(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240110BHJP
A61B 5/16 20060101ALI20240110BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240110BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240110BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240110BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20240110BHJP
【FI】
G06F3/01 515
A61B5/16 110
B41J29/42 F
B41J29/38 301
H04N1/00 350
H04N1/00 002B
G06F3/0484
(21)【出願番号】P 2020009957
(22)【出願日】2020-01-24
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】槇野 洋平
(72)【発明者】
【氏名】三觜 裕之
(72)【発明者】
【氏名】田口 裕介
(72)【発明者】
【氏名】石井 彰弘
(72)【発明者】
【氏名】遠田 周平
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-258682(JP,A)
【文献】特開2016-045635(JP,A)
【文献】特開2015-106288(JP,A)
【文献】特開2015-109025(JP,A)
【文献】特開2005-242466(JP,A)
【文献】特開2019-004386(JP,A)
【文献】特開2012-009035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
A61B 5/16
B41J 29/42
B41J 29/38
H04N 1/00
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
利用者の生体情報を取得し、
前記利用者により、処理に関する操作が行われている間に、前記生体情報により示される前記利用者の心理状態が、予め定められた状態になると、前記処理を支援する情報を出力
し、
自装置の管理者に前記情報を送信する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
利用者の生体情報を取得し、
前記利用者により、処理に関する操作が行われている間に、前記生体情報により示される前記利用者の心理状態が、予め定められた状態になると、前記処理を支援する情報を出力
し、
前記処理に関する前記操作が行われている間に前記処理が妨げられる事象が発生した場合には、前記事象が解消されるまで前記情報の出力を中止する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記操作が行われている画面に応じて、異なる前記情報を出力する
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記情報を端末装置で表示するために用いられる画像を表示部に表示する
ことを特徴とする請求項1
から3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報は、アニメーションであり、ユーザが既に実行した操作の次に行うべき操作から再生が開始される
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記利用者に関連付けられた端末装置に前記情報を送信する
ことを特徴とする請求項1から
5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記情報のデータ量又は前記情報処理装置の性能によって、自装置と前記端末装置との間で前記情報の出力先を切り替える
ことを特徴とする請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、複数の処理のうち特定の条件を満たす第1処理に関する操作が行われている間は、前記情報を出力しない
ことを特徴とする請求項1から
7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第1処理とは、前記利用者の利用頻度が閾値より高い処理である
ことを特徴とする請求項
8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
利用者の生体情報を取得するステップと、
前記利用者により、処理に関する操作が行われている間に、前記生体情報により示される前記利用者の心理状態が、予め定められた状態になると、前記処理を支援する情報を出力するステップと
、
自装置の管理者に前記情報を送信するステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
利用者の生体情報を取得するステップと、
前記利用者により、処理に関する操作が行われている間に、前記生体情報により示される前記利用者の心理状態が、予め定められた状態になると、前記処理を支援する情報を出力するステップと
、
前記処理に関する前記操作が行われている間に前記処理が妨げられる事象が発生した場合には、前記事象が解消されるまで前記情報の出力を中止するステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置の利用中に利用者が不良な状態になった場合には、適切な対処案を提案する技術がある。例えば特許文献1には、画像処理装置の利用に関するユーザのストレスを解析し、その解析結果に基づいて画像形成システムの利用環境を最適化することが記載されている。特許文献2には、画像形成装置のユーザの状態が緊張状態である場合には、ジョブを停止させるための操作画面を表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6256534号公報
【文献】特開2017-94679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者が処理に関する操作を行う場合、操作の方法が分からない場合がある。この場合、処理を進めるには、処理を進める操作を支援する情報が出力されるのが好ましい。しかし、利用者が操作の支援を所望しないタイミングで操作を支援する情報が出力されると、煩わしい場合がある。
本発明は、利用者が処理に関する操作を行っている間の利用者の心理状態に関係なく、操作中の処理を支援する場合と比して、利用者の利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、利用者の生体情報を取得し、前記利用者により、処理に関する操作が行われている間に、前記生体情報により示される前記利用者の心理状態が、予め定められた状態になると、前記処理を支援する情報を出力することを特徴とする情報処理装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記操作が行われている画面に応じて、異なる前記情報を出力することを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記情報を端末装置で表示するために用いられる画像を表示部に表示することを特徴。
【0008】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記情報は、アニメーションであり、ユーザが既に実行した操作の次に行うべき操作から再生が開始されることを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記利用者に関連付けられた端末装置に前記情報を送信することを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記情報のデータ量又は前記情報処理装置の性能によって、自装置と前記端末装置との間で前記情報の出力先を切り替えることを特徴とする。
【0011】
請求項7に係る発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、自装置の管理者に前記情報を送信することを特徴とする。
【0012】
請求項8に係る発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記処理に関する前記操作が行われている間に前記処理が妨げられる事象が発生した場合には、前記事象が解消されるまで前記情報の出力を中止することを特徴とする。
【0013】
請求項9に係る発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、複数の処理のうち特定の条件を満たす第1処理に関する操作が行われている間は、前記情報を出力しないことを特徴とする。
【0014】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の情報処理装置において、前記第1処理とは、前記利用者の利用頻度が閾値より高い処理であることを特徴とする。
【0015】
請求項11に係る発明は、コンピュータに、利用者の生体情報を取得するステップと、前記利用者により、処理に関する操作が行われている間に、前記生体情報により示される前記利用者の心理状態が、予め定められた状態になると、前記処理を支援する情報を出力するステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明によれば、利用者が処理に関する操作を行っている間の利用者の心理状態に関係なく、操作中の処理を支援する場合と比して、利用者の利便性が向上する。
請求項2に係る発明によれば、利用者の心理状態が予め定められた状態になったときに利用者が操作していた画面に応じた、操作を支援する情報を閲覧することができる。
請求項3に係る発明によれば、支援する情報を端末装置で表示することができる。
請求項4に係る発明によれば、利用者を支援する情報がアニメーションである場合、利用者が次に行うべき操作から再生が開始されるアニメーションを閲覧することができる。
請求項5に係る発明によれば、操作を支援する情報を自装置で表示するのが困難な場合にも、利用者がこの情報を認識することができる。
請求項6に係る発明によれば、操作を支援する情報のデータ量又は情報処理装置の性能に応じた出力先にこの情報を出力することができる。
請求項7に係る発明によれば、利用者が管理者から支援を得ることができる。
請求項8に係る発明によれば、利用者が操作の支援を所望しないときに、操作を支援する情報が出力されるのを防ぐことができる。
請求項9に係る発明によれば、操作の支援が不要な処理については、利用者が予め定められた状態になっても、操作を支援する情報が出力されるのを防ぐことができる。
請求項10に係る発明によれば、利用者の利用頻度が高い処理については、操作を支援する情報を出力されるのを防ぐことができる。
請求項11に係る発明によれば、利用者が処理に関する操作を行っている間の利用者の心理状態に関係なく、操作中の処理を支援する場合と比して、利用者の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る画像処理システム100の構成の一例を示す図である。
【
図2】画像処理装置120の構成の一例を示す図である。
【
図3】ユーザ端末130の構成の一例を示す図である。
【
図4】画像処理システム100が行う動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図5】画像処理システム100が行う動作の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図6】画像処理装置120に表示される各種の画面の一例を示す図である。
【
図9】画像処理装置120が行う動作の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.構成
図1は、本実施形態に係る画像処理システム100の構成の一例を示す図である。画像処理システム100は、ウェアラブル端末110と、画像処理装置120と、ユーザ端末130とを備える。
【0019】
ウェアラブル端末110は、利用者に装着され、利用者の生体情報を計測する。生体情報は、利用者の心理状態を示す情報である。この心理状態は、例えばストレスを感じている状態である。この生体情報には、例えば心拍数又は血圧が含まれてもよい。ウェアラブル端末110は、
図1に示すように腕に装着するリストバンド型の形状を有していてもよい。ただし、ウェアラブル端末110の形状はリストバンド型に限定されない。例えばウェアラブル端末110の形状は、指に装着する指輪型、衣服に付けるクリップ型、頭部に装着する眼鏡型又はヘッドマウンド型等、どのような形状であってもよい。ウェアラブル端末110は、生体情報を計測する一又は複数のセンサ(図示せず)を有する。例えば生体情報に心拍数が含まれる場合、ウェアラブル端末110は心拍数を計測する心拍計を有する。生体情報に血圧が含まれる場合、ウェアラブル端末110は血圧を計測する血圧計を有する。また、ウェアラブル端末110は、通信部(図示せず)を有する。通信部は、例えばBluetooth(登録商標)に従って他の装置とデータ通信を行う。ただし、通信部が従う通信規格は、Bluetooth(登録商標)に限定されず、他の通信規格であってもよい。例えばウェアラブル端末110は、通信部から画像処理装置120に生体情報を送信する。
【0020】
図2は、画像処理装置120の構成の一例を示す図である。画像処理装置120は、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等の画像を処理する複数の機能を有する。画像処理装置120は、プロセッサ121と、メモリ122と、通信部123と、操作部124と、表示部125と、画像読取部126と、画像形成部127とを備える。これらの部位はバス128を介して接続されている。
【0021】
プロセッサ121は、プログラムを実行することにより、画像処理装置120の各部を制御し又は各種の処理を行う。プロセッサ121には、例えばCPU(Central Processing Unit)が用いられてもよい。メモリ122には、プロセッサ121により実行されるプログラムが記憶される。メモリ122には、例えばROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)が用いられてもよい。また、メモリ122には、ROM及びRAMに加えて、例えばハードディスクドライブ又はSSD(Solid State Drive)が用いられてもよい。メモリ122には、画像処理装置120が有する複数の機能をそれぞれ実現するための複数のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」という。)が記憶されている。この複数のアプリには、例えばコピー機能を実現するためのコピーアプリ、プリント機能を実現するためのプリントアプリ、スキャン機能を実現するためのスキャンアプリ、ファクシミリ機能を実現するためのファクシミリアプリ、及び通信の設定を実現するための通信設定アプリが含まれる。通信部123は、通信回線を介して接続された他の装置とデータ通信を行う。この通信回線は、有線の通信回線であってもよいし、無線の通信回線であってもよい。通信部123が従う通信規格には、例えばBluetooth(登録商標)が含まれる。操作部124は、利用者による画像処理装置120の操作に用いられる。操作部124には、例えばタッチパネルとキーとが用いられてもよい。表示部125は、各種の情報を表示する。表示部125には、例えば液晶ディスプレイが用いられてもよい。画像読取部126は、画像を読み取って画像データに変換する。画像読取部126には、例えばイメージスキャナが用いられてもよい。画像形成部127は、画像データに応じた画像を用紙等の媒体上に形成する。画像形成部127には、例えばプリンターが用いられてもよい。
【0022】
図3は、ユーザ端末130の構成の一例を示す図である。ユーザ端末130は、利用者により使用される。ユーザ端末130は、
図1に示すように、利用者が持ち運び可能なスマートフォン又はタブレット端末であってもよい。ただし、ユーザ端末130は、スマートフォンやタブレット端末に限定されず、利用者が使用する端末装置であればどのような装置であってもよい。なお、ユーザ端末130は、本発明に係る端末装置の一例である。ユーザ端末130は、プロセッサ131と、メモリ132と、通信部133と、操作部134と、表示部135と、撮像部136とを備える。これらの部位は、バス137を介して接続されている。
【0023】
プロセッサ131は、プログラムを実行することにより、ユーザ端末130の各部を制御し又は各種の処理を行う。プロセッサ131には、例えばCPUが用いられてもよい。メモリ132には、プロセッサ131により実行されるプログラムが記憶される。メモリ132には、例えばROM及びRAMが用いられてもよい。また、メモリ132には、ROM及びRAMに加えて、例えばハードディスクドライブ又はSSDが用いられてもよい。通信部133は、通信回線を介して接続された他の装置とデータ通信を行う。この通信回線は、有線の通信回線であってもよいし、無線の通信回線であってもよい。操作部134は、利用者によるユーザ端末130の操作に用いられる。操作部134には、例えばタッチパネルとキーとが用いられてもよい。表示部135は、各種の情報を表示する。表示部135には、例えば液晶ディスプレイが用いられてもよい。撮像部136は、画像を撮影する。撮像部136には、例えばデジタルカメラが用いられてもよい。ユーザ端末130は、撮像部136を用いて二次元コードを読み取る機能を有する。
【0024】
2.動作
2-1.正常の場合
図4及び
図5は、画像処理システム100が行う動作の一例を示すシーケンスチャートである。この動作は、利用者が画像処理装置120の前に移動し、画像処理装置120を使用するときに行われる。
図4及び
図5に示す例は、利用者が処理に関する操作を行っている間にエラーが発生しない正常な場合の動作例を示す。なお、処理に関する操作とは、該処理を実行するために必要なあらゆる操作を含み、具体的には画像で表示されたソフトキーや、ハードキー等の操作ボタンのタッチ操作や押下操作などがあげられる。なお、以下の説明において、プロセッサ121又は131を処理の主体として記載する場合、これは、それぞれメモリ122又は132に記憶されたプログラムと、このプログラムを実行するプロセッサ121又は132との協働により、プロセッサ121又は131が演算を行い又は他のハードウェア要素の動作を制御することにより、処理が行われることを意味する。
【0025】
ステップS11において、利用者は画像処理装置120にログインする。画像処理装置120のプロセッサ121は、ログインした利用者の認証を行う。例えば利用者は、操作部124を用いて自分のユーザIDとパスワードを入力する操作を行う。プロセッサ121は、利用者により入力されたユーザIDとパスワードを用いて利用者の認証を行う。利用者の認証に成功すると、処理はステップS12に進む。なお、利用者の認証に失敗した場合には処理は終了する。
【0026】
ステップS12において、プロセッサ121は、利用者のウェアラブル端末110とペアリングを行う。例えば利用者のユーザIDには、予め利用者のウェアラブル端末110の端末IDが対応付けられている。ステップS11において入力されたユーザIDに対応付けられた端末IDが特定される。そして、この端末IDに対応するウェアラブル端末110とBluetooth(登録商標)に従ってペアリングが行われる。これにより、画像処理装置120とウェアラブル端末110とが無線で接続される。なお、画像処理装置120が一のウェアラブル端末110とペアリングを行っている間は、他のウェアラブル端末110とのペアリングは行われない。
【0027】
ステップS13において、利用者が画像処理装置120にログインすると、プロセッサ121は、表示部125にメニュー画面140を表示する。利用者は、操作部124を用いてメニュー画面140を操作する。
【0028】
図6は、画像処理装置120に表示される各種の画面の一例を示す図である。メニュー画面140は、利用者が画像処理装置120の複数の機能の中から所望の機能を選択する操作に用いられる。メニュー画面140には、画像処理装置120が有する各機能を選択する操作に用いられる操作ボタンが含まれる。例えば利用者は、コピー機能を利用する場合には、コピー機能に対応するコピーボタン141を押す操作を行う。この操作に応じて、コピーアプリが起動される。
【0029】
ステップS14において、プロセッサ121は、特定のアプリが起動されたか否かを判定する。画像処理装置120が有する複数の機能を実現するためのアプリには、特定のアプリと、それ以外の除外アプリとが含まれる。特定のアプリは、対応する機能を実現する処理に関する操作が単純ではなく、操作を支援した方がよいと考えられるアプリである。例えば特定のアプリには、コピーアプリ、スキャンアプリ等の処理を実行させるためのアプリと、通信設定アプリ等の操作手順の数が比較的多いアプリとが含まれる。一方、除外アプリは、対応する機能を実現する処理に関する操作が単純であり、操作を支援しなくてもよいと考えられるアプリである。例えば除外アプリには、処理の進捗状況や履歴を確認する機能を実現する処理確認アプリ等の操作手順の数が比較的少ないアプリが含まれる。この除外アプリの条件は、本発明に係る特定の条件の一例であり、除外アプリにより実行される処理は、本発明に係る第1処理の一例である。
【0030】
例えば
図6に示すメニュー画面140において利用者が操作部124を用いてコピーボタン141を押す操作を行うと、ステップS14の判定はYESになり、処理はステップS15に進む。また、この操作に応じて、表示部125には
図6に示すコピー画面150が表示される。利用者は、コピー画面150において操作部124を用いてコピー処理に関する操作を行う。
【0031】
ステップS15において、プロセッサ121は、ウェアラブル端末110から生体情報を取得する。この生体情報の取得は、特定のアプリが起動されたことを契機に開始され、予め定められた時間間隔で繰り返し行われる。具体的にはプロセッサ121は、ステップS12においてペアリングを行ったウェアラブル端末110に生体情報の取得要求を通信部123から送信する。ウェアラブル端末110は、この取得要求に応じて利用者から計測した生体情報を画像処理装置120に送信する。ウェアラブル端末110は、ウェアラブル端末110から送信された生体情報を通信部123にて受信する。
【0032】
ステップS16において、プロセッサ121は、ウェアラブル端末110から取得された最新の生体情報を分析し、利用者が処理に関する操作を行っている間にストレスを感じているか否かを判定する。このストレスを感じている状態は、本発明に係る予め定められた心理状態の一例である。例えば生体情報に心拍数又は血圧が含まれる場合、心拍数又は血圧が閾値以上になると、利用者がストレスを感じていると判定される。なお、この閾値は、例えば人がある程度の強度のストレスを感じたときに計測される心拍数又は血圧に予め設定されている。利用者がストレスを感じていないと判定された場合、ステップS16の判定がNOになり、処理はステップS15に戻る。一方、利用者がストレスを感じていると判定された場合、ステップS16の判定がYESになり、処理はステップS17に進む。
【0033】
ステップS17において、プロセッサ121は、利用者がストレスを感じたときに行っている操作を支援する支援画面を表示部125に表示する。この支援画面には、利用者がストレスを感じたときに行っている操作を支援する情報(以下、「支援情報」という。)を示す二次元コードが含まれる。二次元コードは、支援情報を符号化して得られる画像、すなわち、支援情報をユーザ端末130で表示するために用いられる画像である。支援情報は、例えば利用者がストレスを感じたときに起動中のアプリに関する操作をガイドする情報である。例えば利用者がストレスを感じたときに操作が行われている画面に応じて異なる支援情報が用いられる。なお、操作を支援することにより、操作の対象となる処理を支援することになる。
【0034】
例えば
図6に示すように、コピー画面150が表示されている間に利用者がストレスを感じていると判定された場合には、利用者がコピー処理に関する操作にストレスを感じていると考えられる。そこで、この場合には、コピー処理に関する操作を支援する支援情報170を符号化して二次元コード161が生成され表示される。この支援情報170には、例えばコピー処理の基本的な操作の手順、コピー処理の便利な操作方法、コピー処理の設定値を説明する情報が含まれる。
【0035】
図7は、支援情報の他の例を示す図である。
図7に示すように、コピー画面150には、コピー処理の設定画面180に遷移させる操作に用いられる設定ボタン151が含まれる。利用者が操作部124を用いて設定ボタン151を押す操作を行うと、設定画面180が表示部125に表示される。設定画面180は、コピー処理の設定値を設定する操作に用いられる。設定画面180が表示されている間に利用者がストレスを感じていると判定された場合には、利用者がコピー処理の設定値を設定する操作にストレスを感じていると考えられる。そこで、この場合には、コピー処理の設定値を設定する操作を支援する支援情報200を符号化して二次元コード191が生成され、この二次元コード191を含む支援画面190が表示部125に表示される。この支援情報200には、例えばコピー処理の各種の設定値を説明する詳細情報が含まれる。
図6及び
図7に示されるように、利用者がストレスを感じていると判定された時点に利用者が行っている操作又は利用者が操作している画面によって、異なる支援情報が表示される。
【0036】
図8は、支援情報のさらに他の例を示す図である。例えば利用者が
図6に示すメニュー画面140において機器設定ボタン142を押す操作をすると、
図8に示す機器設定画面210が表示部125に表示される。機器設定画面210には、通信設定画面220に遷移させる操作に用いられる設定ボタン211が含まれる。利用者が操作部124を用いて設定ボタン211を押す操作を行うと、通信設定アプリが起動され、通信設定画面220が表示部125に表示される。通信設定画面220は、通信の設定を行う操作に用いられる。例えば通信設定画面220が表示されている間に利用者がストレスを感じていると判定された場合には、利用者が通信の設定を行う操作にストレスを感じていると考えられる。そこで、この場合には、通信の設定を行う操作を支援する支援情報240を符号化して二次元コード231が生成され、この二次元コード231を含む支援画面230が表示部125に表示される。この支援情報240には、例えば各通信規格に従った通信の設定を行う操作の手順、通信に関するその他の設定についての詳細情報が含まれる。
【0037】
ステップS18において、二次元コードが表示部125に表示されると、利用者は、ユーザ端末130を用いて二次元コードを読み取る。例えば利用者は、撮像部136を用いて二次元コードを撮影する。プロセッサ131は、撮像部136により撮影された二次元コードを復号して、二次元コードが示す支援情報を復元する。
【0038】
ステップS19において、プロセッサ131は、二次元コードから得られた支援情報を表示部135に表示する。例えば
図6に示す二次元コード161が読み取られた場合、コピー処理に関する操作を支援する支援情報170が表示部135に表示される。これにより、利用者は、コピー処理に関する操作のやり方が分かる。
図7に示す二次元コード191が読み取られた場合、コピー処理の設定値を設定する操作を支援する支援情報200が表示部135に表示される。これにより、利用者は、コピー処理の設定値を設定する操作のやり方が分かる。
図8に示す二次元コード231が読み取られた場合、通信の設定を行う操作を支援する支援情報240が表示部135に表示される。これにより、利用者は、通信の設定を行う操作のやり方が分かる。この場合、利用者は、ユーザ端末130の表示部135に表示された支援情報を参照しながら、画像処理装置120の操作を続けることができる。このように利用者による画像処理装置120の操作が再開されると、処理はステップS15に戻ってもよい。
【0039】
一方、上述したステップS14において、例えば利用者が
図6に示すメニュー画面140において、除外アプリに対応する操作ボタンを押す操作を行うと、ステップS14の判定はNOになり、上述したステップS15~S17の処理は行われない。例えば利用者が処理の進捗状況や履歴を確認する機能を実現するための処理確認アプリに対応する操作ボタン143を押す操作を行うと、処理の進捗状況や履歴を示す処理確認画面が表示部125に表示される。処理確認画面において処理の進捗状況や履歴を確認する操作が行われている間は、生体情報が取得されないため支援情報は表示されない。この場合、利用者は、支援情報を参照せずに画像処理装置120の操作を続ける。
【0040】
図5に示すステップS20において、プロセッサ121は、処理の実行が指示されたか否かを判定する。処理の実行が指示されていない場合、ステップS20の判定がNOになり、ステップS20の処理が繰り返される。一方、例えば利用者が操作部124を用いて処理の実行を指示する操作を行うと、ステップS20の判定がYESになり、処理はステップS21に進む。なお、上述したステップS16において利用者がストレスを感じていないと判定されている間に、利用者が処理の実行を指示する操作を行った場合にも、ステップS20の判定はYESになり、処理はステップS21に進む。
【0041】
ステップS21において、プロセッサ121は、利用者の操作に従って処理を実行する。例えばコピー処理の設定を行う操作の後、コピー処理の実行を指示する操作が行われると、画像読取部126と画像形成部127とを用いて設定された内容でコピー処理が行われる。
【0042】
ステップS22において、プロセッサ121は、起動中のアプリが停止されたことを契機に生体情報の取得を終了する。例えば利用者が操作部124を用いて起動中のアプリを停止させる操作を行うと、起動中のアプリが停止するとともにこのアプリに対応する画面が閉じられ、再び
図6に示すメニュー画面140が表示部125に表示される。この操作が行われたことを契機に、ウェアラブル端末110からの生体情報の取得が終了される。なお、ステップS14において特定のアプリが起動されていない場合には、ステップS22の処理は行われない。
【0043】
ステップS23において、利用者が画像処理装置120からログアウトすると、ステップS24において、プロセッサ121は、利用者がログアウトしたことを契機にウェアラブル端末110とのペアリングを解除する。例えば利用者は、操作部124を用いてログアウトする操作を行う。この操作が行われたことを契機にウェアラブル端末110とのペアリングが解除される。
【0044】
2-2.エラーが発生した場合
図9は、画像処理装置120が行う動作の他の例を示すフローチャートである。この動作は、
図5に示すステップS21において処理が開始された後に行われる。
図9に示す例は、コピー処理が開始された後にエラーが発生した場合の動作例を示す。
【0045】
ステップS31において、プロセッサ121は、エラーが発生したか否かを判定する。このエラーは、本発明に係る処理が妨げられる事象の一例である。処理を妨げる事象とは、該処理の続行が困難になる事象であり、具体的には紙詰まりや用紙切れやトナー切れ等があげられる。エラーが発生していない場合、ステップS31の判定がNOになり、ステップS31の判定が繰り返される。一方、例えばコピー処理が開始された後に紙詰まりのエラーが発生した場合、ステップS31の判定はYESになる。この場合、コピー処理は中断され、処理はステップS32に進む。
【0046】
ステップS32において、プロセッサ121は、ウェアラブル端末110からの生体情報の取得を停止する。生体情報の取得が停止されると、生体情報を用いて利用者がストレスを感じているか否かが判定されなくなる。その結果、利用者がエラーの発生によりストレスを感じても、支援情報が表示されなくなる。すなわち、支援情報の表示が中止される。なお、エラーが発生しても生体情報の取得は継続しつつも、支援情報の表示を中止するように制御してもよい。
【0047】
ステップS33において、プロセッサ121は、エラーの発生を通知するエラー画面250を表示部125に表示する。
図10は、エラー画面250の一例を示す図である。エラー画面250には、例えばエラーが発生したことを通知するメッセージとエラーの解除方法とが含まれる。利用者は、エラー画面250を見ることにより、エラーを解除することができる。エラーが発生した場合には、エラーが解除されないと処理が継続されないため、操作を支援するよりもエラーを通知した方が利用者にとって有益であると考えられる。そのため、エラーが発生した場合には、支援情報ではなくエラー画面250が表示される。
【0048】
ステップS34において、プロセッサ121は、エラーが解除されたか否かを判定する。例えば
図10に示すように、エラー画面250にはエラーを解除した後に処理を再開する操作に用いられる再開ボタン251が含まれる。利用者が操作部124を用いて再開ボタン251を押す操作をすると、エラーが解除されたと判定されてもよい。エラーが解除されていない場合、ステップS34の判定がNOになり、ステップS34の処理が繰り返される。一方、エラーが解除された場合、ステップS34の判定がYESになり、処理はステップS35に進む。
【0049】
ステップS35において、プロセッサ121は、ウェアラブル端末110からの生体情報の取得を再開する。ステップS35の後、
図5に示すステップS21に戻って処理が再開される。
【0050】
以上説明した実施形態によれば、利用者が処理に関する操作を行っている間にストレスを感じたときに、操作中の処理を支援する支援情報が表示されるため、利用者が処理に関する操作を行っている間の、利用者の心理状態に関係なく操作中の処理を支援する場合と比して、利用者の利便性が向上する。また、支援情報を符号化して得られる二次元コードが表示されるため、支援情報がそのまま表示される場合に比べて、表示部125に表示されるデータの量が減る。さらに、エラーが発生した場合には、支援情報が表示されず、支援情報に代えてエラー画面が表示されるため、利用者が操作の支援を所望しないときに、支援情報が出力されるのが防止される。さらに、除外アプリに対応する操作ボタンを押す操作が行われた場合には、生体情報が取得されず、支援情報が表示されないため、操作の支援が不要な処理については、利用者がストレスを感じていても、支援情報が出力されるのが防止される。
【0051】
3.変形例
上述した実施形態は、本発明の一例である。本発明は、上述した実施形態に限定されない。また、上述した実施形態が以下の例のように変形して実施されてもよい。このとき、以下の2以上の変形例が組み合わせて用いられてもよい。
【0052】
上述した実施形態において、支援情報は、操作に関するアニメーションであってもよい。このアニメーションは、例えば一連の操作の手順を順番に説明するチュートリアル動画であってもよい。例えばコピー処理の設定を行う操作の手順を説明するアニメーションでは、この操作において押下すべき操作ボタンが順番に示されてもよい。また、アニメーションは、ユーザが既に実行した操作の次に行うべき操作から再生が開始されてもよい。この場合、メモリ122には、利用者の操作の履歴が記憶される。例えばコピー処理の設定を行う操作は第1手順~第4手順を含み、利用者が第1手順及び第2手順の操作を行った後、第3手順の操作を行う前にストレスを感じていることが判定された場合を想定する。この場合、次に利用者が行うべき操作は、第3手順の操作になるため、第3手順の説明が開始される時点からアニメーションの再生が開始されてもよい。すなわち、このアニメーションにおいて第1手順及び第2手順を説明する部分は表示されなくてもよい。
【0053】
上述した実施形態において、画像処理装置120のプロセッサ121は、利用者に関連付けられたユーザ端末130に支援情報送信してもよい。例えば利用者のユーザIDには、予め利用者のユーザ端末130の端末IDが対応付けられている。ステップS11において入力されたユーザIDに対応付けられた端末IDが特定される。そして、この端末IDに対応するユーザ端末130に支援情報が送信される。このとき、支援情報は符号化されずそのまま送信される。画像処理装置120から支援情報を通信部133にて受信すると、ユーザ端末130のプロセッサ131は、この支援情報を表示部125に表示する。この変形例によれば、画像処理装置120が支援情報を表示部125に表示するのが困難な場合にも、利用者が支援情報を認識することができる。
【0054】
上述した実施形態において、画像処理装置120のプロセッサ121は、支援情報を符号化せずにそのまま表示部125に表示してもよい。また、プロセッサ121は、支援情報のデータ量又は画像処理装置120の性能によって、画像処理装置120の表示部125とユーザ端末130との間で支援情報の出力先を切り替えてもよい。支援情報のデータ量又は画像処理装置120の性能によっては、表示部125に支援情報を表示できない場合がある。このような場合には、ユーザ端末130に支援情報を表示することにより、利用者が支援情報を認識することができる。例えばプロセッサ121は、支援情報を表示部125に表示可能であるか否かを判定する。例えば支援情報のデータ量が閾値以上である場合には、支援情報を表示部125に表示できないと判定されてもよい。また、画像処理装置120の性能を示す値が閾値以下である場合には、支援情報を表示部125に表示できないと判定されてもよい。この性能を示す値には、例えば表示部125の画面サイズ又はプロセッサ121の処理速度が用いられてもよい。支援情報が表示部125に表示可能であると判定された場合、プロセッサ121は、支援情報を表示部125に表示してもよい。一方、支援情報が表示部125に表示できないと判定された場合、プロセッサ121は、利用者に関連付けられたユーザ端末130に支援情報送信してもよい。この変形例によれば、支援情報のデータ量又は画像処理装置120の性能に応じた出力先に支援情報が出力される。
【0055】
上述した実施形態において、画像処理装置120のプロセッサ121は、利用者が処理に関する操作が分からなくなったときに管理者が利用者を支援できるように、管理者に支援情報を送信してもよい。管理者への送信は、支援情報を表示部125又は135に表示するのに加えて行われてもよいし、支援情報を表示部125又は135に表示するのに代えて行われてもよい。例えばプロセッサ121は、利用者が処理に関する操作を行っている間にストレスを感じていると判定された場合には、管理者による支援が必要か否かを問い合わせるメッセージを表示部125に表示する。このメッセージに応じて利用者が操作部124を用いて管理者による支援が必要であることを示す操作を行うと、プロセッサ121は、管理者が使用する予め定められた管理端末(図示せず)に支援情報を送信する。この管理端末は、上述したユーザ端末130と同様の構成を備える。ただし、管理端末は撮像部136を備えていなくてもよい。このとき、支援情報として、ステップS11において入力された利用者のユーザIDや、ストレスを感じていると判定されたときに表示部125に表示されている画面を示す画面データ又は利用者の操作の履歴等、管理者が利用者を支援するために必要な情報が管理端末に送信される。画像処理装置120からこれらの情報が送信されると、管理端末はこれらの情報を受信して表示する。管理者は、管理端末に表示された情報を見ることにより、利用者がストレスを感じている対象の操作を認識することができるため、利用者にこの操作のやり方を教えることができる。このような管理者による支援は、例えばオンラインで行われてもよいし、管理者が利用者のところへ移動して、直接利用者と話すことにより行われてもよい。
【0056】
上述した実施形態において、利用者の利用頻度が閾値以下の処理が行われている間に、利用者がストレスを感じていると判定された場合には、支援情報が表示されてもよい。すなわち、利用者の利用頻度が閾値より高い処理が行われている間に、利用者がストレスを感じていると判定された場合には、支援情報が表示されなくてもよい。利用頻度が低い処理に限り支援情報を出力するのは、利用者の利用頻度が高い処理は、利用者が操作に慣れている処理であり、操作を支援する必要がない可能性があると考えらえるためである。例えば利用者毎に各アプリの利用回数が計数され、この利用回数に基づいて単位期間における利用頻度が算出される。そして、この利用頻度が閾値以下のアプリが特定のアプリとして設定される。一方、この利用頻度が閾値以下のアプリが除外アプリとして設定される。この場合、除外アプリにより実行される処理には、利用頻度が閾値より高い処理が含まれる。この変形例によれば、利用者の利用頻度が低い処理については、支援情報が出力される。すなわち、利用者の利用頻度が高い処理については、支援情報が出力されない。他の例において、特定のアプリは、利用者又は管理者の操作に応じて変更されてもよい。
【0057】
上述した実施形態において、画像処理装置120において利用者の認証が行われない場合、プロセッサ121は、利用者が画像処理装置120を使用するタイミングで画像処理装置120に最も近いウェアラブル端末110を検出し、検出したウェアラブル端末110とペアリングを行ってもよい。このタイミングは、例えば画像処理装置120が節電モードを有する場合には節電モードから復帰した時点であってもよいし、画像処理装置120の起動時であってもよい。また、この場合、プロセッサ121は、利用者が画像処理装置120を使用しなくなるタイミングでウェアラブル端末110とのペアリングを解除してもよい。このタイミングは、例えば画像処理装置120が節電モードを有する場合には節電モードに移行した時点であってもよい。
【0058】
上述した実施形態において、生体情報の取得は、必ずしも特定のアプリの起動を契機として開始されなくてもよい。例えば、画像処理装置120とウェアラブル端末110とがペアリングしたことを契機に、生体情報の取得が開始されてもよい。
【0059】
上述した実施形態において、処理に関する操作が行われている間にエラーが発生してもよい。例えば、コピー処理の設定値を設定する操作が行われている間に、その設定値に関するエラーが発生してもよい。この場合にも、上述した実施形態と同様に、エラーが解除されるまでは、支援情報の出力が中止される。また、上述した実施形態において、支援情報の出力が中止される原因は、エラーの発生に限定されない。例えば利用者の操作に応じて処理が行われている間においても、支援情報の出力が中止されてもよい。例えば利用者が通信の設定の変更を指示する操作に応じて設定を変更する処理が行われる場合において、この処理に時間がかかるときは、処理を実行中であることを表す画像が表示部125に表示される場合がある。これは、利用者が行った操作に対して画像処理装置120からの応答待ちの状態であることを示す。このような画像が表示されている間は、支援情報の出力が中止されてもよいし、生体情報の取得が停止されてもよい。
【0060】
上述した実施形態において、エラーが発生した場合に生体情報の取得が停止されなくてもよい。この場合、エラー画面には、支援情報よりも高い優先度が予め付与される。そして、エラーが発生したときに利用者がストレスを感じていると判定された場合には、エラー画面が支援情報より優先して表示部125に表示される。優先してエラー画面が表示されるとは、支援情報の表示よりも目立つ形態でエラー画面が表示されることであり、エラー画面が目立つ色で表示されたり、支援情報の表示の上に表示されるなどがある。
【0061】
上述した実施形態において、生体情報を用いて判定される利用者の心理状態は、ストレスを感じている状態に限定されない。この心理状態は、不安な状態、戸惑っている状態、緊張状態、いらだっている状態等、操作の支援を必要とするような心理状態であれば、どのような状態であってもよい。また、生体情報は、心拍数又は血圧に限定されず、このような利用者の心理状態を示す生体情報であれば、どのような情報であってもよい。
【0062】
上述した実施形態において、画像処理装置120は本発明に係る情報処理装置の一例である。しかし、本発明に係る情報処理装置は、画像処理装置120に限定されない。例えば本発明に係る情報処理装置には、家電やオーディオ機器、コンピュータ等のあらゆる情報処理装置が含まれて良い。
【0063】
上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0064】
また上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0065】
上述した実施形態において、画像処理システム100において行われる処理の主体は、
図4、
図5、及び
図9に示す例に限定されない。例えば画像処理装置120において行われる処理の少なくとも一部が他の装置において行われてもよい。
【0066】
本発明は、画像処理装置120及びウェアラブル端末110のそれぞれにおいて実行されるプログラムとして提供されてもよい。なお、画像処理装置120及びウェアラブル端末110は、それぞれ本発明に係るコンピュータの一例である。このプログラムは、インターネットなどの通信回線を介してダウンロードされてもよいし、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
100:画像処理システム、110:ウェアラブル端末、120:画像処理装置、121:プロセッサ、122:メモリ、123:通信部、124:操作部、125:表示部、126:画像読取部、127:画像形成部、130:ユーザ端末、131:プロセッサ、132:メモリ、133:通信部、134:操作部、135:表示部、136:撮像部