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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】収納容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/04 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
B65D83/04 G
B65D83/04 H
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019206178
(22)【出願日】2019-11-14
(65)【公開番号】P2021079957
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】野口 裕雄
(72)【発明者】
【氏名】森田 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慶太
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-008165(JP,A)
【文献】特開2008-044631(JP,A)
【文献】特開2004-180726(JP,A)
【文献】特開2002-104565(JP,A)
【文献】特開2002-293387(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーナ部に設けられた開口部から収納物を取り出し可能な収納容器であって、
前記開口部の少なくとも一部を画定する壁部を有する本体ケースと、
前記本体ケースを覆う蓋ケースと、
前記コーナ部に配置され、前記本体ケースとの連接箇所に位置するヒンジを中心として回動することにより前記開口部の開閉を行うヒンジキャップと、を備え、
前記ヒンジキャップは、前記収納容器の外側に連なる外殻部分と、前記外殻部分の内側に設けられ前記開口部に対応する形状を有する内壁部分とを有し、前記内壁部分には前記開口部の縁に係合する係合部が設けられており、
前記内壁部分はその外周が矩形形状を為す周壁であり、前記係合部は前記周壁の対向する一対の短辺部分それぞれの外側に設けられた凸部であり、
前記凸部は、前記周壁の高さ方向に沿うように形成されており、
前記開口部の縁には、前記開口部の内側に向けて伸びる一対の切欠部が設けられており、前記切欠部の内面には、前記ヒンジキャップが前記開口部を閉じた際に前記切欠部に挿入する前記凸部を前記収納容器の厚み方向に押圧する突起が設けられており、当該突起により前記凸部が前記切欠部内に係合される、収納容器。
【請求項2】
前記内壁部分は、前記外殻部分の内側先端から前記収納容器の内側に向かって更に突出している、請求項1に記載の収納容器。
【請求項3】
前記ヒンジキャップの前記係合部は、少なくとも前記本体ケースの前記壁部に係合される、請求項1又は2に記載の収納容器。
【請求項4】
請求項に記載の収納容器を用いて、前記収納物を当該収納容器に収納する方法であって、
前記ヒンジキャップが連接されている前記本体ケースを準備し、前記ヒンジキャップの前記係合部を、前記開口部を画定する前記壁部に係合させる係合工程と、
前記係合工程の後に、前記本体ケース内に前記収納物を充填する充填工程と、
前記充填工程の後に、前記本体ケースに前記蓋ケースを取り付ける工程と、
を備える、収納方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、粒状物等の収納物を容器内に収納すると共に、振り出しにより収納物を容器内から取り出すことが可能なヒンジキャップ付きの収納容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-315468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の収納容器では、収納物を取り出すための開口部が収納容器のコーナ部を除く側面に形成されており、収納物を開口部に誘導するためのガイドを収納容器内に設ける必要がある。この場合、収納容器内において開口部の縁から隣接する側面に到る部分(コーナ部)にはガイドの設置により収納物を収納できないため、その分収納量が少なくなるか又は収納容器を大きくする必要がある。一方、収納物を開口部に誘導するためのガイドを設けない場合には、収納物の開口部へのスムーズな移動を行うことができず、振り出し動作等による収納物の好適な取り出しが妨げられてしまう虞もある。また、特許文献1に記載のヒンジキャップ構造を単にコーナ部に移動しようとすると、開口部を閉じる際にヒンジキャップを固定するための係合構造である突起だけでなく嵌合部もコーナ部に設ける必要が出てくるが、その分、収納容器の内部スペースを削ってしまい、収納量を少なくするか又は収納容器を大きくせざるを得なくなってしまう。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためのものであり、収納物を容器内からより容易に取り出すことが可能であって且つ所定の収納量を確保しやすい収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、その一側面として、コーナ部に設けられた開口部から収納物を取り出し可能な収納容器に関する。この収納容器は、開口部の少なくとも一部を画定する壁部を有する本体ケースと、本体ケースを覆う蓋ケースと、コーナ部に配置され、本体ケースとの連接箇所に位置するヒンジを中心として回動することにより開口部の開閉を行うヒンジキャップと、を備える。ヒンジキャップは、収納容器の外側に連なる外殻部分と、外殻部分の内側に設けられ開口部に対応する形状を有する内壁部分と、を有する。内壁部分には開口部の縁に係合する係合部が設けられている。
【0007】
この収納容器では、収納物を取り出すための開口部及び当該開口部の開閉を行うヒンジキャップをコーナ部に設けている。これにより、この収納容器では、収納物を容器内から容易に取り出すことが可能となる。また、この収納容器では、ヒンジキャップの外殻部分ではなく、その内側に配置される内壁部分に開口部と係合する係合部を設けている。これにより、開口部に対応した大きさでヒンジキャップの係合構造を実現できるので、ヒンジキャップやヒンジキャップを固定するための係合構造の設置場所をそれほど大きくとる必要がなくなり、所定の収納量を確保しやすくなる。
【0008】
上記の収納容器において、係合部は内壁部分の外側に設けられた凸部であることが好ましい。この場合、ヒンジキャップの係合構造を簡素なものとすることができる。また、内壁部分はその外周が矩形形状を為す周壁であり、係合部は周壁の対向する一対の短辺部分それぞれの外側に設けられた凸部であることが好ましい。この構成によれば、ヒンジキャップを開口部に更に確実に係合させることが可能となる。なお、この構成において、凸部は、一対の短辺部分の長手方向に沿うように形成されていてもよく、また、開口部の縁には、開口部の内側に向けて傾斜する傾斜面が設けられていてもよい。これら構成によれば、簡易な構成で、ヒンジキャップを開口部により確実に係合させることが可能となる。
【0009】
上記の収納容器において、内壁部分はその外周が矩形形状を為す周壁であり、係合部は周壁の対向する一対の短辺部分それぞれの外側に設けられた凸部であり、これら凸部は、周壁の高さ方向に沿うように形成されていてもよい。この構成によれば、ヒンジキャップを開口部に更に確実に係合させることが可能となる。また、この構成において、開口部の縁には、開口部の内側に向けて伸びる一対の切欠部が設けられており、切欠部の内面には、ヒンジキャップが開口部を閉じた際に切欠部に挿入する凸部を収納容器の厚み方向に押圧する突起が設けられており、当該突起により凸部が切欠部内に係合されてもよい。この構成によれば、簡易な構成で、ヒンジキャップを開口部により確実に係合させることが可能となる。
【0010】
上記の収納容器において、内壁部分は、外殻部分の内側先端から収納容器の内側に向かって更に突出していることが好ましい。この場合、内壁部分によりヒンジキャップを開口部に係合させることを容易に実現することができる。
【0011】
上記の収納容器において、ヒンジキャップの係合部は、少なくとも本体ケースの壁部に係合されることが好ましい。本体ケースに連接されるヒンジキャップが本体ケースに固定(係合)できない場合、生産の途中の輸送段階で両者を繋ぐヒンジが切れてしまったり、ヒンジキャップが損傷してしまったりすることが起こり得る。しかしながら、本構成によれば、生産の途中段階(輸送含む)においてヒンジキャップを本体ケースに固定(係合)させることができるため、ヒンジが切れてしまったり又はヒンジキャップが損傷してしまったりということを防止することが可能となる。また、ヒンジキャップを本体ケースに係合して固定することができるため、収納容器に収納物を充填する際、本体ケースにおける開口部をヒンジキャップで閉じた上で本体ケース内に収納物を充填することができるため、収納容器への収納物の充填作業を簡素化することが可能となる。
【0012】
また、本発明は、別の側面として、上記のような収納容器を用いて、収納物を当該収納容器に収納する収納方法に関する。この収納方法は、ヒンジキャップが連接されている本体ケースを準備し、ヒンジキャップの係合部を、開口部を画定する壁部に係合させる係合工程と、係合工程の後に、本体ケース内に収納物を充填する充填工程と、充填工程の後に、本体ケースに蓋ケースを取り付ける工程と、を備える。この収納方法によれば、上述したように、収納容器への収納物の充填作業を簡素化することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、収納物を容器内からより容易に取り出すことが可能であって且つ所定の収納量を確保しやすい収納容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る収納容器の全体を示す斜視図であり、(a)は、収納容器のヒンジキャップが閉まった状態を示す斜視図であり、(b)は、収納容器のヒンジキャップが開いた状態を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す収納容器を分解した斜視図である。
図3図3は、図2に示す収納容器のコーナ部に配置されるヒンジキャップを拡大して示す斜視図である。
図4図4は、図1に示す収納容器から蓋ケースを取り除いて内部状態を示す平面図である。
図5図5は、図4に示す収納容器に粒状物を充填した例を示す平面図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係る収納容器のコーナ部に配置されるヒンジキャップを拡大して示す斜視図である。
図7図7は、図6に示す収納容器において、係合部が収納容器本体側に係合される状態を説明するための模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る収納容器について詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いる場合があり、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態に係る収納容器の全体を示す斜視図であり、(a)は、収納容器のヒンジキャップが閉まった状態を示す斜視図であり、(b)は、収納容器のヒンジキャップが開いた状態を示す斜視図である。図1に示すように、収納容器10は、箱状の本体ケース20と、本体ケース20を覆う蓋ケース30と、ヒンジキャップ40とを備えており、その内部に所定の収納物(例えばガムやキャンディーなどの食品等)を収納することができる空間(図5参照)を有するプラスチック容器である。収納容器10では、長手方向の一方のコーナ部10aにヒンジキャップ40が配置されており、使用者がヒンジキャップ40を図示下側に押し込むことによりヒンジキャップ40がヒンジ27を中心として回動し、これにより、収納容器10内に収納されている収納物を開口部12から順に取り出すことができるようになっている。収納容器10では、図1の(a)に示すようにヒンジキャップ40が閉じた状態では、後述する係合部により収納物が外に出て来ないようにヒンジキャップ40が本体ケース20及び蓋ケース30に係合されて固定される。このような収納容器10は、例えば、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエチレン樹脂(PE)又はポリスチレン(PS)樹脂などのプラスチック材料から形成することができる。
【0017】
図2は、収納容器10を分解した分解斜視図である。図2では、本体ケース20から蓋ケース30を取り外し、蓋ケース30の内側が上に向くようになっており、また、ヒンジキャップ40は、本体ケース20に係合された状態(図1の(a)に対応)を示している。図2に示すように、収納容器10を構成する本体ケース20は、コーナ部10aが欠けた略矩形形状の底板21と、周壁22と、開口領域23と、複数のボス受け部24(本実施形態では8個のボス受け部24)と、を備えている。また、収納容器10を構成する蓋ケース30は、コーナ部10aが欠けた略矩形形状の天板31と、周壁32と、開口領域23に対応する開口領域33と、複数のボス34(本実施形態では8個のボス34)と、を備えている。本実施形態では、ヒンジキャップ40は、本体ケース20と一体に形成(一体成形)されており、コーナ部10aにおいて本体ケース20の底板21の縁21aに連接され、連接箇所に位置するヒンジ27を中心として図示下方に回動するように構成されている。
【0018】
本体ケース20の底板21は、コーナ部10aが欠けた略矩形形状であり、周壁22は、コーナ部10aを除いて底板21の周縁に沿って蓋ケース30に向かって伸びるように設けられている。コーナ部10aには周壁22が設けられておらず、開口領域23が形成されている。これら底板21と周壁22とによりその内部に粒状物等の収納物のための収納空間が画定される。複数のボス受け部24は、蓋ケース30の複数のボス34に嵌合することで蓋ケース30を本体ケース20に固定するための部材であり、周壁22に沿った領域及び底板21の中央等に設けられている。蓋ケース30のボス34も同様に、周壁32に沿った領域及び天板31の中央等に設けられている。各ボス34が対応するボス受け部24に挿入されて嵌合することにより、天板31が本体ケース20を覆うように蓋ケース30が本体ケース20に固定される。天板31が本体ケース20に嵌合された際、蓋ケース30の周壁32は、本体ケース20に対向するようにその内側に配置される。なお、本体ケース20にボスを設け、蓋ケース30にボスに対応するボス受け部を設け、両者が嵌合する構成であってもよい。
【0019】
次に、図2及び図3を参照してヒンジキャップ40について詳細に説明する。図3は、収納容器10のコーナ部10aにあるヒンジキャップ40を拡大して示す斜視図である。図2及び図3に示すように、ヒンジキャップ40は、平面視が二等辺三角形状である外殻部分41と、外殻部分41の内側に設けられる内壁部分42と、内壁部分42の外側に設けられる係合部43及び44と、を備えている。外殻部分41は、ヒンジキャップ40を除く収納容器10の本体(本体ケース20及ぶ蓋ケース30)の外形形状に一致する上面、下面及び側面を含んで構成されており、収納容器10の外面に連なるように形成されている。
【0020】
ヒンジキャップ40の内壁部分42は、平面視した場合にその外周が矩形形状を為す周壁であり、収納容器10の開口部12の形状(矩形形状)に対応する形状を有している。内壁部分42は、より具体的には、開口部12の形状に一致する外形形状を有している。内壁部分42は、外形が矩形形状の場合、一対の短辺部分42aと一対の長辺部分42bとを有しており、係合部43及び44は、例えば、一対の短辺部分42aの外側に設けられている。係合部43及び44は、一対の短辺部分42aの長手方向に沿うように、その先端42c側に設けられた凸部である。係合部43及び44は、内壁部分42の一対の長辺部分42bの外側に設けられた凸部であってもよい。なお、内壁部分42の先端42cは、外殻部分41の内側先端41aから収納容器10の内側に向かって突出する構成になっている。係合部43及び44は、この突出した領域に形成されている。係合部43及び44の断面形状は、例えば半円形状である。
【0021】
一方、内壁部分42が係合する開口部12では、その縁、即ち本体ケース20の周壁22の開口部分25と蓋ケース30の周壁32の開口部分35とが、ヒンジキャップ40が開口部12を閉じた際に、これら係合部43及び44に係合するように構成されている。具体的には、外殻部分41の内側先端41aよりも内側に突出している内壁部分42の先端42cが開口部12内に入り込み、開口部分25及び35の裏側(内周面)に係合部43及び44である凸部が引っ掛かるように構成されている。このような構成により、ヒンジキャップ40が開口部12を閉じた際、ヒンジキャップ40が本体ケース20及び蓋ケース30に係合されて固定される。なお、周壁22の開口部分25には、内側に向けて傾斜する傾斜面25a(図4参照)が設けられてもよい。傾斜面25aは、収納容器の内側に向けて開口部12が広がるように傾斜している。なお、周壁32の開口部分35に同様の傾斜面を設けてもよい。このような構成により、ヒンジキャップ40の係合をより確実にすると共に、係合の解除作業をよりスムーズにすることが可能となる。
【0022】
また、ヒンジキャップ40の係合部43及び44は、ヒンジキャップ40が開口部12を閉じた際に本体ケース20及び蓋ケース30の何れにも係合するようになっている。即ち、ヒンジキャップ40は、図4に示すように、蓋ケース30がない場合であっても、本体ケース20に係合することにより、固定されて開口部12を閉じた状態に維持することができるようになっている。このため、本実施形態に係る収納容器10においては、例えば、ヒンジキャップ40を本体ケース20に係合させた状態で、図5に示すように、収納物Sを充填させることが可能となる。つまり、収納容器10を用いて収納物Sを収納する方法として、以下の方法を実現することができる。まず、ヒンジキャップ40が連接されている本体ケース20を準備し、ヒンジキャップ40の係合部43及び44を、開口部12を画定する周壁22の開口部分25に係合させる(図4参照)。そして、この係合工程の後に、本体ケース20内に収納物Sを充填する(図5参照)。そして、充填工程が終わった後に、本体ケース20に蓋ケース30を取り付ける(図1(a)参照)。このような収納方法によれば、ヒンジキャップを本体ケースに係合できない場合に比べて、収納容器10への収納物Sの充填作業を簡素化することができる。つまり、収納物Sが充填された商品を効率的に製造することが可能となる。
【0023】
以上、本実施形態に係る収納容器10では、収納物Sを取り出すための開口部12及び開口部12の開閉を行うヒンジキャップ40をコーナ部10aに設けている。これにより、収納容器10では、収納物Sを容器内から容易に取り出すことが可能となる。また、収納容器10では、ヒンジキャップ40の外殻部分41ではなく、その内側に配置される内壁部分42に開口部12と係合する係合部43及び44を設けている。これにより、開口部12に対応した大きさでヒンジキャップ40の係合構造を実現できるので、ヒンジキャップ40やヒンジキャップ40を固定するための係合構造の設置場所をそれほど大きくとる必要がなくなり、所定の収納量を確保しやすくなる。
【0024】
また、収納容器10では、係合部43及び44は内壁部分42の外側に設けられた凸部である。このため、ヒンジキャップ40の係合構造を簡素なものとすることができる。また、内壁部分42はその外周が矩形形状を為す周壁であり、係合部43及び44は周壁の対向する一対の短辺部分42aそれぞれの外側に設けられた凸部である。この構成によれば、ヒンジキャップ40を開口部12に更に確実に係合させることが可能となる。なお、この構成において、係合部43及び44を為す凸部は、一対の短辺部分42aの長手方向に沿うように形成されていてもよく、また、開口部12の縁には、開口部12の内側に向けて傾斜する傾斜面25aが設けられていてもよい。これら構成によれば、簡易な構成で、ヒンジキャップ40を開口部12により確実に係合させることが可能となる。
【0025】
また、収納容器10では、内壁部分42は、外殻部分41の内側先端41aから収納容器10の内側に向かって更に突出している。この構成により、内壁部分42によりヒンジキャップ40を開口部12に係合させることを容易に実現することができる。
【0026】
また、収納容器10では、ヒンジキャップ40の係合部43及び44は、本体ケース20の周壁22のみに係合することも可能である。従来のように本体ケースに連接されるヒンジキャップが本体ケースに固定(係合)できない場合、生産の途中の輸送段階で両者を繋ぐヒンジが切れてしまったり、ヒンジキャップが損傷してしまったりすることが起こり得る。しかしながら、本実施形態によれば、生産の途中段階(輸送含む)においてヒンジキャップ40を本体ケース20に固定(係合)させることができるため、ヒンジ27が切れてしまったり又はヒンジキャップ40が損傷してしまったりということを防止することが可能となる。また、ヒンジキャップ40を本体ケース20に係合して固定することができるため、収納容器10に収納物を充填する際、本体ケース20における開口部12をヒンジキャップ40で閉じた上で本体ケース20内に収納物を充填することができるため、収納容器10への収納物の充填作業を簡素化することが可能となる。
【0027】
また、本実施形態に係る収納方法では、まずヒンジキャップ40が連接されている本体ケース20を準備し、次に、ヒンジキャップ40の係合部43及び44を、開口部12を画定する周壁22に係合させる。そして、係合の後に、本体ケース20内に収納物Sを充填し、充填後に、本体ケース20に蓋ケース30を取り付ける。このような収納方法によれば、上述したように、収納容器10への収納物Sの充填作業を簡素化することが可能となる。
【0028】
次に、本発明の第2実施形態に係る収納容器について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、収納容器110のコーナ部110aに配置されるヒンジキャップ140を拡大して示す斜視図である。図7は、図6に示す収納容器110において、係合部143及び144が収納容器110の本体側に係合される状態を説明するための模式的な断面図である。第2実施形態に係る収納容器110では、ヒンジキャップ140を収納容器110の本体に係合する構成が第1実施形態と異なっている。以下の説明では、第1実施形態と異なる点について主に説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0029】
図6に示すように、収納容器110は、第1実施形態と同様に、本体ケース120と、蓋ケース130と、ヒンジキャップ140と、を備えている。ヒンジキャップ140は、外殻部分41と、その内側に設けられた内壁部分42と、内壁部分42の外側に設けられる係合部143及び144と、を備えている。係合部143及び144は、第1実施形態と異なり、周壁である内壁部分42の高さ方向に沿って伸びるように形成されている。係合部143及び144は、例えば、内壁部分42の短辺部分42aの中央付近に形成されている。係合部143及び144の断面形状は、例えば半円形状である。
【0030】
一方、係合部143及び144を受ける受け部としては、本体ケース120の壁部の開口部分125と蓋ケース130の壁部の開口部分135との間に切欠部133及び134が設けられている。切欠部133及び134は、開口部112の外側から内側に向けて壁部を貫通して伸びるように形成されており、係合部143及び144をその内部に収納して固定できる大きさとなっている。また、切欠部133及び134の内部には、図7に示すように、開口部112の外側に、壁部135から収納容器110の厚み方向の下方に突出する突起137が設けられており、一方、開口部112の内側には、壁部125から収納容器110の厚み方向の上方に突出する突起127が設けられている。係合部143及び144が切欠部133及び134内においてこれら突起127及び137に挟み込まれることにより、ヒンジキャップ140は、収納容器110の本体側により確実に係合されて固定される。なお、この実施形態の場合でも、蓋ケース130を用いずに本体ケース120にヒンジキャップ140を軽く係合することが可能であり、第1実施形態と同様な収納物Sの充填を行うことが可能である。
【0031】
以上、本実施形態に係る収納容器110でも第1実施形態と同様に、収納物Sを容器内から容易に取り出すことが可能であり、ヒンジキャップ40やヒンジキャップ40を固定するための係合構造の設置場所をそれほど大きくとる必要がなくなり、所定の収納量を確保しやすくなる。
【0032】
また、収納容器110では、内壁部分42の外側に設けられた係合部143及び144を為す凸部は、周壁の高さ方向に沿うように形成されている。この構成によっても、ヒンジキャップ140を開口部112に確実に係合させることができる。また、収納容器110では、開口部112の縁には、開口部112の内側に向けて伸びる一対の切欠部133及び134が設けられており、切欠部133及び134の内面に、ヒンジキャップ140が開口部112を閉じた際に切欠部133及び134に挿入する係合部143及び144を収納容器110の厚み方向に押圧する突起127及び137が設けられており、突起127及び137により係合部143及び144が切欠部133及び134内に係合されている。この構成によれば、簡易な構成で、ヒンジキャップ140を開口部112に確実に係合させることが可能となる。
【0033】
以上、本実施形態に係る収納容器について説明してきたが、本発明に係る収納容器は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形を適用することができる。例えば、上記実施形態では、ヒンジキャップ40,140を収納容器10,110の本体側に係合するための係合部43及び44,143及び144が内壁部分42の外側に設けられていたが、これら係合部を内壁部分42の内側に設ける構成であってもよい。
【符号の説明】
【0034】
10,110…収納容器、10a,110a…コーナ部、12,112…開口部、20,120…本体ケース、21…底板、22…周壁、23…開口領域、24…ボス受け部、25,125…開口部分、25a…傾斜面、27…ヒンジ、30,130…蓋ケース、31…天板、32…周壁、33…開口領域、34…ボス、35,135…開口部分、40,140…ヒンジキャップ、41…外殻部分、41a…内側先端、42…内壁部分、42a…短辺部分、42b…長辺部分、42c…先端、43,44,143,144…係合部、127,137…突起、133,134…切欠部、S…収納物。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7