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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】把持機構及び組み立て装置
(51)【国際特許分類】
   B23P 19/04 20060101AFI20240110BHJP
   B25J 15/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B23P19/04 E
B25J15/00 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019199282
(22)【出願日】2019-10-31
(65)【公開番号】P2021070119
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】安藤 聡
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03197250(US,A)
【文献】実開昭49-079314(JP,U)
【文献】特開平07-185959(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23P 19/00-21/00
B25J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に対向配置され、鉛直方向に対して互いに逆向きに傾斜して下側で接近する一対の傾斜面と、
前記各傾斜面の上で斜め上下方向に転動自在に設けられて水平方向に並ぶそれぞれの転動体と、を備え、
前記各傾斜面の下端の間が、水平方向に並んだ前記各転動体の水平方向幅よりも小さい水平方向幅とされた開口スペースとされており、
前記各転動体の軸の端部に架け渡され、該各転動体の軸の端部を水平方向に移動自在に支持する水平方向支持部と、
前記水平方向支持部を垂直方向に移動自在に支持する垂直方向支持部と、をさらに備え、
前記垂直方向支持部は、垂直方向にのびる複数のスリットを含み、
前記水平方向支持部は、前記複数のスリットのそれぞれに差し込まれる複数の突起を含み、
前記複数の突起のうちの少なくともいずれかは、かぎ付き突起である、把持機構。
【請求項2】
前記各傾斜面の側方に、該各傾斜面の内側から外側へと通じる開口部を設けた請求項1に記載の把持機構。
【請求項3】
前記各転動体は、それぞれの自重で前記各傾斜面の上で下方に転動可能に構成されている請求項1又は請求項2に記載の把持機構。
【請求項4】
前記各転動体は、同一径の円柱状である請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の把持機構。
【請求項5】
前記各傾斜面は、前記開口スペースの中央を通る鉛直線に対して対称に配置されている請求項4に記載の把持機構。
【請求項6】
請求項1乃至請求項のいずれか1つに記載の把持機構と、
前記把持機構を、鉛直方向、及び前記鉛直方向に直交する縦方向と横方向に移動させる駆動部と、を備える組み立て装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品を把持及び開放する把持機構及び組み立て装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2に記載の組立装置は、部品を把持及び開放する一対のチャック爪を有するチャック機構を用いている。この組み立て装置では、チャック機構の一対のチャック爪により部品を把持させ、チャック機構を部品と共に所定の位置まで搬送し、所定の位置で一対のチャック爪から部品を解放させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-241733号公報
【文献】特開平7-185959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のチャック機構は、モーターなどの動力源、動力を伝達する伝達機構などを必要とし、その構造が複雑であって、故障し易かった。
【0005】
そこで、本発明は上記事情を考慮し、簡単な構造であって、格別な動力源を必要とせず、低コストで故障し難い把持機構及び組立装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面にかかる把持機構は、相互に対向配置され、鉛直方向に対して互いに逆向きに傾斜して下側で接近する一対の傾斜面と、前記各傾斜面の上で斜め上下方向に転動自在に設けられて水平方向に並ぶそれぞれの転動体と、を備え、前記各傾斜面の下端の間が、水平方向に並んだ前記各転動体の水平方向幅よりも小さい水平方向幅とされた開口スペースとされているものである。
【0007】
また、本発明の一局面にかかる組み立て装置は、上記本発明の把持機構と、前記把持機構を、鉛直方向、及び前記鉛直方向に直交する縦方向と横方向に移動させる駆動部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な構造であって、格別な動力源を必要とせず、低コストで故障し難い把持機構及び組立装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる組み立て装置を概略的に示す側面図である。
図2】本実施形態の組み立て装置により組み立てられる第1部品と第2部品を示す斜視図である。
図3】(A)、(B)、(C)は、本実施形態の組み立て装置の動作状態を示す側面図である。
図4】本実施形態の組み立て装置における把持機構を示す斜視図である。
図5】把持機構を示す分解斜視図である。
図6】把持機構を示す縦断面図である。
図7】(A)、(B)、(C)は、把持機構の動作状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態にかかる把持機構及び組み立て装置について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態にかかる組み立て装置を概略的に示す側面図である。また、図2は、本実施形態の組み立て装置により組み立てられる第1部品と第2部品を示している。また、図3(A)、(B)、(C)は本実施形態の組み立て装置の動作状態を示す側面図である。尚、図1乃至図3には、上下の方向(鉛直方向と平行な方向)Z、鉛直方向に直交する左右の横方向X、及び鉛直方向に直交する前後の縦方向Y(特許請求の範囲における水平方向)が示されている。また、後で述べる図4乃至図7にも、上下の方向Z、左右の横方向X、及び前後の縦方向Yが示されている。
【0012】
図1に示すように本実施形態の組み立て装置10は、ロボット1と、ロボット1のアーム先端に取り付けられた位置ずれ修正装置2と、位置ずれ修正装置2により支持された把持機構3とを備えている。位置決め機構4は、ロボット1に対して予め定められた位置に設けられている。第1部品11は、ロボット1に対して規定の位置に配置され、また第2部品12は、位置決め機構4により位置決めされている。
【0013】
ロボット1は、位置ずれ修正装置2並びに把持機構3を、上下の方向Z、左右の横方向X、及び前後の縦方向Yに移動させる。位置ずれ修正装置2は、把持機構3の位置を修正する。把持機構3は、第1部品11の突起部13を把持したり解放したりする。
【0014】
図2に示すように第1部品11は、凸部14、及び該凸部14から上方に突出した突起部13を有する。突起部13の先端側に凸部13Aが形成され、突起部13の凸部13Aよりも下側が平板部13Bとなっている。第2部品12は、第1部品11の凸部14が嵌合される凹部15を有する。
【0015】
ここで、ロボット1は、図3(A)に示すように位置ずれ修正装置2並びに把持機構3を横方向X及び縦方向Yに移動させて、把持機構3を第1部品11の上方に位置決めし、引き続いて位置ずれ修正装置2並びに把持機構3を下の方向Zに移動させて、把持機構3を第1部品11の突起部13に結合させる。把持機構3は、第1部品11の突起部13を把持する。
【0016】
この後、ロボット1は、図3(B)に示すように修正装置2並びに把持機構3を上の方向Zに移動させて、第1部品11を持ち上げ、位置ずれ修正装置2並びに把持機構3を横方向X及び縦方向Yに移動させて、把持機構3を第2部品12の直上に位置決めする。そして、ロボット1は、図3(C)に示すように位置ずれ修正装置2並びに把持機構3を下の方向Zに移動させて、第1部品11の凸部14を第2部品12の凹部15に嵌合させる。このとき、位置ずれ修正装置2は、第1部品11に作用する力の向きを検出し、その力の向きに応じて把持機構3の位置を調節して、第2部品12の凹部15に対する第1部品11の凸部14の位置ずれを修正し、凹部15に対する凸部14の嵌合を可能にする。
【0017】
更に、ロボット1は、位置ずれ修正装置2並びに把持機構3を左又は右の横方向Xに移動させて、把持機構3から第1部品11の突起部13を解放させ、修正装置2並びに把持機構3を上の方向Zに移動させて横方向X及び縦方向Yにも移動させ、図1に示すように修正装置2並びに把持機構3を元の位置に戻す。
【0018】
次に、図4図5図6を参照して、把持機構3について詳しく説明する。
【0019】
図4は、把持機構3を示す斜視図である。図5は、把持機構3を示す分解斜視図である。また、図6は、把持機構3を示す縦断面図である。
【0020】
図4乃至図6に示すように把持機構3は、筐体31と、筐体31の内側に設けられた一対の転動体32と、筐体31の側方の開口部両側に設けられたそれぞれの側壁部33、各側壁部33の外側に重ねて設けられたそれぞれの支持部材34とを備えている。
【0021】
筐体31は、相互に対向する「L」の字に屈曲した一対の屈曲壁部35と、各屈曲壁部35を連結する上壁部36とを有している。この筐体31は、例えば金属板を切断及び曲げ加工して形成される。
【0022】
各屈曲壁部35の下側内周面は、相互に対向し、上下の方向(鉛直方向と平行な方向)Zに対して互いに逆向きに傾斜して下方になるほど接近するそれぞれの傾斜面38となっている。各傾斜面38の下端38Aの間には、各傾斜面38の下端の間が、水平方向に並んだ各転動体32の縦方向Y(水平方向)における幅よりも小さい当該方向における幅とされた開口スペース39が形成されている。すなわち、開口スペース39の幅Mは、各転動体32の外径を加算した距離Mよりも小さく設定されている。
【0023】
各転動体32は、同一径及び同一重さの円柱状である。各転動体32の軸32Aの端部には、環状溝32Bが形成されている。後で詳しく述べるように各転動体32は、それらの自重により各傾斜面38上で下方に転動して移動し、該各転動体32の間に第1部品11の突起部13を挟み込む。この第1部品11の突起部13を挟み込んで把持するのに適した値に、各転動体32の重さ及び表面の摩擦係数が設定される。
【0024】
各側壁部(特許請求の範囲の垂直方向支持部)33は、筐体31の外周が形成する側方の開口と一致する外形を有している。各側壁部33の下側には、下方向に開口された開口部33Aが形成され、また各側壁部33における開口部33Aよりも上側には、3つの垂直スリット33B、33C、33Bが設けられている。
【0025】
各支持部材(特許請求の範囲の水平方向支持部)34には、下方向に開口された長形の開口部34Aが形成されている。各支持部材34の下端部であって、開口部34Aの側方となる位置には、開口部34Aを挟むようにして水平方向(縦方向Y)に延びる2つの水平スライド孔34Bが形成されている。また各支持部材34の上部には、各側壁部33の側に突出したかぎ付き突起34C、かぎ無し突起34D、かぎ付き突起34Cが設けられている。
【0026】
筐体31の各傾斜面38及び各支持部材34の水平スライド孔34Bは、開口スペース39の中央を通る鉛直線Eに対して対称に配置されている。
【0027】
ここで、各転動体32を筐体31の内側に配置し、各転動体32の軸32Aの軸方向における両端部を各側壁部33の開口部33Aから該各側壁部33の外側に突出させた状態で、各側壁部33を筐体31の上記軸方向における両側部の壁端に重ねて固定する。そして、各支持部材34を各側壁部33の外側に重ねて、各転動体32の軸32Aの両端部を各支持部材34の水平スライド孔34Bから外側に突出させ、各転動体32の軸32Aの両端部の環状溝32Bにそれぞれの抜け止めワッシャー41を嵌め入れる。これにより、各転動体32の軸32Aが、各支持部材34の各水平スライド孔34Bに対して水平方向に移動可能にかつ回転自在に係合されて、各水平スライド孔34Bにより同一高さの位置に支持される。
【0028】
また、図5に示すように横並びで配置されている、各支持部材34のかぎ付き突起34C、かぎ無し突起34D、かぎ付き突起34Cのそれぞれを、各側壁部33の垂直スリット33B、33C、33Bのうち対応するスリットに差し込む。2つのかぎ付き突起34C、34Cは、それぞれの垂直スリット33B、33Bに一旦差し込まれると、該各かぎ付き突起34C、34Cのかぎ状の先端部が該各垂直スリット33B、33Bに引っかかるので、該各かぎ付き突起34C、34Cが抜け難くなり、各支持部材34が各側壁部33に係合される。同時に、上記各抜け止めワッシャー41により各転動体32の軸32Aの両端部からの各支持部材34の抜けが防止されるので、各支持部材34が各側壁部33の外側に安定的に支持される。
【0029】
また、各支持部材34のかぎ付き突起34C、かぎ無し突起34D、かぎ付き突起34Cは、該各突起34C、34D、34Cよりも縦幅(Z方向幅)が長いそれぞれの垂直スリット33B、33C、33Bに差し込まれる。このため、各支持部材34が各側壁部33に対して垂直方向(上下の方向Z)にのみ移動可能に支持される。
【0030】
従って、各側壁部33が筐体31に固定され、各支持部材34が各側壁部33に対して垂直方向に移動可能に支持され、各転動体32の軸32Aの両端部が各支持部材34の水平スライド孔34Bに沿って水平方向に移動可能に支持される。このため、筐体31に対しては、各転動体32の軸32Aが各支持部材34及び各側壁部33を介して水平方向(縦方向Y)及び垂直方向(上下の方向Z)に移動自在に支持される。
【0031】
このような構成の把持機構3において、図1に示すように該把持機構3が第1部品11から離れて上方に位置するときには、図7(A)に示すように各転動体32が互いに接触するまでそれらの自重により各傾斜面38の上で斜め下方に転動して、筐体31の開口スペース39に接近する。
【0032】
このとき、上記のように各転動体32が同一サイズ及び同一重さの円柱状のものであって各傾斜面38の上で転動し、また各支持部材34の水平スライド孔34Bによって各転動体32の軸32Aが同一の高さ位置に支持され、更に各傾斜面38が開口スペース39の中央を通る鉛直線Eに対して対称に配置されているので、各転動体32が中央の鉛直線Eの位置で接触する。
【0033】
そして、図3(A)に示すように把持機構3が下の方向Zに移動されて、把持機構3が第1部品11の突起部13に到達すると、図7(B)に示すように把持機構3においては、第1部品11の突起部13が筐体31の開口スペース39を通じて筐体31の内側に侵入して各転動体32を突き上げ、各転動体32がそれぞれの自重に抗して各傾斜面38の上で斜め上方に転動し、該各転動体32が互いに離間し、第1部品11の突起部13が各転動体32の間に侵入する。突起部13の先端側の凸部13Aが各転動体32の間を通るときに、各転動体32が最も離間する。また、各転動体32の斜め上方への転動に伴い、各転動体32の軸32Aが各支持部材34の水平スライド孔34Bに沿って互いに離れるように移動し、かつ各支持部材34が上方向に移動する。
【0034】
続いて、把持機構3が下の方向Zに更に移動され、図7(C)に示すように突起部13の平板部13Bが各転動体32の間に到達すると、各転動体32がそれぞれの自重により各傾斜面38の上で斜め下方に少しだけ転動し、各転動体32が互いに接近して平板部13Bを挟み込む。また、各転動体32の斜め下方への転動に伴い、各転動体32の軸32Aが各支持部材34の水平スライド孔34Bに沿って互いに接近するように移動し、かつ各支持部材34が下方向に移動する。
【0035】
この状態で、把持機構3が上の方向Zに移動されると、把持機構3においては、各転動体32がその自重により傾斜面38の上で斜め下方に更に僅かに転動して、各転動体32の間で第1部品11の突起部13が僅かに下降しながらも、各転動体32の間に第1部品11の突起部13が確実に把持される。これにより、第1部品11が落下することなく、把持機構3の上の方向Zへの移動に伴って、上の方向Zに移動される。
【0036】
ここで、仮に、第1部品11の突起部13の凸部13Aを各転動体32の間に挟み込むと、凸部13Aに対する各転動体32の接触位置が不安定となって、第1部品11の突起部13を安定的に保持することができないが、本実施形態では、突起部13の平板部13Bが各転動体32の間に到達し、各転動体32の間に平板部13Bが挟み込まれるまで、把持機構3を下の方向Zに移動させているので、平板部13Bに対する各転動体32の接触位置を安定させて、各転動体32の間に第1部品11の突起部13を確実に把持することができる。
【0037】
また、上記のように各転動体32の重さ及び表面の摩擦係数が、第1部品11の突起部13を挟み込んで把持するのに適した値に設定されることで、それぞれの自重により各傾斜面38の上で斜め下方に転動する各転動体32の間には、第1部品11の突起部13の平板部13Bを把持して支持するのに必要十分な摩擦力が生じる。
【0038】
更に、各転動体32が同一サイズの円柱状のものであり、各傾斜面38が開口スペース39の中央を通る鉛直線Eに対して対称に配置され、各支持部材34の水平スライド孔34Bによって各転動体32が同一の高さ位置に支持されるので、突起部13の平板部13Bに対する各転動体32の接触位置が同一高さとなる。また、突起部13の平板部13Bに対してそれぞれの転動体32が線接触する。このため、突起部13の平板部13Bが該平板部13Bの両面に対する各転動体32の同一高さの線接触で安定的に把持される。同時に、平板部13Bが略垂直に垂れ下がる。
【0039】
この後、図3(B)、(C)に示すように把持機構3が第2部品12の直上に位置決めされ、把持機構3により支持されている第1部品11の凸部14が第2部品12の凹部15に嵌合されたときには、把持機構3においては、第1部品11の突起部13が各転動体32を僅かに摺り上げて、各転動体32が傾斜面38の上で斜め上方に転動して互いに少しだけ離間する。この状態で、上記のようにロボット1が、位置ずれ修正装置2並びに把持機構3を左又は右の横方向Xに移動させると、第1部品11の突起部13が筐体31の側壁部33の開口部33A及び支持部材34の開口部34Aを通じて該筐体31の外側に移動され、第1部品11の突起部13が把持機構3から解放される。
【0040】
更に、ロボット1は、図1に示すように修正装置2並びに把持機構3を元の位置に戻す。
【0041】
このように本実施形態の把持機構3は、筐体31の各傾斜面38上で転動するそれぞれの転動体32を設け、自重で斜め下方に転動する各転動体32の間に第1部品11の突起部13を把持するという簡単な構造であり、格別な動力源を必要とせず、故障し難い。
【0042】
また、第1部品11の突起部13に凸部13Aがあっても、この凸部13Aを避けて、突起部13の平板部13Bを各転動体32の間に挟み込んでいるので、第1部品11の突起部13を安定的に把持することができる。
【0043】
更に、各転動体32は、突起部13の平板部13Bの両面に同一高さで線接触して、平板部13Bを挟み込むので、平板部13Bをより安定的に把持することができる。
【0044】
尚、図1乃至図7を用いて説明した上記実施形態の構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0045】
1 ロボット
2 位置ずれ修正装置
3 把持機構
4 位置決め機構
10 組み立て装置
11 第1部品
12 第2部品
13 突起部
31 筐体
32 転動体
33 側壁部(特許請求の範囲の垂直方向支持部)
34 支持部材(特許請求の範囲の水平方向支持部)
35 屈曲壁部
38 傾斜面
39 開口スペース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7