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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】広告提供システム、広告提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240110BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020029855
(22)【出願日】2020-02-25
(65)【公開番号】P2021135616
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤塚 康之
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-048566(JP,A)
【文献】特開2011-238262(JP,A)
【文献】特開2006-242583(JP,A)
【文献】特許第6345330(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又はそれ以上のI/Oインタフェース(14)と、
1つ又はそれ以上のプロセッサ(16)と、
メモリ(18)と、
前記メモリ(18)に格納され、前プロセッサ(16)によって実行されるように構成される1つ又はそれ以上のコンピュータ・プログラムと、を備え、
I/Oインタフェース(14)は、
目的地に応じた広告地点を含む広告情報を取得し、
前記プロセッサ(16)は、
前記目的地を設定し、
前記目的地のジャンルと前記広告地点のジャンルとの一致あるいは類似を判定し、
前記目的地のジャンルと一致しないあるいは類似しないジャンルの前記広告地点を含む前記広告情報を提供し、
前記I/Oインタフェース(14)は、
前記広告情報を知覚しうる利用者の人数情報をさらに取得し、
前記プロセッサ(16)は、
前記人数情報が所定の閾値以下である場合に、前記目的地のジャンルと一致するあるいは類似するジャンルの前記広告地点を含む前記広告情報を提供する、
広告提供システム。
【請求項2】
前記プロセッサ(16)は、
前記目的地を複数設定可能であり、前記目的地を複数設定する場合に前記目的地の間に位置する前記広告地点を含む前記広告情報を提供する、
請求項に記載の広告提供システム。
【請求項3】
1つ又はそれ以上のプロセッサ(16)が目的地を設定するステップ(S1)と、
1つ又はそれ以上のI/Oインタフェース(14)が前記目的地に応じた広告地点を含む広告情報を取得するステップ(S2)と、
前記I/Oインタフェース(14)が前記広告情報を知覚しうる利用者の人数情報を取得するステップ(S41)と、
前記プロセッサ(16)が前記目的地のジャンルと前記広告地点のジャンルとの一致あるいは類似を判定するステップ(S3)と、
前記プロセッサ(16)が前記目的地のジャンルと一致しないあるいは類似しないジャンルの前記広告地点を含む前記広告情報を提供するステップ(S3)と、
前記プロセッサ(16)が前記人数情報が所定の閾値以下である場合に、前記目的地のジャンルと一致するあるいは類似するジャンルの前記広告地点を含む前記広告情報を提供するステップ(S3)と、
を備える広告提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体利用システムで使用される広告提供システム及び広告提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レンタカーサービスや、カーシェアリングサービス、あるいは自動運転車両によって利用者を運ぶ輸送サービスなど所定の目的地まで車両(移動体)を利用するサービス及びこれを実現するシステムが知られている。また、特許文献1には、ユーザが閲覧したウェブページから推定された目的地候補の重要度に基づいて、そのユーザに配信する広告を決定する広告配信システムが開示されている。広告の配信は、広告を閲覧したユーザに対して移動体の利用料金を減額するシステムに利用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-150462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の広告配信システムにおいては、目的地のジャンルと一致あるいは類似するジャンルの店舗等に関する広告が配信される場合がある。その場合、利用者が広告に関する店舗等を利用しないばかりか、特に利用者が複数のグループである場合に目的地を変更するか否かを相談する必要が生じて広告に対して良い印象を持たないことも懸念され、広告を提供する広告主にとって広告効果が十分に得られないおそれがあるといった点で改良の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示される特定の実施形態の要約を以下に示す。これらの態様が、これらの特定の実施形態の概要を読者に提供するためだけに提示され、この開示の範囲を限定するものではないことを理解されたい。実際に、本開示は、以下に記載されない種々の態様を包含し得る。
【0006】
本開示の概要は、適切な広告を提供することに関する。より具体的には、目的地のジャンルと一致あるいは類似しないジャンルの広告地点に関する広告を提供することにも関する。
【0007】
したがって、本明細書に記載される広告提供システム及び広告提供方法は、目的地を設定し、前記目的地のジャンルと広告地点のジャンルとの一致あるいは類似を判定し、前記目的地のジャンルと一致しないあるいは類似しないジャンルの前記広告地点を含む前記広告情報を提供する。さらに、前記広告情報を知覚しうる利用者の人数情報が所定の閾値以下である場合に、前記目的地のジャンルと一致するあるいは類似するジャンルの前記広告地点を含む前記広告情報を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】いくつかの実施形態に係る、広告提供システムのブロック図である。
図2】いくつかの実施形態に係る、広告提供方法を説明するフロー図である。
図3】いくつかの実施形態に係る、広告の提供の例を説明する図である。
図4】いくつかの実施形態に係る、広告の提供の例を説明する図である。
図5】いくつかの実施形態に係る、広告の提供の例を説明する図である。
図6】いくつかの実施形態に係る、複数の目的地と広告地点との位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1では、例示的な広告提供システムの構成の説明を提供する。図2では、処理方法の説明を提供する。図3図4及び図5では、広告の提供がどのように実行されるかの説明を提供する。図6では、複数の目的地と広告地点との位置関係の説明を提供する。なお、本発明は以下の実施形態(図面の内容も含む)によって限定されるものではない。下記の実施形態に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
【0010】
図1は、いくつかの実施形態に係る、広告提供システム10のブロック図である。広告提供システム10は、画像表示部11と、操作部12と、制御装置13と、で構成される。画像表示部11、操作部12及び制御装置13は、移動体利用サービスに供される移動体に搭載されている。移動体は、主に車両であり、自律運転が可能な車両を想定するが、限定条件下でのみ自律運転が可能な車両や手動運転を行う車両であってもよい。
【0011】
画像表示部11は、例えばTFT型の液晶ディスプレイやAMOLED(Active Matrix Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの画像が表示可能な表示装置からなる。
【0012】
画像表示部11は、広告提供部の一例であり、後述する制御装置13の制御に基づいて、後述する広告地点を画像表示して利用者に提供する。
【0013】
操作部12は、例えばタッチパネルなどの利用者の操作入力が可能な操作装置からなる。操作部12は、I/Oインタフェース14と動作可能に連結されている。利用者は、操作部12の操作入力により、I/Oインタフェース14に移動体(利用者)の目的地を示す目的地情報を入力する。また、利用者は、操作部12の操作入力により、後述する広告地点への目的地変更の受諾を示す受諾情報を入力する。
【0014】
制御装置13は、1つ又はそれ以上のI/Oインタフェース14、1つ又はそれ以上のプロセッサ16、1つ又はそれ以上のメモリ18、及び1つ又はそれ以上の画像処理回路20を備える。図1に記載される様々な機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれら両方の組み合わせで構成されてもよい。図1は、実施態様の一実施形態に過ぎず、図示された構成要素は、より数の少ない構成要素に組み合わされてもよく、又は追加の構成要素があってもよい。例えば、画像処理回路20(例えば、グラフィック処理ユニット)が、1つ又はそれ以上のプロセッサ16に含まれてもよい。
【0015】
図示するように、プロセッサ16及び画像処理回路20は、メモリ18と動作可能に連結される。より具体的には、プロセッサ16及び画像処理回路20は、メモリ18に記憶されているコンピュータ・プログラムを実行することで、例えば画像データを生成又は/及び送信するなど、広告提供システム10の操作を行うことができる。プロセッサ16又は/及び画像処理回路20は、少なくとも1つの汎用マイクロプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、少なくとも1つの特定用途向け集積回路(ASIC)、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。メモリ18は、ハードディスクのような任意のタイプの磁気媒体、CD及びDVDのような任意のタイプの光学媒体、揮発性メモリのような任意のタイプの半導体メモリ、及び不揮発性メモリを含む。揮発性メモリは、DRAM及びSRAMを含み、不揮発性メモリは、ROM及びNVROMを含んでもよい。
【0016】
図示するように、プロセッサ16は、I/Oインタフェース14と動作可能に連結されている。例えば、I/Oインタフェース14は、広告提供システム10を、Bluetooth(登録商標)ネットワークなどのパーソナルエリアネットワーク(PAN)、802.11x Wi-Fi(登録商標)ネットワークなどのローカルエリアネットワーク(LAN)、4G又はLTE(登録商標)セルラーネットワークなどの広域ネットワーク(WAN)に接続する無線通信インタフェースを含むことができる。また、I/Oインタフェース14は、例えば、USBポート、シリアルポート、パラレルポート、OBDII、及び/又は他の任意の適切な有線通信ポートなどの有線通信インタフェースを含むことができる。
【0017】
図示するように、プロセッサ16は、I/Oインタフェース14と相互動作可能に連結されることで、広告提供システム10(I/Oインタフェース14)に接続される種々の他の電子機器等と情報を授受可能となる。I/Oインタフェース14には、例えば、移動体に設けられた車両ECU401、道路情報データベース403、自車位置検出部405、利用者検出部407、携帯情報端末413、広告データベース415、及び広告地点情報端末417などが動作可能に連結される。画像表示部11は、プロセッサ16及び画像処理回路20に動作可能に連結される。したがって、画像表示部11によって表示される画像は、プロセッサ16又は/及び画像処理回路20から受信された画像データに基づいてもよい。プロセッサ16及び画像処理回路20は、I/Oインタフェース14から得られる情報に基づき、画像表示部11が表示する画像を制御する。なお、I/Oインタフェース14は、広告提供システム10に接続される他の電子機器等から受信する情報を加工(変換、演算、解析)する機能を含んでいてもよい。
【0018】
移動体は、移動体の状態(例えば、走行距離、車速、アクセルペダル開度、エンジンスロットル開度、インジェクター燃料噴射量、エンジン回転数、モータ回転数、ステアリング操舵角、シフトポジション、ドライブモード、各種警告状態)などを検出する車両ECU401を含んでいる。車両ECU401は、移動体の各部を制御するものであり、例えば、移動体の現在の車速を示す車速情報をプロセッサ16へ送信することができる。なお、車両ECU401は、単にセンサで検出したデータをプロセッサ16へ送信することに加え、又は代わりに、センサで検出したデータの判定結果、若しくは/及び解析結果をプロセッサ16へ送信することができる。例えば、移動体が低速走行しているか、又は停止しているかを示す情報をプロセッサ16へ送信してもよい。
【0019】
移動体は、ナビゲーションシステム等からなる道路情報データベース403を含んでいてもよい。道路情報データベース403は、後述する自車位置検出部405から取得される移動体の位置に基づき、移動体が走行する道路情報(走行車線,白線,停止線,横断歩道,道路の幅員,車線数,交差点,カーブ,分岐路,交通規制など)、地物情報(建物、橋、河川など)の、有無、位置(自車両までの距離を含む)、方向(移動体を基準とした方向)、形状、種類、詳細情報などを読み出し、プロセッサ16に送信してもよい。また、道路情報データベース403は、出発地から目的地までの適切な誘導経路を算出し、誘導経路情報としてプロセッサ16に送信してもよい。また、道路情報データベース403は、目的地の位置を示す目的地位置情報をプロセッサ16に送信してもよい。
【0020】
移動体は、GNSS(全地球航法衛星システム)等からなる自車位置検出部405を含んでいてもよい。道路情報データベース403、又は/及び後述する携帯情報端末413は、自車位置検出部405から移動体の位置情報を連続的、断続的、又は所定のイベント毎に取得することで、移動体の周辺の情報を選択、又は/及び生成して、プロセッサ16に送信することができる。
【0021】
移動体は、カメラや赤外線センサ等からなる利用者検出部407を含んでいてもよい。利用者検出部407は、移動体の利用者の有無及び人数を検出し、利用者の人数情報を、プロセッサ16に送信することができる。
【0022】
携帯情報端末413は、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、スマートウォッチ、又は利用者が携帯可能なその他の情報機器である。I/Oインタフェース14は、携帯情報端末413と通信を行うことが可能であり、携帯情報端末413(又は携帯情報端末を通じたサーバ)に記録されたデータを取得する。携帯情報端末413は、例えば、上述の道路情報データベース403及び自車位置検出部405と同様の機能を有し、前記道路情報を取得し、プロセッサ16に送信してもよい。また、携帯情報端末413は、後述する広告データベース415から広告地点を含む広告情報を取得し、プロセッサ16に送信してもよい。また、携帯情報端末413は、移動体内の利用者を計数するために利用者識別情報を、プロセッサ16に送信してもよい。なお、携帯情報端末413は、携帯情報端末413の所持者(例えば、運転者)のスケジュール情報、携帯情報端末413での着信情報、メールの受信情報などをプロセッサ16に送信し、プロセッサ16及び画像処理回路20は、これらに関する画像データを生成又は/及び送信してもよい。
【0023】
広告データベース415は、広告提供システム10を含む広告提供システムの利用に供するための記憶媒体であり、広告の提供を希望する店舗、企業などの団体から得られた広告地点を含む広告情報を格納する。ここで、広告地点とは、店舗などの広告に関するサービスを提供する地点であり、広告情報には広告地点の位置情報と広告地点のジャンル情報を含む。I/Oインタフェース14は、広告データベース415と通信を行うことが可能であり、広告データベース415に記録されたデータを取得する。
【0024】
メモリ18に記憶されたソフトウェア構成要素は、目的地設定モジュール502、広告検出モジュール504、広告提供判定モジュール506、利用人数検出モジュール510、移動体利用料金算出モジュール514、グラフィックモジュール516、及び送信モジュール518、を含む。
【0025】
目的地設定モジュール502は、I/Oインタフェース14を介して前記目的地情報を取得し、移動体の目的地を設定する。
【0026】
広告検出モジュール504は、I/Oインタフェース14を介して目的地設定モジュール502で設定された目的地に応じた広告地点を含む広告情報を取得する。
【0027】
広告提供判定モジュール506は、広告検出モジュール504が取得した広告情報を利用者に提供するか否かを判定する。
【0028】
利用人数検出モジュール510は、I/Oインタフェース14を介して前記人数情報あるいは前記利用者存在情報を取得する。
【0029】
移動体利用料金算出モジュール514は、移動体の利用終了後、移動体利用料金を算出する。この際、広告情報の提供に応じた減額を行ってもよい。
【0030】
グラフィックモジュール516は、表示される画像の、視覚的効果(例えば、輝度、透明度、彩度、コントラスト、又は他の視覚特性)、サイズ、表示位置、タイミングを変更するための様々な既知のソフトウェア構成要素を含む。グラフィックモジュール516は、広告提供判定モジュール506で提供すると判定された広告情報を示す画像を利用者に視認されるように表示する。
【0031】
送信モジュール518は、移動体利用料金算出モジュール514が算出した移動体利用料金をI/Oインタフェース14を介して送信する。
【0032】
(第1の実施形態)
図2から図4を用いて、第1の実施形態に係る、広告提供システム10及び広告提供方法について説明する。
【0033】
まず、ステップS1において、目的地設定モジュール502は、I/Oインタフェース14を介して操作部12からの前記目的地情報を取得し、前記目的地情報に基づいて移動体(利用者)の目的地を設定する。目的地設定モジュール502は、前記目的地情報に含まれる目的地のジャンル情報から、あるいは前記目的地情報から目的地のジャンルを判定することで、目的地のジャンルを取得する。
【0034】
次に、ステップS2において、広告検出モジュール504は、I/Oインタフェース14を介して目的地設定モジュール502で設定された目的地に応じた広告地点を含む広告情報を取得する。ここで、目的地に応じた広告地点の一例としては、目的地からの距離が所定値以内である、目的地と同じ通りに面している、など目的地との間で所定の位置関係を満たす地点である。
【0035】
次に、ステップS3において、広告提供判定モジュール506は、広告検出モジュール504が取得した広告情報を利用者に提供するか否かを所定の広告提供条件に基づいて判定する。ここで、広告提供条件としては、利用者の年齢や性別、趣味嗜好、目的地のジャンル、到着予定時刻、同時表示個数のほか、利用者に予め任意に設定されるその他の条件などを含む。特に、本実施形態においては、広告地点のジャンルが目的地のジャンルと一致しない、あるいは、類似しないことを広告提供条件に含む。例えば、広告検出モジュール504によって取得された複数の広告情報において、広告地点のジャンルが「飲食」、「カフェ」、「観光」、「レジャー」、「休憩」であり、目的地がイタリアンレストランであって、目的地のジャンルが「飲食」である場合を考える。このとき、広告提供判定モジュール506は、ジャンルの一致を判定する場合には、広告地点のジャンルが「飲食」である広告情報は広告提供条件を満たさないと判定し、「カフェ」、「観光」、「レジャー」、「休憩」である広告情報は広告提供条件を満たすと判定してもよい。ジャンルの類似を判定する場合には、広告提供判定モジュールは、広告地点のジャンルが「飲食」、「カフェ」である広告情報は広告条件を満たさないと判定し、「観光」、「レジャー」、「休憩」である広告情報は広告提供条件を満たすと判定してもよい。さらに、グラフィックモジュール516は、広告提供判定モジュール506で提供すると判定された広告情報を示す画像を利用者に視認されるように画像表示部11で表示する。図3は、画像表示部11で提供される広告情報画像の一例を示す。図3の例において、広告情報画像600は、現在位置アイコン601、目的地アイコン602、誘導経路603、及び広告情報アイコン604、605、606を含む。広告情報アイコン604、605、606は、広告情報に含まれる広告地点の目的地アイコン602との相対的な位置関係を示す略逆三角形状のアイコンと、広告のテキスト情報を含む略矩形状のアイコンとを含む。図4は広告情報アイコン605の広告のテキスト情報の一例を示しており、名称、ジャンル、目的地からの距離、移動体利用料金の割引率、評価を含むがこれに限られない。その他に、おすすめの商品やサービス、セールなどの情報が含まれてもよい。また、広告情報の提供は、静止画のほか、動画を含んでもよい。
【0036】
次に、ステップS4において、移動体の利用開始前に、移動体利用料金算出モジュール514は、移動体利用料金を算出する。利用開始前の移動体利用料金の算出は、例えば目的地までの移動予定距離や移動予定時間、エネルギー予定消費量などに基づいて算出される。また、この際、移動体利用料金算出モジュール514は、広告情報の提供に応じた移動体利用料金の減額を行う。すなわち、広告情報の提供があった場合に、移動体利用料金の減額を行う。減額の度合い(減額率や減額の金額など)は一定であっても、広告地点によって異なってもよい。例えば、広告情報の提供数が多いほど減額の度合いが大きくなってもよい。
【0037】
次に、ステップS5において、グラフィックモジュール516は、算出した移動体利用料金を画像表示部11に表示させる(通知する)。また、その他の通知方法として、送信モジュール518は、利用者の携帯情報端末413に移動体利用料金を送信してもよい。利用者は、通知された移動体利用料金を参照し、承諾できる場合に移動体の利用を開始する。
【0038】
次に、ステップS6において、移動体の利用終了後、移動体利用料金算出モジュール514は、移動体利用料金を算出する。利用終了後の移動体利用料金の算出は、例えば目的地までの移動距離や移動時間、エネルギー消費量などに基づいて算出される。この場合、利用終了後の移動体利用料金の金額は、利用終了前の移動体利用料金の金額と異なる場合があってもよい。すなわち、利用終了前の移動体利用料金は見積額であってもよい。また、この際、移動体利用料金算出モジュール514は広告情報の提供に応じた移動体利用料金の減額を行う。すなわち、広告情報の提供があった場合に、移動体利用料金の減額を行う。
【0039】
次に、ステップS7において、送信モジュール518は、算出した移動体利用料金を利用者の携帯情報端末413に送信する。利用者は、携帯情報端末413を操作して、公知の決済アプリなどによって移動体利用料金の決済を行う。
【0040】
(第2の実施形態)
さらに、第2の実施形態に係る、広告提供システム10及び広告提供方法について説明する。
【0041】
ステップS1については、前述の第1の実施形態と同様である。
【0042】
ステップS41において、利用人数検出モジュール510は、I/Oインタフェース14を介して利用者検出部407あるいは携帯情報端末413から前記人数情報を取得する。利用者検出部407は、利用者の検出及び計数を行って前記人数情報を提供してもよく、利用者の検出情報を提供して利用人数検出モジュール510が利用者を計数して前記人数情報を取得してもよい。携帯情報端末413は、利用者識別情報を提供し、利用者人数検出モジュールが利用者を計数して前記人数情報を取得してもよい。
【0043】
ステップS2については、前述の第1の実施形態と同様である。
【0044】
ステップS3において、広告提供判定モジュール506は、広告検出モジュール504が取得した広告情報を利用者に提供するか否かを所定の広告提供条件に基づいて判定する。ここで、第2の実施形態においては、広告提供判定モジュール506は、ステップS41で取得した前記人数情報に基づいて利用者が複数であるか否かを判定し、複数であると判定されると、広告地点のジャンルが目的地のジャンルと一致しない、あるいは類似しないことを広告提供条件に加える。反対に利用者が複数でないと判定されると、広告提供条件は追加されず、広告地点のジャンルが目的地のジャンルと一致する、あるいは類似する広告も提供され得る。さらに、グラフィックモジュール516は、広告提供判定モジュール506で提供すると判定された広告情報を示す画像を利用者に視認されるように画像表示部11で表示する。
【0045】
ステップS4からS7については、前述の第1の実施形態と同様である。
【0046】
(第3の実施形態)
次に、図5及び図6も用いて、第3の実施形態に係る、広告提供システム10及び広告提供方法について説明する。
【0047】
まず、ステップS1において、目的地設定モジュール502は、I/Oインタフェース14を介して操作部12からの前記目的地情報を取得し、前記目的地情報に基づいて移動体(利用者)の目的地を設定する。ここで、第3の実施形態においては、目的地は複数設定可能である。例えば、利用者は操作部12を操作して複数の前記目的地情報を入力可能であり、目的地設定モジュール502は、複数の前記目的地情報に基づいて複数の目的地を設定する。目的地設定モジュール502は、前記目的地情報に含まれる目的地のジャンル情報から、あるいは前記目的地情報から目的地のジャンルを判定することで、目的地のジャンルを取得する。
【0048】
次に、ステップS2において、広告検出モジュール504は、I/Oインタフェース14を介して目的地設定モジュール502で設定された目的地に応じた広告地点を含む広告情報を取得する。目的地が複数設定された場合は、目的地の各々に応じた広告地点を含む広告情報を取得する。
【0049】
次に、ステップS3において、広告提供判定モジュール506は、広告検出モジュール504が取得した広告情報を利用者に提供するか否かを所定の広告提供条件に基づいて判定する。ここで、第3の実施形態においては、目的地設定モジュール502で設定された目的地が複数であるか否かを判定し、複数である場合に、複数の目的地の間に位置する広告地点に関することを広告提供条件に加える。図5は、画像表示部11で提供される広告情報画像の一例を示す。図6は、複数の目的地と広告地点との地図上の位置関係を示す。図5の例において、広告情報画像700は、現在位置アイコン701、目的地アイコン702及び703、誘導経路704、及び広告情報アイコン705及び706を含む。広告情報アイコン705、706は、広告情報に含まれる広告地点の目的地アイコン702、703との相対的な位置関係を示す略逆三角形状のアイコンと、広告のテキスト情報を含む略矩形状のアイコンとを含む。図5の例においては、図6の示すように複数の目的地702A、703Aに各々定められる隣接エリアA1、A2が交わるエリアを中間エリアA3とし、中間エリアA3内に位置する広告地点705A、706Aに関する広告情報(広告情報アイコン705、706)が提供されている。なお、「複数の目的地の間に位置する」条件としては、上記のほか、現在位置701Aから最終の目的地702Aまでの誘導経路704Aのうち、目的地702A、703A間を結ぶ部分に隣接している、当該部分から所定回数以下の右左折で到達できる、1つの目的地703Aから広告地点を経由して次の目的地702Aまで到達するまでの予測時間が所定時間以内である、などであってもよく、実施の形態に限定されるものではない。
【0050】
いくつかの実施形態における、広告提供システム10及び広告提供方法は、
目的地を設定し、
前記目的地に応じた広告地点を含む広告情報を取得し、
前記目的地のジャンルと前記広告地点のジャンルとの一致あるいは類似を判定し、
前記目的地のジャンルと一致しないあるいは類似しないジャンルの前記広告地点を含む前記広告情報を提供する。
【0051】
これによれば、移動の本来の目的と一致しない、あるいは類似しない附帯的な目的となり得る広告情報のみが提供される。したがって、利用者にとって途中の立ち寄り先として広告地点を加えやすく、広告料を負担する広告主にとって十分な広告効果を得ることができ、利用者と広告主との双方にとって利便性が高い適切な広告情報を提供することができる。
【0052】
また、いくつかの実施形態における、広告提供システム10及び広告提供方法は、
前記広告情報を知覚しうる利用者の人数情報をさらに取得し、
前記人数情報が所定の閾値以下である場合に、前記目的地のジャンルと一致するあるいは類似するジャンルの前記広告地点を含む前記広告情報を提供する。
【0053】
これによれば、目的地の再設定にかかる労力が大きいと考えられる、移動体の利用者人数が一定数より多い場合には、提供される広告情報を目的地のジャンルと一致しない、あるいは類似しない広告地点に関するものに制限することができ、利用者が目的地の再協議を要することがない。他方、目的地の再設定にかかる労力が低いと考えられる、移動体の利用人数が一定数以下である場合には、目的地のジャンルと一致あるいは類似するジャンルの広告地点に関する広告情報も提供する。したがって、利用者にとっては移動する人数に好適な広告情報が提供され、広告主にとっては更なる広告効果を得ることができ、利用者と広告主との双方にとって利便性が高いより適切な広告情報を提供することができる。
【0054】
また、いくつかの実施形態における、広告提供システム10及び広告提供方法は、
前記目的地を複数設定可能であり、前記目的地を複数設定する場合に前記目的地の間に位置する前記広告地点を含む前記広告情報を提供する。
【0055】
これによれば、複数の目的地への移動中に接近する広告地点に関する広告情報を優先して提供する。したがって、利用者にとっては附帯的な目的地として追加しやすく、広告主にとっては更なる広告効果を得ることができ、利用者と広告主との双方にとって利便性が高いより適切な広告情報を提供することができる。
【符号の説明】
【0056】
10 広告提供システム
11 画像表示部
12 操作部
13 制御装置
14 I/Oインタフェース
16 プロセッサ
18 メモリ
20 画像処理回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6