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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】記録材搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20240110BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240110BHJP
   B65H 7/06 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G03G15/00 480
G03G21/00 386
B65H7/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019160750
(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公開番号】P2021039246
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】本間 尚基
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-044022(JP,A)
【文献】特開2018-081269(JP,A)
【文献】特開2018-013593(JP,A)
【文献】特開2005-258104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00- 43/08
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材を搬送する記録材搬送装置であり、
記録材を搬送し、後続する装置である後続装置へ当該記録材を送り出す搬送手段と、
前記搬送手段による記録材の搬送が停止した場合に、停止され前記後続装置へ達している記録材の当該後続装置における搬送が開始されることにより前記記録材搬送装置にて生じる不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う通知手段と、
を備え
前記通知手段は、前記促す通知として、停止され前記後続装置へ達している記録材を切断することをユーザに促す通知を行う、
記録材搬送装置。
【請求項2】
前記通知手段は、記録材の搬送を停止した状態にある前記後続装置における記録材の搬送を開始する指示がユーザからあった場合に、記録材を切断することをユーザに促す前記通知を行う請求項に記載の記録材搬送装置。
【請求項3】
記録材を搬送する記録材搬送装置であり、
記録材を搬送し、後続する装置である後続装置へ当該記録材を送り出す搬送手段と、
前記搬送手段による記録材の搬送が停止した場合に、停止され前記後続装置へ達している記録材の当該後続装置における搬送が開始されることにより前記記録材搬送装置にて生じる不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う通知手段と、
を備え
前記通知手段は、前記促す通知として、前記記録材搬送装置と前記後続装置との接続部を確認することをユーザに促す通知を行う、
記録材搬送装置。
【請求項4】
前記通知手段は、記録材の搬送を停止した状態にある前記後続装置における記録材の搬送を開始する指示がユーザからあった場合に、前記接続部を確認することをユーザに促す前記通知を行う請求項に記載の記録材搬送装置。
【請求項5】
前記搬送手段による搬送が停止された状態の記録材が前記後続装置へ達しているか否かを判断する判断手段を更に備え、
前記通知手段は、停止された状態の前記記録材が前記後続装置へ達していると前記判断手段により判断された場合でも、前記接続部を確認することをユーザに促す前記通知を行う請求項に記載の記録材搬送装置。
【請求項6】
記録材を搬送し、後続する装置である後続装置へ当該記録材を送り出す搬送手段と、
前記搬送手段による記録材の搬送が停止した場合に、停止された記録材が前記後続装置へ達していることに起因して生じる不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う通知手段と、
を備え
前記通知手段は、前記搬送手段による記録材の搬送が停止され且つ当該搬送手段により前記後続装置に向けて送り出された記録材の送り量が予め定められた量を超えている場合に、前記不具合を低減させるための行動をユーザに促す前記通知を行う、
記録材搬送装置。
【請求項7】
記録材への画像の形成を行う画像形成手段と、記録材を搬送する記録材搬送装置とを備え、当該記録材搬送装置が請求項1乃至の何れかに記載された記録材搬送装置を含んで構成された画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動パージの実施が可能か否かを判断し、自動パージの実施が可能である場合、自動パージを実施するように用紙搬送部を制御する処理が開示されている。
特許文献2には、後処理装置にある用紙でジャムが発生した場合、ジャムに起因する用紙の停止位置を操作表示部の画面上に表示し、また、各装置の搬送経路で停止している他の用紙を自動パージ制御を実施できる位置まで搬送する処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-81269号公報
【文献】特開2018-150104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録材を搬送する搬送装置に続いて後続装置が設置され、この搬送装置から後続装置へ記録材が搬送されることがある。ここで、例えば、搬送装置と後続装置との間に記録材が跨って停止している状態にて、後続装置によるこの記録材の搬送が開始されると、搬送装置にてこの記録材が強制的に搬送され、この強制的な搬送に起因して不具合が生じるおそれがある。
本発明の目的は、不具合を低減するための行動をユーザに促さない場合に比べ、搬送装置に後続する後続装置へ記録材が達していることに起因して生じうる不具合の低減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、記録材を搬送する記録材搬送装置であり、記録材を搬送し、後続する装置である後続装置へ当該記録材を送り出す搬送手段と、前記搬送手段による記録材の搬送が停止した場合に、停止され前記後続装置へ達している記録材の当該後続装置における搬送が開始されることにより前記記録材搬送装置にて生じる不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う通知手段と、を備え、前記通知手段は、前記促す通知として、停止され前記後続装置へ達している記録材を切断することをユーザに促す通知を行う、記録材搬送装置である。
請求項に記載の発明は、前記通知手段は、記録材の搬送を停止した状態にある前記後続装置における記録材の搬送を開始する指示がユーザからあった場合に、記録材を切断することをユーザに促す前記通知を行う請求項に記載の記録材搬送装置である。
請求項3に記載の発明は、記録材を搬送する記録材搬送装置であり、記録材を搬送し、後続する装置である後続装置へ当該記録材を送り出す搬送手段と、前記搬送手段による記録材の搬送が停止した場合に、停止され前記後続装置へ達している記録材の当該後続装置における搬送が開始されることにより前記記録材搬送装置にて生じる不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う通知手段と、を備え、前記通知手段は、前記促す通知として、前記記録材搬送装置と前記後続装置との接続部を確認することをユーザに促す通知を行う、記録材搬送装置である。
請求項に記載の発明は、前記通知手段は、記録材の搬送を停止した状態にある前記後続装置における記録材の搬送を開始する指示がユーザからあった場合に、前記接続部を確認することをユーザに促す前記通知を行う請求項に記載の記録材搬送装置である。
請求項に記載の発明は、前記搬送手段による搬送が停止された状態の記録材が前記後続装置へ達しているか否かを判断する判断手段を更に備え、前記通知手段は、停止された状態の前記記録材が前記後続装置へ達していると前記判断手段により判断された場合でも、前記接続部を確認することをユーザに促す前記通知を行う請求項に記載の記録材搬送装置である。
請求項6に記載の発明は、記録材を搬送し、後続する装置である後続装置へ当該記録材を送り出す搬送手段と、前記搬送手段による記録材の搬送が停止した場合に、停止された記録材が前記後続装置へ達していることに起因して生じる不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う通知手段と、を備え、前記通知手段は、前記搬送手段による記録材の搬送が停止され且つ当該搬送手段により前記後続装置に向けて送り出された記録材の送り量が予め定められた量を超えている場合に、前記不具合を低減させるための行動をユーザに促す前記通知を行う、記録材搬送装置である。
請求項に記載の発明は、記録材への画像の形成を行う画像形成手段と、記録材を搬送する記録材搬送装置とを備え、当該記録材搬送装置が請求項1乃至の何れかに記載された記録材搬送装置を含んで構成された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、不具合を低減するための行動をユーザに促さない場合に比べ、搬送装置に後続する後続装置へ記録材が達していることに起因して生じうる不具合の低減を図ることができ、また、記録材を切断することをユーザに促す通知を行わない場合に比べ、後続装置による記録材の搬送によって記録材搬送装置でもこの記録材が搬送されることを抑制できる。
請求項の発明によれば、後続装置における記録材の搬送を開始する指示の有無に関わらず記録材を切断することをユーザに促す通知が行われる場合に比べ、不具合が生じにくい状況であるにも関わらず、記録材を切断することをユーザに促す通知が行われることを抑制できる。
請求項の発明によれば、不具合を低減するための行動をユーザに促さない場合に比べ、搬送装置に後続する後続装置へ記録材が達していることに起因して生じうる不具合の低減を図ることができ、また、接続部を確認することをユーザに促さない場合に比べ、接続部にて用紙が停止していることに起因する不具合の発生を抑制できる。
請求項の発明によれば、後続装置における記録材の搬送を開始する指示の有無に関わらず、接続部を確認することをユーザに促す通知が行われる場合に比べ、不具合が生じにくい状況であるにも関わらず、接続部を確認することをユーザに促す通知が行われることを抑制できる。
請求項の発明によれば、停止された状態の記録材が後続装置へ達していると判断された場合に、記録材の切断を促す通知を行う場合に比べ、判断手段による判断誤りに起因する不具合の発生を抑制することができる。
請求項の発明によれば、不具合を低減するための行動をユーザに促さない場合に比べ、搬送装置に後続する後続装置へ記録材が達していることに起因して生じうる不具合の低減を図ることができ、また、搬送手段による記録材の搬送が停止されたら、不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を一律に行う場合に比べ、不具合が生じにくい状況であるにも関わらず、不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知が行われることを抑制できる。
請求項の発明によれば、不具合を低減するための行動をユーザに促さない場合に比べ、画像形成装置に後続する後続装置へ記録材が達していることに起因して生じうる不具合の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】用紙処理システムのフロント側からこの用紙処理システムを見た場合の構成例を示した図である。
図2】画像形成装置に設けられた制御装置の構成例を示した図である。
図3】ROMやハードディスク装置等に格納されたプログラムをCPUが実行することで実現される機能部を示した図である。
図4】(A)、(B)は、画像形成装置に設けられた表示装置における表示例を示した図である。
図5】上流側搬送部および下流側搬送部による用紙の搬送が停止され、且つ、上流側搬送部により搬送されていた用紙が、用紙処理装置に達している状態を示した図である。
図6】切断刃により用紙が切断された後の用紙処理システムの状態を示した図である。
図7】(A)、(B)は、画像形成装置に設けられた表示装置における他の表示例を示した図である。
図8】覆い部材を開けた状態の用紙処理システムを示した図である。
図9】(A)、(B)は、表示装置における他の表示例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、用紙処理システム1のフロント側からこの用紙処理システム1を見た場合の構成例を示した図である。
図1に示す用紙処理システム1には、画像形成装置100と、この画像形成装置100に後続する形で設置された用紙処理装置200とが設けられている。
【0009】
画像形成装置100は、記録材の一例である用紙Pへの画像の形成を行う。
後続装置の一例である用紙処理装置200は、画像形成装置100から搬送されてきた用紙Pに対する処理を行う。具体的には、用紙処理装置200は、画像形成装置100から送られてきた用紙Pに対して折り処理を行い、折りが施された用紙Pを生成する。
【0010】
なお、折り処理は一例であり、用紙処理装置200では、綴じ処理、冊子の作製処理、穴あけ処理などの他の処理を行ってもよい。
また、用紙処理装置200では、単に用紙Pを搬送し、後続する他の装置への用紙Pの搬送のみを行ってもよい。付言すると、用紙処理装置200にて行われる処理には、用紙Pの搬送処理のみも含まれる。
【0011】
画像形成装置100には、用紙Pを搬送する搬送部110が設けられている。また、画像形成装置100には、搬送部110により搬送される用紙Pを検知する複数の用紙検知センサSが設けられている。
搬送手段の一例としての搬送部110は、用紙Pを搬送し、後続する装置である用紙処理装置200へこの用紙Pを送り出す。
【0012】
搬送部110には、複数の搬送ロール対Rが設けられており、この搬送ロール対Rを構成する一方のロールである駆動ロールRKを駆動して、用紙Pを下流側へ搬送し、さらに、用紙処理装置200へこの用紙Pを送り出す。
ここで、本実施形態では、搬送ロール対Rとして、最も上流側に配置された最上流搬送ロール対R1と、最も下流側に配置された最下流搬送ロール対R3と、最上流搬送ロール対R1と最下流搬送ロール対R3との間に配置された2つの中間搬送ロール対R2とが設けられている。
【0013】
本実施形態の画像形成装置100では、符号1Aで示すように、ロール状の用紙Pが設けられており、このロール状の用紙Pが、用紙カッターK1により順次カットされ、矩形状となった用紙Pが、搬送部110に対して順次供給される。
搬送部110は、供給されたこの矩形状の用紙Pを下流側へ搬送し、さらに、用紙処理装置200へこの用紙Pを送り出す。
【0014】
なお、本実施形態では、ロール状の用紙Pが画像形成装置100にセットされた場合を例示したが、これに限らず、予めカットされたいわゆるカット紙を、搬送部110に対して順次供給するようにしてもよい。
ここで、本実施形態の画像形成装置100は、記録材である用紙Pを搬送する機能を有しており、画像形成装置100のうちの、用紙Pを搬送する機能を有する部分は、記録材搬送装置として捉えることもできる。
【0015】
用紙検知センサSは、複数設けられ、また、用紙搬送方向における位置が互いにずらされた状態で配置されている。
より具体的には、本実施形態では、用紙検知センサSとして、最も上流側に配置された最上流用紙検知センサS1と、最も下流側に配置された最下流用紙検知センサS3とが設けられる。さらに、最上流用紙検知センサS1と最下流用紙検知センサS3との間に、3つの中間用紙検知センサS2が設けられている。
【0016】
さらに、本実施形態の画像形成装置100では、搬送部110により搬送される用紙Pに画像を形成する画像形成部120が設けられている。
また、画像形成装置100には、画像形成部120により用紙P上に形成された画像を、この用紙Pに定着させる定着部130が設けられている。
【0017】
画像形成手段の一例としての画像形成部120は、いわゆる電子写真方式によって、用紙Pに画像を形成する。
画像形成部120には、像保持体の一例としての感光体ドラム121が設けられている。画像形成部120では、この感光体ドラム121に対する露光、トナーを用いた現像を行って、感光体ドラム121上に、トナーにより形成された画像を形成する。
【0018】
そして、感光体ドラム121上に形成されたこの画像は、搬送部110により搬送されてきた用紙Pに転写される。これにより、用紙P上に画像が形成される。
なお、用紙Pへの画像の形成の方式はこれに限らず、インクジェット方式など、他の方式を用いて用紙Pへの画像の形成を行ってもよい。
【0019】
定着部130では、画像形成部120を経由して搬送されてきた用紙Pに対する加圧および加熱を行い、用紙P上の載っている画像をこの用紙Pに定着する。
より具体的には、定着部130には、加熱源(不図示)が設けられた第1ロール131と、この第1ロール131に押し当てられた第2ロール132とが設けられており、この第1ロール131と第2ロール132とで用紙Pを挟むことで、用紙P上に載っている画像をこの用紙Pに定着する。
【0020】
さらに、画像形成装置100には、用紙Pの切断に用いられる切断刃K2、切断刃K2を検知する切断刃検知センサSKが設けられている。
切断刃K2は、用紙Pの搬送方向において、定着部130よりも下流側に配置されている。また、切断刃K2は、画像形成装置100と用紙処理装置200との接続部Cに設けられている。
【0021】
ここで、本実施形態において、「接続部C」とは、画像形成装置100と用紙処理装置200とが互いに直接接触する接触箇所に限らず、この接触箇所の周囲に位置する部分も含む。付言すると、「接続部C」には、画像形成装置100のうちの、この接触箇所よりも上流側に位置する部分、および、用紙処理装置200のうちの、この接触箇所よりも下流側に位置する部分を含む。
【0022】
切断刃K2は、図1の紙面に対して直交する方向へ移動可能に設けられている。言い換えると、切断刃K2は、図1の紙面に対して交差する方向へ移動可能に設けられている。
付言すると、切断刃K2は、用紙Pの搬送方向に対して直交する方向へ移動可能に設けられている。言い換えると、切断刃K2は、用紙Pの搬送方向に対して交差する方向へ移動可能に設けられている。
【0023】
さらに説明すると、切断刃K2は、画像形成装置100のリア側からフロント側への移動、および、画像形成装置100のフロント側からリア側への移動が可能に設けられている。
本実施形態では、画像形成装置100のリア側からフロント側へ切断刃K2を移動させることで、用紙Pが切断され、また、画像形成装置100のフロント側からリア側へ切断刃K2を移動させることで、用紙Pが切断される。
【0024】
切断刃検知センサSKは、2つ設けられ、一方の切断刃検知センサSK1は、画像形成装置100のリア側に設けられ、他方の切断刃検知センサSK2は、画像形成装置100のフロント側に設けられている。
本実施形態では、切断刃K2による用紙Pの切断が行われる際、切断刃K2が移動し、一方の切断刃検知センサSK1により切断刃K2が検知されている状態から、他方の切断刃検知センサSK2により切断刃K2が検知される状態となる。又は、他方の切断刃検知センサSK2により切断刃K2が検知されている状態から、一方の切断刃検知センサSK1により切断刃K2が検知される状態となる。
【0025】
本実施形態では、2つの切断刃検知センサSKからの出力を把握することで、切断刃K2により用紙Pが切断されたか否かの判断を行う。
付言すると、本実施形態では、一方の切断刃検知センサSK1により切断刃K2が検知されている状態から、他方の切断刃検知センサSK2により切断刃K2が検知される状態となった場合、又は、他方の切断刃検知センサSK2により切断刃K2が検知されている状態から、一方の切断刃検知センサSK1により切断刃K2が検知される状態となった場合、切断刃K2により用紙Pが切断されたと判断する。
【0026】
さらに、本実施形態の画像形成装置100では、ユーザへの情報の通知に用いられる表示装置150が設けられている。
さらに、本実施形態では、画像形成装置100の各部の制御を行う制御装置170が設けられている。
ここで、本実施形態では、用紙処理装置200における各部の制御も、画像形成装置100に設けられた制御装置170により行われる。なお、用紙処理装置200における各部の制御は、用紙処理装置200に設けられた制御装置(不図示)により行ってもよい。
【0027】
次に、用紙処理装置200について説明する。
後続装置の一例としての用紙処理装置200には、画像形成装置100から搬送されてきた用紙Pを搬送する搬送部210が設けられている。搬送部210には、複数の搬送ロール対Wが設けられており、この搬送ロール対Wを構成する一方のロールである駆動ロールWKが駆動されて、用紙Pが下流側へ搬送される。
本実施形態では、搬送ロール対Wとして、最も上流側に配置された最上流搬送ロール対W1と、最も下流側に配置された最下流搬送ロール対W3とが設けられている。さらに、最上流搬送ロール対W1と最下流搬送ロール対W3との間に配置された1つの中間搬送ロール対W2が設けられている。
【0028】
また、用紙処理装置200には、用紙Pの折り処理を行う折り処理機構230が設けられている。
折り処理機構230には、用紙Pに対して押し当てられる押し当て部材(不図示)などが設けられ、この押し当て部材が用紙Pに押し当てられることで、用紙Pの折りが行われる。
さらに、用紙処理装置200には、ユーザへの情報の通知に用いられる表示装置250が設けられている。
【0029】
また、用紙処理装置200には、折り処理が行われた用紙Pが排出される排出部260が設けられている。
さらに、用紙処理装置200には、搬送部210により搬送される用紙Pを検知する用紙検知センサXが設けられている。この用紙検知センサXは、複数設けられ、また、用紙搬送方向における位置が互いにずらされた状態で配置されている。
【0030】
さらに、本実施形態では、画像形成装置100と用紙処理装置200との接続部Cに、開閉可能な覆い部材300が設けられている。
より具体的には、本実施形態では、画像形成装置100および用紙処理装置200の各々に、覆い部材300が設けられている。ここで、この覆い部材300は、画像形成装置100および用紙処理装置200の各々の外表面に位置し、外装部材としての役割も有している。
【0031】
本実施形態では、画像形成装置100に設けられた覆い部材300を開放すると、ユーザは、画像形成装置100に設けられた搬送部110や、切断刃K2、用紙Pの搬送経路R100などの確認を行える。
また、用紙処理装置200に設けられた覆い部材300を開放すると、ユーザは、用紙処理装置200に設けられた搬送部210や、用紙Pの搬送経路R200の確認を行える。
【0032】
さらに、画像形成装置100および用紙処理装置200の各々には、画像形成装置100および用紙処理装置200の各々に設けられた覆い部材300の開閉を検知する開閉検知センサYが設けられている。
なお、以下、本明細書では、画像形成装置100に設けられた搬送部110を、上流側搬送部110と称し、用紙処理装置200に設けられた搬送部210を、下流側搬送部210と称する。
【0033】
図2は、画像形成装置100に設けられた制御装置170の構成例を示した図である。
本実施形態の制御装置170には、プロセッサの一例であるCPU(=Central Processing Unit)171と、制御プログラム等が記憶されたROM(=Read Only Memory)172と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)173とが設けられている。この制御装置170は、いわゆるコンピュータである。
【0034】
図3は、ROM172やハードディスク装置(不図示)等に格納されたプログラムをCPU171が実行することで実現される機能部を示した図である。
本実施形態では、ROM172やハードディスク装置等に格納されたプログラムをCPU171が実行することで、通知部175、判断部176、表示制御部177、および、出力部178の各機能部が実現される。
【0035】
通知手段の一例としての通知部175は、用紙Pを切断することを促す通知をユーザに対して行うなど、画像形成装置100にて生じる不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う。
判断手段の一例としての判断部176は、上流側搬送部110による搬送が停止された状態の用紙Pが用紙処理装置200へ達しているか否かを判断する。
【0036】
表示制御手段の一例としての表示制御部177は、用紙処理装置200における用紙Pの搬送を開始する指示をユーザから受け付けるための画面を、画像形成装置100の表示装置150に表示する。
出力手段の一例としての出力部178は、用紙Pの搬送を停止した状態にある用紙処理装置200における用紙Pの搬送を開始する指示を用紙処理装置200へ出力する。
【0037】
図4(A)、(B)は、画像形成装置100に設けられた表示装置150における表示例を示した図である。
本実施形態では、上流側搬送部110および下流側搬送部210による用紙Pの搬送が停止され、且つ、上流側搬送部110による搬送が停止された用紙Pが用紙処理装置200に達している場合、通知部175が、予め定められた通知処理を行う。
【0038】
ここで、本実施形態では、画像形成装置100や用紙処理装置200にて用紙Pの詰まりが検知されると、上流側搬送部110および下流側搬送部210による用紙Pの搬送が停止される。
付言すると、本実施形態では、画像形成装置100に設けられた用紙検知センサSや、用紙処理装置200に設けられた用紙検知センサXにより、搬送される用紙Pの検知を行っており、用紙Pの検知が予定されているタイミングにて、用紙Pが検知されない場合、制御装置170が、用紙Pの詰まりが発生したと判断する。
そして、この場合、制御装置170は、上流側搬送部110、下流側搬送部210に制御信号を出力し、上流側搬送部110および下流側搬送部210による用紙Pの搬送を停止する。
【0039】
そして、本実施形態では、このように、上流側搬送部110および下流側搬送部210による用紙Pの搬送が停止され、且つ、上流側搬送部110による搬送が停止された用紙Pが用紙処理装置200に達している場合、通知部175が、予め定められた通知処理を行う。
言い換えると、上流側搬送部110および下流側搬送部210による用紙Pの搬送が停止され、且つ、画像形成装置100と用紙処理装置200との間に用紙Pが跨っている場合、通知部175が、予め定められた通知処理を行う。
【0040】
具体的には、通知部175は、画像形成装置100に設けられた表示装置150に、図4(A)に示す表示を行って、ユーザに対して、予め定められた通知処理を行う。
より具体的には、本実施形態では、上流側搬送部110および下流側搬送部210による用紙Pの搬送が停止され、且つ、上流側搬送部110により用紙処理装置200に向けて送り出された用紙Pの送り量が予め定められた量を超えている場合に、通知部175が、図4(A)に示す表示を行って、ユーザへの通知処理を行う。
【0041】
ここで、本実施形態では、上流側搬送部110により用紙処理装置200に向けて送り出された用紙Pの送り量は、最下流用紙検知センサS3(図1参照)により用紙Pの先端が検知されてから、この用紙Pの搬送が停止されるまでの経過時間を把握するようにし、この経過時間に基づき、この送り量を把握する。
把握したこの経過時間が大きいほど、送り量が多いことになり、この経過時間が予め定められた時間を超えている場合、通知部175は、図4(A)に示す表示を行って、ユーザへの通知処理を行う。
【0042】
通知部175は、図4(A)に示す表示を行うことで、上流側搬送部110による搬送が停止された用紙Pが用紙処理装置200へ達していることに起因して生じる不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う。
付言すると、通知部175は、停止され用紙処理装置200へ達している用紙Pのこの用紙処理装置200における搬送が開始されることにより画像形成装置100にて生じうる不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う。
【0043】
より具体的には、この例では、通知部175は、図4(A)に示すように、「接続部の用紙を切断してください。」という表示を行い、停止され用紙処理装置200へ達している用紙Pを切断することをユーザに促す通知を行う。
より具体的には、本実施形態では、図1に示したとおり、切断刃K2が設けられており、通知部175は、この切断刃K2を用いて用紙Pを切断することをユーザに促す通知を行う。
【0044】
図5は、上流側搬送部110および下流側搬送部210による用紙Pの搬送が停止され、且つ、上流側搬送部110により搬送されていた用紙Pが、用紙処理装置200に達している状態を示した図である。
この状態にて、用紙処理装置200における用紙Pの搬送が開始されると、画像形成装置100にて用紙Pが強制的に搬送され、これにより、画像形成装置100の機内が汚損されるおそれがある。
【0045】
具体的には、図5にて示す状態では、符号5Aで示す箇所に、未定着のトナーが存在し、画像形成装置100にて用紙Pが強制的に搬送されると、この未定着のトナーが、定着部130や最下流搬送ロール対R3等に付着し、画像形成装置100の機内が汚損されるおそれがある。
また、画像形成装置100にて用紙Pが強制的に搬送されると、搬送されるこの用紙Pによって、本来駆動を予定していない部分が駆動され、これにより、装置の破損などを招くおそれがある。
【0046】
そこで、本実施形態では、上記のとおり、通知部175が、この不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う。
より具体的には、通知部175は、画像形成装置100にて停止された用紙Pが用紙処理装置200へ達していることに起因して画像形成装置100にて生じる不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う。
より具体的には、通知部175は、用紙処理装置200における用紙Pの搬送が開始されることにより画像形成装置100にて生じうる不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知を行う。
より具体的には、通知部175は、例えば、図4(A)にて示した通り、停止され用紙処理装置200へ達している用紙Pを切断することをユーザに促す通知を行う。
【0047】
図6は、切断刃K2により用紙Pが切断された後の用紙処理システム1の状態を示した図である。
ユーザによって用紙Pの切断が行われると、図6の符号6Aで示すように、用紙Pが分断された状態となる。
そして、用紙Pが分断された状態となると、用紙処理装置200にて用紙Pの搬送が開始されても、画像形成装置100内の用紙P(符号6Cで示す用紙P)は移動しない。
【0048】
これにより、画像形成装置100にて停止している用紙Pが用紙処理装置200へ達していることに起因する不具合の発生が抑制される。
なお、用紙処理装置200にて用紙Pの搬送が開始されると、この用紙Pは、符号6Eで示す方向へ移動して、用紙処理装置200の機外に排出される。
付言すると、本実施形態では、折り処理が正常に終了した用紙Pについては、排出部260に向けて搬送されるが、用紙Pの詰まりの後に排出される用紙Pについては、排出部260へ向かわずに、他の経路を通って、用紙処理装置200の機外に排出される。
【0049】
ここで、「不具合を低減させるための行動」とは、不具合の低減に直接的に結びつく行動に限らず、不具合が起こる可能性を減らす行動も含む。言い換えると、「不具合を低減させるための行動」には、不具合が確実に減るようになる行動に限らず、不具合の低減に結び付く行動も含む。
ここで、上記の切断刃K2により用紙Pを切断する行動は、不具合の低減に直接的に結びつく行動となる。これに対し、後述する、接続部Cを確認する行動は、不具合が起こる可能性を減らす行動に該当する。
【0050】
図4に戻り、表示装置150における表示例をさらに説明する。
本実施形態では、通知部175により、図4(A)で示す表示が行われユーザへの通知処理が行われた後、表示制御部177が、予め定められた画面を、画像形成装置100の表示装置150に表示する。
具体的には、表示制御部177は、図4(B)に示すように、用紙処理装置200における用紙Pの搬送を開始する指示をユーザから受け付けるための画面(以下、「受け付け用画面」と称する)を、画像形成装置100の表示装置150に表示する。
【0051】
より具体的には、表示制御部177は、例えば、通知部175による上記の通知が行われてから、予め定められた時間が経過した後に、受け付け用画面を表示する。
そして、受け付け用画面に表示されている「はい」が選択されるなど、搬送を開始する指示がユーザからあると、出力部178が、用紙Pの搬送の開始指示を用紙処理装置200へ出力し、用紙処理装置200にて、用紙Pの搬送が開始される。
【0052】
これにより、用紙処理装置200の機内にて停止している用紙Pが、用紙処理装置200の外部に排出される。
なお、本実施形態では、用紙処理装置200では、このように用紙Pが自動で排出されるが、画像形成装置100にて停止している用紙Pについては、ユーザが手動で除去する。
より具体的には、ユーザは、画像形成装置100に設けられたカバーなどを開放するなどして用紙Pの搬送経路R100(図1参照)を開放し、この搬送経路R100上にて停止している用紙Pを手動で除去する。
【0053】
ところで、ここでは、通知部175による通知が行われてから予め定められた時間が経過した場合に、受け付け用画面を表示する場合を一例に説明したが、受け付け用画面の表示タイミングはこれに限られない。
受け付け用画面は、不具合を低減させるための上記の行動をユーザが実際に行った場合に表示してもよい。
【0054】
より具体的には、表示制御部177は、切断刃K2による用紙Pの切断をユーザが実際に行った場合に、受け付け用画面を表示してもよい。
なお、切断刃K2による用紙Pの切断が実際に行われたか否かは、切断刃検知センサSK(図1参照)からの出力に基づき判断する。
【0055】
切断刃K2による用紙Pの切断が行われると、一方の切断刃検知センサSK1により切断刃K2が検知されている状態から、他方の切断刃検知センサSK2により切断刃K2が検知される状態となる。
又は、切断刃K2による用紙Pの切断が行われると、他方の切断刃検知センサSK2により切断刃K2が検知されている状態から、一方の切断刃検知センサSK1により切断刃K2が検知される状態となる。
このように、一方の切断刃検知センサSK1又は他方の切断刃検知センサSK2によって、切断刃K2の検知が新たに行われると、表示制御部177は、受け付け用画面を表示する。
【0056】
図7(A)、(B)は、画像形成装置100に設けられた表示装置150における他の表示例を示した図である。
この表示例では、図7(A)に示すように、通知部175は、画像形成装置100と用紙処理装置200との接続部Cを確認することをユーザに促す通知を行っている。
言い換えると、この例では、通知部175は、上流側搬送部110による搬送が停止されている用紙Pが用紙処理装置200へ達しているか否かを確認することをユーザに促す通知を行っている。
【0057】
より具体的には、この例では、通知部175は、接続部Cに設けられた覆い部材300(図1参照)を開けて、接続部Cにおける用紙Pの状態を確認することをユーザに促す通知を行っている。
本実施形態では、覆い部材300を開けると、用紙処理システム1は、図8(覆い部材300を開けた状態の用紙処理システム1を示した図)に示す状態となる。
この場合、ユーザは、画像形成装置100や用紙処理装置200の内部を確認でき、画像形成装置100と用紙処理装置200との間を用紙Pが跨っているか否かの確認を行える。
【0058】
ここで、接続部Cを確認することをユーザに促す通知を行う場合、幅の小さい短冊状の切断片が生じるという不具合が起きにくくなる。
通知部175が、用紙Pを切断することを促す通知のみを行う場合、短い短冊状の切断片が発生し、これが、画像形成装置100の機内に残る事態が生じやすくなる。
【0059】
具体的に説明すると、本実施形態の構成では、図8の符号8Aで示すように、画像形成装置100から用紙処理装置200に向けて用紙Pを搬送している途中で、用紙Pの詰まりが起き、切断刃K2の近くで、用紙Pが停止する事態が生じうる。
この状態にて、切断刃K2で用紙Pを切断すると、短冊状の切断片が生じやすくなる。そして、この切断片は、ユーザの手のとどかない箇所に入り込み、除去できなくなるおそれがある。
より具体的には、切断刃K2の周囲には、安全を確保するためのカバー部材(不図示)が存在し、短冊状の切断片が生じると、この切断片が、カバー部材の内側に留まり、この切断片を除去できなくなる事態が生じうる。
【0060】
用紙Pを切断することを促す通知ではなく、図7(A)にて示したように、接続部Cを確認することをユーザに促す通知を行うと、ユーザは、まず、覆い部材300を開けて、接続部Cを目視で確認することになる。
そして、この場合、用紙処理装置200へ用紙Pが達している場合には、ユーザにより切断処理が行われるが、達していない場合には、切断処理が省略される。この場合、上記の切断片の発生が抑えられる。
【0061】
さらに説明すると、本実施形態では、判断部176(図3参照)が設けられており、この判断部176は、上流側搬送部110による搬送が停止された状態の用紙Pが用紙処理装置200へ達しているか否かを判断する。
具体的には、判断部176は、最下流用紙検知センサS3(図8参照)を用紙Pの先端が通過してから、この用紙Pの搬送が停止されるまでの経過時間に基づき、この用紙Pの先端の位置を推定し、この推定した位置に基づき、この用紙Pが用紙処理装置200へ達しているか否かを判断する。
【0062】
このような判断処理を行う場合、図8にて示した状態のように、切断刃K2の近くで用紙Pが停止していたとしても、判断部176では、用紙Pが用紙処理装置200へ達していると判断されることがある。この場合に、用紙Pの切断を促す通知を行ってしまうと、短冊状の切断片が発生しやすくなる。
付言すると、用紙Pが用紙処理装置200へ達しているとの判断の精度が高ければ、用紙Pが用紙処理装置200へ達したと判断されたことに応じて、一律に、用紙Pを切断することを促す通知を行えばよい。この場合、短冊状の切断片の発生を抑えつつ、用紙Pの切断を行える。
【0063】
しかしながら、本実施形態では、用紙処理装置200へ用紙Pが実際には達していないにも関わらず、用紙処理装置200へ用紙Pが達したと判断部176により判断される場合もあり、この場合に、用紙Pの切断を促す通知を行うと、短冊状の切断片が発生するおそれがある。
これに対し、上記のように、接続部Cの確認を促す通知を行う場合は、実際には用紙処理装置200へ用紙Pが達していないにも関わらず用紙処理装置200へ用紙Pが達したと判断部176により判断された場合であっても、切断片の発生が抑えられる。
【0064】
付言すると、停止された状態の用紙Pが用紙処理装置200へ達していると判断部176より判断された場合でも、接続部Cを確認することを促す通知を行う場合は、切断片の発生が抑えられる。
付言すると、接続部Cの確認を促す通知を行う場合は、判断部176による判断に誤りがあったとしても、切断片の発生が抑えられる。
【0065】
その後、図7にて示す表示例では、図7(B)に示す画面が表示される。
この図7(B)では、上記と同様、受け付け用画面が表示され、用紙処理装置200の用紙Pを排出するか否かの問い合わせが行われる。
そして、例えば、ユーザにより「はい」が選択されると、用紙処理装置200にて用紙Pの搬送が開始される。
【0066】
なお、上記と同様、この受け付け用画面は、例えば、接続部Cの確認を促す通知が行われてから予め定められた時間が経過した後に表示される。
また、その他に、例えば、接続部Cの確認をユーザが実際に行った場合に、受け付け用画面を表示してもよい。
ここで、本実施形態では、接続部Cの確認をユーザが実際に行ったか否かは、開閉検知センサY(図8参照)からの出力に基づき判断する。言い換えると、覆い部材300が開かれた否かで判断する。
【0067】
覆い部材300が開かれると、開閉検知センサYが、覆い部材300が開かれたことを検知する。表示制御部177は、覆い部材300が開かれたことが開閉検知センサYにより検知されたら、受け付け用画面を表示する。
ここで、本実施形態では、2つの覆い部材300が設けられているが、この2つの覆い部材300のうちの一方が開かれたら、受け付け用画面を表示するようにしてもよいし、両方が開かれたら、受け付け用画面を表示するようにしてもよい。
【0068】
なお、用紙Pを切断することを促す上記の通知や、接続部Cを確認することを促す上記の通知は、用紙処理装置200における用紙Pの搬送を開始する指示がユーザからあった場合に行うようにしてもよい。
言い換えると、不具合を低減させるための行動をユーザに促す上記の各通知(以下、「低減用通知」と称する)は、用紙処理装置200における用紙Pの搬送を開始する指示(以下、「搬送開始指示」と称する)がユーザからあった場合に行うようにしてもよい。
【0069】
搬送開始指示があった場合に低減用通知を行う処理を行う場合は、まず、図9(表示装置150における他の表示例を示した図)の(A)に示すように、表示制御部177によって、受け付け用画面が表示される。
言い換えると、用紙Pの詰まりが生じ、上流側搬送部110および下流側搬送部210により用紙Pの搬送が停止されると、まず、用紙処理装置200内の用紙Pの排出を行うか否かの問い合わせがユーザに対して行われる。
【0070】
そして、この処理例では、「はい」が選択されると、図9(B)に示すように、通知部175が、接続部Cを確認することを促す通知、および、用紙処理装置200に用紙Pが達している場合にはこの用紙Pを切断することを促す通知を行う。
言い換えると、この処理例では、用紙処理装置200における用紙Pの搬送を開始する指示がユーザからあった場合に、通知部175が、画像形成装置100における不具合を低減させるための行動を促す通知を行う。
【0071】
その後、この処理例では、図9(B)にて示されている画面にて、「確認しました」と示されたボタンが選択されると、用紙処理装置200にて、用紙Pの搬送が実際に開始される。
ここで、この搬送が実際に開始される際には、用紙Pが切断され、又は、用紙Pが用紙処理装置200へ達していない状況となっている可能性が高い。
そして、この場合、画像形成装置100における、用紙Pの強制的な搬送が起きない状態で、用紙処理装置200にて用紙Pが搬送される可能性が高くなる。
【0072】
ここで、用紙処理装置200における用紙Pの搬送に起因する上記の不具合は、ユーザからの搬送開始指示があった場合に生じるものである。
ユーザからの搬送開始指示が無く、そもそも用紙Pが強制的に搬送されない状況にある場合には、上記の不具合は生じない。
【0073】
そこで、図9にて説明した処理例では、まず、ユーザに対して、用紙処理装置200による用紙Pの搬送を行う意図があるか否かを確認する。
そして、用紙処理装置200による用紙Pの搬送を行う意図がある場合には、上記の不具合が生じるおそれがあるため、図9(B)に示したように、不具合を低減させるための行動を促す通知を行う。
【0074】
この処理例では、用紙処理装置200による用紙Pの搬送をユーザが意図していない場合には、不具合を低減させるための行動を促す通知が行われないようになる。
より具体的には、用紙処理装置200による用紙Pの搬送をユーザが意図していない場合には、図9(A)にて示す画面にて、「いいえ」が選択され、この場合、図9(B)に示す画面が表示されないようになる。
【0075】
ここで、図4図7にて示した表示例では、ユーザがそもそも、用紙処理装置200における搬送を望まず不具合が生じにくい状況にあっても、不具合を低減するための行動を促す通知が行われる。
これに対し、図9に示した処理例では、用紙処理装置200による用紙Pの搬送をユーザが意図していない場合には、不具合を低減するための行動を促す通知が省略される。この場合、ユーザは、不必要な行動を行わずに済む。
【0076】
次に、出力部178(図3参照)による出力指示について説明する。
出力部178は、用紙Pの搬送を停止した状態にある用紙処理装置200における用紙Pの搬送を開始する指示を、この用紙処理装置200へ出力する。
これにより、用紙処理装置200における用紙Pの搬送が開始され、用紙処理装置200内にて停止している用紙Pが排出される。
【0077】
ここで、本実施形態の出力部178は、上流側搬送部110による搬送が停止された用紙Pが用紙処理装置200へ達している場合、搬送を開始する指示を出力しない。
より具体的には、出力部178は、上流側搬送部110による搬送が停止された状態の用紙Pが用紙処理装置200へ達していると判断部176により判断された場合、搬送を開始する指示を出力しない。これにより、上記の強制的な搬送が避けられる。
【0078】
但し、出力部178は、上流側搬送部110による搬送が停止された用紙Pが用紙処理装置200へ達していると判断部176により判断された場合であっても、上記にて説明したように、ユーザからの指示があった場合には、搬送を開始する指示を出力する。
具体的には、本実施形態では、上記の通り、受け付け用画面が表示されることがあり、この受け付け画面に対するユーザの操作があり、ユーザから搬送の開始の指示があると、出力部178は、搬送を開始する指示を用紙処理装置200へ出力する。
これにより、用紙処理装置200内にて停止している用紙Pが用紙処理装置200の外部に排出される。
【0079】
また、その他に、出力部178は、ユーザからの指示に関わらず、通知部175によりユーザへの上記の通知が行われた後に、搬送を開始する指示を出力するようにしてもよい。
より具体的には、出力部178は、例えば、ユーザからの指示に関わらず、通知部175によるユーザへの上記の通知が行われてから、予め定められた時間が経過したら、搬送を開始する指示を用紙処理装置200へ出力してもよい。
また、その他に、出力部178は、通知部175によるユーザへの上記の通知が行われ且つユーザからの指示があった場合に、搬送を開始する指示を用紙処理装置200へ出力してもよい。
【0080】
また、出力部178は、通知部175によるユーザへの上記の通知が行われ且つ不具合を低減させるための上記の行動の何れかがユーザにより実際に行われた場合に、搬送を開始する指示を用紙処理装置200へ出力してもよい。
また、その他に、出力部178は、通知部175によるユーザへの上記の通知が行われ且つ不具合を低減させるための上記の行動の何れかがユーザにより行われ、さらに、ユーザからの指示があった場合に、搬送を開始する指示を用紙処理装置200へ出力してもよい。
【0081】
(その他)
上記では、「不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知」を、表示装置150に情報を表示することで行う場合を一例に説明したが、これに限らず、スピーカ(不図示)から音声を出力して、「不具合を低減させるための行動をユーザに促す通知」を行ってもよい。
【0082】
また、上記では、上流側搬送部110による搬送が停止された用紙Pが用紙処理装置200に達している場合に、上記の通知が行われる場合を説明した。
ところで、これに限らず、用紙Pが用紙処理装置200に達しているか否かに関わらず、上流側搬送部110および下流側搬送部210による用紙Pの搬送が停止されたら、上記の通知を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
100…画像形成装置、110…搬送部、120…画像形成部、175…通知部、176…判断部、177…表示制御部、178…出力部、200…用紙処理装置、C…接続部、P…用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9