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特許7415457情報処理装置、情報処理プログラム及び三次元造形システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理プログラム及び三次元造形システム
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20240110BHJP
   B29C 64/147 20170101ALI20240110BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240110BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20240110BHJP
【FI】
B29C64/386
B29C64/147
B33Y30/00
B33Y50/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019203456
(22)【出願日】2019-11-08
(65)【公開番号】P2021074960
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】磯部 公彦
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-046316(JP,A)
【文献】特開2018-114678(JP,A)
【文献】特開2017-027520(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 - 64/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、前記プロセッサは、
記録媒体に画像を形成し、前記記録媒体を積層することで三次元造形物を造形するための印刷処理にかかる画像データである三次元画像データと、他の印刷処理にかかる画像データである他の画像データとを取得し、
前記他の画像データを記録する記録媒体の数に応じた高さと、前記三次元画像データにおける三次元造形物の高さとの差が小さくなるように前記三次元画像データ及び前記他の画像データを配置して同一の版に面付けし、
前記面付けされた三次元画像データ及び他の画像データを記録媒体上に形成するための画像形成情報を画像形成装置に出力し、
前記他の画像データは、画像要素からなる二次元画像を印刷するための印刷処理にかかる画像データである二次元画像データを含み、
前記他の画像データが前記二次元画像データである場合、前記二次元画像データは積層された複数の前記記録媒体に記録される、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記三次元造形物を造形する向きを変更するために、三次元画像データを回転して面付けする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記回転は、前記三次元画像データの高さ方向と、奥行き方向又は横幅方向と、を入れ替える処理である請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記記録媒体の数が少なくなるように前記三次元画像データを回転する請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記記録媒体の余白が小さくなるように前記三次元画像データを回転する請求項2又は請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記三次元画像データを分割して面付けする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、分割された複数の前記三次元画像データを同一の前記記録媒体に面付する請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記三次元画像データを拡大又は縮小して面付けする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記三次元画像データのみを前記記録媒体に記録する場合、前記記録媒体を積層方向の高さが最小となるように前記三次元画像データを面付けする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
記録媒体に画像を形成し、前記記録媒体を積層することで三次元造形物を造形するための印刷処理にかかる画像データである三次元画像データと、他の印刷処理にかかる画像データである他の画像データとを取得し、
前記他の画像データを記録する記録媒体の数に応じた高さと、前記三次元画像データにおける三次元造形物の高さとの差が小さくなるように前記三次元画像データ及び前記他の画像データを配置して同一の版に面付けし、
前記面付けされた三次元画像データ及び他の画像データを記録媒体上に形成するための画像形成情報を画像形成装置に出力し、
前記他の画像データは、画像要素からなる二次元画像を印刷するための印刷処理にかかる画像データである二次元画像データを含み、
前記他の画像データが前記二次元画像データである場合、前記二次元画像データは積層された複数の前記記録媒体に記録される、
ことを実行させるための情報処理プログラム。
【請求項11】
請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の情報処理装置と、
画像形成情報及び画像データに応じて記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、
画像が形成された記録媒体に対し、三次元造形用の後処理を行う三次元造形用後処理装置と、
を備えた三次元造形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理プログラム及び三次元造形システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基材の裏面に塗布した接着層を剥離紙によって保護した構成の型紙であって、立体模型の造形に用いるパーツの絵柄、前記パーツの積層順を示す番号、及び、前記パーツの位置合わせに用いる目印が前記基材の表面に印刷され、前記基材と前記接着層までをカットするハーフカットが前記パーツの輪郭に沿って加工されている、ことを特徴とするシート積層造型用型紙が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-111397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
三次元造形物を形成する場合に限らず、記録媒体に記録を行う際、異なる画像データを同一の版の異なる箇所に記録するように設定する処理(ギャンギング)を行うことで、余分な記録媒体の発生を低減することができる。
【0005】
例えば、記録媒体を積層して三次元造形物を形成する場合において、パーツ毎に分割した各々の三次元造形物のパーツを同一の版に記録する技術がある。
【0006】
本発明は、三次元造形物にかかる印刷処理を含む印刷処理の版を生成するシステムにおいて、三次元造形物の高さと、他の印刷処理を実行した際の記録媒体の高さ及び厚み等とが異なる場合に、余分な記録媒体の発生を低減することができる情報処理装置、情報処理プログラム、及び三次元造形システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様の情報処理装置は、プロセッサを有し、プロセッサは、記録媒体に画像を形成し、記録媒体を積層することで三次元造形物を造形するための印刷処理にかかる画像データである三次元画像データと、他の印刷処理にかかる画像データである他の画像データとを取得し、他の画像データを記録する記録媒体の数に応じた高さと、三次元画像データにおける三次元造形物の高さとの差が小さくなるように三次元画像データ及び他の画像データを配置して同一の版に面付けし、面付けされた三次元画像データ及び他の画像データを記録媒体上に形成するための画像形成情報を画像形成装置に出力する。
【0008】
第2の態様の情報処理装置は、第1の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、三次元造形物を造形する向きを変更するために、三次元画像データを回転して面付けする。
【0009】
第3の態様の情報処理装置は、第2の態様に係る情報処理装置において、回転は、三次元画像データの高さ方向と、奥行き方向、又は横幅方向とを入れ替える処理である。
【0010】
第4の態様の情報処理装置は、第2の態様又は第3の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、記録媒体の数が少なくなるように三次元画像データを回転する。
【0011】
第5の態様の情報処理装置は、第2の態様又は第3の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、記録媒体の余白が小さくなるように三次元画像データを回転する。
【0012】
第6の態様の情報処理装置は、第1の態様から第5の態様までのいずれか1つの態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、三次元画像データを分割して面付けする。
【0013】
第7の態様の情報処理装置は、第6の態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、分割された複数の三次元画像データを同一の記録媒体に面付する。
【0014】
第8の態様の情報処理装置は、第1の態様から第7の態様までのいずれか1つの態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、三次元画像データを拡大又は縮小して面付けする。
【0015】
第9の態様の情報処理装置は、第1の態様から第8の態様までのいずれか1つの態様に係る情報処理装置において、プロセッサは、三次元画像データのみを記録媒体に記録する場合、記録媒体の積層が最小となるように三次元画像データを面付けする。
【0016】
第10の態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、記録媒体に画像を形成し、記録媒体を積層することで三次元造形物を造形するための印刷処理にかかる画像データである三次元画像データと、他の印刷処理にかかる画像データである他の画像データとを取得し、他の画像データを記録する記録媒体の数に応じた高さと、三次元画像データにおける三次元造形物の高さとの差が小さくなるように三次元画像データ及び他の画像データを配置して同一の版に面付けし、面付けされた三次元画像データ及び他の画像データを記録媒体上に形成するための画像形成情報を画像形成装置に出力する。
【0017】
第11の態様の三次元造形システムは、第1の態様から第9の態様までのいずれか1つの態様に係る情報処理装置と、画像形成情報及び画像データに応じて記録媒体に画像を形成する画像形成装置と、画像が形成された記録媒体に対し、三次元造形用の後処理を行う三次元造形用後処理装置と、を備える。
【発明の効果】
【0018】
第1の態様の情報処理装置、第10の態様の情報処理プログラム、第11の態様の三次元造形システムによれば、三次元造形物の高さと、他の印刷処理を実行した際の記録媒体の高さ及び厚み等とが異なる場合に、余分な記録媒体の発生を低減することができる。
【0019】
第2の態様の情報処理装置によれば、三次元画像データを回転せずに記録媒体に面付けする場合と比較して、余分な記録媒体の発生を低減することができる。
【0020】
第3の態様の情報処理装置によれば、回転することで、高さ方向と入れ替える方向を横幅方向又は奥行き方向に限定していない場合と比較して、三次元造形物の高さを小さくするための処理時間を短縮することができる。
【0021】
第4の態様の情報処理装置によれば、記録媒体の数を考慮せずに三次元画像データを面付けする場合と比較して、三次元画像データを印刷する処理時間を短縮することができる。
【0022】
第5の態様の情報処理装置によれば、記録媒体の余白を考慮せずに面付けする場合と比較して、より多くの三次元画像データを面付けすることができる。
【0023】
第6の態様の情報処理装置によれば、三次元画像データを分割せずに記録媒体に面付けする場合と比較して、余分な記録媒体の発生を低減することができる。
【0024】
第7の態様の情報処理装置によれば、分割した三次元画像データを異なる記録媒体に面付けする場合と比較して、三次元画像データを印刷する処理時間を短縮することができる。
【0025】
第8の態様の情報処理装置によれば、三次元画像データを拡大及び縮小せずに記録媒体に面付けする場合と比較して、余分な記録媒体の発生を低減することができる。
【0026】
第9の態様の情報処理装置によれば、積層する記録媒体の数を考慮せずに三次元データを面付けする場合と比較して、三次元画像データを印刷する処理時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】各実施形態に係る三次元造形システムの概略構成例を示す図である。
図2】各実施形態に係る三次元造形システムの他の概略構成例を示す図である。
図3】各実施形態に係るシート積層型の三次元造形工程の一例を示す模式図である。
図4】各実施形態に係るスライス画像の一例を示す模式図である。
図5】各実施形態に係る切り出し線を特定する制御データの一例を示す模式図である。
図6】各実施形態に係る糊付け領域を特定する制御データの一例を示す模式図である。
図7】各実施形態に係る情報処理装置の電気系統の要部構成例を示すブロック図である。
図8】各実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。
図9】第1実施形態に係る三次元造形物の分割の説明に供する複数の画像データを同一の記録媒体に面付けする処理の一例を示す模式図である。
図10】第1実施形態に係る情報処理プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11】第2実施形態に係る三次元造形物の回転の説明に供する複数の画像データを同一の記録媒体に面付けする処理の一例を示す模式図である。
図12】第2実施形態に係る情報処理プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】第3実施形態に係る複数の画像データを同一の記録媒体に面付けする処理の一例を示す模式図である。
図14】第3実施形態に係る情報処理プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15】第4実施形態に係る三次元造形物の拡大及び縮小の説明に供する複数の画像データを同一の記録媒体に面付けする処理の一例を示す模式図である。
図16】第4実施形態に係る情報処理プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、同じ機能を担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を省略する。
【0029】
(三次元造形システム:全体構成)
まず、三次元造形システムについて説明する。
【0030】
三次元造形システムは、二次元画像データを受け付けた場合、例えば、記録媒体に電子写真方式による画像形成を行い、三次元画像データを受け付けた場合、記録媒体を積層するシート積層型の三次元造形法で三次元造形物を作製する。
【0031】
シート積層型の三次元造形法では、立体モデルの三次元画像データを複数面でスライスして複数のスライスデータを生成し、複数のスライスデータに基づいて紙等のシート状の記録媒体上に一連のスライス画像を形成する。そして、一連のスライス画像が形成された複数の記録媒体を加工して積層する等、複数の記録媒体に対し三次元造形用の後処理を行う。ここで「一連の」とは、三次元画像データから生成された「複数のスライスデータ」に対応するという意味である。
【0032】
図1(A)及び図1(B)は本実施形態に係る三次元造形システムの構成の一例を示す概略図である。図2は本実施形態に係る三次元造形システムの構成の他の一例を示す概略図である。図1(A)に示すように、本実施形態に係る三次元造形システムは、情報処理装置10、画像形成装置12、及び三次元造形用後処理装置14を備えている。また、図1(B)に示すように、情報処理装置10、画像形成装置12、及び三次元造形用後処理装置14の各々は、互いに通信回線18を介して通信可能に接続されている。以下では、三次元造形用後処理装置14を「後処理装置14」と略称する。
【0033】
画像形成装置12は、ラスタ画像データに基づいて記録媒体50上に画像を形成する。本実施形態では、画像形成装置12は三次元造形専用の装置ではない。二次元画像データに基づく画像形成が指示された場合は、画像形成装置12は通常の画像形成装置として機能する。したがって、情報処理装置10は、二次元画像データに基づく画像形成か、三次元画像データに基づく三次元造形か、に応じて異なる情報処理を行う。
【0034】
画像形成装置12は、例えば、電子写真方式により記録媒体上に画像を形成する装置である。電子写真方式の画像形成装置12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、及び定着装置等を含んで構成される。帯電装置は、感光体ドラムを帯電させる。露光装置は、帯電された感光体ドラム上を画像に応じた光で露光する。現像装置は、露光により感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナーによって現像する。転写装置は、感光体ドラム上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する。定着装置は、記録媒体に転写されたトナー像を定着する。なお、画像形成装置12をインクジェット記録装置としてもよい。この場合、画像形成装置12は、画像に応じてインク滴を記録媒体上に吐出するインクジェット記録ヘッド等を含んで構成される。
【0035】
情報処理装置10は、三次元画像データに基づく三次元造形物の造形指示を受け付けた場合には、三次元画像データから複数のスライスデータを生成する。次に、一連のラスタ画像を形成するために、複数のスライスデータから一連のラスタ画像データを生成する。そして、一連のラスタ画像データを画像形成装置12に出力する。また、二次元画像データに基づく二次元画像の形成指示を受け付けた場合には、二次元画像データからラスタ画像データを生成して、二次元画像のラスタ画像データを画像形成装置12に出力する。
【0036】
また、情報処理装置10は、三次元画像データに基づく三次元造形物の造形指示を受け付けた場合には、複数のスライスデータから一連の制御データをさらに生成する。一連の制御データは、後処理装置14に三次元造形用の後処理を行わせるためのデータである。後述する通り、制御データは、記録媒体から積層部品を切り出す「切り出し線」を特定する制御データと、記録媒体に糊を塗布する「糊付け領域」を特定する制御データとを含む。
【0037】
後処理装置14は、一連のスライス画像が形成された記録媒体50に対し三次元造形用の後処理を行う。図1(A)に示すように、後処理装置14は、画像形成装置12に対し、記録媒体50の搬送路を共有しない配置(オフライン、ニアライン)としてもよい。また、図2に示すように、後処理装置14は、画像形成装置12に対し、記録媒体50の搬送路を共有する配置(インライン)としてもよい。
【0038】
搬送路を共有しない配置の場合は、一連のスライス画像が形成された複数の記録媒体50は、スライス画像の形成順に積層され、スタッカ等の収容機構16に蓄積される。積層された複数の記録媒体50の束は、収容機構16から取り出され、まとめて後処理装置14に引き渡される。一方、搬送路を共有する配置の場合は、スライス画像が形成された記録媒体50が1枚ずつ後処理装置14に搬送される。
【0039】
本実施形態に係る情報処理装置10は、上述した三次元画像データとして、記録媒体50上に造形する三次元造形物の三次元画像データを受け付ける。
【0040】
(シート積層型の三次元造形)
次に、シート積層型の三次元造形の各工程について説明する。
【0041】
図3(A)は、三次元画像データを用いたシート積層型の三次元造形の画像形成工程を示す模式図である。図3(B)はシート積層型の三次元造形の後処理工程を示す模式図である。
【0042】
まず、図3(A)に示すように、情報処理装置10は、立体モデルMの三次元画像データから複数のスライスデータを生成する。本実施形態の例では、1番からT番までのT個のスライスデータが生成される。1番からT番までのT個のスライスデータの各々は、1番からT番までのT個のスライス画像を形成するために、ラスタ画像データに変換される。
【0043】
次に、図3(A)に示すように、スライス画像を記録媒体に形成する。画像形成装置12は、一連のラスタ画像データに基づいて、記録媒体50上に一連のスライス画像を形成する。一連のスライス画像が形成された複数の記録媒体50~50は、スライス画像の形成順に積層される。「n番」を1番からT番までの番号とすると、n番のスライス画像はn番の記録媒体50に形成される。
【0044】
図示した例では、1番からT番までのT個のスライス画像は、T番から1番まで降順に形成される。T番のスライス画像を形成した記録媒体50を最下層として、複数の記録媒体50~50はT番から1番まで降順に積層される。複数の記録媒体50~50を降順に積層しておくことで、続く後処理工程では、複数の記録媒体50~50は、1番からT番まで昇順に供給される。即ち、後処理装置14で後処理を行う順序とは「逆」の順序で、T個のスライス画像を記録媒体50に形成する。
【0045】
次に、図3(B)に示すように、スライス画像が形成された記録媒体50に対し後処理を行う。後処理装置14は、糊付け処理を行う糊付け部20、切り出し処理を行う切り出し部22、及び圧着処理を行う圧着部24を備えている。糊付け部20、切り出し部22、及び圧着部24の各々は、記録媒体50を搬送する搬送路26に沿って記載した順序で配置されている。後処理装置14は、一連のスライス画像に応じた一連の制御データを、情報処理装置10から取得する。
【0046】
ここで、スライス画像について説明する。
【0047】
図4(A)から(C)はスライス画像が記録媒体に形成された様子の一例を示す模式図である。図4(A)に示すように、記録媒体50上のスライス画像は、積層されて三次元造形物となる積層部品52と不要部分53とで構成される。積層部品52の周辺部には、設定された幅の着色領域56が設けられる。図4(B)に示すように、積層部品52の外周線が、記録媒体50から積層部品52を切り出すための切り出し線54である。
【0048】
図4(C)に示すように、糊付け領域58は、例えば、着色領域56よりも内側の領域等、積層部品52の外周線(切り出し線54)よりも内側に設定される。なお、不要部分53も含め記録媒体50の全面に糊付けしてもよいが、糊付け領域58を積層部品52の外周線の内側に設定することで、全面に糊付けする場合に比べて、除去対象E(図3(B)参照)を取り除く作業が容易になる。また、糊付け領域58を積層部品52の外周線の内側に設定することで、糊付け後の圧着処理の際に糊が積層部品52からはみ出さない。
【0049】
なお、着色領域56の幅の設定や糊付け領域58の積層部品52の外周線からの後退幅の設定は、例えば、情報処理装置10の表示部34に設定画面を表示して、操作部32により利用者からの設定を受け付ける等、利用者が三次元造形を指示する際に行ってもよい。また、予め定めた初期設定を採用してもよい。
【0050】
制御データは、切り出し線54を特定する制御データと、糊付け領域58を特定する制御データとを含む。例えば、切り出し線54の経路に在る点の座標データが、切り出し線54を特定する制御データとなる。また、糊付け領域58の各点の座標データが、糊付け領域58を特定する制御データとなる。
【0051】
糊付け部20には、複数の記録媒体50の束から、記録媒体50が1枚ずつ供給される。糊付け部20は、糊付け領域58を特定する制御データに基づいて、記録媒体50の糊付け領域58に糊を塗布する。糊付け部20は、例えば、糊を吐出する糊吐出ヘッドを備えていてもよい。糊吐出ヘッドは、積層方向(w方向)及び記録媒体50の面内方向(u方向、v方向)に移動する。糊吐出ヘッドが糊を吐出しながら糊付け領域58を走査することで、記録媒体50の糊付け領域58に糊が塗布される。糊付け処理を終えた記録媒体50は、切り出し部22に供給される。
【0052】
切り出し部22は、切り出し線54を特定する制御データに基づいて、切り出し線54に沿って記録媒体50に切り込みを入れる。切り出し部22は、例えば、刃先を有するカッタとしてもよい。カッタの刃先は、積層方向(w方向)及び記録媒体50の面内方向(u方向、v方向)に移動する。カッタの刃先を、記録媒体50に押し当てながら、面内方向に移動させることで、記録媒体50に切り込みが入れられる。
【0053】
カッタの刃先の積層方向の位置を調節することで、切り込みの深さが決められる。切り込みの深さは、裏面に到達しない深さとしてもよい。積層部品が記録媒体50から切り離されていないので、搬送過程での積層部品52の欠落が回避される。
【0054】
カッタは、記録媒体50に対し切り出し線54に沿って切り込みを入れる機能を備えていればよく、刃先を押し当てる力学的カッタには限定されない。例えば、超音波を照射して切り込みを入れる超音波カッタや、レーザ光を照射して切り込みを入れるレーザカッタを用いてもよい。
【0055】
なお、切り出し部22は、切り込みを入れる代わりに、切り出し線54に沿って記録媒体50に複数の穿孔を形成してもよい。複数の穿孔を形成する場合は、積層部品が記録媒体50と繋がっているので、搬送過程での積層部品52の欠落が更に回避される。
【0056】
切り出し処理を終えた記録媒体50は、圧着部24に供給される。圧着部24は、供給された記録媒体50を順次積層する。このとき、複数の記録媒体50~50は1番からT番まで昇順に積層される。そして、圧着部24は、積層された複数の記録媒体50の束に対し積層方向に沿って圧力を付加して、複数の記録媒体50を圧着する。圧着により、糊付けされた複数の記録媒体50~50の各々は、上下の記録媒体50と糊付け領域58で接着される。
【0057】
切り出し処理を終えた記録媒体50は、積層されて三次元造形物Pとなる積層部品52と不要部分53とで構成されるが、不要部分53を除去せずに一体として積層する。記録媒体50の不要部分53は、積層部品52が積層された三次元造形物Pを支える支持部材となる。圧着部24での圧着処理が終了した後に、記録媒体50の積層部品52が積層された除去対象Eを除去して、三次元造形物Pを分離する。
【0058】
次に、「制御データ」の一例について説明する。
【0059】
図5(A)及び(B)は切り出し線を特定する制御データの一例を示す模式図である。図6(A)及び(B)は糊付け領域を特定する制御データの一例を示す模式図である。後述するとおり、積層データは、ポリゴンとスライス面とが交差する交差領域の頂点の座標データを含む。交差領域は、積層部品52の外周線に沿って存在する。したがって、図5(A)に示すように、点Aの座標(u、v)など、切り出し線54の経路に在る点の座標データが、切り出し線54を特定する制御データとなる。
【0060】
図示した例では、星型の積層部品52は11個の頂点AからA10までを有している。例えば、点Aを始点とする場合は、A→A→A→A→A→A→A→A→A→A→A10の順に各点を辿ることで、切り出し線54が特定される。
【0061】
また、図5(B)に示すように、複数の穿孔を形成する場合は、切り出し線54の経路に在る穿孔点の座標データが、切り出し線54を特定する制御データとなる。例えば、点Aを始点とする場合は、A→A→A→A→A・・・など、穿孔の形成順に各点を辿ることで、切り出し線54が特定される。
【0062】
図6(A)に示すように、糊付け領域58の各点の座標データが、糊付け領域58を特定する制御データとなる。糊付け領域58は、積層部品52よりもひとまわり小さく、積層部品52の外周線の内側に設定される。積層部品52の画像を縮小して、糊付け領域58を特定してもよい。この場合、積層部品52の画像の重心と糊付け領域58の重心とを合わせるように、糊付け領域58を配置する。糊付け領域58の各点の座標データは、積層部品52の外周線からの後退幅、及び切り出し線54の経路に在る点の座標データから求められる。
【0063】
また、図6(B)に示すように、糊付け領域58の全体にわたって糊付けを行う必要はない。糊付け領域58を部分的に間引いて、糊付け領域58の一部に糊付けを行ってもよい。また、糊付け領域58の全体にわたって糊の濃度が一定である必要はない。糊の濃度を変更してもよい場合は、糊付け領域58の周辺部の糊の濃度を、糊付け領域58の中央部の糊の濃度より濃くしてもよい。
【0064】
切り出し線54を特定する制御データの原点、及び糊付け領域58を特定する制御データの原点は、スライス画像を形成する際の画像形成位置の原点と揃えられる。後処理装置14が画像読み取り機能を備えている場合、画像形成装置12で記録媒体50上にスライス画像と共に「制御データの原点」の位置を表すマーク画像を形成し、後処理装置14でマーク画像を読み取って「制御データの原点」の位置情報を取得してもよい。
【0065】
なお、制御データの形式は、座標データには限定されない。例えば、2値のラスタ画像データなど、切り出し線54や糊付け領域58が、図形やイメージとして表現される画像データとしてもよい。2値のラスタ画像データである場合、図4(B)に示す例では、切り出し線54の画素値を「1」とし、その他の領域の画素値を「0」とする。図4(C)に示す例では、糊付け領域58の画素値を「1」とし、その他の領域の画素値を「0」とする。例えば、糊付け部20の糊吐出ヘッドは、画素値「1」の場合に、記録媒体50上に糊を吐出する。また、画素値「0」の場合には、記録媒体50上に糊を吐出しない。
【0066】
(情報処理装置)
次に、情報処理装置10について説明する。
【0067】
図7は本発明の実施形態に係る情報処理装置10の電気的な構成を示すブロック図である。図7に示すように、情報処理装置10は、情報処理部30、利用者の操作を受け付ける操作部32、利用者に情報を表示する表示部34、外部装置31との通信を行う通信部36、及び外部記憶装置等の記憶部38を備えている。操作部32、表示部34、通信部36、及び記憶部38は、情報処理部30の入出力インターフェース(I/O)30Eに接続されている。
【0068】
情報処理部30は、CPU(Central Processing Unit)30A、ROM(Read Only Memory)30B、RAM(Random Access Memory)30C、不揮発性メモリ30D、及びI/O30Eを備える。そして、CPU30A、ROM30B、RAM30C、不揮発性メモリ30D、及びI/O30Eがバス30Fを介して互いに接続されている。CPU30Aは、ROM30Bからプログラムを読み出し、RAM30Cをワークエリアとしてプログラムを実行する。
【0069】
操作部32は、マウス、キーボード等により利用者からの操作を受け付ける。表示部34は、ディスプレイ等により各種画面を利用者に表示する。通信部36は、有線又は無線の通信回線を介して外部装置31と通信を行う。通信部36は、例えば、LAN(Local Area Network)、専用回線、又はインターネット等の通信回線に接続されたコンピュータ等の外部装置31と通信を行うためのインターフェースとして機能する。記憶部38は、ハードディスク等の記憶装置を備えている。
【0070】
図8は本実施形態に係る情報処理装置10の機能構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、情報処理装置10は、算出部41、面付け処理部42、ファイル形式変換部43、ラスタ処理部44、三次元画像データ処理部45、及び制御データ記憶部49を備えている。
【0071】
算出部41は、二次元画像を形成する場合、又は三次元造形物を造形する場合に要する記録媒体50の数を集計し、二次元画像を形成した場合、及び三次元造形物を造形した場合の各々の高さを算出する。
【0072】
面付け処理部42は、同一の記録媒体に配置する二次元画像を形成した場合の高さと、三次元造形物を造形した場合の高さとを比較する。面付け処理部42は、比較結果に応じて、三次元造形物における三次元画像データに、二次元画像データを形成する場合の記録媒体50の数に応じた高さと、三次元画像データにおける三次元造形物の高さとの差が小さくなるように処理を施す。面付け処理部42は、処理を施した三次元画像データ、及び二次元画像データを同一の記録媒体に配置する。面付け処理部42は、二次元画像データ及び三次元画像データと、記録媒体50上に配置した二次元画像データ及び三次元画像データの位置とを関連付けた面付け制御データを生成し、画像形成装置12に出力する。ここで、以下では、三次元画像データ、及び二次元画像データを同一の記録媒体50上に配置することを「面付け」という。
【0073】
ファイル形式変換部43は、ページ記述言語で記述されたデータ(以下、「PDLデータ」という。)が取得された場合に、取得されたPDLデータを中間データに変換する。
【0074】
ラスタ処理部44は、ファイル形式変換部43で得られた中間データをラスタ処理してラスタ画像データを生成する。また、ラスタ処理部44は、後述する画像データ生成部47で得られたスライス画像データをラスタ処理してラスタ画像データを生成する。
【0075】
三次元画像データ処理部45は、スライス処理部46、画像データ生成部47、及び制御データ生成部48を含み、取得した三次元画像データを処理してスライス画像データと制御データとを生成する。
【0076】
スライス処理部46は、取得した高さの差が小さくなるように処理を施された三次元画像データからスライスデータを生成する。画像データ生成部47は、スライス処理部46で得られたスライスデータからスライス画像データを生成する。制御データ生成部48は、スライス処理部46で得られたスライスデータから制御データを生成する。制御データ記憶部49は、制御データ生成部48で得られた制御データを格納する。
【0077】
(二次元データ処理)
二次元画像に対する「二次元データ処理」について説明する。
【0078】
二次元画像データに基づく画像形成が指示された場合には、二次元画像データはPDLデータとして取得されている。PDLデータは、ファイル形式変換部43により中間データに変換されて、ラスタ処理部44に出力される。中間データは、ラスタ処理部44によりラスタ処理されて、二次元画像のラスタ画像データが生成される。ラスタ画像データは、画像形成装置12に出力される。
【0079】
ここで「中間データ」とは、ページの画像を構成する画像要素である各オブジェクト(例えば、文字フォント、グラフィックス図形、画像データ)を、ラスタ走査の走査線ごとに区切った区間データである。区間データは、オブジェクトが1つの走査線上に占める区間を表すデータである。区間データは、例えばその区間の両端の座標の組で表される。また、区間データは、その区間内の各画素の画素値を規定する情報を含む。PDLデータを中間データに変換して転送することで、情報処理装置10内でのデータ転送速度が向上する。
【0080】
(三次元画像データ処理)
三次元画像データに対する「三次元画像データ処理」について説明する。
【0081】
三次元画像データに基づく三次元造形が指示された場合には、立体モデルの三次元画像データが取得される。スライス処理部46は、三次元画像データからスライスデータを生成する。生成されたスライスデータは、画像データ生成部47及び制御データ生成部48の各々に出力される。ここで「三次元画像データ」及び「スライスデータ」について詳細に説明する。
【0082】
立体モデルMの三次元画像データとしては、例えば、OBJフォーマットの三次元画像データ(以下、「OBJデータ」という。)が用いられる。OBJデータでは、立体モデルMは三角形のポリゴンの集合として表現される。なお、三次元画像データは、STLフォーマット等の他のフォーマットでもよい。STLフォーマットは色情報を備えていないので、STLフォーマットを用いる場合は、色情報を付加する。
【0083】
以下では、三次元画像データがOBJデータである場合について説明する。OBJデータは、形状データを取り扱うOBJファイルと、色情報を取り扱うMTLファイルとを含む。OBJファイルには、各ポリゴンについて、ポリゴン固有の面番号及び三角形のポリゴンの各頂点の座標データ等が対応付けられている。MTLファイルには、各ポリゴンに色情報が対応付けられている。
【0084】
スライス処理部46は、立体モデルMを積層方向に交差する方向に沿ってスライスするスライス面の方向を設定する。そして、スライス処理部46は、設定したスライス面の方向に沿って、スライス面と直交する方向に予め定めた積層ピッチ(距離)kで一方の端部から立体モデルMを順次スライスしていき、立体モデルMをスライスする毎にスライスデータを生成する。
【0085】
この際、スライスし始めた一方の端部のスライス面の番号を「1」とし、立体モデルMをスライスする毎に、得られるスライス面の番号を「1」増やす。図3(A)に示した例では、1番からT番までのT個のスライス面がある。スライスデータは、立体モデルMをスライス面でスライスして得られる断面画像を表す。具体的には、スライスデータは、スライス面の番号、ポリゴンとスライス面とが交差する交差領域の頂点の座標データ、及びスライス面と交差するポリゴンに設定された色情報により、立体モデルMの断面画像を表す。T個のスライス面に応じて、1番からT番までのT個のスライスデータが生成される。なお、積層ピッチkは予め定めた間隔の一例である。
【0086】
画像データ生成部47は、スライス処理部46で得られたスライスデータから、スライス画像データを生成する。スライスデータは、例えばJPEG等のファイル形式のスライス画像データに変換される。なお、スライス画像データを生成する際に、スライス画像に着色領域を付加してもよい。生成されたスライス画像データは、ラスタ処理部44に出力される。ラスタ処理部44は、画像データ生成部47で得られたスライス画像データをラスタ処理して、ラスタ画像データを生成する。生成されたスライス画像のラスタ画像データは、画像形成装置12に出力される。
【0087】
また、画像データ生成部47は、中間データを生成する構成としてもよい。この場合は、画像データ生成部47は、スライス処理部46で得られたスライスデータからPDLデータを生成し、PDLデータをファイル形式変換部43に出力する。PDLデータは、ファイル形式変換部43により中間データに変換されて、ラスタ処理部44に出力される。中間データは、ラスタ処理部44によりラスタ処理されて、スライス画像のラスタ画像データが生成される。ラスタ画像データは、画像形成装置12に出力される。
【0088】
制御データ生成部48は、スライス処理部46で得られたスライスデータから、制御データを生成する。生成された制御データは、スライス画像の番号(スライス面の番号と同じ)と関連付けられて、制御データ記憶部49に記憶される。なお、制御データは、利用者から後処理開始の指示を受け付けると、制御データ記憶部49から読み出されて、後処理装置14に出力される。
【0089】
記録媒体50上に三次元造形物を造形する場合、制御データには最下層のスライス画像、すなわち番号「1」が対応付けられたスライス画像の記録媒体50上における位置が関連付けられる。記録媒体50上における媒三次元体造形物の位置情報は、例えば立体モデルMに対応付けておけばよい。後処理装置14は、指定された位置に三次元造形物が配置されるように、三次元造形物の切り出し及び糊付けを行う。
【0090】
つまり、情報処理装置10は、受け付けた複数の印刷処理の各々から画像データを取得し、各々のからラスタ画像データ及び面付け制御データ(以下、「画像形成情報」という。)を画像形成装置12に出力し、制御データを後処理装置14に出力する。
【0091】
なお、図8に示した情報処理装置10の機能ブロック図では、情報処理装置10が制御データ記憶部49を備える構成としているが、制御データを格納する記憶手段は、情報処理装置10外に配置してもよい。例えば、後処理装置14に記憶手段を設けてもよい。この場合は、情報処理装置10で生成された制御データは、後処理装置14の記憶手段に格納され、後処理装置14の記憶手段から読み出されて使用される。
【0092】
上述したように、立体モデルMに対応したスライスデータを生成するためには、面付け処理部42において三次元画像データを設定する必要がある。
【0093】
そこで、図9に示すように、二次元画像データ及び三次元画像データを記録媒体に面付けする手法について説明する。
【0094】
図9は、本実施形態に係る三次元造形物Pの分割の説明に供する複数の画像データを記録媒体に面付けする処理の一例を示す模式図である。
【0095】
図9に示すように、三次元造形物Pを造形した場合の高さが2aとなる三次元画像データと、三次元造形物Qを造形した場合の高さがaとなる三次元画像データと、二次元画像Rを形成した場合の高さがaとなる二次元画像データを面付けする形態について説明する。なお、以下では、三次元造形物Qを造形した場合の高さがaとなる三次元画像データを「他の三次元画像データ」、及び二次元画像Rを形成した場合の高さがaとなる二次元画像データを「他の二次元画像データ」という。また、他の三次元画像データにおける三次元造形物Qを「他の三次元造形物Q」、及び他の二次元画像データにおける二次元画像Rを「他の二次元画像R」という。また、他の三次元画像データ及び他の二次元画像データは、他の画像データの一例である。
【0096】
情報処理装置10は、三次元造形物Pの高さが小さくなるように、三次元画像データを分割し、分割した各々の三次元画像データを面付けする。具体的には、情報処理装置10は、分割して高さがaとなった三次元画像データP1及び三次元画像データP2の各々を領域A及び領域Bに配置し、高さがaである他の三次元画像データ、及び他の二次元画像データは領域C及び領域Dに配置する。
【0097】
この処理により、上記の配置に従って面付けした面付け制御データを用いて、三次元造形物を造形した場合、及び二次元画像を形成した場合、分割した各々の三次元画像データにおける高さと、他の三次元画像データ及び他の二次元画像における高さが揃う。したがって、分割した各々の三次元画像データ、他の三次元画像データ、及び他の二次元画像は、各々の高さの差を小さくして同一の記録媒体50に面付けされる。
【0098】
なお、本実施形態に係る三次元画像データを二分割する形態について説明した。しかし、これに限定されない。三次元画像データを三分割以上に分割する形態であってもよいし、三次元造形物Pの部品毎に分割してもよい。また、分割した三次元画像データの各々を異なる領域に配置する形態について説明した。しかし、これに限定されない。不要部分53となる領域の余白の大きさに応じて、分割した三次元画像データの各々を同一の領域に配置してもよい。
【0099】
次に、図10を参照して、情報処理装置10の作用について、説明する。図10は、情報処理装置10で実行される情報処理プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理プログラムは、情報処理装置10のROM30Bに記憶されている。情報処理プログラムは、利用者から三次元画像データを受け付けた場合に、情報処理装置10のCPU30AによりROM30Bから読み出されて実行される。
【0100】
ステップS101において、CPU30Aは、画像データを取得する。
【0101】
ステップS102において、CPU30Aは、取得した画像データに三次元画像データが含まれているか否かの判定を行う。画像データに三次元画像データが含まれている場合(ステップS102:YES)、CPU30Aは、ステップS103に移行する。一方、画像データに三次元画像データが含まれていない場合(ステップS102:NO)、CPU30Aは、ステップS110に移行する。
【0102】
ステップS103において、CPU30Aは、三次元画像データから三次元造形物Pの高さを取得する。
【0103】
ステップS104において、CPU30Aは、取得した画像データに二次元画像データが含まれているか否かの判定を行う。画像データに二次元画像データが含まれている場合(ステップS104:YES)、CPU30Aは、ステップS105に移行する。一方、画像データに二次元画像データが含まれていない場合(ステップS104:NO)、CPU30Aは、ステップS107に移行する。
【0104】
ステップS105において、CPU30Aは、二次元画像データにおける記録媒体50の数を取得する。
【0105】
ステップS106において、CPU30Aは、二次元画像データにおける記録媒体50の数から二次元画像を形成した場合の高さを算出する。なお、二次元画像を形成した場合の高さは、例えば、記録媒体50の数に記録媒体50の厚さを乗じて算出される。
【0106】
ステップS107において、CPU30Aは、二次元画像を形成した場合の高さ、及び三次元造形物を造形した場合の高さを比較する。
【0107】
ステップS108において、CPU30Aは、比較した高さの差が閾値を超えているか否かの判定を行う。高さの差が閾値を超えている場合(ステップS108:YES)、CPU30Aは、ステップS109に移行する。一方、高さの差が閾値を超えていない場合(ステップS108:NO)、CPU30Aは、ステップS110に移行する。
【0108】
ここで、閾値は、特に限定されず、いかなる方法で設定されてもよい。例えば、閾値は、予め定められた記録媒体の数を設定されてもよいし、三次元造形物Pの高さ及び他の画像データにおける高さを用いて算出されてもよい。具体的には、三次元画像データ及び他の画像データを比較した高さの差が、三次元造形物Pの高さの4分の1以上になると、三次元画像データを二分割しない場合と比較して、三次元画像データを二分割した方が記録媒体の数が少なくなる。つまり、三次元画像データを二分割する場合、閾値は、三次元造形物Pの高さが4分の1となる記録媒体の数が設定される。
【0109】
ステップS109において、CPU30Aは、三次元画像データを分割する。
【0110】
ステップS110において、CPU30Aは、二次元画像データ、及び三次元画像データを記録媒体50に配置した面付け制御データを生成する。
【0111】
ステップS111において、CPU30Aは、取得した画像データに二次元画像データが含まれているか否かの判定を行う。画像データに二次元画像データが含まれている場合(ステップS111:YES)、CPU11は、ステップS112に移行する。一方、画像データに二次元画像データが含まれていない場合(ステップS111:NO)、CPU30Aは、ステップS113に移行する。
【0112】
ステップS112において、CPU30Aは、二次元データ処理を行う。ここで、二次元データ処理とは、上述した二次元画像に対する「二次元データ処理」である。
【0113】
ステップS113において、CPU30Aは、取得した画像データに三次元画像データが含まれているか否かの判定を行う。画像データに三次元画像データが含まれている場合(ステップS113:YES)、CPU30Aは、ステップS114に移行する。一方、画像データに三次元画像データが含まれていない場合(ステップS113:NO)、CPU30Aは、ステップS115に移行する。
【0114】
ステップS114において、CPU30Aは、三次元画像データ処理を行う。ここで、三次元画像データ処理とは、上述した三次元画像に対する「三次元画像データ処理」である。
【0115】
ステップS115において、CPU30Aは、ラスタ画像データ、及びラスタ画像を記録媒体50上に配置する位置を含む画像形成情報を画像形成装置12に送信する。
【0116】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の画像データを同一の記録媒体50に記録する場合において、各々の画像データを形成した際の高さの差が小さくなる。したがって、三次元造形物Pの高さと、他の印刷処理を印刷した際の記録媒体50の高さ及び厚み等とが異なる場合に、余分な記録媒体50の発生が低減される。
【0117】
[第2実施形態]
第1実施形態では、三次元造形物Pにおける三次元画像データを分割する形態について説明した。本実施形態では、三次元画像データを回転する形態について説明する。なお、本実施形態に係る三次元造形システムの概略構成例(図1参照)、三次元造形システムの他の概略構成例(図2参照)、及びシート積層型の三次元造形工程(図3参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、本実施形態に係るスライス画像(図4参照)、切り出し線を特定する制御データ(図5参照)、糊付け領域を特定する制御データ(図6参照)、及び情報処理装置10の電気系統の要部構成例(図7参照)、及び情報処理装置10の機能構成例(図8参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0118】
まず、図11を参照して、二次元画像データ及び三次元画像データを同一の記録媒体に面付けし、立体モデルMを設定する手法について説明する。図11は、本実施形態に係る三次元造形物Pの回転の説明に供する複数の画像データを同一の記録媒体に面付けする処理の一例を示す模式図である。
【0119】
図11に示すように、三次元画像データにおける三次元造形物Pを造形した場合の高さが2a、横幅がaであり、記録媒体50に面付けする他の三次元画像データ及び他の二次元画像を形成した場合の高さがaである形態について説明する。なお、以下では、三次元造形物Pの奥行きに沿う方向をX軸方向、三次元造形物Pの横幅に沿う方向をY軸方向、及び記録媒体50を積層する方向をZ軸方向とし、X軸周りに回転する方向をロール角方向、及びY軸周りに回転する方向をピッチ角方向という。
【0120】
情報処理装置10は、三次元造形物Pの高さが小さくなるように、三次元画像データを回転して、高さと横幅を入れ替える処理を行い、回転した三次元画像データを記録媒体に配置する。具体的には、情報処理装置10は、ロール角方向に90度回転して、高さがaとなった三次元画像データを記録媒体の領域Aに配置し、高さがaである他の三次元画像データ、及び他の二次元画像データは領域B、領域C及び領域Dに配置する。
【0121】
この処理により、回転した三次元画像データにおける高さと、他の三次元画像データ及び他の二次元画像における高さが揃う。したがって、回転した三次元画像データ、他の三次元画像データ、及び他の二次元画像は、各々の高さの差を小さくして同一の記録媒体に面付けされる。
【0122】
なお、本実施形態では、三次元画像データをロール角方向に90度回転して、高さ方向と、横幅方向を入れ替える形態について説明した。しかし、これに限定されない。高さ方向と、奥行き方向を入れ替えてもよいし、ピッチ角及びロール角方向に、回転する方向及び度合を詳細に調整してもよい。例えば、三角錐等の多面体の三次元造形物Pは、高さ方向と、横幅方向又は奥行き方向と入れ替える(ロール角又はピッチ角を90度回転する)よりも、三次元造形物Pの面を記録媒体50(XY平面)に接地した方が、三次元造形物の高さ(積層)が小さくなることがある。つまり、三次元造形物Pの任意の面が記録媒体50上に接地するように、三次元画像データを回転してもよい。
【0123】
次に、図12を参照して、情報処理装置10の作用について、説明する。図12は、情報処理装置10で実行される情報処理プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理プログラムは、情報処理装置10のROM30Bに記憶されている。情報処理プログラムは、利用者から画像データを受け付けた場合に、情報処理装置10のCPU30AによりROM30Bから読み出されて実行される。なお、図10における図12に示す情報処理と同一のステップについては、図10と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0124】
ステップS116において、CPU30Aは、三次元画像データの横幅及び奥行きの大きさを取得する。
【0125】
ステップS117において、CPU30Aは、三次元画像データを回転し、三次元画像データの高さ、横幅及び奥行きの最も小さいものを高さに設定する。
【0126】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の画像データを同一の記録媒体50に記録する場合において、各々の画像データを形成した際の高さの差が小さくなる。したがって、三次元造形物Pの高さと、他の印刷処理を印刷した際の記録媒体50の高さ及び厚み等とが異なる場合に、余分な記録媒体50の発生が低減される。
【0127】
なお、本実施形態では、記録媒体50の数が少なくなるように、三次元画像データを回転する形態について説明した。しかし、これに限定されない。記録媒体50の余白が小さくなるように、三次元画像データを回転してもよい。例えば、記録媒体50の余白が大きい場合、三次元画像をスライスした際の、三次元造形物Pの断面積(断面画像)が大きくなるように三次元画像データを回転してもよい。
【0128】
[第3実施形態]
第1実施形態では、三次元造形物Pにおける三次元画像データを分割する形態について説明した。本実施形態では、他の三次元画像データ及び他の二次元画像データを複数配置する形態について説明する。なお、本実施形態に係る三次元造形システムの概略構成例(図1参照)、三次元造形システムの他の概略構成例(図2参照)、及びシート積層型の三次元造形工程(図3参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、本実施形態に係るスライス画像(図4参照)、切り出し線を特定する制御データ(図5参照)、糊付け領域を特定する制御データ(図6参照)、及び情報処理装置10の電気系統の要部構成例(図7参照)、及び情報処理装置10の機能構成例(図8参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0129】
まず、図13を参照して、二次元画像データ及び三次元画像データを同一の記録媒体に面付けし、立体モデルMを設定する手法について説明する。図13は、本実施形態に係る複数の画像データを同一の記録媒体に面付けする処理の一例を示す模式図である。
【0130】
図13に示すように、三次元画像データにおける三次元造形物を造形した場合の高さが2aであり、同一の記録媒体50に面付けする他の三次元画像データ及び他の二次元画像を形成した場合の高さがaである形態について説明する。
【0131】
情報処理装置10は、他の三次元画像データにおける三次元造形物Pを造形した場合、及び他の二次元画像を形成した場合の高さが2aになるように、他の三次元画像データ及び他の二次元画像を積層方向に複数形成するように配置する。具体的には、情報処理装置10は、高さが2aである三次元画像データを記録媒体50の領域Aに配置し、高さがaである他の三次元画像データ及び他の二次元画像データは、領域B、領域C及び領域Dに積層方向に複数形成するように配置する。例えば、情報処理装置10は、高さが2aである三次元画像データを1つ形成するように領域Aに配置し、高さaである他の三次元画像データを積層方向に2つ造形するように領域Bに配置する。つまり、情報処理装置10は、高さが2aの三次元画像データにおける三次元造形物Pを領域Aに造形する間に、高さがaの他の三次元画像データにおける他の三次元造形物Qを領域Bに2つ造形する。
【0132】
この処理により、情報処理装置10は、三次元造形物Pの高さと、他の三次元造形物Qの高さの差を小さくする。したがって、三次元画像データ、他の三次元画像データ、及び他の二次元画像は、各々の高さの差を小さくして同一の記録媒体50に面付けされる。
【0133】
なお、本実施形態では、他の三次元造形物Qを複数個造形する形態について説明した。しかし、これに限定されない。他の二次元画像Rを複数個形成してもよいし、三次元造形物Pを複数個造形してもよい。また、本実施形態では、三次元造形物Pが1つに対して、他の三次元造形物Qを複数個造形する形態について説明した。しかし、これに限定されない。三次元造形物Pを複数造形するのに対して、他の三次元造形物Qを複数造形してもよいし、他の二次元画像Rを複数形成してもよい。また、本実施形態では、同一の箇所に同一の三次元造形物及び二次元画像を複数形成する形態について説明した。しかし、これに限定されない。同一の箇所に異なる三次元造形物及び二次元画像を形成してもよい。例えば、高さがaである他の三次元造形物Qと、高さがaとなる他の二次元画像Rとを同一箇所に形成し、高さが2aとなるように処理を行ってもよい。つまり、三次元造形物及び二次元画像の高さの差が小さくなれば、いかなる組み合わせで三次元造形物及び二次元画像を同一の領域に形成してもよい。
【0134】
次に、図14を参照して、情報処理装置10の作用について、説明する。図14は、情報処理装置10で実行される情報処理プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理プログラムは、情報処理装置10のROM30Bに記憶されている。情報処理プログラムは、利用者から画像データを受け付けた場合に、情報処理装置10のCPU30AによりROM30Bから読み出されて実行される。なお、図10における図14に示す情報処理と同一のステップについては、図10と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0135】
ステップS118において、CPU30Aは、他の三次元造形物Q及び他の二次元画像Rを複数形成するか否かの判定を行う。複数形成する場合(ステップS118:YES)、CPU30Aは、ステップS119に移行する。一方、複数形成しない場合(ステップS118:NO)、CPU30Aは、ステップS110に移行する。
【0136】
ステップS119において、CPU30Aは、三次元造形物及び二次元画像を同一の領域に複数形成するように、複数形成する画像データを面付け制御データに設定する。
【0137】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の画像データを同一の記録媒体50に記録する場合において、各々の画像データを形成した際の高さの差が小さくなる。したがって、三次元造形物Pの高さと、他の印刷処理を印刷した際の記録媒体50の高さ及び厚み等とが異なる場合に、余分な記録媒体50の発生が低減される。
【0138】
[第4実施形態]
第1実施形態では、三次元造形物Pにおける三次元画像データを分割する形態について説明した。本実施形態では、三次元造形物Pにおける三次元画像データを拡大及び縮小する形態について説明する。なお、本実施形態に係る三次元造形システムの概略構成例(図1参照)、三次元造形システムの他の概略構成例(図2参照)、及びシート積層型の三次元造形工程(図3参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、本実施形態に係るスライス画像(図4参照)、切り出し線を特定する制御データ(図5参照)、糊付け領域を特定する制御データ(図6参照)、及び情報処理装置10の電気系統の要部構成例(図7参照)、及び情報処理装置10の機能構成例(図8参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0139】
まず、図15を参照して、二次元画像データ及び三次元画像データを同一の記録媒体50に面付けし、立体モデルMを設定する手法について説明する。図15は、本実施形態に係る三次元造形物Pの拡大及び縮小の説明に供する複数の画像データを同一の記録媒体に面付けする処理の一例を示す模式図である。
【0140】
図15に示すように、三次元画像データにおける三次元造形物Pを造形した場合の高さが2aであり、他の三次元画像データにおける他の三次元造形物Qを造形した場合、及び他の二次元画像Rを形成した場合の高さがaである形態について説明する。
【0141】
情報処理装置10は、三次元造形物Pを造形した場合の高さがaになるように、三次元造形物Pにおける三次元画像データを縮小して記録媒体50に配置する。具体的には、情報処理装置10は、三次元造形物Pを造形した場合の高さが2aである三次元画像データを、三次元造形物Pを造形した場合の高さがaになるように縮小する。情報処理装置10は、縮小した三次元画像データを記録媒体50の領域Aに配置し、高さがaである他の三次元画像データ及び他の二次元画像データは、領域B、領域C及び領域Dに複数形成するように配置する。
【0142】
この処理により、情報処理装置10は、三次元造形物Pの高さと、他の三次元造形物Qの高さの差を小さくする。したがって、三次元画像データ、他の三次元画像データ、及び他の二次元画像は、各々の高さの差を小さくして同一の記録媒体50に面付けされる。
【0143】
なお、三次元造形物Pを造形した場合の高さがaになるように三次元画像データを縮小した場合、高さが縮小されると共に、三次元造形物Pの横幅及び奥行きも縮小され、三次元造形物P全体が縮小される。この処理により記録媒体50の領域Aの余白が大きくなるため、情報処理装置10は、三次元造形物Pを造形した場合の高さがaになるように三次元画像データを縮小した場合、記録媒体50の領域Aの余白に応じて、領域Aに三次元造形物を複数造形してもよい。
【0144】
また、本実施形態では、三次元造形物Pを造形した場合の高さがaになるように三次元画像データを縮小する形態について説明した。しかし、これに限定されない。他の三次元画像データ及び他の二次元画像データに応じて、三次元画像データを拡大してもよい。
【0145】
次に、図16を参照して、情報処理装置10の作用について、説明する。図16は、情報処理装置10で実行される情報処理プログラムの処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理プログラムは、情報処理装置10のROM30Bに記憶されている。情報処理プログラムは、利用者から画像データを受け付けた場合に、情報処理装置10のCPU30AによりROM30Bから読み出されて実行される。なお、図10における図16に示す情報処理と同一のステップについては、図10と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0146】
ステップS120において、CPU30Aは、三次元画像データを縮小するか否かの判定を行う。三次元画像データを縮小する場合(ステップS120:YES)、CPU30Aは、ステップS121に移行する。一方、三次元画像データを縮小しない場合(ステップS120:NO)、CPU30Aは、ステップS122に移行する。
【0147】
ステップS121において、CPU30Aは、三次元画像データを縮小する。
【0148】
ステップS122において、CPU30Aは、三次元画像データを拡大する。
【0149】
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の画像データを同一の記録媒体50に記録する場合において、各々の画像データを形成した際の高さの差が小さくなる。したがって、三次元造形物Pの高さと、他の印刷処理を印刷した際の記録媒体50の高さ及び厚み等とが異なる場合に、余分な記録媒体50の発生が低減される。
【0150】
なお、本発明では、二次元画像データを形成するのに要する記録媒体50の数に応じた高さと、三次元画像データにおける三次元造形物Pの高さとを比較する形態について説明した。しかし、これに限定されない。記録媒体50の数を比較してもよい。つまり、情報処理装置10は、他の二次元画像Rを形成するのに要する記録媒体50の数と、三次元画像データにおける三次元造形物Pを造形するのに要する記録媒体50の数との差が少なくなるように三次元画像データ及び二次元画像データを配置してもよい。また、使用する記録媒体50の数が最少となるように、三次元画像データに分割、回転、及び縮小する処理を行い、三次元画像データ及び二次元画像データを配置してもよい。
【0151】
また、本発明では、複数の三次元画像データ及び二次元画像データを面付けする形態について説明した。しかし、これに限定されない。例えば、単一の三次元画像データのみを記録媒体50に面付けしてもよい。単一の三次元画像データのみを記録媒体50に配置する場合、三次元画像データにおける三次元造形物Pの高さが最小となるように、三次元画像データを分割、回転、縮小する処理を行ってもよい。
【0152】
また、本発明では、高さが異なる三次元画像データ及び二次元画像データを同一の記録媒体50に面付けする形態について説明した。しかし、これに限定されない。高さが同程度の三次元画像データ及び二次元画像データを選択して、同一の記録媒体50に面付けしてもよい。また、三次元画像データ及び二次元画像データを形成する期限までに、同程度の三次元画像データ及び二次元画像データが登録された場合、三次元画像データ及び二次元画像データを選択する処理を行い、同一の記録媒体50に面付けしてもよい。また、同程度の三次元画像データ及び二次元画像データが登録されなかった場合、単一の三次元画像データのみを記録媒体50に面付けして形成してもよい。
【0153】
その他、上記実施形態で説明した情報処理装置10の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0154】
また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0155】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、例えば CPU(Central Processing Unit)等の汎用的なプロセッサや、例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及びプログラマブル論理デバイス等の専用のプロセッサを含むものである。
【0156】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0157】
また、上記各実施形態では、情報処理のプログラムがROM30Bに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0158】
10 情報処理装置
12 画像形成装置
14 三次元造形用後処理装置
16 収容機構
18 通信回線
20 糊付け部
22 切り出し部
24 圧着部
26 搬送路
30 情報処理部
30A CPU
30B ROM
30C RAM
30D 不揮発性メモリ
30E 入出力インターフェース
30F バス
31 外部装置
32 操作部
34 表示部
36 通信部
38 記憶部
41 算出部
42 面付け処理部
43 ファイル形式変換部
44 ラスタ処理部
45 三次元画像データ処理部
46 スライス処理部
47 画像データ生成部
48 制御データ生成部
49 制御データ記憶部
50 記録媒体
50T 記録媒体
50n 記録媒体
52 積層部品
53 不要部分
54 切り出し線
56 着色領域
58 糊付け領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16