(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】配管接続判定装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20240110BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240110BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20240110BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B41J2/175 503
B41J2/01 451
B41J2/01 401
B41J2/175 111
B41J2/175 121
B41J2/175 167
B41J2/175 175
B41J2/175 501
B05C5/00 101
B05C11/00
(21)【出願番号】P 2020052800
(22)【出願日】2020-03-24
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】佐山 晴基
【審査官】小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-203527(JP,A)
【文献】特開2011-201298(JP,A)
【文献】特開2003-113969(JP,A)
【文献】特開2001-199083(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109501464(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
B05C 5/00
B05C 11/00
F17D 1/00-5/08
F24F 11/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1配管を有し、前記複数の第1配管の一端にそれぞれ設けられた同一形態の被結合部が予め定められた箇所に並設された第1対象品と、
複数の第2配管を有し、前記複数の第2配管の一端にそれぞれ設けられた同一形態の結合部が前記複数の被結合部の何れにも結合可能である第2対象品と、
前記複数の被結合部にそれぞれ設けられ、当該複数の被結合部ごとに予め定められた互いに異なる色の光をそれぞれ出力する複数の発光部と、
前記複数の結合部にそれぞれ設けられ、前記被結合部と前記結合部とが結合された状態において当該結合された状態の被結合部の前記発光部からの光を受光する複数の受光部と、
前記複数の被結合部ごとの前記発光部の発光色を予め記憶すると共に、前記複数の結合部ごとの前記受光部が受光すべき規定色を予め記憶する記憶部と、
前記複数の受光部ごとの受光色をそれぞれ特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記複数の受光部ごとの前記受光色と、前記記憶部に記憶された前記複数の受光部ごとの前記規定色とが一致するか否かを、前記複数の受光部ごとに判定する判定部と、
表示部と、
前記複数の受光部の全てについて前記受光色と前記規定色が一致すると前記判定部が判定した場合に、前記複数の結合部の接続が全て正常である旨を前記表示部に表示させ、前記複数の受光部のうちで少なくとも一つの受光部について前記受光色と前記規定色が一致しないと前記判定部が判定した場合に、前記規定色と一致しないと前記判定部が判定した前記受光部を有する前記結合部の接続が異常である旨を前記表示部に表示させる制御部と、を備える配管接続判定装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の受光部のうちで少なくとも一つの前記受光部について前記受光色と前記規定色が一致しないと前記判定部が判定した場合に、前記受光色と前記規定色が一致しないと前記判定部が判定した前記受光部を有する前記結合部の接続が異常である旨を前記表示部に表示させると共に、当該接続が異常であるとされた前記結合部の正しい接続先を示す作業示唆表示を前記表示部に表示させる請求項1に記載の配管接続判定装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数の受光部のうちで一部の受光部について前記受光色と前記規定色が一致すると前記判定部が判定した場合に、当該一部の受光部を有する前記結合部の接続が正常である旨を前記表示部に表示させる請求項1に記載の配管接続判定装置。
【請求項4】
前記記憶部は、赤、緑及び青の3つの信号の組み合わせを示す複数の受光パターンが予め記憶され、
前記特定部は、前記受光部が受光した光の3原色である赤、緑及び青の3つの受光強度信号と、前記記憶部に予め記憶された前記複数の受光パターンとのマッチングにより、前記受光部の前記受光色を特定する請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の配管接続判定装置。
【請求項5】
前記特定部は、前記受光部が受光した前記3つの受光強度信号が全て、予め定められた閾値以下である場合に、前記受光色を特定することなく、当該受光部が受信不可であると特定し、
前記制御部は、前記特定部が受信不可であると特定した前記受光部を有する前記結合部の接続が未接続である旨を前記表示部に表示させる請求項4に記載の配管接続判定装置。
【請求項6】
前記結合部は、常時閉状態である開閉部を備え、
前記開閉部は、前記制御部からの開信号に基づいて閉状態から開状態に切り替わるものであり、
前記制御部は、前記複数の受光部のうちで前記受光色と前記規定色が一致すると前記判定部が判定した前記受光部を有する前記結合部の前記開閉部に開信号を供給することにより当該開閉部を前記開状態に切り替え、前記複数の受光部のうちで前記受光色と前記規定色が一致しないと前記判定部が判定した前記受光部を有する前記結合部の前記開閉部に開信号を供給せず、当該開閉部を前記開状態に切り替えない請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の配管接続判定装置。
【請求項7】
前記被結合部及び前記結合部は、常時閉状態である開閉部をそれぞれ備え、
前記開閉部は、前記制御部からの開信号に基づいて閉状態から開状態に切り替わるものであり、
前記制御部は、前記複数の受光部のうちで前記受光色と前記規定色が一致すると前記判定部が判定した前記受光部を有する前記結合部の前記開閉部及び当該結合部が結合した前記被結合部の前記開閉部に開信号を供給することにより当該両方の開閉部を前記開状態に切り替え、前記複数の受光部のうちで前記受光色と前記規定色が一致しないと前記判定部が判定した前記受光部を有する前記結合部の前記開閉部及び当該結合部が結合した前記被結合部の前記開閉部に開信号を供給せず、当該両方の開閉部を前記開状態に切り替えない請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の配管接続判定装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記複数の受光部の全てについて前記受光色と前記規定色が一致すると前記判定部が判定した場合に、前記複数の結合部の前記開閉部及び前記複数の被結合部の前記開閉部に開信号を供給することにより当該両方の開閉部を前記開状態に切り替え、前記複数の受光部のうちで前記受光色と前記規定色が一致しないと前記判定部が判定した前記受光部を有する場合に、前記複数の結合部の前記開閉部及び前記複数の被結合部の前記開閉部に開信号を供給せず、当該両方の開閉部を前記開状態に切り替えない請求項7に記載の配管接続判定装置。
【請求項9】
ユーザーによって操作される操作部と、
前記操作部を介したユーザーからの操作入力を受け付ける操作受付部と、
ユーザーによる前記操作部に対するメンテナンス操作が前記操作受付部に受け付けられると、メンテナンスモードに設定するモード設定部と、を更に備え、
前記モード設定部により前記メンテナンスモードが設定されている場合に、前記特定部は、前記複数の受光部ごとの前記受光色をそれぞれ特定し、前記判定部は、前記特定部が特定した前記複数の受光部ごとの前記受光色と、前記記憶部に記憶された前記複数の受光部ごとの前記規定色とが一致するか否かを、前記複数の受光部ごとに判定し、前記制御部は、前記複数の受光部の全てについて前記受光色と前記規定色が一致すると前記判定部が判定した場合に、前記複数の結合部の接続が全て正常である旨を前記表示部に表示させ、前記複数の受光部のうちで少なくとも一つの前記受光部について前記受光色と前記規定色が一致しないと前記判定部が判定した場合に、前記受光色と前記規定色が一致しないと前記判定部が判定した前記受光部を有する前記結合部の接続が異常である旨を前記表示部に表示させ、
前記モード設定部により前記メンテナンスモードが設定されていない場合に、前記制御部は、予め定められた確認タイミングにおいて前記複数の発光部と前記複数の受光部を動作させ、前記特定部において前記受光部の前記受光色を特定できない、又は、前記受光部からの受光強度信号が予め定められた閾値以下であると、前記複数の受光部のうちで前記受光色を特定できない前記受光部又は前記受光強度信号が前記予め定められた閾値以下である前記受光部又はこれに対応する前記発光部が異常である旨を前記表示部に表示させる請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の配管接続判定装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の配管接続判定装置と、
複数色のインクを記録紙上に吐出するインクジェットヘッドと、を備える画像形成装置であって、
前記第2対象品は、インク供給コンテナと、当該インク供給コンテナからインクを送り出すためのインク供給ポンプと、当該インク供給ポンプに他端が接続された前記第2配管とが、予め定められた複数色毎に用意されたインク供給部であり、
前記第1対象品は、前記インク供給部からの複数色のインクをそれぞれ貯留する複数のインク保存タンクと、当該複数のインク保存タンクに他端が接続された前記複数の第1配管とを有するインクタンクユニットであり、
前記インクタンクユニットは、前記複数のインク保存タンクからの複数色のインクを前記インクジェットヘッドに供給する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管接続判定装置および画像形成装置に関し、特に、配管接続の正誤を判定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーインクジェット方式の画像形成装置では、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの4色のインクが用いられる。上記の画像形成装置は、インク供給コンテナと当該インク供給コンテナからインクを送り出すためのインク供給ポンプとが色毎に用意されたインク供給部と、当該インク供給部からの各色のインクを一時的にそれぞれ貯留する各色のインク保存タンクを有するインクタンクユニットと、当該インクタンクユニットからの各色のインクを記録紙上に吐出するインクジェットヘッドとを備える。
【0003】
カラーインクジェット方式の画像形成装置では、インク配管及びジョイントを含むインク流路については、物理的観点から各色で同じ流路抵抗とする必要がある。また製造的観点から、インク配管及びジョイントを色毎に異なる形態にすることで設計負担及び製造負担が増大することを避けるために、インク配管及びジョイントを同一形態とすることが要求されている。これにより、インクタンクユニットの予め定められた箇所に、同一形態とされた各色のジョイントが纏めて並設されている。このように、各色のジョイントが同一形態でかつ纏めて並設されている構造下では、インク供給部からの配管先端のジョイントが、インクタンクユニット側のジョイントにきっちり結合されていないことがある。そこで、下記特許文献1に示される画像形成装置では、ジョイントの結合の有無を検出する検出部を備え、ジョイントの結合不良を防止することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インクタンクユニットの交換、メンテナンスの作業、又は、輸送専用液が充填されたインクタンクユニットから輸送専用液を排出して正規のインクを充填するためのインク入れ替え作業において、ジョイントを手作業にて切替えて流路を変更する作業が行われることがあり、ジョイントの未接続又は誤接続が発生することがある。
【0006】
上記の特許文献1に記載されている画像形成装置では、ジョイントの結合の有無に基づいて、ジョイントの未接続が検出されるだけであり、異なる色のジョイントが結合されたこと、すなわちジョイントの誤接続が検出できない。このため、ジョイント結合の間違いをユーザーに知らせることができない。また、ジョイントの誤接続を検出できずに、上記の作業を継続した場合に、ジョイントを繋ぎ直すだけでは済まず、対象接続ユニット(例えばインクタンクユニット)又はその先のユニット(例えばインクジェットヘッド)まで多大な改修作業を要することになる。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、ジョイントの誤接続を検出することができ、ジョイント結合の間違いをユーザーに知らせることを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に係る配管接続判定装置は、複数の第1配管を有し、前記複数の第1配管の一端にそれぞれ設けられた同一形態の被結合部が予め定められた箇所に並設された第1対象品と、複数の第2配管を有し、前記複数の第2配管の一端にそれぞれ設けられた同一形態の結合部が前記複数の被結合部の何れにも結合可能である第2対象品と、前記複数の被結合部にそれぞれ設けられ、当該複数の被結合部ごとに予め定められた互いに異なる色の光をそれぞれ出力する複数の発光部と、前記複数の結合部にそれぞれ設けられ、前記被結合部と前記結合部とが結合された状態において当該結合された状態の被結合部の前記発光部からの光を受光する複数の受光部と、前記複数の被結合部ごとの前記発光部の発光色を予め記憶すると共に、前記複数の結合部ごとの前記受光部が受光すべき規定色を予め記憶する記憶部と、前記複数の受光部ごとの受光色をそれぞれ特定する特定部と、前記特定部が特定した前記複数の受光部ごとの前記受光色と、前記記憶部に記憶された前記複数の受光部ごとの前記規定色とが一致するか否かを、前記複数の受光部ごとに判定する判定部と、表示部と、前記複数の受光部の全てについて前記受光色と前記規定色が一致すると前記判定部が判定した場合に、前記複数の結合部の接続が全て正常である旨を前記表示部に表示させ、前記複数の受光部のうちで少なくとも一つの受光部について前記受光色と前記規定色が一致しないと前記判定部が判定した場合に、前記規定色と一致しないと前記判定部が判定した前記受光部を有する前記結合部の接続が異常である旨を前記表示部に表示させる制御部と、を備えるものである。
【0009】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、上記の配管接続判定装置と、複数色のインクを記録紙上に吐出するインクジェットヘッドと、を備える画像形成装置であって、前記第2対象品は、インク供給コンテナと、当該インク供給コンテナからインクを送り出すためのインク供給ポンプと、当該インク供給ポンプに他端が接続された前記第2配管とが、予め定められた複数色毎に用意されたインク供給部であり、前記第1対象品は、前記インク供給部からの複数色のインクをそれぞれ貯留する複数のインク保存タンクと、当該複数のインク保存タンクに他端が接続された前記複数の第1配管とを有するインクタンクユニットであり、前記インクタンクユニットは、前記複数のインク保存タンクからの複数色のインクを前記インクジェットヘッドに供給するものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、ジョイントの誤接続を検出することができ、ジョイント結合の間違いをユーザーに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る配管接続判定装置を含む画像形成装置の構成を示した模式的な断面正面図である。
【
図2】第1実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
【
図3】画像記録部の各色のインク流路と制御ユニットによる各色のインク流路の配管接続判定構成を概略的に示した図である。
【
図4】インクタンクユニットのイエロー用の第1配管の被ジョイントとインク供給部のイエロー用の第2配管のジョイントとの接続を判定する構成を概略的に示した図である。
【
図5】(A)はインクタンクユニットの各色用の発光部とインク供給部の各色用の受光部との対応関係を示す記憶テーブルを示した図、(B)は別例の記憶テーブルを示した図である。
【
図6】第1実施形態に係る画像形成装置の制御ユニットで行われる処理の一例を示したフローチャートである。
【
図8】(A)は判定部による正常の判定結果を示した図、(B)は表示部における正常の表示画面の一例を示した図、(C)は別例の正常の判定結果を示した図である。
【
図9】(A)は判定部による異常の判定結果を示した図、(B)は表示部における異常の表示画面の一例を示した図、(C)は別例の異常の判定結果を示した図である。
【
図10】(A)は表示部における正常の表示画面の別例を示した図、(B)は表示部における異常の表示画面の別例を示した図である。
【
図11】第2実施形態に係る画像形成装置におけるインクタンクユニットのイエロー用の第1配管の被ジョイントとインク供給部のイエロー用の第2配管のジョイントとの接続を判定する構成を概略的に示した図である。
【
図12】第2実施形態に係る画像形成装置の制御ユニットで行われる処理の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る配管接続判定装置30および画像形成装置1について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る配管接続判定装置を含む画像形成装置の構成を示した断面正面図である。
図2は、第1実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。画像形成装置1は、カラーインクジェット方式の画像形成装置である。具体的には、画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であり、装置本体11に、操作部47、原稿給送部6、原稿読取部5、画像記録部12、記憶部13、給紙部14、及び用紙搬送部19を含んで構成されている。
【0013】
配管接続判定装置30は、記憶部13、操作部47、及び後述する制御ユニット10により構成されている。
【0014】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について、操作者から、画像記録動作の実行指示等の指示を受け付ける操作パネルである。操作部47は、更に、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。表示部473は、前面にタッチパネルを備える表示装置である。このため、画面表示されるボタンやキーに操作者が触れることで画像形成装置1を操作することができる。
【0015】
画像形成装置1で原稿読取動作が行われる場合について説明する。原稿給送部6により給送されてくる原稿、又はプラテンガラス161に載置された原稿の画像を、原稿読取部5が光学的に読み取り、そして画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは、図略の画像メモリー又は記憶部13に保存される。
【0016】
記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置である。
【0017】
原稿読取部5は、光照射部及びCCD(Charge Coupled Device)センサー等を有する読取機構163を備えており、原稿読取部5は、光源を有する光照射部を使って原稿を照射し、その反射光をCCDセンサーで受光することによって、原稿から画像を読み取る。
【0018】
画像形成装置1で画像記録動作が行われる場合について説明する。原稿読取動作により生成された原稿画像データや、画像メモリー等に記憶されている原稿画像データ、ネットワーク接続されたコンピューターから受信した原稿画像データ等に基づいて、画像記録部12が、給紙部14から給紙され用紙搬送部19により搬送される用紙Pに画像を記録する。
【0019】
給紙部14は、給紙カセット141を備えている。給紙カセット141の上方には、給紙ローラー145が設けられており、給紙ローラー145により給紙カセット141に収容された用紙Pが搬送路190へ向けて繰り出される。
【0020】
また、給紙部14は、装置本体11の壁面に開閉自在に設けられた手差しトレイ142を備えている。手差しトレイ142にセットされた用紙Pは、給紙ローラー146により搬送路190へ向けて繰り出される。
【0021】
用紙搬送部19は、給紙部14から排出トレイ151に向けて用紙Pを搬送する搬送路190、搬送路190の適所に設けられた搬送ローラー対191、及び排出ローラー対192を備えている。
【0022】
給紙部14から給紙された用紙Pは、搬送ローラー対191により搬送路190内を搬送される。また、画像記録部12により画像が記録された用紙Pはフェイスアップで、排紙搬送路193(搬送路190の一部)を通って、排出ローラー対192により排出トレイ151に排出される。
【0023】
また、用紙搬送部19は、排出ローラー対192を用紙搬送方向に対して直角方向へ移動させて、排出トレイ151に排出する用紙Pを用紙幅方向にずらすオフセット機構(図示せず)を有する。
【0024】
画像記録部12は、給紙部14から給紙され搬送路190を搬送される用紙Pに原稿画像データに基づく画像を記録するものであり、駆動ローラー125Aと、従動ローラー125Bと、吸着ローラー126と、テンションローラー127と、搬送ベルト128と、インクジェットヘッド121と、インクタンクユニット122と、インク供給部123とを備える。
【0025】
搬送ベルト128は、無端状のベルトであり、駆動ローラー125A、従動ローラー125B、及びテンションローラー127に架け渡されている。駆動ローラー125Aは、図略のモーターにより反時計回りに回転駆動されるローラーであり、駆動ローラー125Aが回転駆動されることで、搬送ベルト128が反時計回りに走行するとともに、従動ローラー125B及びテンションローラー127が反時計回りに従動的に回転する。
【0026】
テンションローラー127は、搬送ベルト128の緊張状態を適切な状態で保つためのローラーである。吸着ローラー126は、搬送ベルト128に接触した状態で従動ローラー125Bに対向配置されており、搬送ベルト128を帯電させることで、給紙部14から給紙された用紙Pを搬送ベルト128に静電的に吸着させるものである。
【0027】
インクジェットヘッド121は、異なる4色(ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエロー)のインク滴を用紙搬送部19により搬送されてくる用紙Pに向かって吐出し、画像を順次記録する。インクタンクユニット122には、各色に対応したインクが充填され、この各色のインクをインクジェットヘッド121に供給している。インク供給部123は、インクタンクユニット122に各色のインクを供給する。
【0028】
ここで、インクタンクユニット122及びインク供給部123の各色のインク流路等について
図3を用いて説明する。
図3は、画像記録部の各色のインク流路と制御ユニットによる各色のインク流路の配管接続判定構成を概略的に示した図である。
図4は、インクタンクユニットのイエロー用の第1配管の被ジョイントとインク供給部のイエロー用の第2配管のジョイントとの接続を判定する構成を概略的に示した図である。
【0029】
インクタンクユニット122(第1対象品)は、4色のインクをそれぞれ一時的に貯蔵するインク保存タンクST1~ST4と、インク保存タンクST1~ST4毎の第1配管DP1~DP4とを有する。また、インクタンクユニット122は、4本の第1配管DP1~DP4の一端にそれぞれ設けられた同一形態のオス型ジョイントである被ジョイントJM1~JM4(被結合部)が、予め定められた箇所に並設されている。
図3では、4つの被ジョイントJM1~JM4が一直線上に並設されている。また、前記予め定められた箇所における、4つの被ジョイントJM1~JM4に対応する箇所には、第1配管DP1~DP4の種類又はイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びブラック(Bk)といったインクの色を示すネームプレートが取り付けられている。なお、4つの被ジョイントJM1~JM4は、縦横2列に纏めて並設されているとしてもよい。4本の第1配管DP1~DP4の他端には、インク保存タンクST1~ST4がそれぞれ接続されている。なお、被ジョイントJM1~JM4を単に被ジョイントJMと呼ぶことがある。
【0030】
インク供給部123(第2対象品)は、イエロー用のインク供給コンテナCT1、シアン用のインク供給コンテナCT2、マゼンタ用のインク供給コンテナCT3、及びブラック用のインク供給コンテナCT4と、イエロー用のインク供給ポンプFP1、シアン用のインク供給ポンプFP2、マゼンタ用のインク供給ポンプFP3、及びブラック用のインク供給ポンプFP4と、4つのインク供給ポンプFP1~FP4ごとの第2配管UP1~UP4とを備える。第2配管UP1~UP4の一端にそれぞれ設けられたメス型ジョイントであるジョイントJF1~JF4(結合部)は、同一形態であり、インクタンクユニット122側の4つの被ジョイントJM1~JM4の何れにも結合可能である。なお、第2配管UP1~UP4は、ジョイントJF1~JF4の近傍箇所に、当該配管の種類又はイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びブラック(Bk)といったインクの色を示すネームプレートが取り付けられている。
【0031】
被ジョイントJM1~JM4及びジョイントJF1~JF4をそれぞれ同一形態としている理由は、インクの色毎にジョイントを異なる形態にして設計負担及び製造負担が増大することを回避することができるからである。なお、ジョイントJF1~JF4を単にジョイントJFと呼ぶことがある。
【0032】
なお、第2配管UP1~UP4はそれぞれ同じ流路長さとなっており、ジョイントJF1~JF4はそれぞれ同一形態であり、被ジョイントJM1~JM4はそれぞれ同一形態であり、第1配管DP1~DP4はそれぞれ同じ流路長さとなっている。このため、各色のインク流路の長さは互いに等しくなっている。
【0033】
4つの被ジョイントJM1~JM4には、複数の色の光のうちで予め定められた色の光を出力可能な発光部T1~T4が、それぞれ設けられている。例えば、発光部T1~T4は、被ジョイントJM1~JM4の外周部のうちで予め定められた箇所にそれぞれ配置されている。4つの発光部T1~T4は、後述する制御部100からの発光制御信号に従って、被ジョイントJM1~JM4ごとに予め定められた互いに異なる色の光をそれぞれ出力する。例えば、発光部T1は黄色、発光部T2は青色、発光部T3は赤色、発光部T4は紫色に発光する。
【0034】
具体的には、発光部T1~T4は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の各発光素子を有するカラー発光ダイオードであり、3つの発光素子の発光パターンに応じて、任意の色の発光が可能である。例えば、R(赤)の発光素子とG(緑)の発光素子とが発光し、B(青)の発光素子が非発光である発光パターンであれば、黄色で発光する。また、B(青)の発光素子のみが発光する発光パターンであれば、青色で発光する。R(赤)の発光素子のみが発光する発光パターンであれば、赤色で発光する。R(赤)の発光素子とB(青)の発光素子とが発光し、G(緑)の発光素子が非発光である発光パターンであれば、紫色で発光する。なお、発光部T1~T4を単に発光部Tと呼ぶことがある。
【0035】
制御部100は、第1ケーブル、中継コネクタURC、中継コネクタDRC及び第2ケーブルを経て、各発光部T1~T4に発光制御信号を出力している。
【0036】
4つのジョイントJF1~JF4には、R(赤)、G(緑)及びB(青)の各受光素子を有するRGBカラーセンサーなどの受光部R1~R4がそれぞれ設けられている。例えば、受光部R1は、ジョイントJF1の外周部のうちで、被ジョイントJM1とジョイントJF1とが結合された状態において当該結合された状態の被ジョイントJM1の発光部T1に対向する位置に配置されており、発光部T1からの黄色の光を受光する。なお、受光部R2~R4についても、受光部R1と同様に配置されている。受光部R2は発光部T2からの青色の光を、受光部R3は発光部T3からの赤色の光を、受光部R4は発光部T4からの紫色の光を受光する。なお、受光部R1~R4を単に受光部Rと呼ぶことがある。
【0037】
制御ユニット10には、
図3に示すように、受光部R1~R4からの各信号線L1~L4がそれぞれ接続されている。信号線L1は、
図4に示すように、赤色の光の受信強度信号を伝達する赤色用信号線LR1と、緑色の光の受信強度信号を伝達する緑色用信号線LG1と、青色の光の受信強度信号を伝達する青色用信号線LB1とからなる。残りの信号線L2~L4についても、信号線L1と同様に、3つの信号線からなる。後述する特定部103は、各受光部R1~R4からの光の3原色である赤、緑及び青の3つの受光強度信号を用いて、受光部R1~R4ごとの受光色をそれぞれ特定する。
【0038】
画像形成装置1は、
図2に示すように、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像記録部12、給紙部14、用紙搬送部19、クリーニング部22、操作部47、及びネットワークインターフェイス部91を備える。なお、
図1に示した画像形成装置1と同様の構成部分については同符号を付し、ここではその詳しい説明を省略する。
【0039】
給紙部14及び用紙搬送部19は、それぞれローラー駆動部14A,19Aを備える。ローラー駆動部14A,19Aは、モーター、ギア、ドライバー等から構成され、ローラー駆動部14Aは、給紙ローラー145,146に回転駆動力を付与する駆動源として機能を果たす。ローラー駆動部19Aは、搬送ローラー対191及び排出ローラー対192の駆動ローラーに回転駆動力を付与する駆動源として機能を果たす。
【0040】
クリーニング部22は、画像記録部12が有するインクジェットヘッド121をクリーニングする。クリーニング部22は、例えば、洗浄液を吸収させたクリーニングローラーを備え、当該クリーニングローラーにより、各インクジェットヘッド121のノズル面に付着したインクを拭き取る構成とされる。
【0041】
ネットワークインターフェイス部91は、通信モジュールを備える通信インターフェイスであり、ローカルエリア内、又はインターネット上のパソコンやサーバー等の外部装置20と種々のデータの送受信を行うものである。
【0042】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、操作受付部101と、モード設定部102と、特定部103と、判定部104とを備えている。
【0043】
制御ユニット10は、内蔵する不揮発性メモリー等に記憶されている制御プログラムに従って上記プロセッサーが動作することにより、制御部100、操作受付部101、モード設定部102、特定部103、及び判定部104として機能するものである。但し、制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0044】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像記録部12、記憶部13、給紙部14、用紙搬送部19、クリーニング部22、操作部47、及びネットワークインターフェイス部91と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。
【0045】
操作受付部101は、操作部47を介したユーザーからの操作入力を受け付ける。例えば、操作受付部101が、印刷ジョブ(例えば、コピーやプリント)を実行させるユーザー指示を受け付けると、制御部100は、ユーザーにより指示された原稿画像データに基づいて、給紙部14、用紙搬送部19、及び画像記録部12の動作を制御して、給紙部14が給紙した用紙Pに画像を記録させる。
【0046】
記憶部13は、4つの被ジョイントJM1~JM4ごとの発光部T1~T4の発光色と、4つのジョイントJF1~JF4ごとの受光部R1~R4が受光すべき規定色とを予め記憶している。
図5(A)は、インクタンクユニットの各色用の発光部とインク供給部の各色用の受光部との対応関係を示す記憶テーブルを示した図である。記憶部13は、
図5(A)に示す記憶テーブルTBを備えている。記憶テーブルTBには、インクの流路の種類と、発光部と、発光部の発光色と、受光部と、規定色とが対応付けて記憶されている。
【0047】
具体的には、記憶テーブルTBには、イエローのインクの流路を示す「Y」と、発光部T1を示す「T1」と、発光部T1の発光色を示す「黄色」と、受光部R1を示す「R1」と、規定色を示す「黄色」と、が対応付けられ、シアンのインクの流路を示す「C」と、発光部T2を示す「T2」と、発光部T2の発光色を示す「青色」と、受光部R2を示す「R2」と、規定色を示す「青色」と、が対応付けられ、マゼンタのインクの流路を示す「M」と、発光部T3を示す「T3」と、発光部T3の発光色を示す「赤色」と、受光部R3を示す「R3」と、規定色を示す「赤色」と、が対応付けられ、ブラックのインクの流路を示す「Bk」と、発光部T4を示す「T4」と、発光部T4の発光色を示す「紫色」と、受光部R4を示す「R4」と、規定色を示す「紫色」と、が対応付けられて、それぞれ記憶されている。
【0048】
なお、
図5(A)に示す記憶テーブルTBでは、インクの流路の種類と、発光部と、発光部の発光色と、受光部と、規定色とが対応付けて記憶されているが、これに限定されない。例えば、
図5(B)に示す別例の記憶テーブルTBを採用してもよい。
図5(B)は別例の記憶テーブルを示した図である。発光部T1~T4はインクの色毎に識別番号として「TX01」、「TX02」、「TX03」、「TX04」がそれぞれ付与されており、
図5(B)に示す別例の記憶テーブルTBでは、発光部に替えて識別番号(「TX01」、「TX02」、「TX03」、「TX04」)を記憶している。また、受光部R1~R4はインクの色毎に識別番号として「RX01」、「RX02」、「RX03」、「RX04」がそれぞれ付与されており、
図5(B)に示す別例の記憶テーブルTBでは、受光部に替えて識別番号(「RX01」、「RX02」、「RX03」、「RX04」)を記憶している。
【0049】
特定部103は、4つの受光部R1~R4ごとの受光色をそれぞれ特定する。例えば、記憶部13は、
図5(A)に示す記憶テーブルTBに記憶された各規定色に対応する赤、緑及び青の3つの信号の組み合わせを示す複数の受光パターンが予め記憶されている。特定部103は、受光部R1からの光の3原色である赤、緑及び青の3つの受光強度信号、すなわち、受光部R1のR(赤)、G(緑)及びB(青)の各受光素子からの受光強度信号と、記憶部13に予め記憶された複数の受光パターンとのマッチングにより、受光部R1の受光色を特定する。なお、特定部103は、受光部R2~R4についても、上記受光部R1の場合と同様に受光部R2~R4の受光色を特定する。
【0050】
具体的には、特定部103は、R(赤)の受信強度信号とG(緑)の受信強度信号とが予め定められた閾値を超えた値であり、B(青)の受信強度信号が予め定められた閾値以下である場合には、記憶部13に記憶された、赤色及び緑色の信号がオンで、かつ、青色の信号がオフである組み合わせを示す黄色の受光パターンと一致することから、黄色の光であると特定する。特定部103は、B(青)の受信強度信号が予め定められた閾値を超えた値であり、R(赤)の受信強度信号とG(緑)の受信強度信号とが予め定められた閾値以下である場合には、記憶部13に記憶された、青色の信号がオンで、かつ、赤色及び緑色の信号がオフである組み合わせを示す青色の受光パターンと一致することから、青色の光であると特定する。特定部103は、R(赤)の受信強度信号が予め定められた閾値を超えた値であり、G(緑)の受信強度信号とB(青)の受信強度信号とが予め定められた閾値以下である場合には、記憶部13に記憶された、赤色の信号がオンで、かつ、緑色及び青色の信号がオフである組み合わせを示す赤色の受光パターンと一致することから、赤色の光であると特定する。特定部103は、R(赤)の受信強度信号とB(青)の受信強度信号とが予め定められた閾値を超えた値であり、G(緑)の受信強度信号が予め定められた閾値以下である場合には、記憶部13に記憶された、赤色及び青色の信号がオンで、かつ、緑色の信号がオフである組み合わせを示す紫色の受光パターンと一致することから、紫色の光であると特定する。
【0051】
判定部104は、特定部103が特定した受光部R1~R4ごとの受光色と、記憶部13に記憶された受光部R1~R4ごとの規定色とが一致するか否かを、受光部R1~R4ごとに判定する。
【0052】
制御部100は、受光部R1~R4の全てについて判定部104が一致すると判定した場合に、ジョイントJF1~JF4の接続が全て正常である旨を表示部473に表示させる。一方、制御部100は、受光部R1~R4のうちで少なくとも一つの受光部Rについて判定部104が一致しないと判定した場合に、判定部104が一致しないと判定した受光部Rを有するジョイントJFの接続が異常である旨を表示部473に表示させる。
【0053】
制御部100は、受光部R1~R4のうちで少なくとも一つの受光部Rについて判定部104が一致しないと判定した場合に、判定部104が一致しないと判定した受光部Rを有するジョイントJFの接続が異常である旨を表示部473に表示させると共に、当該接続が異常であるとされたジョイントJFの正しい接続先を示す作業示唆表示を表示部473に表示させる。
【0054】
特定部103は、受光部R1からの3つの受光強度信号(R(赤)、G(緑)及びB(青)の各受光素子からの受光強度信号)が全て、予め定められた閾値以下である場合に、受光色を特定することなく、当該受光部R1が受信不可であると特定する。そして、制御部100は、特定部103が受信不可であると特定した受光部R1を有するジョイントJFの接続が未接続である旨を表示部473に表示させる。なお、特定部103は、受光部R2~R4についても、上記受光部R1の場合と同様に、受光部R2~R4が受信不可であるか否かを特定する。制御部100は、特定部103が受信不可であると特定した受光部Rを有するジョイントJFの接続が未接続である旨を表示部473に表示させる。
【0055】
モード設定部102は、ユーザーによる操作部47に対するメンテナンス操作が操作受付部101に受け付けられると、画像形成装置1をメンテナンスモードに設定する。
【0056】
モード設定部102によりメンテナンスモードが設定されている場合に、特定部103は、受光部R1~R4ごとの受光色をそれぞれ特定する。判定部104は、特定部103が特定した受光部R1~R4ごとの受光色と、記憶部13に記憶された受光部R1~R4ごとの規定色とが一致するか否かを、受光部R1~R4ごとに判定する。制御部100は、受光部R1~R4の全てについて判定部104が一致すると判定した場合に、ジョイントJF1~JF4の接続が全て正常である旨を表示部473に表示させ、受光部R1~R4のうちで少なくとも一つの受光部Rについて判定部104が一致しないと判定した場合に、判定部104が一致しないと判定した受光部Rを有するジョイントJFの接続が異常である旨を表示部473に表示させる。
【0057】
一方、モード設定部102によりメンテナンスモードが設定されていない場合に、制御部100は、予め定められた確認タイミング(例えば、1時間ごと、1日ごとなど)において発光部T1~T4と受光部R1~R4を動作させてもよい。そして、特定部103において受光部R1~R4のうちの少なくとも1つの受光部Rの受光色を特定できない、又は、受光部Rからの各受光強度信号が全て予め定められた閾値以下である場合には、受光部R1~R4のうちで受光色を特定できない受光部R又は受光強度信号が全て予め定められた閾値以下である受光部R又はこれに対応する発光部Tが異常である旨を表示部473に表示させる。
【0058】
次に、第1実施形態に係る画像形成装置1の制御ユニット10で行われる処理の一例について、
図6に示したフローチャートに基づいて説明する。
図6は、第1実施形態に係る画像形成装置の制御ユニットで行われる処理の一例を示したフローチャートである。
図7は、操作部の一例を示した図である。
【0059】
制御部100は、
図7に示すメニュー画面G1を表示部473に予め表示させている。メニュー画面G1には、画像形成装置1の各機能にそれぞれ対応付けられた複数のタッチキー61a~61h等を有する。メンテナンスモードに対応するタッチキー61hをユーザーがタッチ操作すると、表示部473が備えるタッチパネルによりタッチキー61hに対するタッチ操作が検出されて、このタッチ操作が操作受付部101で受け付けられる。モード設定部102は、ユーザーによる操作部47に対するメンテナンス操作が操作受付部101に受け付けられると、画像形成装置1をメンテナンスモードに設定する。
【0060】
制御部100は、画像形成装置1がメンテナンスモードであるか否かを判定する(S1)。制御部100は、モード設定部102が画像形成装置1をメンテナンスモードに設定していることから、画像形成装置1がメンテナンスモードに設定されていると判定する(S1でYES)。
【0061】
ここでは、ユーザーによりインクタンクユニット122が交換され、インク供給部123の第2配管UP1~UP4の一端のジョイントJF1~JF4がインクタンクユニット122の被ジョイントJM1~JM4に接続されるというメンテナンス作業が行われたとして説明する。
【0062】
制御部100は、ユーザーによる操作部47に対する接続確認指示を操作受付部102が受け付けたか否かを判定する(S2)。制御部100は、表示部473に「接続確認実行」の操作ボタンを表示させており、「接続確認実行」の操作ボタンへのタッチ操作がされた場合に、操作受付部102が接続確認指示を受け付けたと判定する(S2でYES)。制御部100は、操作受付部102が接続確認指示を受け付けていない場合(S2でNO)、すなわち「接続確認実行」の操作ボタンへのタッチ操作がされていない場合、S2に戻り、接続確認指示を受け付けるまで待機する。
【0063】
一方、判定部104は、操作受付部102が接続確認指示を受け付けると(S2でYES)、接続が正常か否かを判定する(S3)。
【0064】
ここで、接続が正常である場合について、
図8(A)及び
図8(B)を用いて説明する。
図8(A)は、判定部による正常の判定結果を示した図である。
図8(B)は、表示部における正常の表示画面の一例を示した図である。
【0065】
記憶部13は、
図8(A)に示すように、
図5(A)に示した記憶テーブルTBに加えて、特定部103により特定された受光パターン、受光色及び受信レベルと、判定部104による判定結果とが記憶される判定結果テーブルRTBを有している。
【0066】
特定部103は、例えば受光部R1のR(赤)、G(緑)及びB(青)の各受光素子からの受光強度信号を用いて、赤、緑及び青の3つの受光パターンを
図8(A)に示す「受光パターン」の欄に記憶させ、3つの受光強度信号の受信レベルが予め定められた閾値を超えるため、
図8(A)に示す「受光レベル」の欄に「閾値以上」と記憶させる。続いて、特定部103は、
図8(A)に示す受光部R1の「受光パターン」の欄に記憶された「赤:ON,緑:ON,青:OFF」と、記憶部13に予め記憶された規定色が示す受光パターンである「赤:ON,緑:ON,青:OFF」とのマッチングにより、両者が一致すると特定する。そして、特定部103は、受光部R1の受光色を黄色であると特定し、
図8(A)に示す受光部R1の「受光色」の欄に記憶させる。判定部104は、特定部103が特定した受光部R1の受光色である「黄色」と、記憶部13に記憶された受光部R1の規定色である「黄色」とが一致すると判定し、
図8(A)に示す受光部R1の「判定結果」の欄に「正常」と記憶させる。
【0067】
特定部103は、各受光部R2~R4のR(赤)、G(緑)及びB(青)の各受光素子からの受光強度信号を用いて、赤、緑及び青の3つの受光パターンを
図8(A)に示す各受光部R2~R4の「受光パターン」の欄にそれぞれ記憶させ、3つの受光強度信号の受信レベルが予め定められた閾値を超えるため、
図8(A)に示す「受光レベル」の欄に「閾値以上」とそれぞれ記憶させる。判定部104は、特定部103が特定した各受光部R2~R4の受光色である「青色」、「赤色」及び「紫色」と、記憶部13に記憶された受光部R2~R4の規定色である「青色」、「赤色」及び「紫色」とがそれぞれ一致すると判定し、
図8(A)に示す受光部R2~R4の「判定結果」の欄に「正常」とそれぞれ記憶させる。
【0068】
なお、
図5(B)に示す別例の記憶テーブルTBを採用している場合には、
図8(C)に示す別例の正常の判定結果などが記憶される。
【0069】
制御部100は、判定部104においてジョイントJF1~JF4の全ての接続が正常であると判定されると(S3でYES)、
図8(B)に示すように接続正常である旨の表示を表示部473に表示させる(S4)。制御部100は、接続正常である旨の表示として、
図8(B)に示す「接続正常です。」のメッセージM1の表示を表示部473に表示させる。
【0070】
S4のあと、制御部100は、操作受付部102がメンテナンスモードを終了させる終了指示を受け付けたか否かを判定する(S5)。制御部100は、操作受付部102が終了指示を受け付けていない場合(S5でNO)、S5に戻り、終了指示を受け付けるまで待機する。
【0071】
一方、制御部100は、操作受付部102が終了指示を受け付けた場合(S5でYES)、モード設定部102にメンテナンスモードを解除させた後、本処理を終了させる。
【0072】
ところで、S3において、判定部104が、接続が正常でないと判定した場合(S3でNO)、制御部100は、接続異常である旨の表示を表示部473に表示させる(S6)。
【0073】
ここで、接続が異常である場合について、
図9(A)及び
図9(B)を用いて説明する。
図9(A)は、判定部による異常の判定結果を示した図である。
図9(B)は、表示部における異常の表示画面の一例を示した図である。
【0074】
記憶部13は、
図9(A)に示すように、
図5(A)に示した記憶テーブルTBに加えて、特定部103により特定された受光パターン、受光色及び受信レベルと、判定部104による判定結果とが記憶される判定結果テーブルRTBを有している。
【0075】
特定部103は、例えば受光部R1のR(赤)、G(緑)及びB(青)の各受光素子からの受光強度信号を用いて、赤、緑及び青の3つの受光パターンを
図9(A)に示す「受光パターン」の欄に記憶させ、3つの受光強度信号の受信レベルが予め定められた閾値を超えるため、
図9(A)に示す「受光レベル」の欄に「閾値以上」と記憶させる。続いて、特定部103は、
図9(A)に示す受光部R1の「受光パターン」の欄に記憶された「赤:ON,緑:ON,青:OFF」と、記憶部13に予め記憶された規定色が示す受光パターンである「赤:ON,緑:ON,青:OFF」とのマッチングにより、両者が一致すると特定する。そして、特定部103は、受光部R1の受光色を黄色であると特定し、
図9(A)に示す受光部R1の「受光色」の欄に記憶させる。判定部104は、特定部103が特定した受光部R1の受光色である「黄色」と、記憶部13に記憶された受光部R1の規定色である「黄色」とが一致すると判定し、
図9(A)に示す受光部R1の「判定結果」の欄に「正常」と記憶させる。
【0076】
特定部103は、例えば受光部R2のR(赤)、G(緑)及びB(青)の各受光素子からの受光強度信号を用いて、赤、緑及び青の3つの受光パターンを
図9(A)に示す「受光パターン」の欄に記憶させ、3つの受光強度信号の受信レベルが予め定められた閾値を超えるため、
図9(A)に示す「受光レベル」の欄に「閾値以上」と記憶させる。続いて、特定部103は、
図9(A)に示す受光部R2の「受光パターン」の欄に記憶された「赤:ON,緑:OFF,青:OFF」と、記憶部13に予め記憶された規定色が示す受光パターンである「赤:OFF,緑:OFF,青:ON」とのマッチングにより、両者が不一致であると特定する。そして、特定部103は、受光部R2の「受光パターン」の欄に記憶された「赤:ON,緑:OFF,青:OFF」を用いて受光部R2の受光色を赤色であると特定し、
図9(A)に示す受光部R2の「受光色」の欄に記憶させる。判定部104は、特定部103が特定した受光部R2の受光色である「赤色」と、記憶部13に記憶された受光部R2の規定色である「青色」とが不一致であると判定し、
図9(A)に示す受光部R2の「判定結果」の欄に「異常」と記憶させる。
【0077】
特定部103は、例えば受光部R3のR(赤)、G(緑)及びB(青)の各受光素子からの受光強度信号を用いて、赤、緑及び青の3つの受光パターンを
図9(A)に示す「受光パターン」の欄に記憶させ、3つの受光強度信号の受信レベルが予め定められた閾値を超えるため、
図9(A)に示す「受光レベル」の欄に「閾値以上」と記憶させる。続いて、特定部103は、
図9(A)に示す受光部R3の「受光パターン」の欄に記憶された「赤:OFF,緑:OFF,青:ON」と、記憶部13に予め記憶された規定色が示す受光パターンである「赤:ON,緑:OFF,青:OFF」とのマッチングにより、両者が不一致であると特定する。そして、特定部103は、受光部R3の「受光パターン」の欄に記憶された「赤:OFF,緑:OFF,青:ON」を用いて受光部R3の受光色を青色であると特定し、
図9(A)に示す受光部R3の「受光色」の欄に記憶させる。判定部104は、特定部103が特定した受光部R3の受光色である「青色」と、記憶部13に記憶された受光部R3の規定色である「赤色」とが不一致であると判定し、
図9(A)に示す受光部R3の「判定結果」の欄に「異常」と記憶させる。
【0078】
特定部103は、例えば受光部R4のR(赤)、G(緑)及びB(青)の各受光素子からの受光強度信号を用いて、赤、緑及び青の3つの受光パターンを
図9(A)に示す「受光パターン」の欄に記憶させ、3つの受光強度信号の受信レベルが全て予め定められた閾値以下であるため、
図9(A)に示す「受光レベル」の欄に「閾値未満」と記憶させる。続いて、特定部103は、
図9(A)に示す受光部R4の「受光パターン」の欄に記憶された「赤:OFF,緑:OFF,青:OFF」と、記憶部13に予め記憶された規定色が示す受光パターンである「赤:ON,緑:OFF,青:ON」とのマッチングを行わず、受光部R4が受信不可であることを特定し、受光部R4の「受光色」の欄に、未確定であることを示す「-」と記憶させる。判定部104は、特定部103において受光部R4が受信不可であることを特定したため、
図9(A)に示す受光部R4の「判定結果」の欄に「異常」と記憶させる。
【0079】
制御部100は、判定結果の欄に「異常」と記憶された
図9(A)に示す作業内容の欄に、
図5(A)に示す記憶テーブルTBを用いて、作業内容を記憶させる。例えば、制御部100は、受光部R2の受光色が「赤色」であり、規定色である「青色」とは異なる色である(すなわち、色違いである)と判定する。制御部100は、受光部R2については、
図5(A)に示す記憶テーブルTBの「流路の種類」の欄に記載の「C」を用いて、
図9(A)に示す作業内容の欄に、「Cへの接続」とする作業内容を記憶させる。制御部100は、これと同様に、受光部R3については、
図5(A)に示す記憶テーブルTBの「流路の種類」の欄に記載の「M」を用いて、
図9(A)に示す作業内容の欄に、「Mへの接続」とする作業内容を記憶させる。また、制御部100は、特定部103において受光部R4が受信不可であるとの特定結果を用いて、ジョイントJF4については接続不十分であると判定し、
図9(A)に示す作業内容の欄に、「しっかり結合」とする作業内容を記憶させる。
【0080】
上記したように判定部104において接続が正常でないと判定された場合(S3でNO)、制御部100は、
図9(B)に示すように接続異常である旨の表示を表示部473に表示させる(S6)。制御部100は、接続異常である旨の表示として、
図9(B)に示す「接続異常です。」の警告メッセージAM1の表示を表示部473に表示させる。
【0081】
更に、制御部100は、
図9(A)に示す作業内容の欄に記憶された各作業内容を用いて、再接続の対処内容を表示部473に表示させる(S7)。すなわち、制御部100は、接続が異常であるとされたジョイントJFの正しい接続先を示す作業示唆表示として、「被ジョイント(M)に結合されているジョイント(C)を被ジョイント(C)に繋ぎ変えてください。」という作業示唆メッセージAM2と、「被ジョイント(C)に結合されているジョイント(M)を被ジョイント(M)に繋ぎ変えてください。」という作業示唆メッセージAM3と、「ジョイント(Bk)をしっかり結合させてください。」という作業示唆メッセージAM4とを、表示部473に表示させる。
【0082】
なお、
図5(B)に示す別例の記憶テーブルTBを採用している場合には、
図9(C)に示す別例の正常の判定結果などが記憶される。
【0083】
制御部100は、S7のあと、S2に戻る。
【0084】
ところで、モード設定部102が画像形成装置1をメンテナンスモードに設定していない場合には、制御部100は、画像形成装置1がメンテナンスモードに設定されていないと判定し(S1でNO)、予め定められた確認タイミング(例えば、1時間ごと、1日ごとなど)において発光部T1~T4と受光部R1~R4を動作させ、信号受信異常の有無を判定する(S8)。
【0085】
制御部100は、特定部103において受光部R1~R4のうちの少なくとも1つの受光部Rの受光色を特定できない、又は、受光部Rからの各受光強度信号が全て予め定められた閾値以下である場合、信号受信異常の有りであると判定し(S8でYES)、センサー異常の対処内容を表示部473に表示させ(S9)、S1に戻る。例えば、制御部100は、受光部R1~R4のうちで受光色を特定できない受光部R又は受光強度信号が全て予め定められた閾値以下である受光部R又はこれに対応する発光部Tが異常である旨を、表示部473に表示させる。
【0086】
一方、制御部100は、信号受信異常の無しと判定した場合(S8でNO)、S1に戻り、次の前記予め定められた確認タイミングが到来するまで待機する。
【0087】
上記第1実施形態によれば、判定部104は、特定部103が特定した複数の受光部R1~R4ごとの受光色と、記憶部13に記憶された複数の受光部R1~R4ごとの規定色とが一致するか否かを、複数の受光部R1~R4ごとに判定する。制御部100は、複数の受光部R1~R4の全てについて判定部104が一致すると判定した場合に、複数のジョイントJF1~JF4(結合部)の接続が全て正常である旨を表示部473に表示させ、複数の受光部R1~R4のうちで少なくとも一つの受光部Rについて判定部104が一致しないと判定した場合に、判定部104が一致しないと判定した受光部Rを有するジョイントJFの接続が異常である旨を表示部473に表示させる。これにより、ジョイントJF1~JF4の誤接続を検出することができ、ジョイント結合の間違いをユーザーに知らせることができる。
【0088】
特に、インクジェット方式の画像形成装置1では、インク供給部123とインクタンクユニット122とのジョイントJF1~JF4(結合部)の誤接続を検出することができ、ジョイント結合の間違いをユーザーに知らせることができる。
【0089】
また、制御部100は、判定部104が一致しないと判定した受光部Rを有するジョイントJFの接続が異常である旨を表示部473に表示させると共に、当該接続が異常であるとされたジョイントJFの正しい接続先を示す作業示唆表示(
図9(B)参照)を表示部473に表示させる。これにより、ジョイントJF(結合部)の誤接続をどのようにすれば正すことができるのかを、ユーザーに知らせることができる。このため、ジョイントJFの再接続作業の効率を向上させることができる。
【0090】
図10(A)は、表示部における正常の表示画面の別例を示した図である。
図10(B)は、表示部における異常の表示画面の別例を示した図である。制御部100は、
図10(A)及び
図10(B)に示すように、複数の受光部R1~R4のうちで一部の受光部Rについて判定部104が一致すると判定した場合に、当該一部の受光部Rを有するジョイントJFの接続が正常である旨として、例えば正常メッセージNM1~NM4を、表示部473に表示させるようにしてもよい。これにより、ジョイントJF(結合部)の正常接続についても、ユーザーに知らせることができる。
【0091】
また、特定部103は、受光部R1~R4からの光の3原色である赤、緑及び青の3つの受光強度信号と、記憶部13に予め記憶された赤、緑及び青の3つの信号の組み合わせを示す複数の受光パターンとのマッチングにより、受光部R1~R4の受光色を特定する。これにより、受光部R1~R4の受光色を好適に特定することができる。
【0092】
また、特定部103は、受光部Rからの赤、緑及び青の3つの受光強度信号が全て、予め定められた閾値以下である場合に、受光色を特定することなく、当該受光部Rが受信不可であると特定する。制御部100は、特定部103が受信不可であると特定した受光部Rを有するジョイントJFの接続が未接続である旨を表示部473に表示させる。これにより、ジョイントJFの接続が未接続であることを検出することができ、ジョイント結合がされていないことをユーザーに知らせることができる。
【0093】
また、メンテナンスモードにおいて、特定部103は複数の受光部R1~R4ごとの受光色をそれぞれ特定し、判定部104は、特定部103が特定した複数の受光部R1~R4ごとの受光色と、記憶部13に記憶された複数の受光部R1~R4ごとの規定色とが一致するか否かを、複数の受光部R1~R4ごとに判定する。制御部100は、複数の受光部R1~R4の全てについて判定部104が一致すると判定した場合に、複数のジョイントJF1~JF4の接続が全て正常である旨を表示部473に表示させ、複数の受光部R1~R4のうちで少なくとも一つの受光部Rについて判定部104が一致しないと判定した場合に、判定部104が一致しないと判定した受光部Rを有するジョイントJFの接続が異常である旨を表示部473に表示させる。これにより、メンテナンスモードにおいて、ジョイントJF1~JF4(結合部)の誤接続を検出することができ、ジョイント結合の間違いをユーザーに知らせることができる。一方、メンテナンスモード以外では、制御部100は、予め定められた確認タイミングに限って、複数の発光部T1~T4と複数の受光部R1~R4を動作させる。そして、制御部100は、特定部103において受光部Rの受光色を特定できない、又は、受光部R1~R4からの受光強度信号が全て予め定められた閾値以下であると、複数の受光部R1~R4のうちで受光色を特定できない受光部R又は受光強度信号が予め定められた閾値以下である受光部R又はこれに対応する発光部Tが異常である旨を表示部473に表示させる。これにより、発光部T及び受光部R(センサー)の良否を間欠的に確認することができ、発光部T及び受光部Rの異常(センサー異常)を適切に検出することができる。
【0094】
次に、第2実施形態に係る画像形成装置1を説明する。
図11は、第2実施形態に係る画像形成装置におけるインクタンクユニットのイエロー用の第1配管の被ジョイントとインク供給部のイエロー用の第2配管のジョイントとの接続を判定する構成を概略的に示した図である。
【0095】
第2実施形態に係る画像形成装置1では、
図11に示すように、被ジョイントJM1~JM4(被結合部)及びジョイントJF1~JF4(結合部)は、常時閉状態である電磁弁SV(開閉部)をそれぞれ備え、電磁弁SVは、制御部100からの開信号に基づいて閉状態から開状態に切り替わるものであり、制御部100による電磁弁SVの開閉制御が追加されている点が、前述の第1実施形態と相違する。第2実施形態の説明では、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0096】
制御部100は、複数の受光部R1~R4の全てについて判定部104が一致すると判定した場合に、全ての受光部R1~R4のジョイントJF1~JF4の電磁弁SV及び当該ジョイントJF1~JF4が結合した被ジョイントJM1~JM4の電磁弁SVに開信号を供給することにより当該両方の電磁弁SVを開状態に切り替える。一方、制御部100は、複数の受光部R1~R4のうちの1つでも判定部104が一致しないと判定した場合に、全ての受光部R1~R4のジョイントJF1~JF4の電磁弁SV及び当該ジョイントJF1~JF4が結合した被ジョイントJM1~JM4の電磁弁SVに開信号を供給せず、当該両方の電磁弁SVを開状態に切り替えない。
【0097】
第2実施形態に係る画像形成装置1の制御ユニット10で行われる処理の一例について、
図12に示したフローチャートに基づいて説明する。但し、
図12に示したフローチャートは、S4のあとに行うS11が追加されている点を除いて、
図6に示したフローチャートと同じであるため、ここではS11について説明する。なお、第2実施形態では、制御部100は、画像形成装置1がメンテナンスモードに設定されていると判定すると(S1でYES)、開状態にした各電磁弁SVを閉状態にする。また、制御部100は、センサー異常の対処内容を表示部473に表示させる(S9)と共に、開状態にした各電磁弁SVを閉状態にする。
【0098】
S11において、制御部100は、複数の受光部R1~R4の全てについて判定部104が一致すると判定した場合、すなわち、接続が正常である場合(S3でYES)、全ての受光部R1~R4のジョイントJF1~JF4の電磁弁SV及び当該ジョイントJF1~JF4が結合した被ジョイントJM1~JM4の電磁弁SVに開信号を供給することにより当該両方の電磁弁SVを開状態に切り替える(S11)。一方、制御部100は、複数の受光部R1~R4のうちの1つでも判定部104が一致しないと判定した場合、すなわち、接続が異常である場合(S3でNO)、全ての受光部R1~R4のジョイントJF1~JF4の電磁弁SV及び被ジョイントJM1~JM4の電磁弁SVに開信号を供給せず、当該両方の電磁弁SVを開状態に切り替えない。
【0099】
上記第2実施形態によれば、被ジョイントJM1~JM4(被結合部)及びジョイントJF1~JF4(結合部)は、常時閉状態である電磁弁SVをそれぞれ備える。電磁弁SVは、制御部からの開信号に基づいて閉状態から開状態に切り替わる。制御部100は、複数の受光部R1~R4の全てについて判定部104が一致すると判定した場合に、全ての受光部R1~R4のジョイントJF1~JF4の電磁弁SV及び当該ジョイントJF1~JF4が結合した被ジョイントJM1~JM4の電磁弁SVに開信号を供給することにより当該両方の電磁弁SVを開状態に切り替え、複数の受光部R1~R4のうちの1つでも判定部104が一致しないと判定した場合、全ての受光部R1~R4のジョイントJF1~JF4の電磁弁SV及び被ジョイントJM1~JM4の電磁弁SVに開信号を供給せず、当該両方の電磁弁SVを開状態に切り替えない。これにより、ジョイントJF1~JF4の全てが正常接続された場合に限り、当該ジョイントJF1~JF4の電磁弁SV及び被ジョイントJM1~JM4の電磁弁SVが全て開状態に切り替えられ、正しい流体を流通させることができる。一方、ジョイントJF1~JF4が誤接続されたとしても、当該ジョイントJF1~JF4の電磁弁SV及び被ジョイントJM1~JM4の電磁弁SVが閉状態のままで維持されるので、ジョイントJFが誤接続されただけでは、間違った流体が一切流通することがないので、間違った流体が流通する事故を完全に防止することができる。
【0100】
なお、4色のインク流路のうちで接続が正常と判定されたインク流路の電磁弁SVについては開状態とし、接続が異常と判定されたインク流路の電磁弁SVについては閉状態を維持するとしてもよい。具体的には、制御部100は、複数の受光部R1~R4のうちで判定部104が一致すると判定した受光部Rを有するジョイントJFの電磁弁SV及び当該ジョイントJFが結合した被ジョイントJMの電磁弁SVに開信号を供給することにより当該両方の電磁弁SVを開状態に切り替え、複数の受光部R1~R4のうちで判定部104が一致しないと判定した受光部Rを有するジョイントJFの電磁弁SV及び当該ジョイントJFが結合した被ジョイントJMの電磁弁SVに開信号を供給せず、当該両方の電磁弁SVを開状態に切り替えないようにしてもよい。例えば、
図12に示すS7のあとに、「接続が正常と判定されたインク流路の電磁弁SVを開状態」とする処理を追加すればよい。
【0101】
また、第2実施形態に係る画像形成装置1では、ジョイントJF及び被ジョイントJMの両方に電磁弁SVを設けているが、ジョイントJF(結合部)だけが電磁弁SVを設けるようにしてもよい。制御部100は、複数の受光部R1~R4のうちで判定部104が一致すると判定した受光部Rを有するジョイントJFの電磁弁SVに開信号を供給することにより当該電磁弁SVを開状態に切り替え、複数の受光部R1~R4のうちで判定部104が一致しないと判定した受光部Rを有するジョイントJFの電磁弁SVに開信号を供給せず、当該電磁弁SVを開状態に切り替えない。これにより、ジョイントJF(結合部)が正常接続された場合に限り、当該ジョイントJFの電磁弁SVが開状態に切り替えられ、正しい流体を流通させることができる。一方、ジョイントJFが誤接続されたとしても、当該ジョイントJFの電磁弁SVが閉状態のままで維持されるので、ジョイントJFが誤接続されただけでは、間違った流体が流通することがないので、間違った流体が流通する事故を防止することができる。
【0102】
また、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態として複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、例えば、プリンター機能を有した他の画像形成装置でもよい。
【0103】
上記の実施形態では、被ジョイントJM1~JM4(被結合部)はオス型ジョイントとしているが、メス型ジョイントとしてもよい。また、ジョイントJF1~JF4(結合部)はメス型ジョイントとしているが、オス型ジョイントとしてもよい。
【0104】
上記の実施形態では、インクタンクユニット122とインク供給部123との間の配管接続を確認しているが、インクジェットヘッド121とインクタンクユニット122との間の配管接続を確認すること、インクタンクユニット122又はインク供給部123の内部の配管接続を確認することなどに用いるようにしてもよい。
【0105】
また、上記実施形態では、
図1乃至
図12を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0106】
1 画像形成装置
13 記憶部
30 配管接続判定装置
47 操作部
100 制御部
101 操作受付部
102 モード設定部
103 特定部
104 判定部
122 インクタンクユニット(第1対象品)
123 インク供給部(第2対象品)
473 表示部
DP1~DP4 第1配管
JM1~JM4 被ジョイント(被結合部)
JF1~JF4 ジョイント(結合部)
SV 電磁弁(開閉部)
T1~T4 発光部
R1~R4 受光部