特許 7415615 プログラム及び評価装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-01-09

(45)【発行日】2024-01-17

(54)【発明の名称】プログラム及び評価装置

(51)【国際特許分類】

   G16H 20/00 20180101AFI20240110BHJP

   A61B 5/11 20060101ALI20240110BHJP

   A61B 5/16 20060101ALI20240110BHJP

【ＦＩ】

G16H20/00

A61B5/11 100

A61B5/16 130

A61B5/11 110

【請求項の数】 6

(21)【出願番号】P 2020015414

(22)【出願日】2020-01-31

(65)【公開番号】P2021124754

(43)【公開日】2021-08-30

【審査請求日】2022-08-23

(73)【特許権者】

【識別番号】000198787

【氏名又は名称】積水ハウス株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100117101

【弁理士】

【氏名又は名称】西木 信夫

(74)【代理人】

【識別番号】100120318

【弁理士】

【氏名又は名称】松田 朋浩

(72)【発明者】

【氏名】後藤 浩一

(72)【発明者】

【氏名】近藤 雅之

(72)【発明者】

【氏名】河崎 由美子

(72)【発明者】

【氏名】沢辺 泰代

(72)【発明者】

【氏名】植山 生仁

(72)【発明者】

【氏名】平岡 千穂

【審査官】梅岡 信幸

(56)【参考文献】

【文献】特開２０１７－０８６２８４（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１９－１９５４６９（ＪＰ，Ａ）

【文献】国際公開第２０１８／１３１５４２（ＷＯ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｇ１６Ｈ １０／００－８０／００

Ａ６１Ｂ ５／０６－ ５／２２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

ユーザの睡眠中の動作を検知するセンサと、当該センサの出力に基づいた睡眠に関する指標を生成する生成部と、上記ユーザによる上記睡眠に対する評価をユーザ評価として入力を受け付ける入力部と、記憶部と、当該指標及び当該ユーザ評価の分析に基づく上記睡眠に関する評価を表示評価として表示する表示部と、を備える情報処理システムが実行可能なプログラムであって、
上記指標を取得する取得処理と、
上記ユーザ評価を受け付ける受付処理と、
上記指標と上記ユーザ評価とを上記記憶部に記憶させる記憶処理と、
上記記憶部に記憶された上記指標と上記ユーザ評価との関係性を決定する分析処理と、
上記関係性に基づき、取得した指標から上記表示評価を生成する生成処理と、
上記表示評価を上記表示部に表示する表示処理と、を上記情報処理システムに実行させ、
上記取得処理後に、上記関係性が記憶部に記憶されているかを判断し、
上記関係性が記憶部に記憶されていないと判断したことに応じて、上記指標を上記表示部に表示するプログラム。

【請求項2】

上記プログラムは、
上記表示処理において、上記表示評価に対するユーザ修正の要否を受け付けるオブジェクトを上記表示部に表示させ、
上記ユーザ修正が必要であることと受け付けたことに応じて、上記表示部において、修正評価のユーザ入力を受け付け、
受け付けた上記修正評価と、取得した上記指標とを上記記憶部に記憶させ、
上記記憶部に記憶された上記指標と上記ユーザ評価及び上記修正評価とを分析して上記関係性を更新する請求項１に記載のプログラム。

【請求項3】

上記ユーザ評価は、点数であり、
上記関係性は、関係式で表される請求項１または２に記載のプログラム。

【請求項4】

上記プログラムは、重回帰分析によって上記関係式を算出する請求項３に記載のプログラム。

【請求項5】

上記プログラムは、上記センサの出力に基づいて上記指標を決定する請求項１から４のいずれかに記載のプログラム。

【請求項6】

ユーザの睡眠中の動作を検知するセンサと、
上記センサの出力に基づいた睡眠に関する指標を生成する生成部と、
上記ユーザによる上記睡眠に対する評価をユーザ評価として入力を受け付ける入力部と、記憶部と、上記指標及び当該ユーザ評価の分析に基づく上記睡眠に関する評価を表示評価として表示する表示部と、を備える携帯端末装置と、
制御部と、を備え、
上記制御部は、
上記指標を取得する取得処理と、
上記ユーザ評価を受け付ける受付処理と、
上記指標と上記ユーザ評価とを上記記憶部に記憶させる記憶処理と、
上記記憶部に記憶された上記指標と上記ユーザ評価との関係性を決定する分析処理と、
上記関係性に基づき、取得した指標から上記表示評価を生成する生成処理と、
上記表示評価を上記表示部に表示する表示処理と、を実行し、
上記取得処理後に、上記関係性が記憶部に記憶されているかを判断し、
上記関係性が記憶部に記憶されていないと判断したことに応じて、上記指標を上記表示部に表示する評価装置。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、評価を表示するプログラムに関する。

【背景技術】

【0002】

特許文献１は、センサ情報と、ユーザによって入力された情報とに基づいて疲労指標を算出する情報処理システムを開示する。例えば、情報処理システムは、「今どのくらい疲れていますか」といった質問をユーザに提示し、ユーザの主観的な疲労度合い（疲労指標）を回答として入力させる。そして、情報処理システムは、入力された回答と、センサ情報とに基づいて疲労を評価する。具体的には、情報処理システムは、センサ情報に基づく睡眠指標から算出される客観的な疲労指標と、ユーザが入力した主観的な疲労指標とに基づいて、例えば平均値を算出することによって、その平均値を最終的な疲労指標とする。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】再表２０１５／１０７７１０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

特許文献１に記載された情報処理システムでは、最終的な疲労指標を算出する毎に、ユーザの主観的な評価の入力を求めるので、ユーザにとって操作が煩わしいという問題がある。

【0005】

本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの入力操作をできる限り少なくして、ユーザの主観に合致したユーザの睡眠の評価を表示するプログラムを提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

(1) 本発明に係るプログラムは、ユーザの睡眠中の動作を検知するセンサと、当該センサの出力に基づいた睡眠に関する指標を生成する生成部と、ユーザ評価の入力を受け付ける入力部と、記憶部と、当該指標及び当該ユーザ評価の分析に基づく評価を表示する表示部と、を備える情報処理システムが実行可能である。上記指標を取得する取得処理と、上記ユーザ評価を受け付ける受付処理と、上記指標と上記ユーザ評価とを上記記憶部に記憶させる記憶処理と、上記記憶部に記憶された上記指標と上記ユーザ評価との関係性を決定する分析処理と、上記関係性に基づき、取得した指標から上記評価を生成する生成処理と、上記評価を上記表示部に表示する表示処理と、を上記情報処理システムに実行させる。

【0007】

睡眠に関する指標とユーザ評価との関係性に基づく睡眠の評価をユーザにフィードバックすることができる。また、睡眠の評価を行うために、被験者による実験に基づくエビデンスを形成する作業が必要ない。また、睡眠の評価を行う毎に、ユーザ評価の入力を要求することがない。

【0008】

(2) 好ましくは、上記プログラムは、上記表示処理において、上記評価に対するユーザ修正の要否を受け付けるオブジェクトを上記表示部に表示させ、上記ユーザ修正が必要であることと受け付けたことに応じて、上記表示部において、修正評価のユーザ入力を受け付け、受け付けた上記修正評価と、取得した上記指標とを上記記憶部に記憶させ、上記記憶部に記憶された上記指標と上記ユーザ評価及び上記修正評価とを分析して上記関係性を更新する。

【0009】

上記プログラムによって表示部に表示される評価を、ユーザの感覚に近づけていくことができる。また、ユーザの感覚の変化を評価に反映させることができる。

【0010】

(3) 好ましくは、上記プログラムは、上記取得処理後に、上記関係性が記憶部に記憶されているかを判断し、上記関係性が記憶部に記憶されていないと判断したことに応じて、上記指標を上記表示部に表示する。

【0011】

(4) 例えば、上記ユーザ評価は、点数であり、上記関係性は、関係式で表される。

【0012】

(5) 例えば、上記プログラムは、重回帰分析によって上記関係式を算出する。

【0013】

(6) 例えば、上記プログラムは、上記センサの出力に基づいて上記指標を決定する。

【0014】

(7) 本発明に係る評価装置は、ユーザの睡眠中の動作を検知するセンサと、上記センサの出力に基づいた睡眠に関する指標を生成する生成部と、ユーザ評価の入力を受け付ける入力部と、記憶部と、上記指標及び当該ユーザ評価の分析に基づく評価を表示する表示部と、を備える携帯端末装置と、制御部と、を備える。上記制御部は、上記指標を取得する取得処理と、上記ユーザ評価を受け付ける受付処理と、上記指標と上記ユーザ評価とを上記記憶部に記憶させる記憶処理と、上記記憶部に記憶された上記指標と上記ユーザ評価との関係性を決定する分析処理と、上記関係性に基づき、取得した指標から上記評価を生成する生成処理と、上記評価を上記表示部に表示する表示処理と、を実行する。

【発明の効果】

【0015】

本発明に係るプログラムによれば、ユーザの入力操作をできる限り少なくして、ユーザの主観に合致したユーザの睡眠の評価を表示できる。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】図１は、情報処理システム１００の構成の一例を示す概略図である。

【図2】図２は、実施形態に係る情報処理システム１００のブロック図である。

【図3】図３は、実施形態に係るＣＰＵ３４が実行する処理のフローチャートである。

【図4】図４は、ディスプレイ３３の表示例であって、（Ａ）はユーザ評価４１の受付画面８１を示し、（Ｂ）は修正評価４２の要否を確認する画面８２を示す。

【図5】図５は、ディスプレイ３３の表示例であって、（Ａ）は修正評価４２の受付画面８３を示し、（Ｂ）は評価項目の変更を確認する画面８４を示す。

【図6】図６（Ａ）は、記憶された睡眠指標１６及びユーザ評価４１の一例を示す図であり、図６（Ｂ）は、記憶された関係式４５の一例を示す図である。

【図7】図７は、変形例１に係るＣＰＵ３４が実行する処理のフローチャートである。

【図8】図８は、変形例２に係る情報処理システム１００のブロック図である。

【図9】図９は、変形例２に係るＣＰＵ６２が実行する処理のフローチャートである。

【図10】図１０は、変形例３に係る情報処理システム１００のブロック図である。

【図11】図１１は、変形例４に係る情報処理システム１００のブロック図である。

【図12】図１２は、変形例５に係るＣＰＵ３４が実行する処理のフローチャートである。

【図13】図１３（Ａ）は、記憶された睡眠指標１６及びユーザ評価４１の一例を示す図であり、図１３（Ｂ）は、記憶された関係式４５の一例を示す図である。

【図14】図１４は、ディスプレイ３３の表示例であって、（Ａ）は評価項目を変更する画面８５を示し、（Ｂ）は追加するユーザ評価４１の受付画面８６を示す。

【発明を実施するための形態】

【0017】

以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。

【0018】

図１は、本実施形態に係る情報処理システム１００の概略図である。図１に示されるように、情報処理システム１００は、ユーザが睡眠をとる寝室２０を主として設けられる。情報処理システム１００は、センサ装置１１と、携帯端末装置１２と、を備える。また、情報処理システム１００は、さらに寝室２０に設置されたクロック１３を備えてもよい。情報処理システム１００は、評価装置の一例である。

【0019】

寝室２０は、例えばユーザの住居である建物に設けられているが、ユーザが睡眠する場所であればリビングや応接室等であってもよい。また、ユーザの住居に限定されず、ホテル等の一室であってもよい。ユーザは、寝室２０に設けれたベッド２５において睡眠する。

【0020】

寝室２０は、例えば、床２１と、壁２２と、天井２３と、扉（不図示）と、壁２２に設けられた窓２４と、を有する。また、寝室２０には、ベッド２５、センサ装置１１、携帯端末装置１２及びクロック１３と、が設置されている。携帯端末装置１２及びクロック１３は、ユーザが携帯して寝室２０から持ち出してもよい。

【0021】

センサ装置１１は、天井２３内に位置し、埋め込まれている。センサ装置１１は、天井２３内に限られず、天井２３から突出していてもよく、また、天井２３の表面に固定されていてもよい。また、センサ装置１１は、天井２３に限られず、壁２２やベッド２５、床２１に位置してもよい。また、センサ装置１１は、ユーザの腕等に巻きつけたり、身体等に取り付けたりするウェアラブル型であってもよい。

【0022】

図２は、本実施形態に係る情報処理システム１００のブロック図である。図２に示されるように、センサ装置１１と携帯端末装置１２は、通信可能に接続されている。センサ装置１１と携帯端末装置１２は、通信可能に接続されていればよく、ルーター等の通信機器（不図示）を介して接続されてもよい。

【0023】

センサ装置１１は、センサ１４と睡眠判定部１５を備える。センサ１４は、生体情報を検知するドップラーセンサである。また、センサ１４は、生体情報を検知し得るものであれば、例えば、マットレスの下に設置した圧力センサなどであってもよい。センサ１４は、生体にマイクロ波を照射し、照射したマイクロ波の反射波を受信し、照射したマイクロ波と受信したマイクロ波との周波数の差に基づいて体表の動きを検知する。センサ１４は、体表の動きに応じた信号を出力する。

【0024】

睡眠判定部１５は、センサ１４が出力した信号に基づいて睡眠指標１６を算出する演算装置である。睡眠判定部１５は、例えば、ＣＰＵ２８、ＲＡＭ２９などを有しており、所定のプログラムに基づいて睡眠指標１６を演算する。睡眠判定部１５は、算出した睡眠指標１６を携帯端末装置１２に出力する。睡眠判定部１５は生成部の一例である。

【0025】

睡眠指標１６の算出方法は、特に限定されないが、例えば、センサ１４から受信した信号を解析して、呼吸数、心拍数及び体動数を得る。呼吸数及び心拍数は、例えば、センサ１４から受信した信号を周波数解析することによって得られる。また、体動数は、例えば、センサ１４から受信した信号の振幅が閾値以上となる回数から得られる。

【0026】

睡眠判定部１５は、ベッド２５にヒトがいるか否かを判定できる。例えば、センサ１４から受信した信号が、所定の出力以上であることに基づいて、睡眠判定部１５は、ベッド２５にヒトがいると判定できる。

【0027】

睡眠判定部１５は、ベッド２５にいるヒトが睡眠していると判定したことにに応じて、センサ１４が出力する信号を周期的に取得し、取得した信号に基づいて、ユーザの呼吸、心拍及び体動を決定し、ユーザの睡眠・覚醒並びに睡眠の深さを信号の取得に応じて単位時間ごとに判定する。センサ１４が出力する信号から呼吸、心拍、及び体動を決定する手法や、睡眠・覚醒並びに睡眠の深さを判定する手法は公知のものが用いられる。また、睡眠判定部１５が、センサ１４が出力する信号を取得する周期は、例えば、１～５分間隔程度である。

【0028】

睡眠判定部１５は、例えば、単位時間あたりの体動数からユーザの睡眠、覚醒を判定する。睡眠判定部１５は、単位時間あたりの体動数が予め設定された基準値以下であれば、睡眠と判定する。一方、睡眠判定部１５は、単位時間あたりの体動数が予め設定された基準値より多ければ覚醒と判断する。なお、睡眠・覚醒の判定には、例えば、体動数だけでなく単位時間あたりの呼吸数やこれらの組み合わせが用いられてもよい。

【0029】

睡眠判定部１５は、ユーザの睡眠・覚醒の判定において、睡眠と判定したことに応じて、睡眠の深さを判定する。

【0030】

睡眠の深さは、ノンレム睡眠とレム睡眠とに分けられる。ノンレム睡眠は、例えば、睡眠の深さに応じて段階１から段階４に分けられる。また、睡眠の深さには周期がある。睡眠の深さの周期においては、通常、ノンレム睡眠とレム睡眠とが交互に繰り返される。ノンレム睡眠時における睡眠の深さは、一般に成人の場合、入眠の後、段階１から段階４の順に深くなっていき、入眠後約1時間以内に段階４に達する。睡眠の深さは、段階４の後、浅くなっていき、段階１を経てレム睡眠となる。段階１の睡眠の深さは、例えば、他の段階２～４と比べて浅い。レム睡眠の睡眠の深さは、ノンレム睡眠と比べて浅い。レム睡眠は、例えば入眠から起床までの睡眠時間が６～８時間であって睡眠の深さの周期の１周期分の長さが９０分である場合、３～５度繰り返されることとなる。

【0031】

段階１は、単位時間当たりの体動数によって抽出されてもよい。体動は、レム睡眠の前後の段階１、特にレム睡眠の直後の段階１において、回数が増える傾向がある。最も浅い睡眠は、体動数が増える段階１の検知によって抽出され得る。体動数以外の呼吸数や心拍数、あるいはそれらの組み合わせによって、レム睡眠が抽出され得る場合は、最も浅い睡眠としてレム睡眠が決定されてもよい。つまり、最も浅い睡眠は、ノンレム睡眠における段階１として把握されても、レム睡眠として把握されてもよい。

【0032】

睡眠判定部１５は、センサ１４がベッドにヒトがいると判定することによって、就寝時刻を得る。また、睡眠判定部１５は、睡眠・覚醒並びに睡眠の深さを判定することによって、その他の睡眠の内容に関するデータ１９を得る。睡眠の内容に関するデータ１９とは、例えば、就寝時刻、入眠時刻、中途覚醒の回数、覚醒時刻、起床時刻、レム睡眠の回数、ノンレム睡眠の回数である。なお、本明細書における覚醒時刻とは、中途覚醒をした時刻ではなく、起床前の覚醒時刻のことを示す。

【0033】

睡眠判定部１５は、センサ１４から信号を取得した時刻と、センサ１４の信号、あるいはセンサ１４の信号に基づく呼吸数、心拍数、及び体動数、睡眠の内容に関するデータ１９などとを、センサ装置１１内のメモリ（不図示）に記憶させる。なお、睡眠判定部１５は、これらをセンサ装置１１の外部のメモリや携帯端末装置１２のメモリ３５に記憶させてもよい。

【0034】

睡眠判定部１５は、ユーザが起床したと判定したことに応じて、睡眠指標１６を算出する。

【0035】

睡眠指標１６は、センサ１４から出力された信号に基づいて算出された睡眠に関する指標である。本実施形態における睡眠指標１６には、睡眠効率、睡眠時間、中途覚醒の回数、入眠潜時及び眠りの質が用いられる。なお、睡眠指標１６は、これらの指標に限られず、中途覚醒の時間、レム睡眠の時間或いはノンレム睡眠の時間等の公知のものが用いられてもよく、また、これらのうち少なくとも１つが用いられてもよい。

【0036】

睡眠効率は、入眠時刻から覚醒時刻までの時間を、就寝時刻から起床時刻までの時間で割って求められる。

【0037】

睡眠時間は、入眠時刻から覚醒時刻までの時間を表す。

【0038】

中途覚醒の回数は、入眠から起床前の覚醒までの間にユーザが覚醒した回数である。

【0039】

入眠潜時は、就寝時刻から入眠時刻までの時間である。

【0040】

眠りの質は、レム睡眠の回数を、レム睡眠の回数とノンレム睡眠の回数とを合わせた数で割って求められる。

【0041】

図２に示されるように、携帯端末装置１２は、ネットワークＩ／Ｆ３１と、入力Ｉ／Ｆ３２と、ディスプレイ３３と、ＣＰＵ３４と、メモリ３５と、通信バス３６と、クロック３７と、を主に備える。携帯端末装置１２を構成する各構成要素は、通信バス３６を通じて相互に接続されている。

【0042】

ネットワークＩ／Ｆ３１は、センサ装置１１等の外部装置と通信可能なインタフェースである。すなわち、本実施形態においては、携帯端末装置１２は、ネットワークＩ／Ｆ３１を通じてセンサ装置１１へ各種情報を送信し、ネットワークＩ／Ｆ３１を通じてセンサ装置１１から各種情報を受信する。ネットワークＩ／Ｆ３１の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）を採用することができる。また、携帯端末装置１２は及びセンサ装置１１がＵＳＢケーブルで接続される場合、ネットワークＩ／Ｆ３１は、ＵＳＢケーブルを着脱可能なＵＳＢインタフェースであってもよい。

【0043】

入力Ｉ／Ｆ３２は、ユーザによる入力操作を受け付けるユーザインタフェースである。具体的には、入力Ｉ／Ｆ３２はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をＣＰＵ３４へ出力する。さらに、入力Ｉ／Ｆ３２は、ディスプレイ３３の表示面に表示されたオブジェクトを指定する操作、文字列或いは数字列を入力する操作は、ユーザ操作の一例である。「オブジェクト」とは、例えば、ディスプレイ３３に表示された文字列、アイコン、ボタン、リンク、ラジオボタン、チェックボックス、プルダウンメニュー等である。

【0044】

タッチセンサとして実現される入力Ｉ／Ｆ３２は、ユーザがタッチした表示面上の位置を示す位置情報を出力する。なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示面に接触させる操作全般を含む。また、入力媒体が表示面に触れていなくても、表示面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させる「ホバー」或いは「フローティングタッチ」を、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。ディスプレイ３３に表示されたオブジェクトの位置をタップするユーザ操作は、当該オブジェクトを指定する操作入力の一例である。入力Ｉ／Ｆ３２は、入力部の一例である。

【0045】

ディスプレイ３３は、液晶ディスプレイ、有機ＥＬディスプレイ等であり、各種情報を表示する表示画面を備える。ディスプレイは、表示部の一例である。

【0046】

ＣＰＵ３４は、携帯端末装置１２の全体動作を制御するものである。ＣＰＵ３４は、ネットワークＩ／Ｆ３１を通じて外部装置から受信した各種情報、入力Ｉ／Ｆ３２から出力される各種情報に基づいて、後述する各種プログラムをメモリ３５から取得して実行する。ＣＰＵ３４は、制御部２６の一例である。

【0047】

メモリ３５は、ＯＳ３８と、評価プログラム３９と、を記憶している。また、メモリ３５は、各プログラムの実行に必要なデータ或いは情報等を記憶する。メモリ３５は、例えば、ＲＡＭ、ＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ、ＨＤＤ、携帯端末装置１２に着脱されるＵＳＢメモリ等の可搬記憶媒体、ＣＰＵ３４が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。メモリ３５は、記憶部の一例である。

【0048】

クロック３７は、日時情報を出力する。クロック３７が出力した日時情報は、メモリ３５に一時記憶される。 なお、日時情報は、クロック３７に代えて寝室が備えるクロック１３が出力してもよい。クロック１３は、所謂時計である。クロック１３は、置き時計であってもよいし、壁掛け時計や腕時計であってもよい。また、クロック１３は、外部から時刻情報を受信可能な他のデバイスであってもよい。クロック１３は、日時情報を携帯端末装置１２に送信する。

【0049】

ＯＳ３８は、例えば、Ａｎｄｒｏｉｄ（登録商標） ＯＳ、ｉＯＳ（登録商標）、Ｗｉｎｄｏｗｓ Ｐｈｏｎｅ（登録商標） Ｏｐｅｒａｔｉｎｇ Ｓｙｓｔｅｍ等であってもよい。

【0050】

評価プログラム３９は、メモリ３５に記憶された睡眠指標１６とユーザ評価４１とを分析して睡眠指標１６とユーザ評価４１との関係性４３を求める。また、評価プログラム３９は、メモリ３５に記憶された睡眠指標１６とユーザ評価４１及び修正評価４２とを分析して睡眠指標１６とユーザ評価４１及び修正評価４２との関係性４３を更新する。また、評価プログラム３９は、睡眠指標１６と関係性４３とから評価４４を求める。

【0051】

ユーザ評価４１は、ユーザが主観的に決めた評価である。本実施形態においては、ユーザ評価４１はユーザの睡眠に対する評価であるが、これに限られずその他の睡眠に関連する評価であってもよい。その他の睡眠に関連する評価とは、例えば、目覚めのすっきり感、起床時の疲労感や活力、朝鏡を見たときの肌のつやの良さ又は目覚めたときの気持ちの明るさ等であってもよい。また、ユーザ評価４１の項目の数は、１つであってもよいが、複数であってもよい。

【0052】

修正評価４２は、評価プログラム３９がディスプレイ３３に表示させた評価に対してユーザが修正した評価である。

【0053】

ユーザ評価４１、修正評価４２及び評価４４は、本実施形態においては点数であるが、ランク分けされた「Ａ・Ｂ・Ｃ・・・」等の符号、説明的な単語や文章、単に○か×か、キャラクターの喜怒哀楽からなる表情又はこれらの組み合わせによって表されてもよい。

【0054】

関係性４３は、睡眠指標１６とユーザ評価４１及び修正評価４２の関係を表すものであればよく、本実施形態においては関係式４５であるが、ユーザ評価４１と評価４４との誤差をまとめたもの又はユーザ評価４１と評価４４の対応表等であってもよい。なお、関係性４３は、ユーザ評価４１及び修正評価４２の項目が複数ある場合、それぞれについて求められてもよい。

【0055】

関係性４３は、本実施形態においては重回帰分析４６によって求められるが、これに限られず、ユーザ評価４１と評価４４との差又はユーザ評価４１と評価４４の対応関係から求められてもよい。また、関係性４３は、公知の分析手法によって求められてもよい。

【0056】

なお、関係性４３は、評価プログラム３９によって求められるが、睡眠判定部１５によって求められてもよい。また、ディスプレイ３３に表示される評価は、評価４４に代えて睡眠判定部１５による評価であってもよい。この場合、睡眠判定部１５が関係性４３を求め、睡眠指標１６と関係性４３とに基づいて評価を決定する。

【0057】

また、関係性４３は、一日分の睡眠指標１６とユーザ評価４１及び修正評価４２との分析により求められてもよく、所定期間分の睡眠指標１６とユーザ評価４１及び修正評価４２との分析により求められてもよい。

【0058】

［携帯端末装置１２の動作］
以下、図３が参照されつつ、本実施形態に係る評価プログラム３９に記述された命令に従った携帯端末装置１２のＣＰＵ３４の動作が説明される。なお、ＣＰＵ３４による処理は、ＯＳ３８を介したハードウェア制御も含む。なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、ＣＰＵ３４が要求することなくデータを受信するという処理も、「ＣＰＵ３４がデータを取得する」という概念に含まれる。

【0059】

評価プログラム３９は、睡眠判定部１５が判定した睡眠指標１６を入力Ｉ／Ｆ３２を経由して取得する（Ｓ１１）。また、評価プログラム３９は、受け付けた睡眠指標１６をメモリ３５に記憶する。また、評価プログラム３９は、メモリ３５に関係式４５があるかを確認する（Ｓ１２）。なお、関係式４５は、関係性４３の一例である。

【0060】

評価プログラム３９は、メモリ３５に関係式４５がないと判断したことに応じて（Ｓ１２：Ｎｏ）、ディスプレイ３３にユーザ評価４１を受け付けるためのオブジェクト５１を表示する（Ｓ１３）。図４（Ａ）に示されるように、オブジェクト５１は、例えば、「今日の睡眠は何点でしたか？」とのテキスト表示と、ユーザが点数を入力するための入力欄とを有する。ユーザは、例えば、オブジェクト５１の入力欄をタッチして、ユーザ評価４１を入力する。なお、評価プログラム３９は、オブジェクト５１を表示する前に睡眠指標１６をディスプレイ３３に表示してもよい。評価プログラム３９は、この場合、睡眠指標１６を表示した後、オブジェクト５１を表示する。

【0061】

評価プログラム３９は、取得した睡眠指標１６と、受け付けたユーザ評価４１と、クロック３７に基づく日時情報と、をメモリ３５に記憶する（Ｓ１４）。評価プログラム３９は、メモリ３５から睡眠指標１６及びユーザ評価４１を読み出して、睡眠指標１６とユーザ評価４１とを重回帰分析４６により分析する（Ｓ１５）。評価プログラム３９は、睡眠指標１６とユーザ評価４１とを分析して得られた関係式４５をメモリ３５に記憶する（Ｓ１６）。

【0062】

本実施形態では、ユーザ評価４１が目的変数であり、各睡眠指標１６、すなわち、睡眠効率、睡眠時間、中途覚醒の回数、入眠潜時及び眠りの質が説明変数である。評価プログラム３９は、各睡眠指標１６の各係数を重回帰分析４６により算出し、図６（Ｂ）に示されるような関係式４５を生成する。

【0063】

評価プログラム３９は、メモリ３５に関係式４５があると判断したことに応じて（Ｓ１２：Ｙｅｓ）、メモリ３５から関係式４５を読み出す。取得した睡眠指標１６をメモリ３５から読み出した関係式４５に当てはめて評価４４を決定する（Ｓ１７）。評価プログラム３９は、決定した評価４４と日時情報とをメモリ３５に記憶する。

【0064】

図４（Ｂ）に示されるように、評価プログラム３９は、決定した評価４４をディスプレイ３３に表示させる（Ｓ１８）。また、評価プログラム３９は、このとき、表示させた評価に対するユーザ修正の要否を受け付けるオブジェクト５２をディスプレイ３３に表示させる（Ｓ１９）。

【0065】

評価プログラム３９は、ユーザの入力により、修正が必要であることと受け付けたことに応じて（Ｓ１９：Ｙｅｓ）、図５（Ａ）に示されるように、ディスプレイ３３に修正評価４２を受け付けるためのオブジェクト５３を表示する（Ｓ２０）。ユーザは、例えば、オブジェクト５３の入力欄をタッチして、修正評価４２を入力する。修正評価４２は、点数や文字で入力されてもよく、符号やキャラクターを選択することによって入力されてもよい。

【0066】

図３に示されるように、評価プログラム３９は、取得した睡眠指標１６と、受け付けた修正評価４２と、クロック３７に基づく日時情報と、をメモリ３５に記憶する（Ｓ２１）。評価プログラム３９は、メモリ３５から睡眠指標１６と修正評価４２とを読み出して睡眠指標１６と修正評価４２とを重回帰分析４６により分析する。評価プログラム３９は、睡眠指標１６と修正評価４２とを分析して得られた関係式４５を、記憶された関係式４５に代えてメモリ３５に記憶する（Ｓ２２）。

【0067】

評価プログラム３９は、修正が必要でないことと受け付けたことに応じて（Ｓ１９：Ｎｏ）、睡眠指標１６と、評価４４と、クロック３７に基づく日時情報とをメモリ３５に記憶する（Ｓ２３）。このとき、評価４４は、ユーザ評価４１として記憶される。

【0068】

なお、関係式４５は、図６（Ａ）及び図６（Ｂ）に示されるように、少なくとも所定の日数分の睡眠指標１６とユーザ評価４１がメモリに蓄積されたことに応じて、求められてもよい。この場合、評価プログラム３９は、例えば、１週間分の各睡眠指標１６、すなわち睡眠効率、睡眠時間、中途覚醒の回数、入眠潜時及び眠りの質と、１週間分のユーザ評価４１とに対して重回帰分析４６を行うことによって、関係式４５を算出してもよい。なお、図６に示される例では、２０１８年１１月７日が最新の日付である。また、評価プログラム３９は、この場合、修正評価４２をユーザ評価４１としてメモリ３５に記憶し（Ｓ２１）、メモリ３５から睡眠指標１６と、ユーザ評価４１として記憶された修正評価４２を含んだユーザ評価４１と、を読み出して両者を重回帰分析４６により分析する。評価プログラム３９は、得られた関係式４５を、記憶された関係式４５に代えてメモリ３５に記憶する（Ｓ２２）。

【0069】

なお、評価プログラム３９は、所定の日数分の睡眠指標１６とユーザ評価４１がメモリに蓄積されていないことに応じて、ステップＳ１５がスキップされ睡眠指標１６をディスプレイ３３に表示してもよい。

【0070】

なお、メモリ３５は、ユーザ評価４１を記憶する前に、予め用意された関係式４５を記憶しており、評価プログラム３９は、睡眠指標１６及び予め用意された関係式４５に基づいて評価４４を算出し、ユーザの修正評価４２を受け付けてもよい。

【0071】

［本実施形態の作用効果］
本実施形態では、睡眠指標１６とユーザの主観的な評価との分析から評価４４を決定するため、ユーザ評価４１を予測することができる。また、評価４４は、携帯端末装置１２のディスプレイ３３に表示されるため、睡眠に関する指標とユーザ評価４１との関係性４３に基づく睡眠の評価をユーザにフィードバックすることができる。

【0072】

また、本実施形態では、ユーザの睡眠指標１６と主観的な評価から評価４４を決定するため、睡眠の評価を行うために、被験者による実験に基づくエビデンスを形成する作業が必要ない。

【0073】

また、本実施形態では、評価４４に対してユーザが修正評価４２を入力することができるため、評価プログラム３９によってディスプレイ３３に表示される評価を、ユーザの感覚に近づけていくことができる。また、本実施形態では、ユーザの感覚の変化を評価に反映させることができる。

【0074】

［変形例１］
上記実施形態では、睡眠指標１６が睡眠判定部１５によって算出される例を説明した。変形例１では、睡眠指標１６が評価プログラム３９によって算出されてもよく、評価プログラム３９が各睡眠指標１６を算出するために各処理が実行される例を説明する。変形例１においては、上記実施形態と同じ処理についての説明が省略され、上記実施形態と異なるＣＰＵ３４の処理について説明がされる。

【0075】

睡眠判定部１５は、ユーザの起床を検知したことに応じて、睡眠の内容に関するデータ１９を携帯端末装置１２に出力する。図７に示されるように、評価プログラム３９は、ネットワークＩ／Ｆを経由して出力されたデータ１９を取得する（Ｓ３１）。評価プログラム３９は、取得したデータ１９をメモリ３５に記憶する（Ｓ３２）。

【0076】

評価プログラム３９は、データ１９に基づいて各睡眠指標１６を算出する（Ｓ３３）。なお、ステップＳ３３は、本実施形態におけるステップＳ１１である。なお、変形例１における評価プログラム３９は、生成部の一例である。

【0077】

［変形例１の作用効果］
センサ装置１１が睡眠指標１６を算出できないものであっても、評価プログラム３９は、評価４４をディスプレイ３３に表示させることができる。

【0078】

［変形例２］
上記実施形態では、情報処理システム１００がセンサ装置１１と、携帯端末装置１２と、を主に備える例を説明した。変形例２では、情報処理システム１００は、データベース装置１７を備えてもよく、情報処理システム１００が評価４４をディスプレイ３３に表示する例を説明する。変形例２においては、上記実施形態と同じ処理についての説明が省略され、上記実施形態と異なるＣＰＵ３４の処理について説明がされる。

【0079】

図８は、変形例２に係る情報処理システム１００のブロック図である。図８に示されるように、センサ装置１１、携帯端末装置１２及びデータベース装置１７は、通信ネットワーク１８を通じて相互に通信可能に構成されている。通信ネットワーク１８の具体例は特に限定されないが、例えば、インターネット、有線ＬＡＮ、無線ＬＡＮ、或いはこれらの組み合わせであってもよい。または、センサ装置１１、携帯端末装置１２及びデータベース装置１７は、ＵＳＢケーブル等によって接続されていてもよい。

【0080】

ネットワークＩ／Ｆ３１は、センサ装置１１等の外部装置と通信可能なインターフェースである。すなわち、変形例２においては、携帯端末装置１２は、ネットワークＩ／Ｆ３１を通じてセンサ装置１１及びデータベース装置１７へ各種情報を送信し、ネットワークＩ／Ｆ３１を通じてセンサ装置１１及びデータベース装置１７から各種情報を受信する。ネットワークＩ／Ｆ３１の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）を採用することができる。また、携帯端末装置１２及び、センサ装置１１又はデータベース装置１７がＵＳＢケーブルで接続される場合、ネットワークＩ／Ｆ３１は、ＵＳＢケーブルを着脱可能なＵＳＢインタフェースであってもよい。

【0081】

データベース装置１７は、所謂サーバとして機能するものであり、寝室２０を有する建物の中に設置されていてもよく、寝室２０を有する建物とは別の場所に設置されていてもよい。図８に示されるように、データベース装置１７は、睡眠判定部６１を有する。また、図８には示されていないが、データベース装置１７は、センサ装置１１、携帯端末装置１２、及びクロック１３と情報通信するためのインタフェースを有する。データベース装置１７は、センサ装置１１が出力した信号を受け付ける。

【0082】

睡眠判定部６１は、センサ装置１１が出力した信号に基づいて睡眠指標１６を算出する演算装置である。また、睡眠判定部６１は、睡眠指標１６とユーザ評価４１及び修正評価４２とを分析し、関係式４５を算出する。睡眠判定部６１は、ＣＰＵ６２及びメモリ６３を備える。睡眠判定部６１は生成部の一例である。ＣＰＵ６２は、制御部２６の一例である。

【0083】

睡眠判定部６１は、ベッド２５にヒトがいるか否かを判定できる。例えば、センサ装置１１から受信した信号が、所定の出力以上であることに基づいて、睡眠判定部６１は、ベッド２５にヒトがいると判定できる。

【0084】

睡眠判定部６１は、ベッド２５にいるヒトが睡眠していると判定したことにに応じて、センサ装置１１が出力する信号を周期的に取得し、取得した信号に基づいて、ユーザの呼吸、心拍及び体動を決定し、ユーザの睡眠・覚醒並びに睡眠の深さを信号の取得に応じて単位時間ごとに判定する。センサ１４が出力する信号から呼吸、心拍、及び体動を決定する手法や、睡眠・覚醒並びに睡眠の深さを判定する手法は公知のものが用いられる。また、睡眠判定部６１が、センサ１４が出力する信号を取得する周期は、例えば、１～５分感覚程度である。

【0085】

睡眠判定部６１は、センサ装置１１から信号を取得した時刻と、センサ装置１１の信号、あるいはセンサ装置１１の信号に基づく呼吸数、心拍数、及び体動数、睡眠の内容に関するデータ１９などとを、メモリ６３に記憶させる。なお、睡眠判定部１５は、これらをデータベース装置１７の外部のメモリや携帯端末装置１２のメモリ３５に記憶させてもよい。

【0086】

メモリ６３は、各プログラムの実行に必要なデータ或いは情報等を記憶する。メモリ６３は、例えば、ＲＡＭ、ＲＯＭ、ＥＥＰＲＯＭ、ＨＤＤ、データベース装置１７に着脱されるＵＳＢメモリ等の可搬記憶媒体、ＣＰＵ６２が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。メモリ６３は、記憶部の一例である。

【0087】

［データベース装置１７の動作］
以下、図９が参照されつつ、変形例２に係るデータベース装置１７のＣＰＵ６２の動作が説明される。なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、ＣＰＵ６２が要求することなくデータを受信するという処理も、「ＣＰＵ６２がデータを取得する」という概念に含まれる。

【0088】

ＣＰＵ６２は、センサ装置１１が出力した信号に基づいて、ユーザの起床を判定する（Ｓ４１）。ＣＰＵ６２は、ユーザが起床したと判定したことに応じて（Ｓ４１：Ｙｅｓ）、睡眠指標１６を算出して取得する（Ｓ４２）。また、ＣＰＵ６２は、算出した睡眠指標１６をメモリ６３に記憶する。また、ＣＰＵ６２は、メモリ６３に関係式４５があるかを確認する（Ｓ４３）。なお、関係式４５は、関係性４３の一例である。なお、ＣＰＵ６２は、ユーザが起床したと判定するまで次の処理に進まない（Ｓ４１：Ｎｏ）。

【0089】

ＣＰＵ６２は、メモリ６３に関係式４５がないと判断したことに応じて（Ｓ４３：Ｎｏ）、オブジェクト５１をディスプレイ３３に表示してユーザ評価４１を受け付けて、データベース装置１７へ出力する指示の信号を携帯端末装置１２に出力する（Ｓ４４）。なお、携帯端末装置１２は、評価プログラム６９を有する。また、ＣＰＵ６２は、携帯端末装置１２からユーザ評価４１を取得する（Ｓ４５）。

【0090】

ＣＰＵ６２は、算出した睡眠指標１６と、取得したユーザ評価４１と、データベース装置１７内のクロック６４（不図示）に基づく日時情報と、をメモリ６３に記憶する（Ｓ４６）。ＣＰＵ６２は、メモリ６３から睡眠指標１６及びユーザ評価４１を読み出して、睡眠指標１６とユーザ評価４１とを重回帰分析４６により分析する（Ｓ４７）。評価プログラム３９は、睡眠指標１６とユーザ評価４１とを分析して得られた関係式４５をメモリ３５に記憶する（Ｓ４８）。なお、ＣＰＵ６２は、日時情報をクロック１３、クロック３７又はその他のデータベース装置１７外に設けられたクロックにより取得してもよい。

【0091】

ＣＰＵ６２は、メモリ６３に関係式４５があると判断したことに応じて（Ｓ４３：Ｙｅｓ）、メモリ６３から関係式４５を読み出す。取得した睡眠指標１６をメモリ６３から読み出した関係式４５に当てはめて評価４４を決定する（Ｓ４９）。ＣＰＵ６２は、決定した評価４４と日時情報とをメモリ６３に記憶する。

【0092】

図４（Ｂ）に示されるように、ＣＰＵ６２は、携帯端末装置１２に指示する信号を出力することによって、決定した評価４４をディスプレイ３３に表示させる（Ｓ５０）。また、ＣＰＵ６２は、このとき、表示させた評価４４に対するユーザ修正の要否を受け付けるオブジェクト５２をディスプレイ３３に表示させる（Ｓ５１）。

【0093】

ＣＰＵ６２は、ユーザの入力により、修正が必要であることと受け付けたことに応じて（Ｓ５１：Ｙｅｓ）、ディスプレイ３３に修正評価４２を受け付けるためのオブジェクト５３を表示させる（Ｓ５２）。ＣＰＵ６２は、携帯端末装置１２が受け付けた修正評価４２を取得する（Ｓ５３）。

【0094】

ＣＰＵ６２は、算出した睡眠指標１６と、取得した修正評価４２と、クロック６４に基づく日時情報と、をメモリ６３に記憶する（Ｓ５４）。ＣＰＵ６２は、メモリ６３から睡眠指標１６と修正評価４２とを読み出して睡眠指標１６と修正評価４２とを重回帰分析４６により分析する。評価プログラム３９は、睡眠指標１６と修正評価４２とを分析して得られた関係式４５を、記憶された関係式４５に代えてメモリ３５に記憶する（Ｓ５５）。

【0095】

ＣＰＵ６２は、修正が必要でないことと受け付けたことに応じて（Ｓ５１：Ｎｏ）、携帯端末装置１２から修正が必要でない旨の信号を取得する（Ｓ５６）。また、ＣＰＵ６２は、睡眠指標１６と、評価４４と、クロック６４に基づく日時情報とをメモリ３５に記憶する（Ｓ５７）。このとき、評価４４は、ユーザ評価４１として記憶される。

【0096】

なお、ＣＰＵ６２は、所定の日数分の睡眠指標１６とユーザ評価４１がメモリに蓄積されていないことに応じて、ステップＳ４６がスキップされ睡眠指標１６をディスプレイ３３に表示させてもよい。

【0097】

［変形例２の作用効果］
このような構成においては、携帯端末装置１２の処理が比較的少ないため、携帯端末装置１２の負担が抑制される。

【0098】

［変形例３］
上記変形例２では、センサ装置１１が携帯端末装置１２及びデータベース装置１７と通信ネットワーク１８を通じて相互に通信可能に構成されていたが、図１０に示されるように、センサ装置１１は、携帯端末装置１２と通信ネットワーク１８を経由せず相互に通信可能に構成されてもよい。センサ装置１１は、例えば、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）又はＢｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）等によって、携帯端末装置１２に接続される。変形例３では、データベース装置１７は、センサ装置１１からの信号の出力を携帯端末装置１２を経由して取得する。

【0099】

［変形例３の作用効果］
ＣＰＵ６２は、センサ装置１１が通信ネットワークに接続されないものであっても、評価４４をディスプレイ３３に表示させることができる。

【0100】

［変形例４］
上記実施形態では、評価プログラム３９は、各種情報をメモリ３５に記憶させたが、図１１に示されるように、データベース装置１７が備えるメモリ６３に記憶させてもよい。

【0101】

図１１は、変形例４に係る情報処理システム１００のブロック図である。図１１に示されるように、携帯端末装置１２及びデータベース装置１７は、通信ネットワーク１８を通じて相互に通信可能に構成されている。通信ネットワーク１８の具体例は特に限定されないが、例えば、インターネット、有線ＬＡＮ、無線ＬＡＮ、或いはこれらの組み合わせであってもよい。または、携帯端末装置１２及びデータベース装置１７は、ＵＳＢケーブル等によって接続されていてもよい。

【0102】

データベース装置１７は、所謂サーバとして機能するものであり、寝室２０を有する建物の中に設置されていてもよく、寝室２０を有する建物とは別の場所に設置されていてもよい。図１１に示されるように、データベース装置１７は、メモリ６３を有する。また、図１１には示されていないが、データベース装置１７は、携帯端末装置１２、及びクロック１３と情報通信するためのインタフェースを有する。データベース装置１７は、携帯端末装置１２を経由してセンサ装置１１が出力した信号を受け付ける。

【0103】

［変形例４の作用効果］
メモリ３５は、各種情報を記憶しておく必要がないため、メモリ３５の容量が比較的少なくても、評価プログラム３９は、各種処理を実行することができる。

【0104】

［変形例５］
上記実施形態では、ユーザ評価４１、修正評価４２及び評価４４の評価の項目数が特に変更されない例を説明した。変形例２では、ユーザ評価４１、修正評価４２及び評価４４の評価の項目数を変更する処理が実行されてもよく、これら評価の項目数を変更するために各処理が実行される例を説明する。変形例２においては、上記実施形態と同じ処理についての説明が省略され、上記実施形態と異なる携帯端末装置１２のＣＰＵ３４の処理について説明がされる。

【0105】

図１２に示されように、評価プログラム３９は、メモリ３５に関係式４５がないと判断したことに応じて（Ｓ１２：Ｎｏ）、ディスプレイ３３にユーザ評価４１を受け付けるためのオブジェクト５１を表示する（Ｓ１３）。評価プログラム３９は、ユーザ評価４１を受け付けた後、図５（Ｂ）に示されるように、ユーザ評価４１の項目数の変更を受け付けるためのオブジェクト５４を表示する（Ｓ６１）。オブジェクト５４は、項目数の変更を受け付けるために、例えば、「追加する」及び「削除する」のアイコンを有する。

【0106】

評価プログラム３９は、ユーザ評価４１の項目数を変更する、例えば、追加すると受け付けたことに応じて（Ｓ６１：Ｙｅｓ）、追加する項目の決定を要求するオブジェクト５５を表示する（Ｓ６２）。追加する項目は、例えば、図１４（Ａ）に示されるように、選択的に決定されもよく、数字や文字がユーザによって入力されて決定されてもよい。追加する項目は、睡眠に関連する評価であればよく、例えば、目覚めのすっきり感、起床時の疲労感や活力、朝鏡を見たときの肌のつやの良さ又は目覚めたときの気持ちの明るさ等である。また、１度に追加する項目は、１つに限られず複数であってもよい。

【0107】

評価プログラム３９は、追加すると決定された各項目について、図１４（Ｂ）に示されるように、ユーザ評価４１を受け付けるためのオブジェクト５６を表示する（Ｓ６３）。オブジェクト５６の表示は、追加すると決定された各項目について、同時に表示されてもよく、それぞれ順に表示されてもよい。

【0108】

評価プログラム３９は、図１３（Ａ）に示されるように、睡眠指標１６と、各ユーザ評価４１と、クロック３７に基づく日時情報と、をメモリ３５に記憶する（Ｓ６４）。評価プログラム３９は、メモリ３５から睡眠指標１６及び各ユーザ評価４１を読み出して睡眠指標１６と各ユーザ評価４１とをそれぞれ重回帰分析４６により分析する（Ｓ６５）。評価プログラム３９は、図１３（Ｂ）に示されるように、睡眠指標１６と各ユーザ評価４１とを分析して得られた各関係式４５をメモリ３５に記憶する（Ｓ６６）。

【0109】

評価プログラム３９は、メモリ３５に関係式４５があると判断したことに応じて（Ｓ１２：Ｙｅｓ）、メモリ３５から関係式４５を読み出す。取得した睡眠指標１６とメモリ３５から読み出した関係式４５とからプログラムによる評価４４を決定する（Ｓ１８）。評価プログラム３９は、決定した評価４４と、クロック３７に基づく日時情報と、をメモリ３５に記憶する。

【0110】

図４（Ｂ）に示されるように、評価プログラム３９は、決定した評価４４をディスプレイ３３に表示させる（Ｓ１８）。また、評価プログラム３９は、このとき、表示させた評価に対するユーザ修正の要否を受け付けるオブジェクト５２をディスプレイ３３に表示させる（Ｓ１９）。

【0111】

評価プログラム３９は、ユーザ入力により、修正が必要であることと受け付けたことに応じて（Ｓ１９：Ｙｅｓ）、図５（Ａ）に示されるように、ディスプレイ３３において修正評価４２を受け付けるためのオブジェクト５３を表示する（Ｓ２０）。評価プログラム３９は、修正評価４２を受け付けた後、ユーザ評価４１の項目数の変更を受け付けるためのオブジェクト５４を表示する（Ｓ６７）。

【0112】

評価プログラム３９は、修正が必要でないことと受け付けたことに応じて（Ｓ１９：Ｎｏ）、ディスプレイ３３においてユーザ評価４１の項目数の変更を受け付けるためのオブジェクト５４を表示する（Ｓ６７）。

【0113】

評価プログラム３９は、ユーザ評価４１の項目数を変更する、例えば、追加すると受け付けたことに応じて（Ｓ６７：Ｙｅｓ）、図１４（Ａ）に示されるように、追加する項目の決定を要求するオブジェクト５５を表示する（Ｓ６８）。

【0114】

評価プログラム３９は、追加すると決定された各項目について、図１４（Ｂ）に示されるように、ユーザ評価４１を受け付けるためのオブジェクト５６を表示する（Ｓ６９）。

【0115】

評価プログラム３９は、図１３（Ａ）に示されるように、睡眠指標１６と、各ユーザ評価４１と、クロック３７に基づく日時情報と、をメモリ３５に記憶する（Ｓ７０）。評価プログラム３９は、メモリ３５から睡眠指標１６及び各ユーザ評価４１を読み出して睡眠指標１６と各ユーザ評価４１とをそれぞれ重回帰分析４６により分析する（Ｓ７１）。評価プログラム３９は、図１３（Ｂ）に示されるように、睡眠指標１６と各ユーザ評価４１とを分析して得られた各関係式４５をメモリ３５に記憶する（Ｓ７２）。

【0116】

なお、評価プログラム３９は、ユーザ評価４１の項目数を変更する、例えば、削除すると受け付けたことに応じて（Ｓ６１：Ｙｅｓ、Ｓ６７：Ｙｅｓ）、削除する項目の決定を要求するオブジェクト５７（不図示）を表示する（Ｓ６２、Ｓ６８）。オブジェクト５７は、ユーザ評価４１の項目をディスプレイ３３に選択的に表示する。また、この場合、評価プログラム３９は、ステップＳ６３からステップＳ６６、ステップＳ６９からステップＳ７２をスキップする。

【0117】

［変形例５の作用効果］
変形例５では、睡眠指標１６と各ユーザ評価４１との関係性４３から各評価４４を決定することができるため、複数の睡眠に関するユーザ評価４１を予測することができる。また、変形例５では、ユーザの判断によってユーザ評価４１を変更することができるため、ユーザの意向に沿って、睡眠指標１６と各ユーザ評価４１との関係性４３に基づく各評価４４をユーザにフィードバックすることができる。

【符号の説明】

【0118】

１１・・・センサ装置
１２・・・携帯端末装置
１４・・・センサ
１５・・・睡眠判定部（生成部の一例）
１６・・・睡眠指標
１７・・・データベース装置１７
２６・・・制御部
３２・・・入力Ｉ／Ｆ
３３・・・ディスプレイ（表示部の一例）
３４・・・ＣＰＵ
３５・・・メモリ（記憶部の一例）
３９・・・評価プログラム
４１・・・ユーザ評価
４２・・・修正評価
４３・・・関係性
４４・・・評価
４５・・・関係式
４６・・・重回帰分析
５２・・・オブジェクト
６１・・・睡眠判定部（生成部の一例）
６２・・・ＣＰＵ（制御部の一例）
６３・・・メモリ（記憶部の一例）
１００・・・情報処理システム（評価装置の一例）

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】