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特許7415721計測装置ユニットに用いられる支持フレーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】計測装置ユニットに用いられる支持フレーム
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
B60R11/02 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020054129
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021154765
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福本 晴継
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-060680(JP,A)
【文献】特開2006-013041(JP,A)
【文献】特開2000-022441(JP,A)
【文献】特開2015-089632(JP,A)
【文献】特開平04-222414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(50)の種類ごとに予め設定される範囲に搭載される計測装置ユニット(100)に用いられる支持フレーム(70,70b、70c)であって、
検出器(30)を着脱可能なセンサ固定部(712,722,732,742)であって、前記検出器の基準位置を規定するセンサ固定部を有するセンサフレーム(71,72,73,74)であって、互いに連結可能な複数のセンサフレームと、
少なくとも前記センサフレームと連結可能な中継フレーム(75,75b、75c1,75c2,75c3)であって、前記支持フレームから着脱可能な中継フレームと、を備え、
前記中継フレームの外形は、前記センサフレームの外形よりも小さく、
前記車両の進行方向または幅方向の少なくともいずれかに対応する前記支持フレームの寸法は、前記複数のセンサフレームを連結する前記中継フレームによって調節される、
支持フレーム。
【請求項2】
請求項1に記載の支持フレームであって、
前記中継フレームを複数備え、
複数の前記中継フレームの外形が互いに同一である、
支持フレーム。
【請求項3】
車両(50)に搭載される計測装置ユニット(100)に用いられる支持フレーム(70,70b、70c)であって、
検出器(30)を着脱可能なセンサ固定部(712,722,732,742)であって、前記検出器の基準位置を規定するセンサ固定部を有するセンサフレーム(71,72,73,74)であって、互いに連結可能な複数のセンサフレームと、
少なくとも前記センサフレームと連結可能な中継フレーム(75,75b、75c1,75c2,75c3)であって、前記支持フレームから着脱可能な中継フレームと、を備え、
前記車両の進行方向または幅方向の少なくともいずれかに対応する前記支持フレームの寸法は、前記複数のセンサフレームを連結する前記中継フレームによって調節され、
前記センサ固定部は、異なる種類の複数の検出器に対応する接続端子を備える
持フレーム。
【請求項4】
車両(50)に搭載される計測装置ユニット(100)に用いられる支持フレーム(70,70b、70c)であって、
検出器(30)を着脱可能なセンサ固定部(712,722,732,742)であって、前記検出器の基準位置を規定するセンサ固定部を有するセンサフレーム(71,72,73,74)であって、互いに連結可能な複数のセンサフレームと、
少なくとも前記センサフレームと連結可能な中継フレーム(75,75b、75c1,75c2,75c3)であって、前記支持フレームから着脱可能な中継フレームと、を備え、
前記車両の進行方向または幅方向の少なくともいずれかに対応する前記支持フレームの寸法は、前記複数のセンサフレームを連結する前記中継フレームによって調節され、
前記センサフレームは、前記検出器から入力される検出データを用いて統合データを生成するデータ処理装置(20)と、前記センサ固定部に取り付けられた前記検出器とを通信可能に接続するケーブルを通すためのケーブル管路(716)を内部に備える、
支持フレーム。
【請求項5】
前記センサフレームは、前記センサ固定部を備える枠体(710)、および前記枠体の開口に配置される補強体(711)を備えるトラス構造を有する、請求項4に記載の支持フレーム。
【請求項6】
車両(50)に搭載される計測装置ユニット(100)に用いられる支持フレーム(70,70b、70c)であって、
検出器(30)を着脱可能なセンサ固定部(712,722,732,742)であって、前記検出器の基準位置を規定するセンサ固定部を有するセンサフレーム(71,72,73,74)であって、互いに連結可能な複数のセンサフレームと、
少なくとも前記センサフレームと連結可能な中継フレーム(75,75b、75c1,75c2,75c3)であって、前記支持フレームから着脱可能な中継フレームと、
前記支持フレームを前記車両に固定するための支持具(80)であって、導電性を有する支持具と、を備え、
前記車両の進行方向または幅方向の少なくともいずれかに対応する前記支持フレームの寸法は、前記複数のセンサフレームを連結する前記中継フレームによって調節され、
前記支持フレームは、前記支持具を介して前記車両と導通されることによって接地されている、
支持フレーム。
【請求項7】
車両(50)に搭載される計測装置ユニット(100)に用いられる支持フレーム(70,70b、70c)であって、
検出器(30)を着脱可能なセンサ固定部(712,722,732,742)であって、前記検出器の基準位置を規定するセンサ固定部を有するセンサフレーム(71,72,73,74)であって、互いに連結可能な複数のセンサフレームと、
少なくとも前記センサフレームと連結可能な中継フレーム(75,75b、75c1,75c2,75c3)であって、前記支持フレームから着脱可能な中継フレームと、を備え、
前記車両の進行方向または幅方向の少なくともいずれかに対応する前記支持フレームの寸法は、前記複数のセンサフレームを連結する前記中継フレームによって調節され、
前記センサフレームは、前記センサフレームの間の連結、および前記センサフレームと、前記中継フレームとの連結に用いられる連結部(713)であって、防水コネクタからなる連結部を有する、
支持フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計測装置ユニットに用いられる支持機構に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の上部に載置されたベースプレートの周囲に、レーダやカメラ等のセンサを搭載したセンサ装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2018/0257582号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、センサ装置の寸法をセンサ装置が搭載される車両の大きさに合わせて個別に設計しなければならないといった問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
本開示の一形態によれば、車両(50)の種類ごとに予め設定される範囲に搭載される計測装置ユニット(100)に用いられる支持フレーム(70,70b、70c)が提供される。この支持フレームは、検出器(30)を着脱可能なセンサ固定部(712,722,732,742)であって、前記検出器の基準位置を規定するセンサ固定部を有するセンサフレーム(71,72,73,74)であって、互いに連結可能な複数のセンサフレームと、少なくとも前記センサフレームと連結可能な中継フレーム(75,75b、75c1,75c2,75c3)であって、前記支持フレームから着脱可能な中継フレームと、を備える。前記中継フレームの外形は、前記センサフレームの外形よりも小さい。前記車両の進行方向または幅方向の少なくともいずれかに対応する前記支持フレームの寸法は、前記複数のセンサフレームを連結する前記中継フレームによって調節されてよい。
【0007】
この形態の支持フレームによれば、複数のセンサフレームが互いに連結されることにより、または、センサフレームが中継フレームを介して互いに連結されることによって、検出器を固定する一の基台として機能する。支持フレームの外形寸法は、中継フレームの有無によって車両の進行方向または幅方向の少なくともいずれかに対して調節することができる。したがって、支持フレームの外形寸法を車両の外形寸法に応じて調節することができ、支持フレームを車両の種類ごとに個別に設計することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】計測装置ユニットの概略構成を表す説明図。
図2】支持フレームの概略構成を上面視で表す説明図。
図3】センサフレームの概略構成を表す斜視図。
図4】中継フレームの概略構成を表す説明図。
図5】第2実施形態の支持フレームを上面視で表す説明図。
図6】第2実施形態での中継フレームを表す説明図。
図7】第3実施形態の支持フレームを上面視で表す説明図。
図8】第3実施形態での中継フレームを表す説明図。
図9】中継フレームの他の形態を表す説明図。
図10】中継フレームの他の形態を表す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1を用いて、第1実施形態としての支持フレーム70について説明する。図1に示すように、支持フレーム70は、計測装置ユニット100を車両50に搭載するための基台として用いられる。計測装置ユニット100は、保護カバー60と、支持フレーム70と、支持具80と、複数のセンサ30と、データ処理装置20とを備えている。図1には、車両50の進行方向と、重力方向と一致するZ方向とが示されている。以下、一の基準位置に対するZ方向側を「下側」とも呼び、基準位置に対するZ方向とは逆側を「上側」とも呼び、基準位置に対して進行方向側を「前側」とも呼び、基準位置に対して進行方向とは逆側を「後ろ側」とも呼ぶ。車両進行方向に垂直な方向を「幅方向」とも呼ぶ。本実施形態において、計測装置ユニット100は、車両50の屋根50Tに搭載されている。計測装置ユニット100は、車両の屋根50Tのほか、車両50の前方、後方、側方、下部といった車両50の外部や、車室の天井等の車両50の内部に搭載されてもよい。
【0010】
保護カバー60は、支持フレーム70と、センサ30と、データ処理装置20とを内包する筐体である。保護カバー60は、図示しない固定具によって支持具80に取り付けられている。保護カバー60は、強化樹脂やカーボン、金属などの材料で形成され、内包する各部材が外気や日射に曝されることを防いでいる。保護カバー60は、センサ30の検出面が露出する開口部あるいはセンサ30の検出光または検出波が透過可能な窓部を備えてよい。
【0011】
支持フレーム70は、略平板状の外観形状を有する。支持フレーム70は、支持具80によって、支持フレーム70の面方向が車両50の屋根50Tの平面と対向するように、車両50に固定されている。支持フレーム70は、周縁部にセンサ30を配置し、上面側にデータ処理装置20を配置する。
【0012】
支持具80は、支持フレーム70および保護カバー60を、車両50の屋根50Tから離間する状態で固定している。本実施形態において、支持具80は、金属製であり、車両50の接地部52に接続されている。支持具80は、車両50の表面に露出する金属表面としての接地部52を介して接地されている。これにより、支持フレーム70上のデータ処理装置20が落雷や漏電により破損されることを防止している。
【0013】
センサ30は、支持フレーム70の周縁部に配置される。センサ30には、例えば、対象物の画像データを取得するカメラ、対象物の距離等を取得するLiDAR(Light Detection and Ranging)、対象物の距離等を取得するミリ波レーダ等の検出器が含まれ得る。各センサの検出データは、データ処理装置20に出力される。センサ30には、超音波センサ、他の電磁波または光を用いたセンサなどの種々の検出器が含まれてよい。センサ30は、1種類の複数の検出器であってもよく2以上の種類の複数の検出器が含まれてよい。
【0014】
データ処理装置20は、支持フレーム70の上面に載置されている。データ処理装置20は、防塵や防水の機能を有する収容体の内部に論理回路を備え、図1に示すように、配線CBを介して、車両50内の運転支援制御装置40と通信可能に接続されている。データ処理装置20は、車両50に備えられてもよい。データ処理装置20は、センサ30からの検出データを用いて統合データを生成し、運転支援制御装置40に出力する。運転支援制御装置40は、車両50に搭載されるいわゆるECU(engine control unit)であり、計測装置ユニット100から入力される車両50周囲の対象物に関する情報を用いて車両50の運転支援を実行する。
【0015】
図2から図4を用いて、本実施形態の支持フレーム70の詳細な構成について説明する。図2に示すように、支持フレーム70は、2つの第一センサフレーム71と、第一センサフレーム71とは異なる形状の1つの第二センサフレーム72とを備えている。以下、第二センサフレーム72を、「基礎フレーム72」とも呼ぶ。支持フレーム70は、中央に配置される基礎フレーム72の前側および後ろ側に第一センサフレーム71をそれぞれ連結させることにより、一つの平板状の基台として機能する。支持フレーム70は、車両進行方向を長さL1とする長手方向とし、幅方向を短手方向とする略矩形状の外観形状を有している。支持フレーム70の外形は、四角形状に限らず六角形や八角形などの種々の多角形状であってよく、円形であってもよい。支持フレーム70の外形は、センサ30を車両50の周囲に配置するために、車両50の屋根50Tの外形に近い形状であることが好ましい。
【0016】
図3に示すように、第一センサフレーム71は、枠体710と、補強体711と、センサ固定部712と、連結部713とを備えている。枠体710は、四角形の断面形状を有し、平面視で略矩形の外形を有する。枠体710は、アルミニウムやステンレス鋼等の金属材料で形成され、導電性を有している。枠体710は、長辺710E1と、長辺710E2と、短辺710E3と、短辺710E4とを有する。支持フレーム70の長辺710E1には、センサ固定部712が配置され、長辺710E2には、連結部713が配置されている。枠体710の外形は、矩形に限らず、円形や半円のほか、台形、六角形、八角形などの種々の多角形であってもよい。枠体710は、円形の断面形状を有してもよい。
【0017】
枠体710に囲まれる中央の開口710Hには、直線状の補強体711が2つ備えられる。補強体711は、長辺710E1および長辺710E2に対して、約60度の内角を有する状態で連結されており、開口710Hを平面視で複数の三角形に分割するように配置される。これにより、第一センサフレーム71は、いわゆるトラス構造を形成され、軽量化しつつ高い強度を備えている。補強体711は、中空構造であり、内部の空間は、後述する第二連結部713Bの内部空間と、センサ固定部712とにつながっている。補強体711の内部空間は、データ処理装置20とセンサ30とを通信可能に接続するケーブルを通すケーブル管路716として機能する。補強体711は、ケーブルによるセンサ30に対する電磁波の影響を低減または防止するために、アルミニウムやステンレス鋼等の金属材料で形成されていることが好ましい。補強体711が樹脂やカーボンで形成される場合には、センサ30に対する電磁波の影響を低減または防止するために、補強体711の表面に金属コーティングが施されていることが好ましい。
【0018】
図2に示すように、センサ固定部712は、センサ30を着脱可能に構成されている。センサ固定部712は、センサ30とデータ処理装置20とを通信可能に接続するための図示しない接続端子と、センサ30を第一センサフレーム71に固定するための固定機構とを備えている。センサ固定部712の固定機構は、センサ30が支持フレーム70に搭載された際に、センサ30が基準位置に固定されるように設定されている。「センサ30の基準位置」とは、センサ30がセンサ固定部712に装着された場合に、検出のための所望の光軸が実現される予め定められた姿勢を意味する。姿勢とは、センサ30の搭載位置や上下左右の向きを意味し、光軸とは、光を用いない検出器の場合には検出データの中心に対応する検出軸を意味する。この形態の支持フレーム70によれば、センサ30をセンサ固定部712に取り付ける際に、車両50に対するセンサ30の搭載時において、センサ30の搭載位置や光軸を調整する工程を省略することができる。センサ固定部712の接続端子と固定機構とは、複数の種類のセンサ30に対して共通の構造や共通の端子を有していてもよい。この場合には、センサ30の種類の相違に伴う接続構造の相違を吸収し、支持フレーム70の共通モジュール化、すなわち、規格化が実現され得る。
【0019】
センサ固定部712の固定機構には、例えば、センサ30と枠体710とを連結具によって連結する機構のほか、枠体710がセンサ30を挟持する機構等が含まれる。枠体710がセンサ30の外形に対応する凹部を有してもよい。この場合には、センサ30の取り付け時にセンサ30の外表面が枠体710の凹部の内壁に沿って案内されることにより、枠体710に対するセンサ30の着脱が容易になるとともに、枠体710へのセンサ30の取り付けの位置合わせ精度を高くすることができる。センサ固定部712は、各第一センサフレーム71に2つに限らず、1つであってもよく、3以上の任意の数であってもよい。センサ固定部712の配置位置は、長辺710E1に限定されず短辺710E3,710E4であってもよく、センサフレーム71が頂点を有する場合には頂点であってもよく、枠体710の任意の位置に設定されてよい。
【0020】
図3に示すように、連結部713は、基礎フレーム72の被連結部724と嵌合することによって、第一センサフレーム71と基礎フレーム72とを連結する。図3に示すように、連結部713は、枠体710から外側に向かって延出する嵌合爪としての第一連結部713Aと、枠体710から外側に向かって延出する円筒状の第二連結部713Bとを備えている。第一連結部713Aは、基礎フレーム72に設けられる図示しない嵌合穴と嵌合して、第一センサフレーム71と基礎フレーム72とを連結する。第二連結部713Bは、中空であり、内部の空間は、補強体711の内部に形成されたケーブル管路716と接続されている。第二連結部713Bは、いわゆる防水コネクタとして機能し、第一センサフレーム71が基礎フレーム72などの各フレームと連結された状態において、ケーブル管路716への雨水の侵入やケーブル管路716が外気に曝されることを防止することができる。本実施形態において、連結部713は、基礎フレーム72の被連結部724のほか、後述する中継フレーム75の被連結部753とも嵌合するように構成されている。
【0021】
図2に示すように、基礎フレーム72は、平板部721と、センサ固定部722と、被連結部724とを備える。センサ固定部722は、第一センサフレーム71のセンサ固定部712と同様の構成であるため、説明を省略する。平板部721は、基礎フレーム72の面方向の中央に位置し、上面にデータ処理装置20を載置する。平板部721は、中空で構成されており、平板部721の内部空間には、ケーブル管路716から配索されるケーブルを配置することができ、平板部721の図示しない貫通孔から平板部721上のデータ処理装置20に接続することができるように構成されている。データ処理装置20は、基礎フレーム72の内部空間に配置されてもよい。被連結部724は、第一センサフレーム71の連結部713の外形や寸法に対応し、連結部713と嵌合することができる。
【0022】
図4を参照して、中継フレーム75の詳細について説明する。本実施形態において、中継フレーム75は、本体750と、被連結部753と、管路754と、連結部755とを備える。本体750は、略矩形の平板状の外観形状を有しており、アルミニウムやステンレス鋼等の金属材料で形成されている。本実施形態において、本体750の長辺は、支持フレーム70の幅方向に対応し、本体750の短辺は、車両50の進行方向に対応している。本体750の長辺は、第一センサフレーム71の長辺と同一の寸法を有している。本体750の短辺は、任意の長さで設定してよく、本実施形態では長さL2で設定されている。長さL2は、支持フレーム70の長手方向の長さを調整するための任意の長さで設定することができ、例えば、支持フレーム70の長辺の長さL1の10分の1や5分の1程度等、支持フレーム70の長手方向の長さL1に対して小さいことが好ましく、車両50の種類ごとの外形寸法の差異に基づいて設計されることがより好ましい。本体750は、平板状に限らず、開口を有する枠体で構成されてもよく、第一センサフレーム71と同様にトラス構造を有していてもよい。中継フレーム75は、センサ固定部を備えていてもよい。
【0023】
被連結部753は、第一センサフレーム71の連結部713の外形に対応する凹状で形成されており、連結部713と嵌合することによって、第一センサフレーム71と中継フレーム75とを連結する。連結部755は、本体750から外側に突出する突出体である。連結部755の外形は、第一センサフレーム71の連結部713の外形と一致し、基礎フレーム72の被連結部724の凹形状に対応する。連結部755は、基礎フレーム72の被連結部724と嵌合することによって、中継フレーム75と基礎フレーム72とを連結する。すなわち、中継フレーム75は、第一センサフレーム71と、基礎フレーム72との間を連結するための継ぎ手として機能する。支持フレーム70の長手方向の長さL1は、中継フレーム75を、第一センサフレーム71と基礎フレーム72との間に配置することによって、長さL2だけ延長することができる。
【0024】
管路754は、連結部755と被連結部753とを連通する内部空間である。管路754は、被連結部753から連結部713を介してケーブル管路716と接続し、連結部755から被連結部724を介して基礎フレーム72の内部空間とを接続する。管路754によって、中継フレーム75を備える支持フレーム70において、第一センサフレーム71のセンサ固定部712からのケーブルを基礎フレーム72まで配索することができる。
【0025】
本実施形態において、中継フレーム75の連結部755の外形と、被連結部753の凹形状とは互いに一致する。すなわち、中継フレーム75同士を互いに連結させることができるように構成されている。これにより、第一センサフレーム71と、基礎フレーム72との間に複数の中継フレーム75を配置することができる。中継フレーム75を増設することにより、支持フレーム70の長手方向の長さを長さL2ごとに段階的に調整することができる。図4に示す例では、支持フレーム70は、2つの中継フレーム75により、長さL3(=長さL1+長さL2×2)とされている。複数の中継フレーム75を備える場合には、中継フレーム75の外形が互いに一致するものであることが好ましい。この場合には、中継フレーム75の生産性を高くすることができる。
【0026】
以上、説明したように、本実施形態の支持フレーム70によれば、第一センサフレーム71および第二センサフレーム72が互いに連結されることにより、または、第一センサフレーム71および第二センサフレーム72が中継フレーム75を介して互いに連結されることによって、計測装置ユニット100を支持する一の基台として機能する。支持フレーム70の長手方向の外形寸法を、中継フレーム75の有無によって調節することができる。したがって、支持フレーム70の長手方向における外形寸法を車両50の設計に応じて調節することができ、支持フレーム70を車両50の長手方向の長さに合わせて個別に設計することを抑制することができる。
【0027】
本実施形態の支持フレーム70によれば、中継フレーム75が互いに連結することができるため、中継フレーム75を備える個数の調節によって、長手方向の長さL1を、中継フレーム75の短手方法の長さL2ごとに段階的に延長することができる。したがって、支持フレーム70の長手方向における外形寸法を車両50の設計に応じて段階的に調節することができる。
【0028】
B.第2実施形態:
図5および図6を参照して第2実施形態としての支持フレーム70bについて説明する。第2実施形態の支持フレーム70bは、支持フレーム70bの幅方向の外形寸法を調整することができる点で第1実施形態の支持フレーム70と相違する。図5および図6に示すように、第2実施形態の支持フレーム70bは、第一センサフレーム71に代えて第三センサフレーム73を備える点と、中継フレーム75に代えて第二中継フレーム75bを備える点と、第二センサフレーム72を備えない点とで第1実施形態の支持フレーム70と相違し、その他の構成は、第1実施形態の支持フレーム70と同様である。
【0029】
図5に示すように、支持フレーム70bは、2つの第三センサフレーム73を連結することで一つの平板状の基台として機能する。第三センサフレーム73は、枠体730と、センサ固定部732と、連結部733と、被連結部734とを備えている。各センサ固定部732の構成は、第1実施形態でのセンサ固定部712の構成と同様であるので説明を省略する。
【0030】
枠体730は、一方向に沿って長尺な略矩形状を有しており、長辺が車両進行方向に対応するように構成されている。枠体730の一方の長辺には、連結部733と、被連結部734とが備えられている。連結部733は、外形が被連結部734の凹部形状と一致し、被連結部734と嵌合することができる。図5に示すように、2つの第三センサフレーム73は、連結部733および被連結部734を備える長辺を互いに対向するように配置した状態で、連結部733と被連結部734とを嵌合し合うことによって連結され、一の支持フレーム70bを形成している。第三センサフレーム73が連結されることによって形成される支持フレーム70bの平面部737の上面には、データ処理装置20が載置される。
【0031】
図6に示すように、本実施形態において、第三センサフレーム73間には、第二中継フレーム75bを配置することができる。第二中継フレーム75bは、本体750bと、被連結部753と、連結部755とを備える。本体750bは、略矩形状の板状部材であり、支持フレーム70bの長手方向の長さ、すなわち第三センサフレーム73の長手方向の長さと一致する長辺と、幅方向に対応する長さL5の短辺とを有する。
【0032】
第二中継フレーム75bの被連結部753は、第三センサフレーム73の連結部733と嵌合することができ、第二中継フレーム75bの連結部755は、第三センサフレーム73の被連結部734と嵌合することができる。すなわち、第二中継フレーム75bは、2つの第三センサフレーム73間をつなぐ継ぎ手として機能する。これにより、図5に長さL4として示す支持フレーム70bの幅方向の外形寸法を、第二中継フレーム75bの短辺の長さL5だけ延長することができる。
【0033】
第二中継フレーム75bの連結部755は、他の第二中継フレーム75bの被連結部753と嵌合することができる。そのため、第二中継フレーム75bを複数連結させることによって、第三センサフレーム73間の長さを長さL5ずつ延長することができ、この結果、支持フレーム70bの幅方向の外形数法を長さL5ずつ段階的に調節することができる。
【0034】
本実施形態の支持フレーム70bによれば、第三センサフレーム73が第二中継フレーム75bを介して互いに連結することができる。支持フレーム70bの幅方向の外形寸法を、第二中継フレーム75bの有無によって調節することができる。
【0035】
本実施形態の支持フレーム70bによれば、第二中継フレーム75bを互いに連結できるので、第二中継フレーム75bを備える個数の調節によって、短手方向の長さL4を、第二中継フレーム75bの短手方法の長さL5ごとに延長することができる。したがって、支持フレーム70bの幅方向における外形寸法を車両50の設計に応じて段階的に調節することができる。
【0036】
C.第3実施形態:
図7から図10を参照して第3実施形態の支持フレーム70cについて説明する。第3実施形態の支持フレーム70cは、車両進行方向および幅方向のいずれの外形寸法も調節することができる点で第1実施形態の支持フレーム70とは相違する。図7に示すように、第3実施形態の支持フレーム70cは、4つの第四センサフレーム74が互いに連結されることによって、計測装置ユニット100を支持する一の基台として機能する。
【0037】
図7に示すように、第四センサフレーム74は、一方向に長尺な略矩形の外観形状を有する枠体740と、被連結部743と、センサ固定部742とを備える。被連結部743と、センサ固定部742とは、枠体740の周縁部に設けられる。センサ固定部742の構成は、第1実施形態でのセンサ固定部712の構成と同様であるので説明を省略する。
【0038】
図7に示す4つの第四センサフレーム74の構成は互いに一致する。第四センサフレーム74は、第四センサフレーム74とは別体の連結具78を被連結部743に嵌合させることにより、互いに連結することができる。図7に示すように、第四センサフレーム74の長手方向は、車両進行方向に対応し、第四センサフレーム74の短手方向は幅方向に対応するように連結される。本実施形態において、支持フレーム70cは、第四センサフレーム74を幅方向および車両進行方向にそれぞれ2つずつ配置されている。例えば4つの第四センサフレーム74を幅方向に1つ、車両進行方向に4つを直線上に配列する等、車両50の外形に応じて任意の個数の第四センサフレーム74が任意に配列されてもよい。
【0039】
図8には、第三中継フレーム75c1が示されている。第三中継フレーム75c1は、長辺の長さが第四センサフレーム74の短手方向の長さの2倍に相当する略矩形の外観形状を有する。第三中継フレーム75c1の長辺は、第四センサフレーム74の被連結部743に嵌合可能な複数の連結部755を備えている。各連結部755の配置位置は、第四センサフレーム74の短辺に配置された被連結部743の位置に対応づけられている。第三中継フレーム75c1は、長辺側を連結された2つの第四センサフレーム74の短辺に連結することができ、支持フレーム70cの外形寸法を車両進行方向に沿って延長することができる。
【0040】
図9には、第四中継フレーム75c2が示されている。第四中継フレーム75c2は、長辺の長さが第四センサフレーム74の長手方向の長さの2倍の長さに相当する略矩形の外観形状を有する。第四中継フレーム75c2の長辺には、第四センサフレーム74の被連結部743に嵌合可能な複数の連結部755を備えている。各連結部755の配置位置は、第四センサフレーム74の長辺に配置された被連結部743の位置に対応づけられている。第四中継フレーム75c2は、短辺側を連結された2つの第四センサフレーム74の長辺に連結することができ、支持フレーム70cの外形寸法を幅方向に沿って延長することができる。
【0041】
図10には、第五中継フレーム75c3が示されている。第五中継フレーム75c3は、短辺751と長辺752とが互いの中点で直交する、いわゆる十字形状を有している。図10に示すように、第五中継フレーム75c3の短辺751の長さは、第四センサフレーム74の短手方向の長さの2倍に、長辺752の幅L12を加算した長さに相当する。短辺751には、第四センサフレーム74の長辺側の被連結部743に嵌合可能な複数の連結部755が備えられている。第五中継フレーム75c3の長辺752の長さは、第四センサフレーム74の長手方向の長さの2倍に、短辺751の幅L11を加算した長さに相当する。長辺752には、第四センサフレーム74の長辺側の被連結部743に嵌合可能な複数の連結部755が備えられている。4つの第四センサフレーム74は、十字形状の第五中継フレーム75c3によって区分される、いわゆる四分儀の各象限となる位置にそれぞれ配置され、被連結部743と連結部755とが嵌合されることによって支持フレーム70cとして形成される。第五中継フレーム75c3を所望の外形に設定することにより、ひとつの中継フレーム75c3によって、支持フレーム70cの車両進行方向および幅方向を任意の寸法に調節することができる。
【0042】
本実施形態の支持フレーム70cによれば、第四センサフレーム74を互いに車両進行方向および幅方向のいずれにも連結できるように構成されている。中継フレームの形状や中継フレームの連結位置を、任意に変更させることにより、支持フレーム70cの外形寸法を車両進行方向および幅方向のいずれにも調節することができる。本実施形態の支持フレーム70cによれば、複数備えられる第四センサフレーム74の構成を互いに一致させることにより、第四センサフレーム74の生産性を高くすることができる。
【0043】
D.他の実施形態:
本開示は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
30…センサ、50…車両、70,70b、70c…支持フレーム、71…第一センサフレーム、72…第二センサフレーム、73…第三センサフレーム、74…第四センサフレーム、75…中継フレーム、75b…第二中継フレーム、75c1…第三中継フレーム、75c2…第四中継フレーム、75c3…第五中継フレーム、100…計測装置ユニット、712,722,732,742…センサ固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10