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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】報知システム
(51)【国際特許分類】
   B66C 1/06 20060101AFI20240110BHJP
   B66C 1/08 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B66C1/06 B
B66C1/08 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020015989
(22)【出願日】2020-02-03
(65)【公開番号】P2021123434
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-10-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】藤原 裕介
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 誠司
(72)【発明者】
【氏名】柚本 夏輝
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第2561756(CN,Y)
【文献】特開2014-055061(JP,A)
【文献】特開昭52-097550(JP,A)
【文献】特開2018-144938(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 1/00 - 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネット作業機械に装着され、供給される電力に応じて吸着量が変化するリフティングマグネットの状態を報知する報知システムであって、
前記リフティングマグネットの状態をオペレータに報知する報知装置と、
前記リフティングマグネットを励磁するために供給される電圧、電流、及び電力の少なくとも1つを検出するセンサと、
前記センサの検出データに基づいて、前記リフティングマグネットの励磁が開始されてから前記リフティングマグネットの吸着量を逐次算出し、算出した前記吸着量が最大吸着量に到達したか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記吸着量が前記最大吸着量に到達したと判定された場合、前記最大吸着量に到達したことを前記報知装置に報知させる報知制御部とを備え、
前記報知制御部は、前記判定部により逐次算出された前記吸着量を前記報知装置に逐次報知させる、
報知システム。
【請求項2】
前記報知装置は、前記マグネット作業機械を操縦するための操作部材に配置された振動素子で構成され、
前記報知制御部は、前記振動素子を所定の振動パターンで振動させることによって前記吸着量が前記最大吸着量に到達したことを報知させる、
請求項記載の報知システム。
【請求項3】
前記報知装置は、音響装置で構成され、
前記報知制御部は、前記音響装置に所定の音を出力させることによって前記吸着量が前記最大吸着量に到達したことを報知させる、
請求項記載の報知システム。
【請求項4】
前記報知装置は、モーションシートで構成され、
前記報知制御部は、前記モーションシートを所定の動作パターンで動作させることによって前記吸着量が前記最大吸着量に到達したことを報知させる、
請求項記載の報知システム。
【請求項5】
前記報知装置は、前記マグネット作業機械の運転室に配置されている、
請求項1~のいずれかに記載の報知システム。
【請求項6】
前記報知装置は、前記マグネット作業機械を遠隔操縦する遠隔操縦装置に配置されている、
請求項1~のいずれかに記載の報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マグネット作業機械に装着され、供給される電力に応じて吸着量が変化するリフティングマグネットの状態を報知する報知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルのアームの先端にバケットに換えてリフティングマグネットが装着され、鉄屑などの荷を吸着し、荷の選別、運搬、及び積み込み等の作業を行うマグネット作業機械が知られている。例えば、特許文献1には、アームの角度及び長さとからリフティングマグネットの水平位置を求め、求めた水平位置に応じたリフティングマグネットの最大吸着量を求め、最大吸着量の荷が吸着保持されるようにリフティングマグネットに供給する電流を制御するマグネット作業機械が開示されている。このマグネット作業機械では、前記水平位置が機械本体から離れるにつれて最大吸着量が小さくなるように電流を制御することによって、マグネット作業機械の転倒防止が図られている。さらに、このマグネット作業機械では、作業中に、前記所定位置よりもリフティングマグネットが機械本体から離れる方向に操作された場合、警告音を発報することにより、その操作の中止を促す措置が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-68422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マグネット作業機械では、吸着作業が開始される際、吸着指示がオペレータにより入力され、リフティングマグネットの励磁が開始されるが、リフティングマグネットの吸着量が最大吸着量に到達するまでにはある程度の時間がかかる。最大吸着量に到達する前の段階でもリフティングマグネットは荷を吸着することは可能であるが、最大吸着量に到達する前に吸着された荷を移設する移設作業等を開始すると、吸着量の不足により荷がリフティングマグネットから脱落する可能性がある。そのため、最大吸着量になるのを待ってから移設作業が開始されるのが一般的である。
【0005】
しかしながら、従来のマグネット作業機械では、吸着量が最大吸着量になったとき、そのことがオペレータに報知されていなかった。そのため、オペレータは、移設作業の開始を躊躇してしまい、これによって移設作業の開始タイミングに遅れが生じ、作業効率の悪化が招来されるという課題があった。
【0006】
特許文献1では、作業中に、リフティングマグネットの水平位置が機械本体から離れたときに警報音が発報されており、励磁開始時において吸着量が最大吸着量になったときに警報音は発報されていない。したがって、特許文献1は、上記の課題を解消できない。
【0007】
本発明の目的は、励磁開始時におけるマグネット作業機械の作業効率を高めることができる報知システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る報知システムは、マグネット作業機械に装着され、供給される電力に応じて吸着量が変化するリフティングマグネットの状態を報知する報知システムであって、前記リフティングマグネットの状態をオペレータに報知する報知装置と、前記リフティングマグネットを励磁するために供給される電圧、電流、及び電力の少なくとも1つを検出するセンサと、前記センサの検出データに基づいて、前記リフティングマグネットの励磁が開始されてから前記リフティングマグネットの吸着量が最大吸着量に到達したか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記吸着量が前記最大吸着量に到達したと判定された場合、前記最大吸着量に到達したことを前記報知装置に報知させる報知制御部とを備える。
【0009】
この構成によれば、リフティングマグネットの励磁が開始されると、センサにより検出された検出データに基づいて、リフティングマグネットの吸着量が最大吸着量に到達したか否かが判定され、最大吸着量に到達した場合、そのことがオペレータに報知される。これにより、オペレータは吸着量が最大吸着量に到達すると、移設作業等の吸着作業の次に行われるマグネット作業機械の作業を速やかに開始することが可能となり、励磁開始時の作業効率を高めることが可能となる。
【0010】
上記報知システムにおいて、前記判定部は、前記検出データに基づいて、前記励磁が開始されてからの前記吸着量を逐次算出し、前記報知制御部は、前記判定部により逐次算出された前記吸着量を前記報知装置に報知させることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、励磁が開始されると、吸着量が逐次算出されて報知されるため、オペレータは、後どのくらいで最大吸着量に到達するかを予測できる。
【0012】
上記報知システムにおいて、前記報知装置は、前記マグネット作業機械を操縦するための操作部材に配置された振動素子で構成され、前記報知制御部は、前記振動素子を所定の振動パターンで振動させることによって前記吸着量が前記最大吸着量に到達したことを報知させることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、吸着量が最大吸着量になったことを触覚を通じてオペレータに報知できる。さらに、操作部材を把持することで吸着量が最大吸着量になったことを報知できるため、その報知が作業中のオペレータの視覚の妨げになることを防止でき、作業効率をさらに高めることができる。
【0014】
上記報知システムにおいて、前記報知装置は、音響装置で構成され、前記報知制御部は、前記音響装置に所定の音を出力させることによって前記吸着量が前記最大吸着量に到達したことを報知させることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、吸着量が最大吸着量になったことを聴覚を通じてオペレータに報知できる。これにより、その報知が作業中のオペレータの視覚の妨げになることを防止でき、作業効率をさらに高めることができる。
【0016】
上記報知システムにおいて、前記報知装置は、モーションシートで構成され、前記報知制御部は、前記モーションシートを所定の動作パターンで動作させることによって前記吸着量が前記最大吸着量に到達したことを報知させることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、吸着量が最大吸着量になったことをモーションシートの動きを通じてオペレータに報知できる。これにより、その報知が作業中のオペレータの視覚の妨げになることを防止でき、作業効率をさらに高めることができる。
【0018】
上記報知システムにおいて、前記報知装置は、前記マグネット作業機械の運転室に配置されていることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、マグネット作業機械の運転室で操縦するオペレータに対して報知を行うことができる。
【0020】
上記報知システムにおいて、前記報知装置は、前記マグネット作業機械を遠隔操縦する遠隔操縦装置に配置されていることが好ましい。
【0021】
この構成によれば、マグネット作業機械を遠隔操縦する遠隔操縦装置のオペレータに対して吸着量が最大吸着量になったことが報知されるため、遠隔操縦の効率を高めることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、励磁開始時におけるマグネット作業機械の作業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施の形態1に係る報知システムが実装されたマグネット作業機械の一例を示す外観図である。
図2図1に示すマグネット作業機械の構成の一例を示すブロック図である。
図3】判定部が吸着量を算出する際に用いるリフティングマグネットの吸着特性の一例を示すグラフである。
図4】吸着スイッチがオンされてからオフされるまでのマグネット作業機械の動作の一例を示すタイムチャートである。
図5】実施の形態1におけるマグネット作業機械の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態2に係る報知システムの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施の形態1)
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態1に係る報知システムについて説明する。以下の説明では、報知システムの全ての構成要素がマグネット作業機械に実装された態様を例に挙げて説明する。但し、これは一例であり、本発明に係る報知システムは全ての構成要素がマグネット作業機械に実装されていなくてもよい。例えば、実施の形態2で示すように、報知システムの一部の構成要素が遠隔操縦装置に実装されていてもよい。
【0025】
図1は、実施の形態1に係る報知システムが実装されたマグネット作業機械10の一例を示す外観図である。マグネット作業機械10は、リフティングマグネット6で鉄屑等の荷を吸着する作業機械であり、「リフマグ機」とも称されている。マグネット作業機械10は、油圧ショベルをベースに構成されており、油圧ショベルのバケットをリフティングマグネット6で置換して構成されている。
【0026】
マグネット作業機械10は、下部走行体1と、上部旋回体2と、作業装置3とを含む。下部走行体1は、例えば、地面に対して走行可能に構成されたクローラで構成されている。上部旋回体2は、下部走行体1の上部に設けられ、下部走行体1に対して鉛直軸回りに旋回可能に構成されている。上部旋回体2は、オペレータが搭乗する運転室12を含んでいる。
【0027】
作業装置3は、例えば3つの自由度で姿勢の変更が可能な装置で構成され、鉄屑などをリフティングマグネット6で吸着する作業を行うために用いられる。作業装置3は、ブーム4、アーム5及びリフティングマグネット6を含む。ブーム4は、上部旋回体2に対して起伏可能に取り付けられている。アーム5は、ブーム4の先端部において水平軸回りに回動可能に取付けられている。リフティングマグネット6は、アーム5の先端部において回転可能に取付けられたベース部62と、吸着した荷を保持するための吸着面61とを含む。
【0028】
マグネット作業機械10は、さらにブームシリンダ21、アームシリンダ22、及びマグネットシリンダ23を含む。
【0029】
ブームシリンダ21は、上部旋回体2とブーム4との間に介在する。ブームシリンダ21は、伸縮することによりブーム4を起伏させる。
【0030】
アームシリンダ22は、ブーム4とアーム5との間に介在する。アームシリンダ22は、伸縮することで、アーム5を回転させる。
【0031】
マグネットシリンダ23は、アーム5とリフティングマグネット6との間に介在する。マグネットシリンダ23は、伸縮することで、リフティングマグネット6を回動させる。
【0032】
図2は、図1に示すマグネット作業機械10の構成の一例を示すブロック図である。マグネット作業機械10は、機械本体部11、運転室12、及びコントローラ13を含む。機械本体部11は、エンジン111、発電電動機112、インバータ113、及びリフティングマグネット6を含む。エンジン111は、例えばディーゼル式のエンジンで構成されたマグネット作業機械10の動力源である。エンジン111は、発電電動機112を駆動する。その他、エンジン111は、ブームシリンダ21、アームシリンダ22、及びマグネットシリンダ23に作動油を供給する油圧ポンプを駆動する。
【0033】
発電電動機112は、エンジン111の動力によって駆動し、電力を発生する。インバータ113は、吸着スイッチ121からオンの吸着スイッチ信号が入力された場合、発電電動機112で発生した電力をリフティングマグネット6に供給する。以下、リフティングマグネット6に供給される電力をマグネット電力と呼ぶ。これにより、リフティングマグネット6は励磁され、吸着力が発生する。一方、インバータ113は、吸着スイッチ121からオフの吸着スイッチ信号が入力された場合、リフティングマグネット6への給電を停止する。これにより、リフティングマグネット6が消磁される。消磁時には、マグネット電力がインバータ113を介して発電電動機112に供給され、電力の回生が行われる。
【0034】
具体的には、インバータ113は、発電電動機112に接続されたスイッチング回路と、リフティングマグネット6に接続された励磁/消磁切り替え回路と、スイッチング回路及び励磁/消磁切り替え回路を制御するインバータ制御部と、スイッチング回路及び励磁/消磁切り替え回路間を結ぶ正母線及び負母線と、正母線及び負母線間に設けられた大容量コンデンサとを含む。
【0035】
スイッチング回路は、例えば複数のスイッチング素子を組み合わせて構成され、発電電動機112とリフティングマグネット6との間の電力の授受を制御する。励磁/消磁切り替え回路は、例えばHブリッジ回路で構成され、インバータ制御部の制御にしたがって、リフティングマグネット6の励磁及び消磁を切り替える。インバータ制御部は、吸着スイッチ121のオン/オフにしたがって、スイッチング回路及び励磁/消磁回路を制御する。大容量コンデンサは、正母線及び負母線間の電圧である主回路電圧を平滑化する。
【0036】
インバータ113は、さらにセンサ1131を含む。センサ1131は、インバータ113からリフティングマグネット6への給電路上に設けられた電力センサで構成されている。センサ1131は、発電電動機112からインバータ113を介してリフティングマグネット6に供給されるマグネット電力を検出する。センサ1131により検出されたマグネット電力の値を示す検出データはコントローラ13に入力される。
【0037】
リフティングマグネット6は、電磁石で構成され、インバータ113から供給されるマグネット電力によって励磁される。
【0038】
コントローラ13は、CPU、ROM、及びRAM等を含むマイクロコントローラで構成されている。コントローラ13は、判定部131及び報知制御部132を含む。判定部131は、コントローラ13が所定のプログラムを実行することで実現されてもよいし、専用のハードウェア回路で実現されてもよい。
【0039】
判定部131は、センサ1131から入力される検出データに基づいて、リフティングマグネット6の励磁が開始されてからリフティングマグネット6の吸着量を逐次算出し、算出した吸着量が最大吸着量に到達したか否かを判定する。ここで、最大吸着量の値はコントローラ13のメモリに予め記憶されている。メモリに記憶された最大吸着量の値はマグネット作業機械10が作業を行っていない状態において更新可能である。この場合、判定部131は更新された最大吸着量を用いて吸着量が最大吸着量に到達したか否かの判定を行うことになる。
【0040】
図3は、判定部131が吸着量を算出する際に用いるリフティングマグネット6の吸着特性400の一例を示すグラフである。この吸着特性400はコントローラ13が備えるメモリに予め記憶されている。吸着特性400は、マグネット電力と、リフティングマグネット6の吸着量との関係性を示す。吸着量とは、リフティングマグネット6が吸着可能なマグネット電力に応じた荷の重量を示す。ここでは、吸着量の単位は例えばkgである。また、マグネット電力の単位は例えばkWである。吸着特性400は、マグネット電力が増大するにつれて吸着量が漸次増大する特性を持つ。
【0041】
判定部131は、励磁が開始されると、センサ1131から所定のサンプリング周期でマグネット電力の検出データを取得し、吸着特性400を参照して取得した検出データが示すマグネット電力に対応する吸着量を特定することによって、リフティングマグネット6の吸着量を逐次算出すればよい。
【0042】
報知制御部132は、判定部131により逐次算出された吸着量を報知装置122に報知させる。具体的には、報知制御部132は、吸着量に応じた振動強度で振動素子1221を駆動するための駆動指令を駆動部1222に入力する。振動強度としては、例えば振動素子1221の振動数及び振幅の少なくとも一方が採用できる。ここでは、報知制御部132は、吸着量が増大するにつれて振動強度を漸次増大させるものとする。但し、これは一例であり、報知制御部132は、吸着量が増大するにつれて振動強度を漸次減少させてもよい。或いは、報知制御部132は、吸着量が増大するにつれて振動数及び振幅の一方を増大させ、他方を減少させてもよい。
【0043】
そして、報知制御部132は、判定部131により、吸着量が最大吸着量に到達したと判定された場合、最大吸着量に到達したことを明示する振動パターンで振動素子1221を振動させるための駆動指令を駆動部1222に入力する。最大吸着量に到達したことを明示する振動パターンとしては、例えば、オペレータに対してクリック感を与える振動パターンが採用できる。クリック感を与える振動パターンとしては、1又は複数回、振動素子1221をパルス状に振動させる振動パターンが採用できる。
【0044】
運転室12は、吸着スイッチ121及び報知装置122を含む。吸着スイッチ121は、オペレータによりオン及びオフされる。吸着スイッチ121は、オンされると例えばハイレベルの吸着スイッチ信号をインバータ113に入力する。吸着スイッチ121は、オフされると例えばローレベルの吸着スイッチ信号をインバータに入力する。吸着スイッチ121は、例えばボタン式のスイッチで構成される。吸着スイッチ121は、オフ状態のときにオペレータにより押された場合、吸着スイッチ信号をオンにする。吸着スイッチ121は、オン状態のときにオペレータにより押された場合、吸着スイッチ信号をオフにする。吸着スイッチ121は、物理的なボタンで構成されてもよいし、運転室12に設けられたタッチパネル式のディスプレイに表示されるGUI(Graphical User Interface)ボタンで構成されてもよい。
【0045】
報知装置122は、振動素子1221及び駆動部1222を含む。振動素子1221は、マグネット作業機械10を操縦するために運転室12に設けられた操作部材に配置される。操作部材としては、例えば、ブーム4、アーム5、リフティングマグネット6、上部旋回体2、及び下部走行体1の少なくとも1つを操縦するための操作レバーが採用される。この場合、振動素子1221は、例えば操作レバーの内部など、オペレータに振動が伝達可能な場所に配置される。振動素子1221は、例えばリニアバイブレータ又はピエゾ素子等で構成される。
【0046】
駆動部1222は、報知制御部132から入力される駆動指令にしたがって、振動素子1221を駆動させる。駆動部1222は、例えば入力される駆動指令にしたがって振動数及び振幅の少なくとも一方が変更可能な発振回路を含む。この発振回路は駆動電流を振動素子1221に供給することで振動素子1221を振動させる。
【0047】
図4は、吸着スイッチ121がオンされてからオフされるまでのマグネット作業機械10の動作の一例を示すタイムチャートである。図4において、(a)は吸着スイッチ信号を示し、(b)はリフティングマグネット6に供給されるマグネット電圧を示し、(c)は主回路電圧を示し、(d)リフティングマグネット6に供給されるマグネット電力を示している。
【0048】
(a)に示すように吸着スイッチ信号がオンになると、(b)に示すように定常電圧より高い過励磁電圧に設定されたマグネット電圧がリフティングマグネット6に供給される。これに伴い、(c)に示すように主回路電圧が目標電圧から一旦低下した後、目標電圧に復帰している。さらに、(d)に示すように、マグネット電力が上に凸のカーブを描いて漸次上昇している。そして、マグネット電力がピークに到達すると、マグネット電圧は通常電圧に設定される。以後、マグネット電圧は吸着スイッチ信号がオフになるまで通常電圧を維持する。マグネット電圧が通常電圧に設定されると、それに伴って、マグネット電力は通常電力に低下する。以後、マグネット電力は吸着スイッチ信号がオフになるまで通常電力を維持する。マグネット電圧が過励磁電圧に設定されるのは、吸着開始後に荷を吸着するのに十分に必要な吸着力をリフティングマグネット6に生じさせるためである。
【0049】
吸着スイッチ信号がオフになると、マグネット電圧が、一定期間、負の電圧である逆励磁電圧に設定され、リフティングマグネット6が消磁される。これに伴い、(c)に示すように主回路電圧は、目標電圧から一旦上昇した後、目標電圧に復帰している。さらに、(d)に示すように、マグネット電力は、負の方向に急激に低下した後、逆励磁電圧が0になるまで、上に凸のカーブを描いて緩やかに増大する。そして、逆励磁電圧が0になると、マグネット電力は吸着スイッチ信号がオンされる前の電力に復帰する。マグネット電圧が逆励磁電圧に設定されるのは、荷を釈放するために逆方向に電流を流してリフティングマグネット6に逆磁界を発生させるためである。
【0050】
次に、図4のタイムチャートを参照しつつ、報知装置122による報知について説明する。励磁が開始されると、マグネット電力の増大に伴って振動素子1221の振動強度が漸次増大していく。これにより、オペレータは振動強度から最大吸着量に到達するまでの残り時間を予測しながら吸着作業を進めることができる。そして、マグネット電力がピークに到達し、リフティングマグネット6の吸着量が最大吸着量に到達すると、振動素子1221にパルス状の振動が発生し、最大吸着量に到達したことがオペレータに報知される。これにより、オペレータは、最大吸着量になったことを確認し、吸着作業の次の作業に移ることができる。次の作業としては、例えば上部旋回体2を旋回して吸着した荷を別の場所に移設させる移設作業などが含まれる。
【0051】
次に、マグネット作業機械10の動作について説明する。図5は、実施の形態1におけるマグネット作業機械10の動作の一例を示すフローチャートである。ステップS1において、吸着スイッチ121は、吸着スイッチをオンする操作をオペレータから受け付ける(ステップS1でYES)。これにより、吸着スイッチ121からオンの吸着スイッチ信号がインバータ113に入力される。一方、吸着スイッチ121が、オンする操作を受け付けていない場合(ステップS1でNO)、処理は待機される。
【0052】
ステップS2において、インバータ113は、マグネット電力をリフティングマグネット6に供給し、励磁を開始する。ステップS3において、判定部131は、センサ1131により検出された検出データを取得する。ステップS4において、判定部131は、検出データが示すマグネット電力に対応する吸着量を吸着特性400を参照して算出する。
【0053】
ステップS5において、報知制御部132は、ステップS3で算出された吸着量に応じた振動素子1221の振動強度を決定する。これにより、駆動部1222には、振動強度に応じた駆動指令が入力される。ステップS6において、駆動部1222は、ステップS5で決定された振動強度で振動素子1221を駆動する。これにより、触覚を通じて現在の吸着量がオペレータに通知される。
【0054】
ステップS7において、判定部131は、ステップS4で算出された吸着量が最大吸着量に到達したか否かを判定する。吸着量が最大吸着量に到達した場合(ステップS7でYES)、報知制御部132は、最大吸着量に到達したことを明示する振動パターンで振動素子1221を振動させる駆動指令を駆動部1222に入力する。これにより、オペレータは触覚を通じて、吸着量が最大吸着量に到達したことを認識する。一方、吸着量が最大吸着量に到達していない場合(ステップS7でNO)、処理はステップS3に戻り、検出データを取得する処理が引き続き行われる。
【0055】
このように、本実施の形態によれば、リフティングマグネット6の励磁が開始されると、センサ1131により検出された検出データに基づいて、リフティングマグネット6の吸着量が最大吸着量に到達したか否かが判定され、最大吸着量に到達した場合、そのことがオペレータに報知される。これにより、オペレータは吸着量が最大吸着量に到達すると、移設作業等の吸着作業の次に行われる作業を速やかに開始することが可能となり、励磁開始時の作業効率を高めることが可能となる。
【0056】
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係る報知システムの構成の一例を示すブロック図である。実施の形態2は、少なくとも報知装置122を遠隔操縦装置60に実装したものである。遠隔操縦装置60は、図2に示す吸着スイッチ121、報知装置122、及びコントローラ13の他、通信機14をさらに備えている。
【0057】
遠隔操縦装置60は、マグネット作業機械10Aを遠隔操縦する装置である。遠隔操縦装置60は、マグネット作業機械10Aの運転室と同様に操作レバー及び運転シートが配置されている。さらに、遠隔操縦装置60は、マグネット作業機械10Aが備えるカメラが撮影したマグネット作業機械10Aの周囲の映像を表示する表示装置を備えている。遠隔操縦装置60のオペレータは、操縦席に座って表示装置に表示された映像を見ながら操作レバーを操作することによって、遠隔地から遠隔操縦装置60を操縦することができる。
【0058】
通信機14は、遠隔操縦装置60を通信路600を介してマグネット作業機械10Aと通信させる通信回路で構成されている。通信機14は、吸着スイッチ121のオン/オフを示す吸着スイッチ信号を通信路600を介して通信機115に送信する。通信機14は、操作レバーの操作量を示す信号を通信路600を介して通信機115に送信する。通信機14は、センサ1131により検出され、通信機115から送信された検出データを、通信路600を介して受信する。さらに、通信機14は、通信機115から送信される映像信号を通信路600を介して受信する。
【0059】
判定部131Aは、図2に示す判定部131と基本的な機能は同じであるが、通信機14が受信した検出データを用いて吸着量を逐次算出する処理を行う点が判定部131と相違する。
【0060】
通信路600としては、インターネット通信網及び携帯電話通信網を含む公衆ネットワークが採用されてもよいし、無線LAN、有線LAN、特定小電力無線などのローカルエリアネットワークが採用されてもよい。
【0061】
マグネット作業機械10Aは、図2に示す機械本体部11が備える構成要素に加えて、さらに通信機115を備えている。通信機115は、マグネット作業機械10Aを遠隔操縦装置60と通信させる通信回路で構成されている。通信機115は、通信機14が送信する操作量を示す信号を通信路600を介して受信する。さらに、通信機115は、センサ1131が検出した検出データを通信路600を介して通信機14に送信する。
【0062】
インバータ113Aは、図2に示すインバータ113と基本的な機能は同じであるが、通信機115が受信した吸着スイッチ信号にしたがってリフティングマグネット6を励磁及び消磁させる点がインバータ113と相違する。
【0063】
次に、実施の形態2に係る報知システムの動作について説明する。吸着スイッチ121がオンされると、オンを示す吸着スイッチ信号が、通信機14からマグネット作業機械10Aに送信される。通信機115によりオンを示す吸着スイッチング信号が受信されると、インバータ113Aはリフティングマグネット6の励磁を開始する。以後、通信機115は、センサ1131が検出した検出データを逐次遠隔操縦装置60に送信する。
【0064】
判定部131Aは、通信機14により受信された検出データが示すマグネット電力に応じた吸着量を吸着特性400を参照して算出し、算出した吸着量に応じた振動強度で振動素子1221を駆動するための駆動指令を駆動部1222に入力する。これにより、振動素子1221は、吸着量に応じた振動強度で駆動する。
【0065】
通信機14により受信された検出データが示すマグネット電力から算出された吸着量が最大吸着量に到達すると、報知制御部132は、最大吸着量に到達したことを明示する振動パターンで振動素子1221を駆動する駆動指令を駆動部1222に入力する。これにより、振動素子1221は、最大吸着量に到達したことを明示する駆動パターンで振動する。その結果、オペレータは、触覚を通じて最大吸着量に到達したことを確認できる。
【0066】
このように、本実施の形態に係る報知システムにおいては、マグネット作業機械10Aを遠隔操縦する遠隔操縦装置60のオペレータに対して現在の吸着量及び最大吸着量に到達したことを報知できる。その結果、オペレータは最大吸着量になるまでの残り時間を予測しながら遠隔操縦による吸着作業を行うことができる。さらに、オペレータは最大吸着量になったことを振動パターンから確認し、速やかに吸着作業の次の作業に移行することができ、遠隔操縦を効率よく行うことができる。
【0067】
本発明は、以下の変形例が採用できる。
【0068】
(1)上記実施の形態では、振動により最大吸着量になったことが報知されたが本発明はこれに限定されず、音により最大吸着量になったことが報知されてもよい。この場合、図2に示す報知装置122は音響装置によって構成すればよい。具体的には、音響装置は、運転室12に配置されたスピーカとスピーカを駆動する駆動部とを含む。
【0069】
報知制御部132は、判定部131により逐次算出された吸着量に応じた音強度の音をスピーカから出力させるための駆動指令を駆動部に入力する。音強度としては、例えば、スピーカから出力される音の振幅及び周波数の少なくとも一方が含まれる。報知制御部132は、吸着量が増大するにつれて、スピーカから出力される音の音強度を増大させればよい。但し、これは一例であり、報知制御部132は、吸着量が増大するにつれてスピーカから出力される音の音強度を減少させてもよい。或いは、報知制御部132は、吸着量が増大するにつれてスピーカから出力される音の振動数及び振幅の一方を増大させ、他方を減少させてもよい。
【0070】
そして、報知制御部132は、判定部131により、吸着量が最大吸着量に到達したと判定された場合、最大吸着量に到達したことを明示する音パターンをスピーカから出力させるための駆動指令を駆動部に入力する。最大吸着量に到達したことを明示する音パターンとしては、例えば、1又は複数回、間欠的に音を鳴らすパルス音が採用できる。
【0071】
駆動部は、駆動指令にしたがった音声信号を生成してスピーカに入力する。これにより、励磁が開始されると漸次に音強度が増大する音がスピーカから出力される。そして、吸着量が最大吸着量に到達すると最大吸着量に到達したことを明示する音パターンがスピーカから出力される。これにより、聴覚を通じて現在の吸着量及び吸着量が最大吸着量になったことがオペレータに報知される。
【0072】
(2)上記実施の形態では、振動により最大吸着量になったことが報知されたが本発明はこれに限定されず、モーションシートにより最大吸着量になったことが報知されてもよい。この場合、報知装置122は、運転室12に設けられて傾斜角度が変更可能なモーションシートにより構成される。モーションシートは、例えばロール方向、ピッチ方向、及びヨー方向の3つの方向に回転可能に構成されたシートである。モーションシートは、モーションシートの傾斜角度を変更するためのモータを含む。モータはロール方向、ピッチ方向、及びヨー方向のそれぞれに対応する3つのモータを含む。ここでは、モーションシートはロール方向、ピッチ方向、及びヨー方向の3つの方向に回転可能として説明したが、これは一例であり、ロール方向、ピッチ方向、及びヨー方向の少なくとも1つ又は2つの方向に回転可能であってもよい。
【0073】
報知制御部132は、判定部131により逐次算出された吸着量に応じた傾斜パターンでモーションシートを傾斜させるための駆動指令をモータに入力する。傾斜パターンとしては、吸着量が増大するにつれて、ロール方向、ピッチ方向、及びヨー方向のいずれか1つの方向に対するモーションシートの傾斜角度を増大させる傾斜パターンが採用できる。或いは、傾斜パターンとしては、吸着量が増大するにつれて、ロール方向、ピッチ方向、及びヨー方向のいずれか1つの方向に対する振幅が増大するようにモーションシートを揺動させる傾斜パターンが採用できる。
【0074】
そして、報知制御部132は、判定部131により、吸着量が最大吸着量に到達したと判定された場合、最大吸着量に到達したことを明示する傾斜パターンでモーションシートを傾斜させるための駆動指令をモータに入力する。最大吸着量に到達したことを明示する傾斜パターンとしては、例えば、1又は複数回、ロール方向、ピッチ方向、又はヨー方向のいずれかの方向に対してモーションシートを揺動させる傾斜パターンが採用できる。この場合、最大吸着量に到達するまでにおいてモーションシートを傾斜させる方向は、最大吸着量に到達したときにモーションシートを傾斜させる方向と異なる方向であってもよい。
【0075】
モーションシートの動作の一例は下記の通りである。励磁が開始されると、吸着量に応じてモーションシートが前のめりになるようにモーションシートのピッチ方向の傾斜角度が漸次増大される。そして、吸着量が最大吸着量に到達すると、モーションシートがロール方向に所定回数揺動される。これにより、モーションシートの動きを通じて現在の吸着量及び吸着量が最大吸着量になったことがオペレータに報知される。
【0076】
(3)上記実施の形態では、振動により最大吸着量になったことが報知されたが本発明はこれに限定されず、表示装置に表示される画像により最大吸着量になったことが報知されてもよい。この場合、図2に示す報知装置122は表示装置により構成すればよい。
【0077】
報知制御部132は、判定部131により逐次算出された吸着量の値を表示装置に表示させる駆動指令を表示装置に入力する。吸着量の表示態様としては、インジケータを表示する態様及び/又は吸着量の値自体を表示する態様が採用できる。
【0078】
そして、報知制御部132は、吸着量が最大吸着量に到達すると、そのことを明示する画像を表示装置に表示させる駆動指令を表示装置に入力する。吸着量が最大吸着量に到達したことを明示する画像としては、例えばメッセージ及び/又はインジケータの色をデフォルトの第1色から第2色に変更する態様が採用できる。この場合、メッセージは吸着量が最大吸着量に到達してから所定期間経過すると表示画面から消去されてもよい。また、インジケータの色は吸着量が最大吸着量に到達してから所定期間経過すると第2色から第1色に戻されてもよい。これにより、視覚を通じて現在の吸着量及び吸着量が最大吸着量になったことがオペレータに報知される。
【0079】
(4)上述の(1)~(3)の変形例は、実施の形態2に示す報知システムに適用されてもよい。さらに、本発明は、上述の実施の形態1で示す振動により報知する態様と、上述の変形例(1)に示す音により報知する態様と、変形例(2)に示すモーションシートの動きにより報知する態様と、変形例(3)に示す画像により報知する態様とのうち少なくとも2つの態様が任意に組み合わされて構成されてもよい。
【0080】
(5)図2に示す機械本体部11及び図6に示すマグネット作業機械10Aにおいて、発電電動機112はエンジン111の動力を直接受けて駆動するものであったが、本発明はこれに限定されない。例えば、発電電動機112は、油圧モータからの動力を受けて駆動するものであってもよい。この場合、機械本体部11又はマグネット作業機械10Aは、エンジン111の動力によって駆動する油圧ポンプと、油圧ポンプから供給される作動油によって作動する油圧モータとをさらに備えていればよい。
【0081】
(6)図2及び図6に示すセンサ1131は電力センサであったが、本発明はこれに限定されず、インバータ113,113Aからリフティングマグネット6に供給されるマグネット電圧を検出する電圧センサ及び/又はインバータ113,113Aからリフティングマグネット6に供給されるマグネット電流を検出する電流センサであってもよい。この場合、判定部131,131Aは、電圧センサから出力される検出データと電流センサから出力される検出データとを用いてマグネット電力を算出し、そのマグネット電力から吸着量を算出すればよい。
【0082】
マグネット電圧又はマグネット電流のみから吸着量が算出可能な態様でリフティングマグネット6が駆動される場合、判定部131,131Aは、電流センサが検出したマグネット電流又は電圧センサが検出したマグネット電圧のみから吸着量を算出してもよい。
【0083】
(7)実施の形態2において、コントローラ13はマグネット作業機械10Aに実装されてもよい。
【符号の説明】
【0084】
6 :リフティングマグネット
10 :マグネット作業機械
11 :機械本体部
12 :運転室
13 :コントローラ
14 :通信機
60 :遠隔操縦装置
111 :エンジン
112 :発電電動機
113 :インバータ
121 :吸着スイッチ
122 :報知装置
131 :判定部
132 :報知制御部
1131 :センサ
1221 :振動素子
1222 :駆動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6