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特許7415371細胞培養撮像装置および細胞培養撮像方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】細胞培養撮像装置および細胞培養撮像方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/34 20060101AFI20240110BHJP
   C12M 3/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
C12M1/34 A
C12M3/00 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019153402
(22)【出願日】2019-08-26
(65)【公開番号】P2021029176
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-06-10
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、[再生医療の産業化に向けた評価基盤技術開発事業]「再生医療の産業化に向けた細胞製造・加工システムの開発/ヒト多能性幹細胞由来の再生医療製品製造システムの開発(心筋・神経・網膜色素上皮・肝細胞)」委託研究開発、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100202728
【弁理士】
【氏名又は名称】三森 智裕
(72)【発明者】
【氏名】大久保 智樹
【審査官】西 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-520307(JP,A)
【文献】特開2017-023049(JP,A)
【文献】特開2019-128547(JP,A)
【文献】特開2009-201368(JP,A)
【文献】特開2016-131500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M 1/00-3/10
C12Q 1/00-3/00
C12N 1/00-7/08
G01N 33/48-33/98
G01N 35/00-37/00
G02B 19/00-21/36
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細胞が培養される凹状の複数のウェルが設けられる主面を有する板状の細胞培養部と、
前記ウェルにおいて培養された細胞を撮像する撮像部と、
前記複数のウェルを覆うように前記主面に配置される蓋部と、
前記細胞培養部と、前記撮像部とを、前記主面に沿った方向に、相対的に移動させる移動部と、を備え、
前記細胞培養部は、前記主面が鉛直方向に沿うように配置されており、
前記凹状のウェルは、前記細胞培養部の前記主面が鉛直方向に沿うように前記細胞培養部が配置された状態で、鉛直下方向側に窪むように設けられており、
前記撮像部は、前記主面が鉛直方向に沿うように配置された状態で、前記移動部によって相対的に移動されている状態の前記細胞培養部の前記ウェルにおいて培養された細胞の状態を、前記主面に対して交差する直交方向から撮像するように構成されている、細胞培養撮像装置。
【請求項2】
前記凹状のウェルは、略円柱形状を有し、
前記凹状のウェルは、前記細胞培養部の主面が鉛直方向に沿うように前記細胞培養部が配置された状態で、前記略円柱形状の凹部の湾曲した面が鉛直下方向側に窪むように設けられており、
前記撮像部は、前記略円柱形状の凹部の湾曲した面に配置された細胞の状態を、前記直交方向から撮像するように構成されている、請求項1に記載の細胞培養撮像装置。
【請求項3】
前記撮像部は、前記蓋部が前記主面に押圧された状態で、前記ウェルにおいて培養された細胞の状態を、前記直交方向から撮像するように構成されている、請求項1または2に記載の細胞培養撮像装置。
【請求項4】
前記主面に前記蓋部が配置された状態で、前記細胞培養部と前記蓋部とを挟み込むように設けられ、前記細胞培養部を支持する支持部をさらに備え、
前記撮像部は、前記支持部により支持された状態の前記細胞培養部の前記ウェルにおいて培養された細胞の状態を、前記直交方向から撮像するように構成されている、請求項3に記載の細胞培養撮像装置。
【請求項5】
前記支持部は、前記細胞培養部および前記蓋部を覆う略板形状を有する、請求項4に記載の細胞培養撮像装置。
【請求項6】
前記複数のウェルは、マトリクス状に配置されており、
前記撮像部は、前記移動部によって相対的に移動されている状態の前記細胞培養部の、前記マトリクス状に配置された前記複数のウェルにおいて培養された細胞を、走査しながら、前記直交方向から撮像するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の細胞培養撮像装置。
【請求項7】
前記撮像部は、前記撮像部による1回の走査に要する時間よりも長い所定の時間間隔毎に、前記ウェルにおいて培養された細胞を、前記直交方向から撮像するように構成されている、請求項に記載の細胞培養撮像装置。
【請求項8】
前記撮像部は、1つの前記ウェル毎に撮像するモードと、複数の前記ウェル毎に撮像するモードとを切り替えて撮像可能に構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の細胞培養撮像装置。
【請求項9】
前記細胞培養部および前記撮像部は、恒温槽の内部に収容されている、請求項1~のいずれか1項に記載の細胞培養撮像装置。
【請求項10】
前記細胞培養部および前記蓋部は、互いに透明の部材により構成されている、請求項1~のいずれか1項に記載の細胞培養撮像装置。
【請求項11】
前記細胞培養部は、前記ウェルに培養液を流入させる入口と前記ウェルからの培養液を流出させる出口と、を有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の細胞培養撮像装置。
【請求項12】
前記ウェルの内壁は、前記細胞に対して非接着性のポリマによりコーティングされている、請求項1~11のいずれか1項に記載の細胞培養撮像装置。
【請求項13】
凹状の複数のウェルが設けられる主面を有し、前記複数のウェルを覆うように前記主面に蓋部が配置される板状の細胞培養部において、前記凹状のウェルが鉛直下方向側に窪むように設けられるように、前記主面が鉛直方向に沿うように配置された状態で、細胞を培養するステップと、
前記主面が鉛直方向に沿うように配置された状態で、前記細胞培養部と、前記ウェルにおいて培養された細胞を撮像する撮像部とを相対的に移動されている状態の前記細胞培養部の前記ウェルにおいて培養された細胞の状態を、前記主面に対して交差する直交方向から撮像するステップとを備える、細胞培養撮像方法。
【請求項14】
細胞が培養される凹状の複数のウェルが設けられる主面を有する板状の細胞培養部と、
前記ウェルにおいて培養された細胞を撮像する撮像部と、
前記複数のウェルを覆うように前記主面に配置される蓋部と、を備え、
前記細胞培養部は、前記主面が鉛直方向に沿うように配置されており、
前記凹状のウェルは、略円柱形状を有し、
前記凹状のウェルは、前記細胞培養部の前記主面が鉛直方向に沿うように前記細胞培養部が配置された状態で、前記略円柱形状の凹部の湾曲した面が鉛直下方向側に窪むように設けられており、
前記撮像部は、前記主面が鉛直方向に沿うように配置された状態で、前記ウェルにおいて培養された細胞の状態を、前記主面に対して交差する直交方向から撮像するように構成されている、細胞培養撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞培養撮像装置および細胞培養撮像方法に関し、特に、ウェルにおいて培養された細胞を撮像する細胞培養撮像装置および細胞培養撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェルにおいて細胞を培養する細胞培養装置が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0003】
上記非特許文献1には、複数のウェル(マイクロウェル)が形成された基板層と、基板層を覆うように設けられる最上層とを備えるマイクロ流体チップ(細胞培養装置)が開示されている。このマイクロ流体チップでは、基板層と最上層とは、互いに離間した状態で、かつ、水平方向に沿うように配置されている。基板層と最上層との間に隙間が、細胞懸濁液が流れる流路を構成する。また、基板層において、マイクロウェルは、鉛直下方に窪むように形成されている。そして、流路を流れる細胞懸濁液に含まれる細胞の一部は、一のマイクロウェルに沈下する。一のマイクロウェルに沈下しない残りの細胞は、下流側の他のマイクロウェルに沈下する。
【0004】
また、上記非特許文献1では、基板層と最上層とは、PDMS(Polydimethylsiloxane)により構成されている。PDMSは、透明であるとともに、生体(細胞)と略相互作用しない特性を有する。
【0005】
また、上記非特許文献1には明記されていないが、一般的に、マイクロウェルにおいて培養された細胞を観察(撮像)する際には、たとえば、マイクロウェルの鉛直下方から顕微鏡によって撮像される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Yu-Chih Chen,Xia Lou,Zhixiong Zhang, Patrick Ingram & Euisik Yoon “High-Throughput Cancer Cell Sphere Formation for Characterizing the Efficacy of Photo Dynamic Therapy in 3D Cell Cultures” Scientific Reports,2015,5,12175.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記非特許文献1に記載されているような従来のマイクロウェルにおいて培養された細胞に対して、マイクロウェルの鉛直下方から顕微鏡によって撮像した場合、マイクロウェルの下方に配置された細胞(細胞のスフェロイド)の下方の状態が撮像可能である。つまり、顕微鏡によって細胞の水平方向の成長を撮像することは可能である。しかしながら、細胞を下方から撮像した場合、重力がかかる方向に沿った方向(鉛直方向)に対して、細胞がどのように成長するのかを撮像することができないという問題点がある。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、鉛直方向に対して、細胞がどのように成長するのかを撮像することが可能な細胞培養撮像装置および細胞培養撮像方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における細胞培養撮像装置は、細胞が培養される凹状の複数のウェルが設けられる主面を有する板状の細胞培養部と、ウェルにおいて培養された細胞を撮像する撮像部と、複数のウェルを覆うように主面に配置される蓋部と、細胞培養部と、撮像部とを、主面に沿った方向に、相対的に移動させる移動部と、を備え、細胞培養部は、主面が鉛直方向に沿うように配置されており、凹状のウェルは、細胞培養部の主面が鉛直方向に沿うように細胞培養部が配置された状態で、鉛直下方向側に窪むように設けられており、撮像部は、主面が鉛直方向に沿うように配置された状態で、移動部によって相対的に移動されている状態の細胞培養部のウェルにおいて培養された細胞の状態を、主面に対して交差する直交方向から撮像するように構成されている。
【0010】
この発明の第2の局面における細胞培養撮像方法は、凹状の複数のウェルが設けられる主面を有し、複数のウェルを覆うように主面に蓋部が配置される板状の細胞培養部において、凹状のウェルが鉛直下方向側に窪むように設けられるように、主面が鉛直方向に沿うように配置された状態で、細胞を培養するステップと、主面が鉛直方向に沿うように配置された状態で、細胞培養部と、ウェルにおいて培養された細胞を撮像する撮像部とを相対的に移動されている状態の細胞培養部のウェルにおいて培養された細胞の状態を、主面に対して交差する直交方向から撮像するステップとを備える。また、この発明の第3の局面における細胞培養撮像装置は、細胞が培養される凹状の複数のウェルが設けられる主面を有する板状の細胞培養部と、ウェルにおいて培養された細胞を撮像する撮像部と、複数のウェルを覆うように主面に配置される蓋部と、を備え、細胞培養部は、主面が鉛直方向に沿うように配置されており、凹状のウェルは、略円柱形状を有し、凹状のウェルは、細胞培養部の主面が鉛直方向に沿うように細胞培養部が配置された状態で、略円柱形状の凹部の湾曲した面が鉛直下方向側に窪むように設けられており、撮像部は、主面が鉛直方向に沿うように配置された状態で、ウェルにおいて培養された細胞の状態を、主面に対して交差する直交方向から撮像するように構成されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、上記のように、撮像部は、主面が鉛直方向に沿うように配置されている細胞培養部の、ウェルにおいて培養された細胞の状態を、主面に対して交差する直交方向から撮像するように構成されている。これにより、重力がかかる方向に沿った方向(鉛直方向)に対して交差する直交方向から細胞が撮像されるので、鉛直方向に対して、細胞がどのように成長するのかを撮像することができる。たとえば、複数の細胞が増殖して、細胞の集塊が上方向に成長していく状態などが撮像できる。また、細胞の集塊において、死滅した細胞は、集塊の外側に移動される。この様子を、下方から撮像した場合には、死滅した細胞が集塊の外周部に移動されている状態が撮像される。一方、主面に対して交差する直交方向から撮像することによって、死滅した細胞が細胞の集塊の外周側でかつ下方側に移動されることが観察できる。なお、「主面に対して交差する直交方向」とは、主面に対して90度の角度で交差する方向と、主面に対して90度近傍の角度で交差する方向とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態による細胞培養装置の構成を示した図である。
図2】一実施形態による細胞培養部の平面図である。
図3図2の200-200線に沿った断面図である。
図4】細胞培養部を示す斜視図(部分拡大図)である。
図5】支持部に支持された状態の細胞培養部を示す側面図である。
図6】支持部に支持された状態の細胞培養部を示す平面図である。
図7】一実施形態による細胞培養撮像方法を示したフロー図である。
図8】成長した細胞を示す図(側面図)である。
図9】成長した細胞を示す図(底面図)である。
図10】変形例による細胞培養部の構成を示した斜視図である。
図11】変形例による細胞培養部の構成を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「略」とは、その形状(その方向)自身と、おおよそ、その形状(その方向)となることとを含む概念である。
【0014】
(細胞培養撮像装置の構成)
図1図9を参照して、本実施形態による細胞培養撮像装置100の構成について説明する。なお、本願明細書では、「鉛直方向」とは、重力がかかる方向に沿った方向(Z方向)を意味する。また、互いに直交する水平面に沿った方向を、X方向およびY方向とする。
【0015】
図1に示すように、細胞培養撮像装置100は、細胞1を培養するための細胞培養部10を備える。細胞培養部10は、略板形状(略矩形形状)を有している。また、細胞培養部10は、後述する主面11が鉛直方向(Z方向)に沿うように配置されている。
【0016】
図2および図3に示すように、細胞培養部10は、細胞1が培養される凹状の複数のウェル12が設けられる主面11を有する板状である。また、複数のウェル12は、主面11においてマトリクス状に配置されている。互いに隣り合うウェル12の中心同士の間の距離(ピッチ)は、たとえば700μmである。また、複数のウェル12同士は、流路13によって接続されている。また、流路13の一方端側には、培養液の入口14が設けられている。また、流路13の他方端側には、培養液の出口15が設けられている。これにより、流路13に培養液を流しながら、ウェル12において細胞1を培養することが可能になる。
【0017】
また、図4に示すように、ウェル12は、略円柱形状を有している。そして、ウェル12は、Y方向から見て、略円形形状を有する。たとえば、Y方向から見て、ウェル12の直径は、400μmである。なお、ウェル12は、約100μm~約1000μmの範囲内の大きさとなり得る。そして、細胞培養部10の主面11が、主面11が鉛直方向に沿うように細胞培養部10が配置された状態で、略円柱形状の凹部の湾曲した面12aが鉛直下方向側に窪むように設けられている。これにより、下方向側に位置している面12a上に、細胞1同士が集まり、1つの集塊(スフェロイド)が形成される。また、ウェル12の内壁は、細胞1に対して非接着性のポリマによりコーティングされている。また、凹状のウェル12は、細胞培養部10の主面11が鉛直方向に沿うように細胞培養部10が配置された状態で、鉛直下方向側に窪むように設けられている。
【0018】
また、図1に示すように、細胞培養撮像装置100は、撮像部20を備えている。撮像部20は、ウェル12において培養された細胞1を撮像(拡大して撮像)するように構成されている。また、撮像部20は、対物レンズ部21と、鏡筒部22と、撮像カメラ部23と、光源部24とを含む。すなわち、撮像部20は、顕微鏡から構成されている。
【0019】
ここで、本実施形態では、撮像部20は、ウェル12において培養された細胞1の状態を、主面11に対して交差する直交方向(本実施形態では、Y方向)から撮像するように構成されている。具体的には、対物レンズ部21および鏡筒部22は、Y方向に沿うように配置されている。また、対物レンズ部21および鏡筒部22は、細胞培養部10に対してY1方向側に配置されている。また、光源部24は、光軸がY方向に沿うように配置されている。また、光源部24は、細胞培養部10に対してY2方向側に、かつ、対物レンズ部21に対向するように配置されている。また、光源部24は、たとえば、LED光源からなる。撮像カメラ部23は、対物レンズ部21によって拡大された細胞1の像を、Y1方向側から撮像するように構成されている。なお、「主面11に対して交差する直交方向」とは、主面11に対して90度の角度で交差する方向と、主面11に対して90度近傍の角度で交差する方向とを含む。
【0020】
また、本実施形態では、撮像部20は、略円柱形状の凹部の湾曲した面12aに配置された細胞1の状態を、Y方向から撮像するように構成されている。すなわち、ウェル12(略円柱形状の凹部)の湾曲した面12aに細胞1(スフェロイド)が配置される。細胞1(スフェロイド)は、時間とともに、水平方向および鉛直方向に成長する。撮像部20は、水平方向(主としてX方向)に広がるように成長する細胞1(スフェロイド)、および、鉛直方向に広がるように成長する細胞1(スフェロイド)を撮像することが可能である。
【0021】
また、本実施形態では、図1に示すように、細胞培養撮像装置100は、蓋部30を備えている。蓋部30は、複数のウェル12を覆うように主面11に配置されている。また、蓋部30は、主面11に押圧された状態で(密着するように)配置されている。そして、撮像部20は、蓋部30が主面11に押圧された状態で、ウェル12において培養された細胞1の状態を、Y方向から撮像するように構成されている。また、蓋部30は、略板形状(略矩形形状)を有している。また、1つの蓋部30によって、複数のウェル12の全てが覆われている。
【0022】
また、本実施形態では、図5および図6に示すように、細胞培養撮像装置100は、支持部40を備えている。支持部40は、主面11に蓋部30が配置された状態で、細胞培養部10と蓋部30とを挟み込むように設けられている。そして、支持部40は、細胞培養部10を支持するように構成されている。具体的には、支持部40は、細胞培養部10および蓋部30を覆う略板形状を有する。そして、支持部40の大きさ(X方向の幅W1およびZ方向の幅W2)は、細胞培養部10および蓋部30の大きさ(X方向の幅W11およびZ方向の幅W12)よりも大きい。
【0023】
また、支持部40は、一対設けられている。そして、一対の支持部40の一方が、細胞培養部10のY1方向側に配置され、一対の支持部40の他方が、蓋部30のY2方向側に配置されている。そして、一対の支持部40の間に、細胞培養部10と蓋部30とが挟み込まれた状態で、一対の支持部40がボルト41によって互いに固定される。これにより、蓋部30が細胞培養部10に押圧される。
【0024】
また、本実施形態では、細胞培養部10および蓋部30は、互いに透明の部材により構成されている。たとえば、細胞培養部10および蓋部30は、樹脂製(たとえばシリコンゴム製)である。また、支持部40も透明の部材により構成されている。たとえば、支持部40は、ポリカーボネイトにより構成されている。なお、「透明な部材」とは、Y1方向側(またはY2方向側)から細胞1を撮像する際に、ウェル12内に配置された細胞1が撮像部20によって撮像可能な程度に光が透過することが可能な部材を意味する。
【0025】
また、本実施形態では、図1に示すように、細胞培養撮像装置100は、移動部50を備えている。移動部50は、主面11が鉛直方向に沿うように配置されている細胞培養部10と、撮像部20とを、主面11に沿った方向に、相対的に移動させるように構成されている。具体的には、移動部50は、細胞培養部10をZ方向およびX方向に移動させる移動ステージから構成されている。たとえば、移動部50は、X-Yステージを90度傾けることにより構成されている。そして、撮像部20は、移動部50によって相対的に移動されている状態の細胞培養部10のウェル12において培養された細胞1の状態を、Y方向から撮像するように構成されている。なお、本実施形態では、撮像部20は静止しており、細胞培養部10が移動部50によって移動される。
【0026】
また、本実施形態では、撮像部20は、移動部50によって相対的に移動されている状態の細胞培養部10の、マトリクス状に配置された複数のウェル12において培養された細胞1を、走査しながら、Y方向から撮像するように構成されている。たとえば、細胞培養部10が、移動部50によって、撮像部20に対してY1方向に沿って移動した後、Z2方向に移動する。その後、再び、細胞培養部10が、撮像部20に対してY2方向に沿って移動される。このように、細胞培養部10が撮像部20に対してジグザグ状に(蛇行するように)移動されることにより、撮像部20が走査される。
【0027】
また、本実施形態では、撮像部20は、撮像部20による1回の走査に要する時間よりも長い所定の時間間隔毎に、ウェル12において培養された細胞1を、Y方向から撮像するように構成されている。たとえば、撮像部20は、マトリクス状に配置された複数のウェル12を走査することにより、ウェル12において培養された細胞1を撮像する。その後、一定の時間撮像を行わない。その後、撮像部20は、再び、マトリクス状に配置された複数のウェル12を走査することにより、ウェル12において培養された細胞1を撮像する。そして、上記の動作が繰り返し行われる。これにより、細胞1のタイムラプス画像が撮像される。なお、細胞1のタイムラプス画像の撮像が行われている最中には、細胞培養部10は、鉛直方向に沿うように配置された状態のままである。つまり、細胞1のタイムラプス画像が行われている最中には、細胞培養部10の姿勢は変化しない。
【0028】
また、本実施形態では、撮像部20は、1つのウェル12毎に撮像するモードと、複数のウェル12毎に撮像するモードとを切り替えて撮像可能に構成されている。具体的には、撮像部20が、1つのウェル12毎に撮像する場合には、対物レンズ部21が、ウェル12に対して比較的近い位置に配置される。また、撮像部20が、複数のウェル12毎に撮像する場合には、対物レンズ部21が、ウェル12に対して比較的遠い位置に配置される。このように、撮像部20は、ウェル12に対する対物レンズ部21の位置が切り替え可能に構成されている。
【0029】
また、本実施形態では、細胞培養部10および撮像部20は、恒温槽60の内部に収容されている。なお、移動部50も、恒温槽60の内部に収容されている。すなわち、細胞培養部10の周囲の温度が一定に保持された状態で、細胞1の撮像(タイムラスプ画像の撮像)が行われる。
【0030】
次に、図7を参照して、細胞培養撮像方法について説明する。
【0031】
図7に示すように、ステップ101において、細胞1が培養される。具体的には、凹状の複数のウェル12が設けられる主面11を有する板状の細胞培養部10において、凹状のウェル12が鉛直下方向側に窪むように設けられるように、主面11が鉛直方向に沿うように配置された状態で、細胞1が播種されるとともに培養される。また、流路13の入口14から培養液が流入されるとともに、出口15から培養液が流出される。培養液の流入および流出は、細胞1が培養されている間、連続的に行われる。
【0032】
次に、ステップ102において、ウェル12において培養された細胞1の状態が、主面11に対して交差する直交方向(本実施形態では、Y方向)から撮像(拡大して)撮像される。また、撮像部20によって走査されることにより、マトリクス状に配置された複数のウェル12において培養された細胞1が、1つのウェル12毎に(または、複数のウェル12毎に)撮像される。
【0033】
次に、ステップ103において、前回の細胞1の撮像(撮像部20による1回の走査の終了時)から、所定の時間が経過したか否かが判定される。ステップ103において、noの場合、所定の時間が経過するまで、ステップ103の判定が繰り返される。ステップ103において、yesの場合、ステップ102に戻って、撮像部20による細胞1の撮像が再び行われる。なお、ステップ102とステップ103との間において、細胞培養部10の姿勢は変化されない。つまり、細胞培養部10は、鉛直方向に沿うように配置された状態のままである。
【0034】
また、ステップ102とステップ103とは、細胞1の撮像(タイムラスプ画像の撮像)が終了されるまで繰り返される。なお、ステップ102とステップ103との動作が行われている間においても、細胞1の培養は、継続的に行われる。
【0035】
次に、撮像部20によって撮像される細胞1の状態について説明する。
【0036】
たとえば、図8に示すように、細胞培養撮像装置100では、複数の細胞1が増殖して、細胞1の集塊が上方向(Z1方向)に成長していく状態などが撮像できる。また、細胞1の集塊において、死滅した細胞1aは、集塊の外側に移動される。この様子を、下方から撮像した場合には、図9に示すように、死滅した細胞1aが集塊の外周部に移動されている状態が撮像される。一方、細胞培養撮像装置100のように、Y方向(横方向)から撮像することによって、死滅した細胞1aが細胞1の集塊の外周側でかつ下方側に移動されることが撮像できる。
【0037】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0038】
本実施形態では、上記のように、撮像部20は、主面11が鉛直方向に沿うように配置されている細胞培養部10の、ウェル12において培養された細胞1の状態を、主面11に対して交差する直交方向から撮像するように構成されている。これにより、重力がかかる方向に沿った方向(鉛直方向)に対して交差する直交方向から細胞1が撮像されるので、鉛直方向に対して、細胞1がどのように成長するのかを撮像することができる。
【0039】
また、本実施形態では、上記のように、凹状のウェル12は、略円柱形状を有する。そして、凹状のウェル12は、細胞培養部10の主面11が鉛直方向に沿うように細胞培養部10が配置された状態で、略円柱形状の凹部の湾曲した面12aが鉛直下方向側に窪むように設けられている。そして、撮像部20は、略円柱形状の凹部の湾曲した面12aに配置された細胞1の状態を、直交方向から撮像するように構成されている。これにより、略円柱形状の凹部の湾曲した面12aには、複数の細胞1が集まりやすくなるので、細胞1の集塊(スフェルイド)が生成されやすくなる。そこで、略円柱形状の凹部の湾曲した面12aに配置された細胞1の状態を撮像することによって、細胞1の集塊(スフェルイド)の状態を容易に撮像することができる。
【0040】
また、本実施形態では、上記のように、細胞培養撮像装置100は、複数のウェル12を覆うように主面11に配置される蓋部30をさらに備える。そして、撮像部20は、蓋部30が主面11に押圧された状態で、ウェル12において培養された細胞1の状態を、直交方向から撮像するように構成されている。これにより、ウェル12の開口部分が主面11によって押圧された状態で覆われるので、主面11が鉛直方向に沿うように細胞培養部10が配置された状態でも、ウェル12から細胞培養部10の外部に細胞1および培養液が流れ出す(漏れる)のを抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態では、上記のように、細胞培養撮像装置100は、主面11に蓋部30が配置された状態で、細胞培養部10と蓋部30とを挟み込むように設けられ、細胞培養部10を支持する支持部40をさらに備える。そして、撮像部20は、支持部40により支持された状態の細胞培養部10のウェル12において培養された細胞1の状態を、直交方向から撮像するように構成されている。これにより、細胞培養部10と蓋部30とが、比較的撓み変形しやすい部材(たとえば、シリコンゴムなど)により構成されている場合でも、支持部40によって細胞培養部10および蓋部30が支持されるので、細胞培養部10および蓋部30が撓み変形するのを抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態では、上記のように、支持部40は、細胞培養部10および蓋部30を覆う略板形状を有する。これにより、細胞培養部10および蓋部30が比較的柔らかな部材から構成されている場合でも、細胞培養部10および蓋部30が支持部40により覆われているので、細胞培養部10および蓋部30を容易に(変形させない状態で)、鉛直方向に沿うように配置することができる。また、細胞培養部10のウェル12と、ウェル12同士を接続する流路13とに対して蓋部30が確実に押圧されるので、ウェル12および流路13から培養液などが漏れるのを抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、上記のように、細胞培養撮像装置100は、主面11が鉛直方向に沿うように配置されている細胞培養部10と、撮像部20とを、主面11に沿った方向に、相対的に移動させる移動部50をさらに備える。そして、撮像部20は、移動部50によって相対的に移動されている状態の細胞培養部10のウェル12において培養された細胞1の状態を、直交方向から撮像するように構成されている。これにより、複数のウェル12が比較的広い範囲(撮像部20の視野よりも広い範囲)に配置されている場合でも、移動部50によって細胞培養部10が撮像部20に対して相対的に移動されるので、比較的広い範囲に配置された複数のウェル12において培養されている細胞1を撮像することができる。
【0044】
また、本実施形態では、上記のように、複数のウェル12は、マトリクス状に配置されており、撮像部20は、移動部50によって相対的に移動されている状態の細胞培養部10の、マトリクス状に配置された複数のウェル12において培養された細胞1を、走査しながら、直交方向から撮像するように構成されている。これにより、マトリクス状に配置されている複数のウェル12が撮像部20によって走査されるので、マトリクス状に配置されている複数のウェル12において培養されている細胞1を全て(漏れなく)撮像することができる。
【0045】
また、本実施形態では、上記のように、撮像部20は、撮像部20による1回の走査に要する時間よりも長い所定の時間間隔毎に、ウェル12において培養された細胞1を、直交方向から撮像するように構成されている。これにより、細胞1が一定時間毎に撮像されるタイムラスプ撮像を、容易に行うことができる。
【0046】
また、本実施形態では、上記のように、撮像部20は、1つのウェル12毎に撮像するモードと、複数のウェル12毎に撮像するモードとを切り替えて撮像可能に構成されている。これにより、細胞1を比較的高い解像度で撮像したい場合(個々の細胞1を観察したい場合)には、1つのウェル12毎に細胞1を撮像し、複数のウェル12において培養されている細胞1の状態を1つの画像において比較したい場合には、複数のウェル12毎に細胞1を撮像することができる。その結果、ユーザの目的に応じた画像を撮像することができる。
【0047】
また、本実施形態では、上記のように、細胞培養部10および撮像部20は、恒温槽60の内部に収容されている。これにより、恒温槽60の内部において比較的長い時間細胞1を培養しながら、細胞1の状態を撮像することができる。また、撮像毎に恒温槽60から細胞培養部10を取り出す必要がないので、細胞培養部10の移動に起因して細胞1に悪影響が及ぶのを抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、細胞培養部10および蓋部30は、互いに透明の部材により構成されている。これにより、細胞培養部10が蓋部30により覆われている状態で、細胞培養部10側および蓋部30側の一方側に光源部24配置し、他方側に撮像カメラ部23を配置した状態で、細胞1を明確に撮像することができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、細胞培養撮像方法は、凹状の複数のウェル12が設けられる主面11を有する板状の細胞培養部10において、凹状のウェル12が鉛直下方向側に窪むように設けられるように、主面11が鉛直方向に沿うように配置された状態で、細胞1を培養するステップ101と、ウェル12において培養された細胞1の状態を、主面11に対して交差する直交方向から拡大して撮像するステップ102とを備える。これにより、重力がかかる方向に沿った方向(鉛直方向)に対して交差する方向から細胞1が撮像されるので、鉛直方向に対して、細胞1がどのように成長するのかを撮像することが可能な細胞培養撮像方法を提供することができる。
【0050】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0051】
たとえば、上記実施形態では、細胞培養部10が略板形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。図10および図11に示す変形例による細胞培養部110のように、細胞培養部110が、柔軟性を有するとともに周状に巻回可能なマイクロアレイテープ110aから構成されていてもよい。具体的には、マイクロアレイテープ110aは、帯状に形成されている。また、マイクロアレイテープ110aには、複数のウェル112が設けられている。また、細胞1の培養時は、マイクロアレイテープ110aが巻回されている。
【0052】
変形例による細胞培養部110において、細胞1を撮像する際には、マイクロアレイテープ110aの巻回が少なくとも一部解除された状態(平坦にされた状態)で、巻回が解除された部分が撮像される。なお、撮像時は、巻回の中心軸Cが鉛直方向に沿うようにマイクロアレイテープ110aが配置される。また、マイクロアレイテープ110aの巻回が解除された状態でもウェル112から培養液および細胞1が漏れないように、マイクロアレイテープ110aのウェル112が形成される主面111の表面上には、シート状の蓋部130が設けられている。また、マイクロアレイテープ110aおよび蓋部130は、柔軟性を有するとともに透明の部材(シリコンゴムなど)から構成されている。
【0053】
また、上記実施形態では、ウェル12は、略円柱形状の凹部(Y方向から見て、円形形状)により構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、Y方向から見て、円形形状以外の形状(略U字形状など)の凹部により構成されたウェルに対しても本発明を適用することは可能である。
【0054】
また、上記実施形態では、細胞培養部10を支持する支持部40が設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、細胞培養部および蓋部が比較的硬質の部材(ガラスなど)から構成されていれば、(すなわち、細胞培養部および蓋部が撓み変形しなければ)、支持部を設けないようにすることも可能である。
【0055】
また、上記実施形態では、支持部40が、細胞培養部10および蓋部30を覆う略板形状を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、細胞培養部および蓋部が比較的硬質の部材(ガラスなど)から構成されていれば、支持部が額縁形状(つまり、細胞培養部および蓋部の中央部は覆わずに外縁を覆う形状)であってもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、細胞培養部10を撮像部20に対して相対的に移動させる移動部50が設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、撮像対象となるウェルの数が比較的少なく、撮像部の移動なしにウェルの全てを撮像可能であるのであれば、移動部を設ける必要がない。
【0057】
[態様]
上記した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0058】
(項目1)
細胞1が培養される凹状の複数のウェル(12、112)が設けられる主面(11、111)を有する板状の細胞培養部(10、110)と、
前記ウェル(12、112)において培養された細胞1を撮像する撮像部20とを備え、
前記細胞培養部(10、110)は、前記主面(11、111)が鉛直方向に沿うように配置されており、
前記凹状のウェル(12、112)は、前記細胞培養部(10、110)の前記主面(11、111)が鉛直方向に沿うように前記細胞培養部(10、110)が配置された状態で、鉛直下方向側に窪むように設けられており、
前記撮像部20は、前記ウェル(12、112)において培養された細胞1の状態を、前記主面(11、111)に対して交差する直交方向から撮像するように構成されている、細胞培養撮像装置100。
【0059】
(項目2)
前記凹状のウェル(12、112)は、略円柱形状を有し、
前記凹状のウェル(12、112)は、前記細胞培養部(10、110)の主面(11、111)が鉛直方向に沿うように前記細胞培養部(10、110)が配置された状態で、前記略円柱形状の凹部の湾曲した面が鉛直下方向側に窪むように設けられており、
前記撮像部20は、前記略円柱形状の凹部の湾曲した面に配置された細胞1の状態を、前記直交方向から撮像するように構成されている、項目1に記載の細胞培養撮像装置100。
【0060】
(項目3)
前記複数のウェル(12、112)を覆うように前記主面(11、111)に配置される蓋部30をさらに備え、
前記撮像部20は、前記蓋部30が前記主面(11、111)に押圧された状態で、前記ウェル(12、112)において培養された細胞1の状態を、前記直交方向から撮像するように構成されている、項目1または2に記載の細胞培養撮像装置100。
【0061】
(項目4)
前記主面(11、111)に前記蓋部30が配置された状態で、前記細胞培養部(10、110)と前記蓋部30とを挟み込むように設けられ、前記細胞培養部(10、110)を支持する支持部40をさらに備え、
前記撮像部20は、前記支持部40により支持された状態の前記細胞培養部(10、110)の前記ウェル(12、112)において培養された細胞1の状態を、前記直交方向から撮像するように構成されている、項目3に記載の細胞培養撮像装置100。
【0062】
(項目5)
前記支持部40は、前記細胞培養部(10、110)および前記蓋部30を覆う略板形状を有する、項目4に記載の細胞培養撮像装置100。
【0063】
(項目6)
前記主面(11、111)が鉛直方向に沿うように配置されている前記細胞培養部(10、110)と、前記撮像部20とを、前記主面(11、111)に沿った方向に、相対的に移動させる移動部50をさらに備え、
前記撮像部20は、前記移動部50によって相対的に移動されている状態の前記細胞培養部(10、110)の前記ウェル(12、112)において培養された細胞1の状態を、前記直交方向から撮像するように構成されている、項目1~5のいずれか1項に記載の細胞培養撮像装置100。
【0064】
(項目7)
前記複数のウェル(12、112)は、マトリクス状に配置されており、
前記撮像部20は、前記移動部50によって相対的に移動されている状態の前記細胞培養部(10、110)の、前記マトリクス状に配置された前記複数のウェル(12、112)において培養された細胞1を、走査しながら、前記直交方向から撮像するように構成されている、項目6に記載の細胞培養撮像装置100。
【0065】
(項目8)
前記撮像部20は、前記撮像部20による1回の走査に要する時間よりも長い所定の時間間隔毎に、前記ウェル(12、112)において培養された細胞1を、前記直交方向から撮像するように構成されている、項目7に記載の細胞培養撮像装置100。
【0066】
(項目9)
前記撮像部20は、1つの前記ウェル(12、112)毎に撮像するモードと、複数の前記ウェル(12、112)毎に撮像するモードとを切り替えて撮像可能に構成されている、項目1~8のいずれか1項に記載の細胞培養撮像装置100。
【0067】
(項目10)
前記細胞培養部(10、110)および前記撮像部20は、恒温槽60の内部に収容されている、項目1~9のいずれか1項に記載の細胞培養撮像装置100。
【0068】
(項目11)
前記複数のウェル(12、112)を覆うように前記主面(11、111)に配置される蓋部30をさらに備え、
前記細胞培養部(10、110)および前記蓋部30は、互いに透明の部材により構成されている、項目1~10のいずれか1項に記載の細胞培養撮像装置100。
【0069】
(項目12)
凹状の複数のウェル(12、112)が設けられる主面(11)を有する板状の細胞培養部(10、110)において、前記凹状のウェル(12、112)が鉛直下方向側に窪むように設けられるように、前記主面(11、111)が鉛直方向に沿うように配置された状態で、細胞1を培養するステップと、
前記ウェル(12、112)において培養された細胞1の状態を、前記主面(11、111)に対して交差する直交方向から撮像するステップとを備える、細胞培養撮像方法。
【符号の説明】
【0070】
1 細胞
10、110 細胞培養部
11、111 主面
12、112 ウェル
12a 面
20 撮像部
30、130 蓋部
40 支持部
50 移動部
60 恒温槽
100 細胞培養撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11