(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】予約システム、予約方法、及び、予約プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20240110BHJP
【FI】
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2020057441
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】関根 聖史
(72)【発明者】
【氏名】右田 幸司
(72)【発明者】
【氏名】伊丹 和章
(72)【発明者】
【氏名】山田 佳宜
(72)【発明者】
【氏名】三浦 慶介
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-346026(JP,A)
【文献】特開2018-190098(JP,A)
【文献】特開2005-018541(JP,A)
【文献】特開2010-073629(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に関する第1の3次元データに、前記施設に配置される
照明機器に関する情報を第1の処理装置において追加可能にし、前記第1の3次元データに前記
照明機器に関する情報が追加された第2の3次元データを第1の処理装置に表示させる表示制御部と、
前記第2の3次元データに基づいて、前記施設における前記
照明機器の配置
、前記施設に配置される前記照明機器の属性情報、及び、前記施設に配置される前記照明機器による照明の角度情報を表す配置図を含む配置情報を生成し、前記配置情報を第2の処理装置に出力する配置情報生成部と;
を具備する、予約システム。
【請求項2】
少なくとも前記第2の3次元データに基づいて、前記施設に関する費用、及び、前記第2の3次元データに設定された前記
照明機器に関する費用を含む見積り情報を生成する見積り情報生成部
をさらに具備する、請求項1に記載の予約システム。
【請求項3】
コンピュータが、施設に関する第1の3次元データに、前記施設に配置される
照明機器に関する情報を第1の処理装置において追加可能にすることと;
前記コンピュータが、前記第1の3次元データに前記
照明機器に関する情報が追加された第2の3次元データを第1の処理装置に表示させることと;
前記コンピュータが、前記第2の3次元データに基づいて、前記施設における前記
照明機器の配置、
前記施設に配置される前記照明機器の属性情報、及び、前記施設に配置される前記照明機器による照明の角度情報を表す配置図を含む配置情報を生成し、前記配置情報を第2の処理装置に出力することと;
を具備する、予約方法。
【請求項4】
コンピュータに、
施設に関する第1の3次元データに前記施設に配置される
照明機器に関する情報を追加可能な環境を、第1の処理装置に形成させ、
前記第1の3次元データに前記
照明機器に関する情報が追加された第2の3次元データを第1の処理装置に表示させ、
前記第2の3次元データに基づいて、前記施設における前記
照明機器の配置、
前記施設に配置される前記照明機器の属性情報、及び、前記施設に配置される前記照明機器による照明の角度情報を表す配置図を含む配置情報を生成させ、前記配置情報を第2の処理装置に出力させる、
予約プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、予約システム、予約方法、及び、予約プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
イベントを開催するために劇場やホールなどの施設を予約する場合、施設利用者は、開催するイベントに適する施設を予約する。この場合、施設利用者は、開催するイベントの日程を施設管理者に伝えることで、利用する施設を予約する。施設の予約完了後、施設利用者及び施設管理者は、イベントの演目内容を、例えば、打ち合わせにより決める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のような施設予約では、施設利用者(予約者)が、施設を予約する段階において、開催するイベントでの演目内容を想定できることが求められている。また、イベントの演目内容が決定した段階で、施設管理者が、イベントにおける施設及び器具の配置情報を即座に得られることが求められている。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、予約者がイベントの演目内容を想定できるとともに、施設管理者がイベントにおける施設及び器具の配置情報を即座に得ることができる予約システム、予約方法、及び予約プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のある態様の予約システムは、表示制御部と、配置情報生成部とを具備する。表示制御部は、施設に関する第1の3次元データに、施設に配置される照明機器に関する情報を第1の処理装置において追加可能にし、第1の3次元データに照明機器に関する情報が追加された第2の3次元データを第1の処理装置に表示させる。配置情報生成部は、第2の3次元データに基づいて、施設における照明機器の配置、施設に配置される照明機器の属性情報、及び、施設に配置される照明機器による照明の角度情報を表す配置図を含む配置情報を生成し、配置情報を第2の処理装置に出力する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、施設利用者(予約者)がイベントの演目内容を想定できるとともに、施設管理者がイベントにおける施設及び器具の配置情報を即座に得ることができる予約システム、予約方法、及び予約プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る予約システムを概略的に示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る予約システムで生成される見積り表の一例を示す概略図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る予約システムにおいて、予約情報が第1の処理装置を介して入力された場合に、管理装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る予約システムにおいて、第1の3次元データに器具に関する情報が追加された場合に、第1の処理装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る予約システムにおいて、第1の処理装置から管理装置に第2の3次元データが出力された場合に、管理装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の予約システム(101)は、表示制御部(106)と、配置情報生成部(110)とを具備する。表示制御部(106)は、施設に関する第1の3次元データに、施設に配置される器具に関する情報を第1の処理装置において追加可能にし、第1の3次元データに器具に関する情報が追加された第2の3次元データを第1の処理装置(102)に表示させる。配置情報生成部(110)は、第2の3次元データに基づいて、施設における器具の配置を表す配置図を含む配置情報を生成し、配置情報を第2の処理装置に出力する。これにより、施設利用者(予約者)がイベントの演目内容を想定できるとともに、施設管理者がイベントにおける施設及び器具の配置情報を即座に得ることができる。
【0010】
また、実施形態の予約システム(101)は、見積り情報生成部(111)をさらに具備する。見積り情報生成部(111)は、少なくとも第2の3次元データに基づいて、施設に関する費用、及び、第2の3次元データに設定された器具に関する費用を含む見積り情報を生成する。これにより、施設利用者(予約者)は、演目内容に要する見積りを確認しながら、施設の予約をすることができる。
【0011】
また、実施形態の予約システム(101)では、配置情報生成部(110)が、第1の3次元データに少なくとも照明に関する情報が追加された第2の3次元データに基づいて、施設に配置される照明の仕込み図を少なくとも含む配置情報を生成する。これにより、施設管理者は、イベントにおける照明の仕込み図を即座に得ることができる。
【0012】
また、実施形態の予約方法では、施設に関する第1の3次元データに、施設に配置される器具に関する情報を第1の処理装置において追加可能にし、第1の3次元データに器具に関する情報が追加された第2の3次元データを第1の処理装置に表示させる。第2の3次元データに基づいて、施設における器具の配置を表す配置図を含む配置情報を生成し、配置情報を第2の処理装置に出力する。これにより、施設利用者(予約者)がイベントの演目内容を想定できるとともに、施設管理者がイベントにおける施設及び器具の配置情報を即座に得ることができる。
【0013】
また、実施形態の予約プログラムでは、コンピュータに、施設に関する第1の3次元データに、施設に配置される器具に関する情報を第1の処理装置に形成させ、第1の3次元データに器具に関する情報が追加された第2の3次元データを第1の処理装置に表示させる。コンピュータに、第2の3次元データに基づいて、施設における器具の配置を表す配置図を含む配置情報を生成し、配置情報を第2の処理装置に出力する。これにより、施設利用者(予約者)がイベントの演目内容を想定できるとともに、施設管理者がイベントにおける施設及び器具の配置情報を即座に得ることができる。
【0014】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、実施形態に係る予約システム101を示す。予約システム101は、施設に関する予約を実行する。予約システム101は、第1の処理装置102、第2の処理装置103、及び管理装置104を備える。第1の処理装置102は、例えば、予約システム101を利用して、演目を行う予定の日時及び場所を予約する予約者によって、利用される。予約者は、予約された場所となる施設を演目で利用する施設利用者と同一であってもよく、施設利用者とは異なってもよい。また、第2の処理装置103は、例えば、予約システム101を導入して、予約された場所となる施設を管理する施設管理者によって、利用される。管理装置104は、予約システム101の機能を実行する。管理装置104は、第1の処理装置102及び第2の処理装置103のそれぞれと通信可能である。なお、予約システム101のすべての機能が、管理装置104で実行されなくてもよい。すなわち、予約システム101の一部の機能が、第1の処理装置102及び第2の処理装置103の少なくとも1つで実行されてもよい。
【0016】
第1の処理装置102は、例えばコンピュータであり、プロセッサ及び記憶媒体を備える。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びDSP(Digital Signal processor)等のいずれかを含む。記憶媒体には、メモリ等の主記憶装置に加え、補助記憶装置が含まれ得る。記憶媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、及び、半導体メモリ等が挙げられる。第1の処理装置102では、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれは、1つであってもよく、複数であってもよい。第1の処理装置102のプロセッサは、記憶媒体等に記憶されるプログラム等を実行することにより、処理を行う。また、第1の処理装置102のプロセッサによって実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークを介して接続されたコンピュータ(サーバ)、又は、クラウド環境のサーバ等に格納されてもよい。この場合、プロセッサは、ネットワーク経由でプログラムをダウンロードする。第2の処理装置103も、第1の処理装置102と同様に、プロセッサ及び記憶媒体を備え、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれは、第1の処理装置102と同様にして構成される。
【0017】
第1の処理装置102は、設定部105、表示制御部106、及び、表示部107を備える。ある一例では、第1の処理装置102は、第2の処理装置103及び管理装置104とネットワークを介して通信可能なクライアント及びサーバのいずれかである。設定部105及び表示制御部106は、第1の処理装置102のプロセッサ等によって行われる処理の一部を実施する。
【0018】
管理装置104は、管理部108、施設/器具情報記憶部109、配置情報生成部110、見積り情報生成部111、及び費用情報記憶部112を備える。ある一例では、管理装置104は、第1の処理装置102及び第2の処理装置103とネットワークを介して通信可能なサーバである。この場合、管理装置104は、第1の処理装置102及び第2の処理装置103と同様に、プロセッサ及び記憶媒体を備え、プロセッサ及び記憶媒体のそれぞれは、第1の処理装置102及び第2の処理装置103と同様にして構成される。そして、管理部108、配置情報生成部110、及び、見積り情報生成部111は、管理装置104のプロセッサ等によって行われる処理の一部を実施し、管理装置104の記憶媒体が、施設/器具情報記憶部109及び費用情報記憶部112として機能する。
【0019】
また、別のある一例では、管理装置104は、クラウド環境に構築されるクラウドサーバである。この場合、クラウド環境のインフラは、仮想CPU等の仮想プロセッサ及びクラウドメモリによって、構成される。仮想プロセッサによって実行される処理の一部を、管理部108、配置情報生成部110、及び、見積り情報生成部111が実行する。そして、クラウドメモリが、施設/器具情報記憶部109及び費用情報記憶部112として機能する。
【0020】
なお、施設/器具情報記憶部109及び費用情報記憶部112は、管理装置104と別の処理装置、例えば別のコンピュータに設けられてもよい。この場合、管理装置104は、施設/器具情報記憶部109及び費用情報記憶部112等が設けられるコンピュータに、ネットワークを介して接続される。また、別のある一例では、管理装置104は、第2の処理装置103に搭載されてもよい。この場合、第2の処理装置103のプロセッサ等によって、管理装置104の処理が実行される。
【0021】
本実施形態の予約システム101では、予約者等の施設利用者に第1の処理装置102を使用させて、施設の予約情報を入力させる。施設の予約情報は、設定部105により、外部へ出力される。予約者等の施設利用者は、例えば、ユーザーインターフェース等を使用して、施設の予約情報を入力する。ある一例では、ユーザーインターフェース等は、表示部107に設けられるタッチパネルであってもよい。施設の予約情報は、例えば、予約された日時及び場所に関する情報に加えて、予約された日時及び場所で行われる予定の演目に関する情報が、含まれる。行われる予定の演目に関する情報には、演目内容を示す情報、及び、演目における予約者等の施設利用者の要望(ニーズ)を示す情報等が、含まれる。演目内容には、演目が音楽会、演劇会及び展示会等のいずれに該当するか等の、行われる予定の演目の種類が含まれる。演目における予約者等の施設利用者の要望には、演目を行う予定の場所となる施設の施設管理者に対する要望、及び、演目において施設に配置される器具に関する要望等が、含まれる。また、演目において施設に配置される器具としては、照明機器、ピアノ等の楽器、及び、花等の装飾品等が挙げられる。予約者等の施設利用者が演目について用いることを要望している音楽がある場合は、予約情報に、予約者等の施設利用者が要望する音楽の音データが含まれてもよい。
【0022】
管理部108は、予約に関する情報を管理する。管理部108は、予約者等の施設利用者に演目内容を入力させるため、設定部105から、施設の予約情報を取得する。ある一例では、管理部108は、取得した予約情報を、処理装置102のユーザーインターフェース等を介して通知させる。これにより、予約された場所となる施設の施設管理者は、予約情報を確認可能になる。
【0023】
施設/器具情報記憶部109は、施設に関する情報、及び、器具に関する情報を記憶する。演目施設は、予約者等の施設利用者が演目を行う予定の場所となる施設、すなわち、予約情報において予約された場所に該当する施設を、含む。施設に関する情報は、例えば、施設の広さ、構造及び収容人数等に関する情報、及び、施設の器具に関する情報等を含む。そして、施設の構造は、施設における舞台と観客席との位置関係等を、含む。また、施設に関する情報は、施設の立体形状(立体構造)を表す第1の3次元データ(施設の3次元データ)を含む。器具に関する情報は、器具の種類、型番、及びスペック(性能)等に関する情報を含む。器具の種類に関する情報には、器具が照明機器、楽器及び装飾品等のいずれに該当するかを示す情報に加え、器具が照明機器においていずれの種類に該当するかを示す情報、及び、器具が楽器においていずれの種類に該当するかを示す情報等も含まれる。また、器具に関する情報は、例えば、器具の立体形状(立体構造)を表す3次元データ(器具の3次元データ)を含む。ある一例では、器具に関する情報が、照明に関する情報を含む。また、施設に関する情報は、施設の管理者によって提供される。器具に関する情報は、施設の管理者によって提供される。なお、器具に関する情報は、施設の管理者と異なる者によっても提供される。施設の管理者と異なる者としては、例えば、器具の管理者(器具の保有者)が挙げられる。
【0024】
管理部108は、予約情報を取得すると、取得した予約情報、及び、施設/器具情報記憶部109の施設に関する情報に基づいて、予約された場所となる施設を特定する。そして、管理部108は、施設/器具情報記憶部109から、特定した施設の施設に関する情報、すなわち、演目が行われる予定の場所となる施設の施設に関する情報を、取得する。これにより、管理部108は、予約された場所となる施設について、広さ、構造及び収容人数等に関する情報等を取得する。この際、管理部108は、特定した施設の施設に関する情報として、特定した施設の立体構造(立体空間)を表す第1の3次元データを取得する。
【0025】
また、管理部108は、施設/器具情報記憶部109から、予約情報に基づいて特定された施設における器具に関する情報を取得する。これにより、管理部108は、特定された施設における器具に関する情報について、器具の種類、型番、及びスペック(性能)等に関する情報を取得する。この際、管理部108は、器具に関する情報として、器具の立体形状(立体構造)を表す第2の3次元データを取得する。ある一例では、器具に関する情報から一部の器具が選定されてもよい。この場合、演目が行われる予定の日時に使用可能な器具のみが選定されたり、種類及びスペック等に関して予約者等の施設利用者の要望の範囲内になる器具のみが選定されたりする。
【0026】
このようにして、管理部108は、前述の施設の予約情報に基づいて、演目の設定に必要な情報を、施設/器具情報記憶部109から読み出す。演目の設定に必要な情報には、前述した施設に関する情報、及び、器具に関する情報が含まれる。
【0027】
表示制御部106は、表示部107の表示内容を制御する。管理部108は、演目の設定に必要な情報を、表示制御部106へ出力する。表示制御部106は、管理部108から、演目の設定に必要な情報を受け取る。表示制御部106は、演目の設定に必要な情報を、表示部107に表示させる。表示制御部106は、予約者等の施設利用者に演目の設定情報を入力させる。すなわち、表示制御部106は、第1の3次元データ(施設の3次元データ)に施設に配置される器具に関する情報を追加可能な環境を、第1の処理装置102の設定部105等に形成する。表示制御部106は、演目の設定情報に基づいて、第2の3次元データを生成する。第2の3次元データは、施設の3次元データ(第1の3次元データ)に施設で使用する器具の3次元データが追加されたデータである。表示制御部106は、表示部107に、第2の3次元データを表示させる。表示制御部106が、器具に関する情報の追加が完了した(設定完了)と判断した場合、表示制御部106は、第2の3次元データを管理部108へ出力する。
【0028】
ある一例では、器具に関する情報の追加が完了した後、予約者等の施設利用者は、第1の処理装置に設けられたユーザーインターフェース等により、器具に関する情報の追加が完了したことを示す信号を入力する。そして、表示制御部106は、器具に関する情報の追加が完了したことを示す信号を検出した場合に、設定完了と判断する。また、別のある一例では、第1の処理装置に設けられたユーザーインターフェース等から、器具に関する情報の追加が完了したことを示す信号が入力されず、かつ、所定時間が経過した場合に、表示制御部106は、設定完了と判断する。
【0029】
ある一例では、表示制御部106は、施設の3次元データ及び選択可能な器具の3次元データを、表示部107に表示させる。表示部107において、施設の3次元データは、3次元空間上に表示される。表示制御部106は、選択可能な器具の3次元データから、予約者等の施設利用者に、施設に配置する器具の3次元データを選択させる。表示部107の3次元空間上において、表示制御部106は、予約者等の施設利用者に、選択された器具の3次元データを施設の3次元データへと配置させる。これにより、器具の配置情報が入力される。表示制御部106は、施設の3次元データ、器具の3次元データ、及び、器具の配置情報に基づいて、第2の3次元データを生成する。なお、選択可能な器具の3次元データは、それぞれの器具の3次元データに対応する選択可能なアイコンとして、表示部107に表示されてもよい。この場合、例えば、選択されたアイコンが表示部107の3次元空間上に配置されると、選択されたアイコンに対応する器具の3次元データが表示される。
【0030】
管理部108は、表示制御部106から、第2の3次元データを受け取る。なお、表示制御部106が第2の3次元データを生成せずに、管理部108が第2の3次元データを生成してもよい。この場合、管理部108は、表示制御部106から、予約者等の施設利用者によって入力された演目の設定情報を受け取る。演目の設定情報には、器具の配置情報が含まれる。また、管理部108は、演目の設定情報に基づいて、第2の3次元データの生成に必要な情報を、施設/器具情報記憶部109から読み出す。そして、管理部108は、第2の3次元データを生成する。また、管理部108は、表示制御部106をスレーブの制御装置として用いることにより、第1の処理装置102の表示部107に、生成した第2の3次元データを表示させる。
【0031】
配置情報生成部110は、施設における器具の配置に関する情報を生成する。管理部108は、第2の3次元データを、配置情報生成部110へ出力する。配置情報生成部110は、管理部108から、第2の3次元データを受け取る。配置情報生成部110は、第2の3次元データに基づいて、器具の配置図を含む器具の配置情報を生成する。そして、配置情報生成部110は、第2の処理装置103に、配置情報を出力する。配置図は、施設全体における器具の配置を表す図である。配置図は、例えば、平面図(上面図)や側面図である。なお、配置図は、器具が配置された施設全体を一方向から視た状態で示す図であればよい。例えば、配置図は、器具が配置された施設全体を鉛直上方向から視た状態で示す図である。
【0032】
ある一例では、少なくとも照明に関する情報が、器具に関する情報として第1の3次元データに追加される。そして、この第1の3次元データが追加された第2の3次元データが、生成される。この場合、第2の3次元データには、施設に配置される照明に関する3次元データ、及び、照明の配置情報が含まれる。そして、配置情報生成部110は、仕込み図を含む器具の配置図を作成する。ここで、仕込み図とは、吊り込み図、吊図とも呼ばれ、演目に合わせた照明の角度や配置等を記載した図である。また、仕込み図は、器具の配置図の一種であり、照明が配置された施設全体を一方向から視た状態で示す図である。
【0033】
本実施形態の予約システム101は、見積り情報生成部111を備えることが好ましい。管理部108は、第2の3次元データを、見積り情報生成部111に出力する。見積り情報生成部111は、管理部108から、第2の3次元データを受け取る。見積り情報生成部111は、第2の3次元データに基づいて、施設及び器具の費用に関する見積り情報を生成する。見積り情報生成部111は、管理部108へ、見積り情報を出力する。管理部108は、見積り情報を、見積もり情報生成部111から受け取る。管理部108は、表示制御部106に、見積り情報を出力する。表示制御部106は、見積り情報を、管理部108から受け取る。表示制御部106は、見積り情報を、表示部107に表示させる。
【0034】
費用情報記憶部112は、施設及び器具の費用に関する情報を記録する。見積り情報生成部111は、費用情報記憶部112から、施設及び器具の費用に関する情報を取得する。費用情報記憶部112には、例えば、施設に関する施設費用情報及び器具に関する器具費用情報が、記憶される。施設費用情報は、施設と施設の費用とを対応付ける。器具費用情報は、器具と器具の費用とを対応付ける。ある一例では、施設費用情報は、施設と施設の費用とを対応付けるテーブルとして、費用情報記憶部112に記憶される。器具費用情報も、器具と器具の費用とを対応付けるテーブルとして、費用情報記憶部112に記憶される。なお、器具の費用は、器具の設置箇所によって異なっていてもよい。例えば、設置が難しい場所に器具を設置する場合、器具の費用が高くなる。
【0035】
ある一例では、見積り情報生成部111は、第1の3次元データとして設定された施設の費用を、施設費用情報に基づいて算出する。また、見積り情報生成部111は、第2の3次元データに設定された器具の費用を、器具費用情報に基づいて算出する。見積り情報生成部111は、予約された施設の費用及びその施設に配置される器具の費用を合計することで、見積り情報を生成する。
【0036】
図2は、見積り情報の一例として、見積り表を示す。この見積り表には、施設及び器具の費用が一覧で示される。また、器具の費用の小計、及び、総見積り金額(施設の費用と器具の費用の合計)が表示される。
図2では、例えば、器具の費用として、ピアノ利用料、ピアノ運搬費、及び花の費用が挙げられている。
【0037】
前述のような予約システム101では、第1の処理装置102から管理装置104に予約情報が出力されると、管理装置104は、
図3に示す処理を行う。
図3に示す処理は、例えば、第1の処理装置102から管理装置104に予約情報が出力されるたびに行われる。
図3に示す処理では、管理部108は、第1の処理装置102から出力された予約情報を取得する(S301)。そして、管理部108は、取得した予約情報、及び、施設/器具情報記憶部109の施設情報に基づいて、予約された場所となる施設を特定する(S302)。そして、管理部108は、施設/器具情報記憶部109から、特定した施設の施設情報、すなわち、演目が行われる予定の場所となる施設の施設に関する情報、及び、器具に関する情報を、取得する(S303)。管理部108は、施設に関する情報及び器具に関する情報を、表示制御部106へ出力する(S304)。表示制御部106は、施設に関する第1の3次元データ及び器具の3次元データを、前述のようにして、表示部107に表示させる。これにより、表示制御部106は、第1の3次元データ(施設の3次元データ)に対して施設に配置される器具に関する情報を追加可能な環境を、第1の処理装置102の設定部105等に形成する(S305)。
【0038】
また、予約システム101では、第1の処理装置102において第1の3次元データ(施設の3次元データ)に器具に関する情報が追加されると、表示制御部106は、
図4に示す処理を行う。
図4に示す処理は、例えば、第1の処理装置102において第1の3次元データ(施設の3次元データ)に器具に関する情報が追加されるたびに行われる。
図4に示す処理では、表示制御部106は、第1の3次元データへ追加された情報、すなわち器具に関する情報を取得する(S401)。そして、表示制御部106は、前述のようにして、第2の3次元データを生成する(S402)。表示制御部106は、表示部107に、第2の3次元データを表示させる(S403)。表示制御部106は、上述のようにして、設定完了を判断する(S404)。表示制御部106が設定未完了と判断した場合、すなわち第1の3次元データ(施設の3次元データ)に器具に関する情報の追加が完了していない場合(S404-No)、処理はS401へと戻る。一方、表示制御部106が設定完了と判断した場合、すなわち、第1の3次元データ(施設の3次元データ)に器具に関する情報の追加が完了した場合(S404-Yes)、表示制御部106は、第2の3次元データを管理部108へ出力する(S405)。
【0039】
また、第1の処理装置102の表示制御部106から管理装置104の管理部108に、第2の3次元データが出力されると、管理装置104は
図5に示す処理を行う。
図5に示す処理は、例えば、前述のデータが出力されるたびに行われる。
図5に示す処理では、
管理部108は、表示制御部106から、第2の3次元データを取得する(S501)。そして、配置情報生成部110は、第2の3次元データを受け取り、前述のようにして配置情報を生成する(S502)。そして、配置情報生成部110は、第2の処理装置103へ、配置情報を出力する(S503)。また、見積り情報生成部111は、第2の3次元データを受け取り、前述のようにして見積り情報を生成する(S504)。表示制御部106は、見積り情報を受け取り、表示部107に見積り情報を表示させる(S505)。
【0040】
なお、見積り情報が表示部107に表示された段階で(S505)、予約者等の施設利用者が、例えば配置する器具の種類や施設における器具の配置を変更する場合、予約システム101での処理は
図4のS401から再び開始される。また、予約者等の施設利用者が、例えば施設の予約情報を変更する場合、予約システム101での処理は
図3のS301から再び開始される。このように予約システム101での処理が再び開始される場合、配置情報生成部110は配置情報を再び生成し第2の処理装置へ出力する。これにより、第2の処理装置103の配置情報が更新される。
【0041】
本実施形態では、表示制御部106が、前述のようにして第2の3次元データを表示部107に表示させる。また、配置情報生成部110が、前述のようにして、配置図を含む配置情報を生成する。これにより、予約者等の施設利用者がイベントの演目内容を想定できる。また、施設管理者は、イベントにおける施設及び器具の配置情報を即座に得ることができる。
【0042】
また、実施形態の予約システム101では、第1の処理装置102において、施設の3次元データが3次元空間上に表示され、選択肢から選択された器具を、その3次元空間上の施設に配置する。よって、予約者等の施設利用者が、器具の設置個所を任意の視点から確認することができる。ある一例では、予約者等の施設利用者が、施設の観客席側の視点から、イベントの演目内容を確認可能になる。これにより、予約者等の施設利用者が思い描く演目内容に可能な限り合致する演目や、予約者の想定するような器具の配置を実現することができる。
【0043】
また、実施形態の予約システム101では、配置情報生成部110が、第1の3次元データに対して照明に関する情報が追加された第2の3次元データに基づいて、施設に配置される照明の仕込み図を含む配置情報を生成する。これにより、施設管理者は、イベントの演目内容が決定した段階において、イベントにおける照明の仕込み図を即座に得ることができる。
【0044】
また、実施形態の予約システム101では、見積り情報生成部111は、施設に関する費用、及び、第2の3次元データに設定された器具に関する費用を含む見積り情報を生成する。これにより、予約段階において、予約者等の施設利用者が、イベントの演目に対応する見積りを確認しながら、施設及び器具の予約をすることができる。
【0045】
(変形例)
また、ある変形例では、予約した施設において希望する演目内容を行う場合の基準となる3次元データが、第1の3次元データとして、設備情報記憶部109に記憶される。基準となる3次元データは、所定の器具が施設において所定の位置に配置された3次元データである。この場合、表示制御部106は、設置する器具の種類及び器具の配置位置等を基準となる3次元データから変更可能にする環境を、第1の処理装置102の設定部105等に形成する。その他の処理等については、前述の実施形態と同様である。よって、本変形例も、前述の実施形態と同様の作用及び効果を奏する。また、基準となる3次元データをそのまま利用することで、予約者等の施設利用者は、より容易に、演目内容に要する見積りを得ることができる。
【0046】
これら少なくとも一つの実施形態によれば、表示制御部と、配置情報生成部とを具備する。表示制御部は、施設に関する第1の3次元データに、施設に配置される器具に関する情報を第1の処理装置において追加可能にし、第1の3次元データに器具に関する情報が追加された第2の3次元データを第1の処理装置に表示させる。配置情報生成部は、第2の3次元データに基づいて、施設における器具の配置を表す配置図を含む配置情報を生成し、配置情報を第2の処理装置に出力する。これにより、予約者等の施設利用者がイベントの演目内容を想定できるとともに、施設管理者がイベントにおける施設及び器具の配置情報を即座に得ることができる。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、付記を記載する。
[1]施設に関する第1の3次元データに、前記施設に配置される器具に関する情報を第1の処理装置において追加可能にし、前記第1の3次元データに前記器具に関する情報が追加された第2の3次元データを第1の処理装置に表示させる表示制御部と、
前記第2の3次元データに基づいて、前記施設における前記器具の配置を表す配置図を含む配置情報を生成し、前記配置情報を第2の処理装置に出力する配置情報生成部と; を具備する、予約システム。
[2]少なくとも前記第2の3次元データに基づいて、前記施設に関する費用、及び、前記第2の3次元データに設定された前記器具に関する費用を含む見積り情報を生成する見積り情報生成部
をさらに具備する、[1]に記載の予約システム。
[3]前記配置情報生成部は、前記第1の3次元データに少なくとも照明に関する情報が追加された前記第2の3次元データに基づいて、前記施設に配置される前記照明の仕込み図を少なくとも含む前記配置情報を生成する、
[1]又は[2]に記載の予約システム。
[4]施設に関する第1の3次元データに、前記施設に配置される器具に関する情報を第1の処理装置において追加可能にすることと;
前記第1の3次元データに前記器具に関する情報が追加された第2の3次元データを第1の処理装置に表示させることと;
前記第2の3次元データに基づいて、前記施設における前記器具の配置を表す配置図を含む配置情報を生成し、前記配置情報を第2の処理装置に出力することと;
を具備する、予約方法。
[5]コンピュータに、
施設に関する第1の3次元データに前記施設に配置される器具に関する情報を追加可能な環境を、第1の処理装置に形成させ、
前記第1の3次元データに前記器具に関する情報が追加された第2の3次元データを第1の処理装置に表示させ、
前記第2の3次元データに基づいて、前記施設における前記器具の配置を表す配置図を含む配置情報を生成させ、前記配置情報を第2の処理装置に出力させる、
予約プログラム。
【符号の説明】
【0048】
101…予約システム、102…第1の処理装置、103…第2の処理装置、104…管理装置、105…設定部、106…表示制御部、107…表示部、108…管理部、109…設備情報記憶部、110…配置情報生成部、111…見積り情報生成部、112…費用情報記憶部。