(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】合成樹脂製袋の箱体への装填装置および装填方法
(51)【国際特許分類】
B31B 50/74 20170101AFI20240110BHJP
B31B 110/35 20170101ALN20240110BHJP
B31B 120/40 20170101ALN20240110BHJP
【FI】
B31B50/74
B31B110:35
B31B120:40
(21)【出願番号】P 2019226393
(22)【出願日】2019-12-16
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 聡真
【審査官】西塚 祐斗
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-031342(JP,U)
【文献】実開平07-005728(JP,U)
【文献】実開平06-083338(JP,U)
【文献】実開昭63-190012(JP,U)
【文献】特開2000-062051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 50/74
B31B 110/35
B31B 120/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラップが立った箱体に合成樹脂製袋を装填する装填装置であって、
箱体の対向する面側に一対のガイド枠と、ガイド枠昇降機構と、箱体の上に被せられた合成樹脂製袋を箱体に押し込む押し込み部材と、押し込み部材押圧上昇機構と、制御部を有し、
前記ガイド枠は、箱体の一面の水平方向の長さより
も長い水平枠と、水平枠の両端下に水平枠に結合された垂直枠からなり、
前記ガイド枠昇降機構は、合成樹脂製袋の装填の前に、前記制御部の指示により、箱体フラップ上端にガイド枠の水平枠上端を一致させる機能を有しており、
前記押し込み部材押圧上昇機構は、合成樹脂製袋が箱体とガイド枠の両者に被せられた後、前記制御部の指示により、前記押し込み部材を箱体の上部から下降させて合成樹脂製袋を箱体に装填する機能
を有し、
前記ガイド枠昇降機構は、合成樹脂製袋の装填後、前記制御部の指示により、ガイド枠
の水平枠上端を箱体下面位置より下げる機能を有する、
ことを特徴とする合成樹脂製袋の箱体への装填装置。
【請求項2】
フラップが立った箱体に合成樹脂製袋を装填する装填方法であって、
箱体フラップ上端に、箱体の対向する面側にそれぞれあり箱体の一面の水平方向の長さよ
り長い水平枠と水平枠の両端下に水平枠に結合された垂直枠からなる、一対のガイド枠の水平枠上端を一致させるようガイド枠上昇下降機構を動作させる工程と、
人手または袋装着機により、合成樹脂製袋を箱体とガイド枠をともに被し、袋の底が箱体の上面にかかることを行う工程と、
押し込み部材を、箱体の上部から、下降するよう前記押し込み部材押圧上昇機構を動作させ、合成樹脂製袋を箱体に装填することを行う工程と、
ガイド枠
の水平枠上端を、箱体下面位置より下げるようガイド枠昇降機構を動作させることを行う工程と、
を有することを特徴とする合成樹脂製袋の箱体への装填方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製袋の箱体への装填装置および装填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール箱などの箱体に、ポリ袋などの合成樹脂製袋を装填する装置として、組み立てた段ボール箱などの箱体に、ポリ袋などの合成樹脂製袋を被せ、押圧体にて、袋を箱内に押し込む装置および方法がある(特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、上記装置および方法では、押圧体にて、袋を箱内に押し込む時に、段ボールの端縁で、ポリ袋などの合成樹脂製袋が破れてしまうという不具合が生じることがあった。
【0003】
合成樹脂製袋の箱体への装填において、段ボールの端縁で、ポリ袋などの合成樹脂製袋が破れない装填装置および装填方法が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平4-201329号公報
【文献】特開2014-14990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
合成樹脂製袋の箱体への装填において、段ボールの端縁で、ポリ袋などの合成樹脂製袋が破れない装填装置および装填方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、合成樹脂製袋の箱体への装填装置に係る発明は、フラップが立った箱体に合成樹脂製袋を装填する装填装置であって、箱体の対向する面側に一対のガイド枠と、ガイド枠昇降機構と、箱体の上に被せられた合成樹脂製袋を箱体に押し込む押し込み部材と、押し込み部材押圧上昇機構と、制御部を有し、前記ガイド枠は、箱体の一面の水平方向の長さよりも長い水平枠と、水平枠の両端下に水平枠に結合された垂直枠からなり、前記ガイド枠昇降機構は、合成樹脂製袋の装填の前に、前記制御部の指示により、箱体フラップ上端にガイド枠の水平枠上端を一致させる機能を有しており、前記押し込み部材押圧上昇機構は、合成樹脂製袋が箱体とガイド枠の両者に被せられた後、前記制御部の指示により、前記押し込み部材を箱体の上部から下降させて合成樹脂製袋を箱体に装填する機能を有し、前記ガイド枠昇降機構は、合成樹脂製袋の装填後、前記制御部の指示により、ガイド枠の水平枠上端を箱体下面位置より下げる機能を有する、ことを特徴とする。
【0007】
合成樹脂製袋の箱体への装填方法に係る発明は、フラップが立った箱体に合成樹脂製袋を装填する装填方法であって、箱体フラップ上端に、箱体の対向する面側にそれぞれあり箱体の一面の水平方向の長さより長い水平枠と水平枠の両端下に水平枠に結合された垂直枠からなる、一対のガイド枠の水平枠上端を一致させるようガイド枠上昇下降機構を動作させる工程と、人手または袋装着機により、合成樹脂製袋を箱体とガイド枠をともに被し、袋の底が箱体の上面にかかることを行う工程と、押し込み部材を、箱体の上部から、下降するよう前記押し込み部材押圧上昇機構を動作させ、合成樹脂製袋を箱体に装填することを行う工程と、ガイド枠の水平枠上端を、箱体下面位置より下げるようガイド枠上昇下降機構動作させることを行う工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
合成樹脂製袋の箱体への装填において、段ボールの端縁で、ポリ袋などの合成樹脂製袋が破れない装填装置および装填方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態における合成樹脂製袋の箱体への装填装置の構成と状態を説明する図である。
図1(a)は模式的側面図。
図1(b)は模式的上面図。
図1(c)は模式的斜視図。
【
図2】本発明の実施形態における合成樹脂製袋の箱体への装填装置の構成と状態を説明する図である。
図2(a)は模式的側面図。
図2(b)は模式的上面図。
図2(c)は模式的斜視図。
【
図3】本発明の実施形態における合成樹脂製袋の箱体への装填装置の構成と状態を説明する図である。
図3(a)は模式的側面図。
図3(b)は模式的上面図。
図3(c)は模式的斜視図。
【
図4】本発明の実施形態における合成樹脂製袋の箱体への装填装置の構成と状態を説明する図である。
図4(a)は模式的側面図。
図4(b)は模式的上面図。
図4(c)は模式的斜視図。
【
図5】本発明の実施形態における合成樹脂製袋の箱体への装填装置の構成と状態を説明する図である。
図5(a)は模式的側面図。
図5(b)は模式的上面図。
図5(c)は模式的斜視図。
【
図6】本発明の実施形態における合成樹脂製袋の箱体への装填装置の構成と状態を説明する図である。
図6(a)は模式的側面図。
図6(b)は模式的上面図。
図6(c)は模式的斜視図。
【
図7】本発明の実施形態における合成樹脂製袋の箱体への装填装置の構成と状態を説明する図である。
図7(a)は模式的側面図。
図7(b)は模式的上面図。
図7(c)は模式的斜視図。
【
図8】本発明の別の実施形態における合成樹脂製袋の箱体への装填装置の構成と状態を説明する図である。
図8(a)は模式的側面図。
図8(b)は模式的上面図。
図8(c)は模式的斜視図。
【
図9】本発明の別の実施形態における合成樹脂製袋の箱体への装填装置の構成と状態を説明する図である。
図9(a)は模式的側面図。
図9(b)は模式的上面図。
図9(c)は模式的斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
合成樹脂製袋の箱体への装填装置100の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0011】
図1から
図7は、本発明の実施形態における合成樹脂製袋の箱体への装填装置100による合成樹脂製袋を箱体へ装填する工程を順を追って説明する図である。各図(a)は模式的側面図である。各図(b)は模式的上面図である。各図(c)は模式的斜視図である。
【0012】
フラップ2が立った箱体1に合成樹脂製袋5を装填する装填装置100は、箱体1の対向する面側に一対のガイド枠10と、ガイド枠上昇下降機構15と、箱体1の上に被せられた合成樹脂製袋5を箱体1に押し込む押し込み部材20と、押し込み部材押圧上昇機構25と、制御部(不図示)と、を有し、ガイド枠10は、箱体1の一面の水平方向の長さよりも若干長い水平枠11と、水平枠11の両端下に水平枠に結合された垂直枠12からなり、制御部は、箱体フラップ2上端にガイド枠10の水平枠11上端を一致させるようガイド枠昇降機構15を動作させ、人手または袋装着機(不図示)により、合成樹脂製袋5を箱体1とガイド枠10をともに被し、合成樹脂製袋5の底が箱体の上面にかかること
を行ったら、押し込み部材を、箱体の上部から、下降するよう押し込み部材押圧機構25を動作させ、合成樹脂製袋を箱体に装填することを行い、その後、ガイド枠をガイド枠上部が、箱体1下面位置より下げるようガイド枠昇降機構15を動作させることを行う。
【0013】
【0014】
分かりやすくするために、図において、箱体1は底面以外を透明状とする。
【0015】
箱体1の対向する面側に一対のガイド枠10が、
図1から
図6で示される場合では、コンベア30側面に備えられている。
【0016】
ガイド枠10は、箱体1の一面の水平方向の長さよりも若干長い水平枠11と、水平枠11の両端下に水平枠11に結合された垂直枠12からなる。そして、ガイド枠の水平枠11と垂直枠12のジョイントの外側の角は、曲面を帯びており、ガイド枠10は、ガイド枠上昇下降機構15により昇降する。
【0017】
A1)ガイド枠10上端は、コンベア側面上端より低い位置にあり、コンベア30上を流れてきたフラップ2が立った箱体1の流れ方向の中心は、ガイド枠10の水平枠の長手方向の中心に合わせ、止める(
図1)。これは不図示の段ボール位置検出センサと不図示のコンベア移動機構と制御部(不図示)によって行われる。
【0018】
A2)制御部(不図示)によって、箱体1のフラップ2上端にガイド枠10の水平枠11上端を一致させるようガイド枠10をガイド枠昇降機構15によって上昇させる(
図2)。ガイド枠10が、箱体の四隅を囲うような状態となる。
【0019】
A3)人手または袋装着機(不図示)により、合成樹脂製袋5を箱体1とガイド枠10をともに被し、合成樹脂製袋5の底が箱体の上面にかかることを行う(
図3、
図4)。
【0020】
A4)箱体の内形の形状をもつ底面をもつ押し込み部材20が、押し込み部材押圧上昇機構25の先端に有しており、押し込み部材20の底面の中心は、箱体1の水平面の中心と一致している(
図5)。
【0021】
A5)押し込み部材20を、箱体の上部から、下降するよう押し込み部材押圧上昇機構25を動作させ、合成樹脂製袋5を箱体に装填することを行う(
図6)。押し込み部材押圧機構25が押し込み部材を押し込む際に、合成樹脂製袋5はガイド枠10に添いながら滑るように押し込まれる。ガイド枠10は箱体1のフラップ2の角に合成樹脂製袋5が当たらないよう保護している。また、ガイド枠10はパイプ状部材からなり、合成樹脂製袋5が当接する部分には、鋭利な角がなく曲面状となっており、合成樹脂製袋5がガイド枠10上を滑っても、合成樹脂製袋5は破けることはない。合成樹脂製袋5の底が、箱体の底面に到達し、合成樹脂製袋5は袋の裏返しが完了する。
【0022】
A6)ガイド枠10は、ガイド枠昇降機構15によって下降し、ガイド枠10上端は、コンベア側面上端より低い位置になる(
図7)。そして合成樹脂製袋5が装填された箱体2は次工程に運ばれる。
【0023】
別の実施形態を説明する。上記は、コンベアの幅が箱体の幅と長さがほぼ同じである場合であった。コンベアの幅が箱体の幅と同等でない場合は、
図8と
図9のような構成の合成樹脂製袋の箱体への装填装置100とすればよい。
【0024】
分かりやすくするために、図において、箱体1は底面以外を透明状とする。
【0025】
箱体1の対向する面側に一対のガイド枠10が、
図8から
図9で示される場合では、コンベア30において、搬送ローラの合間に備えられている。一対のガイド枠10の間隔は、箱体1のコンベア流れ方向の幅と同等である。
【0026】
ガイド枠10は、箱体1の一面の水平方向の長さよりも若干長い水平枠11と、水平枠11の両端下に水平枠11に結合された垂直枠12からなる。そして、ガイド枠の水平枠11と垂直枠12のジョイントの外側の角は、曲面を帯びており、ガイド枠10は、ガイド枠上昇下降機構15により昇降する。
【0027】
B1)ガイド枠10上端は、コンベア搬送面より低い位置にある。コンベア30上を流れてきたフラップ2が立った箱体1が、コンベア流れ方向において、ガイド枠10の間に入ったときに、箱体1は停止する。また箱体1のコンベア30幅方向の中心は、ガイド枠10の水平枠の長手方向の中心に合わせる(
図8)。これは不図示の段ボール位置検出センサと不図示のコンベア移動機構と制御部(不図示)によって行われる。
【0028】
B2)制御部(不図示)によって、箱体1のフラップ2上端にガイド枠10の水平枠11上端を一致させるようガイド枠10をガイド枠昇降機構15によって上昇させる(
図9)。ガイド枠10が、箱体の四隅を囲うような状態となる。
【0029】
後は、図示しないが、A3)からA6)と同様な動作を行う。コンベアの幅が箱体の幅と同等でない場合でも、合成樹脂製袋5が破けることになしに、合成樹脂製袋5を箱体1に装填できる。
【0030】
合成樹脂製袋の箱体への装填において、段ボールの端縁で、ポリ袋などの合成樹脂製袋が破れない装填装置および装填方法を提供することが可能となった。
以下、特許出願時の特許請求の範囲を付記する。
[付記1]
フラップが立った箱体に合成樹脂製袋を装填する装填装置であって、
箱体の対向する面側に一対のガイド枠と、ガイド枠昇降機構と、箱体の上に被せられた合成樹脂製袋を箱体に押し込む押し込み部材と、押し込み部材押圧上昇機構と、制御部を有し、
前記ガイド枠は、箱体の一面の水平方向の長さよりも若干長い水平枠と、水平枠の両端下に水平枠に結合された垂直枠からなり、
前記ガイド枠昇降機構は、合成樹脂製袋の装填の前に、前記制御部の指示により、箱体フラップ上端にガイド枠の水平枠上端を一致させる機能を有しており、
前記押し込み部材押圧上昇機構は、合成樹脂製袋が箱体とガイド枠の両者に被せられた後、前記制御部の指示により、前記押し込み部材を箱体の上部から下降させて合成樹脂製袋を箱体に装填する機能と、合成樹脂製袋の装填後、前記制御部の指示により、ガイド枠を箱体下面位置より下げる機能を有する、
ことを特徴とする合成樹脂製袋の箱体への装填装置。
[付記2]
フラップが立った箱体に合成樹脂製袋を装填する装填方法であって、
箱体フラップ上端に、箱体の対向する面側にそれぞれあり箱体の一面の水平方向の長さより若干長い水平枠と水平枠の両端下に水平枠に結合された垂直枠からなる、一対のガイド枠の水平枠上端を一致させるようガイド枠上昇下降機構を動作させる工程と、
人手または袋装着機により、合成樹脂製袋を箱体とガイド枠をともに被し、袋の底が箱体の上面にかかることを行う工程と、
押し込み部材を、箱体の上部から、下降するよう前記押し込み部材押圧上昇機構を動作させ、合成樹脂製袋を箱体に装填することを行う工程と、
ガイド枠が、箱体下面位置より下げるようガイド枠昇降機構を動作させることを行う工程と、
を有することを特徴とする合成樹脂製袋の箱体への装填方法。
【符号の説明】
【0031】
1・・・箱体
2・・・フラップ
5・・・合成樹脂製袋
10・・・ガイド枠
11・・・水平枠
12・・・垂直枠
15・・・ガイド枠昇降機構
20・・・押し込み部材
25・・・押し込み部材押圧上昇機構
30・・・コンベア
100・・・合成樹脂製袋の箱体への装填装置