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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20240110BHJP
   G06F 30/12 20200101ALI20240110BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240110BHJP
【FI】
G06F30/10
G06F30/12
G06T19/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020025460
(22)【出願日】2020-02-18
(65)【公開番号】P2021131621
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2022-11-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉沢 文雄
【審査官】堀井 啓明
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-092865(JP,A)
【文献】特開2012-079079(JP,A)
【文献】特開2005-284413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00-30/28
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の3次元モデルと、前記3次元モデルに対応する前記物品の2次元図面と、を生成する情報処理装置であって、
処理部を備え、
前記処理部は、
前記物品の第1の3次元モデルを取得し、
前記第1の3次元モデルに対応する前記物品の第1の2次元図面を取得し、
前記第1の3次元モデルの少なくとも1つのパラメータの値に変更を加えて、前記物品の第2の3次元モデルを生成し、
前記第2の3次元モデルを基に、前記物品の第2の2次元図面を生成し、
前記第1の2次元図面において変更が制限された第1の部分の寸法と、前記第2の2次元図面における前記第1の部分の寸法とを比較し、
前記第1の2次元図面の寸法と前記第2の2次元図面の寸法との差分が閾値以下である場合、前記第2の3次元モデル及び前記第2の2次元図面を確定し、
前記第2の3次元モデルの形状が第1の基準を満たさない場合、前記第2の3次元モデルのパラメータの変更量を変更して、前記第2の3次元モデルのパラメータの値を再変更し、
再変更された3次元モデルを基に、前記第2の2次元図面を再生成する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項に記載の情報処理装置であって、
前記処理部は、
前記第2の3次元モデルの形状が前記第1の基準を満たさない場合、前記第2の3次元モデルの形状が前記第1の基準を満たすまで、前記パラメータの変更量が順次小さくなるように、前記パラメータの変更量の変更を順次反復し、
前記第1の基準を満たす前記パラメータの変更量を基に、前記第2の3次元モデルのパラメータの値を再変更し、
再変更された前記第2の3次元モデルを基に、前記第2の2次元図面を再生成する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項またはに記載の情報処理装置であって、
前記第1の基準は、前記第1の3次元モデルの形状と前記第2の3次元モデルの形状との差分に基づく基準である、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記処理部は、前記第1の2次元図面の寸法と前記第2の2次元図面の寸法が一致しない場合、前記変更が加えられたパラメータを変更対象から除外する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記処理部は、前記第1の3次元モデルを基に、前記第1の2次元図面のデータを生成して取得する、
情報処理装置。
【請求項6】
物品の3次元モデルと、前記3次元モデルに対応する前記物品の2次元図面と、を生成するための情報処理方法であって、
前記物品の第1の3次元モデルを取得し、
前記第1の3次元モデルに対応する前記物品の第1の2次元図面を取得し、
前記第1の3次元モデルの少なくとも1つのパラメータの値に変更を加えて、前記物品の第2の3次元モデルを生成し、
前記第2の3次元モデルを基に、前記物品の第2の2次元図面を生成し、
前記第1の2次元図面における変更が制限された第1の部分の寸法と前記第2の2次元図面における前記第1の部分の寸法を比較し、
前記第1の2次元図面の寸法と前記第2の2次元図面の寸法との差分が閾値以下である場合、前記第2の3次元モデル及び前記第2の2次元図面を確定し、
前記第2の3次元モデルの形状が第1の基準を満たさない場合、前記第2の3次元モデルのパラメータの変更量を変更して、前記第2の3次元モデルのパラメータの値を再変更し、
再変更された3次元モデルを基に、前記第2の2次元図面を再生成する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の3次元モデルとこの3次元モデルに対応する2次元図面とを生成する情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な製品や部品を製造する企業等では、3次元CAD(Computer-Aided design)等の設計支援ツールを用いて作成された3次元の形状モデルや2次元図面を利用して、設計や製造などを実施することがある。
【0003】
また、ある製品を製造する場合には、製品を製造する第1の企業と、製品を構成する部品を供給する第2の企業との間で、3次元の形状モデルや2次元図面が受け渡しされることがある。
【0004】
複数企業間で受け渡しされる3次元の形状モデルや2次元図面の中にノウハウなどの機密情報が含まれる場合には、企業間での機密情報の流出が懸念される。また、3次元の形状モデルや2次元図面により、詳細な情報の交換をしないと、製品メーカの希望する部品を部品メーカで製造することが困難になったり、部品を製品に組み付ける際に形状や寸法の不一致などが発生したりする可能性がある。
【0005】
従来、3次元CAD等の形状モデルにおいて、正確な見積もりに必要な形状は開示しつつ、隠蔽したい部分の形状を容易に隠蔽及び復元することができる仕組を提供するための技術が開示されている(特許文献1参照)。具体的には、特許文献1では、形状モデルの隠蔽化したい箇所を、ランダムな値の位置情報に置き換えて隠蔽することを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-179419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の技術では、形状モデルの隠蔽化したい箇所の位置情報が変化する。そのため、製品メーカが検討の際に必要とする実際の部品の形状や寸法とは異なる3次元の形状モデルや2次元図面が、製品メーカに提供される可能性がある。したがって、特許文献1の秘匿化処理では、製品メーカにおいて変更を希望しない寸法へ多大な影響が及ぶ可能性がある。
【0008】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、物品における変更が希望されない部分の寸法の変更を抑制しつつ、物品に含まれる機密情報を秘匿化できる情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、物品の3次元モデルと、前記3次元モデルに対応する前記物品の2次元図面と、を生成する情報処理装置であって、処理部を備え、前記処理部は、前記物品の第1の3次元モデルを取得し、前記第1の3次元モデルに対応する前記物品の第1の2次元図面を取得し、前記第1の3次元モデルの少なくとも1つのパラメータの値に変更を加えて、前記物品の第2の3次元モデルを生成し、前記第2の3次元モデルを基に、前記物品の第2の2次元図面を生成し、前記第1の2次元図面において変更が制限された第1の部分の寸法と、前記第2の2次元図面における前記第1の部分の寸法とを比較し、前記第1の2次元図面の寸法と前記第2の2次元図面の寸法との差分が閾値以下である場合、前記第2の3次元モデル及び前記第2の2次元図面を確定する、情報処理装置である。
【0010】
本発明の一態様は、物品の3次元モデルと、前記3次元モデルに対応する前記物品の2次元図面と、を生成するための情報処理方法であって、前記物品の第1の3次元モデルを取得し、前記第1の3次元モデルに対応する前記物品の第1の2次元図面を取得し、前記第1の3次元モデルの少なくとも1つのパラメータの値に変更を加えて、前記物品の第2の3次元モデルを生成し、前記第2の3次元モデルを基に、前記物品の第2の2次元図面を生成し、前記第1の2次元図面における変更が制限された第1の部分の寸法と前記第2の2次元図面における前記第1の部分の寸法を比較し、前記第1の2次元図面の寸法と前記第2の2次元図面の寸法との差分が閾値以下である場合、前記第2の3次元モデル及び前記第2の2次元図面を確定する、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、物品における変更が希望されない部分の寸法の変更を抑制しつつ、物品に含まれる機密情報を秘匿化できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態における情報処理装置の構成例を示すブロック図
図2】(a)及び(b)は、3次元モデルにおけるパラメータと2次元図面における寸法との関係の具体例を2次元図面上に示した図
図3】(a)はオリジナルモデルの表示出力例を示す図、(b)は図3(a)と同じオリジナルモデルを基に作成されたオリジナル図面の表示出力例を示す図
図4】(a)はオリジナル図面に寸法識別名及び寸法値を重ねた表示出力例を示す図、(b)は図4(a)のオリジナル図面における各部位の寸法識別名及び寸法値の一覧を示す図
図5】(a)はオリジナルモデルにパラメータ識別名及びパラメータ値を重ねた表示出力例を示す図、(b)は図5(a)のオリジナルモデルにおける各部位のパラメータ識別名及びパラメータ値の一覧の例を示す図
図6】オリジナルモデルに複数のパラメータ及び変更箇所の内容を重ねた表示出力例を示す正面図
図7】(a)はオリジナルモデルのパラメータの変更に応じて生成される出力図面の具体例を示す図、(b)は図7(a)の出力図面における各寸法の寸法識別名とパラメータ変更前後の寸法値の一覧を示す図
図8】情報処理装置の動作例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に関する具体的な実施の形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
<情報処理システムの構成例>
図1は、本発明の実施形態における情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。この情報処理装置100は、以下のような用途で使用され得る。
【0014】
例えば、工作機械や自動車等の輸送機械を製造する製品メーカは、製品の設計を3次元(3D)CADで行う場合、製品を構成する部品を部品メーカから購入する際に、各部品の形状等のデータを部品メーカから入手する。ここで、部品メーカは、製品メーカに対して提供するデータにより部品に関する技術上の機密情報(ノウハウなど)が漏洩することを防ぐ必要がある。そこで、部品メーカは、実際の部品と同じ内容を表す形状等のオリジナルモデル(機密情報を含むもの)を部分的に修正して、機密情報が隠蔽された出力モデルを作成する。そして、部品メーカは、作成した出力モデルを製品メーカ(客先の一例)に提出する。この出力モデルは、製品メーカが部品の取り付けなどを検討する際に必要な正確な情報を含むが、検討の際に不要な情報(例えば部品内部の形状の情報)については、変更されたり省略されたりした状態でもよい。
【0015】
情報処理装置100は、上記のオリジナルモデルを基に、上記の出力モデルを生成可能である。
【0016】
部品メーカ等が製品メーカ等に提供する部品(提供部品)のオリジナルモデルと出力モデルとの違いの具体例としては、以下のものが想定される。
(1)提供部品が玉軸受の場合、玉径、外輪溝径、保持器ポケット径、ボールの数などが変更されてもよい。玉軸受がシール付きの部品の場合、シールの形状が変更されてもよい。
(2)提供部品が円錐ころ軸受の場合、ころ(ボール、玉)の形状が変更されたり、内輪鍔の逃げ溝が省略されたり簡略化されたり(円弧形状とされたり)、ころの数が変更されたりしてもよい。
【0017】
情報処理装置100は、処理部10、記憶部20、操作部30、表示部40、及び通信部50を備える。情報処理装置100は、これ以外の構成部を有してもよいし、構成部の一部(例えば通信部50)が省略されてもよい。
【0018】
処理部10は、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor))がプログラムを実行することで、各種機能を実現する。処理部10は、各種処理、各種制御を行う。
【0019】
記憶部20は、一次記憶装置(例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory))を含む。記憶部20は、二次記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive))や三次記憶装置(例えば光ディスク、SDカード)を含んでもよい。
【0020】
記憶部20は、各種データや情報やプログラムを記憶する。プログラムは、例えば、CAD(例えば3D_CAD)プログラムを含んでもよい。CADプログラムは、設計支援用のソフトウェアプログラムである。記憶部20は、例えば、オリジナルモデルテーブルTB1、オリジナル図面テーブルTB2、出力モデルテーブルTB3、チェック基準テーブルTB4、及び出力図面テーブルTB5を保持する。
【0021】
オリジナルモデルテーブルTB1は、オリジナルモデル及びオリジナルモデルの付加データを保持する。オリジナルモデルは、オリジナルの(実際の形状から変更されていない)3次元モデルでもよく、機密情報を含み得る。オリジナルモデルの付加データは、オリジナルモデルの各部位のパラメータの値であるパラメータ値(寸法値)の情報を含む。オリジナルモデルは、操作部30へのユーザ操作を基に、処理部10により生成されてもよいし、通信部50を介して外部装置から取得されてもよい。オリジナルモデルは、3次元モデルの一例である。
【0022】
オリジナル図面テーブルTB2は、オリジナル図面及びオリジナル図面の付加データを保持する。オリジナルの2次元図面でもよく、機密情報を含み得る。オリジナル図面の付加データは、オリジナル図面の各部位の寸法の値である寸法値の情報を含む。オリジナル図面は、処理部10によりオリジナルモデルを基に生成されてもよいし、通信部50を介して外部装置からオリジナルモデルに対応するオリジナル図面が取得されてもよい。つまり、ここでのオリジナルモデル及びオリジナル図面は、同じ製品(物品の一例)を3次元データとして表現したもの、及び、2次元データとして表現したもの、でもよい。オリジナル図面は、2次元図面の一例である。
【0023】
出力モデルテーブルTB3は、出力モデル及び出力モデルの付加データを保持する。出力モデルは、オリジナルモデルが変更された(実際の形状から変更された)3次元モデルでもよく、機密情報を含まない。出力モデルの付加データは、出力モデルの各部位のパラメータ値(寸法値)の情報を含む。出力モデルの付加データは、オリジナルモデルのパラメータ値の変更が反映されたパラメータ値を含んでもよい。出力モデルは、処理部21により生成される。出力モデルは、3次元モデルの一例である。出力モデルは、客先に提出される3次元モデル(客先提出モデル)となってもよい。
【0024】
出力図面は、変更後の2次元図面でもよく、機密情報を含まない。出力図面の付加データは、オリジナル図面の各部位の寸法値の情報を含む。出力図面の付加データは、出力図面の各部位の寸法値の情報を含む。出力モデルの付加データは、出力モデルの寸法値の変更が反映された寸法値を含んでもよい。出力図面は、処理部21により生成される。出力図面は、2次元図面の一例である。出力図面は、客先に提出される2次元図面(客先提出図面)となってもよい。
【0025】
チェック基準テーブルTB4は、オリジナルモデルと出力モデルとの形状変化を適切に制御するために必要な予め定められた情報(チェック基準の情報)を有する。したがって、チェック基準により、実際の製品の形状から変更されることが許容される許容範囲が定められるとも言える。
【0026】
操作部30は、各種操作を受け付け、操作に基づくデータを取得する。操作部30は、例えば、各種キー、ボタン、キーボード、タッチパネル、マイクロホン、等の入力デバイスを含んでもよい。操作部30は、3次元モデルの少なくとも一部のパラメータ値を入力する入力操作を受け付けてもよい。操作部30は、3次元モデルのパラメータの変更値の入力を受け付けて、3次元モデルのパラメータの変更を受け付けてもよい。
【0027】
表示部40は、各種データや情報を表示する。表示部40は、例えば液晶ディスプレイでもよい。
【0028】
通信部50外部装置との間で各種データや情報を通信する。通信部50は、無線又は有線を用いて通信してもよい。
【0029】
処理部10は、オリジナルモデルとして製品(部品)の3次元モデルを作成してもよい。処理部10は、作成された3次元モデルの形状を任意の2次元座標に投影して、2次元の図面を作成してもよい。
【0030】
作成された3次元モデルは、パラメータを有する。処理部10は、3次元モデルを構成するパラメータ値を変更することにより、3次元モデルを変形してもよい。また、処理部10は、3次元モデルの形状変更に追随して、2次元図面の形状を変形してもよい。更に、処理部10は、3次元モデルの形状変更に追随して、2次元図面上の各部の寸法値を変更してもよい。寸法値は、表示部40等による表示用に書式を設定された値と、書式を設定されていない真の値と、を含んでもよい。なお、書式を設定された値とは、2次元図面上の変更後の寸法でもよく、書式設定されていない値とは、2次元図面上の変更前(オリジナル)の寸法でもよい。
【0031】
処理部10は、オリジナルモデルを作成してもよい。オリジナルモデルの作成により、その付加データが作成される。処理部10は、このオリジナルモデルを任意の二次元座標に投影することにより、オリジナル図面を作成してもよい。オリジナル図面の作成により、その付加データが作成される。処理部10は、例えば、同じ部品の平面図、正面図、斜視図、断面図のように、必要とされるそれぞれの出力形式に変換して、オリジナル図面を作成してもよい。また、オリジナル図面は、例えば客先が指定した各部の寸法(客先指定寸法)の値を含んで規定されてもよく、この寸法値に対応した形状を有してもよい。したがって、処理部10は、通信部50を介して客先指定寸法の値を外部装置から取得し、記憶部20に保持してもよい。また、処理部10は、通信部50を介して客先指定寸法値を付加データに含んでオリジナル図面とともに取得し、記憶部20に保持してもよい。
【0032】
処理部10は、オリジナルモデルを変形し、出力モデルを生成する。この場合、処理部10は、操作部30を介して簡単な入力値(例えばパラメータの具体的な値)を取得し、入力値を基に出力モデルを生成してもよい。また、処理部10は、操作部30を介したユーザ操作なく、自動的にオリジナルモデルを基に出力モデルを生成してもよい。例えば、処理部10は、オリジナルモデルにおける少なくとも1つのパラメータ値を、所定の変更量に従って変更し、出力モデルを生成してもよい。変更対象となる少なくとも1つのパラメータの情報は、記憶部20に保持されていてもよいし、任意に決定されてもよい。なお、処理部10は、出力モデルを生成する際、客先指定寸法値を変更しないよう制御する。出力モデルは、最終的には、機密情報が隠蔽された状態となる。
【0033】
処理部10は、出力モデルを基に、出力図面を生成する。この場合、処理部10は、出力モデルを任意の二次元座標に投影することにより、出力図面のデータを作成してもよい。この場合、処理部10は、例えば、同じ部品の平面図、正面図、斜視図、断面図のように、必要とされるそれぞれの出力形式に変換して、出力図面を作成してもよい。
【0034】
なお、ここでは、オリジナルモデルテーブルTB1、オリジナル図面テーブルTB2、出力モデルテーブルTB3、チェック基準テーブルTB4、及び出力図面テーブルTB5のように、テーブルの形式で記憶部20に保持されることを例示したが、その他の形式(例えばデータファイルの形式)で記憶部20に保持されてもよい。
【0035】
次に、情報処理装置100が扱うデータの具体例及び各種の制約について以下に説明する。
【0036】
<3次元モデル上におけるパラメータと2次元図面における寸法との関係の例>
図2(a)及び図2(b)は、3次元モデル上におけるパラメータ(寸法)と2次元図面における寸法との関係の具体例を、2次元図面上に示す図である。
【0037】
3次元モデルのパラメータは、3次元モデル毎に異なり、パラメータ名は命名ルールなどに従っているとは限らない。また、2次元図面上の寸法で指示された通りに(例えば客先指定寸法値に従って)3次元モデルを作成することは、情報処理装置100を使用するユーザの手間がかかる場合がある。例えばフィレット(丸面取)などの場合には、図2(a)に示すように、3次元モデルでは通常1つの半径寸法「R0.5」などとして簡単に作成されるが、客先に提出される出力図面では、通常2箇所の図面寸法「0.5、0.5」で指示される。
【0038】
このように、処理部10は、3次元モデルにおけるパラメータの提示方法とは異なる提示形態(例えば表示形態)により、2次元図面における寸法の提示を提示してもよい。この提示方法の情報は、例えば出力図面の付加データに格納されてもよい。
【0039】
また、3次元モデルのパラメータと2次元図面の寸法とは、1対1に対応するとは限らない。2次元図面の寸法は、複数の3次元モデルのパラメータを基に成り立っている場合がある。図2(b)では、2次元図面で指示された寸法「φ31(mm)」は、3次元モデル上で定められた寸法「φ35(mm)」と「2(mm)」を基にした和や差の結果である場合がある。例えば、図2(b)では、玉軸受の断面の片側を示す場合、外輪の直径が「φ35」であり、外輪軌道面の直径がφ31であり、外輪の外周面と外輪軌道面との最短距離が「2」であることを示してもよい。
【0040】
なお、処理部10は、3次元モデルにおける客先が必要とする外観寸法(客先指定寸法)以外のパラメータを変更する場合、2次元図面の寸法値と3次元モデルのパラメータ値とが一致しなくてもよい。この場合でも、客先における、寸法が変更された3次元モデルの検討への影響は小さい。
【0041】
<オリジナルモデルとオリジナル図面との関係の例>
図3(a)は、提供部品(部品メーカの製品)が玉軸受の場合のオリジナルモデルの表示出力例を示す図である。オリジナルモデルは、3次元モデルなので、図3(a)のように所望の方向から視た状態の斜視図により、外観形状等が表示部40に表示され得る。
【0042】
図3(b)は、図3(a)と同じオリジナルモデルを基に作成されたオリジナル図面の表示出力例を示す図である。オリジナル図面は、処理部10によりオリジナルモデルを基に作成されてもよいし、客先においてオリジナルモデルに基づいて生成されたオリジナル図面が、通信部50を介して取得されてもよい。つまり、図3(a)のオリジナルモデルと図3(b)のオリジナル図面は、互いに関連付けられている。また、図3(b)のオリジナル図面は、客先が提供部品を製品に取り付け等するための検討に必要とする各種の寸法(客先指定寸法)の情報を含んでもよい。客先指定寸法の情報は記憶部20に保持されてもよい。
【0043】
客先指定寸法は客先により指定されるので、部品メーカは、勝手に客先指定寸法を変更できない、又は変更を制限される。そのため、処理部10は、出力モデル及び出力図面を作成する際、オリジナル図面における客先指定寸法を、異なる寸法に変更しない、又は制限する。この場合、処理部10は、オリジナル図面における客先指定寸法の変更を禁止してもよい。禁止の情報は、記憶部20に保持され、処理部10により参照されてもよい。また、処理部10は、オリジナル図面における客先指定寸法の変更量を閾値th1以下としてもよい。この場合、処理部10は、オリジナル図面における客先指定寸法の変更量を閾値th1以下となるように制限してもよい。制限の情報は、記憶部20に保持され、処理部10により参照されてもよい。閾値th1は、任意の値でも、客先により指定された値でもよい。これにより、客先指定寸法の変更が許容範囲に収まる。また、閾値は、オリジナル図面における各部位の寸法ごとに、例えばth1、th2、th3と異なる閾値としても良い。
【0044】
なお、客先指定寸法以外の寸法について、寸法値の変更が禁止又は制限されてもよい。例えば、JIS規格などの規格値が寸法値である場合も、寸法値の変更が禁止又は制限されてもよい。
【0045】
<オリジナル図面の寸法値の例>
図4(a)は、オリジナル図面に寸法識別名及び寸法値を重ねた表示出力例を示す図である。図4(b)は、図4(a)のオリジナル図面における各部位の寸法識別名及び寸法値の一覧(寸法データリストVL)の例を示す図である。
【0046】
寸法識別名は、オリジナル図面におけるどの部位の寸法であるかを識別するための識別情報の一例である。
【0047】
処理部10は、記憶部20に保持されたオリジナル図面の付加データから、オリジナル図面における各部位の寸法値を抽出してもよい。図4(a)では、オリジナル図面における各部位の寸法値は、寸法識別名「図面寸法1」、「図面寸法2」、「図面寸法3」、・・・で識別可能である。
【0048】
処理部10は、図4(b)に示すように、抽出された各部位の寸法値の一覧を表す寸法データリストVLを生成してもよい。表示部40は、寸法データリストVLを表示してもよい。処理部10は、寸法データリストVLを記憶部20に保持させてもよい。
【0049】
図4(b)では、図面寸法2は、外輪外周面直径を表す。図面寸法3は、止め輪溝の底面の直径を表す。図面寸法4は、外輪内周面直径を表す。
【0050】
寸法データリストVLに含まれる寸法は、客先指定寸法でもよい。3次元モデルに対応する部品は、客先で他の部品と組み合わせられて1つの機械(製品)を形成する。外観寸法(例えば図面寸法1~14)は、取り付け寸法に関わるため、その変更が禁止され、又は制限されてもよい。
【0051】
寸法データリストVLに含まれない寸法は、客先指定寸法でなくてもよく、変更が許容され制限されない寸法であってもよい。例えば、軸受の内部(軌道輪の溝形状等)は取り付け寸法とは無関係であるので、処理部10は、軸受の内部に係る寸法を変更してもよい。これにより、情報処理装置100は、ノウハウ流出を防止でき、形状の単純化によるファイルサイズの低減を実現できる。
【0052】
<オリジナルモデルのパラメータの例>
図5(a)は、オリジナルモデルにパラメータ識別名及びパラメータ値を重ねた表示出力例を示す図である。図5(b)は、図5(a)のオリジナルモデルにおける各部位のパラメータ識別名及びパラメータ値の一覧(パラメータリストPL)の例を示す図である。
【0053】
オリジナルモデルの付加データは、例えば図5(a)に示したように、様々なパラメータPm1、Pm2、Pm3、Pm4、・・・を有している。
【0054】
パラメータ識別名は、オリジナルモデルにおけるどの部位のパラメータであるかを識別するための識別情報の一例である。
【0055】
処理部10は、記憶部20に保持されたオリジナルモデルの付加データから、オリジナルモデルにおける各部位のパラメータ値を抽出してもよい。図5(a)では、オリジナルモデルにおける各部位のパラメータ値は、パラメータ識別名「Pm1」、「Pm2」、「Pm3」、「Pm4」、・・・で識別可能である。
【0056】
処理部10は、図5(b)に示すように、抽出された各部位のパラメータ値の一覧を表すパラメータリストPLを生成してもよい。表示部40は、パラメータリストPLを表示してもよい。処理部10は、パラメータリストPLを記憶部20に保持させてもよい。
【0057】
図5(b)では、パラメータPm1は、外輪外周面直径を表す。パラメータPm2は、止め輪溝深さを表す。パラメータPm3は、ボール(玉)半径を表す。パラメータPm4は、外輪内周面直径を表す。
【0058】
図5(a)では、一例として、パラメータPm1、Pm2は、オリジナル図面における少なくとも1つの寸法に影響を及ぼし、パラメータPm3、Pm4は、オリジナル図面におけるいずれの寸法にも影響を与えない。処理部10は、オリジナル図面の寸法にいずれかの寸法に影響を与えるか否かを、オリジナルモデルにおける任意の部位のパラメータ値の変更した場合に、この変更に追従してオリジナル図面における同じ部位の寸法値が閾値th1以上変化したか否かにより判定してもよい。例えば、処理部10は、パラメータがPm1~Pm4を変更することで、図4(b)に示した寸法データリストVLに含まれる少なくとも1つの寸法値が閾値th1以上変化したか否かを判定してもよい。この判定の結果は、影響の有無を示す情報として記憶部20に保持されてもよい。閾値th1は、例えば操作部30を介してユーザ操作により予め設定されてもよいし、変更されてもよい。例えば、客先指定寸法の変更が全く許容されない場合には、閾値th1は値0となる。
【0059】
例えば、処理部10は、オリジナルモデルにおける止め輪溝深さのパラメータPm2の値を変更した場合、オリジナル図面における止め輪溝の底面の直径寸法を変更する。この場合の直径寸法の変更量が閾値th1以上である場合、止め輪溝深さのパラメータPm2の値を変更は、影響を与えていると言える。
【0060】
また、例えば、処理部10は、オリジナルモデルのボール直径、外輪軌道面の半径(r)、内輪軌道面の半径(r)のパラメータを変更した場合、寸法データリストVLにおける図面寸法1~14の寸法値を変更しない。したがって、この場合、オリジナルモデルのボール直径、外輪軌道面の半径(r)、内輪軌道面の半径(r)のパラメータの変更は、影響を与えていないと言える。このように、処理部10は、オリジナル図面の図面寸法と、パラメータ変更後の図面寸法(出力図面の図面寸法)と、を比較し、2次元図面の寸法値に影響を与えるか否かを判定してもよい。
【0061】
このように、オリジナルモデルの各パラメータの中には、オリジナル図面の寸法に影響するものと、影響しないものとが存在する。つまり、処理部10がオリジナル図面の寸法に影響しないオリジナルモデルのパラメータを変更しても、出力図面のデータを受け取る客先において不都合が生じる可能性は低い。一方、処理部10がオリジナル図面の寸法に影響するオリジナルモデルのパラメータを変更すると、出力図面のデータを受け取る客先において不都合が生じる可能性が高くなる。
【0062】
したがって、処理部10は、オリジナル図面の寸法に影響するオリジナルモデルのパラメータの変更を禁止してもよい。これにより、情報処理装置100は、オリジナルモデルのパラメータの変更に伴って、オリジナル図面の寸法に影響することを抑制できる。
【0063】
なお、オリジナル図面中の各寸法と、オリジナルモデル中の各パラメータとは、1対1に対応するとは限らない。例えば、オリジナルモデルのパラメータとして、止め輪溝深さを示すパラメータPm2が存在するが、オリジナル図面の寸法として、止め輪溝深さを示す寸法値は存在しない。一方、オリジナル図面の寸法として、止め輪溝の底面の直径寸法(寸法識別名:図面寸法3)が変化する。そのため、処理部10は、オリジナルモデルのパラメータPm2を変更した場合、この変更に追従して、オリジナル図面における止め輪溝の底面の直径寸法を変更する。このように、オリジナルモデルで変更されるパラメータ値と、オリジナル図面で変更される寸法値とは、直接対応するパラメータや寸法でないことがあるが、間接的にオリジナル図面における他の寸法が変更され得る。
【0064】
なお、パラメータPm1~Pm4は一例であり、他に多数のパラメータが存在してもよい。
【0065】
<オリジナルモデルのパラメータ変更の例>
図6は、オリジナルモデルに複数のパラメータ及び変更箇所の内容を重ねた表示出力例を示す図である。
【0066】
図6は、図5(a)と同じオリジナルモデルを表している。図6では、処理部10が、操作部30を介してオリジナルモデルの1つのパラメータPm2を選択し、パラメータPm2の値を「1.2」から「1.08」に変更する場合を想定している。つまり、処理部10は、Pm2の値を-10%変化させる場合を想定している。
【0067】
パラメータを変更するためのパラメータ変更情報が、記憶部20に保持されていてもよい。パラメータ変更情報は、3次元モデルのパラメータ値をどのように変更するかを定めた情報を含む。例えば、パラメータ変更情報は、変更対象のパラメータの識別情報、パラメータ値の変更量、変更率、変更回数、等の情報を含んでもよい。変更対象のパラメータは、3次元モデルにおける全部位のパラメータであってもよいし、一部の部位のパラメータであってもよい。変更量や変更率は、変更回数が増える毎に大きくされたり小さくされたりしてもよい。
【0068】
処理部10は、パラメータ変更情報に基づいて、オリジナルモデルにおけるパラメータ値を変更し、出力モデルを生成してもよい。出力モデルの作成により、その付加データが作成される。これにより、情報処理装置100は、操作部30を介したユーザ操作を不要にして、オリジナルモデルを基に出力モデルを生成できる。
【0069】
また、処理部10は、操作部における簡単な入力(例えばパラメータの値の入力)を受けて、この入力を基に、オリジナルモデルを変形して出力モデルを生成してもよい。これにより、情報処理装置100は、例えば操作部30を介してオリジナルモデルの外形を操作し変形させて出力モデルを生成する場合と比較すると、ユーザ操作の手間を大幅に軽減して、オリジナルモデルを基に出力モデルを生成できる。
【0070】
処理部10は、パラメータ変更情報に基づいて、オリジナルモデルにおけるパラメータ値を変更してもよい。パラメータPm2の値の変更量は、パラメータPm2の値の変更率に基づいてもよい。パラメータPm2の値の変更率は、最初は比較的大きい値(例えば変化率である+10[%]に基づく)としてもよい。これにより、処理部10は、オリジナルモデルのパラメータ値を比較的大きく変更でき、この変更に追従してオリジナル図面の寸法値を比較的大きく変更できる。
【0071】
処理部10は、変更後の3次元モデル(出力モデル)の形状等が後述するチェック基準を満たさない場合、パラメータ値の変更率の正負の符号を変更したり(例えば-10%とする)、変更率の絶対値を徐々に小さくしたり(例えば、-5%、5%、-2.5%としていく)してもよい。これにより、パラメータ値の変更量も変化する。処理部10は、変更されたパラメータ値を基に、再度、出力モデルを生成してもよい。出力モデルの生成は、出力モデルの形状等がチェック基準を満たすまで、パラメータの変更量を変更しながら、継続されてもよい。
【0072】
なお、図6では、オリジナルモデルにおいては、オリジナル図面の図面寸法3に該当する止め輪溝の底面の直径寸法を示しているが、この寸法はオリジナル図面におけるパラメータ値ではなく、オリジナルモデルにおいて直接的には変更されない。
【0073】
なお、オリジナルモデルを基に生成された出力モデルが生成された後においても、記憶部20がオリジナルモデルの記憶を継続してもよい。また、オリジナルモデルのコピーが記憶部20に保持されてもよい。オリジナルモデルは、出力モデルの生成後におけるチェック基準を用いた形状チェックやその他の処理に用いられてもよい。
【0074】
ここで、チェック基準について説明する。
【0075】
チェック基準は、出力モデルの外形形状に関して検証するための基準である。チェック基準は、オリジナルモデルの外形形状と出力モデルの外形形状との差分に基づく比較基準であってもよい。チェック基準は、例えば以下の(C1)~(C4)の事項の少なくとも1つを含んでもよい。
【0076】
(C1)変更後の3次元モデル(出力モデル)の形状がCADとしてエラーなく成立すること。つまり、処理部10がプログラムを実行した際に、エラーが生じないこと。CADとしてエラーなく成立するか否かは、例えば、形状が成立するか否かにより判別されてもよい。
【0077】
処理部10は、CADとしてエラーが無い場合、チェック基準を満たすと判定し、CADとしてエラーが有る場合、チェック基準を満たさないと判定してもよい。
【0078】
(C2)オリジナルモデルと変更後の出力モデルとの間で、外形形状に大きな変化がないこと。
【0079】
例えば、処理部10は、オリジナルモデルの外形形状及び出力モデルの外形形状の差分と閾値th2(例えば0.5%)と比較し、差分が閾値th2未満である場合にチェック基準を満たすと判定し、差分が閾値th2以上である場合にチェック基準を満たさないと判定してもよい。外形形状の差分は、例えば3次元モデルの変更前後(オリジナルモデル及び出力モデル)の体積の差分でもよい。この場合、処理部10は、ブール演算の差や積等に基づいて、チェック基準を満たしているか否かを判定してもよい。
【0080】
(C3)オリジナルモデルの外形形状及び出力モデルの外形形状を比較して、出力モデルの縦・横の長さが元の値(オリジナルモデルのパラメータ値)よりも大きくならないこと。または、出力モデルの体積が元の体積(オリジナルモデルの体積)よりも大きくならないこと。
【0081】
なお、ここでの縦・横の長さとは、例えば、パラメータ変更後における軸受の外観に係る寸法(例えば、軸受幅、内輪内径、外輪外径、止め輪溝の位置や深さや幅、止め輪の外径や厚さ)であってもよい。
【0082】
(C4)部品間に隙間がないこと。例えば互いに接触すべき部分が離れないこと。
【0083】
上記(C1)~(C4)のようなチェック基準の情報は、チェック基準テーブルTB4に登録されていてもよい。処理部10は、チェック基準テーブルTB4の内容を参照して、オリジナルモデルのパラメータ値の変更に応じた出力モデルの外形がチェック基準を満たすか否かを判定してもよい。なお、チェック基準の情報(例えばチェックのための閾値等)は、例えば操作部30を介してユーザ操作により変更されてもよい。
【0084】
<パラメータ値の変更に応じて生成される出力図面と変更前後の寸法値の例>
図7(a)は、オリジナルモデルのパラメータ値の変更に応じて生成される出力図面の具体例を示す図である。図7(b)は、図7(a)の出力図面における各寸法の寸法識別名とパラメータ変更前後の寸法値の一覧(寸法データリストVL2)を示す図である。
【0085】
処理部10は、出力モデルに基づいて、出力図面を生成する。出力図面の作成により、その付加データが作成される。処理部10は、出力図面及びその付加データを表示部40に表示させてもよい。
【0086】
処理部10は、出力図面の付加データから、出力図面における各部位の寸法値を取得する。出力図面の寸法値は、オリジナルモデルのパラメータ値の変更に伴って、オリジナル図面の寸法値から変更され得る。処理部10は、寸法識別名と、パラメータ変更前のオリジナル図面の各部位の寸法と、パラメータ変更後の出力図面の各部位の寸法と、を一覧とした寸法データリストVL2を生成してもよい。処理部10は、寸法データリストVL2を表示部40に表示させてもよい。処理部10は、寸法データリストVL2を記憶部20に記憶させてもよい。情報処理装置100のユーザは、寸法データリストVL2の表示を確認することで、オリジナルモデルのパラメータの変更が、出力図面の寸法値に影響を及ぼしたか否かを確認できる。
【0087】
図7(b)に示した寸法データリストVL2に示すように、処理部10は、例えば、「図面寸法3」の寸法値が「44.6」から「44.8」に変化していることを検出する。寸法データリストVL2に含まれるオリジナル図面の寸法値と出力図面の寸法値とにおいて少なくとも1つが変化している場合、処理部10は、処理部10は、オリジナルモデルに対する変更を撤回し、出力モデルのパラメータ値を変更前のオリジナルモデルのパラメータ値に戻し、3次元モデルの形状を変更前の形状に戻してもよい。この場合、処理部10は、変化した寸法値に対応する3次元モデルのパラメータを、変更対象から除外してもよい。
【0088】
これにより、情報処理装置100は、3次元モデルに対するパラメータ値の変更に基づく形状の変化(例えば形状で表現される外形上の秘匿化)に伴い、客先指定寸法等が変化する場合には、このパラメータを変更させない。よって、情報処理装置100は、3次元モデルの秘匿化に伴って3次元モデルにおける重要な箇所の寸法が変化し、物品の取付時等に不具合が発生することを抑制できる。
【0089】
なお、処理部10は、出力図面の寸法値とオリジナル図面の寸法値とを比較して閾値th1以上変化した場合に、パラメータの変更を取り消してもよい。つまり、寸法値が完全に一致せずに、多少の変化が許容されてもよい。
【0090】
次に、情報処理装置100の動作例について説明する。
図8は、情報処理装置100の動作例を示すフローチャートである。
【0091】
ここでは、一例として、記憶部20に、オリジナルモデル及びオリジナル図面が予め保持されている。オリジナル図面は、オリジナルモデルの3次元形状を二次元座標に投影した結果として作成されていてもよい。つまり、オリジナルモデルとオリジナル図面とが同一の対象を示してもよい。また、客先指定寸法の各値は、オリジナル図面に付加されており、オリジナル図面の各寸法値と、オリジナルモデルの各パラメータ値とは基本的に対応している。また、客先指定寸法は変更が禁止又は制限される。
【0092】
処理部10は、例えば記憶部20から、オリジナル図面の全寸法値を取得する(S1)。この寸法値は、客先指定寸法を含んでもよい。寸法値が客先指定寸法であるか否かの情報は、図8の処理前に記憶部20に保持されていてもよい。処理部10は、例えば記憶部20から、オリジナルモデルの全パラメータ値を取得する(S2)。
【0093】
処理部10は、取得されたオリジナルモデルの1つ以上のパラメータから、1つのパラメータを今回の変更対象のパラメータとして選択する(S3)。
【0094】
処理部10は、選択された1つのパラメータの値を変更する(S4)。処理部10は、処理部10は、例えば、式(1)に従って変更する。
Pn=Po+Po×ΔP ・・・(1)
Pn:変更後のパラメータの値
Po:変更前のパラメータの値
ΔP:パラメータ変更率(初期値は例えば「+0.1」)
【0095】
例えば、処理部10は、図6に示したパラメータPm2の値を変更してもよい。この変更の結果は、出力モデルにおけるパラメータPm2の値の変化として反映される。
【0096】
処理部10は、変更されたパラメータが反映された出力モデルの形状等をチェックし、出力モデルの形状等がチェック基準を満たすか否かを判定する(S5、S6)。
【0097】
S5においてチェック基準を満たさない場合、チェック基準を満たすまでS4の処理を繰り返す。この場合、処理部10は、例えばパラメータ変更情報に基づいて、パラメータ変化率ΔPを逐次変更してもよい。例えば、△Pの初期値が「+0.1」の場合には、処理部10は、2回目の△Pnの値として正負の符号を切り替えて「-0.1」の値を採用してもよい。また、処理部10は、3回目の△Pnの値を△Pの絶対値の半分にして、「+0.05」の値を採用してもよい。更に、処理部10は、「-0.05」、「+0.025」、「-0.025」・・のように少しずつ順次小さくしてもよい。これにより、情報処理装置100は、チェック基準を満たす範囲でなるべく大きな変化が発生するように、客先に提出する3次元モデルの形状を最適化できる。
【0098】
S5においてチェック基準を満たす場合、処理部10は、パラメータ変更の結果が反映された出力モデルに基づいて、出力図面を生成する。出力図面の付加データには、出力図面の各寸法値が含まれる。処理部10は、出力図面の各寸法値を取得する。そして、処理部10は、オリジナル図面の各寸法値と、出力図面の各寸法値とを比較して、寸法の変化の有無を確認する(S7、S8)。
【0099】
パラメータ変更に起因して、出力図面における少なくとも1つの寸法値(客先指定寸法)が変化した場合、処理部10は、S4で変更されたパラメータの値を元の値に戻す(S9)。つまり、今回の変更対象のパラメータの変更を取り消す。なお、処理部10は、出力図面の寸法値がオリジナル図面の寸法値と比較して閾値th1以上変化した場合に、パラメータの変更を取り消してもよい。
【0100】
パラメータ変更に起因して、出力図面におけるいずれの寸法値も変化しなかった場合、処理部10は、変更後のパラメータの値を採用し、出力モデルを確定する。
【0101】
処理部10は、オリジナルモデルにおける全てのパラメータが、変更対象のパラメータとして選択されたか否かを判定する(S10)。少なくとも1つのパラメータが変更対象として選択されていない場合、処理部10は、変更対象のパラメータを次のパラメータに切り替える(S11)。そして、S3に進む。一方、全てのパラメータが変更対象として選択された場合、処理部10は、図8の処理を終了する。
【0102】
例えば、図7(b)では、パラメータ変更の前後において図面寸法3の寸法値が変化している。この場合、処理部10は、パラメータ変更を取り消す。仮に図面寸法3の寸法値も変化していないとすると、処理部10は、パラメータの変更を確定し、出力モデルを確定し、出力図面を確定する。
【0103】
<情報処理装置及び情報処理方法の利点>
例えば、部品メーカと製品メーカとの間で3次元モデルや2次元図面を受け渡しする場合、製品メーカは、製品の組み付けに必要な各部品の形状や寸法等の検討に必要な情報を部品メーカに提示することがある。したがって、部品メーカは、該当する部品の3次元の形状モデルや2次元図面の情報の一部を製品メーカから提供されることがある。
【0104】
情報処理装置100は、実際の部品の形状モデル(オリジナルモデル)や2次元図面(オリジナル図面)とは部分的に異なる情報を特別に作成して、客先に提出される客先提出モデル(出力モデル)及び客先提出図面(出力図面)を生成できる。この場合、情報処理装置100は、取付寸法等の変更が許容されない寸法値(客先指定寸法)の変更を禁止又は制限することで、客先において提供部品と提供部品が組み込まれる製品との間の不具合を低減できる。また、情報処理装置100は、客先指定寸法以外の変更が許容される寸法については寸法値を変更し得ることで、機密情報(例えば外形形状に表れ易い技術的な機密情報)の漏洩を低減できる。
【0105】
また、情報処理装置100は、オリジナルモデルに対する変更を自動的に又は簡単な操作により実施できるので、例えば部品メーカ内の作業者の手作業や手間を省略又は簡略化できる。また、情報処理装置100は、作業者の判断による情報の変更を減らすことで、判断ミスにより変更漏れが発生して機密情報が漏洩することを抑制できる。
【0106】
このように、情報処理装置100は、ノウハウなどの隠蔽したい機密情報の流出を防止するための手作業や人間の判断を低減できる。また、情報処理装置100は、情報提供先が必要とする情報が実際の部品や製品と異なる状態で提供されることを抑制できる。
【0107】
また、情報処理装置100は、オリジナルモデルの3次元形状データ及びオリジナル図面の二次元図面データに基づいて、形状等が変更された出力モデル及び出力図面を生成できる。また、情報処理装置100は、形状等の変更により、ノウハウなどの機密情報を隠蔽した状態で、出力モデル及び出力図面を生成できる。
【0108】
また、情報処理装置100は、3次元モデルの一部の形状の変更を手作業で行うことを軽減できるので、3次元モデルの形状を変更しようとするユーザの手間を低減できる。そのため、3次元モデルや2次元図面の形状変更に際し人間の判断が入り込むことが少なくなるので、情報処理装置100は、3次元モデルの形状を変更しようとするユーザの手間を低減できる。
【0109】
また、ユーザによる簡単な入力を伴う場合でも、3次元モデルの各パラメータは表示部40により表示され、ユーザは表示部40を確認しながら操作部30を介して3次元モデルのパラメータ値を変更指示できる。したがって、情報処理装置100は、3次元モデルのパラメータの変更漏れを抑制して、変更漏れに伴う機密情報の漏洩も抑制できる。
【0110】
また、情報処理装置100は、出力図面における各寸法値(例えば客先指定寸法)がオリジナルの寸法値に対して変化しないように処理できるので、客先が検討の際に必要とする部位の寸法値が、変更されたデータとして出力図面に現れることを抑制できる。つまり、情報処理装置100は、出力図面の寸法値の利用により、客先で寸法不一致に起因する不具合が発生することを抑制できる。
【0111】
<補足説明>
上述の情報処理装置及び情報処理方法について、以下の[1]~[6]に簡潔に纏めて列挙する。
【0112】
[1] 物品の3次元モデルと、3次元モデルに対応する物品の2次元図面と、を生成する情報処理装置であって、
処理部(例えば処理部10)を備え、
処理部は、
物品の第1の3次元モデル(例えばオリジナルモデル)を取得し、
第1の3次元モデルに対応する物品の第1の2次元図面(例えばオリジナル図面)を取得し、
第1の3次元モデルの少なくとも1つのパラメータの値に変更を加えて、物品の第2の3次元モデル(例えば出力モデル)を生成し、
第2の3次元モデルを基に、物品の第2の2次元図面(例えば出力図面)を生成し、
第1の2次元図面において変更が制限された第1の部分の寸法と、第2の2次元図面における第1の部分の寸法とを比較し、
第1の2次元図面の寸法と第2の2次元図面の寸法との差分が闘値以下である場合、第2の3次元モデル及び第2の2次元図面を確定する、
情報処理装置である。
【0113】
[1]の情報処理装置によれば、ノウハウなどの隠蔽したい機密情報の流出を防止するための手作業や人間の判断を不要にできる。また、情報処理装置は、情報提供先の必要とする情報が実際の部品や製品と異なる状態で提供されることを避けることができる。すなわち、情報処理装置は、第2の3次元モデル及び第2の2次元図面の内容を、例えば部品メーカが客先の製品メーカなどに提供しようとする場合に、第1の3次元モデルに基づいて、第2の3次元モデル及び第2の2次元図面を生成できる。また、情報処理装置は、第2の3次元モデルを生成する際に、第1の3次元モデルの少なくとも1つのパラメータの値に変更を加える。そのため、情報処理装置は、第1の3次元モデルの内容を部分的に修正することが可能になり、機密情報の隠蔽が可能になる。また、情報処理装置は、第1の2次元図面と第2の2次元図面の間で寸法を比較し、一致する場合に第2の3次元モデル及び第2の2次元図面を、パラメータの変更後の内容で確定する。したがって、情報処理装置は、客先が変更されることを望まない部位(変更が禁止された部位)の寸法(例えば客先指定寸法)が変更されることを抑制でき、客先指定寸法と異なる寸法の内容で製品メーカ等に情報が提供されることを抑制できる。よって、客先では、指定された取付寸法を用いて、第2の3次元モデルや第2の2次元図面で表現される製品の検討等を行うことができる。
【0114】
[2] 上記[1]に記載の情報処理装置であって、
処理部は、
第2の3次元モデルの形状が第1の基準(例えばチェック基準)を満たさない場合、第2の3次元モデルのパラメータの変更量を変更して、第2の3次元モデルのパラメータの値を再変更し、
再変更された3次元モデルを基に、第2の2次元図面を再生成する、
情報処理装置でもよい。
【0115】
[2]の情報処理装置によれば、例えば製品メーカ等の客先に提供される第2の3次元モデルの形状が、所望の基準を満たさない場合に、3次元モデルのパラメータの値を再変更する。したがって、情報処理装置は、所望の基準を満たす状態で、第2の3次元モデルを生成できる。したがって、例えば、第2の3次元モデルの外形形状と、実際の部品等の外形形状(第1の3次元モデルに対応)と、の違いについて、客先の設計者等が違和感を持つことを抑制できる。また、情報処理装置は、第1の基準としてユーザ所望の条件を付加することで、予期しない状態の3次元モデルや2次元図面を客先へ提供することを抑制できる。
【0116】
[3] 上記[2]に記載の情報処理装置であって、
処理部は、
第2の3次元モデルの形状が第1の基準を満たさない場合、第2の3次元モデルの形状が第1の基準を満たすまで、パラメータの変更量が順次小さくなるように、パラメータの変更量の変更を順次反復し、
第1の基準を満たすパラメータの変更量を基に、第2の3次元モデルのパラメータの値を再変更し、
再変更された第2の3次元モデルを基に、第2の2次元図面を再生成する、
情報処理装置でもよい。
【0117】
[3]の情報処理装置によれば、第2の3次元モデルの形状が第1の基準を満たさない場合であっても、パラメータの変更量を変更して、変更された変更量で第2の3次元モデルを変形させることで、第2の2次元図面を再度生成できる。また、情報処理装置は、パラメータの変更量の変更と、変更後の3次元モデルが第1の基準を満たすか否かの判定とを繰り返すことにより、3次元モデルにおける変更対象のパラメータの値を最適化することが可能である。また、情報処理装置は、パラメータの変更量を最初に大きめに定めておき、徐々に小さくすることにより、まずは大雑把に3次元モデルを変形させ、第1の基準と照合しながらパラメータの変更量の微調整を実施できる。
【0118】
[4] 上記[2]または[3]に記載の情報処理装置であって、
第1の基準は、第1の3次元モデルの外形形状と第2の3次元モデルの外形形状との差分に基づく基準である、
情報処理装置でもよい。
【0119】
[4]の情報処理装置によれば、例えば前述したチェック基準(C2)や(C3)を基に、第2の3次元モデルの外形形状が所望の状態であるかを判別できる。また、外形形状を判断基準とすることで、情報処理装置のユーザや客先の設計者等は、第2の3次元モデルや第2の2次元図面において変更が制限された部位の変更が制限されているか、変更が制限されていない部位の変更が存在するか、等を直感的に把握し易くなる。
【0120】
[5] 上記[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の情報処理装置であって、
処理部は、寸法が一致しない場合、変更が加えられたパラメータを変更対象から除外する、
情報処理装置でもよい。
【0121】
[5]の情報処理装置によれば、例えば製品メーカ等の客先に提供される第2の2次元図面において、変更が制限された寸法が実際の部品等の寸法から変更されることを抑制できる。したがって、客先の設計者等は、提供された第2の2次元図面の各部の寸法に基づいて、実際の部品等を扱う場合と同様の状態で、例えば部品取り付けの可否や周囲との干渉の有無など、様々な検討を行うことができる。
【0122】
[6] 上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の情報処理装置であって、
処理部は、第1の3次元モデルを基に、第1の2次元図面のデータを生成して取得する、
情報処理装置でもよい。
【0123】
[6]の情報処理装置によれば、第1の2次元図面を事前に用意しておく必要がないので、第1の2次元図面を予め保存するためのメモリ空間を不要にでき、情報処理装置の記憶効率を向上できる。
【0124】
[7] 物品の3次元モデルと、3次元モデルに対応する物品の2次元図面と、を生成するための情報処理方法であって、
物品の第1の3次元モデルを取得し(例えばS2)、
第1の3次元モデルに対応する物品の第1の2次元図面を取得し(例えばS1)、
第1の3次元モデルの少なくとも1つのパラメータの値に変更を加えて、物品の第2の3次元モデルを生成し(例えばS3、S4)、
第2の3次元モデルを基に、物品の第2の2次元図面を生成し、
第1の2次元図面における変更が制限された第1の部分の寸法と第2の2次元図面における第1の部分の寸法を比較し(例えばS7)、
第1の2次元図面の寸法と第2の2次元図面の寸法との差分が闘値以下である場合、前記第2の3次元モデル及び前記第2の2次元図面を確定する、
情報処理方法である。
【0125】
[7]の情報処理方法によれば、ノウハウなどの隠蔽したい機密情報の流出を防止するための手作業や人間の判断を不要にできる。また、情報処理装置は、情報提供先の必要とする情報が実際の部品や製品と異なる状態で提供されることを避けることができる。すなわち、情報処理装置は、第2の3次元モデル及び第2の2次元図面の内容を、例えば部品メーカが客先の製品メーカなどに提供しようとする場合に、第1の3次元モデルに基づいて、第2の3次元モデル及び第2の2次元図面を生成できる。また、情報処理装置は、第2の3次元モデルを生成する際に、第1の3次元モデルの少なくとも1つのパラメータの値に変更を加える。そのため、情報処理装置は、第1の3次元モデルの内容を部分的に自動修正することが可能になり、機密情報の隠蔽が可能になる。また、情報処理装置は、第1の2次元図面と第2の2次元図面の間で寸法を比較し、一致する場合に第2の3次元モデル及び第2の2次元図面を、パラメータの変更後の内容で確定する。したがって、情報処理装置は、客先が変更されることを望まない部位(変更が禁止された部位)の寸法(例えば客先指定寸法)が変更されることを抑制でき、客先指定寸法と異なる寸法の内容で製品メーカ等に情報が提供されることを抑制できる。よって、客先では、指定された取付寸法を用いて、第2の3次元モデルや第2の2次元図面で表現される製品の検討等を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、物品における変更が希望されない部分の寸法の変更を抑制しつつ、物品に含まれる機密情報を秘匿化できる情報処理装置及び情報処理方法等に有用である。
【符号の説明】
【0127】
100 情報処理装置
10 処理部
20 記憶部
30 操作部
40 表示部
50 通信部
100 情報処理装置
TB1 オリジナルモデルテーブル
TB2 オリジナル図面テーブル
TB3 出力モデルテーブル
TB4 チェック基準テーブル
TB5 出力図面テーブル
VL,VL2 寸法データリスト
PL パラメータリスト
図1
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図7
図8