(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/15 20180101AFI20240110BHJP
F21S 43/19 20180101ALI20240110BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240110BHJP
H01L 33/58 20100101ALI20240110BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240110BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20240110BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240110BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20240110BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20240110BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20240110BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240110BHJP
【FI】
F21S43/15
F21S43/19
F21V19/00 212
H01L33/58
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:45
F21W103:55
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
(21)【出願番号】P 2020070419
(22)【出願日】2020-04-09
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】上野 岬
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-137960(JP,A)
【文献】特開2017-098089(JP,A)
【文献】特開2015-188053(JP,A)
【文献】特開2017-011259(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0067248(US,A1)
【文献】中国実用新案第203656766(CN,U)
【文献】特開2016-106391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/15
F21S 43/19
F21V 19/00
H01L 33/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケットと;
前記ソケットの一方の端部側に設けられ、
発光素子
を3つのみ有する発光モジュールと;
を具備し、
車両用照明装置を中心軸に沿った方向から見た場合に、
1つの第1の発光素子が前記中心軸と重なる位置に設けられ、2つの第2の発光素子が前記第1の発光素子を挟んで、前記第1の発光素子と並べて設けられ、
前記第1の発光素子の第1の光の出射面の形状は略正方形であり、
前記第2の発光素子の第2の光の出射面の形状は略正方形または略長方形であり、
前記中心軸を中心とする略長方形の輝度領域の内部において、
前記第1の光の出射面と、前記第2の光の出射面とが、前記輝度領域の短辺が対峙する方向に並べて設けられ、前記第
1の
光の出射面は、前記第
2の
光の出射面よりも大きい車両用照明装置。
【請求項2】
前記輝度領域の長辺の長さをL1(mm)、短辺の長さをL2(mm)とした場合に、以下の式を満足する請求項1記載の車両用照明装置。
2.3≦L1/L2≦3.5
【請求項3】
前記輝度領域の短辺が対峙する方向における、前記第1の光の出射面の長さをLa(mm)とし、前記第2の光の出射面の長さをLb(mm)とした場合に、以下の式を満足する請求項2記載の車両用照明装置。
0.6≦(Lb+La+Lb)/L1
【請求項4】
前記第1の光の出射面の長さLa(mm)は、0.8mm以上、1.4mm以下であり、
前記第2の光の出射面の長さLb(mm)は、0.7mm以上、1.0mm以下である請求項3記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記第2の光の出射面の形状が略長方形の場合には、2つの前記第2の光の出射面の長辺が、前記輝度領域の短辺が対峙する方向に並んでいる請求項1~4のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
【請求項6】
前記1つの第
1の発光素子と、前記2つの第
2の発光素子と、を囲む枠部をさらに備え、
前記車両用照明装置を中心軸に沿った方向から見た場合に、前記枠部の外形形状は略長方形である請求項
1~5
のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギー化や長寿命化などの観点から、フィラメントを備えた車両用照明装置に代えて発光ダイオードを備えた車両用照明装置の普及が進んでいる。
ここで、例えば、自動車に設けられる車両用照明装置の場合には、上下方向に短く、左右方向に長い輝度領域が求められる場合がある。そのため、複数の発光ダイオードを一列に並べる技術が提案されている。しかしながら、単に、複数の発光ダイオードを一列に並べると、左右方向に長い長方形の輝度領域において、輝度にムラが生じる。輝度にムラが生じると、安全性の観点から定められた配光規格を満たさなくなるおそれがある。
【0003】
そこで、長方形の輝度領域において、輝度にムラが生じるのを抑制することができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、長方形の輝度領域において、輝度にムラが生じるのを抑制することができる車両用照明装置および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る車両用照明装置は、ソケットと;前記ソケットの一方の端部側に設けられ、発光素子を3つのみ有する発光モジュールと;を具備している。車両用照明装置を中心軸に沿った方向から見た場合に、1つの第1の発光素子が前記中心軸と重なる位置に設けられ、2つの第2の発光素子が前記第1の発光素子を挟んで、前記第1の発光素子と並べて設けられ、前記第1の発光素子の第1の光の出射面の形状は略正方形であり、前記第2の発光素子の第2の光の出射面の形状は略正方形または略長方形であり、前記中心軸を中心とする略長方形の輝度領域の内部において、前記第1の光の出射面と、前記第2の光の出射面とが、前記輝度領域の短辺が対峙する方向に並べて設けられ、前記第1の光の出射面は、前記第2の光の出射面よりも大きい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、長方形の輝度領域において、輝度にムラが生じるのを抑制することができる車両用照明装置および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
【
図2】
図1における車両用照明装置のA-A線方向の断面図である。
【
図3】比較例に係る発光素子およびその配置を例示するための模式平面図である。
【
図4】本実施の形態に係る発光素子、および発光素子の配置を例示するための模式平面図である。
【
図5】他の実施形態に係る発光素子、および発光素子の配置を例示するための模式平面図である。
【
図6】(a)~(c)は、他の実施形態に係る発光素子、および発光素子の配置を例示するための模式平面図である。
【
図7】(a)は、他の実施形態に係る発光素子、および発光素子の配置を例示するための模式平面図である。(b)は、(a)における発光素子の配置のB-B線方向の模式断面図である。
【
図8】(a)~(d)は、他の実施形態に係る発光素子、および発光素子の配置を例示するための模式平面図である。
【
図9】車両用灯具を例示するための模式部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0010】
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車に設けることができる。車両用照明装置1は、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL:Daytime Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0011】
(車両用照明装置)
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
なお、
図1においては、車両用照明装置1を車両用灯具100の筐体101に取り付けた際に、車両用灯具100の前方となる方向を前側、後方となる方向を後側、上方となる方向を上側、下方となる方向を下側、右方となる方向を右側、左方となる方向を左側としている。この場合、左右方向は、略水平方向とすることができる。上下方向は、略鉛直方向とすることができる。
図2は、
図1における車両用照明装置1のA-A線方向の断面図である。
【0012】
図1および
図2に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光モジュール20、給電部30、および伝熱部40を設けることができる。
ソケット10は、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14を有することができる。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けることができる。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、フランジ13側とは反対側の端部に開口する凹部11aを有することができる。
【0013】
装着部11には、少なくとも1つのスリット11bを設けることができる。スリット11bの内部には、基板21の角部を設けることができる。装着部11の周方向におけるスリット11bの寸法(幅)は、基板21の角部の寸法よりも僅かに大きくすることができる。この様にすれば、スリット11bの内部に基板21の角部を挿入することで、基板21の位置決めを行うことができる。
【0014】
また、スリット11bを設けるようにすれば、基板21の平面寸法を大きくすることができる。そのため、基板21上に実装する素子の数を増加させることができる。あるいは、装着部11の外形寸法を小さくすることができるので、装着部11の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
【0015】
バヨネット12は、装着部11の外側面に設けることができる。例えば、バヨネット12は、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。バヨネット12は、フランジ13と対峙させることができる。バヨネット12は、複数設けることができる。バヨネット12は、車両用照明装置1を車両用灯具100の筐体101に装着する際に用いることができる。バヨネット12は、ツイストロックに用いることができる。
【0016】
フランジ13は、板状を呈したものとすることができる。例えば、フランジ13は、円板状を呈したものとすることができる。フランジ13の外側面は、バヨネット12の外側面よりも車両用照明装置1の外方に位置することができる。
【0017】
放熱フィン14は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けることができる。放熱フィン14は、少なくとも1つ設けることができる。例えば、
図1に例示をしたソケット10には複数の放熱フィン14が設けられている。複数の放熱フィン14は、所定の方向に並べて設けることができる。放熱フィン14は、板状を呈したものとすることができる。
【0018】
図2に示すように、ソケット10には、孔10aと、孔10aに接続された孔10bを設けることができる。孔10aの内部には絶縁部32を設けることができる。孔10bの内部には、複数の給電端子31の端部が露出している。孔10bには、シール部材105aを有するコネクタ105が挿入され、コネクタ105が複数の給電端子31の端部に嵌め合わされる。
【0019】
ソケット10は、発光モジュール20と給電部30を保持する機能と、発光モジュール20において発生した熱を外部に伝える機能を有することができる。そのため、ソケット10は、金属などの熱伝導率の高い材料から形成するのが好ましい。
また、近年においては、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれている。そのため、ソケット10は、高熱伝導性樹脂から形成することがさらに好ましい。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と無機材料を用いたフィラーを含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、炭素や酸化アルミニウムなどを用いたフィラーを混合させたものとすることができる。
【0020】
高熱伝導性樹脂を含み、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14が一体に成形されたソケット10とすれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができる。また、ソケット10の重量を軽くすることができる。この場合、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14は、射出成形法などを用いて、一体成形することができる。また、インサート成形法などを用いて、ソケット10と給電部30を一体成形することもできる。
【0021】
給電部30は、複数の給電端子31および保持部32を有することができる。
複数の給電端子31は、ピン状体とすることができる。複数の給電端子31の、発光モジュール20側の端部は、配線パターン21aの出力端子と入力端子とに半田付けすることができる。複数の給電端子31の放熱フィン14側の端部は、孔10bの内部に露出させることができる。給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成することができる。なお、給電端子31の数、形状、配置、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0022】
前述したように、ソケット10は熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。ところが、熱伝導率の高い材料は導電性を有している場合がある。例えば、炭素を含むフィラーを用いた高熱伝導性樹脂などは、導電性を有している。そのため、保持部32は、給電端子31と、導電性を有するソケット10との間を絶縁するために設けることができる。また、保持部32は、複数の給電端子31を保持する機能をも有することができる。なお、ソケット10が絶縁性を有する高熱伝導性樹脂(例えば、酸化アルミニウムを用いたフィラーを含む高熱伝導性樹脂など)から形成される場合には、保持部32を省くことができる。この場合、ソケット10が複数の給電端子31を保持することができる。
【0023】
保持部32は、絶縁性を有する樹脂から形成することができる。保持部32は、例えば、ソケット10に設けられた孔10aに圧入したり、孔10aの内壁に接着したりすることができる。
【0024】
伝熱部40は、ソケット10と発光モジュール20との間に設けることができる。伝熱部40は、熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。伝熱部40は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの金属から形成することができる。伝熱部40は、凹部11aの底面11a1に接着することができる。この場合、接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。また、伝熱部40は、熱伝導グリス(放熱グリス)を含む層を介して、凹部11aの底面11a1に取り付けることもできる。熱伝導グリスは、例えば、変性シリコーンに、無機材料を用いたフィラーが混合されたものとすることができる。また、伝熱部40は、インサート成形法などを用いて、凹部11aの底面11a1に埋め込むこともできる。
【0025】
なお、発光モジュール20において発生する熱が少ない場合には、伝熱部40を省くこともできる。伝熱部40が省かれる場合には、例えば、発光モジュール20を凹部11aの底面11a1に接着することができる。
【0026】
発光モジュール20は、ソケット10の一方の端部側に設けることができる。
図1および
図2に示すように、発光モジュール20は、基板21、発光素子22
、ダイオード23、および抵抗24を有することができる。
【0027】
基板21は、板状を呈している。基板21の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。基板21は、例えば、伝熱部40の、凹部11aの底面11a1側とは反対側の面40aに接着することができる。基板21を伝熱部40に接着する接着剤は、伝熱部40を凹部11aの底面11a1に接着する接着剤と同じとすることができる。基板21は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。また、基板21は、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
【0028】
また、基板21の表面には、配線パターン21aを設けることができる。配線パターン21aは、例えば、銀を主成分とする材料から形成することもできるし、銅を主成分とする材料などから形成することもできる。
【0029】
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。発光素子22は、例えば、表面実装型の発光素子とすることができる。車両用照明装置1を中心軸1aに沿った方向から見た場合に、発光素子22の光の出射面22a(上面)の平面形状は、略長方形とすることができる。
【0030】
発光素子22は、3つ設けることができる。3つの発光素子22は、基板21の、伝熱部40側とは反対側に設けることができる。3つの発光素子22は、配線パターン21aに電気的に接続することができる。3つの発光素子22は、直列接続することができる。
【0031】
3つの発光素子22は、左右方向に一列に並べて設けることができる。この場合、3つの発光素子22は、出射面22aの長辺が互いに隣り合うように並べることができる。
【0032】
車両用照明装置1を中心軸1aに沿った方向から見た場合に、1つの発光素子22は、車両用照明装置1の中心軸1aと重なる位置に設けることができる。この場合、1つの発光素子22の重心が車両用照明装置1の中心軸1aと重なるようにすることが好ましい。残りの1つの発光素子22は、中心軸1aと重なる位置に設けられた発光素子22の左側に設けることができる。残りの1つの発光素子22は、中心軸1aと重なる位置に設けられた発光素子22の右側に設けることができる。
なお、3つの発光素子22の配置などに関する詳細は後述する。
【0033】
ダイオード23は、基板21の、伝熱部40側とは反対側に設けることができる。ダイオード23は、配線パターン21aに電気的に接続することができる。ダイオード23は、3つの発光素子22に直列接続することができる。ダイオード23は、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けることができる。ダイオード23は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。
図1に例示をしたダイオード23は、表面実装型のダイオードである。
【0034】
抵抗24は、基板21の、伝熱部40側とは反対側に設けることができる。抵抗24は、配線パターン21aに電気的に接続することができる。抵抗24は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、
図1に例示をした抵抗24は、膜状の抵抗器である。
【0035】
膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO2)とすることができる。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。抵抗24が膜状の抵抗器であれば、抵抗24と基板21との接触面積を大きくすることができるので、放熱性を向上させることができる。また、複数の抵抗24を一度に形成することができる。そのため、生産性を向上させることができる。また、複数の抵抗24における抵抗値のばらつきを抑制することができる。
【0036】
ここで、発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子22から出射する光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22から出射する光の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗24により、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。この場合、抵抗24の抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにする。
【0037】
抵抗24が膜状の抵抗器の場合には、抵抗24の一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。例えば、抵抗24にレーザ光を照射すれば抵抗24の一部を容易に除去することができる。抵抗24が表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗24を選択すればよい。抵抗24の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0038】
その他、発光素子22に関する断線の検出や、誤点灯防止などのために、プルダウン抵抗を設けることもできる。また、配線パターン21aや膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含むことができる。
【0039】
次に、3つの発光素子22の配置などに関してさらに説明する。
自動車に設けられる車両用照明装置1の場合には、上下方向(略鉛直方向)に短く、左右方向(略水平方向)に長い輝度領域200において、輝度がなるべく均一となるようにすること(輝度にムラが生じるのを抑制すること)が求められる場合がある。例えば、この様な輝度領域200において輝度にムラが生じると、安全性の観点から定められた配光規格を満たさなくなるおそれがある。
【0040】
後述する
図4に示すように、自動車に設けられる車両用照明装置1の場合には、長辺が上下方向に並ぶ長方形状の輝度領域200とすることが好ましい。例えば、長方形状の輝度領域200の長辺の長さをL1(mm)、短辺の長さをL2(mm)とすると、L1/L2は、2.3以上、3.5以下とすることができる。例えば、輝度領域200の長辺の長さL1は、3.8(mm)以上、4.2(mm)以下、短辺の長さL2は、1.2(mm)以上、1.6(mm)以下とすることができる。好ましくは、輝度領域200の長辺の長さL1は、4.0(mm)、短辺の長さL2は、1.4(mm)とすることができる。
【0041】
また、この様な輝度領域200の内部の輝度と、輝度領域200の周辺の輝度との差を大きくすることがさらに求められる場合もある。例えば、輝度領域200の内部の輝度と周辺の輝度との差が小さくなると、安全性の観点から定められた配光規格を満たさなくなるおそれがある。例えば、周辺輝度の最大値は、輝度領域200の内部の平均輝度の10%以下とすることが好ましい。この場合、発光素子22の光の出射側に遮光部材を設けて、輝度領域200の周辺の光を遮光すれば、輝度領域200の内部の輝度と周辺の輝度との差を大きくすることができる。しかしながらこの様にすると、発光素子22から出射した光の一部が遮光部材に吸収されることになるため、発光効率が低下することになる。
【0042】
図3は、比較例に係る発光素子122およびその配置を例示するための模式平面図である。
表面実装型の発光素子122は、パッケージ122bと、パッケージ122bの上端に設けられた出射面122aとを有している。また、発光素子122を配線パターン21aに実装する場合には、隣接する発光素子122との短絡などが生じないようにする必要がある。
【0043】
そのため、3つの発光素子122の出射面122aを輝度領域200の内部に並べる場合には、
図3に示すように、パッケージ122b同士の間に隙間を設ける必要がある。パッケージ122b同士の間に隙間が設けられると、輝度領域200の内部の左右方向において、出射面122aと出射面122aとの間の寸法を小さくすることが困難となる。輝度領域200の内部において、出射面122aと出射面122aとの間の寸法が大きくなると、出射面122aと出射面122aとの間の輝度が低下して、輝度ムラが大きくなる。
【0044】
また、一般的には、発光素子122の光の出射面122aの平面形状は、略正方形である。前述したように、輝度領域200の内部において、出射面122aの左右方向の長さは、出射面122aと出射面122aとの間の寸法により制限される。また、出射面122aの平面形状が略正方形であれば、出射面122aの上下方向の長さは、左右方向の長さと同じとなる。そのため、出射面122aの面積を大きくすることができず、輝度領域200の内部における、輝度ムラを抑制することがさらに困難となる。
【0045】
図4は、本実施の形態に係る発光素子22、および発光素子22の配置を例示するための模式平面図である。
図4に示すように、輝度領域200の内部には、3つの発光素子22を左右方向に並べて設けることができる。表面実装型の発光素子22は、パッケージ22bと、パッケージ22bの上端に設けられた出射面22aとを有している。3つの出射面22aの中心は、例えば、車両用照明装置1の中心軸1aを通り、輝度領域200の長辺に平行な線分上に設けることができる。
【0046】
発光素子122の場合と同様に、パッケージ22b同士の間には隙間が設けられている。そのため、輝度領域200の内部の左右方向において、出射面22aと出射面22aとの間の寸法を小さくすることが難しくなる。輝度領域200の内部において、出射面22aの左右方向の長さは、出射面22aと出射面22aとの間の寸法により制限されるので、出射面22aの左右方向の長さを長くすることは難しい。
【0047】
そこで、本実施の形態に係る発光素子22においては、
図4に示すように、出射面22aの平面形状を略長方形としている。この場合、発光素子22は、出射面22aの長辺が左右方向に並ぶように輝度領域200の内部に設けることができる。すなわち、中心軸1aを中心とする略長方形の輝度領域200の内部において、3つの発光素子22は、出射面22aの長辺が、輝度領域200の短辺が対峙する方向に並ぶように設けられている。
【0048】
出射面22aの平面形状が略長方形であれば、出射面22aの上下方向の長さを、出射面22aの左右方向の長さよりも長くすることができる。そのため、出射面22aの左右方向の長さを長くすることができなくても、出射面22aの面積を大きくすることができる。出射面22aの面積を大きくすることができれば、輝度領域200の内部における、輝度ムラを抑制することが容易となる。例えば、輝度領域200の内部の左右方向において、出射面22aの中心間距離(ピッチ寸法)P(mm)は、例えば、1.2(mm)以上、1.6(mm)以下とすることができる。
【0049】
この場合、出射面22aの上下方向の長さを長くし過ぎると、輝度領域200の内部の輝度と周辺の輝度との差が小さくなり過ぎるおそれがある。そのため、出射面22aの上下方向の長さLa(mm)は、例えば、0.8(mm)以上、1.4(mm)以下とすることが好ましい。この場合、出射面22aの左右方向の長さLb(mm)は、例えば、0.7(mm)以上、1.0(mm)以下とすることができる。
【0050】
図5は、他の実施形態に係る発光素子、および発光素子の配置を例示するための模式平面図である。
図5に示すように、輝度領域200の内部には、2つの発光素子22
と、1つの発光素子25
を左右方向に並べて設けることができる。発光素子25は、表面実装型の発光素子とすることができる。そのため、発光素子25は、パッケージ25bと、パッケージ25bの上端に設けられた出射面25aとを有している。2つの出射面22aの中心と、1つの出射面25aの中心は、例えば、車両用照明装置1の中心軸1aを通り、輝度領域200の長辺に平行な線分上に設けることができる。
【0051】
すなわち、車両用照明装置1を中心軸1aに沿った方向から見た場合に、発光素子25の光の出射面25aは略正方形であり、2つの発光素子22の光の出射面22aは略長方形である。
中心軸1aを中心とする略長方形の輝度領域200の内部において、発光素子25は、発光素子22と発光素子22との間に並べて設けられている。
2つの発光素子22は、出射面22aの長辺が、輝度領域200の短辺が対峙する方向に並ぶように設けられている。
【0052】
平面形状が略正方形の出射面25aの辺の長さは、例えば、出射面22aの上下方向の長さLa(mm)と略同じとすることができる。すなわち、出射面25aの辺の長さは、出射面22aの長辺の長さLa(mm)と略同じとすることができる。
【0053】
前述したように、輝度領域200の長辺の長さL1(mm)と、短辺の長さL2(mm)には所定の範囲がある。そのため、発光素子の数を3つにすると、輝度領域200の内部において、輝度にムラが生じやすくなる場合がある。例えば、輝度領域200の長辺の長さL1(mm)が長い場合には、出射面22aと出射面25aとの間の距離が長くなり、輝度領域200の内部において、出射面22aと出射面25aとの間の輝度が低下する場合がある。この様な場合には、出射面25aの左右方向の長さが、出射面22aの左右方向の長さよりも長くなるようにすることが好ましい。この様にすれば、輝度領域200の内部において、出射面22aと出射面25aとの間の輝度が低下するのを抑制することができる。
【0054】
この場合、(Lb+La+Lb)/L1が、0.6以上となるようにすることが好ましい。この様にすれば、輝度領域200の内部において充分な輝度を得ることができるので、輝度領域200の内部に輝度が低い領域が生じるのを抑制することができる。すなわち、輝度領域200において、輝度にムラが生じるのを抑制することができる。
【0055】
図6(a)~(c)は、他の実施形態に係る発光素子、および発光素子の配置を例示するための模式平面図である。
図6(a)に示すように、輝度領域200の内部には、2つの発光素子22
と、1つの発光素子26
を左右方向に並べて設けることができる。発光素子26は、表面実装型の発光素子とすることができる。そのため、発光素子26は、パッケージ26bと、パッケージ26bの上端に設けられた出射面26aとを有している。2つの出射面22aの中心と、1つの出射面26aの中心は、例えば、車両用照明装置1の中心軸1aを通り、輝度領域200の長辺に平行な線分上に設けることができる。
【0056】
すなわち、車両用照明装置1を中心軸1aに沿った方向から見た場合に、発光素子26の光の出射面26aは略正方形であり、2つの発光素子22の光の出射面22aは略長方形である。
中心軸1aを中心とする略長方形の輝度領域200の内部において、発光素子26は、発光素子22と発光素子22との間に並べて設けられている。
2つの発光素子22は、出射面22aの長辺が、輝度領域200の短辺が対峙する方向に並ぶように設けられている。
【0057】
平面形状が略正方形の出射面26aの辺の長さは、例えば、出射面22aの左右方向の長さLb(mm)と略同じとすることができる。すなわち、出射面26aの辺の長さは、出射面22aの短辺の長さLb(mm)と略同じとすることができる。
【0058】
前述したように、輝度領域200の長辺の長さL1(mm)と、短辺の長さL2(mm)には所定の範囲があるので、輝度領域200の長辺の長さL1(mm)が短い場合には、輝度領域200の中心近傍の輝度が高くなり過ぎる場合がある。この様な場合には、輝度領域200の中心近傍に設けられる発光素子26の出射面26aの面積を小さくすればよい。このようにすれば、輝度領域200において、輝度にムラが生じるのを抑制することができる。
【0059】
図6(b)に示すように、輝度領域200の内部には、2つの発光素子26
と、1つの発光素子25
を左右方向に並べて設けることができる。2つの出射面26aの中心と、1つの出射面25aの中心は、例えば、車両用照明装置1の中心軸1aを通り、輝度領域200の長辺に平行な線分上に設けることができる。
【0060】
すなわち、車両用照明装置1を中心軸1aに沿った方向から見た場合に、発光素子25の光の出射面25aは略正方形であり、2つの発光素子26の光の出射面26aは略正方形である。
中心軸1aを中心とする略長方形の輝度領域200の内部において、発光素子25は、発光素子26と発光素子26との間に並べて設けられている。
発光素子25の出射面25aは、発光素子26の光の出射面26aよりも大きい。
【0061】
前述したように、輝度領域200の長辺の長さL1(mm)と、短辺の長さL2(mm)には所定の範囲があるので、これらの長さによっては、輝度領域200の内部の輝度と、輝度領域200の周辺の輝度との差が小さくなりすぎる場合がある。例えば、左右方向において、輝度領域200の端部の周辺の輝度が高くなり過ぎる場合がある。この様な場合には、左右方向において、輝度領域200の端部の近傍に設けられる発光素子26の出射面26aの面積を小さくすればよい。なお、
図6(b)に示すように、出射面26aは略正方形とすることができる。このようにすれば、輝度領域200の内部の輝度と、輝度領域200の周辺の輝度との差が大きくなるようにすることができる。
【0062】
図6(c)に示すように、輝度領域200の内部には、2つの発光素子125
と、1つの発光素子25
を左右方向に並べて設けることができる。2つの出射面125aの中心と、1つの出射面25aの中心は、例えば、車両用照明装置1の中心軸1aを通り、輝度領域200の長辺に平行な線分上に設けることができる。
【0063】
すなわち、車両用照明装置1を中心軸1aに沿った方向から見た場合に、発光素子25の光の出射面25aは略正方形であり、2つの発光素子125の光の出射面125aは略長方形である。
中心軸1aを中心とする略長方形の輝度領域200の内部において、発光素子25は、発光素子125と発光素子125との間に並べて設けられている。
2つの発光素子125は、出射面125aの長辺が、輝度領域200の短辺が対峙する方向に並ぶように設けられている。
【0064】
前述したように、輝度領域200の長辺の長さL1(mm)と、短辺の長さL2(mm)には所定の範囲があるので、これらの長さによっては、輝度領域200の内部の輝度と、輝度領域200の周辺の輝度との差が小さくなりすぎる場合がある。例えば、左右方向において、輝度領域200の端部の周辺の輝度が高くなり過ぎる場合がある。この様な場合には、左右方向において、輝度領域200の端部の近傍に設けられる発光素子125の出射面125aの面積を小さくすればよい。なお、
図6(c)に示すように、出射面125aは略長方形とすることができる。出射面125aの長辺は、輝度領域200の短辺が対峙する方向に並ぶようにすることができる。このようにすれば、輝度領域200の内部の輝度と、輝度領域200の周辺の輝度との差が大きくなるようにすることができる。
【0065】
前述した発光素子22、25、26、125は表面実装型の発光素子であるが、チップ状の発光素子とすることもできる。
図7(a)は、他の実施形態に係る発光素子、および発光素子の配置を例示するための模式平面図である。
図7(b)は、
図7(a)における発光素子の配置のB-B線方向の模式断面図である。
図7(a)に示すように、輝度領域200の内部には、3つの発光素子27を左右方向に並べて設けることができる。発光素子27はチップ状の発光素子であるため、発光素子27の上面が出射面22aとなる。発光素子27は、出射面22aの長辺が左右方向に並ぶように設けることができる。
【0066】
図7(b)に示すように、発光素子27は、例えば、COB(Chip On Board)により基板21の上に実装することができる。チップ状の発光素子27は、上下電極型の発光素子、上部電極型の発光素子、フリップチップ型の発光素子などとすることができる。
【0067】
また、3つの発光素子27を囲む枠状の枠部28を設けることができる。車両用照明装置1を中心軸1aに沿った方向から見た場合に、枠部28の外形形状は略長方形とすることができる。車両用照明装置1を中心軸1aに沿った方向から見た場合に、枠部28の開口は、略長方形することができる。枠部28の開口は、輝度領域200とすることができる。
【0068】
枠部28は、基板21の上に設けることができる。枠部28は、基板21に接着することができる。枠部28は、樹脂から形成することができる。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET、ナイロン、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。また、樹脂に酸化チタンなどの粒子を混合して、発光素子27から出射した光に対する反射率を向上させることができる。また、枠部28は、例えば、白色の樹脂から形成することもできる。
【0069】
図7(b)に示すように、枠部28の内壁面は、基板21の面にほぼ垂直な面とすることもできるし、傾斜面28aとすることもできる。傾斜面28aは、基板21から離れるに従い枠部28の中心軸から離れる方向に傾斜している。枠部28の内壁面が傾斜面28aとなっていれば、内壁面に入射した光が車両用照明装置1の前側に向けて出射し易くなる。すなわち、枠部28は、リフレクタの機能を有することができる。
【0070】
枠部28の内側には封止部29を設けることができる。封止部29は、枠部28の内側を覆うように設けられている。封止部29は、透光性を有する材料から形成することができる。封止部29は、枠部28の内側に樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどを用いて行うことができる。充填する樹脂は、例えば、シリコーン樹脂などとすることができる。
【0071】
封止部29には、蛍光体を含めることができる。また、発光素子27の出射面22aに波長変換シート(蛍光体を含むシート)を設けることもできる。波長変換シートは、透光性を有する樹脂シートの内部に粒状の蛍光体を分散させたものとすることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。ただし、蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所望の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0072】
図8(a)~(d)は、他の実施形態に係る発光素子、および発光素子の配置を例示するための模式平面図である。
図8(a)に示すように、
図5に例示をした出射面22aを有するチップ状の発光素子27aと、出射面25aを有するチップ状の発光素子27bと、これらを囲む枠部28と、枠部28の内側に設けられた封止部29を設けることもできる。
【0073】
図8(b)に示すように、
図6(a)に例示をした出射面22aを有するチップ状の発光素子27aと、出射面26aを有するチップ状の発光素子27cと、これらを囲む枠部28と、枠部28の内側に設けられた封止部29を設けることもできる。
【0074】
図8(c)に示すように、
図6(b)に例示をした出射面26aを有するチップ状の発光素子27cと、出射面25aを有するチップ状の発光素子27bと、これらを囲む枠部28と、枠部28の内側に設けられた封止部29を設けることもできる。
【0075】
図8(d)に示すように、
図6(c)に例示をした出射面125aを有するチップ状の発光素子27dと、出射面25aを有するチップ状の発光素子27bと、これらを囲む枠部28と、枠部28の内側に設けられた封止部29を設けることもできる。
【0076】
なお、チップ状の発光素子が有する出射面には、電極が含まれる場合がある、例えば、上下電極型の発光素子の出射面や、上部電極型の発光素子の出射面には電極が含まれている。
これらのチップ状の発光素子が有する作用、効果は、前述した表面実装型の発光素子の場合と同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
【0077】
(車両用灯具)
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。
【0078】
図9は、車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図9に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105を設けることができる。
【0079】
筐体101は、装着部11を保持する。筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈している。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。筐体101の底面には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aが設けられている。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部が設けられている。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0080】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、取付孔101aの周辺に設けられた嵌合部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0081】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐように設けられている。カバー102は、透光性を有する樹脂などから形成することができる。カバー102は、レンズなどの機能を有することもできる。
【0082】
光学要素部103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行う。例えば、
図9に例示をした光学要素部103はリフレクタである。この場合、光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
【0083】
シール部材104は、フランジ13と筐体101の間に設けられている。シール部材104は、環状を呈するものとすることができる。シール部材104は、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
【0084】
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ13と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間が密閉される。また、シール部材104の弾性力により、バヨネット12が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0085】
コネクタ105は、孔10bの内部に露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わされる。コネクタ105には、図示しない電源などが電気的に接続されている。そのため、コネクタ105を給電端子31の端部に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子とが電気的に接続される。シール部材105aは、孔10bの内部に水が侵入するのを防ぐために設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が孔10bに挿入された際には、孔10bが水密となるように密閉される。
【0086】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 車両用照明装置、10 ソケット、11 装着部、20 発光モジュール、21 基板、22 発光素子、22a 出射面、22b パッケージ、25 発光素子、25a 出射面、25b パッケージ、26 発光素子、26a 出射面、26b パッケージ、27 発光素子、27a~27d 発光素子、28 枠部、29 封止部、100 車両用灯具、101 筐体、125 発光素子、125a 発光面、200 輝度領域