IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧

特許7415349電子デバイス、管理システム、及び表示方法
<>
  • 特許-電子デバイス、管理システム、及び表示方法 図1
  • 特許-電子デバイス、管理システム、及び表示方法 図2
  • 特許-電子デバイス、管理システム、及び表示方法 図3
  • 特許-電子デバイス、管理システム、及び表示方法 図4
  • 特許-電子デバイス、管理システム、及び表示方法 図5
  • 特許-電子デバイス、管理システム、及び表示方法 図6
  • 特許-電子デバイス、管理システム、及び表示方法 図7
  • 特許-電子デバイス、管理システム、及び表示方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】電子デバイス、管理システム、及び表示方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240110BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20240110BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20240110BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20240110BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20240110BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G09G5/00 555D
G06K19/077 112
G06K19/07 230
G09G5/38
G09G5/00 550X
H04W88/02 110
G05B19/418 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019125864
(22)【出願日】2019-07-05
(65)【公開番号】P2021012272
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】仁瓶 広誉
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215837(JP,A)
【文献】特開2008-071217(JP,A)
【文献】特開2016-058028(JP,A)
【文献】特開2016-207011(JP,A)
【文献】特開2017-117006(JP,A)
【文献】特開2013-020059(JP,A)
【文献】特開2011-022720(JP,A)
【文献】特開2006-230566(JP,A)
【文献】特開2001-109610(JP,A)
【文献】特開2008-261946(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00
G06K 19/077
G06K 19/07
G09G 5/38
H04W 88/02
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、
所定の単位サイズの整数倍の画像サイズを有し、前記表示部に表示可能な画像データを予め記憶する画像記憶部と、
無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、
前記無線通信部が前記無線通信により前記上位装置から受信した表示要求であって、前記画像記憶部が記憶する前記画像データを指定する画像指定情報と、複数ドット数であり、8の倍数のドット数である前記所定の単位サイズの整数倍の数に基づいて表した、前記所定の単位サイズにより前記画像データの縦サイズ及び横サイズを圧縮し、圧縮した前記縦サイズ及び前記横サイズを1つの情報にまとめた縦横比情報とを含む表示要求に応じて、前記画像指定情報に基づいて指定された前記画像データを、前記縦横比情報に基づく画像サイズの前記画像データとして、前記画像記憶部から取得し、取得した前記画像データを、前記表示部の基準位置から過去に表示した画像のサイズ分を順次ずらした位置を表示開始位置として、前記表示部に表示させる処理部と
を備えることを特徴とする電子デバイス。
【請求項2】
前記縦横比情報は、前記画像データの縦サイズ及び横サイズのうちの一方の前記整数倍の数に基づく値Nを所定の除数値Jで乗算し、前記縦サイズ及び前記横サイズのうちのもう一方の前記整数倍の数に基づく値Mを加算した値ARであり(但し、除数値Jは、前記表示部の横サイズを前記所定の単位サイズに基づいて圧縮した整数であり、Nの最大値及びMの最大値≦J)、
前記処理部は、前記値ARを前記除数値Jで除算した商の値である前記Nと、前記値ARを前記除数値Jにより剰余演算した剰余値である前記Mとに基づいて、前記画像データの縦サイズ及び横サイズを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記除数値Jは、前記表示部のサイズに基づいて定められている
ことを特徴とする請求項2に記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記処理部は、
前記無線通信部が前記無線通信により前記上位装置から受信した開始位置変更要求に応じて、前記表示開始位置を変更する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子デバイスと、
工程ごとに配置され、前記電子デバイスが前記工程を通過する際に、前記表示要求を送信して、前記表示部の表示を前記工程に応じて変更させる前記上位装置である複数のリーダライタ装置と
を備えることを特徴とする管理システム。
【請求項6】
不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、所定の単位サイズの整数倍の画像サイズを有し、前記表示部に表示可能な画像データを予め記憶する画像記憶部と、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部とを備える電子デバイスの表示方法であって、
前記無線通信部が、前記画像記憶部が記憶する前記画像データを指定する画像指定情報と、複数ドット数であり、8の倍数のドット数である前記所定の単位サイズの整数倍の数に基づいて表した、前記所定の単位サイズにより前記画像データの縦サイズ及び横サイズを圧縮し、圧縮した前記縦サイズ及び前記横サイズを1つの情報にまとめた縦横比情報とを含む表示要求を、前記無線通信により前記上位装置から受信する受信ステップと、
処理部が、前記受信ステップによって受信した前記表示要求に応じて、前記画像指定情報に基づいて指定された前記画像データを、前記縦横比情報に基づく画像サイズの前記画像データとして、前記画像記憶部から取得し、取得した前記画像データを、前記表示部の基準位置から過去に表示した画像のサイズ分を順次ずらした位置を表示開始位置として、
前記表示部に表示させる処理ステップと
を含むことを特徴とする表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイス、管理システム、及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、RFID(Radio Frequency Identification)を用いた電子デバイスが広く使用されている(例えば、特許文献1を参照)。また、このような電子デバイスには、電子ペーパーなどの表示部に、文字や画像を表示させる表示機能を備えたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-215837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した電子デバイスでは、文字や画像を表示部に表示させる際に、例えば、無線通信によりリーダライタなどの上位装置から、文字や画像を表示させるための表示情報を受信し、受信した表示情報に基づいて、文字や画像を表示部に表示する。しかしながら、上述した電子デバイスでは、文字や画像を複数表示させる場合など、送信する表示情報の情報量が増大し、大量の電子デバイスを効率よく処理することが困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、表示させる際に送信する情報量を低減することができる電子デバイス、管理システム、及び表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、所定の単位サイズの整数倍の画像サイズを有し、前記表示部に表示可能な画像データを予め記憶する画像記憶部と、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部と、前記無線通信部が前記無線通信により前記上位装置から受信した表示要求であって、前記画像記憶部が記憶する前記画像データを指定する画像指定情報と、複数ドット数であり、8の倍数のドット数である前記所定の単位サイズの整数倍の数に基づいて表した、前記所定の単位サイズにより前記画像データの縦サイズ及び横サイズを圧縮し、圧縮した前記縦サイズ及び前記横サイズを1つの情報にまとめた縦横比情報とを含む表示要求に応じて、前記画像指定情報に基づいて指定された前記画像データを、前記縦横比情報に基づく画像サイズの前記画像データとして、前記画像記憶部から取得し、取得した前記画像データを、前記表示部の基準位置から過去に表示した画像のサイズ分を順次ずらした位置を表示開始位置として、前記表示部に表示させる処理部とを備えることを特徴とする電子デバイスである。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記に記載の電子デバイスと、工程ごとに配置され、前記電子デバイスが前記工程を通過する際に、前記表示要求を送信して、前記表示部の表示を前記工程に応じて変更させる前記上位装置である複数のリーダライタ装置とを備えることを特徴とする管理システムである。
【0008】
また、本発明の一態様は、不揮発なメモリ性を有する表示を行う表示部と、所定の単位サイズの整数倍の画像サイズを有し、前記表示部に表示可能な画像データを予め記憶する画像記憶部と、無線通信によって上位装置との間で通信を行う無線通信部とを備える電子デバイスの表示方法であって、前記無線通信部が、前記画像記憶部が記憶する前記画像データを指定する画像指定情報と、複数ドット数であり、8の倍数のドット数である前記所定の単位サイズの整数倍の数に基づいて表した、前記所定の単位サイズにより前記画像データの縦サイズ及び横サイズを圧縮し、圧縮した前記縦サイズ及び前記横サイズを1つの情報にまとめた縦横比情報とを含む表示要求を、前記無線通信により前記上位装置から受信する受信ステップと、処理部が、前記受信ステップによって受信した前記表示要求に応じて、前記画像指定情報に基づいて指定された前記画像データを、前記縦横比情報に基づく画像サイズの前記画像データとして、前記画像記憶部から取得し、取得した前記画像データを、前記表示部の基準位置から過去に表示した画像のサイズ分を順次ずらした位置を表示開始位置として、前記表示部に表示させる処理ステップとを含むことを特徴とする表示方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示させる際に送信する情報量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態による電子デバイスの一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態における表示部への表示例を示す図である。
図3】第1の実施形態における画像記憶部のデータ例を示す図である。
図4】第1の実施形態における表示履歴記憶部のデータ例を示す図である。
図5】第1の実施形態におけるアスペクト比情報の設定例を示す図である。
図6】第1の実施形態による電子デバイスの表示コマンドの処理の一例を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態における表示部への表示処理の一例を示す図である。
図8】第2の実施形態による生産管理システムの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態による電子デバイス、管理システム、及び表示方法について、図面を参照して説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態による電子デバイス1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、電子デバイス1は、無線通信部11と、表示部12と、記憶部13と、制御部14とを備える。
【0013】
電子デバイス1は、例えば、RFIDタグやコンタクトレスICカード、エッジデバイスなどの電子機器であり、例えば、リーダライタ2からが送信したコマンド(処理要求)を、無線通信部11を介して受信し、受信したコマンドに応じた処理(コマンド処理)を実行する。そして、電子デバイス1は、コマンド処理の実行結果であるレスポンス(処理応答)を、無線通信部11を介してリーダライタ2に送信(返信)する。
【0014】
リーダライタ2は、上位装置の一例であり、不図示の無線通信部を備え、無線通信により、コマンドを送信し、コマンドに応じた処理を電子デバイス1に実行させる。リーダライタ2は、例えば、表示コマンドを電子デバイス1に送信し、電子デバイス1の表示部12に各種画像を表示させる。
【0015】
無線通信部11は、例えば、NFC(Near Field Communication)などの無線通信によってリーダライタ2(上位装置)との間で通信を行う。無線通信部11は、リーダライタ2から各種コマンドを無線通信によって受信し、受信したコマンドを後述する制御部14に出力する。また、無線通信部11は、制御部14によって処理された各種コマンド処理のレスポンスを、無線通信によってリーダライタ2に送信する。なお、無線通信部11は、リーダライタ2から無線給電により電子デバイス1を動作させる電力を受電するものであってもよい。
【0016】
表示部12は、例えば、電子ペーパーなどであり、不揮発なメモリ性を有する表示を行う。表示部12は、例えば、図2に示すように、画面G1に複数の画像を表示する。
図2は、本実施形態における表示部12への表示例を示す図である。
図2において、表示部12の画面のサイズ(表示サイズ)は、例えば、横サイズXが、360dot(ドット)であり、縦サイズYが、240dotである(360dot×240dot)。図2に示す例は、表示部12に画像A~画像Dを表示した場合の一例である。
【0017】
ここで、画像Aは、横サイズが288dotであり、縦サイズが48dot(288dot×48dot)であり、画像Bは、横サイズが96dotであり、縦サイズが96dot(96dot×96dot)である。また、画像Cは、横サイズが96dotであり、縦サイズが96dot(96dot×96dot)であり、画像Dは、横サイズが168dotであり、縦サイズが168dot(168dot×168dot)である。
なお、表示部12は、電子ペーパーに文字や画像などの表示データを書き込むドライバ部(不図示)及び表示パネル(不図示)を含むものとする。
【0018】
図1の説明に戻り、記憶部13は、電子デバイス1が利用する各種情報を記憶する。記憶部13は、例えば、画像記憶部131と、表示履歴記憶部132とを備える。
画像記憶部131は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの不揮発性メモリで構成され、表示部12に表示可能な画像データを予め記憶する。ここで、画像データは、所定の単位サイズ(例えば、24dot)の整数倍の画像サイズを有する。ここで、図3を参照して、本実施形態における画像記憶部131のデータ例について説明する。
【0019】
図3は、本実施形態における画像記憶部131のデータ例を示す図である。
図3に示すように、画像記憶部131は、例えば、画像A~画像Dの画像データを予め記憶している。画像A~画像Dは、上述した図2に示す画像である。
【0020】
図3に示す例では、画像記憶部131において、画像Aの画像データが、0x0000を先頭アドレスとして、0x0000~0x06BFに記憶されており、画像Bの画像データが、0x1000を先頭アドレスとして、0x1000~0x147Fに記憶されている。また、画像Dの画像データが、0x1800を先頭アドレスとして、0x1800~0x1C7Fに記憶されており、画像Dの画像データが、0x2000を先頭アドレスとして、0x2000~0x2DC7に記憶されている。
なお、本実施形態の説明において、先頭に“0x”が付与された文字列は、16進数(ヘキサデシマル)の表記であることを示す。また、画像A~画像Dの各画像の横サイズ及び縦サイズは、24dot(単位サイズ)の整数倍の値に設定されている。
【0021】
再び図1の説明に戻り、表示履歴記憶部132は、例えば、EEPROMなどの不揮発性メモリで構成され、表示部12への画像の表示履歴を記憶する。表示履歴記憶部132は、例えば、図4に示すように、表示開始位置と、画像サイズとを対応付けた表示履歴情報を記憶する。
【0022】
図4は、本実施形態における表示履歴記憶部132のデータ例を示す図である。
図4において、表示履歴記憶部132は、「表示開始位置」と、「画像サイズ」とを対応付けてた表示履歴を記憶する。ここで、「表示開始位置」は、表示部12の画面における画像データの表示開始位置の座標を示し、「画像サイズ」は、表示した画像の「横サイズ」及び「縦サイズ」を示している。
【0023】
例えば、図4に示す例では、「表示開始位置」が“(0,0)”(画面の基準位置)に、「横サイズ」が“288”(dot)であり、「縦サイズ」が“48”(dot)である画像を表示したことを示している。
なお、表示履歴記憶部132が記憶する表示履歴は、後述するコマンド処理部141による表示開始位置を決定する際に利用される。
【0024】
再び図1の説明に戻り、制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、電子デバイス1を統括的に制御する。制御部14は、コマンド処理部141と、表示制御部142とを備える。
【0025】
コマンド処理部141(処理部の一例)は、無線通信部11が無線通信によりリーダライタ2から受信したコマンド(処理要求)を取得し、コマンドに応じた各種コマンド処理を実行する。また、コマンド処理部141は、コマンド処理の実行結果であるレスポンス(処理応答)を、無線通信部11に対して、リーダライタ2に送信(返信)させる。
例えば、コマンド処理部141は、無線通信部11が、表示コマンド(表示要求)を無線通信によりリーダライタ2から受信した場合に、表示部12に指定された画像を表示させるコマンド処理を実行する。ここで、表示コマンドには、画像指定情報と、アスペクト比情報とが含まれる。
【0026】
画像指定情報は、画像記憶部131が記憶する画像データを指定する情報であり、例えば、画像記憶部131が記憶する画像データの先頭アドレスである。
また、アスペクト比情報(縦横比情報の一例)は、上述した単位サイズ(例えば、24dot)の整数倍の数に基づいて表した画像データの縦横のサイズ比を示している。例えば、アスペクト比情報は、画像データの縦サイズ及び横サイズのうちの一方の単位サイズによる整数倍の数に基づく値Nを所定の除数値Jで乗算し、縦サイズ及び横サイズのうちのもう一方の単位サイズによる整数倍の数に基づく値Mを加算した値ARである。
【0027】
例えば、単位サイズを24dotとした場合、画像の縦サイズに対応する値N、及び画像の横サイズに対応する値Mは、下記の式(1)により表される。
【0028】
N=(縦サイズ/24)-1, M=(横サイズ/24)-1 ・・・ (1)
【0029】
また、この場合のアスペクト比情報の値ARは、下記の式(2)により表される。
【0030】
AR=N×J+M ・・・ (2)
【0031】
ここで、値N及び値Mは、整数である。また、値Jは、1以上の整数であり、Nの最大値及びMの最大値以上の値である(Nの最大値及びMの最大値≦J)。
【0032】
具体的に、画像サイズが288dot×48dotである画像Aの場合、上述した式(1)を用いて、下記のように、値Nが“1”、及び値Mが“11”と算出される。
【0033】
N=(48/24)-1=2-1=1
M=(288/24)-1=12-1=11
【0034】
また、この場合、値Jを“15”とすると、アスペクト比情報の値ARは、上述した式(1)を用いて、下記のように、“26”と算出される。
【0035】
AR=1×15+11=15+11=26
【0036】
コマンド処理部141は、表示コマンドを受信した場合に、画像指定情報に基づいて指定された画像データを、アスペクト比情報に基づく画像サイズの画像データとして、画像記憶部131から取得する。すなわち、コマンド処理部141は、画像記憶部131から、画像指定情報である先頭アドレスから、アスペクト比情報(AR)から算出される画像サイズに応じた画像データを読み出して取得する。なお、コマンド処理部141が、アスペクト比情報(AR)から画像サイズを算出する処理の詳細については、後述する。
【0037】
また、コマンド処理部141は、取得した画像データを、表示部12の基準位置から過去に表示した画像のサイズ分を順次ずらした位置を表示開始位置として、表示部12に表示させる。コマンド処理部141は、例えば、表示部12の画面の左上(例えば、座標(0,0))を基準にして、表示した画像の分右にずらして画像の表示開始位置を決定する。なお、コマンド処理部141は、表示した画像の分右にずらした表示開始位置において、指定された画像の画像サイズが表示できない場合に、表示開始位置を改行し、過去に表示した画像の下の左端位置を表示開始位置として決定する。
【0038】
例えば、図2に示す例では、コマンド処理部141は、まず最初に、画像Aを表示する際に、画面G1の左上の基準位置P0(例えば、座標(0,0))を表示開始位置に決定する。この場合、コマンド処理部141は、表示開始位置P0の位置座標と、画像Aの画像サイズとを対応付けて、表示履歴として表示履歴記憶部132に記憶させる。
【0039】
次に、コマンド処理部141は、画像Bを表示する際に、画像Aを表示して右にずらした表示開始位置P1では、画像Bを表示できないため、改行を行い、表示開始位置を位置P2に決定する。ここで、コマンド処理部141は、表示履歴記憶部132が記憶する表示履歴に基づいて、表示開始位置を位置P2に決定する。
同様に、コマンド処理部141は、画像C及び画像Dを表示する際に、表示履歴記憶部132が記憶する表示履歴に基づいて、表示開始位置を位置P3及び位置P4に決定する。
【0040】
このように、コマンド処理部141は、表示履歴記憶部132が記憶する表示履歴に基づいて、上述した表示開始位置を決定する。
また、コマンド処理部141は、画像記憶部131から取得した画像データを、上述のように決定した表示開始位置から表示するように、表示制御部142に依頼する。
【0041】
表示制御部142は、表示部12への表示を制御する。表示制御部142は、例えば、コマンド処理部141からの依頼に基づいて、コマンド処理部141から供給された画像データを指定された表示開始位置から表示させる。
【0042】
次に、図5を参照して、上述したコマンド処理部141によるアスペクト比情報(AR)から画像サイズを算出する処理について説明する。
図5に示すテーブルは、上述した式(2)に基づいて、値N及び値Mにより算出されたアスペクト比情報(AR)の一覧を示している。コマンド処理部141は、表示コマンドに含まれるアスペクト比情報の値ARから、下記の式(3)により値N及び値Mを算出する。
【0043】
N=AR/J, M=AR%J ・・・ (3)
【0044】
ここで、“%”は、剰余演算を示す。また、除数値Jは、表示部12の横サイズ(360dot)に基づいて、下記の式(4)により算出される。
【0045】
J=横サイズ/単位サイズ=360/24=15 ・・・ (4)
【0046】
このように、除数値Jは、表示部12のサイズに基づいて定められている。
また、コマンド処理部141は、算出した値N及び値Mから下記の式(5)により、縦サイズ及び横サイズを算出する。
【0047】
縦サイズ=(N+1)×24,横サイズ=(M+1)×24 ・・・ (5)
【0048】
このように、コマンド処理部141は、値ARを除数値Jで除算した商の値であるNと、値ARを除数値Jにより剰余演算した剰余値であるMとに基づいて、画像データの縦サイズ及び横サイズを算出する。
【0049】
次に、図面を参照して、本実施形態による電子デバイス1の動作について説明する。
図6は、本実施形態による電子デバイス1の表示コマンドの処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
図6に示すように、電子デバイス1は、まず、コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。すなわち、電子デバイス1の制御部14は、無線通信部11がリーダライタ2からコマンドを受信したか否かを判定する。制御部14は、無線通信部11がコマンドを受信した場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS102に進める。また、制御部14は、無線通信部11がコマンドを受信していない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0051】
なお、ここでのコマンドを受信した場合とは、1回の電文受信、又はチェイニング(連鎖)による複数回の電文受信により、各コマンドの全電文データを受信しているものとする。
また、表示コマンドは、1回のコマンド処理において、複数の画像を指定して表示可能であり、表示コマンドの電文には、表示コマンドコードと、画像数と、各画像の情報(先頭アドレス及びアスペクト比情報)と、表示コマンド終了情報とが含まれるものとする。
【0052】
ステップS102において、制御部14のコマンド処理部141は、リーダライタ2から受信したコマンドが表示コマンドであるか否かを判定する。コマンド処理部141は、リーダライタ2から受信したコマンドが表示コマンドである場合(ステップS102:YES)に、処理をステップS103に進める。また、コマンド処理部141は、リーダライタ2から受信したコマンドが表示コマンドでない(表示コマンド以外のコマンドである)場合(ステップS102:NO)に、処理をステップS113に進める。
【0053】
ステップS103において、コマンド処理部141は、画像のカウント値nに“1”を設定する。
次に、コマンド処理部141は、アスペクト比情報(AR)に基づいて、画像サイズを算出する(ステップS104)。すなわち、コマンド処理部141は、表示コマンドに含まれるn番目の画像のアスペクト比情報(AR)から、上述した式(3)及び式(5)を用いて、画像の横サイズ及び縦サイズを算出する。
【0054】
次に、コマンド処理部141は、画像記憶部131の画像先頭アドレスから画像データを読み出す(ステップS105)。コマンド処理部141は、表示コマンドに含まれるn番目の画像指定情報を画像先頭アドレスとして、上述のステップS104において算出した画像サイズの画像データを画像記憶部131から読み出す。
【0055】
次に、コマンド処理部141は、表示履歴と画像データとから表示開始位置を決定する(ステップS106)。コマンド処理部141は、表示履歴記憶部132が記憶するこれまでに表示した画像の表示履歴と、画像記憶部131から読み出した画像データとから、上述した図2を用いて説明したように表示開始位置を決定する。
【0056】
次に、コマンド処理部141は、表示部12の表示開始位置から画像データを表示させる画面データを生成する(ステップS107)。コマンド処理部141は、上述した表示開始位置からn番目の画像データを表示するように、表示部12の画面データを生成する。
【0057】
次に、コマンド処理部141は、表示履歴を追加する(ステップS108)。すなわち、コマンド処理部141は、表示履歴記憶部132の表示履歴に、上述した図3に示すように、n番目の画像データの表示開始位置と画像サイズとを対応付けて記憶させて、表示履歴を追加する。
【0058】
次に、コマンド処理部141は、カウント値nに“1”を加算する(ステップS109)。すなわち、コマンド処理部141は、画像のカウント値nに(n+1)の値を設定する。
【0059】
次に、コマンド処理部141は、カウント値nが、表示コマンドに含まれる画像数より大きいか否かを判定する(ステップS110)。コマンド処理部141は、カウント値nが、画像数より大きい場合(ステップS110:YES)に、処理をステップS111に進める。また、コマンド処理部141は、カウント値nが、画像数以下である場合(ステップS110:NO)に、処理をステップS104に戻し、ステップS104からステップS110の処理を繰り返す。
【0060】
ステップS111において、コマンド処理部141は、生成した画面データを表示部12に表示する。すなわち、生成した画面データを表示部12に表示するように、表示制御部142に依頼し、表示制御部142が、表示部12に、表示コマンドで指定された画像データを含む表示画面を表示させる。これにより、表示部12には、表示コマンドで指定された画像データが表示される。
【0061】
次に、コマンド処理部141は、レスポンスを送信する(ステップS112)。コマンド処理部141は、コマンド処理の結果として、各種コマンド処理に応じたレスポンスを、無線通信部11を介してリーダライタ2に送信する。ステップS112の処理後に、制御部14は、処理をステップS101に戻す。
【0062】
また、ステップS113において、コマンド処理部141は、他のコマンド処理(表示コマンド以外のコマンド処理)を実行する。ステップS113の処理後に、コマンド処理部141は、処理をステップS112に進めて、他のコマンド処理の結果として、レスポンスを送信する。
【0063】
次に、図7を参照して、本実施形態における表示部12への表示処理について説明する。
図7は、本実施形態における表示部12への表示処理の一例を示す図である。図7では、上述した図2に示す画像A~画像Dを表示部12に表示する場合の一例について説明する。なお、ここでは、R(ACK)のブロック電文(アクノリッジ電文)を利用して、4回の電文に分割して表示コマンドを送信する例を説明する。
【0064】
図7に示すように、リーダライタ2は、まず、表示コマンドコード、画像数、画像Aの情報(画像Aの先頭アドレス及びアスペクト比情報)を含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS201)。例えば、ここでの先頭アドレスは、0x0000であり、アスペクト比情報の値ARは、0x1Aである。また、この例では、画像数は、“4”である。
次に、電子デバイス1は、ステップS201の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS202)。
【0065】
次に、リーダライタ2は、画像Bの情報(画像Bの先頭アドレス及びアスペクト比情報)を含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS203)。例えば、ここでの先頭アドレスは、0x1000であり、アスペクト比情報の値ARは、0x30である。
次に、電子デバイス1は、ステップS203の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS204)。
【0066】
次に、リーダライタ2は、画像Cの情報(画像Cの先頭アドレス及びアスペクト比情報)を含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS205)。例えば、ここでの先頭アドレスは、0x1800であり、アスペクト比情報の値ARは、0x30である。
次に、電子デバイス1は、ステップS205の電文に対するR(ACK)をリーダライタ2に送信する(ステップS206)。
【0067】
次に、リーダライタ2は、画像Dの情報(画像Dの先頭アドレス及びアスペクト比情報)と、表示コマンド終了情報とを含む表示コマンドの分割電文を、電子デバイス1に送信する(ステップS207)。例えば、ここでの先頭アドレスは、0x2000であり、アスペクト比情報の値ARは、0x60である。
【0068】
次に、電子デバイス1は、表示コマンドに応じて、画像A~画像Dを表示部12に表示させる(ステップS208)。電子デバイス1は、図2に示すように、表示部12の表示開始位置P0から画像Aを表示させ、表示部12の表示開始位置P2から画像Bを表示させる。また、電子デバイス1は、図2に示すように、表示部12の表示開始位置P3から画像Cを表示させ、表示部12の表示開始位置P4から画像Dを表示させる。
次に、電子デバイス1は、表示コマンドに対するレスポンスをリーダライタ2に送信する(ステップS209)。
【0069】
このように、電子デバイス1は、画像A~画像Dの先頭アドレス及びアスペクト比情報を含む表示コマンドに応じて、表示開始位置を位置P0→位置P2→位置P3→位置P4と移動させて、画像記憶部131が記憶する画像A~画像Dを表示する。
【0070】
なお、電子デバイス1は、上述した表示コマンドの他に、表示開始位置を強制的に改行させる改行コマンドや、表示部12の表示を消去して、表示開始位置を基準位置座標に戻す表示クリアコマンドなどの表示開始位置を変更するコマンド処理(開始位置変更要求の処理)を備えるようにしてもよい。すなわち、コマンド処理部141は、無線通信部11が無線通信によりリーダライタ2から受信したこれらのコマンド(開始位置変更要求)に応じて、表示開始位置を変更するようにしてもよい。また、コマンド処理部141は、表示クリアコマンドに応じて、表示履歴記憶部132が記憶する表示履歴を消去する。
【0071】
また、上述した例では、表示コマンドを4分割して電子デバイス1に送信する例を説明したが、表示コマンドの電文長が最大送信データ長以内であれば、分割を行わずに1回の電文で電子デバイス1に送信するようにしてもよい。また、上述した例では、画像数は、“4”として表示コマンドで4つの画像の情報を送信する例を説明したが、画像数を“1”として、4回の表示コマンドの処理に分割して処理するようにしてもよい。
【0072】
以上説明したように、本実施形態による電子デバイス1は、表示部12と、画像記憶部131と、無線通信部11と、コマンド処理部141(処理部)とを備える。表示部12は、不揮発なメモリ性を有する表示を行う。画像記憶部131は、所定の単位サイズ(例えば、24dot)の整数倍の画像サイズを有し、表示部12に表示可能な画像データを予め記憶する。無線通信部11は、無線通信によってリーダライタ2(上位装置)との間で通信を行う。コマンド処理部141は、無線通信部11が無線通信によりリーダライタ2から受信した表示要求(例えば、表示コマンド)であって、画像指定情報(例えば、先頭アドレス)と、画像データの縦横のサイズ比を示すアスペクト比情報(縦横比情報)とを含む表示要求(例えば、表示コマンド)に応じて、画像指定情報に基づいて指定された画像データを、縦横比情報に基づく画像サイズの画像データとして、画像記憶部131から取得する。ここで、画像指定情報は、画像記憶部131が記憶する画像データを指定する情報であり、アスペクト比情報(縦横比情報)は、所定の単位サイズ(例えば、24dot)の整数倍の数に基づいて表した情報である。そして、コマンド処理部141は、取得した画像データを、表示部12の基準位置から過去に表示した画像のサイズ分を順次ずらした位置(例えば、図2の位置P0→位置P2→位置P3→位置P4)を表示開始位置として、表示部12に表示させる。
【0073】
これにより、本実施形態による電子デバイス1は、表示部12に表示させる際に画像指定情報(例えば、先頭アドレス)及びアスペクト比情報(縦横比情報)を必要とし、他の情報を必要としないため、表示部12に表示させる際にリーダライタ2から送信する情報量を低減することができる。
【0074】
例えば、従来技術の電子デバイスでは、表示部12に画像を表示させるために、リーダライタ2から、例えば、以下の(a)~(f)の情報を送信する必要がある。
(a)画像が保存されている記憶部のアドレス、:2バイト
(b)画像データのデータサイズ:2バイト
(c)画像の横サイズ:2バイト
(d)画像の縦サイズ:2バイト
(e)画像データを表示する表示開始位置のX座標:2バイト
(f)画像データを表示する表示開始位置のY座標:2バイト
この場合、表示部12に画像を表示させるために必要な情報量は、12バイトである。
【0075】
これに対して、本実施形態による電子デバイス1では、画像指定情報が画像が記憶されている先頭アドレス(2バイト)と、アスペクト比情報(1バイト)とである。このことから、本実施形態による電子デバイス1では、上述した(b)~(f)の情報が不要になり、代わりにアスペクト比情報(1バイト)が追加になるため、表示部12に画像を表示させるために必要な情報量は、3バイトである。すなわち、本実施形態による電子デバイス1では、従来技術の12バイトから3バイトに必要な情報量を低減(9バイト低減)することができ、表示部12に表示させる際にリーダライタ2から送信する情報量を低減することができる。
【0076】
また、本実施形態では、アスペクト比情報は、画像データの縦サイズ及び横サイズのうちの一方の単位サイズ(例えば、24dot)の整数倍の数に基づく値Nを所定の除数値Jで乗算し、縦サイズ及び横サイズのうちのもう一方の単位サイズ(例えば、24dot)の整数倍の数に基づく値Mを加算した値ARである(但し、除数値Jは、1以上の整数であり、Nの最大値及びMの最大値≦J)。すなわち、アスペクト比情報は、上述した式(2)により算出される。また、コマンド処理部141は、値ARを除数値Jで除算した商の値であるNと、値ARを除数値Jにより剰余演算した剰余値であるMとに基づいて、画像データの縦サイズ及び横サイズを算出する。
【0077】
これにより、本実施形態による電子デバイス1では、単位サイズ(例えば、24dot)により縦サイズ及び横サイズを圧縮し、さらに、縦サイズ及び横サイズを縦横ヒとして1つの情報にまとめることで、縦サイズ及び横サイズを示す情報量を簡易な手法により低減することができる。
【0078】
また、本実施形態では、上述した除数値Jは、表示部12のサイズに基づいて定められている。例えば、除数値Jは、上述した式(4)により横サイズ(例えば、縦サイズ及び横サイズのうちの大きい方のサイズ)に基づいて定められている。
これにより、本実施形態による電子デバイス1では、縦サイズ及び横サイズをアスペクト比情報(AR)によりさらに効率よく表現することができる。
【0079】
また、本実施形態では、コマンド処理部141は、無線通信部11が無線通信によりリーダライタ2から受信した開始位置変更要求(例えば、上述した改行コマンドや表示クリアコマンドなど)に応じて、表示開始位置を変更する。
これにより、本実施形態による電子デバイス1では、適切に表示開始位置を変更することができるため、表示部12に表示する自由度を高めることができる。
【0080】
また、本実施形態による表示方法は、上述した電子デバイス1の表示方法であって、受信ステップと、処理ステップとを含む。受信ステップにおいて、無線通信部11が、画像記憶部131が記憶する画像データを指定する画像指定情報と、所定の単位サイズの整数倍の数に基づいて表した画像データの縦横のサイズ比を示すアスペクト比情報とを含む表示コマンドを、無線通信によりリーダライタ2から受信する。処理ステップにおいて、コマンド処理部141が、受信ステップによって受信した表示コマンドに応じて、画像指定情報に基づいて指定された画像データを、アスペクト比情報に基づく画像サイズの画像データとして、画像記憶部131から取得し、取得した画像データを、表示部12の基準位置から過去に表示した画像のサイズ分を順次ずらした位置を表示開始位置として、表示部12に表示させる。
これにより、本実施形態による表示方法は、上述した電子デバイス1と同様の効果を奏し、表示部12に表示させる際にリーダライタ2から送信する情報量を低減することができる。
【0081】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態として、上述した電子デバイス1を使用した生産管理システム100について説明する。
【0082】
図8は、本実施形態による生産管理システム100の一例を示すブロック図である。
図8に示すように、生産管理システム100は、電子デバイス1と、複数のリーダライタ2(2-1、2-2、2-3、・・・)と、管理装置3とを備える。
【0083】
電子デバイス1は、上述した第1の実施形態で説明した構成と同一であるため、ここではその説明を省略する。電子デバイス1は、例えば、生産管理システム100によって管理される各種製品のロット情報や製品コード、仕掛数、良品/不良品の数などを含む管理票や工程票などを表示部12に表示するIFIDタグであり、各種製品や部品などを運ぶ通函4に備え付けられている。電子デバイス1は、例えば、生産管理のためのバーコードやQRコード(登録商標)などの2次元コードを表示部12に表示するようにしてもよい。
通函4は、例えば、製品を入れて生産現場の各生産工程(例えば、生産工程PS1~生産工程PS3)を移動させる通い函である。
【0084】
なお、図8に示す例では、説明の都合上、1組の電子デバイス1と通函4とを記載しているが、生産管理システム100は、複数組の電子デバイス1と通函4とを管理するようにしてもよい。
リーダライタ2(上位装置の一例)は、上述した第1の実施形態で説明した構成と同一であるため、ここではその説明を省略する。なお、リーダライタ2-1、リーダライタ2-2、リーダライタ2-3、・・・のそれぞれは、同一の構成であり、生産管理システム100が備える任意のリーダライタを示す場合、又は特に区別しない場合には、リーダライタ2として説明する。
【0085】
リーダライタ2は、生産工程(工程の一例)ごとに配置され、電子デバイス1が生産工程を通過する際に、表示コマンドを送信して、表示部12の表示を生産工程に応じて変更させる。ここで、図8に示す例では、リーダライタ2-1は、生産工程PS1に配置され、リーダライタ2-2は、生産工程PS2に配置されている。また、リーダライタ2-3は、生産工程PS3に配置されている。
生産工程PS1~生産工程PS3は、例えば、製品の製造、検査、保管、出荷などの工程である。
【0086】
管理装置3は、複数のリーダライタ2を制御して、生産管理システム100の全体を管理する。管理装置3は、各生産工程の内容、結果、等に応じて、リーダライタ2を介して電子デバイス1の表示部12を変更するともに、電子デバイス1が付与された通函4に入れられた、例えば、製品、部品などを管理する。
【0087】
以上説明したように、本実施形態による生産管理システム100(管理システムの一例)は、上述した電子デバイス1と、複数のリーダライタ2(リーダライタ装置)とを備える。リーダライタ2は、工程ごとに配置され、電子デバイス1が工程を通過する際に、表示コマンド(表示要求)を送信して、表示部12の表示を工程に応じて変更させる上位装置である。
これにより、本実施形態による生産管理システム100では、電子デバイス1が、表示部12に表示させる際にリーダライタ2から送信する情報量を低減することができるため、効率よく工程を管理することができる。
【0088】
例えば、生産工程にある大量の電子デバイス1の表示を変更する場合には、通信トラフィックの占有率や通信コスト、管理の面などから、リーダライタ2から各電子デバイス1に送信する情報量を極力少なく抑える必要がある。本実施形態による生産管理システム100では、このよな場合であっても、リーダライタ2から送信する情報量を低減することができるため効率よく工程を管理することができる。
【0089】
また、例えば、生産現場が、クリーンルームなどの場合、塵埃が発生するため通常の紙での管理票や工程票を使用することができない場合がある。これに対して、本実施形態による生産管理システム100では、紙の管理票や工程票の代わりに、電子デバイス1を用いることで、塵埃の発生を抑えるとともに、紙による印刷及び管理の手間を省くことができ、効率よく工程を管理することができる。
【0090】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、電子デバイス1は、一例として、RFIDタグやコンタクトレスICカード、エッジデバイスなどである例を説明したが、これに限定されるものではなく、無線通信利用してIoT(Internet of Things)ネットワークに接続されるIoT機器などの他の電子機器であってもよい。
【0091】
また、上記の各実施形態において、電子デバイス1が、無線通信の一例として、NFCを利用する例を説明したが、これに限定されるものではない。電子デバイス1は、NFCの代わりに、例えば、Bluetooth(登録商標)、LPWA(Low Power Wide Area)などの特定小電力の無線通信、無線LAN(Local Area Network)などの他の無線通信を用いるようにしてもよい。
【0092】
また、上記の各実施形態において、単位サイズが24dotである例を説明したが、これに限定されるものではなく、他のサイズ(他のdot数)であってもよい。単位サイズは、N、M、及びARの値が適切なサイズに収まるように、設定されてもよい。
また、単位サイズは、表示部12の縦サイズと、横サイズとで異なる値を設定してもよい。例えば、縦サイズの単位サイズを16dotとし、横サイズの単位サイズを24dotとしてもよい。また、単位サイズは、8の倍数でなくてもよい。
【0093】
また、上記の各実施形態において、除数値Jが“15”である場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、“16”などの2のn乗の数値であってもよい。例えば、除数値Jを“16”にした場合には、式(3)によるアスペクト比情報の値ARの商及び剰余値の算出が、値ARの上位4ビット及び下位4ビットの分離により得ることができ、コマンド処理部141は、処理を簡略化することができる。
また、式(4)を用いて、表示部12のサイズに基づいて、除数値Jを“15”に決定する例を説明したが、除数値Jは、Nの最大値及びMの最大値よりも大きい値であってもよい。
【0094】
また、上記の各実施形態において、値N、及び値Mは、“0”(ゼロ)を含む値とする例を説明したが、“0”を含まずに、“1”以上の整数値としてもよい。この場合、式(1)において、“1”を減算する必要がなくなるとともに、式(5)において、“1”を加算する必要がなくなる。
【0095】
また、上記の各実施形態において、画像指定情報の一例として、画像先頭アドレスを使用する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、画像データに割り当てられた画像ID(画像識別子)や画像名、画像のファイル名などを用いてもよい。
【0096】
また、上記の第2の実施形態において、管理システムの一例として、生産管理システム100である例を説明したが、これに限定されるものではない。本発明の管理システムは、例えば、在庫管理システムや物流管理システムなどの他の管理システムに適当してもよい。
【0097】
なお、上述した生産管理システム100が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した生産管理システム100が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した生産管理システム100が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0098】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に生産管理システム100が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0099】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1 電子デバイス
2、2-1、2-2、2-3 リーダライタ
3 管理装置
4 通函
11 無線通信部
12 表示部
13 記憶部
14 制御部
100 生産管理システム
131 画像記憶部
132 表示履歴記憶部
141 コマンド処理部
142 表示制御部
PS1、PS2、PS3 生産工程
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8