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特許7415770保安検査証発行装置、保安検査証発行方法、および、保安検査証発行プログラム
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  • 特許-保安検査証発行装置、保安検査証発行方法、および、保安検査証発行プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】保安検査証発行装置、保安検査証発行方法、および、保安検査証発行プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 1/00 20060101AFI20240110BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20240110BHJP
   G07B 5/06 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G07B1/00 A
G06Q50/30
G07B5/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020076206
(22)【出願日】2020-04-22
(65)【公開番号】P2021174154
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-02-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 秀樹
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-135009(JP,A)
【文献】特開2005-135310(JP,A)
【文献】特開2013-077248(JP,A)
【文献】特開2007-257219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 1/00
G06Q 50/30
G07B 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者のチェックイン情報と利用便情報とを用いて、搭乗手続きに利用可能な情報コードを生成する情報コード生成部と、
前記利用便情報、および、前記情報コードが記載された保安検査証を出力する出力部と、
を備える、保安検査証発行装置。
【請求項2】
前記情報コード生成部は、
前記利用便情報として、搭乗ゲートの変更情報、または、出発日時を含んで、前記情報コードを生成する、
請求項1に記載の保安検査証発行装置。
【請求項3】
前記情報コード生成部は、
前記情報コードに期限付き情報を含ませる、
請求項1または請求項2に記載の保安検査証発行装置。
【請求項4】
前記出力部は、
前記利用便情報に変更があると、変更後の利用便情報を、前記保安検査証に記載する、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の保安検査証発行装置。
【請求項5】
前記出力部は、
変更された情報を強調して、前記保安検査証に記載する、
請求項4に記載の保安検査証発行装置。
【請求項6】
利用者のチェックイン情報を取得するチェックイン情報取得ステップと、
前記チェックイン情報を用いて、利用便の情報を取得する利用便情報取得ステップと、
前記チェックイン情報と前記利用便情報とを用いて、搭乗手続きに利用可能な情報コードを生成する情報コード生成ステップと、
前記利用便の情報、および、前記情報コードが記載された保安検査証を出力する出力ステップと、
コンピュータが実行する、保安検査証発行方法。
【請求項7】
保安検査証の発行をコンピュータに実行させる保安検査証発行プログラムであって、
利用者のチェックイン情報を取得するチェックイン情報取得ステップと、
前記チェックイン情報を用いて、利用便の情報を取得する利用便情報取得ステップと、
前記チェックイン情報と前記利用便情報とを用いて、搭乗手続きに利用可能な情報コードを生成する情報コード生成ステップと、
前記利用便の情報、および、前記情報コードが記載された保安検査証を出力する出力ステップと、
を実行させる、保安検査証発行プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機等の搭乗のときに発行される保安検査証の発行技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機を利用する場合、利用者は、チェックインを行い、必要に応じて大型の荷物を預け、保安検査場を通過し、搭乗ゲートで搭乗手続きを行って、航空機に搭乗する。この一連の搭乗動作に対して、例えば、特許文献1に記載のシステムでは、チェックイン時に、チェックイン時間または搭乗予定便に応じた暗号化情報を出力する。利用者は、搭乗ゲートにおいて、この暗号化情報を読み込ませることで、搭乗手続きを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-318328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載のシステムでは、搭乗予定便(利用予定便)の出発時刻の変更や搭乗ゲートの変更等の情報が、チェックイン後に生じた場合、不具合が生じてしまう。例えば、搭乗手続きを簡易的に行えなかったり、暗号化情報の再発行を行わなければならない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、利用便の情報の変化等が生じても、搭乗手続きに対する影響を、より確実に抑制可能な技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の保安検査証発行装置は、上述の目的を達成するため、以下のように構成している。
【0007】
情報コード生成部は、利用者のチェックイン情報と利用便情報とを用いて、搭乗手続きに利用可能な情報コードを生成する。出力部は、利用便情報、および、情報コードが記載された保安検査証を出力する。
【0008】
この構成では、搭乗ゲートに近く直前に通過する保安検査場で発行される保安検査証に、搭乗用の情報コードが記載される。これにより、搭乗ゲートの変更等の利用便情報の変更が情報コードに反映され易い。
【0009】
また、情報コード生成部は、利用便情報として、搭乗ゲートの変更情報、または、出発日時を含んで、情報コードを生成するとよい。また、情報コード生成部は、情報コードに期限付き情報を含ませるとよい。
【0010】
また、出力部は、利用便の変更情報があると、変更後の利用便情報を、保安検査証に記載するとよい。また、出力部は、変更された情報を強調して、保安検査証に記載するとよい。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、利用便の情報の変化等が生じても、搭乗手続きに対する影響を、より確実に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施形態に係る保安検査証発行装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、本発明の構成を利用して、利用者が行う搭乗までの概略的な手続きの流れを示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の実施形態に係る保安検査証の発行方法を示すフローチャートである。
図4図4(A)は、本発明の実施形態に係る保安検査証の表記の一例を示す図であり、図4(B)は、従来の保安検査証の表記の一例を示す図である。
図5図5(A)、図5(B)は、利用便情報に変更がある場合の本発明の実施形態に係る保安検査証の表記の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図を参照して説明する。
【0014】
・適用例
図3は、本発明の実施形態に係る保安検査証の発行方法を示すフローチャートである。
【0015】
本実施形態の保安検査証発行装置10は、利用者のチェックイン情報を取得し、利用便情報を確認する。保安検査証発行装置10は、利用便情報に変更があれば、変更内容を含む情報コードを生成し、変更内容を含む情報コードが記載された保安検査証を発行する。情報コードは、例えば、二次元バーコード等である。
【0016】
この情報コードは、搭乗ゲートで読み込み可能である。搭乗ゲートは、情報コードを読み込むことで、搭乗手続きの許可処理を実行する。
【0017】
このような構成および処理によって、利用者が搭乗ゲートの前における搭乗のための最後の作業として行われる保安検査時に、利用便情報を含めた情報コードが発行される。そして、利用者は、これを用いて搭乗手続きを行うことができる。これにより、情報コードには、搭乗前の最新の利用便情報が反映され易く、変更があったとしても、搭乗時の煩雑な手続きを発生し難い。
【0018】
・構成例
本発明の実施形態に係る保安検査証の発行技術について、図を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る保安検査証発行装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0019】
図1に示すように、保安検査証発行装置10は、演算部11、記憶部12、チェックイン情報取得部13、IF14、出力部15、および、データバス100を備える。演算部11、記憶部12、チェックイン情報取得部13、IF14、および、出力部15は、データバス100を介して相互に接続されている。
【0020】
演算部11は、CPU、MPU等によって実現される。演算部11は、記憶部12に記憶された保安検査証の発行プログラムを読み出して実行することで、後述の保安検査証の発行処理を実行する。
【0021】
記憶部12は、半導体メモリ等の各種の記憶媒体によって実現される。記憶部12には、保安検査証の発行プログラムが記憶されている。保安検査証の発行プログラムには、例えば、チェックイン情報の照合、利用便情報の確認、情報コードの生成等が含まれている。チェックイン情報の照合処理は、保安検査証発行装置10が読み取ったチェックイン情報を照合する。利用者情報の確認は、取得したチェックイン情報から利用者情報を取得して、外部のシステムに記憶された利用者情報と比較して確認する。情報コードの生成は、資料者情報、利用者情報から得られる利用便情報を含み、搭乗手続きに利用可能な情報コードを生成する。なお、記憶部12は、保安検査証の発行プログラムを実行するときの作業領域としても利用される。
【0022】
チェックイン情報取得部13は、例えば、スキャナ(画像データ取得装置)、磁気読み取り装置、ICに書き込まれたデータの読み取り装置等を備える。なお、チェックイン情報取得部13は、少なくともこれらの装置の少なくとも1つを備えていればよい。
【0023】
チェックイン情報取得部13は、利用者のチェックイン情報を取得する。チェックイン情報は、例えば、利用者の氏名、ID等の利用者情報、搭乗予定便の便名、発着時刻、搭乗ゲート等の利用便情報を含む。
【0024】
チェックイン情報取得部13は、取得したチェックイン情報を、演算部11に出力する。チェックイン情報取得部13は、取得したチェックイン情報を、記憶部12に一時記憶させてもよい。また、演算部11が、入力されたチェックイン情報を、記憶部12に一時記憶させてもよい。
【0025】
IF14は、保安検査証発行装置10の外部装置との通信を行う。例えば、空港の運航システムや、保安検査装置との通信を行う。
【0026】
出力部15は、演算部11で生成した保安検査証のデータを、紙等に印字して、紙ベースの保安検査証を発行し、出力する。
【0027】
(利用者の搭乗までの手続きの概略説明)
保安検査証の発行タイミングを分かり易くするため、まず、利用者の搭乗までの手続きを概略的に説明する。
【0028】
図2は、本発明の構成を利用して、利用者が行う搭乗までの概略的な手続きの流れを示すフローチャートである。図2に示すように、利用者は、利用便の搭乗に対するチェックイン手続きを行う(S11)。チェックインの手続きは、空港のチェックインカウンタで行ってもよく、各種の情報通信端末を用いて、インターネット上で行ってもよい。
【0029】
次に、利用者は、チェックインカウンタまたは荷物預かり所にて、機内に持ち込まない、または持ち込めない荷物を預ける(S12)。
【0030】
次に、利用者は、保安検査所に行き、保安検査を受ける(S13)。この際、利用者は、保安検査を行ったことを証明する保安検査証を受け取る。すなわち、このタイミングで、保安検査証は発行される。この保安検査証には、後述する情報コードが記載されている。
【0031】
次に、利用者は、搭乗ゲートに行き、搭乗手続きを行う(S14)。この際、利用者は、保安検査証に記載された情報コードを用いて、搭乗手続きを行う。保安検査証を用いることによって、利用者は、搭乗手続きを、簡単な動作で実行することできる。
【0032】
そして、この構成では、利用者が行う搭乗までの一連の手続きにおいて、搭乗手続きの直前に行われる保安検査において、搭乗手続きに必要な情報コードが記載された保安検査証が発行される。したがって、保安検査証の情報コード、すなわち、搭乗に必要な情報コードには、可能な限り最新の利用便情報を含ませることができる。これにより、例えば、搭乗ゲートや出発時刻の変更等があっても、その情報を情報コードに含ませ易い。したがって、このような場合における搭乗手続きを、円滑に、且つ、容易に行うことができる。
【0033】
(保安検査証の発行処理の説明)
図3は、本発明の実施形態に係る保安検査証の発行方法を示すフローチャートである。
【0034】
保安検査証発行装置10は、チェックイン情報を取得する(S31)。保安検査証発行装置10は、チェックイン情報に基づいて、利用便情報を取得し、システムに記憶された利用者情報と比較して、確認する(S32)。保安検査証発行装置10は、システムからの利用便情報と、チェックイン情報に含まれていた利用便情報とを比較し、変更があるか否かを検出する。
【0035】
保安検査証発行装置10は、変更があれば(S33:YES)、変更内容を含む情報コードを生成する(S34)。保安検査証発行装置10は、変更情報を含む保安検査証を発行する(S35)。
【0036】
保安検査証発行装置10は、変更がなければ(S33:NO)、変更無しの情報コードを生成する(S36)。保安検査証発行装置10は、変更無しの保安検査証を発行する。
【0037】
(保安検査証の表記例)
図4(A)は、本実施形態における変更が無い場合の保安検査証の表記例を示す図であり、図4(B)は、従来の保安検査証の表記例を示す図である。図4(A)に示すように、保安検査証300には、保安検査証を示す表題301、搭乗者氏名302、搭乗口303、搭乗順304、座席305、利用便詳細306、注意事項307、および、情報コード310が記載されている。
【0038】
情報コード310は、搭乗ゲートで読み取り可能なコードである。利用者は、搭乗ゲートの読み取り機に情報コード310を読み取らせることで、搭乗手続きに利用することができる。
【0039】
この際、情報コード310に利用者情報を含ませることによって、搭乗券のセキュリティを強化でき、偽造、不正利用を防止できる。さらに、情報コード310に、期限付き情報を含ませることで、搭乗券のセキュリティをさらに強化でき、偽造、不正利用を、より確実に防止できる。なお、期限は、例えば、保安検査場の通過から航空機の出発時刻に、所定のマージンを加算した時間によって設定される。また、航空機の出発時刻に所定のマージンを加算した時刻によって設定することもできる。
【0040】
一方、図4(B)に示すように、従来の保安検査証300Pでは、情報コードが記載されていない。したがって、従来の保安検査証300Pは、搭乗手続きに利用することはできず、セキュリティ性を高くすることもできない。
【0041】
このように、本願発明の構成および処理を用いることで、搭乗手続きに利用可能で、且つ、セキュリティ性の高い保安検査証を発行し、ユーザは、これを利用することができる。
【0042】
図5(A)、図5(B)は、本実施形態における変更がある場合の保安検査証の表記例を示す図である。
【0043】
図5(A)に示す態様では、保安検査証300Aは、変更のある搭乗口303の記載が、変更後の搭乗口になっている。例えば、図4(A)、図5(A)の例であれば、搭乗口が46番から60番に変更になっている。これにより、利用者は、変更後の搭乗口を、容易に、且つ、より確実に認識できる。
【0044】
図5(B)に示す態様では、保安検査証300Bは、変更のある搭乗口303が強調表示されている。強調表示とは、通常の表示(記載)と異なるものであり、例えば、ハッチングがされていたり、異なるフォントで記載されている等の手法を用いることができる。これにより、利用者は、変更後の搭乗口を、より容易に、且つ、さらに確実に認識できる。
【0045】
<付記>
・利用者のチェックイン情報と利用便情報とを用いて、搭乗手続きに利用可能な情報コードを生成する情報コード生成部と、利用便情報、および、情報コードが記載された保安検査証を出力する出力部と、を備える、保安検査証発行装置。
【0046】
・情報コード生成部は、利用便情報として、搭乗ゲートの変更情報、または、出発日時を含んで、情報コードを生成する。
【0047】
・情報コード生成部は、情報コードに期限付き情報を含ませる。
【0048】
・出力部は、利用便の変更情報があると、変更後の利用便情報を、保安検査証に記載する。
【0049】
・出力部は、変更された情報を強調して、保安検査証に記載する。
【符号の説明】
【0050】
10:保安検査証発行装置
11:演算部
12:記憶部
13:チェックイン情報取得部
14:IF
15:出力部
100:データバス
300、300A、300B、300P:保安検査証
301:表題
302:搭乗者氏名
303:搭乗口
304:搭乗順
305:座席
306:利用便詳細
307:注意事項
310:情報コード
図1
図2
図3
図4
図5