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特許7415632撮像装置、撮像システムおよび撮像装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像システムおよび撮像装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/05 20210101AFI20240110BHJP
   G03B 15/03 20210101ALI20240110BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240110BHJP
   G03B 7/16 20210101ALI20240110BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20240110BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20240110BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20240110BHJP
【FI】
G03B15/05
G03B15/03 F
G03B15/00 R
G03B7/16
G03B17/02
H04N23/56
H04N23/60
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020020457
(22)【出願日】2020-02-10
(65)【公開番号】P2021124705
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中塚 均
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-134218(JP,A)
【文献】特開2006-227245(JP,A)
【文献】特開2017-156571(JP,A)
【文献】特開2013-073018(JP,A)
【文献】特開2000-292131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/05
G03B 15/00
G03B 15/03
G03B 7/16
G03B 17/02
H04N 23/56
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部制御装置から受け付けたトリガに応じて、対象物の撮像を行なう撮像装置であって、
前記対象物に対して光を照射する照明部と、
前記撮像装置内の温度を計測する温度センサと、
前記照明部の発光条件を取得する取得部と、
前記温度センサによって計測された計測温度を用いて、前記取得部によって取得された発光条件に従って前記照明部を発光させたときの前記撮像装置内の推定温度を推定する推定部と、
前記推定温度に基づいて、前記トリガの受け付けの可否を示す信号を前記外部制御装置に出力する出力部とを備える、撮像装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記取得された発光条件に従って前記照明部を発光させたときの前記照明部の発熱量を演算し、演算した発熱量と前記計測温度とを用いて、前記推定温度を推定する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記計測温度と前記照明部の発熱量と前記撮像装置内の監視対象の温度との関係を示す演算式を用いて、前記監視対象における前記推定温度を推定する、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記演算式は、前記照明部と前記温度センサと前記監視対象との位置関係を考慮して予め定められる、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記推定部は、
発光条件と補正係数とを対応付けた対応情報を用いて、前記取得された発光条件に対応する補正係数を決定し、
前記演算式に前記計測温度と前記演算した発熱量とを入力することにより得られる前記監視対象の温度を、決定した補正係数に基づいて補正することにより、前記推定温度を推定する、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記発光条件は、前記照明部の発光時間を含み、
前記対応情報において、前記監視対象の熱時定数以下の発光時間を含む発光条件と、0.63以下の補正係数とが対応付けられている、請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記照明部について設定された発光条件を格納する記憶装置と、
前記外部制御装置からの更新指示に応じて前記記憶装置が記憶する発光条件を前記更新指示によって指定された発光条件に更新する更新部とをさらに備え、
前記取得部は、前記記憶装置に格納された発光条件を読み出す、請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記照明部は、対象物の三次元計測を行なうための光を照射する、請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像装置と、
前記撮像装置に前記トリガを出力する外部制御装置とを備える、撮像システム。
【請求項10】
外部制御装置から受け付けたトリガに応じて、対象物の撮像を行なう撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置は、
前記対象物に対して光を照射する照明部と、
前記撮像装置内の温度を計測する温度センサとを含み、
前記制御方法は、
前記照明部の発光条件を取得するステップと、
前記温度センサによって計測された計測温度を用いて、取得された発光条件に従って前記照明部を発光させたときの前記撮像装置内の推定温度を推定するステップと、
前記推定温度に基づいて、前記トリガの受け付けの可否を示す信号を前記外部制御装置に出力するステップとを備える、撮像装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置、撮像システムおよび撮像装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源を有する撮像装置が知られている。このような撮像装置では、光源から発せられる熱を考慮して、撮像が制御される。例えば、特開2003-304419号公報(特許文献1)には、撮像装置の温度が所定値を超えている場合に、撮影のレリーズを禁止する時間を設ける撮像装置が開示されている。この撮像装置は、前回の閃光装置を用いた撮影時点からレリーズを禁止する時間が経過していることに応じて、撮影処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-304419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の撮像装置では、閃光装置の過去の発光回数に応じて、レリーズを禁止する時間が制御される。撮像装置内の温度が定格を超えることを避けるため、通常、発熱量が最大となる発光条件に基づいて、レリーズを禁止する時間が定められる。ただし、発熱量が最大となる発光条件に基づいてレリーズを禁止する時間が定められると、発熱量が比較的小さい発光条件で発光させればよいにもかかわらず、撮像が開始可能となるまでの待機時間が不必要に長くなる。その結果、撮像装置の能力を最大限に活用できない。
【0005】
本開示は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、撮像の制限される時間の短縮化が可能な撮像装置、撮像システムおよび撮像装置の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例によれば、撮像装置は、外部制御装置から受け付けたトリガに応じて、対象物の撮像を行なう。撮像装置は、対象物に対して光を照射する照明部と、撮像装置内の温度を計測する温度センサと、取得部と、推定部と、出力部とを備える。取得部は、照明部の発光条件を取得する。推定部は、温度センサによって計測された計測温度を用いて、取得部によって取得された発光条件に従って照明部を発光させたときの撮像装置内の推定温度を推定する。出力部は、推定温度に基づいて、トリガの受け付けの可否を示す信号を外部制御装置に出力する。
【0007】
この開示によれば、推定温度は、発光条件に従って照明部を発光させたと仮定したときの撮像装置内の温度であり、現在の撮像装置内の状態を表す計測温度を用いて推定される。すなわち、推定温度は、現在の撮像装置内の状態を考慮して推定される。そのため、推定温度の精度が高まる。そして、推定温度に基づいて判定信号が生成される。その結果、撮像の制限される時間は、現在の撮像装置内の状態および発光条件に応じて定められる。従って、撮像の制限される時間が不必要に長くなることを抑制でき、当該時間を短縮化できる。
【0008】
上述の開示において、推定部は、取得された発光条件に従って照明部を発光させたときの照明部の発熱量を演算し、演算した発熱量と計測温度とを用いて、推定温度を推定する。
【0009】
照明部の発熱量の一部が監視対象に伝わることにより、監視対象の温度が上昇しうる。そのため、この開示によれば、当該発熱量を用いることにより、推定温度の精度が高まる。
【0010】
上述の開示において、推定部は、計測温度と照明部の発熱量と撮像装置内の監視対象の温度との関係を示す演算式を用いて、監視対象における推定温度を推定する。この開示によれば、演算式を用いて容易に推定温度が推定される。
【0011】
上述の開示において、演算式は、照明部と温度センサと監視対象との位置関係を考慮して予め定められる。
【0012】
照明部と温度センサと監視対象との間の熱の移動は、これらの位置関係に依存する。そのため、この開示によれば、位置関係を考慮して予め定められる演算式を用いることにより、推定温度の精度がさらに高まる。
【0013】
上述の開示において、推定部は、発光条件と補正係数とを対応付けた対応情報を用いて、取得された発光条件に対応する補正係数を決定する。推定部は、演算式に計測温度と演算した発熱量とを入力することにより得られる監視対象の温度を、決定した補正係数に基づいて補正することにより、推定温度を推定する。
【0014】
この開示によれば、演算式を用いて算出される監視対象の温度と、発光条件に従って照明部を実際に発光させたときの監視対象の温度との間に差分が生じるような場合であっても、当該差分が小さくなるように補正係数を設定することにより、推定温度の精度をさらに高めることができる。
【0015】
上述の開示において、発光条件は、照明部の発光時間を含む。対応情報において、監視対象の熱時定数以下の発光時間を含む発光条件と、0.63以下の補正係数とが対応付けられている。この開示によれば、推定温度の精度をさらに高めることができる。
【0016】
上述の開示において、撮像装置は、照明部について設定された発光条件を格納する記憶装置と、外部制御装置からの更新指示に応じて記憶装置が記憶する発光条件を更新する更新部とをさらに備える。取得部は、記憶装置に格納された発光条件を読み出す。この開示によれば、取得部は、最新の発光条件を容易に取得できる。
【0017】
上述の開示において、照明部は、例えば、対象物の三次元計測を行なうための光を照射する。
【0018】
本開示の一例によれば、撮像システムは、上記の撮像装置と、撮像装置にトリガを出力する外部制御装置とを備える。
【0019】
本開示の一例によれば、外部制御装置から受け付けたトリガに応じて、対象物の撮像を行なう撮像装置は、対象物に対して光を照射する照明部と、撮像装置内の温度を計測する温度センサとを含む。撮像装置の制御方法は、照明部の発光条件を取得するステップと、温度センサによって計測された計測温度を用いて、取得された発光条件に従って照明部を発光させたときの撮像装置内の推定温度を推定するステップと、推定温度に基づいて、トリガの受け付けの可否を示す信号を外部制御装置に出力するステップとを備える。これらの開示によっても、撮像の制限される時間を短縮化できる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、撮像の制限される時間を短縮化できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施の形態に係る撮像システムの全体構成を示す概略図である。
図2図1に示す撮像装置の内部構成を示す模式図である。
図3】判定信号の生成方法の参考例を示す図である。
図4】本実施の形態に係る、判定信号の生成方法の一例を示す図である。
図5図1に示す撮像装置の外観構造の一例を示す概略斜視図である。
図6】照明部の模式断面図である。
図7】撮像部の模式断面図である。
図8図2に示す制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図9】照明部と温度センサと監視対象との間の熱関係を模式的に示す図である。
図10】推定部によって参照されるテーブルの一例を示す図である。
図11】本実施の形態に係る撮像装置における制御の流れを示すフローチャートである。
図12】撮像装置の第1の動作例を示す図である。
図13】撮像装置の第2の動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。以下で説明される各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0023】
§1 適用例
図1図4を参照して、本発明が適用される場面の一例について説明する。図1は、実施の形態に係る撮像システムの全体構成を示す概略図である。図1に例示される撮像システム1は、生産ラインなどに組み込まれ、コンベヤC上を搬送されるワークWKおよびその周囲を撮像し、ワークWKの検査または計測を行なう用途に用いられる。
【0024】
図1に示すように、撮像システム1は、撮像装置10と外部制御装置である画像計測装置1000とを備える。このうち、画像計測装置1000は、センサコントローラあるいは視覚センサとも称される。
【0025】
撮像装置10は、照明部12と撮像部13とを含む。照明部12は、画像計測装置1000からの指示に従って、均一な照明光または任意の投影パターンを有する照明光を被写体に照射する。投影パターンを有する照明光は、後述するように、ワークWKの三次元計測を行なうための光である。投影パターンは、例えば照射面内の所定方向に沿って明るさが周期的に変化するパターンである。撮像部13は、照明光が照射された状態の被写体を撮像する。
【0026】
画像計測装置1000は、ユーザによって予め設定された画像計測フローに従った処理を実行する。画像計測フローには、撮像装置10の撮像によって得られた画像データ(以下、「入力画像」とも称する)を取り込む処理項目が含まれる。画像計測フローには、さらに、入力画像に対する処理項目が含まれる。入力画像に対する処理項目として、例えば三次元計測処理が挙げられる。
【0027】
三次元計測処理は、投影パターンを有する照明光が投影された状態のワークWKを撮像することにより得られた入力画像と、投影パターンの情報とを用いて、三次元計測結果(三次元計測結果画像)を生成する処理である。より具体的には、投影パターンに含まれる各基準パターン(以下、「プリミティブ」とも称する)を入力画像内で探索することで、各プリミティブが照射された位置および当該照射されたプリミティブが示すコードの集合が生成される。そして、投影パターンに設定される単位領域(以下、「ワード」とも称する)に含まれる所定数の基準パターンが示すコードの配列と同一の配列を示す対応領域(以下、「格子状コードパターン」とも称する)が当該コードの集合から探索される。最終的に、格子状コードパターンの探索結果に基づいて、投影パターンの後述する照射基準面から被写体の各部までの距離が算出される。この算出された距離の集合は、三次元計測結果画像として表現される。
【0028】
ユーザは、入力画像の状態、および、画像計測フローに含まれる入力画像に対する処理項目に応じて、入力画像の取り込み条件を適宜設定する。入力画像の取り込み条件には、撮像部13が撮像するときの照明部12の発光条件が含まれる。照明部12の発光条件には、照明部12の発光量、発光時間(撮像部13の露光時間)、投影パターンの種別が含まれる。
【0029】
画像計測装置1000は、画像計測フローの実行指示に応じて、入力画像の取り込み条件に含まれる照明部12の発光条件を撮像装置10に設定する。そして、画像計測装置1000は、撮像装置10から入力画像を取得するためのトリガを撮像装置10に出力する。
【0030】
撮像装置10は、画像計測装置1000からトリガを受けたことに応じて、照明光を被写体に投影しながら、ワークWKの撮像を行なう。ただし、撮像装置10は、自装置の状態に応じてトリガを受け付け可能か否かを判定し、判定結果を示す判定信号を画像計測装置1000に出力する。判定信号には、トリガを受け付け可能であることを示すReady信号と、トリガを受け付けできないことを示すBusy信号とが含まれる。Busy信号は、撮像装置10の撮像を制限する信号である。画像計測装置1000は、撮像装置10からReady信号を受けている場合に限り、トリガを撮像装置10に出力する。
【0031】
図2は、図1に示す撮像装置の内部構成を示す模式図である。図2に示すように、撮像装置10は、上述した照明部12および撮像部13と、制御装置11と、通信インターフェイス(I/F)14と、温度センサ15とを含んでいる。
【0032】
照明部12は、均一な照明光または任意の投影パターンを有する照明光を被写体に対して照射する。照明部12は、光源241と、パターン形成素子244と、投光レンズ220とを有している。
【0033】
光源241は、所定の波長の光をパターン形成素子244の方向に向けて照射する。パターン形成素子244は、例えば液晶によって構成され、任意のパターンを形成可能である。パターン形成素子244を通過した光は、投光レンズ220を介して、外部に照射される。パターン形成素子244を制御することにより、均一な照明光または任意の投影パターンを有する照明光が外部空間に照射される。なお、パターン形成素子244として、フォトマスクが用いられてもよい。また、パターン形成素子244は、光源241からの光を反射する複数のマイクロミラーを含むDMD(Digital Mirror Device)によって構成されてもよい。
【0034】
撮像部13は、照明光が照射された被写体を撮像する。撮像部13は、撮像素子341と、受光レンズ320を有している。撮像素子341は、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)によって構成される。
【0035】
撮像部13は、照明光が照射された状態の被写体を撮像する。詳しくは、受光レンズ320を通過した光を撮像素子341が受光することにより、入力画像が得られる。
【0036】
制御装置11は、撮像装置10が備える各部の動作を制御する。制御装置11は、プロセッサ110と、プロセッサ110で実行される命令コードを格納するストレージ111と、命令コードを展開するメモリ112とを含んでいる。制御装置11では、プロセッサ110が命令コードをメモリ112上に展開して実行することで各種処理を実現する。なお、制御装置11の全部または一部を専用のハードウェア回路(たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等)を用いて実装してもよい。
【0037】
通信インターフェイス14は、撮像装置10と画像計測装置1000との間のデータの遣り取りを担当する。
【0038】
温度センサ15は、撮像装置10の内部に設置される。撮像装置10に備えられる各種部品の中には、保証温度範囲が設定される部品が存在する。例えば、撮像素子341として、性能保証温度範囲「60℃以下」、動作保証温度範囲「85℃以下」が設定されたCMOSが用いられる。部品の性能および動作を保証するため、および、当該部品の故障を回避するため、部品の温度を保証温度範囲内に維持する必要がある。本実施の形態では、このような部品が監視対象として予め定められる。温度センサ15の配置場所は、特に限定されないが、当該監視対象の近傍であることが好ましい。図2に例示される撮像装置10では、温度センサ15は、監視対象である撮像素子341の近傍に配置されている。
【0039】
上述したように、撮像装置10は、発熱源となり得る照明部12(より具体的には光源241)を備えている。そのため、照明部12から発せられた熱により、監視対象の温度が上がる。照明部12の発光条件が変化すると、監視対象の温度の上昇率も変化する。本実施の形態に係る制御装置11は、監視対象の温度が保証温度範囲内に維持されるとともに、撮像装置10における撮像の制限される時間を短縮化するように、照明部12の発光条件を考慮した判定信号を生成する。
【0040】
図3は、判定信号の生成方法の参考例を示す図である。図3に示される参考例では、照明部を発光させてから、発光条件に応じて定められる時間(以下、「Busy信号の出力時間」と称する)が経過するまで、Busy信号が出力される。具体的には、発光時間に所定係数を乗じた値が、Busy信号の出力時間として定められる。監視対象の故障を回避するためには、監視対象の温度を保証温度範囲内に維持する必要がある。そのため、撮像装置10の内部の温度が高い状態であっても監視対象の温度が保証温度範囲内に維持されるように、上記の所定係数が定められる。図3に示される参考例では、所定係数として「10」が予め定められている。すなわち、発光時間「50ms」に対してBusy信号の出力時間「500ms」が設定され、発光時間「100ms」に対してBusy信号の出力時間「1000ms」が設定される。その結果、撮像装置内の温度が比較的低く、撮像を行なっても監視対象の温度が保証温度範囲を超えないにもかかわらず、撮像装置は、Busy信号の出力時間が経過するまでトリガを受け付けることができない。すなわち、撮像装置において、撮像の制限される時間が不必要に長くなる。そこで、本実施の形態に係る制御装置11は、以下のようにして判定信号を生成する。
【0041】
図4は、本実施の形態に係る、判定信号の生成方法の一例を示す図である。制御装置11は、照明部12の発光条件「条件a」を取得する。制御装置11は、温度センサ15によって計測された計測温度を用いて、取得された発光条件「条件a」に従って照明部12を発光させたときの撮像装置10内の推定温度を推定する。例えば、制御装置11は、撮像装置10内の監視対象となる部品(例えば撮像素子341)の推定温度を推定する。そして、制御装置11は、推定温度に基づいて、トリガの受け付けの可否を示す判定信号を画像計測装置1000に出力する。
【0042】
推定温度は、発光条件「条件a」に従って照明部12を発光させたと仮定したときの撮像装置10内の温度であり、現在の撮像装置10内の状態を表す計測温度を用いて推定される。すなわち、推定温度は、現在の撮像装置10内の状態を考慮して推定される。そのため、推定温度の精度が高まる。
【0043】
そして、推定温度に基づいて判定信号が生成される。図4に示す例では、制御装置11は、推定温度が予め定められた閾値Th以上の場合にBusy信号を出力する。これにより、撮像装置10内の温度上昇を抑制できる。なお、閾値Thは、監視対象となる部品(撮像素子341)の保証温度範囲に応じて定められる。例えば、閾値Thは、保証温度範囲の上限値である。
【0044】
制御装置11は、推定温度が予め定められた閾値Th未満の場合にReady信号を出力する。これにより、発光条件「条件a」に従って照明部12を発光させたとしても監視対象の温度が閾値Th未満である場合には、トリガを受け付けることができる。すなわち、Busy信号の出力時間が不必要に長くなることを回避でき、撮像装置10の能力が十分に発揮される。
【0045】
以上のように、本実施の形態に係る撮像装置10によれば、撮像の制限される時間を短縮化できる。
【0046】
§2 具体例
<A.撮像装置の全体構造>
図5は、図1に示す撮像装置の外観構造の一例を示す概略斜視図である。図5に例示される撮像装置10は、略直方体形状の外形を有しており、筐体100と、当該筐体100の内部に収容された照明部12および撮像部13とを備えている。
【0047】
筐体100は、平板状の底板部101と、下面開口の箱形状の蓋部102とを有しており、底板部101によって蓋部102の下面開口が閉塞されることで全体として略直方体形状を有している。底板部101および蓋部102は、いずれも高熱伝導性の金属製の部材にて構成されており、好ましくはアルミニウム合金等によって形成される。
【0048】
筐体100の前面には、照明用窓部120および受光用窓部130が設けられている。照明用窓部120および受光用窓部130は、それぞれ透光板121,131によって覆われている。
【0049】
筐体100の内部であってかつ照明用窓部120の後方の位置には、照明部12が配置されている。筐体100の内部であってかつ受光用窓部130の後方の位置には、撮像部13が配置されている。
【0050】
また、筐体100の側面の所定位置には、接続端子141,142が設けられている。当該接続端子141,142は、撮像装置10と画像計測装置1000等とを電気的に接続するためのものである。
【0051】
<B.照明部の構造>
図6は、照明部の模式断面図である。図6に示すように、照明部12は、ベース部200と、マウント部材211と、鏡筒212と、投光レンズ220と、基板230と、光源241と、パターン形成素子244とを主として備えている。
【0052】
ベース部200は、照明部12の台座となる部分であり、筐体100の底板部101上に設置されている。ベース部200は、底板部101(図5参照)にビスによって固定された第1ベース201と、当該第1ベース201に固定された第2ベース202とを含んでいる。このうち、第2ベース202は、第1ベース201上に載置された状態で固定されており、投光レンズ220の光軸と平行な方向に沿って延びる中空部202aを有する外形が角形の筒状部材からなる。
【0053】
図6に示すように、第2ベース202の後端面には、基板230が組付けられている。より詳細には、基板230は、ビス281によって第2ベース202の後端面に固定されており、これにより第2ベース202に設けられた中空部202aが、基板230によって閉塞されている。
【0054】
中空部202aを閉塞する部分の基板230の表面には、光源241が実装されており、これにより、光源241は、当該中空部202aに面している。光源241は、例えばLEDにて構成されている。
【0055】
第2ベース202は、その内部においてレンズ242,243を支持している。より詳細には、レンズ242,243は、その周縁が第2ベース202によって支持されることで当該第2ベース202に固定されており、これにより光源241に対向するように当該光源241の前方に配置されている。これらレンズ242,243は、光源241から出射された光を平行光化するいわゆるコリメータレンズである。
【0056】
第2ベース202の前端部には、中空部202aを覆うようにマウント部材211が組付けられている。マウント部材211は、たとえばアルミニウム合金等に代表される高熱伝導性の金属製の部材からなり、投光レンズ220の光軸と平行な方向に沿って延びる中空部211aを有する外形が角形の筒状部材からなる。マウント部材211は、上述したようにその後端部が第2ベース202に固定されているとともに、当該後端部寄りの部分においてパターン形成素子244および保護部材245を支持している。
【0057】
パターン形成素子244は、第2ベース202によって支持されたコリメータレンズとしてのレンズ242,243に対向して配置されている。保護部材245は、パターン形成素子244を保護するための部材であり、たとえばガラスによって構成される。これらパターン形成素子244および保護部材245は、これらが重ね合わされた状態でその周縁がマウント部材211によって支持されることで当該マウント部材211に固定されている。
【0058】
鏡筒212は、たとえばアルミニウム合金等に代表される高熱伝導性の金属製の円筒状の部材からなり、その後端部がマウント部材211の中空部211aに嵌め込まれることで固定されている。鏡筒212は、その前端部がマウント部材211から前方に向けて突出しており、これにより当該前端部が、照明部12の前方の位置に配設されている。
【0059】
投光レンズ220は、複数のレンズ221~223が組み合わされた複合レンズにて構成されており、これら複数のレンズ221~223は、互いの光軸が重なるように鏡筒212の内部において鏡筒212の軸方向に整列して設けられている。これら複数のレンズ221~223の各々は、それらの周縁が鏡筒212によって支持されている。すなわち、鏡筒212は、投光レンズ220の光軸と直交する方向において当該投光レンズ220を取り囲んでこれを支持している。
【0060】
以上により、光源241、コリメータレンズとしてのレンズ242,243、パターン形成素子244、および、投光レンズ220としての複数のレンズ221~223が、照明部12の内部において投光レンズ220の光軸上に並んで配置されることになり、当該照明部12から照明光を外部に向けて照射することが可能になる。
【0061】
<C.撮像部の構造>
図7は、撮像部の模式断面図である。図7に示すように、撮像部13は、ベース部300と、マウント部材311と、鏡筒312と、受光レンズ320と、基板330と、撮像素子341とを主として備えている。
【0062】
ベース部300は、撮像部13の台座となる部分であり、筐体100の底板部101上に設置される。ベース部300は、底板部101(図5参照)にビスによって固定される。
【0063】
ベース部300上には、マウント部材311が載置された状態で固定されている。マウント部材311は、たとえばアルミニウム合金等に代表される高熱伝導性の金属製の部材からなり、受光レンズ320の光軸と平行な方向に沿って延びる中空部311aを有する外形が角形の筒状部材からなる。
【0064】
マウント部材311の後端面には、基板330が組付けられている。より詳細には、基板330は、ビス381によってマウント部材311の後端面に固定されており、これによりマウント部材311に設けられた中空部311aが、基板330によって閉塞されている。
【0065】
中空部311aを閉塞する部分の基板330の表面には、撮像素子341が実装されており、これにより、撮像素子341は、当該中空部311aに面している。撮像素子341は、たとえば、CMOSイメージセンサからなる。なお、撮像素子341は、CCD(Charged-Coupled Devices)イメージセンサ等によって構成されてもよい。基板330の表面であって撮像素子341の周囲には、額縁状の遮光部材342が設けられている。基板330には、温度センサ15も搭載されている。
【0066】
鏡筒312は、たとえばアルミニウム合金等に代表される高熱伝導性の金属製の円筒状の部材からなり、その後端部がマウント部材311の中空部311aに嵌め込まれることで固定される。鏡筒312は、その前端部がマウント部材311から前方に向けて突出しており、これにより当該前端部が、撮像部13の前方の位置に配設されている。
【0067】
受光レンズ320は、複数のレンズ321~323が組み合わされた複合レンズにて構成されており、これら複数のレンズ321~323は、互いの光軸が重なるように鏡筒312の内部において鏡筒312の軸方向に整列して設けられている。これら複数のレンズ321~323の各々は、それらの周縁が鏡筒312によって支持されている。すなわち、鏡筒312は、受光レンズ320の光軸と直交する方向において当該受光レンズ320を取り囲んでこれを支持している。
【0068】
以上により、撮像素子341、および、受光レンズ320としての複数のレンズ321~323が、撮像部13の内部において受光レンズ320の光軸上に並んで配置されることになり、当該撮像部13に入射した光を撮像素子341が受光することにより、入力画像が得られることになる。
【0069】
<D.制御装置の機能構成>
図8は、図2に示す制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。図8に示されるように、制御装置11は、記憶部113と、更新部114と、取得部115と、推定部116と、出力部117と、撮像制御部118とを含む。記憶部113は、図2に示すストレージ111およびメモリ112によって実現される。更新部114、取得部115、推定部116、出力部117および撮像制御部118は、図2に示すプロセッサ110がストレージ111に格納された各種命令コード(プログラム)を実行することにより実現される。
【0070】
記憶部113は、照明部12の発光条件を示す条件情報113aを記憶する。発光条件には、光源241の発光量、発光時間、投影パターンなどが含まれる。なお、発光量は、光源241へ供給される電力または電流によって表されてもよい。
【0071】
更新部114は、通信インターフェイス14を介して画像計測装置1000から受けた指示に応じて、記憶部113が記憶する条件情報113aを更新する。
【0072】
画像計測装置1000は、画像計測フローに従って、照明部12の発光条件を更新する指示を生成し、生成した指示を撮像装置10に出力する。
【0073】
例えば、ワークWKの品種が品種Aから品種Bに変更された場合、ユーザは、画像計測装置1000において実行すべき画像計測フローを、品種A用の画像計測フローから品種B用の画像計測フローに変更する。画像計測装置1000は、実行すべき画像計測フローが変更されたことに応じて、品種B用の画像計測フローにおいて設定された入力画像の取り込み条件に含まれる照明部12の発光条件に更新する指示を生成する。
【0074】
あるいは、同一のワークWKに対して、三次元計測結果画像を生成する処理と、色抽出処理とを実行する画像計測フローが設定された場合、三次元計測用の入力画像と、色抽出用の入力画像とを取り込む必要がある。三次元計測用の入力画像は、投影パターンを有する照明光がワークWKに照射された状態での撮像により得られる。色抽出用の入力画像は、均一の照明光がワークWKに照射された状態での撮像により得られる。さらに、三次元計測用の入力画像を得るときに適した光源241の発光量および発光時間は、色抽出用の入力画像を得るときに適した光源241の発光量および発光時間とそれぞれ異なり得る。そのため、画像計測装置1000は、三次元計測用の入力画像および色抽出用の入力画像の一方を取得してから他方を取得するまでの間に、発光条件を更新する指示を生成する。
【0075】
あるいは、画像計測フローがハイダイナミックレンジ合成(High Dynamic Range Rendering(HDR))の処理項目を含む場合、画像計測装置1000は、照明部12の発光量が互いに異なる条件下で撮像された複数の入力画像を連続して取り込む必要がある。そのため、画像計測装置1000は、照明部12の発光条件を更新する指示と撮像のためのトリガとを交互に繰り返し出力する。
【0076】
その他、ワークWKの状態(例えば、ばら積みされたワークWKの傾き)、外乱光などの外部環境などに応じて照明部12の発光条件を変更する必要がある場合、画像計測装置1000は、ユーザ指示または外部環境を計測するセンサ結果に応じて、照明部12の発光条件を更新する指示を生成する。
【0077】
取得部115は、予め定められた周期で、記憶部113から条件情報113aを取得する(読み出す)。当該周期として、画像計測装置1000がトリガを出力する周期よりも十分に短い時間が設定される。
【0078】
推定部116は、温度センサ15によって計測された計測温度を用いて、取得部115が読み出した条件情報113aによって示される発光条件に従って照明部12を発光させたときの、撮像装置10内の推定温度を推定する。典型的には、推定部116は、取得部115が条件情報113aを読み出すタイミングで、温度センサ15によって計測された計測温度を取得する。そして、推定部116は、取得した計測温度と、読み出しされた条件情報113aによって示される発光条件とを用いて、撮像装置10内の監視対象となる部品(例えば撮像素子341)の推定温度を推定する。推定温度の推定方法については後述する。
【0079】
出力部117は、推定部116によって推定された推定温度に基づいて、トリガの受け付けの可否を示す判定信号を画像計測装置1000に出力する。典型的には、出力部117は、推定温度が監視対象の保証温度範囲内であることに応じて、トリガを受け付け可能であることを示すReady信号を出力する。出力部117は、推定温度が監視対象の保証温度範囲外であることに応じて、トリガを受け付けできないことを示すBusy信号を出力する。
【0080】
撮像制御部118は、画像計測装置1000からのトリガに応じて、記憶部113が記憶する条件情報113aによって示される発光条件に従って照明部12を制御し、かつ、照明部12から照明光が照射されている期間だけ露光するように撮像部13を制御する。撮像制御部118は、通信インターフェイス14を介して、撮像部13の撮像により得られた入力画像を画像計測装置1000に出力する。
【0081】
<E.推定温度の推定方法>
図9図11を参照して、推定部116による推定温度の推定方法について説明する。図9は、照明部と温度センサと監視対象との間の熱関係を模式的に示す図である。
【0082】
発熱源となる照明部12(具体的には光源241)により発生した熱量(発熱量)は、周囲の部材に伝わる。照明部12の発熱量Qaのうち温度センサ15に伝わる熱量は、照明部12と照明部12の周囲の部材との間の熱抵抗の合計と、照明部12と温度センサ15との間の熱抵抗Raとの比に依存する。そして、温度センサ15における温度上昇分ΔTsは、照明部12から温度センサ15に伝わる熱量と温度センサ15の比熱とに依存する。
【0083】
2つの部材間の熱抵抗は、当該2つの部材間に配置されている部材の熱伝導率等に依存する。例えば、照明部12と温度センサ15との間の熱抵抗Raは、照明部12と温度センサ15との間に位置する部材(例えば、第2ベース202(図6参照)、基板330(図7参照)など)の熱伝導率等に依存する。そのため、撮像装置10内の部材間の位置関係、各部材の材質に基づいて、各部材間の熱抵抗が決定される。また、温度センサ15の比熱は、温度センサ15の構成により決定される。そのため、照明部12の発熱による温度センサ15における温度上昇分ΔTsは、照明部12の発熱量Qaと比例関係(ΔTs=k×Qa ・・・式(1))にある。
【0084】
同様に、照明部12の発熱量Qaのうち監視対象である撮像素子341に伝わる熱量は、照明部12と照明部12の周囲の部材との間の熱抵抗の合計と、照明部12と撮像素子341との間の熱抵抗Rbとの比に依存する。そして、撮像素子341における温度上昇分ΔTtは、照明部12から撮像素子341に伝わる熱量と撮像素子341の比熱とに依存する。そのため、照明部12の発熱による撮像素子341における温度上昇分ΔTtは、照明部12の発熱量Qaと比例関係(ΔTt=k×Qa)にある。
【0085】
なお、撮像素子341の動作による発熱量は、照明部12の発熱量Qaに比べて無視できるほど小さい。
【0086】
以上から、温度センサ15における温度上昇分ΔTsと、撮像素子341における温度上昇分ΔTtとは、k=k/kとして、
ΔTs=k×Qa=k×ΔTt/k=k×ΔTt ・・・式(2)
を満たす。つまり、温度センサ15の温度Tsと監視対象となる撮像素子341の温度Ttとは相関し、
Tt=α×Ts+β ・・・式(3)
で表される。なお、k,k,αおよびβは、撮像装置10を構成する部材の熱伝導率および比熱等から予め算出されてもよいし、実験によって予め求められてもよい。
【0087】
照明部12の発熱量Qaは、以下の式(4)で表される。
Qa=Vf×If×(1-η)×te ・・・式(4)
上記の式(4)において、IfはLEDである光源241に印加する順電流、Vfは光源241に印加する順電圧、teは発光時間、ηは発光効率を示す。
【0088】
推定部116は、記憶部113から読み出した条件情報113aによって示される発光条件と上記の式(4)とを用いて、当該発光条件に従って照明部12を発光させたと仮定したときの、照明部12の発熱量Qaを算出する。
【0089】
次に、推定部116は、算出した発熱量Qaを上記の式(1)(ΔTs=k×Qa)に代入することにより、温度センサ15における温度上昇分ΔTsを求める。そして、推定部116は、温度センサ15によって計測された計測温度Tsに温度上昇分ΔTsを加算することにより、発光条件に従って照明部12を発光させたと仮定したときの、温度センサ15の温度Tsを算出する。すなわち、推定部116は、算出した発熱量Qaを以下の式(5)に代入することにより温度Tsを算出する。
Ts=Ts+k×Qa ・・・式(5)。
【0090】
最後に、推定部116は、算出したTsを上記の式(3)に代入することにより、監視対象である撮像素子341の温度Ttを算出する。推定部116は、算出した温度Ttを、発光条件に従って照明部12を発光させたと仮定したときの監視対象である撮像素子341の推定温度として推定すればよい。このように、推定部116は、計測温度Tsと照明部12の発熱量Qaと撮像装置10内の監視対象の温度Ttとの関係を示す演算式(式(3)および式(5)の組み合わせ)を用いて、監視対象における推定温度を推定する。当該演算式は、上述したように、撮像装置10における照明部12と温度センサ15と監視対象との位置関係を考慮して予め定められる。
【0091】
なお、上記のようにして算出された温度Ttと、実際に発光条件に従って照明部12を発光させたときの監視対象である撮像素子341の温度とに差分が生じる場合がある。当該差分は、撮像装置10内の部材の複雑な配置構成などに起因する、また、当該差分の大きさは、発光条件に依存する。そこで、推定部116は、発光条件と、補正係数とを対応付けたテーブルを参照し、当該テーブルに基づいて温度Ttを補正してもよい。そして、推定部116は、補正した温度Ttを、発光条件に従って照明部12を発光させたと仮定したときの監視対象である撮像素子341の推定温度として推定すればよい。
【0092】
図10は、推定部によって参照されるテーブルの一例を示す図である。図10に例示されるテーブルは、発光条件と補正係数とを対応付けており、予め実験またはシミュレーションにより作成される。推定部116は、発光条件に対応する補正係数を読み出し、読み出した補正係数に基づいて、上記のようにして算出された温度Ttを補正する。例えば、推定部116は、条件aに対応する補正係数Kaと温度Ttとの積(Ka×Tt)を、発光条件に従って照明部12を発光させたと仮定したときの監視対象である撮像素子341の推定温度として推定する。
【0093】
ある部材の周囲温度をTからTに急変させた場合、経過時間tと当該部材の温度Tとに、以下の式(6)が成立する。
T=(T-T)exp(-t/τ)+T ・・・式(6)
式(6)において、τは、熱時定数である。熱時定数τとは、温度差(T-T)の63.2%変化するのに要する時間を表す定数である。
【0094】
熱時定数τは、部材の質量mおよび比熱Cと、部材と当該部材の周囲との境界における熱抵抗Rとを用いて、以下の式(7)で表される。
τ=m×C×R ・・・式(7)
上記の式(7)を用いて、監視対象である撮像素子341の質量、比熱および熱抵抗を用いて、撮像素子341の熱時定数が算出される。
【0095】
撮像素子341の熱時定数以下の発光時間を含む発光条件の場合、照明部12において発生した熱が撮像素子341に到達したとしても、撮像素子341の温度は、撮像素子341に到達した熱量に対応する温度上昇分ΔTtの約63%だけ上昇すると推察される。そのため、撮像素子341の熱時定数以下の発光時間を含む発光条件と、0.63以下の補正係数とが対応付けられることが好ましい。
【0096】
<F.撮像装置における制御の流れ>
図11は、本実施の形態に係る撮像装置における制御の流れを示すフローチャートである。図11には、判定信号の出力に関する処理の流れが示される。図11に示す処理は、予め定められた周期ごとに繰り返し実行される。
【0097】
まず、プロセッサ110は、温度センサ15によって計測された計測温度を取得する(ステップS1)。次に、プロセッサ110は、記憶部113から条件情報113aを取得する(読み出す)(ステップS2)。プロセッサ110は、計測温度を用いて、取得した条件情報113aによって示される発光条件に従って照明部12を発光させたときの撮像装置10内の推定温度を推定する(ステップS3)。例えば、プロセッサ110は、監視対象である撮像素子341の推定温度を推定する。
【0098】
プロセッサ110は、推定温度が閾値未満か否かを判定する(ステップS4)。閾値は、例えば、監視対象である撮像素子341の保証温度範囲の上限値に予め設定されている。推定温度が閾値未満である場合(ステップS4でYES)、プロセッサ110は、通信インターフェイス14を介して、トリガを受け付け可能であることを示すReady信号を画像計測装置1000に出力する(ステップS5)。推定温度が閾値以上である場合(ステップS4でNO)、プロセッサ110は、通信インターフェイス14を介して、トリガを受け付けできないことを示すBusy信号を画像計測装置1000に出力する(ステップS6)。ステップS5またはS6の後、処理は終了する。
【0099】
<G.動作例>
図12は、撮像装置の第1の動作例を示す図である。図12には、発光条件が一定であり、トリガの受け付けタイミングが不定期であるときの動作例が示される。生産ラインにおいて、撮像システム1の上流側の工程からワークWKが搬送される周期が一定でない場合、画像計測装置1000から出力されるトリガのタイミングも不定期となる。図12に示す例では、時刻t1,t2,t3,t4,t5において、上流側から撮像システム1にワークWKが搬送されている。時刻t2から時刻t3までの間隔と、時刻t3から時刻t4までの間隔とは、時刻t1から時刻t2までの間隔よりも短い。
【0100】
時刻t1~t4の期間では、推定温度が閾値Thよりも低い。そのため、撮像装置10は、トリガを受け付け可能であることを示すReady信号を画像計測装置1000に出力する。これにより、上流側の工程からワークWKの搬送される周期が短くなったとしても、画像計測装置1000は、ワークWKが搬送されたタイミングでトリガを即座に撮像装置10に出力できる。すなわち、図3に示されるように、一定期間待機する必要がない。
【0101】
なお、撮像装置10は、照明部12を発光させ、撮像部13を露光させている期間において新たなトリガに対する撮像を開始できないため、Busy信号を画像計測装置1000に出力している。
【0102】
時刻t2から時刻t3までの間隔と、時刻t3から時刻t4までの間隔とは、時刻t1から時刻t2までの間隔よりも短い。照明部12の発光周期が短くなるほど、撮像装置10内の温度が上昇する。そのため、時刻t2~t4において、計測温度および推定温度が徐々に上昇している。
【0103】
時刻t4において受け付けたトリガに応じて照明部12が発光されると、撮像装置10内の温度がさらに上昇し、推定温度が閾値Thを超えている。そのため、撮像装置10は、計測温度および推定温度が低下するまで、Busy信号を画像計測装置1000に出力し続ける。そして、推定温度が閾値Th未満となる時刻t11において、撮像装置10は、Ready信号を出力する。これにより、画像計測装置1000は、時刻t11以降において、トリガを出力できる。
【0104】
図13は、撮像装置の第2の動作例を示す図である。図13には、発光条件が条件aから条件bに変更されたときの動作例が示される。条件bに従って照明部12を発光させたときの発熱量は、条件aに従って照明部12を発光させたときの発熱量よりも十分に大きい。図13に示す例では、時刻t20において、発光条件が変更されている。
【0105】
時刻t20よりも前では、発熱量の少ない条件aが設定されているため、推定温度が閾値Thよりも低い。そのため、撮像装置10は、トリガを受け付け可能であることを示すReady信号を画像計測装置1000に出力できる。なお、上述したように、撮像装置10は、受け付けたトリガに応じて、照明部12を発光させ、撮像部13を露光させている期間において、新たなトリガに対する撮像を開始できないため、Busy信号を画像計測装置1000に出力している。
【0106】
一方、時刻t20よりも後では、発熱量の多い条件bが設定されているため、推定温度が閾値Thよりも高くなる期間が生じやすい。そのため、撮像装置10は、当該期間において、トリガを受け付けできないことを示すBusy信号を画像計測装置1000に出力する。
【0107】
このように、発光条件を考慮して推定温度が推定され、推定温度に基づいて判定信号が出される。そのため、発光条件に応じて、撮像装置10内の温度上昇を抑制しつつ、撮像が制限される時間を短縮化できる。
【0108】
<H.変形例>
上記の説明では、監視対象の一例として撮像素子341を挙げた。しかしながら、監視対象は、撮像素子341に限定されない。
【0109】
例えば、監視対象は、投光レンズ220(図2および図6参照)および受光レンズ320(図2および図7参照)であってもよい。これら光学レンズは、複数のレンズが組み合わされた複合レンズにて構成されることが一般的であるが、通常、温度に応じて焦点位置が変化する性質(温度特性)を有している。
【0110】
三次元計測を行なうためには、入力画像における投影パターンの鮮明度を一定範囲に収めることが好ましい。入力画像における投影パターンの鮮明度は、投光レンズ220および受光レンズ320の焦点位置に依存する。そのため、入力画像における投影パターンの鮮明度が一定範囲に収まるように、投光レンズ220および受光レンズ320の温度範囲が予め定められる。そして、監視対象である投光レンズ220および受光レンズ320の温度(推定温度)が推定され、当該推定温度が予め定められた当該温度範囲内か否かに応じて、判定信号が出力される。これにより、入力画像における投影パターンの鮮明度を一定範囲に収めることができる。
【0111】
さらに、監視対象として、基板230(図6参照)、基板330(図7参照)、筐体100(図5参照)などが設定されてもよい。
【0112】
上記の説明では、撮像装置10は、例えば液晶からなるパターン形成素子244を備え、LEDからなる光源241からの光の一部を透過させることにより、三次元計測のためのパターン投影光を照射する。しかしながら、撮像装置10は、光源241としてレーザー発振器を備えてもよい。この場合、撮像装置10は、レーザー光を走査させながら超高速に明滅させることにより、縞パターンを投影させてもよい。あるいは、撮像装置10は、光切断法に従って、レーザー光をワークWKに照射しながら、ワークWKを撮像してもよい。撮像装置10は、発光条件に従ってレーザー発振器を発光させたときの撮像装置10内の推定温度を推定すればよい。
【0113】
あるいは、撮像装置10は、パターン形成素子244を備えていなくてもよい。この場合、撮像装置10は、均一な照明光をワークWKに照射し、二次元画像を撮像する。二次元画像を撮像する場合であっても、ワークWKの特性(例えば、光沢の有無、色など)、外部環境などに応じて照明部12の発光条件を変更する必要がある。発光条件に従って照明部12を発光させたと仮定したときの撮像装置10内の推定温度に基づいて判定信号が生成されることにより、Busy信号が出力される時間(つまり、撮像が制限される時間)を短縮化できる。このように、本開示は、照明部12の構成にかかわらず、発熱源となり得る照明部12を備えた撮像装置10に適用できる。
【0114】
<I.作用・効果>
以上のように、本実施の形態に係る撮像装置10は、外部制御装置である画像計測装置1000から受け付けたトリガに応じて、対象物であるワークWKの撮像を行なう。撮像装置10は、ワークWKに対して光を照射する照明部12と、撮像装置10内の温度を計測する温度センサ15と、取得部115と、推定部116と、出力部117とを備える。取得部115は、照明部12の発光条件を取得する。推定部116は、温度センサ15によって計測された計測温度Tsを用いて、取得部115によって取得された発光条件に従って照明部12を発光させたときの撮像装置10内の推定温度を推定する。出力部117は、推定温度に基づいて、トリガの受け付けの可否を示す信号を画像計測装置1000に出力する。
【0115】
上記の構成によれば、推定温度は、発光条件に従って照明部12を発光させたと仮定したときの撮像装置10内の温度であり、現在の撮像装置10内の状態を表す計測温度Tsを用いて推定される。すなわち、推定温度は、現在の撮像装置10内の状態を考慮して推定される。そのため、推定温度の精度が高まる。そして、推定温度に基づいて判定信号が生成される。その結果、Busy信号が出力される時間(つまり、撮像が制限される時間)を、図3に示す参考例と比較して短縮化できる。
【0116】
推定部116は、取得された発光条件に従って照明部12を発光させたときの照明部12の発熱量Qaを演算し、演算した発熱量Qaと計測温度Tsとを用いて、推定温度を推定する。照明部12の発熱量Qaの一部が監視対象に伝わることにより、監視対象の温度が上昇しうる。そのため、当該発熱量Qaを用いることにより、推定温度の精度が高まる。
【0117】
典型的には、推定部116は、計測温度Tsと照明部12の発熱量Qaと撮像装置10内の監視対象の温度Ttとの関係を示す演算式を用いて、監視対象における推定温度を推定する。これにより、演算式を用いて容易に推定温度が推定される。
【0118】
演算式(上記の式(3)および式(5))は、照明部12と温度センサ15と監視対象との位置関係を考慮して予め定められる。照明部12と温度センサ15と監視対象との間の熱の移動は、これらの位置関係に依存する。そのため、位置関係を考慮して予め定められる演算式を用いることにより、推定温度の精度がさらに高まる。
【0119】
推定部116は、発光条件と補正係数とを対応付けた対応情報(図10に示すテーブル参照)を用いて、取得された発光条件に対応する補正係数を決定してもよい。そして、推定部116は、演算式(上記の式(3)および式(5))に計測温度Tsと照明部12の発熱量Qaとを入力することにより得られる監視対象の温度Ttを決定した補正係数に基づいて補正することにより、推定温度を推定する。
【0120】
上記の構成によれば、演算式を用いて算出される監視対象の温度Ttと、発光条件に従って照明部12を実際に発光させたときの監視対象の温度との間に差分が生じるような場合であっても、当該差分が小さくなるように補正係数を設定することにより、推定温度の精度をさらに高めることができる。
【0121】
発光条件は、照明部12の発光時間を含む。上記の対応情報(図10に示すテーブル参照)において、監視対象の熱時定数以下の発光時間を含む発光条件と、0.63以下の補正係数とが対応付けられている。これにより、推定温度の精度をさらに高めることができる。
【0122】
撮像装置10は、照明部12について設定された発光条件を格納する記憶部(記憶装置)113と、画像計測装置1000からの更新指示に応じて記憶部113に格納される発光条件を更新する更新部114とをさらに備える。取得部115は、記憶部113に格納された発光条件を読み出す。これにより、取得部115は、最新の発光条件を容易に取得できる。
【0123】
なお、照明部12は、例えば、ワークWKの三次元計測を行なうための光(投影パターンを有する照明光)を照射する。
【0124】
§3 付記
以上のように、本実施の形態は以下のような開示を含む。
【0125】
(構成1)
外部制御装置(1000)から受け付けたトリガに応じて、対象物(WK)の撮像を行なう撮像装置(10)であって、
前記対象物(WK)に対して光を照射する照明部(12)と、
前記撮像装置(10)内の温度を計測する温度センサ(15)と、
前記照明部(12)の発光条件を取得する取得部(110,115)と、
前記温度センサ(15)によって計測された計測温度を用いて、前記取得部(110,115)によって取得された発光条件に従って前記照明部(12)を発光させたときの前記撮像装置(10)内の推定温度を推定する推定部(110,116)と、
前記推定温度に基づいて、前記トリガの受け付けの可否を示す信号を前記外部制御装置(1000)に出力する出力部(110,117)とを備える、撮像装置(10)。
【0126】
(構成2)
前記推定部(110,116)は、前記取得された発光条件に従って前記照明部(12)を発光させたときの前記照明部(12)の発熱量を演算し、演算した発熱量と前記計測温度とを用いて、前記推定温度を推定する、構成1に記載の撮像装置(10)。
【0127】
(構成3)
前記推定部(110,116)は、前記計測温度と前記照明部(12)の発熱量と前記撮像装置(10)内の監視対象(341)の温度との関係を示す演算式を用いて、前記監視対象(341)における前記推定温度を推定する、構成2に記載の撮像装置(10)。
【0128】
(構成4)
前記演算式は、前記照明部(12)と前記温度センサ(15)と前記監視対象(341)との位置関係を考慮して予め定められる、構成3に記載の撮像装置(10)。
【0129】
(構成5)
前記推定部(110,116)は、
発光条件と補正係数とを対応付けた対応情報を用いて、前記取得された発光条件に対応する補正係数を決定し、
前記演算式に前記計測温度と前記演算した発熱量とを入力することにより得られる前記監視対象の温度を、決定した補正係数に基づいて補正することにより、前記推定温度を推定する、構成3に記載の撮像装置(10)。
【0130】
(構成6)
前記発光条件は、前記照明部(12)の発光時間を含み、
前記対応情報において、前記監視対象(341)の熱時定数以下の発光時間を含む発光条件と、0.63以下の補正係数とが対応付けられている、構成5に記載の撮像装置(10)。
【0131】
(構成7)
前記照明部(12)について設定された発光条件を格納する記憶装置(111,112,113)と、
前記外部制御装置(1000)からの更新指示に応じて前記記憶装置(111,112,113)が記憶する発光条件を更新する更新部(110,114)とをさらに備え、
前記取得部(110,115)は、前記記憶装置(111,112,113)に格納された発光条件を読み出す、構成1から6のいずれかに記載の撮像装置(10)。
【0132】
(構成8)
前記照明部(12)は、対象物(WK)の三次元計測を行なうための光を照射する、構成1から7のいずれかに記載の撮像装置(10)。
【0133】
(構成9)
構成1から8のいずれかに記載の撮像装置(10)と、
前記撮像装置(10)に前記トリガを出力する外部制御装置(1000)とを備える、撮像システム(1)。
【0134】
(構成10)
外部制御装置(1000)から受け付けたトリガに応じて、対象物(WK)の撮像を行なう撮像装置(10)の制御方法であって、
前記撮像装置(10)は、
前記対象物(WK)に対して光を照射する照明部(12)と、
前記撮像装置(10)内の温度を計測する温度センサ(15)とを含み、
前記制御方法は、
前記照明部(12)の発光条件を取得するステップと、
前記温度センサ(15)によって計測された計測温度を用いて、取得された発光条件に従って前記照明部(12)を発光させたときの前記撮像装置(10)内の推定温度を推定するステップと、
前記推定温度に基づいて、前記トリガの受け付けの可否を示す信号を前記外部制御装置(1000)に出力するステップとを備える、撮像装置(10)の制御方法。
【0135】
本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0136】
1 撮像システム、10 撮像装置、11 制御装置、12 照明部、13 撮像部、14 通信インターフェイス、15 温度センサ、100 筐体、101 底板部、102 蓋部、110 プロセッサ、111 ストレージ、112 メモリ、113 記憶部、113a 条件情報、114 更新部、115 取得部、116 推定部、117 出力部、118 撮像制御部、120 照明用窓部、121,131 透光板、130 受光用窓部、141,142 接続端子、200,300 ベース部、201 第1ベース、202 第2ベース、202a,211a,311a 中空部、211,311 マウント部材、212,312 鏡筒、220 投光レンズ、221~223,242,243,321~323 レンズ、230,330 基板、241 光源、244 パターン形成素子、245 保護部材、281,381 ビス、320 受光レンズ、341 撮像素子、342 遮光部材、1000 画像計測装置、WK ワーク。
図1
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