子メール監視装置1は、抽出した電子メールの情報のヘッダ情報と、ステップS166で生成されたメール本文情報についてのリンク情報と、ステップS167で生成された添付情報についてのリンク情報とを、互いに対応付けて、記憶部1Mの受信メール記憶エリアに記憶する(ステップS167)。電子メール監視装置1は、このステップS167の次には、処理をステップS101に戻し、ステップS101以降の処理を繰り返す。
【0087】
<実施形態の効果>
以上のようにして、上述した実施形態の電子メール監視装置1においては、電子メールのメール本文情報や添付情報について、重複するものは、記憶部1Mには記憶せず、その代わりに重複元のメール本文情報や添付情報へのリンク情報を記憶するようにすることにより、記憶部1Mの記憶エリアに記憶することができる電子メールの数を、全ての電子メールのメール本文情報及び添付情報を記憶する場合に比べて、増加させることができ、記憶部1Mの記憶容量を効率良く利用することができる。
【0088】
そして、この実施形態では、電子メール監視装置1が抽出した電子メールについて、電子メールのメール本文情報や添付情報について重複チェックをする対象とする記憶部1Mに記憶されている電子メールは、抽出した電子メールが送信メールか受信メールかに関係なく、送信メール記憶エリア及び受信メール記憶エリアの両方の電子メールとしているので、重複する情報の検出の機会を、より多くすることができるという効果がある。
【0089】
そして、電子メール監視装置に対して閲覧要求があったときには、従来は、重複する電子メールのメール本文情報及び添付情報の全てがそのまま表示されてしまうため見ずらい閲覧結果となるが、この実施形態の電子メール監視装置1においては、重複するメール本文情報及び添付情報は、それぞれショートカットやシンボリックリンクなどのリンク情報の標章画像(例えばアイコン)が閲覧結果に表示されることになり、見やすくなるという効果がある。しかも、ショートカットやシンボリックリンクなどのリンク情報の標章画像を閲覧者がクリック操作などの表示要求操作をすると、リンク情報が用いられて重複元のメール本文情報や添付情報が可能になるという効果もある。
【0090】
[電子メール監視装置の他の実施形態]
上述の実施形態の電子メール監視装置では、記憶部1Mの記憶エリアを、送信メール記憶エリアと受信メール記憶エリアとに分離して、メール本文情報及び添付情報について、電子メールを送信メールと受信メールとで分けて管理するようにしていた。
【0091】
しかし、より効率的に電子メールを蓄積管理するために、
図9に示すように、記憶部1Mの電子メールの記憶エリアを、ヘッダ情報の専用記憶エリア1MHと、メール本文情報の専用記憶エリア1MMと、添付情報の専用記憶エリア1MAとに分けて管理するようにしてもよい。
【0092】
図9に示す例では、ヘッダ情報の専用記憶エリア1MHには、送信メールと受信メールとに分けて全てのヘッダ情報を、例えば送信日時順及び受信日時順に記憶して管理する。そして、メール本文情報の専用記憶エリア1MM及び添付情報の専用記憶エリア1MAには、送信メールと、受信メールとで分けることなく、メール本文情報及び添付情報を重複を回避して記憶するようにする。
【0093】
そして、ヘッダ情報の専用記憶エリア1MHには、それぞれのヘッダ情報に対応付けて、メール本文情報の専用記憶エリア1MMに記憶されているメール本文情報へのリンク情報と、添付情報が有る場合には添付情報の専用記憶エリア1MAに記憶されている添付情報へのリンク情報とを、記憶するようにする。
【0094】
当該他の実施形態の電子メール監視装置10の構成(機能的構成)は、
図2に示した電子メール監視装置1と同様であるので、ここではその説明は省略する。ただし、当該他の実施形態の電子メール監視装置10では、記憶部1Mの記憶エリアが
図9に示すように分割されて用いられると共に、蓄積制御手段14による、この記憶部1Mへの電子メールの情報の蓄積制御の方法が異なる。
【0095】
以下、当該他の実施形態の電子メール監視装置10における蓄積制御動作について、
図10及び
図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0096】
まず、電子メール監視装置10は、電子メール(送信メールあるいは受信メール)を検出したか否かを判別し(
図10のステップS201)、電子メールを検出してはいないと判別したときには、このステップS201の電子メールの検出の判別動作を繰り返す。
【0097】
ステップS201で、電子メールを検出したと判別したときには、電子メール監視装置10は、検出した電子メールの情報(ヘッダ情報と、メール本体情報と、添付があれば添付情報)を抽出し、その抽出した電子メールの情報が送信メールか受信メールかを判別する(ステップS202)。
【0098】
次に、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールのメール本体情報及び添付情報について、記憶部1Mに既に記憶されている電子メールのメール本体情報及び添付情報との間の重複チェックを、上述したような重複判別方法を実行することで行う(ステップS203)。この場合に、メール本文情報についての重複チェックは、抽出した電子メールのメール本文情報と、記憶部1Mのメール本文情報の専用記憶エリア1MMのメール本体情報との間で行い、また、添付情報についての重複チェックは、抽出した電子メールの添付情報と、記憶部1Mの添付情報の専用記憶エリア1AMの添付情報との間で行う。
【0099】
そして、電子メール監視装置10は、このステップS203での重複チェックの結果、メール本体情報及び/又は添付情報については記憶部1Mにおいて同一の情報が記憶されているか否かにより、重複しているメール本文情報及び/又は添付情報が検出されたか否か判別する(ステップS204)。
【0100】
このステップS204で、重複しているメール本文情報及び/又は添付情報は検出されなかったと判別したときには、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールには添付情報が有るかか否か判別する(ステップS205)。
【0101】
ステップS205で、添付情報は無いと判別したときには、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールのメール本文情報を、記憶部1Mのメール本文情報の専用記憶エリア1MMに記憶する(ステップS206)。次に、電子メール監視装置10は、ステップS206で記憶したメール本文情報へのリンク情報、例えばショートカットを生成する(ステップS207)。
【0102】
そして、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールのヘッダ情報と、ステップS207で生成したメール本文情報へのリンク情報とを対応付けて、記憶部1Mのヘッダ情報の専用記憶エリア1MHのうちの、ステップS202での送信メールか受信メールかの判別結果に応じた記憶エリアに記憶する(ステップS208)。電子メール監視装置10は、このステップS208の次には、処理をステップS201に戻し、このステップS201以降の処理を繰り返す。
【0103】
また、ステップS205で、添付情報が有ると判別したときには、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールのメール本文情報を、記憶部1Mのメール本文情報の専用記憶エリア1MMに記憶すると共に、抽出した電子メールの添付情報を、記憶部1Mの添付情報の専用記憶エリア1MAに記憶する(ステップS209)。次に、電子メール監視装置10は、ステップS209で記憶したメール本文情報へのリンク情報、例えばショートカットを生成すると共に、記憶した添付情報へのリンク情報、例えばショートカットを生成する(ステップS210)。
【0104】
そして、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールのヘッダ情報と、ステップS209で生成したメール本文情報へのリンク情報と、ステップS210で生成した添付情報へのリンク情報とを対応付けて、記憶部1Mのヘッダ情報の専用記憶エリア1MHのうちの、ステップS202での送信メールか受信メールかの判別結果に応じた記憶エリアに記憶する(ステップS211)。電子メール監視装置10は、このステップS211の次には、処理をステップS201に戻し、このステップS201以降の処理を繰り返す。
【0105】
また、
図10のステップS204で、重複しているメール本文情報及び/又は添付情報が検出されたと判別したときには、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールには添付情報が有るか否か判別する(
図11のステップS221)。
【0106】
ステップS221で、添付情報は無いと判別したときには、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールのメール本文情報と重複する記憶部1Mのメール本文情報へのリンク情報を生成する(ステップS222)。そして、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールのヘッダ情報と、ステップS222で生成したメール本文情報へのリンク情報とを対応付けて、記憶部1Mのヘッダ情報の専用記憶エリア1MHのうちの、ステップS202での送信メールか受信メールかの判別結果に応じた記憶エリアに記憶する(ステップS223)。電子メール監視装置10は、このステップS223の次には、処理をステップS201に戻し、このステップS201以降の処理を繰り返す。
【0107】
また、ステップS221で、添付情報が有ると判別したときには、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールのメール本文情報と添付情報とのいずれが重複しているか、あるいは両方が重複しているかを判別する(ステップS224)。
【0108】
このステップS224で、メール本文情報のみが重複していると判別したときには、電子メール監視装置10は、重複元の記憶部1Mのメール本文情報へのリンク情報を生成する(ステップS225)。次に、電子メール監視装置10は、重複していないとされた添付情報を、記憶部1Mの添付情報の専用記憶エリア1MAに記憶し(ステップS226)、次いで、当該記憶した添付情報へのリンク情報を生成する(ステップS227)。次に、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールのヘッダ情報と、ステップS225で生成したメール本文情報へのリンク情報と、ステップS227で生成した添付情報へのリンク情報とを対応付けて、記憶部1Mのヘッダ情報の専用記憶エリア1MHのうちの、ステップS202での送信メールか受信メールかの判別結果に応じた記憶エリアに記憶する(ステップS228)。電子メール監視装置10は、このステップS228の次には、処理をステップS201に戻し、このステップS201以降の処理を繰り返す。
【0109】
また、ステップS224で、添付情報のみが重複していると判別したときには、電子メール監視装置10は、重複元の記憶部1Mの添付情報へのリンク情報を生成する(ステップS229)。次に、電子メール監視装置10は、重複していないとされたメール本文情報を、記憶部1Mのメール本文情報の専用記憶エリア1MMに記憶し(ステップS230)、次いで、当該記憶したメール本文情報へのリンク情報を生成する(ステップS231)。次に、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールのヘッダ情報と、ステップS231で生成したメール本文情報へのリンク情報と、ステップS229で生成した添付情報へのリンク情報とを対応付けて、記憶部1Mのヘッダ情報の専用記憶エリア1MHのうちの、ステップS202での送信メールか受信メールかの判別結果に応じた記憶エリアに記憶する(ステップS232)。電子メール監視装置10は、このステップS232の次には、処理をステップS201に戻し、このステップS201以降の処理を繰り返す。
【0110】
また、ステップS224で、メール本文情報と添付情報との両方が重複していると判別したときには、電子メール監視装置10は、重複元の記憶部1Mのメール本文情報へのリンク情報を生成する(ステップS233)と共に、重複元の記憶部1Mの添付情報へのリンク情報とを生成する(ステップS234)。次に、電子メール監視装置10は、抽出した電子メールのヘッダ情報と、ステップS233で生成したメール本文情報へのリンク情報と、ステップS234で生成した添付情報へのリンク情報とを対応付けて、記憶部1Mのヘッダ情報の専用記憶エリア1MHのうちの、ステップS202での送信メールか受信メールかの判別結果に応じた記憶エリアに記憶する(ステップS235)。電子メール監視装置10は、このステップS235の次には、処理をステップS201に戻し、このステップS201以降の処理を繰り返す。
【0111】
上述のように構成される他の実施形態の電子メール監視装置10において、電子メールの情報の閲覧要求を受け、その認証がとれたときには、当該閲覧要求に対して、電子メール監視装置10は、ヘッダ情報の専用記憶エリア1MHの記憶情報のみを、返信するようにする。
【0112】
この返信情報を受けたパーソナルコンピュータ4の表示画面には、送信メール及び受信メールのヘッダ情報が、履歴順に表示されると共に、それぞれのメール本文情報及び添付情報についてのリンク情報が、それぞれのヘッダ情報に対応付けて表示される。そして、閲覧者は、メール本文情報や添付情報の内容を確認したい場合には、閲覧結果の表示画面中の対応するリンク情報、例えばショートカットなどをクリックするなど選択する。すると、パーソナルコンピュータ4は、当該リンク情報を電子メール監視装置10に送り、その返信情報として、メール本文情報や添付情報を電子メール監視装置10から取得して、メール本文情報や添付情報の内容を表示画面に表示する。したがって、閲覧者は、メール本文情報や添付情報の内容を容易に参照することができる。
【0113】
以上説明した他の実施形態の電子メール監視装置10においては、電子メールのメール本文情報及び添付情報は、送信メールか受信メールかに関係なく、専用記憶エリアに記憶するようにするので、抽出した電子メールのメール本文情報及び/又は添付情報についての重複チェックの処理が容易になる。
【0114】
また、電子メール監視装置10は、閲覧要求に対して、ヘッダ情報の専用記憶エリア1MHの記憶情報のみを返信し、閲覧要求したコンピュータ4の表示画面には、電子メールの送信メール及び受信メールのヘッダ情報が、リンク情報を伴って履歴順に表示されるので、蓄積された電子メールの履歴として、見やすいものとなる。しかも、閲覧者は必要に応じてリンク情報を選択操作することで、その内容を容易に取得して観視することもできるという効果がある。
【0115】
[その他の実施形態又は変形例]
上述の実施形態では、電子メール監視装置は、電子メールを検出するごとに、電子メールの重複チェックを行いながら、電子メールの蓄積制御をするようにしたが、電子メールの検出時点では、重複チェックを行いながらの蓄積制御は行わずに、電子メールの全てを記憶部1Mに一旦記憶しておき、電子メールを検出していない期間や、夜間などの電子メールのやり取りが少ない時間帯などにおいて、上述したような重複チェック及び蓄積情報の縮減の処理を行うように、記憶情報の記憶し直しの処理を行って、重複を回避した蓄積制御を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1…電子メール監視装置、2…ルーター、3…LAN、4…パーソナルコンピュータ、5…通信ネットワーク、6A,6B…メールサーバ、11…メール処理手段、12…送受信メール判別手段、13…重複判別手段、14…蓄積制御手段、15…閲覧要求処理手段、1M…記憶部