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  • 特許-調理用具用落とし蓋 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】調理用具用落とし蓋
(51)【国際特許分類】
   A47J 36/16 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A47J36/16 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023068897
(22)【出願日】2023-04-19
【審査請求日】2023-04-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523126744
【氏名又は名称】旭セイワ興産有限会社
(73)【特許権者】
【識別番号】715009189
【氏名又は名称】堀江 清
(74)【代理人】
【識別番号】100154586
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 正広
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 康造
(72)【発明者】
【氏名】堀江 清
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】実開昭50-095263(JP,U)
【文献】特開2002-235925(JP,A)
【文献】特表2017-504204(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0212503(US,A1)
【文献】実開昭56-108831(JP,U)
【文献】実公平1-32975(JP,Y2)
【文献】実公昭53-7911(JP,Y2)
【文献】特許第7150242(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 36/06、36/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環状の枠材を有する枠部材と、
前記枠材に連結された持ち手とを備え、
前記枠部材は、前記枠材の外径を調整するための外径調整機構を備えており、
前記持ち手と前記枠材との連結位置は、前記枠材の外径に応じて調整可能であり、
前記外径調整機構は、前記枠材の一端に形成された複数の切欠きと、前記枠材の他端に形成され、且つ、前記切欠きの1つに挿入されるピンとを備え、
前記複数の切欠きは、前記枠材の下部から上側に向かって延びており、前記複数の切欠きの延在方向は上下方向に対して傾いていることを特徴とする、調理用具用落とし蓋。
【請求項2】
前記複数の切欠きの延在方向は前記上下方向に対して20°~70°傾いている請求項1に記載の調理用具用落とし蓋。
【請求項3】
円環状の枠材を有する枠部材と、
前記枠材に連結された持ち手とを備え、
前記枠部材は、前記枠材の外径を調整するための外径調整機構を備えており、
前記持ち手と前記枠材との連結位置は、前記枠材の外径に応じて調整可能であり、
前記枠材は、磁石にくっつく金属材料によって形成されており、
前記外径調整機構は、前記枠材の一端に固定された第1磁石を備え、
前記持ち手の両端のうち、少なくとも一方の端部には、第1磁石と異なる第2磁石が固定されており、
前記持ち手の、前記少なくとも一方の端部は、前記第2磁石により前記枠材に取り付けられていることを特徴とする、調理用具用落とし蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理用具用の落とし蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
煮物料理などを行う際に、落とし蓋が用いられる。一般に、木製の落とし蓋が用いられているが、落とし蓋の下面は煮物や煮汁に直接触れるため、常に清潔に保つ必要がある。そのため、落とし蓋を使用した後、洗剤などを用いて十分に洗浄した後、完全に乾燥させる必要がある。
【0003】
特許文献1には、円環状の内枠と円環状の外枠と調理用シートからなる調理用具用蓋が開示されている。調理用シートは内枠の外周面と外枠の内周面との間に挟持される。特許文献1に記載の調理用具用蓋では、調理用シートが煮物や煮汁に直接触れる部分となる。しかしながら、この調理用シートは毎回交換されるため、木製の落とし蓋と比べて、使用後の洗浄の手間が大幅に軽減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第7150242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の木製の落とし蓋及び特許文献1に記載の調理用具用蓋のいずれも、サイズ(外径)が決まっているため、鍋のサイズに応じて適切な大きさのものを用意する必要があった。
【0006】
本発明の目的は、鍋のサイズに応じて容易に外径を調整でき、且つ、木製の落とし蓋と比べて、使用後の洗浄の手間を軽減することができる調理用具用落とし蓋を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に従えば、円環状の枠材を有する枠部材と、
前記枠材に連結された持ち手とを備え、
前記枠部材は、前記枠材の外径を調整するための外径調整機構を備えており、
前記持ち手と前記枠材との連結位置は、前記枠材の外径に応じて調整可能であり、前記外径調整機構は、前記枠材の一端に形成された複数の切欠きと、前記枠材の他端に形成され、且つ、前記切欠きの1つに挿入されるピンとを備え、
前記複数の切欠きは、前記枠材の下部から上側に向かって延びており、前記複数の切欠きの延在方向は上下方向に対して傾いていることを特徴とする、調理用具用落とし蓋が提供される。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、枠部材には、円環状の枠材の外径を調整するための外径調整機構が設けられている。これにより、鍋等の調理用具の内径に合わせて、容易に枠部材の外径を調整することができる。そのため、鍋の内径に合わせて、外径の異なる落とし蓋を複数個用意する必要がない。また、持ち手と枠材との連結位置は、枠材の周方向に沿って調整することができる。これにより、枠材の外径を調整した際に、持ち手の位置を調整することができる。また、本発明の落とし蓋は、アルミ箔などのシートを取り付けて使用される。シートは毎回交換されるため、落とし蓋を清潔に保つことができる。また、枠部材と持ち手だけを洗えばよいため、木製の落とし蓋と比べて、洗浄及び乾燥の手間が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は落とし蓋10の概略説明図である。
図2図2は落とし蓋10の枠部材20と持ち手30との連結部分を説明するための概略説明図である。
図3図3は落とし蓋10がシートSを押さえている状態を説明するための説明図である。
図4図4は落とし蓋100の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る調理用具用の落とし蓋10について、図1、2を参照しつつ説明する。図1は落とし蓋10の概略説明図である。図2は落とし蓋10の枠部材20と持ち手30との連結部分を説明するための概略説明図である。
【0011】
図1に示されるように、落とし蓋10は、枠部材20と、持ち手30とを主に備える。枠部材20は帯状に裁断された金属製の板材である枠材21と、枠材21の長手方向の一端側に設けられた複数の切欠き22と、枠材21の長手方向の他端側に設けられたピン23とを備えている。枠材21の材質は特に限定されず、アルミニウム、鉄、銅などの金属材料や、ステンレスなどの合金材料を用いることができる。切欠き22は、枠材21を下部から上側に向かって略U字型に切欠くことによって形成されている。ピン23は枠材21の外面21aから外側に向かって立設する不図示の軸部と、軸部の先端に設けられた頭部23aとを有している。ピン23の不図示の軸部の外径は切欠き22の幅よりも小さく、頭部23aの外径は切欠き22の幅よりも大きい。そのため、ピン23の軸部を切欠き22に挿通したときに、ピン23が切欠き22から外れることが抑制される。なお、切欠き22は枠材21の下部から上下方向に平行に延びていてもよいが、図1に示されるように、上下方向に対して傾いて延びていることが好ましい。上下方向に対する傾きの角度は特に限定されないが、例えば、20°~70°にすることができる。このように、切欠き22が上下方向に傾いている場合には、切欠き22が上下方向に平行である場合に比べて、落とし蓋10を上下方向に動かした際に、ピン23が切欠き22から外れにくくなる。ピン23を挿通する切欠き22を変更することにより、容易に枠部材20の外径を調整することができる。枠部材20の複数の切欠き22とピン23とが、本発明の外径調整機構の一例である。
【0012】
図1、2に示されるように、落とし蓋10は、持ち手30の一端を枠部材20に回動可能に連結するリベット41と、持ち手30の他端を枠部材20に設けられたスリット25にスライド可能に連結する連結部材42とを備える。
【0013】
図2に示されるように、連結部材42は軸42aと、軸42aの両端に設けられた頭部42b、42cとを備える。軸42aは、持ち手30の貫通孔30hと、枠部材20のスリット25とに挿通されている。頭部42bの外径は貫通孔30hの径よりも大きく、頭部42cの外径はスリット25の幅よりも大きい。これにより、連結部材42が持ち手30及び枠部材20から外れることが抑制される。また、連結部材42がスリット25に沿ってスライドすることができるため、持ち手30と枠部材20との連結位置を枠部材20の周方向に沿って調整することができる。これにより、上述のように、ピン23を挿通する切欠き22を変更することにより枠部材20の外径を調整した際に、それに合わせて持ち手30の位置を調整することができる。
【0014】
次に、落とし蓋10の使用方法について説明する。まず、鍋などの調理用具の内径に合わせて、枠部材20の外径を調整する。次に、アルミ箔などのシートS(図3参照)を枠部材20に固定する。シートSは、必ずしもアルミ箔でなくてもよく、例えばクッキングシートなどを用いることができる。しかしながら、シートSとしてアルミ箔を用いる場合には、アルミ箔の端部を枠部材20に巻き付けることにより、容易に枠部材20に固定することができる。また、アルミ箔は塑性があるため、枠部材20に巻き付けるなどして固定した際に、枠部材20を持ち上げたとしても容易に枠部材20から脱落しないという特別の効果を奏することができる。なお、シートSとしてクッキングシートを用いる場合には、アルミ箔に比べて、枠部材20から脱落しやすくなる。この場合には、例えば不図示のクリップなどにより枠部材20に固定することができる。なお、必ずしもシートSを枠部材20に固定する必要は無く、例えば、図3に示されるように、鍋の内径に合わせて適宜の大きさに切ったシートSの上から落とし蓋10を置くだけでもよい。
【0015】
食材に直接触れるシートSは、毎回交換されるので、落とし蓋10を清潔に保つことができる。また、枠部材20と持ち手30だけを洗えばよいため、木製の落とし蓋と比べて、洗浄及び乾燥の手間が軽減される。枠部材20には、外径を調整するための外径調整機構として、複数の切欠き22とピン23とが設けられている。鍋の内径に合わせて、ピン23を挿通する切欠き22の位置を選択することにより、容易に枠部材20の外径を調整することができる。これにより、鍋の内径に合わせて、外径の異なる落とし蓋を複数個用意する必要がない。なお、持ち手30の両端が枠部材20に固定されていた場合には、枠部材20の外径を調整した際に、持ち手30の位置が正常な位置(持ち手30が枠部材20の中心の直上を通る位置)からずれてしまう。これに対して、本実施形態の落とし蓋10は、持ち手30の他端を枠部材20に設けられたスリット25にスライド可能に連結する連結部材42を備えている。これにより、上述のように、連結部材42をスリット25に沿ってスライドさせることができるため、持ち手30と枠部材20との連結位置を枠部材20の周方向に沿って調整することができる。これにより、枠部材20の外径を調整した際に、持ち手30の位置を調整することができる。
【0016】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る落とし蓋100について、図4を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態に係る落とし蓋10と同じ構造を有する部分については、同一の参照符号を付すこととし、説明を省略する。
【0017】
図4に示されるように、落とし蓋100は、枠部材120と、持ち手130とを主に備える。枠部材120は、枠部材20と同様に、帯状に裁断された金属製の枠材121を備えている。なお、枠材121には複数の切欠き22及びスリット25は設けられていない。また、枠材121は、磁石にくっつく金属材料により形成されている。例えば、鉄にクロムを10.5%以上混ぜたステンレス(400系ステンレス)により枠材121を形成することができる。
【0018】
枠材121の一端には磁石122が固定されている。上述のように、枠材121は磁石にくっつく金属材料により形成されているので、枠材121の一端に配置された磁石の位置を調整することにより、枠材121の外径の大きさを調整することができる。本実施形態においては、磁石122が外径調整機構の一例であり、磁石122が第1磁石の一例である。
【0019】
持ち手130の両端には、磁石131が固定されており、持ち手130は磁石131によって枠材121に取り付けられている。磁石131が本発明の第2磁石の一例である。これにより、持ち手130を枠材121の適宜の位置に取り付けることが可能であるため、枠部材120の外径を調整した際に、それに合わせて持ち手130の位置を調整することができる。この場合にも、第1実施形態に係る落とし蓋10と同様の技術的効果を奏することができる。さらに、第2実施形態に係る落とし蓋100においては、持ち手130が磁石131により枠材121に取り付けられているため、容易に取り外すことができる。これにより、持ち手130及び枠材121の洗浄が容易となる。
【0020】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、第1実施形態と第2実施形態とを適宜組み合わせることもできる。例えば、取っ手の一端をリベットにより枠材に回動可能に連結し、取っ手の他端を磁石により枠材に取り付けることもできる。
【0021】
上記説明において、枠材121は、磁石にくっつく金属材料により形成されていた。しかしながら、本発明はそのような態様には限られず、枠材121が磁石にくっつかない金属材料により形成されており、磁石122、131とくっつけたい箇所にだけ、磁石にくっつく金属が貼り付けられていてもよい。
【0022】
枠材21、121の大きさ、形状、材質等は適宜変更しうる。同様に、持ち手30、130の大きさ、形状、材質等も適宜変更しうる。
【符号の説明】
【0023】
10、100 落とし蓋
20、120 枠部材
21、121 枠材
30、130 持ち手
【要約】      (修正有)
【課題】手で鍋のサイズに応じて容易に外径を調整でき、且つ、木製の落とし蓋と比べて、使用後の洗浄の手間を軽減することができる料理用落とし蓋を提供する。
【解決手段】調理用具用の落とし蓋10は、円環状の枠材21を有する枠部材20と、前記枠材に連結された持ち手30とを備える。枠部材20は、枠材21の外径を調整するための外径調整機構を備えている。持ち手30と枠材21との連結位置は、枠材21の外径に応じて調整可能である。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4