(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】撮影制御装置、長尺撮影システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240110BHJP
【FI】
A61B6/00 320Z
A61B6/00 350A
A61B6/00 330Z
(21)【出願番号】P 2020001776
(22)【出願日】2020-01-09
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 厚司
(72)【発明者】
【氏名】桑田 正弘
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-068978(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0290707(US,A1)
【文献】特開2011-078612(JP,A)
【文献】国際公開第2019/107318(WO,A1)
【文献】特開2011-067509(JP,A)
【文献】特開2009-291356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源と、撮像面に受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、を備え、被検者を撮影可能な放射線撮影システムが、前記放射線源及び前記放射線検出器を、前記被検者の体軸の延長方向である体軸方向にそれぞれ移動させつつ前記被検者を繰り返し撮影して、長尺画像を得るのに必要な、前記被検者の関心部位が共通して写る画像重複領域をそれぞれ有する複数の放射線画像を生成するのに用いられる撮影制御装置であって、
前記放射線源が発する放射線が前記撮像面に照射される範囲である照射野が一の撮影と他の撮影とで重なる領域の前記体軸方向の幅である照射野重複幅の上限値、前記画像重複領域の前記体軸方向の幅である画像重複幅の下限値、前記放射線源と前記放射線検出器との距離である第一距離、及び前記被検者と前記放射線検出器との距離である第二距離に基づいて、前記照射野の前記体軸方向の最大値である最大照射範囲を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記最大照射範囲に基づいて、所定の出力を行う出力手段と、を備え
、
前記算出手段は、前記照射野重複幅の上限値と前記画像重複幅の下限値との差と前記最大照射範囲の比が、前記第一距離と前記第二距離の比と等しくなる関係を用いて前記最大照射範囲を算出する撮影制御装置。
【請求項2】
前記画像重複領域に写る前記関心部位を認識する画像認識手段を備え、
前記画像重複幅の下限値は、前記画像認識手段が前記関心部位を認識するのに必要な幅である請求項
1に記載の撮影制御装置。
【請求項3】
前記照射野重複幅の上限値は、80mm以下である請求項1
又は請求項2に記載の撮影制御装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記所定の出力として、前記照射野の前記体軸方向の幅を変更する請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の撮影制御装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記照射野における前記体軸方向の幅を変更する絞りの動作を制御して、前記照射野の前記体軸方向の幅を変更する請求項
4に記載の撮影制御装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記所定の出力として、前記第一距離が変更されるように、前記照射野における前記体軸方向の幅を変更する絞り及び前記放射線源を前記放射線検出器の放射線入射面と直交する方向に移動させる移動機構の動作を制御して、前記照射野の前記体軸方向の幅を変更する請求項
4に記載の撮影制御装置。
【請求項7】
前記出力手段は、一の撮影における前記照射野の前記体軸方向の幅が、他の撮影における前記照射野の前記体軸方向の幅と異ならせる請求項
6に記載の撮影制御装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記所定の出力として、注意喚起を行う請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の撮影制御装置。
【請求項9】
放射線源と、撮像面に受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、を備え、被検者を撮影可能な放射線撮影システムが、前記放射線源及び前記放射線検出器を、前記被検者の体軸の延長方向である体軸方向にそれぞれ移動させつつ前記被検者を繰り返し撮影して、長尺画像を得るのに必要な、前記被検者の関心部位が共通して写る画像重複領域をそれぞれ有する複数の放射線画像を生成するのに用いられる撮影制御装置であって、
前記放射線源が発する放射線が前記撮像面に照射される範囲である照射野が一の撮影と他の撮影とで重なる領域の前記体軸方向の幅である照射野重複幅の上限値、前記放射線源と前記放射線検出器との距離である第一距離、前記被検者と前記放射線検出器との距離である第二距離、及び前記放射線検出器の前記体軸方向のサイズに基づいて、前記画像重複領域の前記体軸方向の幅である画像重複幅の下限値を算出する第二算出手段と、
前記第二算出手段が算出した前記画像重複幅の下限値に基づいて、所定の出力を行う第二出力手段と、を備える撮影制御装置。
【請求項10】
前記第二算出手段が算出した前記画像重複幅の下限値が所定値以下であるかを判定する判定手段を備え、
前記第二出力手段は、前記画像重複幅の下限値が所定値以下であると前記判定手段が判定した場合に、前記所定の出力を行う請求項
9に記載の撮影制御装置。
【請求項11】
前記放射線検出器が生成した複数の前記放射線画像の前記画像重複領域どうしを重ねて繋ぎ合わせて前記長尺画像を生成する長尺画像生成手段を備える請求項1から請求項1
0のいずれか一項に記載の撮影制御装置。
【請求項12】
放射線源と、撮像面に受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、を備え、被検者を撮影可能な放射線撮影システムが、前記放射線源及び前記放射線検出器を、前記被検者の体軸の延長方向である体軸方向にそれぞれ移動させつつ前記被検者を繰り返し撮影して、長尺画像を得るのに必要な、前記被検者の関心部位が共通して写る画像重複領域をそれぞれ有する複数の放射線画像を生成するのに用いられる撮影制御装置であって、
前記放射線源が発する放射線が前記撮像面に照射される範囲である照射野が一の撮影と他の撮影とで重なる領域の前記体軸方向の幅である照射野重複幅の上限値、前記画像重複領域の前記体軸方向の幅である画像重複幅の下限値、前記放射線源と前記放射線検出器との距離である第一距離、及び前記被検者と前記放射線検出器との距離である第二距離に基づいて、前記照射野の前記体軸方向の最大値である最大照射範囲を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記最大照射範囲に基づいて、所定の出力を行う出力手段と、
前記放射線検出器が生成した複数の前記放射線画像の前記画像重複領域どうしを重ねて繋ぎ合わせて前記長尺画像を生成する長尺画像生成手段と、
を備える撮影制御装置。
【請求項13】
放射線源と、
前記放射線源が発する放射線が撮像面に照射される範囲である照射野における、被検者の体軸の延長方向である体軸方向の幅を変更する絞りと、
前記放射線源及び前記絞りを前記体軸方向に移動させる第一移動機構と、
前記撮像面に受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、
前記放射線検出器を前記体軸方向に移動させる第二移動機構と、
前記放射線源が発する放射線が前記撮像面に照射される範囲である照射野が一の撮影と他の撮影とで重なる領域の前記体軸方向の幅である照射野重複幅の上限値、複数の放射線画像がそれぞれ有する前記被検者の関心部位が共通して写る画像重複領域の前記体軸方向の幅である画像重複幅の下限値、前記放射線源と前記放射線検出器との距離である第一距離、及び前記被検者と前記放射線検出器との距離である第二距離に基づいて、前記照射野の前記体軸方向の最大値である最大照射範囲を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記最大照射範囲に基づいて、所定の出力を行う出力手段と、
前記放射線源及び前記放射線検出器が、前記体軸方向にそれぞれ移動しつつ前記被検者を繰り返し撮影して生成した、前記画像重複領域どうしを重ねて繋ぎ合わせて長尺画像を生成する長尺画像生成手段と、を備え
、
前記算出手段は、前記照射野重複幅の上限値と前記画像重複幅の下限値との差と前記最大照射範囲の比が、前記第一距離と前記第二距離の比と等しくなる関係を用いて前記最大照射範囲を算出する長尺撮影システム。
【請求項14】
放射線源と、撮像面に受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、を備え、被検者を撮影可能な放射線撮影システムが、前記放射線源及び前記放射線検出器を、前記被検者の体軸の延長方向である体軸方向にそれぞれ移動させつつ前記被検者を繰り返し撮影して、長尺画像を得るのに必要な、前記被検者の関心部位が共通して写る画像重複領域をそれぞれ有する複数の放射線画像を生成するのに用いられる撮影制御装置に、
前記放射線源が発する放射線が前記撮像面に照射される範囲である照射野が一の撮影と他の撮影とで重なる領域の前記体軸方向の幅である照射野重複幅の上限値、前記画像重複領域の前記体軸方向の幅である画像重複幅の下限値、前記放射線源と前記放射線検出器との距離である第一距離、及び前記被検者と前記放射線検出器との距離である第二距離に基づいて、前記照射野の前記体軸方向の最大値である最大照射範囲を算出する算出処理と、
前記算出処理において算出した前記最大照射範囲に基づいて、所定の出力を行う出力処理と、を実行させ
、
前記算出処理は、前記照射野重複幅の上限値と前記画像重複幅の下限値との差と前記最大照射範囲の比が、前記第一距離と前記第二距離の比と等しくなる関係を用いて前記最大照射範囲を算出するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影制御装置、長尺撮影システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線検出器及び放射線源(管球)を被検者の体軸方向にそれぞれ移動させつつ被検者を繰り返し撮影し、得られた複数の放射線画像を繋ぎ合わせることにより、通常よりも大きなサイズの画像(いわゆる長尺画像)を生成する長尺撮影と呼ばれる撮影方法が従来知られている。
複数の放射線画像を繋ぎ合わせるためには、各放射線画像の端部に同一部位が重複して写っている必要がある。一方、複数の放射線画像に重複して写る部位は、二回撮影されるため、二重に被曝することになる。
しかし、二重に被曝する部位は、無駄な被曝を避ける観点から、なるべく小さくされることが望ましい。
【0003】
そこで、従来、こうした長尺撮影において、二重に被曝する領域を管理する各種方法が提案されている。
例えば特許文献1には、長尺撮影において、隣接し重複領域を持つ2枚の画像を撮影する際に、撮影領域サイズ、放射線画像を合成する際に隣り合う画像間で重複する重複量、放射線検出器と放射線画像を合成する際に隣接画像間で重複させる関心部位までの距離、放射線検出器と放射線源との距離に基づいて、放射線検出器及び放射線源の移動量を算出し、算出した移動量に応じて放射線検出器及び放射線源を制御する方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載された方法は、放射線検出器及び放射線源の移動量が決められている。このため、その他に設定される放射線源と放射線検出器との距離や、被検者と放射線検出器との距離によっては、同一部位が重複して写る領域が少なすぎて、長尺画像が生成できなくなったり、逆に、同一部位が重複して写る領域が多くなりすぎて、被検者の被ばく量が多くなる場合が出てきたりしてしまう。
また、放射線検出器及び放射線源を共に移動させる方式の長尺撮影を行うための装置は、放射線源と放射線検出器の可動範囲が決まっているため、放射線源と放射線検出器のうちの一方が、算出された移動量まで移動することができない場合がある。
しかし、特許文献1に記載された方法では、算出される移動量が固定値であるため、こうした場合に対応することができない。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、放射線検出器及び放射線源を被検者の体軸方向にそれぞれ移動させつつ被検者を繰り返し撮影する長尺撮影において、二重に被曝する領域の幅を所定範囲内に制限しつつ、放射線検出器及び放射線源の可動範囲の制約にも対応できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る撮影制御装置は、
放射線源と、撮像面に受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、を備え、被検者を撮影可能な放射線撮影システムが、前記放射線源及び前記放射線検出器を、前記被検者の体軸の延長方向である体軸方向にそれぞれ移動させつつ前記被検者を繰り返し撮影して、長尺画像を得るのに必要な、前記被検者の関心部位が共通して写る画像重複領域をそれぞれ有する複数の放射線画像を生成するのに用いられる撮影制御装置であって、
前記放射線源が発する放射線が前記撮像面に照射される範囲である照射野が一の撮影と他の撮影とで重なる領域の前記体軸方向の幅である照射野重複幅の上限値、前記画像重複領域の前記体軸方向の幅である画像重複幅の下限値、前記放射線源と前記放射線検出器との距離である第一距離、及び前記被検者と前記放射線検出器との距離である第二距離に基づいて、前記照射野の前記体軸方向の最大値である最大照射範囲を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記最大照射範囲に基づいて、所定の出力を行う出力手段と、を備え、
前記算出手段は、前記照射野重複幅の上限値と前記画像重複幅の下限値との差と前記最大照射範囲の比が、前記第一距離と前記第二距離の比と等しくなる関係を用いて前記最大照射範囲を算出する。
【0008】
また、本発明に係る撮影制御装置は、
放射線源と、撮像面に受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、を備え、被検者を撮影可能な放射線撮影システムが、前記放射線源及び前記放射線検出器を、前記被検者の体軸の延長方向である体軸方向にそれぞれ移動させつつ前記被検者を繰り返し撮影して、長尺画像を得るのに必要な、前記被検者の関心部位が共通して写る画像重複領域をそれぞれ有する複数の放射線画像を生成するのに用いられる撮影制御装置であって、
前記放射線源が発する放射線が前記撮像面に照射される範囲である照射野が一の撮影と他の撮影とで重なる領域の前記体軸方向の幅である照射野重複幅の上限値、前記放射線源と前記放射線検出器との距離である第一距離、前記被検者と前記放射線検出器との距離である第二距離、及び前記放射線検出器の前記体軸方向のサイズに基づいて、前記画像重複領域の前記体軸方向の幅である画像重複幅の下限値を算出する第二算出手段と、
前記第二算出手段が算出した前記画像重複幅に基づいて、所定の出力を行う第二出力手段と、を備える。
また、本発明に係る撮影制御装置は、
放射線源と、撮像面に受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、を備え、被検者を撮影可能な放射線撮影システムが、前記放射線源及び前記放射線検出器を、前記被検者の体軸の延長方向である体軸方向にそれぞれ移動させつつ前記被検者を繰り返し撮影して、長尺画像を得るのに必要な、前記被検者の関心部位が共通して写る画像重複領域をそれぞれ有する複数の放射線画像を生成するのに用いられる撮影制御装置であって、
前記放射線源が発する放射線が前記撮像面に照射される範囲である照射野が一の撮影と他の撮影とで重なる領域の前記体軸方向の幅である照射野重複幅の上限値、前記画像重複領域の前記体軸方向の幅である画像重複幅の下限値、前記放射線源と前記放射線検出器との距離である第一距離、及び前記被検者と前記放射線検出器との距離である第二距離に基づいて、前記照射野の前記体軸方向の最大値である最大照射範囲を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記最大照射範囲に基づいて、所定の出力を行う出力手段と、
前記放射線検出器が生成した複数の前記放射線画像の前記画像重複領域どうしを重ねて繋ぎ合わせて前記長尺画像を生成する長尺画像生成手段と、
を備える。
【0009】
また、本発明に係る長尺撮影システムは、
放射線源と、
前記放射線源が発する放射線が撮像面に照射される範囲である照射野における、被検者の体軸の延長方向である体軸方向の幅を変更する絞りと、
前記放射線源及び前記絞りを前記体軸方向に移動させる第一移動機構と、
前記撮像面に受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、
前記放射線検出器を前記体軸方向に移動させる第二移動機構と、
前記放射線源が発する放射線が前記撮像面に照射される範囲である照射野が一の撮影と他の撮影とで重なる領域の前記体軸方向の幅である照射野重複幅の上限値、複数の放射線画像がそれぞれ有する前記被検者の関心部位が共通して写る画像重複領域の前記体軸方向の幅である画像重複幅の下限値、前記放射線源と前記放射線検出器との距離である第一距離、及び前記被検者と前記放射線検出器との距離である第二距離に基づいて、前記照射野の前記体軸方向の最大値である最大照射範囲を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した前記最大照射範囲に基づいて、所定の出力を行う出力手段と、
前記放射線源及び前記放射線検出器が、前記体軸方向にそれぞれ移動しつつ前記被検者を繰り返し撮影して生成した、前記画像重複領域どうしを重ねて繋ぎ合わせて長尺画像を生成する長尺画像生成手段と、を備え、
前記算出手段は、前記照射野重複幅の上限値と前記画像重複幅の下限値との差と前記最大照射範囲の比が、前記第一距離と前記第二距離の比と等しくなる関係を用いて前記最大照射範囲を算出する。
【0010】
また、本発明に係るプログラムは、
放射線源と、撮像面に受けた放射線に応じた放射線画像を生成する放射線検出器と、を備え、被検者を撮影可能な放射線撮影システムが、前記放射線源及び前記放射線検出器を、前記被検者の体軸の延長方向である体軸方向にそれぞれ移動させつつ前記被検者を繰り返し撮影して、長尺画像を得るのに必要な、前記被検者の関心部位が共通して写る画像重複領域をそれぞれ有する複数の放射線画像を生成するのに用いられる撮影制御装置に、
前記放射線源が発する放射線が前記撮像面に照射される範囲である照射野が一の撮影と他の撮影とで重なる領域の前記体軸方向の幅である照射野重複幅の上限値、前記画像重複領域の前記体軸方向の幅である画像重複幅の下限値、前記放射線源と前記放射線検出器との距離である第一距離、及び前記被検者と前記放射線検出器との距離である第二距離に基づいて、前記照射野の前記体軸方向の最大値である最大照射範囲を算出する算出処理と、
前記算出処理において算出した前記最大照射範囲に基づいて、所定の出力を行う出力処理と、を実行させ、
前記算出処理は、前記照射野重複幅の上限値と前記画像重複幅の下限値との差と前記最大照射範囲の比が、前記第一距離と前記第二距離の比と等しくなる関係を用いて前記最大照射範囲を算出する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、二重に被曝する領域の幅を所定範囲内に制限しつつ、放射線検出器及び放射線源の可動範囲の制約にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第一,第二実施形態に係る長尺撮影システムの側面図である。
【
図2】第一,第二実施形態に係る他の長尺撮影システムの側面図である。
【
図3】
図1,2の長尺撮影システムが備える撮影制御装置を表すブロック図である。
【
図4】撮影制御装置が実行する長尺撮影制御処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】撮影制御装置が長尺撮影制御処理を実行しているときに表示される設定画面の一例を示す図である。
【
図6】長尺撮影を行っているときの放射線源、照射野、被検者及び放射線検出器の位置関係を示す図である。
【
図7】
図4の長尺撮影制御処理における撮影位置算出処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】長尺画像を生成するための複数の放射線画像を撮影する際の撮影範囲の設定方法を示す図である。
【
図9】長尺画像を生成するための複数の放射線画像を撮影する際の撮影範囲の設定方法を示す図である。
【
図10】第一,第二実施形態に係る長尺撮影システムの側面図である。
【
図11】長尺画像を生成するための複数の放射線画像を撮影する際の撮影範囲の設定方法を示す図である。
【
図12】長尺画像を生成するための複数の放射線画像を撮影する際の撮影範囲の設定方法を示す図である。
【
図13】長尺画像を生成するための複数の放射線画像を撮影する際の撮影範囲の設定方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施形態や図面に記載されたものに限定されるものではない。
【0014】
<1.第一実施形態>
まず、本発明の第一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
〔1-1.長尺撮影システム(1)〕
初めに、本実施形態に係る長尺撮影システムの概略構成について説明する。
図1は本実施形態に係る長尺撮影システム100の側面図、
図2は本実施形態に係る他の長尺撮影システム100Aの側面図である。
なお、
図1,2における括弧書きの符号は、後述する第二実施形態のものである。
【0016】
長尺撮影システム100は、
図1に示すように、放射線撮影システム110と、コンソール120と、を備えている。
放射線撮影システム110とコンソール120とは、通信ネットワークNWを介して互いに通信可能となっている。
なお、長尺撮影システム100は、図示しない病院情報システム(Hospital Information System:HIS)や、放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)、画像解析装置等と接続されていてもよい。
【0017】
(1-1-1.放射線撮影システム)
放射線撮影システム110は、放射線出力装置(以下、出力装置1)と、放射線検出器(以下、検出器2)と、撮影台3と、を備えている。
各装置1~3は、通信ネットワークNWを介して互いに通信可能となっている。
【0018】
出力装置1は、ジェネレーター11と、放射線源12(管球)と、絞り13と、第一移動機構14と、第三移動機構15と、を備えている。
そして、出力装置1は、撮影する放射線画像(撮影画像(長尺画像を含む)・連続撮影画像)に応じた態様で放射線R(例えばX線)を発生させるようになっている。
【0019】
ジェネレーター11は、撮影指示スイッチが操作されたことに基づいて、予め設定された撮影条件(例えば撮影部位、撮影方向、体格等の被検者Sに関する条件や、管電圧や管電流、照射時間、電流時間積(mAs値)等の放射線の照射に関する条件)に応じた負荷を放射線源12に与えるようになっている。
また、ジェネレーター11は、図示しない撮影指示スイッチを備えている。
【0020】
放射線源12は、ジェネレーター11からの負荷に応じた線量の放射線Rを発生させるようになっている。
本実施形態に係る放射線源12は、絞り13を介して放射線Rを水平方向に照射するようになっている。
また、放射線源12は、鉛直方向及び放射線の照射方向と直交する方向(
図1の紙面と直交する方向)に延びる回転軸を中心に回転させることが可能となっている。
このため、放射線源12は、放射線Rを、例えば鉛直下方に照射することが可能となっている。
【0021】
絞り13は、コンソール120からの制御に基づいて自身が形成する矩形の開口の体軸方向の幅を制御することにより、放射線源12が発する放射線が後述する撮像面22に照射される範囲である照射野における体軸方向の幅(以下照射範囲Xea(i))を変更することが可能に構成されている。
この「体軸方向」とは、被検者Sの体軸の延長方向を指す。
図1に示した長尺撮影システム100は、立位の被検者Sを撮影するものである。このため、
図1に示した長尺撮影システム100においては、鉛直方向(
図1における上下方向)が体軸方向となる。
なお、絞り13は、開口の体軸方向と直交する方向の幅を変更することが可能に構成されていてもよい。
また、絞り13は、自身が形成する開口の体軸方向の幅を検知する幅センサー13aを備えている。
なお、幅センサー13aは、開口の体軸方向と直交する方向の幅を検知することが可能に構成されていてもよい。
また、絞り13は、放射線Rの照射方向と同じ方向に、放射線Rの照射野と等しい照射範囲で可視光を照射することで、ユーザーに放射線Rの照射範囲Xea(i)を認識させることが可能となっている。
【0022】
第一移動機構14は、放射線源12及び絞り13を体軸方向に移動させることが可能に構成されている。
なお、第一移動機構14は、放射線源12及び絞り13の移動を、ユーザーの操作によって手動で行うようになっていてもよいし、コンソール120からの制御に基づいて自動で行うようになっていてもよい。
また、第一移動機構14は、放射線源12の位置(移動の起点からの距離、高さ)を検知する第一位置センサー14aを備えている。
【0023】
第三移動機構15は、放射線源12及び絞り13を検出器2の放射線入射面21と直交する方向(水平方向)に移動させることが可能に構成されている。
なお、第三移動機構15は、放射線源12及び絞り13の移動を、ユーザーの操作によって手動で行うようになっていてもよいし、コンソール120からの制御に基づいて自動で行うようになっていてもよい。
また、第三移動機構15は、放射線源12の位置(移動の起点からの距離)を検知する第三位置センサー15aを備えている。
【0024】
検出器2は、図示しないセンサー部と、走査駆動部と、読み出し部と、制御部と、出力部と、を備えている。
【0025】
センサー部は、図示しない基板と、複数の半導体素子と、図示しない複数の走査線と、複数の信号線と、複数のスイッチ素子と、を備えている。
複数の走査線は、基板の表面に、所定間隔を空けて互いに平行に延びるように設けられている。
複数の信号線は、基板の表面に、走査線の延長方向と直交する方向に、所定間隔を空けて互いに平行に延びるように設けられている。
すなわち、複数の走査線及び複数の信号線は、格子状をなしている。
【0026】
複数の半導体素子は、基板の表面における複数の走査線及び複数の信号線によって仕切られた複数の矩形領域にそれぞれ設けられている。
上述したように、複数の走査線及び複数の信号線は、格子状をなしているため、複数の半導体素子は、行列状に配列されることになる。
各半導体素子は、受けた放射線の線量に応じた電荷を発生させるようになっている。
複数のスイッチ素子は、各半導体素子の近傍に設けられている。
各スイッチ素子は、走査線に印加された電圧に応じて、半導体素子から信号線へ電荷を放出可能なオン状態、又は半導体素子から信号線へ電荷を放出できないオフ状態に切り替割ることが可能となっている。
以下、この基板における半導体素子が形成された面を撮像面22と称し、撮像面22における半導体素子が配列された領域を放射線検出領域22aと称する。
【0027】
走査駆動部は、各スイッチ素子のオン/オフを切り替えることが可能に構成されている。
読み出し部は、各画素から放出された電荷の量を信号値として読み出すように構成されている。
制御部は、検出器2の各部を制御し、読み出し部が読み出した複数の信号値から放射線画像の画像データを生成するように構成されている。
出力部は、生成した画像データ等を他の装置(コンソール120等)へ出力することが可能に構成されている。
このように構成された検出器2は、出力装置1から放射線が照射されるタイミングと同期して、撮像面22(放射線検出領域22a)に受けた放射線に応じた放射線画像を生成するようになっている。
【0028】
撮影台3は、支柱31と、第二移動機構32と、装填部33(ブッキー)と、衝立34と、を備えている。
【0029】
支柱31は、鉛直方向に延びるように設けられている。
なお、長尺撮影システム100が撮影室内に設置される場合には、撮影室の壁が支柱31の代わりであってもよい。
第二移動機構32は、支柱31に設けられ、装填部33を体軸方向に移動させることが可能に構成されている。
なお、第二移動機構32は、装填部33の移動を、ユーザーの操作によって手動で行うようになっていてもよいし、コンソール120からの制御に基づいて自動で行うようになっていてもよい。
また、第二移動機構32は、検出器2の位置(移動の起点からの距離、高さ)を検知する第二位置センサー32aを備えている。
また、第二移動機構32は、検出器2を、放射線入射面21と直交する方向や、
図1の紙面と直交する方向に移動させることが可能に構成されていてもよい。
装填部33は、検出器2を、放射線入射面21が放射線源12の方を向くように保持する。すなわち、上記第二移動機構32は、装填部33を介して検出器2を体軸方向に移動させるようになっている。
衝立34は、放射線源12と検出器2との間にある被検者Sの立ち位置に鉛直方向に延びるように且つ検出器2の放射線入射面21と平行に広がるように設けられている。
【0030】
(1-1-2.コンソール)
コンソール120は、撮影制御装置をなすもので、PCや専用の装置で構成されている。
また、コンソール120は、放射線撮影システム110が、放射線源12及び検出器2を、体軸方向にそれぞれ移動させつつ被検者Sを繰り返し撮影して、長尺画像を得るのに必要な複数の放射線画像を生成するのに用いられる。
この「長尺画像」とは、画像重複領域をそれぞれ有する複数の放射線画像の画像重複領域どうしを重ねて繋ぎ合わせたものである。
長尺画像を生成するためには、自動、手動いずれの方法で行う場合であっても、合成する放射線画像の両方に、被検者S(後述する関心部位Sa)の一部が共通して写る領域が必要となる。この領域が画像重複領域である。
このコンソール120の詳細については後述する。
【0031】
なお、
図1には、撮影制御装置を兼ねているコンソール120を例示したが、撮影制御装置はコンソールから独立した別の装置であってもよい。
また、
図1には、コンソール120を一つ備える長尺撮影システム100を例示したが、長尺撮影システム100は、各装置を制御するためのコンソールと、検出器2が生成した放射線画像に各種処理(長尺画像の生成を含む)を施すためのコンソールと、を備えたものであってもよい。
【0032】
〔1-2.長尺撮影システム(2)〕
他の長尺撮影システム100Aは、撮影台3Aの構成が上記長尺撮影システム100とは異なっている。
具体的には、他の長尺撮影システム100Aにおける撮影台3Aは、
図2に示すように、支持部35と、天板36と、第四移動機構37と、装填部38と、を備えている。
【0033】
支持部35は、床に載置されている。
天板36は、支持部35の上に水平に広がるように配置されている。
第四移動機構37は、支持部35の中(天板36の下)に設けられ、装填部38を体軸方向に移動させることが可能に構成されている。
図2に示した他の長尺撮影システム100Aは、臥位の被検者Sを撮影するものである。このため、
図2に示した長尺撮影システム100においては、水平方向(
図2における左右方向)が体軸方向となる。
なお、第四移動機構37は、装填部38の移動を、ユーザーの操作によって手動で行うようになっていてもよいし、コンソール120からの制御に基づいて自動で行うようになっていてもよい。
また、第四移動機構37は、検出器2の位置(移動の起点からの距離、高さ)を検知する第四位置センサー37aを備えている。
装填部38は、検出器2を、放射線入射面21が放射線源12の方を向くように保持する。すなわち、上記第四移動機構37は、装填部38を介して検出器2を体軸方向に移動させるようになっている。
【0034】
この撮影台3Aの構成の相違により、本実施形態に係る放射線源12は、絞り13を介して放射線Rを鉛直下方に照射するようになっている。
【0035】
また、第一移動機構14と第三移動機構15は、役割が逆になっている。
すなわち、第一移動機構14は、放射線源12及び絞り13を検出器2の放射線入射面21と直交する方向(鉛直方向)に移動させることが可能に構成されている。
また、第三移動機構15は、放射線源12及び絞り13を体軸方向に移動させることが可能に構成されている。
【0036】
〔1-3.コンソール〕
次に、上記長尺撮影システム100,100Aが備えるコンソール120の詳細について説明する。
図3は、コンソール120を表すブロック図である。
である。
なお、
図3における括弧書きの符号は、後述する第二実施形態のものである。
【0037】
(1-3-1.構成)
コンソール120は、
図3に示すように、制御部121と、通信部122と、記憶部123と、表示部124と、操作部125と、を備えている。
各部121~125は、バス等で電気的に接続されている。
【0038】
制御部121は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。
そして、制御部121のCPUは、記憶部123に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、コンソール120各部の動作を集中制御するようになっている。
【0039】
通信部122は、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部122は、通信ネットワークNW(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等)を介して接続された他の装置等との間で各種信号や各種データを有線又は無線で送受信するようになっている。
【0040】
記憶部123は、不揮発性の半動態メモリーやハードディスク等により構成されている。
また、記憶部123は、制御部121が実行する各種プログラムやプログラムの実行に必要なパラメーター等を記憶している。
なお、記憶部123は、放射線画像(長尺画像を含む)の画像データを保存できるようになっていてもよい。
【0041】
表示部124は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等の画像を表示するモニターで構成されている。
そして、表示部124は、制御部121から入力される制御信号に基づいて、各種画像等を表示するようになっている。
なお、上述したように、コンソール120が、各装置を制御するためのコンソールと、検出器2が生成した放射線画像に各種処理を施すためのコンソールに分かれている場合には、各コンソールが表示部を備えていてもよいし、いずれか一方のコンソールが表示部を備え、この表示部が両方のコンソールの表示を行うようになっていてもよい。
【0042】
本実施形態に係る操作部125は、カーソルキーや、数字入力キー、各種機能キー等を備えたキーボードや、マウス等のポインティングデバイス、表示部124の表面に積層されるタッチパネル等によって構成されている。
そして、操作部125は、ユーザーによってなされた操作に応じた制御信号を制御部121へ出力するようになっている。
なお、上述したように、コンソール120が、各装置を制御するためのコンソールと、検出器2が生成した放射線画像に各種処理を施すためのコンソールに分かれている場合には、各コンソールが操作部を備えていてもよいし、いずれか一方のコンソールが操作部を備え、この操作部で両方のコンソールの操作を行うようになっていてもよい。
【0043】
(1-3-2.動作)
このように構成されたコンソール120の制御部121は、ユーザーによる撮影モード(撮影する放射線画像の種類)の選択を受け付ける機能を有している。
具体的には、例えば、表示部124に撮影モードの一覧画面を表示し、操作部125によって表示部124に表示されているいずれかの撮影モードを選択できるようにしている。
【0044】
また、制御部121は、出力装置1の第一,第三位置センサー14a,15aから、放射線源12の位置情報を取得する機能を有している。
また、制御部121は、撮影台3の第二位置センサー32a又は撮影台3Aの第四位置センサー37aから、検出器2の位置情報を取得する機能を有している。
また、制御部121は、絞り13の幅センサー13aから、絞り13の開口の体軸方向の幅を取得する機能を有している。
【0045】
また、制御部121は、ユーザーにより長尺撮影モードが選択されたこと、他のシステムから長尺撮影を行う旨の撮影オーダーを取得したこと、操作部125に所定操作がなされたこと等を契機として、
図4に示す長尺撮影制御処理を実行する機能を有している。
【0046】
〔1-4.長尺撮影の流れ〕
次に、上記コンソール120を備えた長尺撮影システム100を用いて行う長尺撮影の流れについて説明する。
図4はコンソール120が実行する長尺撮影制御処理の流れを示すフローチャート、
図5はコンソール120が長尺撮影制御処理を実行しているときに表示される設定画面の一例を示す図、
図6は長尺撮影を行っているときの放射線源12、照射野、被検者S及び検出器2の位置関係を示す図、
図7は長尺撮影制御処理における撮影位置算出処理の流れを示すフローチャート、
図8,9,11,12は長尺画像を生成するための複数の放射線画像を撮影する際の撮影範囲の設定方法を示す図、
図10は長尺撮影システム100の側面図である。
なお、ここでは、立位の長尺撮影を行う場合を例にして説明するが、臥位の長尺撮影を行う場合も、体軸方向が鉛直方向から水平方向に変わる点を除けば立位の長尺撮影と同様の流れになる。
【0047】
(1-4-1.設定)
図4に示す長尺撮影制御処理では、まず、長尺撮影を行うのに必要な各種情報の設定(例えばユーザーによって操作部125になされる入力操作)を受け付ける(ステップS1)。
この「各種情報」には、被検者Sの撮影体位(立位、臥位)、第一距離Sid(0)、検出器2の種類、サイズ、照射野重複幅の上限値XOa、画像重複幅の下限値IOa等が含まれる。
本実施形態に係る制御部121は、表示部124に、例えば
図5に示すような設定画面Scを表示するようになっている。
そして、ユーザーは、この設定画面Scを見ながら操作部125を操作することにより各種情報の設定を行うことになる。
【0048】
ここで、「第一距離Sid(i)」は、
図6に示すように、放射線源12と検出器2との距離、より具体的には、放射線源12内の放射線の焦点Fと検出器2の放射線検出領域22aとの距離(Source to Image-receptor Distance)である。
本実施形態に係る制御部121は、設定画面ScのデフォルトボタンB1が操作(タッチやクリック)されると自身が保持するデフォルト値を第一距離Sid(0)として設定し、カレントボタンB2が操作されると、スタートボタンB12が操作された時の第一距離Sid(0)を設定するようになっている。
また、本実施形態に係る制御部121は、設定画面ScのインプットボタンB3が操作されると、ユーザーが入力した任意の値を第一距離Sid(0)として設定するようになっている。
なお、本実施形態に係る制御部121は、各種ボタンB1,B2,B3に応じた第一距離Sid(0)を、設定画面Scの表示欄C1に表示するようになっている。
なお、カレントボタンB2が指定されている場合は、以降の操作において、放射線源12の位置に応じて表示欄C1の表示が変化することになる。
【0049】
また、「照射野重複幅の上限値XOa」は、
図6に示したように、放射線源12が発する放射線が撮像面22に照射される範囲である照射野が一の撮影と他の撮影とで重なる領域の体軸方向の幅の上限値である。
なお、被検者Sの無駄な二重被曝を抑制し、かつ撮影枚数を少なくするためには、この照射野重複幅の上限値XOaを制限する必要がある。このため、照射野重複幅の上限値XOaは、80mm以下であることが好ましく、50~70mmであることがさらに好ましい。
なお、この照射野重複幅の上限値XOaは、ユーザーによって設定されるものであってもよい。
【0050】
また、「画像重複幅の下限値IOa(画像重複幅)」は、画像重複領域の体軸方向の幅の下限値である。
この画像重複幅の下限値IOaは、長尺画像を合成する際に、制御部121が繋ぎ合わせる両方の放射線画像に共通して写る関心部位Saを認識するのに必要な幅である。
なお、この画像重複幅の下限値IOaは、ユーザーによって設定されるものであってもよい。
また、制御の誤差や装置の精度の誤差により、画像重複幅の下限値IOaを設定しても、実際の値が画像重複幅の下限値IOaよりも小さくなる場合がある。そこで、制御部121は、制御の誤差や装置の精度の誤差を考慮し、この画像重複幅の下限値IOa+βを設定するようになっていてもよい。
【0051】
また、本実施形態に係る制御部121は、設定画面Scの検出器選択ボタンB6~B9のいずれかが操作されると、各検出器選択ボタンB6~B9に紐づけられた検出器の種類、サイズを設定するようになっている。
なお、制御部121は、撮影台3,3Aの装填部33,38に検出器2が装填され、装填部33,38内に設けられた有線のコネクターに検出器2のコネクターが接続されたときに、検出器2から自動的に取得するようになっていてもよい。
【0052】
各種情報を設定した後、制御部121は、通信部122を介して、長尺撮影が設定された旨の情報及び設定された各種情報を各装置に送信する。
なお、制御部121は、選択された撮影体位が立位の場合に、このステップS1の処理において、立位撮影専用の器具の準備をユーザーに指示する(例えば、「衝立をセットしてください」等の文字を表示部124に表示させる)ようになっていてもよい。
【0053】
各種設定を行った後は、撮影範囲の開始位置を決定する(ステップS2)。
この工程で、本実施形態に係る制御部121は、撮影範囲の開始位置を指定するためのセットボタンB4の操作がなされるまで待機状態となる。
制御部121が待機状態となっている間に、ユーザーが、仮の第一距離Sid(-1)、焦点Fの高さPfs(-1)、絞り13上の(絞り13が認識する)撮影距離CSid(-1)及び絞り13上の照射範囲CXea(-1)を任意の値に設定し、絞り13を操作して被検者S及び背後の衝立34に可視光を照射野と同範囲となるように照射させる。
そして、ユーザーが、照射された可視光を目視で確認しながら放射線源12を上下に移動させるとともに、必要に応じて光照射野や絞り13上の照射範囲CXea(-1)を微調整するとともに第一距離Sid(-1)を微調整する。
そして、可視光の上端(下端)が、最初の撮影において実際の照射野の上端(下端)としたい高さに位置したと判断したところで、ユーザーがセットボタンB4を操作すると、制御部121は、その時点の撮像面22上の撮影範囲の開始位置を算出し記憶する。
なお、本実施形態に係る制御部121は、記憶した各数値を、設定画面Scの表示欄C2に表示するようになっている。
【0054】
撮影範囲の開始位置を指定した後は、撮影範囲の終了位置を指定する(ステップS3)。
この工程で、制御部121は、開始位置を指定するためのセットボタンB5の操作がなされるまで待機状態となる。
制御部121が待機状態となっている間に、ユーザーが、仮の第一距離Sid(-2)、焦点Fの高さPfs(-2)、絞り13上の撮影距離CSid(-2)及び絞り13上の照射範囲CXea(-2)を任意の値に設定し、絞り13を制御して被検者S及び背後の衝立34に可視光を照射野と同範囲となるように照射させる。
そして、ユーザーが、照射された可視光を目視で確認しながら放射線源12を上下に移動させるとともに、必要に応じて光照射野や絞り13上の照射範囲CXea(-2)を微調整するとともに第一距離Sid(-2)を微調整する。
そして、可視光の下端(上端)が、最後の撮影において実際の照射野の下端(上端)としたい高さに位置したと判断したところで、ユーザーがセットボタンB5を操作すると、制御部121は、その時点の撮像面22上の撮影範囲の終了位置を算出し記憶する。
なお、本実施形態に係る制御部121は、記憶した各数値を、設定画面Scの表示欄C3に表示するようになっている。
【0055】
また、本実施形態に係る制御部121は、以下のような別の撮影範囲の終了位置の指定方法ができるようになっている。
・設定画面Scの上限ボタンB10が操作されると、受像可能な上限高さを撮影範囲の終了位置にセットする。
・設定画面Scの下限ボタンB11が操作されると、受像可能な下限高さを撮影範囲の終了位置にセットする。
【0056】
なお、撮影範囲が定まった後で、撮影時の第一距離Sid(0)を設定するようにしても良い。
例えば、撮影範囲の設定後、放射線源12の位置を手動で操作し、所望の第一距離Sid(0)を設定する事ができる。具体的には、カレントボタンB2がセットされた状態で設定画面Scの表示欄C1に表示された数値を確認ながら操作する(ステップS4)。
【0057】
なお、制御部121は、長尺撮影を行うことが可能になった旨をユーザーに報知する(例えば、次工程に進むための撮影開始ボタンを操作可能な状態に切り替える)ようになっているのが好ましい。
【0058】
ユーザーは、スタートボタンB12を操作する事で、撮影範囲と撮影時の第一距離Sid(0)が所望の値になっている事を確認した旨を装置に伝える。スタートボタンB12が操作されると、制御部121は、
図4に示したように、撮影位置算出処理を実行する(ステップS5)。
この撮影位置算出処理で、制御部121は、
図7に示すように、まず、演算に必要な各種数値を取得する(ステップS51)。
具体的には、各種設定値、上記ステップS2,S3で記憶した各種数値を取得する。
本実施形態に係る各種設定値には、照射野重複幅の上限値XOa、画像重複幅の下限値IOa、第二距離OID、第一部分領域幅FTbd、第二部分領域幅FBbdが含まれる。
【0059】
また、「第二距離OID」は、被検者Sと検出器2との距離、より具体的には、被検者Sの関心部位Sa(例えば背骨)と検出器2の撮像面22との距離(Object to Image-receptor Distance)である。
この第二距離OIDは、長尺撮影を行う際、検出器2は移動するため、被検者Sと検出器2との間に一定の空間を設ける必要がある、関心部位Sa(例えば背骨)は被検者Sの内部にある、といった理由により生じる距離である。
なお、この第二距離OIDは、ユーザーによって設定されるものであってもよい。
また、第二距離OIDは、衝立34の位置に基づいて算出されるものであってもよい。
また、第二距離OIDは、被検者Sの位置に基づいて算出されるものであってもよい。
なお、ユーザーが低線量で仮の撮影を行い、得られた放射線画像に基づいて、設定した第二距離OIDを再調整できるようになっていてもよいし、制御部121が得られた放射線画像を画像処理し、その結果に基づいて再計算するようになっていてもよい。
【0060】
また、「第一部分領域幅FTbd」は、装填部33の中心から検出器2の放射線検出領域22aの一端(上端)までの距離であり、検出器2のサイズ、装填方向(装填部33の回転)によって決定される。
また、「第二部分領域幅FBbd」は、装填部33の中心から放射線検出領域22aの他端(下端)までの距離であり、検出器2のサイズ、装填方向(装填部33の回転)によって決定される。
なお、第一部分領域幅FTbdと第二部分領域幅FBbdの和が、撮影に使用する検出器2の放射線検出領域22aの体軸方向の幅である検出領域幅FTbd+FBbdとなる。
【0061】
また、ステップS2で記憶した各種数値には、撮影開始時の焦点Fの高さPfs(-1)、第一距離Sid(-1)、絞り13上の撮影距離CSid(-1)、絞り13上の照射範囲CXea(-1)が含まれる。
また、ステップS3で記憶した各種数値には、撮影終了時の焦点Fの高さPfs(-2)、第一距離Sid(-2)、絞り13上の撮影距離CSid(-2)、絞り13上の照射範囲CXea(-2)が含まれる。
【0062】
各種数値を取得した後、制御部121は、検出領域の上限高さTLdaと下限高さBLdaを仮決めする(ステップS52)。
この処理で、制御部121は、まず、撮影開始時の焦点Fの高さPfs(-1)と、撮影終了時の高さPfs(-2)のどちらが高いか(上から下に向かって撮影を進めていくのか下から上に向かって撮影を進めていくのか)を判断する。
【0063】
ここで、撮影開始時の焦点Fの高さPfs(-1)の方が撮影終了時の高さPfs(-2)よりも高い場合、制御部121は、期待される検出領域の上限高さETea及び下限高さEBeaを、下記式(1),(2)を用いて算出する。
期待される検出領域の上限高さETea=撮影開始時の焦点Fの高さPfs(-1)+(1/2)×(絞り13上の照射範囲CXea(-1)×第一距離Sid(-1)/絞り13上の撮影距離CSid(-1))・・(1)
期待される検出領域の下限高さEBea=撮影終了時の焦点Fの高さPfs(-2)-(1/2)×(絞り13上の照射範囲CXea(-2)×第一距離Sid(-2)/絞り13上の撮影距離CSid(-2))・・(2)
【0064】
一方、撮影終了時の焦点Fの高さPfs(-2)の方が撮影開始時の焦点Fの高さPfs(-1)よりも高い場合、制御部121は、期待される検出領域の上限高さETea及び下限高さEBeaを、下記式(3),(4)を用いて算出する。
期待される検出領域の上限高さETea=撮影終了時の焦点Fの高さPfs(-2)+(1/2)×(絞り13上の照射範囲CXea(-2)×第一距離Sid(-2)/絞り13上の撮影距離CSid(-2))・・(3)
期待される検出領域の下限高さEBea=撮影開始時の焦点Fの高さPfs(-1)-(1/2)×(絞り13上の照射範囲CXea(1)×第一距離Sid(-1)/絞り13上の撮影距離CSid(-1))・・(4)
【0065】
そして、制御部121は、ここで算出した期待される検出領域の上限高さETeaを検出領域の上限高さTLda、期待される検出領域の下限高さEBeaを検出領域の下限高さBLdaにそれぞれ仮決めする。
なお、期待される検出領域の上限高さETeaが、装填部33の中心の上限高さTLbcと第一部分領域幅FTbdとの和よりも大きい場合には、この和を検出領域の上限高さTLdaとする。
また、期待される検出領域の下限高さEBeaが、装填部33の中心の下限高さBLbcと第二部分領域幅FBbdの差よりも小さい場合には、この差を検出領域の下限高さBLdaとする。
この検出領域の上限高さTLdaから検出領域の下限高さBLdaまでの距離が長尺撮影範囲TLda-BLdaとなる。
【0066】
検出領域の上限高さTLda及び下限高さBLdaを仮決めした後、制御部121は、最大画像シフト量maxPps、最大照射範囲maxXea、最大撮影可能範囲W、最大移動距離maxUml及び撮影枚数nを算出する(ステップS53)。
【0067】
この「最大画像シフト量maxPps」は、放射線検出領域22aにおいて、画像重複領域が一の撮影と他の撮影とでずれる量の最大値である。
制御部121は、最大画像シフト量maxPpsを、下記式(5)を用いて算出する。
最大画像シフト量maxPps=照射野重複幅の上限値XOa-画像重複幅の下限値IOa・・(5)
なお、上記式(5)において、焦点高さの誤差Afsp及び装填部33の中心高さの誤差Abcpを勘案して最大画像シフト量maxPpsを算出するようにしてもよい。
また、算出した最大画像シフト量maxPpsが所定値(例えば20mm)以下となった場合には、長尺撮影を行うことができない。このため、制御部121は、最大画像シフト量maxPpsが所定値以下となった場合に、ステップS1で設定した第一距離Sid(i)を変更する旨をユーザーに報知するようになっていてもよい。
【0068】
また、「最大照射範囲maxXea」は、第一距離Sid(i)が予め設定された値となっているときに、照射野重複幅の上限値XOa及び画像重複幅の下限値IOaを満足する照射野の体軸方向の幅の最大値である。
本実施形態に係る制御部121は、最大照射範囲maxXeaを、照射野重複幅の上限値XOaと画像重複幅の下限値IOaとの差と最大照射範囲maxXeaの比が、第二距離OIDとステップS1で設定した第一距離Sid(0)の比と等しくなる関係を用いて算出する。
具体的には、例えば下記式(6)を用いて算出する。
最大照射範囲maxXea=最大画像シフト量maxPps×第一距離Sid(0)/第二距離OID・・(6)
【0069】
また、「最大撮影可能範囲W」は、1回の撮影における放射線の照射範囲Xea(i)の最大値である。
この処理で、制御部121は、まず、算出した最大照射範囲maxXeaと、検出領域幅FTbd+FBbdとを比較する。
ここで、
図6(a)に示したように、最大照射範囲maxXeaが検出領域幅FTbd+FBbd以下である場合、制御部121は、最大照射範囲maxXeaを最大撮影可能範囲Wとする。
一方、
図6(b)に示したように、最大照射範囲maxXeaが検出領域幅FTbd+FBbdよりも大きい場合、制御部121は、検出領域幅FTbd+FBbdを最大撮影可能範囲Wとする。
これは、最大照射範囲maxXeaをいくら大きく設定することができても、検出器2の放射線検出領域22aの外に照射される放射線を画像化することはできないためである。
なお、制御部121は、制御の誤差や装置の精度γによる誤差を考慮し、最大照射範囲maxXeaを、検出領域幅FTbd+FBbd±γと比較するようになっていてもよい。
【0070】
また、「最大移動距離maxUml」は、次撮影に移る際に放射線源12及び検出器2が移動する距離の最大値である。
本実施形態に係る制御部121は、最大移動距離maxUmlを、下記式(7)を用いて算出する。
最大移動距離maxUml=最大撮影可能範囲W-照射野重複幅の上限値XOa・・(7)
【0071】
また、「撮影枚数n」は、長尺画像を生成するのに必要な放射線画像の最低枚数である。
本実施形態に係る制御部121は、撮影枚数nを以下のようにして算出する。
まず、下記式(8)を用いて小数を含む数値n’を算出する。
数値n’=(長尺撮影範囲TLda-BLda-最大撮影可能範囲W)/(最大移動距離maxUml)+1・・(8)
次に、算出した数値n’の小数点以下を切り上げ、得られた整数値を撮影枚数nとする。
【0072】
撮影枚数nを算出した後、制御部121は、算出した撮影枚数nが最大撮影枚数N以下であるか否かを判断する(ステップS54)。
ここで、算出した撮影枚数nが最大撮影枚数N以下ではない(Nを超えている)と判断した場合(ステップS54:No)、本実施形態に係る制御部121は、長尺撮影範囲TLda-BLdaを変更する(ステップS55)。
【0073】
この処理で、制御部121は、まず、撮影開始時の焦点Fの高さPfs(-1)と、撮影終了時の高さPfs(-2)のどちらが高いか(上から下に向かって撮影を進めていくのか下から上に向かって撮影を進めていくのか)を判断する。
【0074】
撮影開始時の焦点Fの高さPfs(-1)の方が撮影終了時の高さPfs(-2)よりも高い場合、制御部121は、検出領域の下限高さBLdaを、下記式(9)を用いて算出する。
検出領域の下限高さBLda=期待される検出領域の上限高さETea-最大撮影可能範囲W-最大移動距離maxUml×(最大撮影枚数N-1)・・(9)
そして、制御部121は、検出領域の下限高さを、算出した下限高さTLdaに変更する。
【0075】
一方、撮影終了時の焦点Fの高さPfs(-2)の方が撮影開始時の焦点Fの高さPfs(-1)よりも高い場合、制御部121は、検出領域の上限高さTLdaを、下記式(10)を用いて算出する。
検出領域の上限高さTLda=期待される検出領域の下限高さEBea+最大撮影可能範囲W+最大移動距離maxUml×(最大撮影枚数N-1)・・(10)
そして、制御部121は、検出領域の上限高さを、算出した上限高さTLdaに変更する。
【0076】
なお、検出領域の上限高さTLdaが、放射線源12の上限高さTLfsと最大撮影可能範囲Wの半分の和よりも大きい場合には、この和を検出領域の上限高さTLdaとする。
また、検出領域の下限高さBLdaが、放射線源12の下限高さBLfsと最大撮影可能範囲Wの半分の差よりも小さい場合には、この差を検出領域の下限高さBLdaとする。
【0077】
この後、再度ステップS52の処理に戻り、算出した検出領域の上限高さTLdaと検出領域の下限高さBLdaに基づいて撮影枚数nを再度算出する。
なお、上記は自動的に撮影範囲を狭くする方法の例であって、撮影枚数の上限値を超えている事をユーザーに告知し、自動的に撮影範囲を狭くする事を行うか否かの確認を促す事を行うと良い。
【0078】
一方、ステップS54において、算出した撮影枚数nが最大撮影枚数N以下である(Nを超えている)と判断した場合、制御部121は、ステップS55の処理をスキップして次処理へ進む。
【0079】
n枚(ここでは3枚)の放射線画像I1で長尺画像を生成すると、長尺撮影範囲TLda-BLdaの端を超えてしまう。
そこで、制御部121は、
図7に示したように、ステップS55において長尺撮影範囲TLda-BLdaを変更した後、又はステップS54において算出した撮影枚数nが最大撮影枚数N以下であると判断した後、所定の出力として、各撮影における照射範囲Xea(1)~Xea(n)を変更する(ステップS56)。
具体的には、生成される長尺画像の体軸方向の幅が長尺撮影範囲TLda-BLdaと一致するように、各撮影の少なくともいずれかの照射範囲を狭める。
制御部121は、絞り13の動作を制御して照射範囲Xea(i)を変更するようになっていてもよいし、第一距離が変更されるように移動機構の動作を制御して照射範囲Xea(i)を変更するようになっていてもよい。
いか、照射範囲Xea(i)の変更方法について、上から下に向かって撮影を進めていく場合を例にして説明する。
【0080】
この処理で、制御部121は、まず、検出領域の上限高さTLdaと放射線源12の上限高さTLfsのどちらが高いかを判断するとともに、検出領域の下限高さBLdaと放射線源12の下限高さBLfsのどちらが高いかを判断する。
【0081】
検出領域の上限高さTLdaが放射線源12の上限高さTLfsよりも低く、検出領域の下限高さBLdaが放射線源12の下限高さBLfsよりも高い場合、制御部121は、各撮影における照射範囲Xea(i)を、下記式(11)を用いて算出する。
照射範囲Xea(i)=(検出領域の上限高さTLda-検出領域の下限高さBLda+(n-1)×照射野重複幅の上限値XOa/n)・・(11)
【0082】
この場合、
図9に示すように、各照射範囲Xea(i)はそれぞれ均等に縮小され、いずれも最大撮影可能範囲Wよりも小さくなる。すなわち、長尺画像を構成する各放射線画像I2の体軸方向の幅は、変更前の各放射線画像I1よりもそれぞれ小さくなる。
【0083】
ところで、放射線撮影システム110の構成によっては、放射線源12の各移動機構32,14の可動範囲が、検出器2の可動範囲より狭い場合がある。
具体的には、例えば本実施形態に係る放射線撮影システム110の場合、
図10に示すように、第二移動機構32は、検出器2を十分下まで下げることができるが、第一移動機構14は、放射線源12を十分に下まで下げることができない場合(又はその逆の場合)がある。
このような場合に、下の放射線画像I1の撮影領域が小さいと、放射線源12が下の撮影領域を十分に照射することができず、下端部が欠けた長尺画像が生成されてしまう。
【0084】
そこで、検出領域の上限高さTLdaが放射線源12の上限高さTLfsよりも高く、検出領域の下限高さBLdaが放射線源12の下限高さBLfsよりも高い場合、制御部121は、各撮影における照射範囲Xea(i)を、以下のようにして算出する。
一枚目(i=1)の撮影の照射範囲Xea(1)は、最大撮影可能範囲Wとする。
二枚目以降(i=2~n)の撮影の照射範囲Xea(i)は、下記式(12)を用いて算出する。
照射範囲Xea(i)={検出領域の上限高さTLda-検出領域の下限高さBLda-一枚目の撮影の照射範囲Xea(1)+(n-1)×照射野重複幅の上限値XOa}/(n-1)・・(12)
【0085】
この場合、
図10に示すように、一枚目の撮影の照射範囲Xea(1)は最大撮影可能範囲のまま縮小されず、二枚目以降の撮影の照射範囲Xea(i)のみがそれぞれ均等に縮小され、最大撮影可能範囲Wよりも小さくなる。すなわち、制御部121は、一の撮影における照射範囲Xea(i)を、他の撮影における照射範囲Xea(i)と異ならせる。
このため、長尺画像を構成する放射線画像のうち、最初に撮影した(最も上の)放射線画像I1の体軸方向の幅は変更前の各放射線画像I1と等しく、それ以外の放射線画像I3の体軸方向の幅は、
図9に示した全てを均等に小さくした放射線画像I2よりも更に小さくなる。
【0086】
また、検出領域の上限高さTLdaが放射線源12の上限高さTLfsよりも低く、検出領域の下限高さBLdaが放射線源12の下限高さBLfsよりも低い場合、制御部121は、各撮影における照射範囲Xea(i)を、以下のようにして算出する。
n枚目の撮影の照射範囲Xea(n)は、最大撮影可能範囲Wとする。
一枚目~n-1枚目(i=1~n-1)の撮影の照射範囲Xea(i)は、下記式(13)を用いて算出する。
照射範囲Xea(i)={検出領域の上限高さTLda-検出領域の下限高さBLda-n枚目の撮影の照射範囲Xea(n)+(n-1)×照射野重複幅の上限値XOa}/(n-1)・・(13)
【0087】
この場合、
図11に示すように、n枚目の撮影の照射範囲Xea(1)は最大撮影可能範囲のまま縮小されず、一枚目~n-1枚目の撮影の照射範囲Xea(i)のみがそれぞれ均等に縮小され、最大撮影可能範囲Wよりも小さくなる。すなわち、制御部121は、一の撮影における照射範囲Xea(i)を、他の撮影における照射範囲Xea(i)と異ならせる。
このため、長尺画像を構成する放射線画像のうち、最後に撮影した(最も下の)放射線画像I1の体軸方向の幅は変更前の各放射線画像I1と等しく、それ以外の放射線画像I3の体軸方向の幅は、
図9に示した全てを均等に小さくした放射線画像I2よりも更に小さくなる。
【0088】
また、検出領域の上限高さTLdaが放射線源12の上限高さTLfsよりも高く、検出領域の下限高さBLdaが放射線源12の下限高さBLfsよりも低い場合、制御部121は、各撮影における照射範囲Xea(i)を、以下のようにして算出する。
一枚目(i=1)及びn枚目(i=n)の撮影の照射範囲Xea(1)は、最大撮影可能範囲Wとする。
二~n-1枚目(i=2~n-1)の撮影の照射範囲Xea(i)は、下記式(14)を用いて算出する。
照射範囲Xea(i)=(検出領域の上限高さTLda-検出領域の下限高さBLda-一枚目の撮影の照射範囲Xea(1)-n枚目の撮影の照射範囲Xea(n)+(n-2)×照射野重複幅の上限値XOa)/(n-2)・・(14)
【0089】
ところで、長尺画像における、各放射線画像の画像重複領域Iaが重ね合わされてできた画像結合領域では、結合する両放射線画像の若干の差により画像結合領域の画質が、結合していない領域に比べて低くなる場合がある。
このため、例えば被検者Sの腹部が他の部位よりも関心の高い部位である場合、腹部を画像結合領域にしないようにすることが望ましい。
【0090】
そこで、制御部121は、各撮影における照射範囲Xea(i)の変更を、関心部位の位置に応じて個別に行うことが可能となっていてもよい。
例えば、長尺画像の中央に関心の高い部位を写したい場合には、制御部121は、例えば
図13に示すように、中央の放射線画像I1における照射範囲Xea(i)を最大撮影可能範囲Wのままとし、その前後(上下)の放射線画像I3における照射範囲Xea(i)を小さくするようになっていてもよい。
なお、制御部121は、こうした変更を、ユーザーによってなされた操作に応じて行うようになっていても良いし、自動で行うようになっていてもよい。
制御部121は、以上のような所定の出力を行うことにより出力手段をなす。
【0091】
各撮影における照射範囲Xea(i)算出した後、制御部121は、各撮影における放射線源12の高さ(ターゲットポイント)TP(i)を、以下のようにして算出する(ステップS57)。
一枚目(i=1)の撮影の放射線源12の高さTP(1)は、下記式(15)を用いて算出する。
放射線源12の高さTP(1)=検出領域の上限高さTLda-(1/2)×照射範囲Xea(1)・・(15)
二枚目~n枚目(i=2~n)の放射線源12の高さTP(i)は、下記式(16)を用いて算出する。
放射線源12の高さTP(i)=一つ前の撮影の放射線源12の高さTP(i-1)-(1/2)×{一つ前の撮影の照射範囲Xea(i-1)+照射範囲Xea(i)}+照射野重複幅の上限値XOa・・(16)
【0092】
なお、制御部121は、各撮影における放射線源12の高さ(ターゲットポイント)TP(i)を、以下のようにして算出するようになっていてもよい。
n枚目(i=n)の放射線源12の高さTP(n)は、下記式(17)を用いて算出する。
放射線源12の高さTP(n)=検出領域の下限高さBLda+(1/2)×照射範囲Xea(n)・・(17)
一枚目~n-1枚目(i=1~n-1)の撮影の放射線源12の高さTP(i)は、下記式(18)を用いて算出する。
放射線源12の高さTP(i)=一つ後の撮影の放射線源12の高さTP(i+1)+(1/2)×{一つ後の撮影の照射範囲Xea(i+1)+照射範囲Xea(i)}-照射野重複幅の上限値XOa・・(18)
【0093】
放射線源12の高さを算出した後、制御部121は、各撮影における、絞り13上の撮影距離CSid(1)~CSid(n)、絞り13上の照射範囲CXea(1)~CXea(n)、装填部33の中心の高さPbc(1)~Pbc(n)、第一距離Sid(1)~Sid(n)、を決定して(ステップS58)、撮影位置算出処理を終了する。
【0094】
絞り13上の撮影距離CSid(i)は、上記ステップS1で設定した第一距離Sid(0)とする。
絞り13上の照射範囲CXea(i)は、照射範囲Xea(i)とする。
焦点Fの高さPfs(i)は、下記式(19)を用いて算出する。
焦点Fの高さPfs(i)=放射線源12の高さTP(i)-可視光に対する照射野の誤差Axlf・・(19)
装填部33の中心の高さPbc(i)は、下記式(20)を用いて算出する。
装填部33の中心の高さPbc(i)= 放射線源12の高さTP(i)-第一部分領域幅FTbd+第二部分領域幅FBbd・・(20)
制御部121は、以上説明してきた撮影位置算出処理(ステップS5)を実行することにより算出手段をなす。
【0095】
なお、本実施形態に係る制御部121は、上記撮影位置算出処理における所定の出力として照射範囲Xea(i)の変更を行うようになっていたが、注意喚起、又は撮影枚数nの変更を行うものとなっていてもよい。
【0096】
所定の出力が「注意喚起」の場合、制御部121は、このまま撮影を行うと、所望の長尺画像を得ることができない旨をユーザーに報知する。
注意喚起は、文字、記号、絵等を表示部に表示することにより行われるものであってもよいし、単純な光及び音の少なくとも一方を発することにより行われるものであってもよい。
【0097】
また、所定の出力が「撮影枚数nの変更」の場合、制御部121は、放射線画像の撮影枚数nが変更されるように、絞り13及び第一,第二移動機構32,15の動作を制御する。
【0098】
撮影位置算出処理(ステップS5)を実行した後、制御部121は、
図4に示したように、各装置から位置情報を取得する(ステップS6)。
そして、制御部121は、取得した位置情報に基づいて、各装置を撮影位置算出処理で算出した撮影開始位置に移動させる(ステップS7)。
具体的には、制御部121は、第一,第三移動機構14,15を制御して、放射線源12を、上記撮影位置算出処理において算出した撮影開始時の焦点Fの高さPfs(1)に移動させるとともに、検出器2を、照射野の中心が放射線検出領域22aの中心に一致する高さに移動させる。
そして、制御部121は、絞り13を制御して、照射野を、上記撮影位置算出処理において算出した範囲となるように調整する。
なお、制御部121は、移動が完了したときにその旨を報知するようになっていてもよい。
各装置の移動が完了した後、制御部121は、ユーザーの撮影指示動作(撮影指示スイッチの押下)がなされるまで待機状態となる。
【0099】
制御部121が待機状態となっている間に、ユーザーが、撮影指示動作を行う。
すると、制御部121は、出力装置1及び検出器2に長尺撮影制御を開始する(ステップS8)。
具体的には、制御部121は、出力装置1に一回目の放射線を発生させるとともに、検出器2に一枚目の放射線画像を生成させる。
一枚目の放射線画像を生成した後、制御部121は、第一,第三移動機構14,15を制御して、放射線源12及び検出器2を次の撮影位置に移動させ、次の放射線画像を生成させる。
こうした動作を算出しておいた撮影枚数nだけ繰り返すことにより長尺撮影が行われる。
なお、各撮影を行う際の放射線源12及び検出器2の移動は、二重に被曝する領域が各撮影で一定に保たれるように行われることが望ましいが、必要な幅の画像重複領域Iaが得られ、且つ被検者Sの被曝量が一定とみなせる範囲内であれば、撮影ごとに多少増減するようになっていてもよい。
【0100】
検出器2が放射線画像を生成すると、制御部121は、検出器2が生成した、画像重複領域Iaを有する複数の放射線画像を取得する(ステップS9)。
なお、制御部121は、複数の放射線画像をまとめて取得するのではなく、上記ステップS6において撮影を行う度に一枚ずつ取得するようになっていてもよい。
【0101】
画像重複領域Iaを有する複数の放射線画像を取得すると、制御部121は、長尺画像生成処理を実行する(ステップS10)。
この長尺画像生成処理で、制御部121は、まず、画像重複領域Iaに写る関心部位Saを認識する。
関心部位Saの認識には、従来知られている各種技術を用いることができる。
制御部121は、この画像認識処理を実行することにより、画像認識手段をなす。
【0102】
次に、制御部121は、検出器2が生成した複数の放射線画像の画像重複領域Ia(認識した関心部位Sa)どうしを重ねて繋ぎ合わせて長尺画像を生成し、長尺撮影制御処理を終了する。
長尺画像の生成には、従来知られている各種技術を用いることができる。
制御部121は、このステップS10の処理を実行することにより長尺画像生成手段をなす。
【0103】
〔1-5.効果〕
以上説明してきたコンソール120(撮影制御装置)を備える長尺撮影システム100,100Aは、従来のものと異なり、照射野重複幅の上限値XOaを変更することなく各撮影における照射範囲Xea(i)を変更することができるため、被検者Sが二重に被曝する領域が増加することを防ぎつつ、長尺画像の分割態様を(各撮影における照射範囲Xea(i))を自由に設定することができる。
また、このような形で照射範囲Xea(i)を変更すれば、複数の放射線画像の両方に写る画像重複領域Iaの画像重複幅の下限値IOaが維持されるため、制御部121が画像重複領域Iaを認識できず、長尺画像を生成することができなくなってしまうことを防ぐことができる。
このため、長尺撮影システム100,100Aによれば、二重に被曝する領域の幅を所定範囲内に制限しつつ、放射線検出器及び放射線源の可動範囲の制約にも対応することができる。
【0104】
<2.第二実施形態>
次に、本発明の第二施形態について説明する。
なお、ここでは、上記第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0105】
〔2-1.長尺撮影システム〕
本実施形態に係る長尺撮影システム100B,100C(
図1~3参照)は、コンソール120A(
図1,4参照)が実行する処理が、上記第一実施形態に係るコンソール120とは異なっている。すなわち、コンソール120Aの記憶部123Aに記憶されているプログラムが、上記第一実施形態に係るコンソール120のものとは異なっている。
長尺撮影システム100B,100Cにおける上記以外の構成は、上記第一実施形態と同様である。
【0106】
〔2-2.コンソール〕
本実施形態に係るコンソール120Aの制御部121は、画像重複幅の下限値IOaを設定する機能を有していない。
また、本実施形態に係る制御部121は、上記算出処理を実行する代わりに、第二算出処理を実行する機能を有している。
この第二算出処理で、制御部121は、画像重複幅の下限値IOaを算出する。
照射野重複幅の上限値XOa、第二距離OID、第一距離Sid(i)、検出器2の体軸方向の幅、及び検出器2の体軸方向のサイズに基づいて、画像重複幅の下限値IOaを算出する第二算出処理を実行する機能を有している。
制御部121は、この第二算出処理を実行することにより第二算出手段をなす。
【0107】
また、本実施形態に係る制御部121は、画像重複幅の下限値IOaを算出すると、第二判定処理を実行する機能を有している。
この第二判定処理で、制御部121は、算出した画像重複幅の下限値IOaが所定値以下であるかを判定する。
本実施形態に係る制御部121は、この第二判定処理を実行することにより第二判定手段をなす。
【0108】
また、本実施形態に係る制御部121は、上記出力処理を実行する代わりに、第二出力処理を実行する機能を有している。
この第二出力処理で、制御部121は、算出した画像重複幅の下限値IOaに基づいて、所定の出力を行う。
第二出力手段は、画像重複幅の下限値IOaが所定値以下であると判定手段が判定した場合に、所定の出力を行う。
所定の出力の内容は、上記第一実施形態と同様である。
【0109】
〔2-3.効果〕
以上説明してきたコンソール120Aを備える長尺撮影システム100B,100Cによれば、上記第一実施形態に係る長尺撮影システム100と同様に、二重に被曝する領域の幅を所定範囲内に制限しつつ、放射線検出器及び放射線源の可動範囲の制約にも対応することができる。
【0110】
<3.その他>
以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0111】
例えば、
図1,3には、撮影室内に据え付けられた長尺撮影システム100,100Aを例示したが、長尺撮影システム100,100Aは、回診車と呼ばれる移動可能に構成されたものとなっていてもよい。
また、長尺撮影システム100,100Aは、放射線の発生と、放射線画像の生成を短時間に複数回繰り返す連続撮影画像の撮影に対応したものであってもよい。
【0112】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0113】
その他、放射線画像解析システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0114】
100,100A,100B,100C 長尺撮影システム
110 放射線撮影システム
1 放射線出力装置
11 ジェネレーター
12 放射線源
13 絞り
13a 幅センサー
14 第一移動機構
14a 第一位置センサー
15 第三移動機構
15a 第三位置センサー
2 放射線検出器
21 放射線入射面
22 撮像面
22a 放射線検出領域
3,3A 撮影台
31 支柱
32 第二移動機構
32a 第二位置センサー
33 装填部
34 衝立
35 支持部
36 天板
37 第四移動機構
37a 第四位置センサー
38 装填部
120,120A コンソール(撮影制御装置)
121 制御部
122 通信部
123,123A 記憶部
124 表示部
125 操作部
FBbd 第二部分領域幅
FTbd 第一部分領域幅
FTbd+FBbd 検出領域幅
IOa 画像重複幅の下限値
OID 第二距離
Sid 第一距離
TLda-BLda 長尺撮影範囲
XOa 照射野重複幅の上限値
Xea 照射範囲
B1 デフォルトボタン
B2 カレントボタン
B3 インプットボタン
B4 セットボタン
B5 セットボタン
B6~B9 検出器選択ボタン
B10 上限ボタン
B11 下限ボタン
B12 スタートボタン
C1,C2,C3 表示欄
F 焦点
I1,I2,I3 放射線画像
Ia 画像重複領域
NW 通信ネットワーク
R 放射線
S 被検者
Sa 関心部位
Sc 設定画面
W 最大撮影可能範囲