(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】認証システム、認証装置、および認証方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20240110BHJP
【FI】
G06F21/32
(21)【出願番号】P 2020081644
(22)【出願日】2020-05-05
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】小幡 孝之
(72)【発明者】
【氏名】青柳 博久
【審査官】岸野 徹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-224863(JP,A)
【文献】特開2011-180865(JP,A)
【文献】特開2009-009231(JP,A)
【文献】特開2009-265769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の利用者を認証する認証システムであって、
前記部屋の入口のドアに設置された電子錠と、
前記部屋の入口に設置され、当該部屋に入室しようとする利用者を撮影する入口用カメラと、
前記部屋の室内に設置され、当該部屋に滞在する利用者を撮影する室内用カメラと
前記入口用カメラの撮影データを用いて、前記部屋に入室しようとする利用者を認証する認証装置と、を備え、
前記認証装置は、
前記部屋の継続的な利用が許可された利用者である継続利用者の顔認証情報が記憶された継続利用者認証情報記憶手段と、
前記部屋の一時的な利用が許可された利用者である一時利用者の顔認証情報が記憶される一時利用者認証情報記憶手段と、
前記入口用カメラの撮影データに映っている前記利用者の顔情報の特徴量を抽出するとともに、前記室内用カメラの撮影データに映っている前記利用者の顔情報の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量抽出手段により前記入口用カメラの撮影データから前記顔情報の特徴量が抽出された利用者毎に、当該利用者の顔情報の特徴量が、前記継続利用者の顔認証情報として前記継続利用者認証情報記憶手段に登録されているならば、当該利用者を前記継続利用者として認証し、前記一時利用者の顔認証情報として前記一時利用者認証情報記憶手段に登録されているならば、当該利用者を前記一時利用者として認証する認証手段と、
前記特徴量抽出手段により前記入口用カメラの撮影データから前記顔情報の特徴量が抽出された少なくとも一人の利用者が前記認証手段により前記継続利用者として認証されたか、あるいは、すべての利用者が前記認証手段により前記一時利用者として認証された場合に、前記電子錠を解錠する電子錠制御手段と、
前記特徴量抽出手段により前記室内用カメラの撮影データから抽出された前記顔情報の特徴量のうち、前記継続利用者認証情報記憶手段および前記一時利用者認証情報記憶手段のいずれにも登録されていない顔情報の特徴量を、前記一時利用者の顔認証情報として前記一時利用者認証情報記憶手段に登録する一時利用者認証情報更新手段と、を有する
ことを特徴とする認証システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の認証システムであって、
前記一時利用者認証情報更新手段は、
前記特徴量抽出手段により前記室内用カメラの撮影データから抽出された前記顔情報の特徴量がいずれも前記継続利用者の顔認証情報として前記継続利用者認証情報記憶手段に登録されていない状態が所定時間継続した場合に、前記一時利用者認証情報記憶手段に記憶されている前記一時利用者の顔認証情報をすべて削除する
ことを特徴とする認証システム。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の認証システムであって、
前記部屋を有する施設のエントランスに設置され、前記施設から退出する利用者を撮影するエントランス用カメラをさらに有し、
前記特徴量抽出手段は、
前記エントランス用カメラの撮影データに映っている前記利用者の顔情報の特徴量も抽出し、
前記一時利用者認証情報更新手段は、
前記特徴量抽出手段により前記エントランス用カメラの撮影データから抽出された前記顔情報の特徴量が前記一時利用者の顔認証情報として前記一時利用者認証情報記憶手段に登録されているならば、当該顔情報の特徴量を前記一時利用者認証情報記憶手段から削除する
ことを特徴とする認証システム。
【請求項4】
請求項1ないし
3のいずれか一項に記載の認証システムであって、
前記一時利用者認証情報更新手段は、
所定の終了時刻の到来により前記一時利用者認証情報記憶手段に記憶されている前記一時利用者の顔認証情報をすべて削除して、前記一時利用者認証情報記憶手段の更新を停止する
ことを特徴とする認証システム。
【請求項5】
請求項1ないし
4のいずれか一項に記載の認証システムであって、
前記部屋の室内に設置された電子機器と、
前記部屋の室内に設置され、前記電子機器を操作する利用者を撮影する電子機器用カメラと、
前記電子機器を操作する前記利用者のログインを管理するログイン管理手段と、をさらに有し、
前記特徴量抽出手段は、
前記電子機器用カメラの撮影データに映っている前記利用者の顔情報の特徴量も抽出し、
前記ログイン管理手段は、
前記特徴量抽出手段により前記電子機器用カメラの撮影データから抽出された前記顔情報の特徴量が、前記継続利用者の顔認証情報として前記継続利用者認証情報記憶手段に登録されているならば、前記撮影データに映っている前記利用者を、当該顔認証情報を持つ継続利用者として特定し、前記一時利用者の顔認証情報として前記一時利用者認証情報記憶手段に登録されているならば、前記撮影データに映っている前記利用者を、当該顔認証情報を持つ一時利用者として特定して、特定した継続利用者あるいは一時利用者の識別情報を前記電子機器に紐付けてログインを管理する
ことを特徴とする認証システム。
【請求項6】
部屋に入室しようとする利用者を認証する認証装置であって、
前記部屋の継続的な利用が許可された利用者である継続利用者の顔認証情報が記憶された継続利用者認証情報記憶手段と、
前記部屋の一時的な利用が許可された利用者である一時利用者の顔認証情報が記憶される一時利用者認証情報記憶手段と、
前記部屋の入口に設置された入口用カメラの撮影データに映っている利用者の顔情報の特徴量を抽出するとともに、前記部屋の室内に設置された室内用カメラの撮影データに映っている利用者の顔情報の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量抽出手段により前記入口用カメラの撮影データから前記顔情報の特徴量が抽出された利用者毎に、当該利用者の顔情報の特徴量が前記継続利用者の顔認証情報として前記継続利用者認証情報記憶手段に登録されているならば、当該利用者を前記継続利用者として認証し、前記一時利用者の顔認証情報として前記一時利用者認証情報記憶手段に登録されているならば、当該利用者を前記一時利用者として認証する認証手段と、
前記特徴量抽出手段により前記入口用カメラの撮影データから顔情報の特徴量が抽出された少なくとも一人の利用者が前記認証手段により前記継続利用者として認証されたか、あるいは、すべての利用者が前記認証手段により前記一時利用者として認証された場合に、前記部屋の入口のドアに設置された電子錠を解錠する電子錠制御手段と、
前記特徴量抽出手段により前記室内用カメラの撮影データから抽出された前記顔情報の特徴量のうち、前記継続利用者認証情報記憶手段および前記一時利用者認証情報記憶手段のいずれにも登録されていない顔情報の特徴量を前記一時利用者の顔認証情報として前記一時利用者認証情報記憶手段に登録する一時利用者認証情報更新手段と、を有する
ことを特徴とする認証装置。
【請求項7】
認証装置を用いて部屋の利用者を認証する認証方法であって、
前記認証装置は、
前記部屋の継続的な利用が許可された利用者である継続利用者の顔認証情報が記憶された継続利用者認証情報記憶手段と、
前記部屋の一時的な利用が許可された利用者である一時利用者の顔認証情報が記憶される一時利用者認証情報記憶手段と、を有し、
前記部屋の入口に設置された入口用カメラの撮影データに映っている利用者の顔情報の特徴量を抽出し、
前記入口用カメラの撮影データから前記顔情報の特徴量が抽出された利用者毎に、当該利用者の顔情報の特徴量が、前記継続利用者の顔認証情報として前記継続利用者認証情報記憶手段に登録されているならば、当該利用者を前記継続利用者として認証し、前記一時利用者の顔認証情報として前記一時利用者認証情報記憶手段に登録されているならば、当該利用者を前記一時利用者として認証し、
前記入口用カメラの撮影データから前記顔情報の特徴量が抽出された少なくとも一人の利用者が前記継続利用者として認証されたか、あるいは、すべての利用者が前記一時利用者として認証された場合に、前記部屋の入口のドアに設置された電子錠を解錠し、
前記部屋の室内に設置された室内用カメラの撮影データに映っている利用者の顔情報の特徴量を抽出し、
前記室内用カメラの撮影データから抽出された前記顔情報の特徴量のうち、前記継続利用者認証情報記憶手段および前記一時利用者認証情報記憶手段のいずれにも登録されていない顔情報の特徴量を前記一時利用者の顔認証情報として前記一時利用者認証情報記憶手段に登録する
ことを特徴とする認証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証技術に関し、特に、一時利用者の入室管理に好適な認証技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、部屋への入室管理およびこの部屋に設置された電子機器の利用管理を行うログイン支援システムが開示されている。
【0003】
このログイン支援システムは、部屋の入口に設置されたIDカードリーダと、この部屋内に設置された電子機器の利用者を撮影するように設置されたカメラと、を備えている。そして、ログイン支援システムは、IDカードリーダによりこの部屋に入室しようとする利用者のIDカードからIDを読み取ると、このIDが、入室を許可する人物のIDとして予め登録されているならば、この利用者を認証して、この利用者の入室を許可する。
【0004】
また、カメラにより撮影された撮影データから利用者を検出すると、この撮影データから利用者の顔情報の特徴量を抽出し、その特徴量が顔認証情報として予め登録されているならば、この利用者を電子機器にログインさせて、この利用者による電子機器の利用を許可する。また、ログイン支援システムは、電子機器に対するジョブが完了するか、あるいは利用者に電子機器の利用を許可してからジョブが完了することなく一定時間が経過すると、この利用者を電子機器からログアウトさせ、この利用者による電子機器の利用を取り消す。
【0005】
これにより、電子機器が設置されている部屋への入室者が複数いる場合に、ある利用者による電子機器の利用を許可したときでも、その利用者に電子機器を独占的に使用させずに、他の利用者にも電子機器の利用の機会を与えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のログイン支援システムは、すべての利用者がIDカードを所持し、それぞれの顔認証情報が登録されていることを前提としている。このため、一時的な利用者でも、ログイン支援システムの運営者にIDカードを発行してもらって、ログイン支援システムに顔認証情報を予め登録しなければならず、このような設定登録の作業が煩雑である。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、事前の設定登録を必要とすることなく、一時的な利用者の入室を管理することができる認証技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、部屋の入口に設置されたカメラにより、この部屋に入室しようとする利用者を撮影する。そして、撮影データから利用者の顔情報の特徴量を抽出し、この顔情報の特徴量が継続利用者あるいは一時利用者の顔認証情報として予め登録されているならば、この利用者の入室を許可する。ここで、撮影データに複数の利用者が含まれている場合、利用者毎に、顔情報の特徴量が継続利用者あるいは一時利用者の顔認証情報として予め登録されているか否かを判断する。そして、撮影されたいずれかの利用者の顔情報の特徴量が継続利用者の顔認証情報として登録されているか、あるいは、撮影されたすべての利用者の顔情報の特徴量が一時利用者の顔認証情報として登録されているならば、これら複数の利用者の入室を許可する。また、部屋内に設置されたカメラにより、この部屋にいる利用者を撮影し、撮影データに含まれている利用者毎に、顔情報の特徴量を抽出して、この顔情報の特徴量が継続利用者あるいは一時利用者の顔認証情報として予め登録されているか否かを判断する。そして、顔情報の特徴量が継続利用者および一時利用者のいずれの顔認証情報としても登録されていない利用者がいるならば、この顔情報の特徴量を、一時利用者の顔認証情報として登録する。
【0012】
例えば、本発明は、
部屋の利用者を認証する認証システムであって、
前記部屋の入口のドアに設置された電子錠と、
前記部屋の入口に設置され、当該部屋に入室しようとする利用者を撮影する入口用カメラと、
前記部屋の室内に設置され、当該部屋に滞在する利用者を撮影する室内用カメラと
前記入口用カメラの撮影データを用いて、前記部屋に入室しようとする利用者を認証する認証装置と、を備え、
前記認証装置は、
前記部屋の継続的な利用が許可された利用者である継続利用者の顔認証情報が記憶された継続利用者認証情報記憶手段と、
前記部屋の一時的な利用が許可された利用者である一時利用者の顔認証情報が記憶される一時利用者認証情報記憶手段と、
前記入口用カメラの撮影データに映っている前記利用者の顔情報の特徴量を抽出するとともに、前記室内用カメラの撮影データに映っている前記利用者の顔情報の特徴量を抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量抽出手段により前記入口用カメラの撮影データから前記顔情報の特徴量が抽出された利用者毎に、当該利用者の顔情報の特徴量が、前記継続利用者の顔認証情報として前記継続利用者認証情報記憶手段に登録されているならば、当該利用者を前記継続利用者として認証し、前記一時利用者の顔認証情報として前記一時利用者認証情報記憶手段に登録されているならば、当該利用者を前記一時利用者として認証する認証手段と、
前記特徴量抽出手段により前記入口用カメラの撮影データから前記顔情報の特徴量が抽出された少なくとも一人の利用者が前記認証手段により前記継続利用者として認証されたか、あるいは、すべての利用者が前記認証手段により前記一時利用者として認証された場合に、前記電子錠を解錠する電子錠制御手段と、
前記特徴量抽出手段により前記室内用カメラの撮影データから抽出された前記顔情報の特徴量のうち、前記継続利用者認証情報記憶手段および前記一時利用者認証情報記憶手段のいずれにも登録されていない顔情報の特徴量を、前記一時利用者の顔認証情報として前記一時利用者認証情報記憶手段に登録する一時利用者認証情報更新手段と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、顔情報の特徴量が継続利用者および一時利用者のいずれの顔認証情報としても登録されていない利用者は、顔情報の特徴量が継続利用者の顔認証情報として登録されている利用者とともに入口用カメラに撮影されることにより、入室が許可され、自身の顔情報の特徴量が一時利用者の顔認証情報としても登録される。したがって、本発明によれば、施設等において、事前の設定登録を必要とすることなく、一時的な利用者の入室を管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態に係る認証システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態に係る認証システムにおけるセミナー室の入室管理動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態に係る認証システムにおけるセミナー室の入室管理動作例を説明するためのシーケンス図であり、
図2の続きである。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態に係る認証システムにおける一時利用者の顔認証情報抹消動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施の形態に係る認証システムにおける事務室の入室管理動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施の形態に係る認証システムにおけるクライアント端末6-1~6-4のサービス利用管理動作例を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態に係る認証システムにおけるクライアント端末6-1~6-4のサービス利用管理動作例を説明するためのシーケンス図であり、
図6の続きである。
【
図9】
図9は、サーバ1により実行される、セミナー室に対する入室管理処理を説明するためのフロー図である。
【
図10】
図10は、サーバ1により実行される、事務室に対する入室管理処理を説明するためのフロー図である。
【
図11】
図11は、サーバ1により実行される、一時利用者の顔認証情報抹消処理を説明するためのフロー図である。
【
図12】
図12は、サーバ1により実行されるサービス利用管理処理を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本実施の形態に係る認証システムの概略構成図である。
【0017】
ここでは、本実施の形態に係る認証システムを、セミナー室および事務室を備えた施設において、セミナー室および事務室の入室管理に適用した例を示している。
【0018】
図示するように、本実施の形態に係る認証システムは、サーバ1と、セミナー室の入口のドアに設置されたオートロック2-1と、事務室の入口のドアに設置されたオートロック2-2と、セミナー室の入口に設置され、呼び出し操作を受け付けることにより、セミナー室に入室しようとする利用者を撮影するカメラ付きドアホン3-1と、事務室の入口に設置され、呼び出し操作を受け付けることにより、事務室に入室しようとする利用者を撮影するカメラ付きドアホン3-2と、施設のエントランスに設置され、施設から退出しようとする利用者を常時撮影するエントランス用カメラ4と、セミナー室の室内に設置され、サーバ1が提供するサービス(ファイル閲覧サービス、動画配信サービス等)を利用するためのクライアント端末6-1~6-4と、クライアント端末6-1~6-4にそれぞれ対応付けて設置され、ログイン要求操作を受け付けることにより、対応クライアント端末6-1~6-4を操作する利用者を撮影する端末用カメラ7-1~7-4と、を備えている。
【0019】
ここで、オートロック2-1、2-2、カメラ付きドアホン3-1、3-2、エントランス用カメラ4、および、クライアント端末6-1~6-4は、図示していない有線ネットワークおよび/または無線ネットワークを介してサーバ1に接続されている。また、端末用カメラ7-1~7-4は、USB(Universal Serial Bus)、Bluetooth(登録商標)等により、それぞれ、対応クライアント端末6-1~6-4に接続されている。
【0020】
サーバ1は、施設の利用者を認証してセミナー室および事務室への入室を管理する。また、サーバ1は、セミナー室に入室した利用者によるクライアント端末6-1~6-4の利用を管理する。
【0021】
なお、本実施の形態では、施設の利用者として、施設の継続的な利用が許可され、セミナー室および事務室の双方に入室可能な継続利用者8と、施設の一時的な利用が許可され、セミナー室のみに入室可能な一時利用者9(例えば、一時利用者9-1、9-2)と、を想定している。
【0022】
図2および
図3は、本実施の形態に係る認証システムにおけるセミナー室の入室管理動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0023】
ここで、以下において一時利用者として承認される人物9-1、9-2は、初期状態では、サーバ1に顔認証情報が未登録であるものとする。
【0024】
まず、継続利用者8が、施設の一時利用を希望する人物9-1、9-2をエントランスまで迎えに行き、これらの人物9-1、9-2を同伴してセミナー室の入口まで移動したとする(S100)。
【0025】
継続利用者8がセミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1の呼び出しボタンを押下するなどの呼び出し操作を行うと(S101)、カメラ付きドアホン3-1はこれを検知し、セミナー室の入口の前に位置する継続利用者8および同伴人物9-1、9-2を撮影する(S102)。そして、撮影データをサーバ1に送信する(S103)。
【0026】
つぎに、サーバ1は、カメラ付きドアホン3-1から撮影データを受信すると、この撮影データの画像解析を実施して、この撮影データに含まれている人物を検出する(S104)。そして、サーバ1は、検出した人物毎に、顔情報(顔画像データ)の特徴量(目、鼻、顎等の、顔の各部位の相対位置、大きさ、および、形状等)を抽出する(S105)。
【0027】
それから、サーバ1は、撮影データから検出した人物毎に、抽出した顔情報の特徴量と整合する顔認証情報(例えば、類似度が所定の値以上)を、継続利用者8毎に予め登録された顔認証情報のなかから検索する。そして、整合する顔認証情報が検索できたならば、この人物を継続利用者8として認証する。これにより、セミナー室の入口前の人物のうちの少なくとも一人が継続利用者8として認証される(S106)。
【0028】
サーバ1は、継続利用者8を認証できたならば、セミナー室の入口のドアのオートロック2-1に解錠命令を送信するとともに(S107)、セミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1に解錠通知を送信する(S108)。これを受けて、オートロック2-1は解錠し(S109)、カメラ付きドアホン3-1は、オートロック2-1が解錠されたことを示す音声メッセージを出力する(S110)。これにより、継続利用者8の同伴者9-1、9-2は、事前のビジター登録なしでも、継続利用者8に同伴されることでセミナー室への入室が許可される。
【0029】
つぎに、サーバ1は、撮影データから検出された人物のうち、継続利用者8として認証されなかった人物9-1、9-2各々について、抽出した顔情報の特徴量と整合する顔認証情報を、一時利用者9毎に登録された顔認証情報のなかから検索する。ここで、継続利用者8の同伴者9-1、9-2の顔認証情報はサーバ1に未登録であるため、サーバ1は、継続利用者8として認証されなかった人物9-1、9-2各々が継続利用者8以外の利用者(施設の一時的な利用が許可された一時利用者9)として未登録であることを確認する(S111)。そして、これらの人物9-1、9-2の顔情報の特徴量を一時利用者9-1、9-2の顔認証情報として登録する(S112)。これにより、継続利用者8の同伴者としてセミナー室に入室した人物9-1、9-2は一時利用者9-1、9-2として登録される。
【0030】
その後、セミナー室に入室した一時利用者9-1、9-2が、セミナー室を一旦退室して例えば休憩所あるいは洗面所に移動し、継続利用者8の同伴なしで、再度、セミナー室の入口まで移動したとする(S113)。
【0031】
一時利用者9-1あるいは一時利用者9-2がセミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1の呼び出しボタンを押下するなどの呼び出し操作を行うと(S114)、カメラ付きドアホン3-1はこれを検知し、セミナー室の入口の前に位置する一時利用者9-1、9-2を撮影する(S115)。そして、撮影データをサーバ1に送信する(S116)。
【0032】
サーバ1は、セミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1から撮影データを受信すると、この撮影データの画像解析を実施して、この撮影データに含まれている人物を検出する(S117)。そして、サーバ1は、検出した人物毎に顔情報の特徴量を抽出する(S118)。
【0033】
それから、サーバ1は、撮影データから検出した人物毎に、抽出した顔情報の特徴量と整合する顔認証情報を、継続利用者8毎に予め登録された顔認証情報のなかから検索する。ここで、撮影データには継続利用者8が含まれていないため、サーバ1は、セミナー室の入口前に継続利用者8が不存在であることを確認する(S119)。
【0034】
つぎに、サーバ1は、撮影データから検出された人物各々について、抽出した顔情報の特徴量と整合する顔認証情報を、一時利用者9毎に登録された顔認証情報のなかから検索する。そして、整合する顔認証情報が検索できたならば、この人物を一時利用者として認証する。ここでは、S112により一時利用者9-1、9-2の顔認証情報がサーバ1に登録済みであるため、セミナー室の入口前のすべての一時利用者9-1、9-2が適正な一時利用者9として認証される(S120)。
【0035】
つぎに、サーバ1は、撮影データから検出されたすべての人物、すなわち一時利用者9-1、9-2が認証されたことを確認すると、セミナー室の入口のドアのオートロック2-1に解錠命令を送信するとともに(S121)、セミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1に解錠通知を送信する(S122)。これを受けて、セミナー室の入口のドアのオートロック2-1は解錠し(S123)、セミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1は、オートロック2-1が解錠されたことを示す音声メッセージを出力する(S124)。これにより、セミナー室の入口前の一時利用者9-1、9-2は、継続利用者8の同伴なしでもセミナー室への再入室が許可される。
【0036】
図4は、本実施の形態に係る認証システムにおける一時利用者の顔認証情報抹消動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0037】
セミナー室に入室した一時利用者9-1、9-2が、セミナー室を退室して、施設から退出するためにエントランスまで移動したとする(S125)。
【0038】
エントランス用カメラ4は、施設から退出しようとする利用者を常時撮影しており(S126)、その撮影データをサーバ1に逐次送信している。サーバ1は、エントランス用カメラ4から逐次送られてくる撮影データの画像解析を実施して、撮影データに含まれている人物の検出を試みる。そして、撮影データから人物を検出したならば(S127)、検出した人物毎に顔情報の特徴量を抽出する(S128)。
【0039】
つぎに、サーバ1は、撮影データから検出された人物各々について、抽出した顔情報の特徴量と整合する顔認証情報を、一時利用者9毎に登録された顔認証情報のなかから検索する。これにより、撮影データに含まれている人物のなかから登録済みの一時利用者9を特定する。ここでは、一時利用者9-1、9-1が特定される(S129)。
【0040】
それから、サーバ1は、登録済みの一時利用者9の顔認証情報のなかから、特定した一時利用者9-1、9-2の顔認証情報を抹消する(S130)。
【0041】
図5は、本実施の形態に係る認証システムにおける事務室の入室管理動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0042】
まず、継続利用者8が単独(同伴者なし)で事務室の入口まで移動したものとする(S140)。
【0043】
継続利用者8が事務室の入口のカメラ付きドアホン3-2の呼び出しボタンを押下するなどの呼び出し操作を行うと(S141)、カメラ付きドアホン3-2はこれを検知し、事務室の入口の前に位置する継続利用者8を撮影する(S142)。そして、撮影データをサーバ1に送信する(S143)。
【0044】
サーバ1は、事務室の入口のカメラ付きドアホン3-2から撮影データを受信すると、この撮影データの画像解析を実施して、この撮影データに含まれている人物を検出する(S144)。そして、サーバ1は、検出した人物毎に顔情報の特徴量を抽出する(S145)。
【0045】
それから、サーバ1は、撮影データから検出した人物毎に、抽出した顔情報の特徴量と整合する顔認証情報を、継続利用者8毎に予め登録された顔認証情報のなかから検索する。そして、整合する顔認証情報が検索できたならば、この人物を継続利用者8として認証する。これにより、事務室の入口前の継続利用者8が認証される(S146)。
【0046】
つぎに、サーバ1は、撮影データから検出した人物がすべて継続利用者8として認証されたこと、すなわち、事務室の入口に継続利用者8以外の人物(一時的な利用が許可された一時利用者9、および顔認証情報未登録者)が存在していないことを確認すると(S147)、事務室の入口のドアのオートロック2-2に解錠命令を送信するとともに(S148)、事務室の入口のカメラ付きドアホン3-2に解錠通知を送信する(S149)。これを受けて、オートロック2-2は解錠し(S150)、カメラ付きドアホン3-2は、オートロック2-2が解錠されたことを示す音声メッセージを出力する(S151)。これにより、継続利用者8の、事務室への入室が許可される。
【0047】
図6および
図7は、本実施の形態に係る認証システムにおけるクライアント端末6-1~6-4のサービス利用管理動作例を説明するためのシーケンス図である。
【0048】
まず、セミナー室に入室した一時利用者9-1がセミナー室内のいずれかのクライアント端末6-1の前まで移動して着席したものとする(S160)。
【0049】
一時利用者9-1がクライアント端末6-1に対して所定のキーを押下するなどのログイン操作を行うと(S161)、クライアント端末6-1はこれを検知し、自身に対応付けられた端末用カメラ7-1に撮影命令を送信する(S162)。これを受けて、端末用カメラ7-1は、クライアント端末6-1の前に着座する一時利用者9-1を撮影する(S163)。そして、撮影データをクライアント端末6-1に送信する(S164)。クライアント端末6-1は、端末用カメラ7-1から受信した撮影データを含むログイン要求をサーバ1に送信する(S165)。
【0050】
サーバ1は、クライアント端末6-1からログイン要求を受信すると、このログイン要求に含まれている撮影データの画像解析を実施して、この撮影データに含まれている人物を検出する(S166)。そして、サーバ1は、検出した人物の顔情報の特徴量を抽出する(S167)。
【0051】
それから、サーバ1は、撮影データから検出した人物の顔情報の特徴量と整合する顔認証情報を、継続利用者8毎に予め登録された顔認証情報のなかから検索する。ここで、クライアント端末6-1の前に着座している人物は一時利用者9-1であるので、この人物の顔情報の特徴量と整合する顔認証情報は継続利用者8の顔認証情報のなかからは見つからない。そこで、サーバ1は、撮影データから検出した人物の顔情報の特徴量と整合する顔認証情報を、一時利用者9毎に登録された顔認証情報のなかから検索する。そして、整合する顔認証情報が検索できたならば、この人物を、適正な一時利用者9として認証する。ここでは、
図2のS112により、クライアント端末6-1前に現在着座している一時利用者9-1はその顔認証情報がサーバ1に登録済みのため、適正な一時利用者9-1として認証される(S168)。
【0052】
つぎに、サーバ1は、一時利用者9-1をログインさせて(S169)、クライアント端末6-1に一時利用者9-1を紐付ける。また、クライアント端末6-1にログイン通知を送信する(S170)。これにより、一時利用者9-1は、クライアント端末6-1を介してサーバ1が提供するサービスを利用可能となる。
【0053】
その後、セミナー室に入室した他の一時利用者9-2がセミナー室内の他のクライアント端末6-2の前まで移動して着席したものとする(S171)。
【0054】
一時利用者9-2がクライアント端末6-2に対して所定のキーを押下するなどのログイン操作を行うと(S172)、クライアント端末6-2はこれを検知し、自身に対応付けられた端末用カメラ7-2に撮影命令を送信する(S173)。これを受けて、端末用カメラ7-2は、クライアント端末6-2の前に着座する一時利用者9-2を撮影する(S174)。そして、撮影データをクライアント端末6-2に送信する(S175)。クライアント端末6-2は、端末用カメラ7-2から受信した撮影データを含むログイン要求をサーバ1に送信する(S176)。
【0055】
サーバ1は、クライアント端末6-2からログイン要求を受信すると、このログイン要求に含まれている撮影データの画像解析を実施して、この撮影データに含まれている人物を検出する(S177)。そして、サーバ1は、検出した人物の顔情報の特徴量を抽出する(S178)。
【0056】
それから、サーバ1は、撮影データから検出した人物の顔情報の特徴量と整合する顔認証情報を、継続利用者8毎に予め登録された顔認証情報のなかから検索する。ここで、クライアント端末6-2の前に着座している人物は一時利用者9-2であるので、この人物の顔情報の特徴量と整合する顔認証情報は継続利用者8の顔認証情報のなかからは見つからない。そこで、サーバ1は、撮影データから検出した人物の顔情報の特徴量と整合する顔認証情報を、一時利用者9毎に登録された顔認証情報のなかから検索する。そして、整合する顔認証情報が検索できたならば、この人物を適正な一時利用者9として認証する。ここでは、
図2のS112により、クライアント端末6-2前に現在着座している一時利用者9-2はその顔認証情報がサーバ1に登録済みのため、適正な一時利用者9-2として認証される(S179)。
【0057】
つぎに、サーバ1は、一時利用者9-2をログインさせて(S180)、クライアント端末6-2に一時利用者9-2を紐付ける。また、クライアント端末6-2にログイン通知を送信する(S181)。これにより、一時利用者9-2は、クライアント端末6-2を介してサーバ1が提供するサービスを利用可能となる。
【0058】
その後、一時利用者9-1がクライアント端末6-1に対して所定のキーを押下するなどのログアウト操作をしたり、一時利用者9-1がクライアント端末6-1に対して何ら操作することなく所定時間の経過によりタイムアウトしたりするなどのログアウトイベントが発生すると(S182)、クライアント端末6-1は、このログアウトイベント発生を検知してサーバ1にログアウト要求を送信する(S183)。
【0059】
これを受けて、サーバ1は、クライアント端末6-1に紐付けられている一時利用者9-1をログアウトさせて(S184)、一時利用者9-1とクライアント端末6-1との紐付けを解消する。これにより、サーバ1は、クライアント端末6-1を介した一時利用者9-1へのサービス提供を終了する。
【0060】
また、一時時利用者9-2がクライアント端末6-2に対して所定のキーを押下するなどのログアウト操作をしたり、一時利用者9-2がクライアント端末6-2に対して何ら操作することなく所定時間の経過によりタイムアウトしたりするなどのログアウトイベントが発生すると(S185)、クライアント端末6-2は、このログアウトイベント発生を検知してサーバ1にログアウト要求を送信する(S186)。
【0061】
これを受けて、サーバ1は、クライアント端末6-2に紐付けられている一時利用者9-2をログアウトさせて(S187)、一時利用者9-2とクライアント端末6-2との紐付けを解消する。これにより、サーバ1は、クライアント端末6-2を介した一時利用者9-2へのサービス提供を終了する。
【0062】
つぎに、サーバ1の詳細を説明する。
【0063】
なお、オートロック2-1、2-2、カメラ付きドアホン3-1、3-2、およびエントランス用カメラ4には、ネットワーク通信機能を備えた既存のオートロック、カメラ付きドアホン、および監視カメラを利用することができる。また、クライアント端末6-1~6-4には、ネットワーク通信機能を備えた既存のパーソナルコンピュータを利用することができ、端末用カメラ7-1~7-4には、クライアント端末6-1~6-4として機能するパーソナルコンピュータとの接続機能を備えた既存のWebカメラやこのパーソナルコンピュータの内蔵カメラを利用することができる。したがって、これらの装置の詳細な説明は省略する。
【0064】
【0065】
図示するように、サーバ1は、ネットワーク通信部100と、継続利用者情報記憶部101と、一時利用者情報記憶部102と、画像解析部103と、特徴量抽出部104と、認証処理部105と、オートロック制御部106と、一時利用者情報更新部107と、ログイン管理部108と、サービス提供部109と、を備えている。
【0066】
ネットワーク通信部100は、図示していないネットワークを介してオートロック2-1、2-2、カメラ付きドアホン3-1、3-2、エントランス用カメラ4、およびクライアント端末6-1~6-4と通信するためのインターフェースである。
【0067】
継続利用者情報記憶部101には、施設の継続的な利用が許可され、セミナー室および事務室の双方に入室可能な継続利用者8各々の顔認証情報が、氏名、所属部署等の個人情報とともに記憶されている。
【0068】
一時利用者情報記憶部102には、施設の一時的な利用が許可され、セミナー室にのみ入室可能な一時利用者9各々の顔認証情報が記憶される。
【0069】
画像解析部103は、カメラ付きドアホン3-1、3-2、エントランス用カメラ4、および端末用カメラ7-1~7-4の撮影データの画像解析を実施して、撮影データに映っている人物の顔情報(顔画像データ)を検出する。
【0070】
特徴量抽出部104は、画像解析部103により検出された人物の顔情報から特徴量(目、鼻、顎等の、顔の各部位の相対位置、大きさ、および、形状等)を抽出する。
【0071】
認証処理部105は、継続利用者情報記憶部101および一時利用者情報記憶部102を参照し、特徴量抽出部104により抽出された顔情報の特徴量に基づいて、この顔情報を持つ人物を認証する。具体的には、特徴量抽出部104により抽出された顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が継続利用者情報記憶部101に登録されているならば、この顔情報を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた継続利用者8として認証する。また、特徴量抽出部104により抽出された顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が一時利用者情報記憶部102に登録されているならば、この顔情報を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた一時利用者9として認証する。
【0072】
また、認証処理部105は、撮影データの送信元(カメラ付きドアホン3-1、3-2、エントランス用カメラ4、および端末用カメラ7-1~7-4のいずれか)およびこの撮影データに映っている人物の認証結果に基づいて、オートロック制御部106および一時利用者情報更新部107を制御する。
【0073】
オートロック制御部106は、認証処理部105の指示に従い、ネットワーク通信部100を介してオートロック2-1、2-2に解除命令を送信する。
【0074】
一時利用者情報更新部107は、認証処理部105の指示に従い、一時利用者情報記憶部102を更新する。
【0075】
ログイン管理部108は、クライアント端末6-1~6-4への利用者(継続利用者8あるいは一時利用者9-1、9-2)のログインを管理する。
【0076】
そして、サービス提供部109は、ネットワーク通信部100を介して、利用者がログイン中であるクライアント端末6-1~6-4に、ファイル閲覧サービス、動画配信サービス等の所定のサービスを提供する。なお、サービス提供部109は、サーバ1とは別の装置上に設けられていてもよい。
【0077】
図9は、サーバ1により実行される、セミナー室に対する入室管理処理を説明するためのフロー図である。
【0078】
このフローは、ネットワーク通信部100がセミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1から撮影データを受信することにより開始される。
【0079】
まず、認証処理部105は、ネットワーク通信部100がセミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1から受信した撮影データを画像解析部103に渡す。これを受けて、画像解析部103は、セミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1の撮影データの画像解析を実施して、この撮影データに含まれている人物を検出する(S200)。そして、検出した人物毎に、この撮影データに含まれている顔情報を特徴量抽出部104に渡す。これを受けて、特徴量抽出部104は、画像解析部103より受け取った顔情報毎に、顔情報の特徴量を抽出して(S201)、認証処理部105に渡す。
【0080】
認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量に基づいて継続利用者8の認証処理を実施する(S202)。具体的には、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量のそれぞれについて、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が継続利用者情報記憶部101に記憶されているか否かを判断する。そして、整合する顔認証情報が継続利用者情報記憶部101に記憶されているならば、この顔情報の特徴量を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた継続利用者8として認証する。
【0081】
つぎに、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量を有する人物のうちの少なくとも一人を継続利用者8として認証したならば(S203でYES)、オートロック制御部106に、セミナー室の入口のドアのオートロック2-1の解錠を指示する。これを受けて、オートロック制御部106は、ネットワーク通信部100を介して、セミナー室の入口のドアのオートロック2-1に解錠命令を送信する。また、認証処理部105は、ネットワーク通信部100を介して、セミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1に、オートロック2-1が解錠されたことを示す解錠通知を送信する(S204)。
【0082】
それから、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量を有する人物すべてが継続利用者8として認証されたならば(S205でNO)、このフローを終了する。一方、継続利用者8として認証されなかった人物が存在するならば(S205でYES)、継続利用者8として認証されなかった人物の顔情報の特徴量に基づいて一時利用者9の認証処理を実施する(S206)。具体的には、継続利用者8として認証されなかった人物それぞれの顔情報の特徴量について、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が一時利用者情報記憶部102に記憶されているか否かを判断する。そして、整合する顔認証情報が記憶されているならば、この顔情報の特徴量を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた一時利用者9として認証する。
【0083】
つぎに、認証処理部105は、継続利用者8として認証されなかった人物のすべてが一時利用者9として認証されたならば(S207でNO)、このフローを終了する。一方、一時利用者9として認証されなかった人物が存在するならば(S207でYES)、一時利用者情報更新部107に、継続利用者8および一時利用者9のいずれとしても認証されなかった人物の顔情報の特徴量を渡して登録を指示する。これを受けて、一時利用者情報更新部107は、認証処理部105から受け取った顔情報の特徴量を、一時利用者9の顔認証情報として一時利用者情報記憶部102に登録する(S208)。その後、このフローを終了する。
【0084】
また、S203において、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量を有する人物のいずれも継続利用者8として認証しなかったならば(S203でNO)、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量に基づいて一時利用者9の認証処理を実施する(S209)。具体的には、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量のそれぞれについて、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が一時利用者情報記憶部102に記憶されているか否かを判断する。そして、整合する顔認証情報が記憶されているならば、この顔情報の特徴量を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた一時利用者9として認証する。
【0085】
つぎに、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量を有する人物すべてが一時利用者9として認証されたならば(S210でYES)、オートロック制御部106に、セミナー室の入口のドアのオートロック2-1の解錠を指示する。これを受けて、オートロック制御部106は、ネットワーク通信部100を介して、セミナー室の入口のドアのオートロック2-1に解錠命令を送信する。また、認証処理部105は、ネットワーク通信部100を介して、セミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1に、オートロック2-1が解錠されたことを示す解錠通知を送信する(S211)。
【0086】
一方、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量を有する人物のなかに一時利用者9として認証されなかった人物がいるならば(S210でNO)、ネットワーク通信部100を介してセミナー室の入口のカメラ付きドアホン3-1に、オートロック2-1の解錠が拒否されたことを示す解錠拒否通知を送信し(S212)、その後、このフローを終了する。
【0087】
図10は、サーバ1により実行される、事務室に対する入室管理処理を説明するためのフロー図である。
【0088】
このフローは、ネットワーク通信部100が、事務室の入口のカメラ付きドアホン3-2から撮影データを受信することにより開始される。
【0089】
まず、認証処理部105は、ネットワーク通信部100が事務室の入口のカメラ付きドアホン3-2から受信した撮影データを画像解析部103に渡す。これを受けて、画像解析部103は、事務室の入口のカメラ付きドアホン3-2の撮影データの画像解析を実施して、この撮影データに含まれている人物を検出する(S210)。そして、検出した人物毎に、この撮影データに含まれている顔情報を特徴量抽出部104に渡す。これを受けて、特徴量抽出部104は、画像解析部103より受け取った顔情報毎に、顔情報の特徴量を抽出して(S211)、認証処理部105に渡す。
【0090】
つぎに、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量に基づいて継続利用者8の認証処理を実施する(S212)。具体的には、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量のそれぞれについて、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が継続利用者情報記憶部101に記憶されているか否かを判断する。そして、整合する顔認証情報が記憶されているならば、この顔情報の特徴量を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた継続利用者8として認証する。
【0091】
それから、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量を有する人物すべてを継続利用者8として認証したならば(S213でYES)、オートロック制御部106に、事務室の入口のドアのオートロック2-2の解錠を指示する。これを受けて、オートロック制御部106は、ネットワーク通信部100を介して事務室の入口のドアのオートロック2-2に解錠命令を送信する。また、認証処理部105は、ネットワーク通信部100を介して事務室の入口のカメラ付きドアホン3-2に、オートロック2-2が解錠されたことを示す解錠通知を送信する(S214)。その後、このフローを終了する。
【0092】
一方、特徴量抽出部104より受け取ったいずれかの人物を継続利用者8として認証しなかったならば(S213でNO)、認証処理部105は、ネットワーク通信部100を介して事務室の入口のカメラ付きドアホン3-2に、オートロック2-2の解錠が拒否されたことを示す解錠拒否通知を送信する(S215)。その後、このフローを終了する。
【0093】
図11は、サーバ1により実行される、一時利用者9の顔認証情報抹消処理を説明するためのフロー図である。
【0094】
認証処理部105は、ネットワーク通信部100を介してエントランス用カメラ4から逐次送られてくる撮影データを受信すると(S220でYES)、この撮影データを画像解析部103に渡す。画像解析部103は、認証処理部105から受け取ったエントランス用カメラ4の撮影データの画像解析を実施して、この撮影データに含まれている人物の検出を試みる(S221)。そして、人物検出に成功したならば(S222でYES)、撮影データから検出した人物の顔情報を特徴量抽出部104に渡す。これを受けて、特徴量抽出部104は、画像解析部103より受け取った顔情報毎に顔情報の特徴量を抽出して(S223)、認証処理部105に渡す。
【0095】
つぎに、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量に基づいて一時利用者9の認証処理を実施する(S224)。具体的には、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量のそれぞれについて、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が一時利用者情報記憶部102に記憶されているか否かを判断する。そして、整合する顔認証情報が記憶されているならば、この顔情報の特徴量を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた一時利用者9として認証する。
【0096】
つぎに、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量に基づいて一時利用者9を認証したならば(S225でYES)、一時利用者情報更新部107に、一時利用者情報更新部102においてこの一時利用者9を特定可能な識別情報(一時利用者情報記憶部102に登録されている顔認証情報に一意に付与されるシリアル番号等あるいは顔認証情報自体)を通知して削除を指示する。これを受けて、一時利用者情報更新部107は、認証処理部105より受け取った識別情報により特定される顔認証情報を一時利用者情報更新部107から抹消する(S226)。
【0097】
図12は、サーバ1により実行されるサービス利用管理処理を説明するためのフロー図である。
【0098】
ログイン管理部108は、ネットワーク通信部100を介していずれかのクライアント端末6-1~6-4からログイン要求を受信すると(S230)、認証処理部105に、このログイン要求に含まれている、ログイン要求元のクライアント端末6-1~6-4に対応する端末用カメラ7-1~7-4の撮影データを渡して利用者の認証を指示する。これを受けて、認証処理部105は、この撮影データを画像解析部103に渡す。画像解析部103は、認証処理部105から受け取った撮影データの画像解析を実施して、この撮影データに含まれている人物を検出し(S231)、検出した人物の顔情報を特徴量抽出部104に渡す。これを受けて、特徴量抽出部104は、画像解析部103より受け取った顔情報の特徴量を抽出して(S232)、認証処理部105に渡す。
【0099】
認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量に基づいて継続利用者8の認証処理を実施する(S233)。具体的には、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が継続利用者情報記憶部101に記憶されているか否かを判断する。そして、整合する顔認証情報が記憶されているならば、この顔情報の特徴量を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた継続利用者8として認証する。
【0100】
認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量を持つ人物を継続利用者8として認証したならば(S234でYES)、継続利用者情報記憶部101においてこの継続利用者8を特定可能な識別情報(継続利用者情報記憶部101に登録されている顔認証情報に一意に付与されるシリアル番号等あるいは顔認証情報自体)をログイン管理部108に通知する。
【0101】
これを受けて、ログイン管理部108は、認証処理部105より通知された識別情報により特定される継続利用者8のログイン処理を実施する(S235)。具体的には、ログイン要求元のクライアント端末6-1~6-4にログイン通知を送信して、このクライアント端末6-1~6-4に対して、サービス提供部109によるサービスの提供を開始するとともに、認証処理部105より通知された識別情報をログイン要求元のクライアント端末6-1~6-4に紐付けて、この識別情報により特定される継続利用者8のログインを管理する。
【0102】
一方、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量を持つ人物を継続利用者8として認証しなかったならば(S234でNO)、この顔情報の特徴量に基づいて一時利用者9の認証処理を実施する(S236)。具体的には、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が一時利用者情報記憶部102に記憶されているか否かを判断する。そして、整合する顔認証情報が記憶されているならば、この顔情報の特徴量を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた一時利用者9として認証する。
【0103】
つぎに、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量を持つ人物を一時利用者9として認証したならば(S237でYES)、一時利用者情報記憶部102においてこの一時利用者9を特定可能な識別情報(一時利用者情報記憶部102に登録されている顔認証情報に一意に付与されるシリアル番号等あるいは顔認証情報自体)をログイン管理部108に通知する。
【0104】
これを受けて、ログイン管理部108は、認証処理部105より通知された識別情報により特定される一時利用者9のログイン処理を実施する(S238)。具体的には、ログイン要求元のクライアント端末6-1~6-4にログイン通知を送信して、このクライアント端末6-1~6-4に対して、サービス提供部109によるサービスの提供を開始するとともに、認証処理部105より通知された識別情報をログイン要求元のクライアント端末6-1~6-4に紐付けて、この識別情報により特定される一時利用者9のログインを管理する。
【0105】
一方、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量を持つ人物を一時利用者9として認証しなかったならば(S237でNO)、ログイン管理部108に認証不成立を通知する。これを受けて、ログイン管理部108は、ログイン要求元のクライアント端末6-1~6-4にログインエラー通知を送信するなどの所定のログインエラー処理を実施する(S239)。
【0106】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0107】
本実施の形態では、セミナー室の入口に設置されたカメラ付きドアホン3-1により、セミナー室に入室しようとする人物を撮影する。そして、撮影データからこの人物の顔情報の特徴量を抽出し、この顔情報の特徴量が継続利用者6あるいは一時利用者9の顔認証情報として予め登録されているならば、セミナー室の入口のドアのオートロック2-1を解錠する。ここで、撮影データに複数の人物が含まれている場合、人物毎に、顔情報の特徴量が継続利用者8あるいは一時利用者9の顔認証情報として予め登録されているか否かを判断する。そして、顔情報の特徴量が継続利用者8および一時利用者9のいずれの顔認証情報としても登録されていない人物(未登録人物)が複数の人物のなかに含まれている場合でも、顔情報の特徴量が継続利用者8の顔認証情報として登録されている人物が複数の人物のなかに含まれているならば、セミナー室の入口のドアのオートロック2-1を解錠するとともに、この未登録人物の顔情報の特徴量を一時利用者9の顔認証情報として登録する。このため、顔情報の特徴量が継続利用者8および一時利用者9のいずれの顔認証情報としても登録されていない施設利用希望者は、継続利用者8の顔認証情報としてすでに顔情報の特徴量が登録されている利用者を同伴してカメラ付きドアホン3-1に撮影されることにより、入室が許可され、さらに自身の顔情報の特徴量が一時利用者9の顔認証情報としても登録される。したがって、本実施の形態によれば、施設等において、事前のビジター登録等の設定登録を必要とすることなく、一時的な利用者の入室を管理することが可能となる。
【0108】
また、本実施の形態では、施設のエントランスに設置されたエントランス用カメラ4により施設を退出しようとしている人物を撮影する。そして、撮影データからこの人物の顔情報の特徴量を抽出し、この顔情報の特徴量が一時利用者9の顔認証情報として予め登録されているならば、この一時利用者9の顔認証情報を抹消する。したがって、登録が不要となった一時利用者9の顔認証情報を自動的に抹消することが可能となり、サーバ1の管理者の作業負担を軽減することができる。
【0109】
また、本実施の形態では、クライアント端末6-1~6-4に対応付けて設置された端末用カメラ7-1~7-4により、対応するクライアント端末6-1~6-4を操作する利用者を撮影する。そして、撮影データから利用者の顔情報の特徴量を抽出し、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報を持つ継続利用者8あるいは一時利用者9を特定して、特定した継続利用者8あるいは一時利用者9のログインを、対応するクライアント端末6-1~6-4に紐付けて管理する。このため、本実施の形態によれば、施設等において、事前のビジター登録等の設定登録を必要とすることなく、一時的な利用者によるクライアント端末6-1~6-4の利用を管理することが可能となる。
【0110】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0111】
例えば、上記の実施の形態では、セミナー室の入口に設置されたカメラ付きドアホン3-1の撮影データに複数の人物が含まれている場合において、継続利用者8および一時利用者9のいずれの顔認証情報としても顔情報の特徴量が登録されていない利用者人物(未登録人物)が含まれている場合、継続利用者8の顔認証情報として顔情報の特徴量が登録されている利用者も含まれているならば、この未登録人物の顔情報の特徴量を一時利用者9の顔認証情報として登録している。しかし、本発明はこれに限定されない。セミナー室内にも室内カメラを設置して、セミナー室に在室するすべての人物を常時撮影し、継続利用者8および一時利用者9のいずれの顔認証情報としても登録されていない人物(継続利用者8の同伴者として入室を許可された人物)の顔情報の特徴量を一時利用者9の顔認証情報として登録してもよい。
【0112】
すなわち、サーバ1において、認証処理部105は、ネットワーク通信部100を介して室内用カメラから逐次送られてくる撮影データを受信すると、この撮影データを画像解析部103に渡す。画像解析部103は、認証処理部105から受け取った室内カメラの撮影データの画像解析を実施して、この撮影データに含まれている人物の検出を試みる。そして、人物検出に成功したならば、この撮影データから検出した顔情報を特徴量抽出部104に渡す。これを受けて、特徴量抽出部104は、画像解析部103より受け取った顔情報毎に、顔情報の特徴量を抽出して認証処理部105に渡す。
【0113】
つぎに、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量に基づいて継続利用者8の認証処理を実施する。具体的には、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量のそれぞれについて、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が継続利用者情報記憶部101に記憶されているか否かを判断する。そして、整合する顔認証情報が記憶されているならば、この顔情報の特徴量を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた継続利用者8として認証する。
【0114】
つぎに、認証処理部105は、継続利用者8として認証されなかった人物が存在するならば、この人物の顔情報の特徴量に基づいて一時利用者9の認証処理を実施する。具体的には、継続利用者8として認証されなかった人物の顔情報の特徴量のそれぞれについて、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が一時利用者情報記憶部102に記憶されているか否かを判断する。そして、整合する顔認証情報が記憶されているならば、この顔情報の特徴量を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた一時利用者9として認証する。
【0115】
つぎに、認証処理部105は、継続利用者8および一時利用者9のいずれとしても認証されなかった未登録人物の顔情報の特徴量があるならば、一時利用者情報更新部107に、この未登録人物の顔情報の特徴量を渡して登録を指示する。これを受けて、一時利用者情報更新部107は、認証処理部105から受け取った顔情報の特徴量を一時利用者9の顔認証情報として一時利用者情報記憶部102に登録する。
【0116】
また、上記の実施の形態において、所定時刻(例えば終業時刻)において、一時利用者情報記憶部102からすべての顔認証情報が削除されていない場合には、例えば、その旨を示すメッセージをカメラ付きドアホン3-1等が出力するようにしてもよい。これにより、所定時刻を超えて一時利用者9が室内に在室していることに対して注意を喚起することができる。
【0117】
また、上記の実施の形態では、施設のエントランスに設置されたエントランス用カメラ4により施設を退出しようとしている利用者を撮影して、撮影データから利用者の顔情報の特徴量を抽出し、この顔情報の特徴量が一時利用者9の顔認証情報として予め登録されているならば、この一時利用者9の顔認証情報を抹消している。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、これに代えて、あるいは、これに加えて、セミナー室内に室内カメラを設置して、セミナー室に在室する継続利用者8を監視し、セミナー室に継続利用者8が不在の状態が所定時間以上継続した場合に、すべての一時利用者9の顔認証情報を抹消するようにしてもよい。
【0118】
すなわち、サーバ1において、認証処理部105は、ネットワーク通信部100を介して室内用カメラから逐次送られてくる撮影データを受信すると、この撮影データを画像解析部103に渡す。画像解析部103は、認証処理部105から受け取った室内カメラの撮影データの画像解析を実施して、この撮影データに含まれている人物の検出を試みる。そして、人物検出に成功したならば、この撮影データに含まれている顔情報を特徴量抽出部104に渡す。これを受けて、特徴量抽出部104は、画像解析部103より受け取った顔情報毎に、顔情報の特徴量を抽出して、認証処理部105に渡す。
【0119】
これを受けて、認証処理部105は、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量に基づいて継続利用者8の認証処理を実施する。具体的には、特徴量抽出部104より受け取った顔情報の特徴量のそれぞれについて、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報が継続利用者情報記憶部101に記憶されているか否かを判断し、整合する顔認証情報が記憶されているならば、この顔情報の特徴量を持つ人物を、この顔情報の特徴量と整合する顔認証情報に紐付けられた継続利用者8として認証する。
【0120】
そして、継続利用者8を最後に認証してから所定時間以上経過した場合、すなわち、継続利用者8が認証されていない状態が所定時間以上継続した場合、一時利用者情報更新部107は、一時利用者情報記憶部102に記憶されている顔認証情報をすべて削除する。
【0121】
また、これらに代えて、あるいは、これらに加えて、一時利用者情報更新部107は、登録から所定時間を経過した顔認証情報を一時利用者情報記憶部102から削除してもよいし、所定時刻(例えば終業時刻)の到来により、一時利用者情報記憶部102に記憶されている顔認証情報をすべて削除して、一時利用者情報記憶部102の更新を停止してもよい。
【0122】
また、上記の実施の形態において、カメラ付きドアホン3-1、3-2の代わりに、人検知センサを備えたカメラを用い、セミナー室、事務室の入口の前に位置する人物を人検知センサが検知する都度、カメラが撮影してその撮影データをサーバ1に送るようにしてもよい。また、常時撮影するエントランス用カメラ4に代えて、人検知センサを備えたカメラを用い、エントランスから退出しようとする人物を人検知センサが検知する都度、カメラが撮影してその撮影データをサーバ1に送るようにしてもよい。
【0123】
また、上記実施の形態においては、一時利用者9は、いずれかのクライアント端末6-1~6-4の前に着座した場合に、そのクライアント端末6-1を介してサーバ1が提供するサービスを利用可能となるが、例えば、継続利用者8および一時利用者9の別に応じて、利用可能なクライアント端末6-1~6-4や、クライアント端末6-1~6-4により利用可能なサービスが制限されるようにしてもよい。
【0124】
上記実施の形態においては、カメラ付きドアホン3-1により継続利用者8とともに撮影された人物は、継続利用者8の同伴人物として入室が許可されるが、例えば、オートロック2-1の解錠の際にカメラ付きドアホン3-1が出力する音声メッセージにより、同伴者が存在していることを継続利用者8に通知することにより、カメラ付きドアホン3-1の撮影データへ映り込んだ無関係の人物の入室を防止するようにしてもよい。
【0125】
また、本実施の形態においては、認証システムをセミナー室および事務室の入室管理に適用した例を示しているが、本発明に係る認証システムは、その他の目的に利用される部屋等の入室管理に適用することができる。
【0126】
また、上記の実施の形態において、
図8に示すサーバ1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。あるいは、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)、無線LAN(Local Area Network)アダプタ等の通信インターフェースと、を備えたPC(Personal Computer)等の少なくとも1台の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されるものでもよい。
【符号の説明】
【0127】
1:サーバ 2-1、2-2:オートロック
3-1、3-2:カメラ付きドアホン 4:エントランス用カメラ
6-1~6-4:クライアント端末 7-1~7-4:端末用カメラ
8:継続利用者 9-1、9-2:一時利用者
100:ネットワーク通信部 101:継続利用者情報記憶部
102:一時利用者情報記憶部 103:画像解析部
104:特徴量抽出部 105:認証処理部
106:オートロック制御部 107:一時利用者情報更新部
108:ログイン管理部 109:サービス提供部