(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】画像形成システム、画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240110BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240110BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240110BHJP
B65H 1/00 20060101ALI20240110BHJP
B65H 7/02 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B41J29/38 204
B41J29/42 F
G03G21/00 386
G03G21/00 384
B65H1/00 501E
B65H7/02
(21)【出願番号】P 2020082569
(22)【出願日】2020-05-08
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小西 裕之
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-224697(JP,A)
【文献】特開2015-078973(JP,A)
【文献】特開2018-070365(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0071658(US,A1)
【文献】特開2004-277057(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0056738(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
B65H 1/00
B65H 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置を備えた画像形成システムであって、
前記記録材を収納可能な記録材収納部と、
前記記録材収納部から前記記録材を前記画像形成部に供給する記録材供給部と、
前記画像形成装置外に配置され、前記記録材の記録材情報を検出する記録材情報検出装置と、
前記記録材情報検出装置で検出された前記記録材情報と、前記記録材収納部に対して予め設定された情報に基づき、前記記録材情報検出装置で検出された前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定する判定部と、を有
し、
前記記録材収納部には、前記記録材収納部が開かないようにロックするロック部が設けられ、
前記判定部は、前記記録材収納部への前記記録材のセット不可と判定した前記記録材収納部に設けられた前記ロック部を動作させて、前記記録材収納部をロックする
画像形成システム。
【請求項2】
前記判定部は、検出された前記記録材情報と、前記記録材収納部に対して予め設定された使用不可条件に基づき、検出された前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定する
請求項1に記載の画像形成システム。
【請求項3】
前記使用不可条件は、前記記録材収納部に含まれる給紙トレイごとに設定されている
請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記記録材情報検出装置は、
記録材の記録材情報を検出する記録材情報検出部と、
前記記録材情報に対応する第1の情報を前記画像形成装置に送信する第1通信部と、を有し、
前記画像形成装置は、
前記画像形成部と、
前記記録材情報検出装置から前記第1の情報を受信する第2通信部と、を有し、
前記判定部は、前記第2通信部が受信した前記第1の情報に対応する前記記録材情報と、前記記録材収納部の情報との組み合わせにより、前記記録材情報検出部が検出した前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定する
請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は、前記判定部の指示により前記セット可否の判定結果を通知する通知部を有する
請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記通知部は、前記判定部が前記記録材収納部への前記記録材のセット可と判定した前記記録材収納部の情報を通知する
請求項5に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記通知部は、前記判定部が前記記録材収納部への前記記録材のセット不可と判定した前記記録材収納部の情報を通知する
請求項5又は6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記画像形成装置は、前記判定部の指示により前記セット可否の判定結果を通知する通知部を有し、
前記判定部は、前記ロック部を動作させて、前記記録材収納部をロックした後、前記記録材情報検出部から前記第1の情報とは異なる第2の情報が出力され、又は所定時間を経過した場合に、前記記録材収納部のロックを解除する
請求項
4に記載の画像形成システム。
【請求項9】
前記記録材収納部には、前記記録材収納部になされた操作を判別する操作判別部が設けられ、
前記判定部は、前記第1の情報に対応する前記記録材情報と、前記操作判別部により判別された操作が行われた前記記録材収納部の情報との組み合わせにより、前記記録材情報検出部が検出した前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定する
請求項
8に記載の画像形成システム。
【請求項10】
前記記録材収納部には、前記記録材収納部のロックを解除するためのレバーが設けられ、前記操作判別部は、前記操作の内容として前記レバーのレバー状態を判別し、
前記判定部は、前記第1の情報に対応する前記記録材情報と、前記レバーが握られたことを示す前記レバー状態が出力された前記記録材収納部の情報との組み合わせにより、前記記録材情報検出部が検出した前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定する
請求項
9に記載の画像形成システム。
【請求項11】
前記記録材情報には、前記記録材が特殊紙であることを示す情報が含まれ、
前記判定部は、前記第1の情報に対応する前記記録材情報が前記特殊紙であることを示す情報を含む場合に、前記レバーが握られたことを示す前記レバー状態が出力された前記記録材収納部の情報との組み合わせにより、前記記録材情報検出部が検出した前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定し、前記記録材のセット可と判定した前記記録材収納部への前記記録材のセット方向を示す情報を前記通知部から通知させる
請求項1
0に記載の画像形成システム。
【請求項12】
前記記録材情報には、前記記録材が特殊紙であることを示す情報、並びに前記記録材の表面及び裏面を示す情報が含まれ、
前記判定部は、前記第1の情報に対応する前記記録材情報が前記特殊紙、並びに前記記録材の表面及び裏面を示す情報を含む場合に、前記レバーが握られたことを示す前記レバー状態が出力された前記記録材収納部の情報との組み合わせにより、前記記録材情報検出部が検出した前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定し、前記記録材のセット可と判定した前記記録材収納部への前記記録材の表面又は裏面のセット方向を示す情報を前記通知部に通知させる
請求項1
0に記載の画像形成システム。
【請求項13】
前記記録材収納部には、前記記録材収納部の開閉状態を判別する開閉状態判別部が設けられ、
前記判定部は、前記開閉状態判別部により前記記録材収納部が開状態であると判別された場合に、前記記録材収納部への前記記録材のセット方向を示す情報を前記通知部に通知させる
請求項1
1又は1
2に記載の画像形成システム。
【請求項14】
前記記録材収納部には、前記記録材収納部を開く収納部開部が設けられ、
前記判定部は、前記記録材のセット可と判定した前記記録材収納部に設けられた前記収納部開部を動作させて、前記記録材収納部を開く
請求項1~1
3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項15】
前記記録材収納部には、前記記録材を除湿する除湿部が設けられ、
前記判定部は、前記記録材情報に基づいて、前記記録材の除湿が必要であると判定した場合に、前記除湿部が設けられる前記記録材収納部の情報を前記通知部に通知させる
請求項
5~1
3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項16】
前記記録材情報に対応する第1の情報が、前記記録材の含水量に関する情報を含み、
前記判定部は、前記第1の情報に基づいて、前記記録材の含水量が所定値以上であると判定した場合に、前記除湿部が設けられる前記記録材収納部の情報を前記通知部に通知させる
請求項1
5に記載の画像形成システム。
【請求項17】
前記記録材収納部には、前記記録材が前記記録材収納部にセットされたことを検出するセット検出部が設けられ、
前記判定部は、前記記録材がセットされたことを検出した前記セット検出部が設けられる前記記録材収納部の前記除湿部を動作させて、前記記録材を除湿する
請求項1
5又は1
6に記載の画像形成システム。
【請求項18】
湿度を検出する湿度検出部を備え、
前記判定部は、前記湿度検出部により検出された前記湿度が所定値以上である場合に、前記除湿部が設けられる前記記録材収納部の情報を前記通知部に通知させる
請求項1
5又は1
6に記載の画像形成システム。
【請求項19】
前記記録材情報検出装置は、前記記録材の物性値を前記記録材情報として検出する
請求項1~1
8のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項20】
前記記録材情報検出装置は、ユーザーが前記記録材の少なくとも一部を挿入可能な凹部を有し、前記凹部に挿入された前記記録材に対して前記記録材情報を検出する
請求項1~
19のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項21】
前記記録材情報検出装置は、さらに前記記録材収納部外に配置されている
請求項1~2
0のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項22】
前記記録材収納部は、前記画像形成装置内に含まれる
請求項1~2
1のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項23】
前記記録材収納部は、前記画像形成装置に接続される
請求項1~2
2のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項24】
前記記録材は用紙である
請求項1~2
3のいずれか一項に記載の画像形成システム。
【請求項25】
記録材に画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置を備えた画像形成システムであって、
前記記録材を収納可能な記録材収納部と、
前記記録材収納部から前記記録材を前記画像形成部に供給する記録材供給部と、
前記画像形成装置外に配置され、前記記録材の記録材情報を検出する記録材情報検出装置と、
前記記録材情報検出装置で検出された前記記録材情報と、前記記録材収納部に対して予め設定された情報に基づき、前記記録材情報検出装置で検出された前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定する判定部と、を備え、
前記記録材収納部には、前記記録材収納部を開く収納部開部が設けられ、
前記判定部は、前記記録材のセット可と判定した前記記録材収納部に設けられた前記収納部開部を動作させて、前記記録材収納部を開く
画像形成システム。
【請求項26】
記録材に画像を形成する画像形成部と、
前記記録材が収納される記録材収納部から前記記録材を前記画像形成部に供給する記録材供給部と、
画像形成装置外に配置され、前記記録材の記録材情報を検出する記録材情報検出装置から前記記録材情報を取得する取得部と、
取得した前記記録材情報と、前記記録材収納部に対して予め設定された情報と、に基づいて、検出した前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定する判定部と、を有
し、
前記記録材収納部には、前記記録材収納部が開かないようにロックするロック部が設けられ、
前記判定部は、前記記録材収納部への前記記録材のセット不可と判定した前記記録材収納部に設けられた前記ロック部を動作させて、前記記録材収納部をロックする
画像形成装置。
【請求項27】
記録材に画像を形成する画像形成部と、
前記記録材が収納される記録材収納部から前記記録材を前記画像形成部に供給する記録材供給部と、
画像形成装置外に配置され、前記記録材の記録材情報を検出する記録材情報検出装置から前記記録材情報を取得する取得部と、
取得した前記記録材情報と、前記記録材収納部に対して予め設定された情報と、に基づいて、検出した前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定する判定部と、を有
し、
前記記録材収納部には、前記記録材収納部を開く収納部開部が設けられ、
前記判定部は、前記記録材のセット可と判定した前記記録材収納部に設けられた前記収納部開部を動作させて、前記記録材収納部を開く
画像形成装置。
【請求項28】
記録材に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置のコンピューターが実行するプログラムであって、
前記画像形成装置外に配置され、前記記録材の記録材情報を検出する記録材情報検出装置から前記記録材情報を取得する取得ステップと、
取得した前記記録材情報と、前記記録材が収納される記録材収納部に対して予め設定された情報と、基づいて、検出した前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定
し、
前記記録材収納部への前記記録材のセット不可と判定した前記記録材収納部に設けられたロック部を動作させて、前記記録材収納部が開かないように前記記録材収納部をロックする判定ステップと、
画像形成装置のコンピューターに実行させるためのプログラム。
【請求項29】
記録材に画像を形成する画像形成部を備える画像形成装置のコンピューターが実行するプログラムであって、
前記画像形成装置外に配置され、前記記録材の記録材情報を検出する記録材情報検出装置から前記記録材情報を取得する取得ステップと、
取得した前記記録材情報と、前記記録材が収納される記録材収納部に対して予め設定された情報と、基づいて、検出した前記記録材の前記記録材収納部へのセット可否を判定し、前記記録材のセット可と判定した前記記録材収納部に設けられた収納部開部を動作させて、前記記録材収納部を開く判定ステップと、
画像形成装置のコンピューターに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給紙トレイに用紙をセット(収納)し、ユーザーが操作画面を通じて、トレイにセットした用紙の情報(紙種及び坪量)の設定を行い、ジョブの実行開始を指示する、というワークフローで画像形成装置が操作されていた。画像形成装置に対する操作を簡略化したり、画像形成装置を様々な種類の用紙に対応させたりする要望があった。そこで、画像形成装置の用紙搬送路内に設けられたインラインメディア検出装置により、搬送路を搬送される用紙の用紙情報を測定した結果、ジョブで使用される用紙を測定した結果を用紙情報として画像形成装置に設定する技術が用いられるようになった。
【0003】
特許文献1には、画像形成装置が、給紙トレイに設定されている用紙プロファイルと、給紙トレイにセットされた用紙をインラインのメディアセンサで測定した結果とに基づいて、不適合の場合に給紙トレイへの用紙セットミスであるか、用紙プロファイルの設定ミスであるかを通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、用紙の紙種又は坪量によっては禁則、又は通紙に不適となる給紙トレイが存在するにもかかわらず、ユーザーは禁則又は不適な給紙トレイへ用紙をセットすることがあった。禁則又は不適な給紙トレイに用紙がセットされた後に、禁則であることを示す警告が操作画面に表示される。そして、ユーザーは、警告が表示された後に、改めて適切な給紙トレイに用紙をセットし直し、用紙情報を再設定する必要があった。このように、用紙を給紙トレイにセットした後に警告が表示されると、ユーザーにとって余計な手間がかかっていた。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、記録材収納部への記録材のセットに際して余計な手間がかからないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的のうち少なくとも一つを実現するために、本発明の一側面を反映した画像形成システムは、記録材に画像を形成する画像形成部を含む画像形成装置を備える。
この画像形成システムは、記録材を収納可能な記録材収納部と、記録材収納部から記録
材を画像形成部に供給する記録材供給部と、画像形成装置外に配置され、記録材の記録材情報を検出する記録材情報検出装置と、記録材情報検出装置で検出された記録材情報と、記録材収納部に対して予め設定された情報に基づき、記録材情報検出装置で検出された記録材の記録材収納部へのセット可否を判定する判定部と、を有し、記録材収納部には、記録材収納部が開かないようにロックするロック部が設けられ、判定部は、記録材収納部への記録材のセット不可と判定した記録材収納部に設けられたロック部を動作させて、記録材収納部をロックする。
また、画像形成システムは、記録材を収納可能な記録材収納部と、記録材収納部から記録材を画像形成部に供給する記録材供給部と、画像形成装置外に配置され、記録材の記録材情報を検出する記録材情報検出装置と、記録材情報検出装置で検出された記録材情報と、記録材収納部に対して予め設定された情報に基づき、記録材情報検出装置で検出された記録材の記録材収納部へのセット可否を判定する判定部と、を備え、記録材収納部には、記録材収納部を開く収納部開部が設けられ、判定部は、記録材のセット可と判定した記録材収納部に設けられた収納部開部を動作させて、記録材収納部を開く。
なお、上記の画像形成システムは本発明の一態様であり、本発明の一側面を反映した画像形成装置及びプログラムについても、上記の画像形成システムと同様に構成される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、記録材収納部に記録材をセットする前に、この記録材収納部へのセット可否が判定されるので、例えば、記録材収納部への記録材のセットが不可である場合に、ユーザーが記録材をセットし直すような余計な手間をかけなくてすむ。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムの全体構成図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムを構成する各装置の内部構成例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態に係るメディア検出装置の構成例を示す外観斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態に係る制御部の構成例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態に係る給紙トレイ使用可否判定テーブルの構成例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムで行われる給紙トレイの制御方法の例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第1の実施の形態に係る判定部が、給紙トレイの使用可否を判定する処理の例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の第1の実施の形態に係る操作画面の表示例を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態に係る判定部が、給紙トレイのレバー状態を監視して給紙トレイの使用可否を判定する処理の例を示すフローチャートである。
【
図11】本発明の第1の実施の形態に係るトレイ開閉機構を用いた処理の例を示すフローチャートである。
【
図12】本発明の第1の実施の形態に係る判定部が、給紙トレイへの特殊紙のセット方向を判定する処理の例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の第1の実施の形態に係る特殊紙のセット方向をユーザーに指示するメッセージの表示例を示す図である。
【
図14】本発明の第1の実施の形態に係る判定部が、給紙トレイにセットされる用紙の表裏を判定する処理の例を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の第1の実施の形態に係る給紙トレイにセットされる用紙の表裏をユーザーに指示するメッセージの表示例を示す図である。
【
図16】本発明の第1の実施の形態に係る判定部が、給紙トレイの除湿機能の使用可否を判定する処理の例を示すフローチャートである。
【
図17】
図16のステップS64における処理の詳細な例を示すフローチャートである。
【
図18】本発明の第1の実施の形態に係る判定部が、用紙情報に基づいて除湿機能の使用可否を判定する処理の例を示すフローチャートである。
【
図19】本発明の第2の実施の形態に係る画像形成システムを構成する画像形成装置の内部構成例を示すブロック図である。
【
図20】本発明の第2の実施の形態に係る判定部が、プリント開始後に給紙トレイの使用可否を判定する処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
[第1の実施の形態]
始めに、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成システムの構成例について、
図1と
図2を参照して説明する。
図1は、画像形成システム1の全体構成図である。
図2は、画像形成システム1を構成する各装置の内部構成例を示すブロック図である。
【0012】
画像形成システム1は、メディア検出装置2、大容量給紙装置3,3A、画像形成装置4及び後処理装置5を備える。本実施の形態では、画像形成システム1が2台の大容量給紙装置3,3Aを備える構成とするが、1台の大容量給紙装置3だけを備える構成としてもよい。
【0013】
図1に示すように大容量給紙装置3,3Aは、それぞれ3段の給紙トレイ300(記録材収納部の一例)を備える。各給紙トレイ300には、大量の用紙P(記録材の一例であり、「メディア」とも呼ぶ)を収納可能である。そして、給紙トレイ300は、画像形成装置4に接続される。大容量給紙装置3の上部には、用紙Pの用紙情報を検出するメディア検出装置2(記録材情報検出装置の一例)が設置される。そして、大容量給紙装置3,3Aは、画像形成装置4に用紙Pを排出可能に接続される。大容量給紙装置3Aの上部には、手差しトレイ320が設けられる。ユーザーが数枚の用紙Pを手差しトレイ320に手差しすると、用紙Pが大容量給紙装置3A,3、画像形成装置4の順に搬送路を搬送される。
【0014】
メディア検出装置2は、画像形成装置4外に配置され、画像形成装置4に対して通信ケーブルを介して接続されている。また、画像形成装置4は、2段の給紙トレイ400(記録材収納部の一例)を備える。各給紙トレイ400は、用紙Pを収納可能である。この給紙トレイ400は、画像形成装置4内に含まれる。
【0015】
図1に示すように、それぞれの給紙トレイ300、400が識別可能となるように“1”~“8”の給紙トレイ番号が割り振られている。このため、後の説明では、給紙トレイ番号に合わせて、給紙トレイ300、400を給紙トレイ1、給紙トレイ2のように略称することがある。また、給紙トレイ1~8を区別しないときには、「給紙トレイ」とだけ呼ぶことがある。また、図中では、全ての給紙トレイに用紙Pが収納された例を示しているが、給紙トレイに用紙Pが収納されるか否かは、後述する判定処理にて判定される。
【0016】
<大容量給紙装置の構成例>
次に、
図2を参照して、大容量給紙装置3の内部構成例について説明する。ただし、大容量給紙装置3,3Aは同じ構成であるため、
図2では、大容量給紙装置3だけに注目して大容量給紙装置3の内部構成例を説明する。
【0017】
大容量給紙装置3は、前段I/F(Interface)301、後段I/F302、用紙搬送部303、給紙部304、除湿部305、入力部306、センサ307、出力部308及びモータ309を備える。
【0018】
前段I/F301、後段I/F302は、複数の大容量給紙装置3,3Aが互いに通信可能とするための通信インターフェースである。大容量給紙装置3の前段I/F301は、例えば、大容量給紙装置3Aの後段I/F302に通信ケーブルを介して接続される。また、大容量給紙装置3の後段I/F302は、画像形成装置4の前段I/F401に通信ケーブルを介して接続される。
【0019】
用紙搬送部303は、給紙トレイ300に収納された用紙Pを1枚ずつ後段の装置に搬送する。
図1に示したように、大容量給紙装置3,3Aの給紙トレイ300から給紙された用紙Pは、用紙搬送部303により後段の装置に搬送される。本実施の形態では、記録材として用紙Pを適用した例を説明するが、これに限定されるものではなく、記録材としては、フィルムや布地等その他各種のものが適用可能である。
【0020】
給紙部304(記録材供給部の一例)は、用紙Pが収納された給紙トレイ300から用紙搬送部303を経て画像形成部405に用紙Pを給紙する。この給紙部304は、除湿部305を備える。除湿部305は、給紙トレイ300内に収納された用紙Pを除湿する。除湿部305として、例えば、ヒーター、ファン等が用いられる。除湿部305が設けられた給紙トレイは、除湿機能ありとして扱われる。ただし、本実施の形態では、除湿部305が設けられない構成とした給紙部304も存在する。
【0021】
入力部306には、大容量給紙装置3内に設置された各種のセンサ307から検出情報が入力される。検出情報は、RAM(Random Access Memory)313に書き込まれ、CPU(Central Processing Unit)311により適宜参照されて、処理に用いられる。
【0022】
出力部308は、大容量給紙装置3内に設置された各種のモータ309に対して駆動指示を出力する。モータ309は、例えば、用紙搬送部303の制御により駆動し、給紙トレイ300から用紙Pを取り出したり、用紙搬送を行ったりする。
【0023】
また、大容量給紙装置3は、CPU311、ROM(Read Only Memory)312及びRAM313を備える。CPU311は、本実施の形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM312から読み出してRAM313にロードし、実行する。RAM313には、CPU311の演算処理の途中で発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれ、これらの変数やパラメーター等がCPU311によって適宜読み出される。このようにROM312は、CPU311が動作するために必要なプログラムやデータ等を記録しており、大容量給紙装置3を動作させるコンピューターによって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記憶媒体の一例として用いられる。
【0024】
また、大容量給紙装置3は、給紙トレイ300ごとにロック部321、レバー状態判別部322、トレイ開閉部323、湿度検出部324、セット検出部325及び開閉状態判別部326を備える。
【0025】
ロック部321は、給紙トレイ300が開かないようにロックする。ロック部321によるロックは、画像形成装置4の制御部420(
図4に示す判定部442)からの指示により動作するが、給紙トレイ300ごとに設けられた、ロック部321のロックを解除する不図示のレバーがOFFされることで動作してもよい。
【0026】
レバー状態判別部322は、ユーザーによる操作の内容として、レバーがON又はOFFのいずれの状態(「レバー状態」と呼ぶ)であるかを判別する。例えば、ユーザーがレバーを握って、ロックを解除しようとするときはレバー状態がONであり、ユーザーがレバーを放して、ロックさせようとするときはレバー状態がOFFである。
【0027】
トレイ開閉部323は、給紙トレイ300をオートローディング等で開閉する。なお、給紙トレイ300を開く動作だけを行うトレイ開部が設けられてもよい。トレイ開閉部323、トレイ開部のいずれも収納部開部の一例として用いられる。
【0028】
湿度検出部324は、用紙P、大容量給紙装置3内、又は大容量給紙装置3の設置環境の湿度を検出する。
セット検出部325は、給紙トレイ300に用紙Pがセットされたか否かを検出し、又は、給紙トレイ300にセットされた用紙Pが正しい向きであるか否かを検出する。
開閉状態判別部326は、給紙トレイ300が開いている開状態であるか、又は閉じている閉状態であるかを表す、給紙トレイ300の開閉状態を判別する。
【0029】
ロック部321、レバー状態判別部322、トレイ開閉部323、湿度検出部324、セット検出部325及び開閉状態判別部326が検出する情報は、CPU311に出力され、さらに画像形成装置4の制御部420に送信される。
【0030】
<メディア検出装置の構成例>
ここで、メディア検出装置2の構成例について説明する。
図3は、メディア検出装置2の構成例を示す外観斜視図である。
メディア検出装置2は、
図1に示すように画像形成装置4の外部に設置されており、画像形成装置4と通信ケーブルを介して接続される構成としている。メディア検出装置2は、さらに給紙トレイ外に配置されている。
【0031】
図3の上側に示すようにメディア検出装置2は、断面形状が略U字に構成される。このようにメディア検出装置2は、ユーザーが用紙Pの少なくとも一部を挿入可能な凹部を有する。
【0032】
そして、
図3の下側に示すように、ユーザーが、メディア検出装置2の凹部に用紙Pの片側を挿入すると、メディア検出装置2は、凹部に挿入された用紙Pに対して用紙情報(記録材情報の一例)を検出する。このメディア検出装置2は、用紙Pの物性値を用紙情報として検出する。メディア検出装置2が用紙情報を検出する用紙Pは、ユーザーがメディア検出装置2に用紙情報を検出させた後、給紙トレイ1~8のいずれかにセットされる。
【0033】
ユーザーがメディア検出装置2に用紙Pを出し入れすると、メディア検出装置2が用紙Pの用紙情報を検出する。そして、メディア検出装置2は、用紙情報に対応する第1の情報を画像形成装置4に送信する。この第1の情報として、例えば、用紙Pの坪量、含水量などの用紙Pの物性を測定した測定値が含まれる。また、第1の情報としては、例えば、用紙Pが厚紙である等の用紙Pの紙種、用紙Pの形状を測定して得た検出値が含まれることもある。なお、
図7にて後述するが、本実施の形態では、第2の情報も用いられる。第1の情報は、今回ユーザーが画像形成装置4に実行させるジョブで使用される用紙情報に対応する情報である。第2の情報は、次回ユーザーが画像形成装置4に実行させるジョブで使用される用紙情報に対応する情報である。第1の情報及び第2の情報は、いずれも用紙情報に対応する信号で表される情報として扱ってもよい。
【0034】
メディア検出装置2は、メディア検出装置2内に設けられたセンサ(不図示)が電気的な値を読み取って得た第1の情報を画像形成装置4に送信する。そして、画像形成装置4は、メディア検出装置2から受信した第1の情報に基づいて、用紙Pの紙種、坪量、含水量などの用紙情報を判別するように構成する。
【0035】
再び、
図2に戻って、メディア検出装置2の内部構成例を説明する。
メディア検出装置2は、用紙情報検出部200、本体I/F204、CPU211、ROM212及びRAM213を備える。
【0036】
用紙情報検出部200(記録材情報検出部の一例)は、画像形成装置4がジョブを実行する際に通紙される用紙Pの用紙情報を検出する。この用紙情報検出部200は、紙種検出部201、坪量検出部202及び含水量検出部203を備える。
【0037】
紙種検出部201は、給紙トレイ300又は400にセットされる用紙Pの紙種を検出する。
坪量検出部202は、給紙トレイ300又は400にセットされる用紙Pの坪量を検出する。
含水量検出部203は、給紙トレイ300又は400にセットされる用紙Pの含水量を検出する。
紙種検出部201が検出した紙種、坪量検出部202が検出した坪量、及び含水量検出部203が検出した含水量は、いずれも用紙情報として扱われる。用紙情報としては、紙種、坪量、及び含水量の少なくともいずれか一つが含まれていればよい。
【0038】
本体I/F204(第1通信部の一例)は、画像形成装置4のメディア検出I/F408に通信ケーブルを介して接続されており、用紙情報検出部200が検出した用紙Pの用紙情報に対応する第1の情報を画像形成装置4に送信する。
【0039】
CPU211は、本実施の形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM212から読み出してRAM213にロードし、実行する。RAM213には、CPU211の演算処理の途中で発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれ、これらの変数やパラメーター等がCPU211によって適宜読み出される。このようにROM212は、CPU211が動作するために必要なプログラムやデータ等を記録しており、メディア検出装置2を動作させるコンピューターによって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記憶媒体の一例として用いられる。
【0040】
<画像形成装置の構成例>
次に、画像形成装置4の内部構成例について説明する。
画像形成装置4は、前段I/F401、後段I/F402、給紙部403、画像処理部404、画像形成部405、画像読取部406、操作表示部407、メディア検出I/F408及び用紙搬送部430を備える。
【0041】
前段I/F401、後段I/F402は、画像形成装置4が他の装置と通信可能とするための通信インターフェースである。画像形成装置4の前段I/F401は、大容量給紙装置3の後段I/F302に通信ケーブルを介して接続される。また、画像形成装置4の後段I/F402は、後処理装置5の前段I/F501に通信ケーブルを介して接続される。
【0042】
給紙部403(記録材供給部の一例)は、用紙Pが収納された給紙トレイ400から用紙搬送部430を介して画像形成部405に用紙Pを供給する。
画像処理部404は、不図示のPC、サーバ等から画像形成装置4に送信される画像にRIP処理等の所定の画像処理を施す。
画像形成部405は、用紙搬送部430によって搬送される用紙Pに対して、例えば、電子写真方式により画像を形成する。画像形成部405は、用紙Pに形成された画像を定着する処理も行う。
【0043】
画像読取部406は、用紙Pをスキャンして、用紙Pに定着された画像をスキャンする。このため、画像読取部406は、画像形成部405の後段に配置される。画像読取部406が読み取った画像は、RAM423に保存され、又は外部の大容量記憶装置(不図示)に記憶される。
【0044】
操作表示部407は、ユーザーが、画像形成システム1に対してジョブの実行指示等を行うために設けられる。操作表示部407は、タッチパネルディスプレイで構成されており、ユーザーは、操作表示部407に表示される操作画面を見ながら、ジョブに対する設定、ジョブの実行指示等を行う。操作表示部407を通じて指示された情報は、CPU421に入力される。また、CPU421で行われた処理の結果が操作表示部407に表示される。
【0045】
メディア検出I/F408(第2通信部の一例)は、メディア検出装置2の本体I/F204に対して通信ケーブルを介して接続されており、メディア検出装置2から第1の情報を受信する。
【0046】
後述する
図5の給紙トレイ使用可否判定テーブルT1に示すように、本実施の形態に係る給紙トレイ400(給紙トレイ1,2)は、除湿機能なしである。しかし、画像形成装置4は、給紙トレイ400内に収納された用紙Pを除湿する除湿部440を設けて、給紙トレイ400内の用紙Pを除湿部440に除湿させる機能を設けてもよい。除湿部440として、例えば、ヒーター、ファン等が用いられる。除湿部440が設けられた給紙トレイは、除湿機能ありとして扱われる。
【0047】
また、画像形成装置4は、入力部411、センサ412、出力部413及びモータ414を備える。
【0048】
入力部411には、画像形成装置4内に設置された各種のセンサ412から検出情報が入力される。検出情報は、RAM423に書き込まれ、CPU421により適宜参照されて、処理に用いられる。
【0049】
出力部413は、画像形成装置4内に設置された各種のモータ414に対して駆動指示を出力する。モータ414は、例えば、画像形成部405の制御により駆動し、用紙Pを搬送したり、各種のドラムを回転させたりする。
【0050】
また、画像形成装置4は、制御部420を備える。制御部420は、CPU421、ROM422及びRAM423で実現される機能を組み合わせて構成される。CPU421は、本実施の形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM422から読み出してRAM423にロードし、実行する。RAM423には、CPU421の演算処理の途中で発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれ、これらの変数やパラメーター等がCPU421によって適宜読み出される。このようにROM422は、CPU421が動作するために必要なプログラムやデータ等を記録しており、画像形成装置4を動作させるコンピューターによって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記憶媒体の一例として用いられる。
【0051】
また、画像形成装置4は、給紙トレイ400ごとにロック部431、レバー状態判別部432、トレイ開閉部433、湿度検出部434、セット検出部435及び開閉状態判別部436を備える。
【0052】
ロック部431は、給紙トレイ400が開かないようにロックする。ロック部431によるロックは、制御部420(
図4に示す判定部442)からの指示により動作するが、給紙トレイ400ごとに設けられた、ロック部431のロックを解除する不図示のレバーがOFFされることで動作してもよい。
【0053】
レバー状態判別部432は、レバーのレバー状態を判別する。
トレイ開閉部433は、給紙トレイ400をオートローディング等の開閉するための機構である。なお、給紙トレイ400を開く動作だけを行うトレイ開部が設けられてもよい。トレイ開閉部433、トレイ開部のいずれも収納部開部の一例として用いられる。
【0054】
湿度検出部434は、用紙Pの湿度、画像形成装置4内の湿度、又は画像形成装置4の設置環境の湿度を検出する。
セット検出部435は、給紙トレイ400に用紙Pがセットされたか否かを検出し、又は給紙トレイ400にセットされた用紙Pが正しい向きであるか否かを検出する。
開閉状態判別部436は、給紙トレイ400が開いている開状態であるか、又は閉じている閉状態であるかを表す、給紙トレイ400の開閉状態を判別する。
【0055】
ロック部431、レバー状態判別部432、トレイ開閉部433、湿度検出部434、セット検出部435及び開閉状態判別部436が検出する情報は、制御部420に出力される。
【0056】
<後処理装置の構成例>
次に、後処理装置5の内部構成例について説明する。
後処理装置5は、前段I/F501、用紙搬送部502、平綴じ部503、中綴じ部504、上段トレイ部505、中段トレイ部506及び下段トレイ部507を備える。
【0057】
前段I/F501は、後処理装置5が画像形成装置4と通信可能とするための通信インターフェースである。前段I/F501は、画像形成装置4の後段I/F402に通信ケーブルを介して接続される。
【0058】
用紙搬送部502は、画像形成装置4から排出された用紙Pを搬送する。用紙Pは、上段トレイ部505、中段トレイ部506又は下段トレイ部507のいずれかに搬送される。また、用紙Pの搬送途中に各種の後処理が行われる。
【0059】
平綴じ部503は、後処理の一例として、用紙Pを平綴じする。
中綴じ部504は、後処理の一例として、用紙Pを中綴じする。
【0060】
上段トレイ部505及び中段トレイ部506には、印刷不良が発生した用紙Pが排出される。印刷不良の種類によって、用紙Pの排出先が変わる。
下段トレイ部507には、印刷良好な用紙Pが排出される。
【0061】
また、後処理装置5は、入力部511、センサ512、出力部513及びモータ514を備える。
入力部511には、後処理装置5内に設置された各種のセンサ512から検出情報が入力される。検出情報は、RAM523に書き込まれ、CPU521により適宜参照されて、処理に用いられる。
【0062】
出力部513は、後処理装置5内に設置された各種のモータ514に対して駆動指示を出力する。モータ514は、例えば、用紙搬送部502の制御により駆動し、用紙Pを搬送したり、平綴じ部503及び中綴じ部504を駆動したりする。
【0063】
また、後処理装置5は、CPU521、ROM522及びRAM523を備える。CPU521は、本実施の形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードをROM522から読み出してRAM523にロードし、実行する。RAM523には、CPU521の演算処理の途中で発生した変数やパラメーター等が一時的に書き込まれ、これらの変数やパラメーター等がCPU521によって適宜読み出される。このようにROM522は、CPU521が動作するために必要なプログラムやデータ等を記録しており、後処理装置5を動作させるコンピューターによって実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記憶媒体の一例として用いられる。
【0064】
<制御部の構成例>
次に、画像形成装置4が備える制御部420の構成例について説明する。
図4は、制御部420の構成例を示すブロック図である。
【0065】
制御部420は、取得部441、判定部442及び通知部443を備える。
取得部441は、メディア検出装置2から用紙情報を取得し、判定部442に用紙情報を出力する。
【0066】
判定部442は、メディア検出装置2で検出され、取得部441が取得した用紙情報と、給紙トレイに対して予め設定された情報に基づき、メディア検出装置2で検出された用紙Pの給紙トレイへのセット可否を判定する。この際、判定部442は、検出された用紙情報と、給紙トレイに対して予め設定された使用不可条件に基づき、メディア検出装置2で検出された用紙Pの給紙トレイへのセット可否を判定する。使用不可条件は、記録材収納部に含まれる給紙トレイごとに設定されている。
【0067】
このため、判定部442は、メディア検出装置2からメディア検出I/F408が受信した第1の情報に対応する用紙情報と、給紙トレイの情報との組み合わせにより、用紙情報検出部200が検出した用紙Pの給紙トレイへのセット可否を判定する。ここで、判定部442は、後述する
図5に示す給紙トレイ使用可否判定テーブルT1を参照して、用紙Pの給紙トレイへのセット可否を判定する。なお、取得部441がメディア検出装置2から取得する用紙情報は、メディア検出I/F408が受信した第1の情報に対応する用紙情報と同じものである。このため、取得部441は、メディア検出I/F408に対して、メディア検出装置2から第1の情報を受信するよう指示する機能を有する。
【0068】
通知部443は、判定部442の指示により、用紙Pの給紙トレイへのセット可否の判定結果をユーザーに通知する。ユーザーへの判定結果の通知は、例えば、操作表示部407の操作画面にメッセージが表示されることでなされるが、画像形成装置4に設けた不図示のスピーカを通じて音声メッセージが放音されることでなされてもよい。
【0069】
この通知部443は、判定部442が給紙トレイへの用紙Pのセット可と判定した給紙トレイの情報を通知する。また、通知部443は、判定部442が給紙トレイへの用紙Pのセット不可と判定した給紙トレイの情報を通知することもできる。
【0070】
なお、セット不可と判定された給紙トレイがロック部321,431によりロックされることにより、ユーザーに対して間接的に給紙トレイの使用不可が通知されてもよい。この場合、通知部443によるユーザーへの判定結果の通知が行われなくてもよい。
【0071】
次に、給紙トレイ使用可否判定テーブルの構成例について説明する。
図5は、給紙トレイ使用可否判定テーブルT1の構成例を示す図である。
【0072】
給紙トレイ使用可否判定テーブルT1は、給紙トレイ、使用不可条件、及び除湿機能の各フィールドで構成される。この給紙トレイ使用可否判定テーブルT1は、例えば、画像形成装置4のROM422に記憶されるが、画像形成装置4のHDD等の大容量記憶装置の内部に記憶され、画像形成装置4に接続される大容量給紙装置3,3Aの種類によって、給紙トレイ使用可否判定テーブルT1の内容が更新されてもよい。
【0073】
給紙トレイフィールドには、画像形成装置4の給紙トレイ400、大容量給紙装置3,3Aの給紙トレイ300を識別するための給紙トレイ番号が格納される(
図1を参照)。
図5では、給紙トレイ番号の代わりに「トレイ1」、「トレイ2」のように表記する。
【0074】
使用不可条件フィールドには、セット可能な用紙Pの坪量、紙種が給紙トレイごとに設定される。給紙トレイ4では使用不可条件が「なし」である。このため、給紙トレイ4にはどのような用紙Pであってもセットできる。
除湿機能フィールドには、給紙トレイ1~8における除湿機能の有無が格納される。
そして、判定部442は、用紙Pの坪量、紙種、除湿の必要性等に基づいて、用紙Pをセットできない給紙トレイを禁則として判定する。
【0075】
この給紙トレイ使用可否判定テーブルT1は、後述する各処理(例えば、
図8のステップS12、
図10のステップS25、
図17のステップS72)にて、判定部442が禁則判定するために使用される。なお、給紙トレイ使用可否判定テーブルT1は、禁則判定のみに用いられる仕様としているが、禁則以外でも、用紙Pの適又は不適の判定に用いられる仕様としてもよい。用紙Pの適又は不適は、例えば、用紙Pの目方向による適又は不適など、通紙不可ではないが、ジャムが発生したり、用紙Pにダメージが発生したりしやすい条件における給紙トレイへの用紙Pのセットを不適とするといった判定で用いられる。
【0076】
ここで、従来の用紙Pのセット手順について、
図6を参照して説明する。
(1)画像形成装置4の準備完了であれば、用紙Pのセット前には、
図6の上側に示す操作画面W101のメッセージ表示欄101aには、「プリントできます」と表示される。(2)次に、ユーザーは、用紙Pを給紙トレイ3(大容量給紙装置3の一番上の給紙トレイ)にセットする。
【0077】
(3)次に、用紙Pのセット後に画像形成を行わずに用紙Pを1枚搬送し、画像形成装置4内に設けられた用紙物性の検知センサ(インラインセンサ)により用紙Pの紙種及び坪量の情報が検出されると、用紙Pがセットされた給紙トレイ3に紙種及び坪量の情報が設定される。例えば、給紙トレイ3にA4サイズ、坪量が301-350gの普通紙(用紙P)がセットされたことが検知される。
【0078】
(4)しかし、給紙トレイ使用可否判定テーブルT1に示したように、給紙トレイ3では坪量301g/m
2以上の用紙Pは通紙不可である。このため、ユーザーが用紙Pを給紙トレイ3にセットした後、ジョブの実行指示を入力しても、禁則のためジョブが実行できない。そこで、
図6の下側に示すメッセージ表示欄101aには、「このトレイからはプリントできません トレイを変更するか、用紙設定を変更してください」と表示される。
(5)ユーザーは、メッセージ表示欄101aに表示されたメッセージを確認すると、用紙Pを別の給紙トレイ(例えば、給紙トレイ4)にセットし直す。その後、ユーザーは、ジョブを実行させる。
【0079】
このように従来は、ユーザーが給紙トレイに用紙Pをセットした後で、用紙Pの通紙及びセットが不可と判定されると、用紙Pを別の給紙トレイにセットし直す手間が生じていた。そこで、本実施の形態に係る画像形成装置4では、用紙Pの通紙及びセットが不可と判定されるような給紙トレイに用紙Pがセットされないように制御する。
【0080】
本実施の形態に係る給紙トレイの制御方法について、
図7と
図8を参照して説明する。
図7は、画像形成システム1で行われる給紙トレイの制御方法の例を示すフローチャートである。
【0081】
始めに、メディア検出装置2は、用紙Pの用紙情報を検出したか否かを判定する(S1)。ユーザーが、給紙トレイにセットする用紙Pをメディア検出装置2の凹部に出し入れしていなければ、メディア検出装置2は、用紙Pの用紙情報を検出しないので(S1のNO)、用紙情報を検出するまでステップS1の処理を繰り返す。
【0082】
メディア検出装置2は、用紙Pの用紙情報を検出すると(S1のYES)、検出した用紙Pの用紙情報に対応する第1の情報を画像形成装置4に送信する(S2)。画像形成装置4は、メディア検出装置2から第1の情報を受信する(S3)。すなわち、画像形成装置4の取得部441は、第1の情報に対応する用紙情報を取得する。
【0083】
画像形成装置4の判定部442は、受信した第1の情報に対応する用紙情報に対して、給紙トレイ使用可否判定テーブルT1(図中では「判定テーブル」と略記する)に従って、全ての給紙トレイの使用可否を判定する(S4)。ステップS4の処理の詳細は、
図8にて説明する。本実施の形態では、判定部442が、給紙トレイごとに使用可否(禁則)を判定する例を挙げるが、条件によっては、用紙Pの使用の適又は不適を判定条件としてもよい。例えば、判定部442は、紙の目方向により用紙Pの使用の適又は不適を判定する処理としてもよい。
【0084】
次に、判定部442は、使用可、又は使用不可と判定した給紙トレイの使用可否情報(後述する
図9を参照)の通知を通知部443に指示し、通知部443が操作表示部407に給紙トレイの使用可否情報を表示する(S5)。なお、本実施の形態では、操作表示部407にメッセージを表示することで給紙トレイの使用可否情報がユーザーに通知される形態とするが、スピーカから音声メッセージを放音することで給紙トレイの使用可否情報を通知する形態としてもよい。
【0085】
ロック部321を備えない大容量給紙装置3、ロック部431を備えない画像形成装置4では、ステップS5までの処理だけでも本実施の形態に係る取得部441、判定部442及び通知部443による制御方法は成り立つ。
【0086】
なお、ロック部321を備えた大容量給紙装置3、ロック部431を備えた画像形成装置4では、以降の処理が実施される。
ステップS5の後、判定部442は、給紙トレイへの用紙Pのセット不可と判定した給紙トレイに設けられたロック部321又は431を動作させ、使用不可の給紙トレイをロックする(S6)。ロック部321又は431が給紙トレイをロックすることで、使用不可の給紙トレイが開かないようにする。
【0087】
なお、通常時は、ロック部321,431が給紙トレイをロックした状態であり、給紙トレイに設けられたレバーがユーザーにより握られ、レバーがONされると、レバーがONされた給紙トレイのロック部321又は431がロックを解除する。ただし、判定部442は、使用不可の給紙トレイについて、レバー状態判別部322,432がレバーのONを検出してもロックを解除しないように制御してもよい。
【0088】
そして、判定部442は、ロック部321,431を動作させて、給紙トレイをロックした後、用紙情報検出部200から第1の情報とは異なる第2の情報が出力され、又は所定時間を経過した場合に、給紙トレイのロックを解除する。例えば、次のジョブで使用される用紙Pが給紙トレイにセットされる場合、次のジョブで使用される用紙Pの用紙情報がメディア検出装置2により検出される。次のジョブで使用される用紙Pの用紙情報に対応する第2の情報が、既に給紙トレイにセットされた用紙Pの用紙情報に対応する第1の情報と異なっていれば、判定部442は、次のジョブで使用される用紙Pのセット可否を判定することになる。そこで、ステップS6の後、メディア検出装置2は、次のジョブで使用される用紙Pの用紙情報を検出したか否かを判定する(S7)。
【0089】
メディア検出装置2が次のジョブで使用される用紙Pの用紙情報を検出した場合(S7のYES)、次のジョブで使用される用紙Pが給紙トレイにセットされる可能性があるので、ステップS9に進む。そして、次のジョブで使用される用紙Pの用紙情報が第2の情報として、メディア検出装置2から画像形成装置4に送信される。
【0090】
一方、メディア検出装置2が次のジョブで使用される用紙Pの用紙情報を検出しなかった場合(S7のNO)、メディア検出装置2は、所定時間が経過したか否かを判定する(S8)。所定時間が経過していなければ(S8のNO)、ステップS7に戻る。
【0091】
一方、所定時間が経過していれば(S8のYES)、ステップS8の処理時点以降でメディア検出装置2が用紙情報を検出した用紙Pがセットされる可能性は低いので、ステップS9に進む。
【0092】
ステップS7のNO判定、又はステップS8のYES判定の後、判定部442は、ロック部321,431を動作させ、給紙トレイのロックを解除する(S9)。その後、ステップS1に戻って処理を繰り返す。
【0093】
上述したように
図7に示す処理は、ステップS6の処理後に終了してもよい。この場合、使用不可の給紙トレイはロックされたままとなるが、ユーザーが誤って使用不可の給紙トレイを開くおそれがない。この場合、
図7のステップS5に示した給紙トレイへの使用可否情報を操作表示部407に表示する処理をスキップしてもよい。ユーザーにとっては、給紙トレイへの使用可否情報が操作表示部407に表示されなくても、使用不可である給紙トレイはロックされることから、ロックが解除された使用可能な給紙トレイに用紙Pをセットすることができる。
【0094】
次に、ステップS4の詳細な処理の例について説明する。
図8は、判定部442が、給紙トレイの使用可否を判定する処理の例を示すフローチャートである。
【0095】
始めに、判定部442は、給紙トレイ番号Nと、使用可能と判定する給紙トレイ数Mに初期値をセットする(S11)。ここで、判定部442は、給紙トレイ番号Nの初期値を“1”にセットし、判定部442が使用可能と判定する給紙トレイ数Mの初期値を“0”にセットする。給紙トレイ番号N、判定部442が使用可能と判定する給紙トレイ数Mは、いずれもRAM423に記憶される。なお、給紙トレイ番号の最大数は、本実施の形態では“8”である。
【0096】
次に、判定部442は、給紙トレイ使用可否判定テーブルT1を参照して、用紙情報に基づいて、給紙トレイ番号Nを使用可能であるか否かを判定する(S12)。例えば、用紙情報として、紙種が普通紙、坪量が301-350g/m2の場合、給紙トレイ使用可否判定テーブルT1では、給紙トレイ1の使用不可条件に設定される坪量が301g以上で規定されているので、給紙トレイ1は使用不可である。一方、給紙トレイ4には使用不可条件が規定されていない。このため、判定部442は、給紙トレイ1を使用不可、給紙トレイ4を使用可能と判定する。
【0097】
給紙トレイ番号Nを使用可能である場合(S12のYES)、判定部442は、給紙トレイ番号Nの給紙トレイが使用可能であると判定した情報をRAM423に記憶させる。また、判定部442は、使用可能と判定する給紙トレイ数Mを“1”だけカウントアップする(S13)。なお、判定部442は、使用可能と判定した給紙トレイ番号NをRAM423に記憶してもよい。
【0098】
一方、給紙トレイ番号Nを使用可能でない場合(S12のNO)、判定部442は、給紙トレイ番号Nの給紙トレイが使用不可であると判定した情報をRAM423に記憶させる(S14)。
【0099】
ステップS13、S14の後、判定部442は、次の給紙トレイがあるか否かを判定する(S15)。この判定に際して、判定部442は、給紙トレイ番号Nが給紙トレイの最大数(実施例では8)未満か否かを判定する。次の給紙トレイがなければ(S15のNO)、判定部442は、
図7のステップS5に処理を戻す。
【0100】
次の給紙トレイがあれば(S15のYES)、判定部442は、給紙トレイ番号Nを“1”だけカウントアップし(S16)、ステップS12に戻り、処理を続ける。
【0101】
<操作画面の表示例>
次に、第1の実施の形態に係る操作画面の表示例について、
図9を参照して説明する。
図9は、第1の実施の形態に係る操作画面W1の表示例を示す図である。操作画面W1には、ユーザーが設定可能な各種項目の他、メッセージ表示欄1a、給紙トレイ表示欄1bが設けられる。なお、本実施の形態では、給紙トレイに用紙Pがセットされる前にメッセージがメッセージ表示欄1aに表示される形態であるので、給紙トレイ表示欄1bには、用紙Pの情報が表示されない。
【0102】
ここで、第1の実施の形態に係る用紙Pのセット手順を説明する。
(1)画像形成装置4の準備完了であれば、用紙Pのセット前には、
図9の上側に示す操作画面W1のメッセージ表示欄1aには、「プリントできます」と表示される(不図示)。そこで、ユーザーは、メディア検出装置2を用いて、これから給紙トレイにセットする用紙Pの紙種及び坪量を検出させる。メディア検出装置2が検出した用紙Pの紙種及び坪量は、画像形成装置4に送信される。
【0103】
(2-1)次に、通知部443は、判定部442がメディア検出装置2から受信した用紙Pの紙種及び坪量に基づいて判定した、用紙Pを使用可能な給紙トレイを、ユーザーが用紙Pをセットする前に操作画面W1に表示する。この場合、
図9の上側に示す操作画面W1のメッセージ表示欄1aには、「この用紙はトレイ4とトレイ7のみ使用可能です。」と表示される。
【0104】
(2-2)ただし、通知部443は、判定部442がメディア検出装置2から受信した用紙Pの紙種及び坪量に基づいて判定した、用紙Pを使用不可な給紙トレイを、ユーザーが用紙Pをセットする前に操作画面W1に表示してもよい。この場合、
図9の下側に示す操作画面W1のメッセージ表示欄1aには、「この用紙はトレイ1、トレイ2、トレイ3、トレイ5、トレイ6、トレイ8では使用不可です。」と表示される。
【0105】
なお、手順(2-1)、(2-2)で説明したメッセージは、いずれか一方、又は両方がメッセージ表示欄1aに表示されるように実施されるとよい。
【0106】
(3)次に、ユーザーは、メッセージ表示欄1aに表示されたメッセージに従って、使用可能な給紙トレイ(例えば、給紙トレイ4)に用紙Pをセットする。
【0107】
このように用紙Pが給紙トレイにセットされる前に、メッセージ表示欄1aには、使用可能な給紙トレイ、又は使用不可である給紙トレイを知らせるメッセージが表示される。このため、従来のようにユーザーが給紙トレイに用紙Pを一旦セットした後、給紙トレイが使用不可と判定されると、用紙Pを別の給紙トレイにセットし直すといった手間をかけなくてすむ。また、ユーザーは、メッセージ表示欄1aに表示されるメッセージに従って、使用可能な給紙トレイを探しやすくなり、用紙Pをセットするまでの時間を短くすることができる。
【0108】
ここで、本実施の形態に係る画像形成システム1は、様々な制御を行うことができる。以下にそれぞれの制御方法について説明する。
【0109】
<レバー状態の監視処理>
図10は、判定部442が、給紙トレイのレバー状態を監視して給紙トレイの使用可否を判定する処理の例を示すフローチャートである。ただし、
図10のステップS21~S23は、
図7のステップS1~S3と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0110】
本処理では、判定部442は、メディア検出装置2から入力した第1の情報に対応する用紙情報と、レバーが握られたことを示すレバー状態が出力された給紙トレイの情報との組み合わせにより、用紙情報検出部200が検出した用紙Pの給紙トレイへのセット可否を判定する。
【0111】
例えば、ステップS23の後、判定部442は、全ての給紙トレイのレバー状態を監視する(S24)。レバー状態の監視は、判定部442が、全ての給紙トレイに設けられたレバー状態判別部322,432から判別結果を受信することで行われる。全ての給紙トレイのレバー状態がOFFのままである場合(S24のOFF)、レバー状態に変化がないので、判定部442は、ステップS24のレバー状態の監視を継続する。
【0112】
いずれかの給紙トレイのレバー状態がONである場合(S24のON)、ユーザーによっていずれかの給紙トレイのレバーが握られている。このため、判定部442は、給紙トレイ使用可否判定テーブルT1を参照して、用紙情報に基づいて、レバー状態がONである給紙トレイの使用可否を判定する(S25)。
【0113】
レバー状態がONである給紙トレイを使用可能であると判定した場合(S25のYES)、判定部442は、レバー状態がONである給紙トレイに用紙Pをセット可とする情報をRAM423に記憶させる(S26)。
【0114】
一方、レバー状態がONである給紙トレイを使用可能でないと判定した場合(S25のNO)、判定部442は、レバー状態がONである給紙トレイに用紙Pをセット不可とする情報をRAM423に記憶させる(S27)。そして、判定部442は、セット不可と判定した給紙トレイのロック部321を動作させて、この給紙トレイをロックする(S28)。ロックされた給紙トレイは、ユーザーが開けることができなくなる。
【0115】
そして、ステップS26又はS27の後、判定部442は、
図9に示したように使用可否を判定した給紙トレイの使用可否情報を操作表示部407に表示し(S29)、本処理を終了する。
【0116】
このようにユーザーがレバーを握ってレバー状態がONとなった給紙トレイが使用可能であれば、ユーザーは、給紙トレイを引き出して用紙Pを給紙トレイにセットできる。一方、ユーザーがレバーを握った給紙トレイが使用不可であれば、給紙トレイがロックされるので、ユーザーが給紙トレイを引き出すことができない。このため、ユーザーが、誤った給紙トレイに用紙Pをセットするおそれがなくなる。
【0117】
<トレイ開閉部を用いた処理>
図11は、トレイ開閉部323,433を用いた処理の例を示すフローチャートである。ただし、
図11のステップS31~S34は、
図7のステップS1~S4と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0118】
ステップS34の後、判定部442は、使用可能な給紙トレイ数Mが1以上であるか否かを判定する(S35)。使用可能な給紙トレイ数Mが1以上あれば(S35のYES)、使用可能な給紙トレイを開く(S36)。ステップS36の処理は、複数想定される。例えば、判定部442が給紙トレイのロックを解除する指示をロック部321,431に出力し、ロック部321,431が給紙トレイのロックを解除して、ユーザーが給紙トレイを手動で開けるようにする方法がある。ロック部321,431がロックを解除する給紙トレイは、一つ又は複数であってもよい。
【0119】
また、判定部442は、用紙Pのセット可と判定した給紙トレイに設けられたトレイ開閉部323,433を動作させて、給紙トレイを自動で開かせることもできる。この際、判定部442は、用紙Pのセット可と判定した給紙トレイに対応するトレイ開閉部323,433を動作させて、給紙トレイを開く指示を出力する。判定部442からの指示が入力したトレイ開閉部323,433は、給紙トレイを開く。判定部442が出力する指示は、一つの給紙トレイに対して行われるが、複数の給紙トレイに対して行われてもよい。
【0120】
そして、ステップS35にて使用可能な給紙トレイ数Mが1未満であると判定し(S35のNO)、又はステップS36にて使用可能な給紙トレイを開いた後、判定部442は、
図9に示したように使用可否を判定した給紙トレイの使用可否情報を操作表示部407に表示し(S37)、本処理を終了する。
【0121】
このように用紙Pに対して使用可能な給紙トレイがあれば、この給紙トレイが開く。このため、ユーザーは、開いた給紙トレイに用紙Pをセットすればよい。
【0122】
<給紙トレイへの特殊紙のセット方向を判定する処理>
図12は、判定部442が、給紙トレイへの特殊紙のセット方向を判定する処理の例を示すフローチャートである。ただし、
図12のステップS41~S43は、
図7のステップS1~S3と同じ処理であるため、説明を省略する。また、
図12のステップS44~S46,S49は、
図10のステップS24~S27と同じ処理であるため、説明を省略する。なお、以下に説明する特殊紙とは、紙種がタブ紙又は封筒紙等の形状が特殊な用紙P、表面と裏面が異なる紙質のコート紙等である。特殊紙には、搬送方向に対する前後が対称の形状でない用紙Pも含まれる。
【0123】
用紙情報には、用紙Pが特殊紙であることを示す情報が含まれる。判定部442は、第1の情報に対応する用紙情報が特殊紙であることを示す情報を含む場合に、レバーが握られたことを示すレバー状態が出力された給紙トレイの情報との組み合わせにより、用紙情報検出部200が検出した用紙Pの給紙トレイへのセット可否を判定する。そして、判定部442は、用紙Pのセット可と判定した給紙トレイへの用紙Pのセット方向を示す情報を操作表示部407から通知させる。
【0124】
例えば、ステップS46の後、判定部442は、給紙トレイにセット可と判定した用紙Pが特殊紙であるか否かを判定する(S47)。また、ステップS47の判定処理は、メディア検出装置2から受信した第1の情報に対応する用紙情報に基づいて行われる。そして、用紙Pが特殊紙でなければ(S47のNO)、判定部442は、本処理を終了する。
【0125】
一方、用紙Pが特殊紙であれば(S47のYES)、判定部442は、給紙トレイへの用紙Pのセット方向を操作表示部407に表示し(S48)、本処理を終了する。ステップS48では、例えば、前後が対称でない用紙Pに対して、給紙トレイへのセット方向が操作表示部407に表示される。
【0126】
また、ステップS45にて判定部442が、給紙トレイを使用不可と判定すると(S45のNO)、判定部442は、使用不可と判定した給紙トレイに用紙Pをセット不可と判定する(S49)。このため、判定部442は、給紙トレイにセット不可とした用紙Pについて、給紙トレイの使用不可情報を操作表示部407に表示し(S50)、本処理を終了する。
【0127】
図13は、特殊紙のセット方向をユーザーに指示するメッセージの表示例を示す図である。
【0128】
図12におけるステップS47で特殊紙と判定された用紙Pのセット方向が操作画面W1にて指示される。例えば、特殊紙の一例として、用紙Pがタブ紙と判定された場合、
図13に示す操作画面W1のメッセージ表示欄1aには、「トレイ3にタブ紙の耳を右側にしてセットしてください。」と表示される。このため、ユーザーは、タブ紙である用紙Pを正しいセット方向で給紙トレイ3にセットすることができる。
【0129】
なお、判定部442は、第1の情報に対応する用紙情報が特殊紙を示す情報を含み、かつ開閉状態判別部326により給紙トレイが開状態であると判別された場合に、レバーが握られたことを示すレバー状態が出力された給紙トレイの情報との組み合わせにより、用紙情報検出部200が検出した用紙Pの給紙トレイへのセット可否を判定する。そして、判定部442は、給紙トレイへの用紙Pのセット方向を示す情報を通知部443に通知させてもよい。この場合、通知部443は、給紙トレイへの用紙Pのセット方向を示す情報を操作表示部407に出力する。
【0130】
<給紙トレイにセットする用紙の表裏を判定する処理>
図14は、判定部442が、給紙トレイにセットされる用紙Pの表裏を判定する処理の例を示すフローチャートである。ただし、
図14のステップS51~S53は、
図7のステップS1~S3と同じ処理であるため、説明を省略する。また、
図14のステップS54~S56,S59は、
図10のステップS24~S27と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0131】
用紙情報には、用紙Pの表面及び裏面の情報が含まれる。判定部442は、第1の情報に対応する用紙情報が特殊紙、並びに用紙Pの表面及び裏面を示す情報を含む場合に、レバーが握られたことを示すレバー状態が出力された給紙トレイの情報との組み合わせにより、用紙情報検出部200が検出した用紙Pの給紙トレイへのセット可否を判定する。そして、判定部442は、用紙Pのセット可と判定した給紙トレイへの用紙Pの表面又は裏面のセット方向を示す情報を操作表示部407から通知させる。
【0132】
ステップS56の後、判定部442は、給紙トレイにセット可能と判定した用紙Pが表裏で異なる紙種であるか否かを判定する(S57)。例えば、表面が塗工紙、裏面が普通紙である用紙Pは、表裏で異なる紙種であると判定される。用紙Pが表裏で異なる紙種でない場合(S57のNO)、判定部442は、本処理を終了する。
【0133】
一方、用紙Pが表裏で異なる紙種である場合(S57のYES)、判定部442は、用紙Pの給紙トレイへのセット方向を知らせるメッセージを操作表示部407に表示し(S58)、本処理を終了する。
【0134】
また、ステップS55にて判定部442が、給紙トレイを使用不可と判定すると(S55のNO)、判定部442は、使用不可と判定した給紙トレイに用紙Pをセット不可と判定する(S59)。このため、判定部442は、給紙トレイにセット不可と判定した用紙Pについて、給紙トレイの使用不可情報を操作表示部407に表示し(S60)、本処理を終了する。
【0135】
図15は、給紙トレイにセットされる用紙Pの表裏をユーザーに指示するメッセージの表示例を示す図である。
【0136】
図14におけるステップS57で表裏が異なる紙種であると判定された用紙Pは、セット方向が指示される。そこで、
図15に示す操作画面W1のメッセージ表示欄1aには、「メディア検出装置に入れた用紙の表裏のままトレイ3にセットしてください。」と表示される。このため、ユーザーは、表裏が異なる紙種である用紙Pの表裏を変えずに、正しいセット方向で給紙トレイ3にセットすることができる。
【0137】
なお、ユーザーが、画像形成装置4に設けられた給紙トレイ1,2に用紙Pをセットする場合には、メッセージ表示欄1aには、「メディア検出装置に入れた用紙Pの表裏を入れ替えてトレイ1にセットしてください」と表示される。この理由として、画像形成装置4に設けられる給紙トレイ1,2は、大容量給紙装置3に設けられる給紙トレイ3~8と異なり、用紙Pの給紙後に搬送途中で表裏が反転するからである。用紙Pの表裏で紙種が異なる場合における、表裏それぞれの紙種設定の方法、及び画像形成制御への反映の方法については公知技術が存在するため処理の詳細は省略する。
【0138】
また、判定部442は、第1の情報に対応する用紙情報が特殊紙、並びに用紙Pの表面及び裏面を示す情報を含み、かつ開閉状態判別部326により給紙トレイが開状態であると判別された場合に、レバーが握られたことを示すレバー状態が出力された給紙トレイの情報との組み合わせにより、用紙情報検出部200が検出した用紙Pの給紙トレイへのセット可否を判定する。そして、判定部442は、給紙トレイへの用紙Pのセット方向を示す情報を操作表示部407から通知させてもよい。
【0139】
<給紙トレイの除湿機能の使用可否の判定>
図16は、判定部442が、給紙トレイの除湿機能の使用可否を判定する処理の例を示すフローチャートである。ただし、
図16のステップS61~S63は、
図7のステップS1~S3と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0140】
ステップS63の後、判定部442は、全ての給紙トレイの使用可否を判定し、さらに除湿機能が必要であるか否かを判定する(S64)。判定部442が全ての給紙トレイの使用可否を判定する処理は、
図7のステップS4の処理と同じである。また、ステップS64における、除湿機能が必要であるか否かを判定する処理の詳細は、後述する
図17にて説明する。
【0141】
次に、判定部442は、
図9に示したように使用可否を判定した給紙トレイの使用可否情報を操作表示部407に表示し(S65)、ロック部321,431を動作させ、使用不可の給紙トレイをロックする(S66)。
【0142】
次に、判定部442は、給紙トレイに用紙Pがセットされたか否かを判定する(S67)。用紙Pがセットされていなければ(S67のNO)、判定部442は、用紙PがセットされるまでステップS67の処理を繰り返す。
【0143】
一方、用紙Pがセットされていれば(S67のYES)、判定部442は、用紙Pがセットされた給紙トレイに除湿が必要か否かを判定する(S68)。除湿の必要可否は、後述する
図17にて除湿フラグが立てられたか否かによって判定される。除湿フラグが立てられておらず、除湿が必要なければ(S68のNO)、判定部442は、本処理を終了する。
【0144】
一方、除湿フラグが立てられており、除湿が必要であれば(S68のYES)、判定部442は、用紙Pがセットされた給紙トレイの除湿部305に対して、除湿機能を動作させ(S69)、本処理を終了する。ここで、ステップS69では、判定部442は、メディア検出装置2から入力した第1の情報に対応する用紙情報に基づいて、用紙Pの除湿が必要であると判定した場合に、除湿部305が設けられる給紙トレイの情報を通知部443に通知させる。通知部443は、除湿部305が設けられる給紙トレイの情報を操作表示部407に出力する。
【0145】
図17は、
図16のステップS64における処理の詳細な例を示すフローチャートである。ただし、
図17のステップS71,S72は、
図8のステップS11,S12と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0146】
ステップS72の後、判定部442は、用紙Pの除湿が必要か否かを判定する(S73)。用紙Pの除湿が必要であれば(S73のYES)、判定部442は、給紙トレイNに除湿機能があるか否かを判定する(S74)。
【0147】
給紙トレイNに除湿機能がある場合(S74のYES)、判定部442は、除湿フラグを立てる(S75)。除湿フラグは、RAM423に領域が確保されたフラグであり、初期値として“0”がセットされる。例えば、除湿フラグが立つと、この領域に“1”がセットされる。除湿フラグが立たなければ、この領域には“0”がセットされたままである。
【0148】
用紙Pの除湿が必要でない場合(S73のNO)、又はステップS75で除湿フラグを立てた後、判定部442は、給紙トレイNに用紙Pをセット可能と判定する(S76)。一方、ステップS72にて給紙トレイNを使用不可と判定した場合(S72のNO)、又はステップS74にて給紙トレイNに除湿機能がないと判定した場合(S74のNO)、判定部442は、給紙トレイNに用紙Pをセット不可と判定する(S77)。そして、判定部442は、給紙トレイ番号Nの給紙トレイが使用不可であると判定した情報をRAM423に記憶させる。
【0149】
ステップS76、S77の後、判定部442は、次の給紙トレイがあるか否かを判定する(S78)。次の給紙トレイがなければ(S78のNO)、判定部442は、
図16のステップS65に処理を戻す。
【0150】
次の給紙トレイがあれば(S78のYES)、判定部442は、給紙トレイ番号Nを“1”だけカウントアップし(S79)、ステップS72に戻って処理を続ける。
【0151】
このように用紙Pの湿度、画像形成システム1内の湿度、又は設置環境における湿度が高ければ、除湿機能を動作可能な給紙トレイへの用紙Pのセットが指示される。そして、判定部442は、給紙前に除湿機能を動作させるので、用紙Pが除湿される。このため、用紙Pへの画像形成が良好に行われる。
【0152】
<用紙情報に基づく除湿機能の使用可否の判定>
図18は、判定部442が、用紙情報に基づいて除湿機能の使用可否を判定する処理の例を示すフローチャートである。
図18は、判定部442が、
図17のステップS73における用紙Pの除湿可否を判定する処理の詳細を表す。
【0153】
本処理では、第1の情報が、用紙Pの含水量に関する情報を含むことを想定する。このため、判定部442は、第1の情報に基づいて、用紙Pの含水量が所定値以上であると判定した場合に、除湿部305が設けられる給紙トレイの情報を通知部443に通知させる。通知部443は、除湿部305が設けられる給紙トレイの情報を操作表示部407に出力する。
【0154】
例えば、始めに、判定部442は、メディア検出装置2から受信した第1の情報に対応する用紙情報に基づいて、用紙Pの含水量が所定値以上(例えば、含水量が10%以上)であるか否かを判定する(S81)。用紙Pの含水量が所定値以上であれば(S81のYES)、判定部442は、用紙Pの除湿が必要と判定する(S85)。
【0155】
一方、用紙Pの含水量が所定値未満であれば(S81のNO)、判定部442は、用紙情報に基づいて、用紙Pの紙種は除湿が必要な紙種(例えば、塗工紙)であるか否かを判定する(S82)。用紙Pの紙種は除湿が必要な紙種であれば(S82のYES)、判定部442は、用紙Pの除湿が必要と判定する(S85)。
【0156】
一方、用紙Pの紙種は除湿が必要な紙種でなければ(S82のNO)、判定部442は、大容量給紙装置3の湿度検出部324、又は画像形成装置4の湿度検出部434が検出した湿度が所定値以上(例えば、湿度が50%以上)の高湿環境であるか否かを判定する(S83)。ここで、湿度検出部324は、大容量給紙装置3内の湿度、又は、大容量給紙装置3の設置環境の湿度を検出する。同様に、湿度検出部434は、画像形成装置4内の湿度、又は、画像形成装置4の設置環境の湿度を検出する。
【0157】
装置内の湿度が所定値以上であれば(S83のYES)、判定部442は、用紙Pの除湿が必要と判定する(S85)。このため、判定部442は、除湿部305が設けられる給紙トレイ300の情報を通知部443に通知させる。通知部443は、除湿部305が設けられる給紙トレイ300の情報を操作表示部407に出力する。また、画像形成装置4に除湿部440が設けられていれば、判定部442は、除湿部440が設けられる給紙トレイ400の情報を通知部443に通知させる。通知部443は、除湿部440が設けられる給紙トレイ400の情報を操作表示部407に出力する。
【0158】
一方、装置内の湿度が所定値未満であれば(S83のNO)、判定部442は、用紙Pの除湿が不要と判定する(S84)。判定部442は、ステップS84又はS85の後、除湿の要又は不要の判定結果に基づいて、
図17のステップS73に戻って用紙Pの除湿の要否を判定する。
【0159】
なお、判定部442は、用紙Pがセットされたことをセット検出部325が検出すると、除湿機能の要否に関わらず、セット検出部325が設けられる給紙トレイの除湿部305を動作させて、用紙Pを除湿してもよい。また、画像形成装置4に除湿部440が設けられる場合、判定部442は、用紙Pがセットされたことをセット検出部435が検出すると、セット検出部435が設けられる給紙トレイの除湿部440を動作させて、用紙Pを除湿してもよい。
【0160】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置4Aについて説明する。本実施の形態に係る画像形成装置4Aは、用紙情報検出部200を備える構成である。そして、用紙情報検出部200は、大容量給紙装置3Aの上部に設けられる手差しトレイ320から挿入された用紙Pの用紙情報を検出する。
【0161】
図19は、第2の実施の形態に係る画像形成装置4Aの内部構成例を示すブロック図である。
画像形成装置4Aは、用紙Pの搬送経路(
図1の用紙搬送部430)に設けられるインラインセンサとして、画像形成装置4Aの筐体内に用紙情報検出部200を備える。用紙情報検出部200は、紙種検出部201、坪量検出部202及び含水量検出部203を備える。
【0162】
本実施の形態では、用紙情報検出部200に用紙Pの用紙情報を検出させるために、例えば、ユーザーが操作表示部407を通じて、画像形成装置4Aの動作モードを、通常のジョブ印刷モードから用紙情報検出モードに設定変更する。用紙情報検出モードでは、実際に用紙Pが給紙トレイ400にセットされる前に、ユーザーが手差しトレイ320から手差しした1枚~数枚程度の用紙Pが画像形成装置4内に搬送される。そして、用紙情報検出部200は、搬送された用紙Pの用紙情報を検出する。
【0163】
用紙情報検出部200が備える紙種検出部201が検出した用紙Pの紙種、坪量検出部202が検出した用紙Pの坪量、及び含水量検出部203が検出した用紙Pの含水量のうち、少なくとも一つを含む情報が用紙情報に対応する第1の情報として制御部420に出力される。制御部420の判定部442は、用紙情報検出部200から入力した第1の情報に対応する用紙情報に基づいて所定の判定を行い、通知部443は、判定部442の指示により操作表示部407に各種の情報を出力する。なお、本実施の形態において、判定部442が、除湿部440、ロック部431、レバー状態判別部432、トレイ開閉部433、湿度検出部434、セット検出部435及び開閉状態判別部436との間で各種の情報を受け取り、動作指示を行うのは、第1の実施の形態に係る画像形成装置4の判定部442と同様である。
【0164】
<プリント開始後に、給紙トレイの使用可否を判定する処理>
図20は、判定部442が、プリント開始後に給紙トレイの使用可否を判定する処理の例を示すフローチャートである。
【0165】
始めに、ユーザーが、操作表示部407を通じて動作モードを、通常のジョブ印刷モードから用紙情報検出モードに設定変更する(S91)。次に、判定部442は、ユーザーが操作表示部407を通じて用紙情報検出モード開始の指示を入力したか判定する(S92)。ユーザーが、手差しトレイ320に数枚の用紙Pを置いた後、操作表示部407を通じて開始ボタンを押すと、用紙情報検出モードが開始される。このため、用紙情報検出モード開始の指示が入力されていなければ(S92のNO)、判定部442は、ステップS92の判定を繰り返す。
【0166】
一方、用紙情報検出モード開始の指示が入力されると(S92のYES)、画像形成装置4内に設けられた用紙情報検出部200が、手差しトレイ320から搬送された用紙Pの用紙情報を検出する(S93)。用紙情報検出部200は、画像形成装置4の内部に設けられているので、画像形成装置4の用紙搬送部430が搬送する用紙Pの用紙情報を検出し、第1の情報を判定部442に出力する。
【0167】
次に、判定部442は、用紙情報検出部200から入力した第1の情報に対応する用紙情報に対して、給紙トレイ使用可否判定テーブルT1に従って、全ての給紙トレイの使用可否を判定する(S94)。ステップS94の処理は、
図7のステップS4、
図8の各ステップの処理と同じである。
【0168】
ステップS94の後、判定部442は、使用可、又は使用不可と判定した給紙トレイの使用可否情報(
図9を参照)を操作表示部407に表示し(S95)、本処理を終了する。
【0169】
この画像形成システム1では、用紙情報検出部200が画像形成装置4の内部に設けられる。例えば、ユーザーが用紙情報検出モードに設定変更したことにより、用紙情報検出部200は、給紙トレイにセットする予定の用紙Pの用紙情報を、実際に給紙トレイにセットする前に検出する。そして、操作表示部407には、用紙Pをセット可能な給紙トレイの使用可否情報が表示される。このため、ユーザーは、表示された給紙トレイの使用可否情報に基づいて、使用可能と判定された給紙トレイに用紙Pをセットすることができる。
【0170】
なお、上述した第1及び第2の実施の形態では、画像形成装置の一例として電子写真方式で用紙Pに画像を形成する画像形成装置4を挙げたが、インクジェット記録装置等に本発明を適用してもよい。
【0171】
また、本発明は上述した各実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した各実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0172】
1…画像形成システム、2…メディア検出装置、3,3A…大容量給紙装置、4…画像形成装置、200…用紙情報検出部、201…紙種検出部、202…坪量検出部、203…含水量検出部、300…給紙トレイ、400…給紙トレイ、405…画像形成部、407…操作表示部、420…制御部、441…取得部、442…判定部、443…通知部、T1…給紙トレイ使用可否判定テーブル、W1…操作画面