(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20240110BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240110BHJP
G03G 15/23 20060101ALI20240110BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H04N1/387
H04N1/387 110
H04N1/387 700
H04N1/00 567R
G03G15/23
G03G21/00 376
(21)【出願番号】P 2020084165
(22)【出願日】2020-05-13
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】猪田 良介
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-049654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/38- 1/393
G03G 15/23
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置であって、
8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部と、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
第1シートの第1面に第4ページ、第2ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第1ページ、第3ページの順で印刷され、
前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第8ページ、第6ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第5ページ、第7ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項2】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置であって、
8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部と、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
第1シートの第1面に第3ページ、第1ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第2ページ、第4ページの順で印刷され、
前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第7ページ、第5ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第6ページ、第8ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項3】
前記面付制御部は、
前記印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、
前記ステープル設定又は前記パンチ設定に対応する画像の角又は辺が、前記画像形成部により印刷されるタイミングで前記搬送方向の下流側となるように、前記第1ページ、前記第3ページ、前記第5ページ、前記第7ページのそれぞれを独立して回転させる請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記面付制御部は、
前記印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、
前記ステープル設定又は前記パンチ設定に対応する画像の角又は辺が、前記画像形成部により印刷されるタイミングで前記搬送方向の上流側となるように、前記第2ページ、前記第4ページ、前記第6ページ、前記第8ページのそれぞれを独立して回転させる請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記面付制御部は、
前記印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合に、
前記綴じ設定に対応する辺が前記搬送方向と一致するときは、前記画像形成部により印刷されるタイミングで、前記第1ページ、前記第3ページ、前記第5ページ、前記第7ページの画像に対して180度の向きになるように、前記第2ページ、前記第4ページ、前記第6ページ、前記第8ページのそれぞれを独立して回転させる請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置であって、
5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部と、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
シートの第1面に第4nページ(nは自然数)、第(4n-2)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-3)ページ、第(4n-1)ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項7】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置であって、
5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部と、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
シートの第1面に第(4n-1)ページ(nは自然数)、第(4n-3)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-2)ページ、第4nページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部と、
を備える画像処理装置。
【請求項8】
前記面付制御部は、
前記印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、
前記ステープル設定又は前記パンチ設定に対応する画像の角又は辺が、前記画像形成部により印刷されるタイミングで前記搬送方向の下流側となるように、前記第(4n-3)ページ、前記第(4n-1)ページのそれぞれを独立して回転させる請求項6又は7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記面付制御部は、
前記印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、
前記ステープル設定又は前記パンチ設定に対応する画像の角又は辺が、前記画像形成部により印刷されるタイミングで前記搬送方向の上流側となるように、前記第(4n-2)ページ、前記第4nページのそれぞれを独立して回転させる請求項6から8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記面付制御部は、
前記印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合に、
前記綴じ設定に対応する辺が前記搬送方向と一致するときは、前記画像形成部により印刷されるタイミングで、前記第(4n-3)ページ、前記第(4n-1)ページの画像に対して180度の向きになるように、前記第(4n-2)ページ、前記第4nページのそれぞれを独立して回転させる請求項6から9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の画像処理装置を前記画像形成装置の内部に備える画像形成装置。
【請求項12】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置における画像処理方法であって、
8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得工程と、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
第1シートの第1面に第4ページ、第2ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第1ページ、第3ページの順で印刷され、
前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第8ページ、第6ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第5ページ、第7ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御工程と、
を含む画像処理方法。
【請求項13】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置における画像処理方法であって、
8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得工程と、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
第1シートの第1面に第3ページ、第1ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第2ページ、第4ページの順で印刷され、
前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第7ページ、第5ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第6ページ、第8ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御工程と、
を含む画像処理方法。
【請求項14】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置における画像処理方法であって、
5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得工程と、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
シートの第1面に第4nページ(nは自然数)、第(4n-2)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-3)ページ、第(4n-1)ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御工程と、
を含む画像処理方法。
【請求項15】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置における画像処理方法であって、
5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得工程と、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
シートの第1面に第(4n-1)ページ(nは自然数)、第(4n-3)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-2)ページ、第4nページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御工程と、
を含む画像処理方法。
【請求項16】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置のコンピューターを、
8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
第1シートの第1面に第4ページ、第2ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第1ページ、第3ページの順で印刷され、
前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第8ページ、第6ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第5ページ、第7ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項17】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置のコンピューターを、
8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
第1シートの第1面に第3ページ、第1ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第2ページ、第4ページの順で印刷され、
前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第7ページ、第5ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第6ページ、第8ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置のコンピューターを、
5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
シートの第1面に第4nページ(nは自然数)、第(4n-2)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-3)ページ、第(4n-1)ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部、
として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置のコンピューターを、
5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部、
前記印刷ジョブに係る印刷において、
シートの第1面に第(4n-1)ページ(nは自然数)、第(4n-3)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-2)ページ、第4nページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物の断裁は、印刷後の用紙を積載して用紙束を形成し、用紙束をまとめて断裁するものが一般的である(特許文献1参照)。特許文献1では、原稿ページ2面を1枚の用紙の同一面に集約して印刷する画像形成装置において、印刷後の用紙をセンターで断裁して1ページ目を含む断裁後用紙束の下に他方の断裁後用紙束を重ねたとき、ページ順となるように集約印刷を行う、いわゆる串刺し面付の方法が提案されている。
【0003】
近年、印刷したシートをシートごとにインライン(装置内の搬送経路上)で2枚に断裁する装置が利用されている。この装置により、例えば、SRA3サイズ(A3より少し大きいサイズ)のシートの四方と中央を断裁し、A4サイズの2枚にすることができる。インラインで断裁することにより、大サイズの用紙を使うことによるコスト削減や、任意出力サイズでのふちなし印刷等が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、インライン断裁機では、デバイスの特性上、断裁後のシートに対しスイッチバック機構を含む反転機構を有するものがある。この反転機構では、断裁後のシートごとに、シートの表裏と先端後端が反転するため、最終的にユーザーが望むページ順となるように予め面付を行っておく必要がある。
また、インライン断裁機は、シートを1枚ごとに断裁するものであり、その後、断裁後のシートに対して、別の後処理装置でステープルやパンチ等の後処理が施される場合もある。後処理に伴い、綴じ方向やシート搬送方向に応じて、表裏の画像回転が行われることもある。
【0006】
このように、断裁の有無、反転機構の有無、断裁後の後処理等に応じて、ページの順序や画像の回転角度等、原稿データの面付方法が異なるため、ユーザーは条件に適した面付方法を選択する必要があり、煩雑な作業を強いられていた。
【0007】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、煩雑な面付設定を意識することなく、容易に目的の出力物を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置であって、8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部と、前記印刷ジョブに係る印刷において、第1シートの第1面に第4ページ、第2ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第1ページ、第3ページの順で印刷され、前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第8ページ、第6ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第5ページ、第7ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部と、を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置であって、8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部と、前記印刷ジョブに係る印刷において、第1シートの第1面に第3ページ、第1ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第2ページ、第4ページの順で印刷され、前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第7ページ、第5ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第6ページ、第8ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部と、を備える。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理装置において、前記面付制御部は、前記印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、前記ステープル設定又は前記パンチ設定に対応する画像の角又は辺が、前記画像形成部により印刷されるタイミングで前記搬送方向の下流側となるように、前記第1ページ、前記第3ページ、前記第5ページ、前記第7ページのそれぞれを独立して回転させる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記面付制御部は、前記印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、前記ステープル設定又は前記パンチ設定に対応する画像の角又は辺が、前記画像形成部により印刷されるタイミングで前記搬送方向の上流側となるように、前記第2ページ、前記第4ページ、前記第6ページ、前記第8ページのそれぞれを独立して回転させる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記面付制御部は、前記印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合に、前記綴じ設定に対応する辺が前記搬送方向と一致するときは、前記画像形成部により印刷されるタイミングで、前記第1ページ、前記第3ページ、前記第5ページ、前記第7ページの画像に対して180度の向きになるように、前記第2ページ、前記第4ページ、前記第6ページ、前記第8ページのそれぞれを独立して回転させる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置であって、5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部と、前記印刷ジョブに係る印刷において、シートの第1面に第4nページ(nは自然数)、第(4n-2)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-3)ページ、第(4n-1)ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部と、を備える。
【0014】
請求項7に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置であって、5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部と、前記印刷ジョブに係る印刷において、シートの第1面に第(4n-1)ページ(nは自然数)、第(4n-3)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-2)ページ、第4nページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部と、を備える。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の画像処理装置において、前記面付制御部は、前記印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、前記ステープル設定又は前記パンチ設定に対応する画像の角又は辺が、前記画像形成部により印刷されるタイミングで前記搬送方向の下流側となるように、前記第(4n-3)ページ、前記第(4n-1)ページのそれぞれを独立して回転させる。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項6から8のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記面付制御部は、前記印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、前記ステープル設定又は前記パンチ設定に対応する画像の角又は辺が、前記画像形成部により印刷されるタイミングで前記搬送方向の上流側となるように、前記第(4n-2)ページ、前記第4nページのそれぞれを独立して回転させる。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項6から9のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記面付制御部は、前記印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合に、前記綴じ設定に対応する辺が前記搬送方向と一致するときは、前記画像形成部により印刷されるタイミングで、前記第(4n-3)ページ、前記第(4n-1)ページの画像に対して180度の向きになるように、前記第(4n-2)ページ、前記第4nページのそれぞれを独立して回転させる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の画像処理装置を前記画像形成装置の内部に備える画像形成装置である。
【0019】
請求項12に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置における画像処理方法であって、8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得工程と、前記印刷ジョブに係る印刷において、第1シートの第1面に第4ページ、第2ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第1ページ、第3ページの順で印刷され、前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第8ページ、第6ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第5ページ、第7ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御工程と、を含む。
【0020】
請求項13に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置における画像処理方法であって、8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得工程と、前記印刷ジョブに係る印刷において、第1シートの第1面に第3ページ、第1ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第2ページ、第4ページの順で印刷され、前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第7ページ、第5ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第6ページ、第8ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御工程と、を含む。
【0021】
請求項14に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置における画像処理方法であって、5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得工程と、前記印刷ジョブに係る印刷において、シートの第1面に第4nページ(nは自然数)、第(4n-2)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-3)ページ、第(4n-1)ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御工程と、を含む。
【0022】
請求項15に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置における画像処理方法であって、5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得工程と、前記印刷ジョブに係る印刷において、シートの第1面に第(4n-1)ページ(nは自然数)、第(4n-3)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-2)ページ、第4nページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御工程と、を含む。
【0023】
請求項16に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置のコンピューターを、8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部、前記印刷ジョブに係る印刷において、第1シートの第1面に第4ページ、第2ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第1ページ、第3ページの順で印刷され、前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第8ページ、第6ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第5ページ、第7ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部、として機能させるためのプログラムである。
【0024】
請求項17に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置のコンピューターを、8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部、前記印刷ジョブに係る印刷において、第1シートの第1面に第3ページ、第1ページの順で印刷された後に、前記第1シートの第2面に第2ページ、第4ページの順で印刷され、前記第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第7ページ、第5ページの順で印刷された後に、前記第2シートの第2面に第6ページ、第8ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部、として機能させるためのプログラムである。
【0025】
請求項18に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させて排出する反転機構と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置のコンピューターを、5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部、前記印刷ジョブに係る印刷において、シートの第1面に第4nページ(nは自然数)、第(4n-2)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-3)ページ、第(4n-1)ページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部、として機能させるためのプログラムである。
【0026】
請求項19に記載の発明は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行う画像形成部と、前記画像形成部により印刷されたシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁するインライン断裁部と、前記インライン断裁部により断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部と、を備える画像形成装置に印刷データを出力する画像処理装置のコンピューターを、5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブを取得するジョブ取得部、前記印刷ジョブに係る印刷において、シートの第1面に第(4n-1)ページ(nは自然数)、第(4n-3)ページの順で印刷された後に、当該シートの第2面に第(4n-2)ページ、第4nページの順で印刷されるように面付処理を行う面付制御部、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、煩雑な面付設定を意識することなく、容易に目的の出力物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成システムのシステム構成図である。
【
図2】コンピューターのハードウェア構成を示す図である。
【
図3】画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】画像形成装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】インライン断裁部における断裁機能を説明するための図である。
【
図8】(a)は、ポートレートを説明するための図である。(b)は、ランドスケープを説明するための図である。
【
図9】(a)は、左綴じを説明するための図である。(b)は、右綴じを説明するための図である。(c)は、上綴じを説明するための図である。
【
図10】第1の実施の形態の面付処理において決定される各ページの印刷順を示す図である。
【
図11】ステープル位置とステープル設定に対応する画像の角又は辺を説明するための図である。
【
図12】パンチ位置とパンチ設定に対応する画像の辺を説明するための図である。
【
図13】奇数ページにおける画像回転制御の例を示す図である。
【
図14】偶数ページにおける画像回転制御の例を示す図である。
【
図15】印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合の画像回転制御の例を示す図である。
【
図16】コンピューターに表示されるレイアウト設定画面の例である。
【
図17】コンピューターに表示される仕上げ設定画面の例である。
【
図18】画像処理装置において実行される第1の面付制御処理を示すフローチャートである。
【
図19】回転角度決定処理を示すフローチャートである。
【
図20】第2の実施の形態の面付処理において決定される各ページの印刷順を示す図である。
【
図21】印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合の画像回転制御の例を示す図である。
【
図22】画像処理装置において実行される第2の面付制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0030】
(画像形成システムの構成)
図1は、第1の実施の形態における画像形成システム100のシステム構成図である。
図1に示すように、画像形成システム100は、コンピューター10、画像処理装置(プリンターコントローラー)20、画像形成装置30を備える。コンピューター10と画像処理装置20は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNTを介して接続されている。画像処理装置20と画像形成装置30は、画像データ(印刷データ)を送信するための専用ラインLを介して接続されている。
【0031】
コンピューター10は、プリンタードライバーやジョブ管理アプリケーション等の印刷ジョブのデータ(以下、印刷ジョブデータという。)を出力するためのプログラムを実行する。コンピューター10は、ユーザーの操作に基づいて、印刷ジョブデータを画像処理装置20に出力する。
画像処理装置20は、印刷ジョブデータを受信し、印刷ジョブデータに対応付けられた原稿データに基づいて、RIP処理を実行する。画像処理装置20は、RIP処理により生成された印刷データ(ビットマップデータ)を画像形成装置30に出力する。
画像形成装置30は、画像処理装置20から受信した印刷データに基づいて、画像形成を行う。
【0032】
(コンピューターの構成)
図2に、コンピューター10のハードウェア構成を示す。コンピューター10は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、記憶部13、NIC(Network Interface Controller)14、操作部15、表示部16等を備える。
【0033】
CPU11は、記憶部13に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM12に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
RAM12は、CPU11により実行制御される各種処理において、記憶部13から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0034】
記憶部13は、ハードディスクや不揮発性の半導体メモリー等により構成される記憶装置である。例えば、記憶部13には、プリンタードライバーやジョブ管理アプリケーションのプログラム等の各種プログラムが記憶されているほか、各種プログラムを実行するために必要なパラメーターやデータが記憶されている。
【0035】
NIC14は、LAN等の通信ネットワークNTを介して接続されている画像処理装置20等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0036】
操作部15は、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号をCPU11に出力する。
表示部16は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されており、CPU11から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0037】
CPU11は、ユーザーの操作部15からの操作に応じて、記憶部13に記憶されているプリンタードライバープログラムをRAM12に展開し、当該プログラムを実行することにより、プリンタードライバーの機能を実現する。CPU11は、プリンタードライバー機能において、ユーザーの操作に応じて、印刷ジョブデータに対して原稿サイズ設定や断裁設定等を行い、NIC14を介して、印刷ジョブデータを画像処理装置20に出力する。
【0038】
(画像処理装置の構成)
図3に、画像処理装置20のハードウェア構成を示す。画像処理装置20は、CPU21、RAM22、記憶部23、NIC24、DATA I/F25等を備える。
【0039】
CPU21は、記憶部23に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM22に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
RAM22は、CPU21により実行制御される各種処理において、記憶部23から読み出された各種プログラム、入力若しくは出力データ及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0040】
記憶部23は、ハードディスクや不揮発性の半導体メモリー等により構成される記憶装置である。例えば、記憶部23には、面付処理を行う面付プログラム等の各種プログラムが記憶されているほか、各種プログラムを実行するために必要なパラメーターやデータが記憶されている。
【0041】
NIC24は、LAN等の通信ネットワークNTを介して接続されているコンピューター10等の外部機器との間でデータの送受信を行う。
【0042】
DATA I/F25は、専用ラインLを介して接続されている画像形成装置30との間でデータの送受信を行う。
【0043】
CPU21は、記憶部23に記憶されている面付プログラムをRAM22に展開し、当該プログラムを実行することにより、面付機能を実現する。CPU21は、面付機能において、NIC24を介して印刷ジョブデータを受信し、印刷ジョブデータに対応する原稿データに基づいて、RIP処理及び面付処理を行い、その結果としての印刷データ(ビットマップデータ)をDATA I/F25を介して画像形成装置30に出力する。
【0044】
(画像形成装置の構成)
図4に、画像形成装置30のハードウェア構成を示す。画像形成装置30は、給紙部31、画像形成部32、第1反転機構33、インライン断裁部34、第2反転機構35、排出部36、後処理部37、載置部38を備える。
【0045】
給紙部31は、画像形成部32に用紙等のシートを供給する。
画像形成部32は、給紙部31により供給されたシートに対し、印刷データに基づいて画像を形成する。画像形成部32は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して両面印刷を行うことが可能である。印刷データが、両面印刷に対応するものである場合は、画像形成部32は、シートの第1面(先に画像が形成される面)に画像を形成した後、第1反転機構33により表裏が反転されたシートの第2面(後から画像が形成される面)に画像を形成する。画像が形成されたシートは、インライン断裁部34に搬送される。
【0046】
第1反転機構33は、第1面に画像が形成されたシートの表裏及び先端後端を反転させて、画像形成部32にシートを再供給する。
【0047】
インライン断裁部34は、画像形成装置30において、画像形成部32により印刷されたシートが搬送される搬送経路上に設けられている。インライン断裁部34は、
図5に示すように、画像形成部32により印刷されたシートを1枚ずつ、シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁する。この断裁処理を2枚分断と呼ぶ。断裁されたシートは、第2反転機構35により表裏が反転され、下流の排出部36に搬送される。
【0048】
第2反転機構35は、スイッチバック機構を有し、インライン断裁部34により断裁されたシートの表裏及び先端後端を反転させて排出部36に排出する。
【0049】
排出部36は、画像が形成され、必要に応じて断裁・後処理が施されたシートを載置部38に排出する。
後処理部37は、排出部36に搬送されてくるシートに、ステープル処理、パンチ処理等の後処理を行う。後処理部37では、シートの搬送方向における後端側(上流側)の位置に、ステープルやパンチが施される。
載置部38は、排出部36から排出されたシートが、排出された順に積載されるトレイである。
【0050】
(画像処理装置の機能の概要)
次に、画像処理装置20の機能の概要について説明する。
画像処理装置20のCPU21は、NIC24を介して、少なくとも原稿データが対応付けられた印刷ジョブをコンピューター10から取得する。すなわち、CPU21は、ジョブ取得部として機能する。
【0051】
図6に、印刷ジョブのデータ構成を示す。印刷ジョブは、原稿データ、原稿サイズ設定、シート向き設定、断裁設定、綴じ設定、ステープル・パンチ設定等を含む。
原稿データは、原稿に対応する画像のデータそのものを含んでいてもよいし、原稿データを特定するための識別情報(URL等)でもよい。
図7は、原稿データのイメージ図である。原稿データにおいて、i番目のページを「第iページ」という。
原稿サイズ設定は、原稿のサイズ(例えば、A4サイズ等)を示す情報である。
シート向き設定は、シートの向きを示す情報であり、ポートレート(縦向き)とランドスケープ(横向き)がある。ポートレートは、
図8(a)に示すように、長方形の領域が縦長となる向きである。ランドスケープは、
図8(b)に示すように、長方形の領域が横長となる向きである。シートの向きは、最終的な出力物(断裁処理が施される場合には、断裁後のシート)における画像の向きである。
【0052】
断裁設定は、少なくとも、2枚分断するか否かの情報を含む。
綴じ設定は、綴じ方向を示す情報であり、左綴じ・右綴じ・上綴じから選択可能である。
図9(a)に示すように、左綴じは、シートの左端を綴じる綴じ方であり、右から左にページをめくることになる。
図9(b)に示すように、右綴じは、シートの右端を綴じる綴じ方であり、左から右にページをめくることになる。
図9(c)に示すように、上綴じは、シートの上端を綴じる綴じ方であり、下から上にページをめくることになる。綴じ設定は、印刷出力物の表裏面の画像の回転角度の違いで実現される。
ステープル・パンチ設定は、ステープル・パンチの位置(左・右・上)、ステープル・パンチの個数(1点、2点、4点等)を含む。
【0053】
CPU21は、原稿データに基づいてRIP処理を実行し、ビットマップデータを生成する。
CPU21は、原稿データ、原稿サイズ設定、シート向き設定、断裁設定、綴じ設定、ステープル・パンチ設定等に基づいて、面付処理を行う。すなわち、CPU21は、面付制御部として機能する。
【0054】
具体的には、CPU21は、8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブに係る印刷において、第1シートの第1面に第4ページ、第2ページの順で印刷された後に、第1シートの第2面に第1ページ、第3ページの順で印刷され、第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第8ページ、第6ページの順で印刷された後に、第2シートの第2面に第5ページ、第7ページの順で印刷されるように面付処理を行う。印刷ジョブに係る印刷において、j番目のシートを「第jシート」という。
【0055】
図10に、面付処理において決定される各ページの印刷順を示す。
第1シートの第1面(断裁後の第2反転機構35通過後、裏面(上面)となる面)は、第4ページから第2ページの順で印刷する。
第1シートの第2面(断裁後の第2反転機構35通過後、表面(下面)となる面)は、第1ページから第3ページの順で印刷する。
第2シートの第1面(断裁後の第2反転機構35通過後、裏面となる面)は、第8ページから第6ページの順で印刷する。
第2シートの第2面(断裁後の第2反転機構35通過後、表面となる面)は、第5ページから第7ページの順で印刷する。
【0056】
CPU21は、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の下流側となるように、第1ページ、第3ページ、第5ページ、第7ページのそれぞれを独立して回転させる。
なお、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の辺が搬送方向と一致する場合には、この画像回転制御は行わない。
【0057】
図11(a)~(e)に、ステープル位置の例と、それぞれの場合における「ステープル設定に対応する画像の角又は辺」の例を示す。
図11(a)に示すように、ステープル位置が「左コーナー」に設定されている場合には、角A1が「ステープル設定に対応する画像の角」となる。
図11(b)に示すように、ステープル位置が「右コーナー」に設定されている場合には、角A2が「ステープル設定に対応する画像の角」となる。
図11(c)に示すように、ステープル位置が「左2点」に設定されている場合には、辺B1が「ステープル設定に対応する画像の辺」となる。
図11(d)に示すように、ステープル位置が「右2点」に設定されている場合には、辺B2が「ステープル設定に対応する画像の辺」となる。
図11(e)に示すように、ステープル位置が「上2点」に設定されている場合には、辺B3が「ステープル設定に対応する画像の辺」となる。
【0058】
図12(a)~(c)に、パンチ位置の例と、それぞれの場合における「パンチ設定に対応する画像の辺」の例を示す。
図12(a)に示すように、パンチ位置が「左パンチ」に設定されている場合には、辺B11が「パンチ設定に対応する画像の辺」となる。
図12(b)に示すように、パンチ位置が「右パンチ」に設定されている場合には、辺B12が「パンチ設定に対応する画像の辺」となる。
図12(c)に示すように、パンチ位置が「上パンチ」に設定されている場合には、辺B13が「パンチ設定に対応する画像の辺」となる。
【0059】
図13に、奇数ページにおける画像回転制御の例を示す。「ステープル設定に対応する画像の角」を構成する2辺のうち長辺C1~C4が、印刷されるタイミングで搬送方向の下流側となるように、画像の回転角度を決定する。
【0060】
CPU21は、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の上流側となるように、第2ページ、第4ページ、第6ページ、第8ページのそれぞれを独立して回転させる。
なお、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の辺が搬送方向と一致する場合には、この画像回転制御は行わない。
【0061】
図14に、偶数ページにおける画像回転制御の例を示す。「ステープル設定に対応する画像の角」を構成する2辺のうち長辺C11~C14が、印刷されるタイミングで搬送方向の上流側となるように、画像の回転角度を決定する。
【0062】
CPU21は、印刷ジョブに綴じ設定(左綴じ、右綴じ、上綴じ)が含まれる場合に、綴じ設定に対応する辺が搬送方向と一致するときは、画像形成部32により印刷されるタイミングで、第1ページ、第3ページ、第5ページ、第7ページ(最終的に表面として排出されるページ)の画像に対して180度の向きになるように、第2ページ、第4ページ、第6ページ、第8ページ(最終的に裏面として排出されるページ)のそれぞれを独立して回転させる。
【0063】
図15(a)~(h)に、印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合の画像回転制御の例を示す。
図15(a)に示すように、シート向きが「ポートレート」であって、綴じ方向が「左綴じ」の場合には、第1ページの画像の左側の辺D1が「綴じ設定に対応する辺」となる。
図15(b)に示すように、シート向きが「ポートレート」であって、綴じ方向が「右綴じ」の場合には、第1ページの画像の右側の辺D2が「綴じ設定に対応する辺」となる。
図15(c)、(d)に示すように、シート向きが「ポートレート」であって、綴じ方向が「上綴じ」の場合には、第1ページの画像の上側の辺D3,D4が「綴じ設定に対応する辺」となる。
図15(e)に示すように、シート向きが「ランドスケープ」であって、綴じ方向が「左綴じ」の場合には、第1ページの画像の左側の辺D5が「綴じ設定に対応する辺」となる。
図15(f)に示すように、シート向きが「ランドスケープ」であって、綴じ方向が「右綴じ」の場合には、第1ページの画像の右側の辺D6が「綴じ設定に対応する辺」となる。
図15(g)、(h)に示すように、シート向きが「ランドスケープ」であって、綴じ方向が「上綴じ」の場合には、第1ページの画像の上側の辺D7,D8が「綴じ設定に対応する辺」となる。
【0064】
図15(a)、(b)、(g)及び(h)に示すように、綴じ設定に対応する辺D1,D2,D7,D8が搬送方向と一致しない場合には、偶数ページの画像の向きを奇数ページの画像と同じにする。
図15(c)、(d)、(e)及び(f)に示すように、綴じ設定に対応する辺D3,D4,D5,D6が搬送方向と一致する場合には、偶数ページの画像を奇数ページの画像に対して180度回転させる。
【0065】
以上の処理を一般化すると、CPU21は、印刷ジョブに係る印刷において、シートの第1面に第4nページ(nは自然数)、第(4n-2)ページの順で印刷された後に、シートの第2面に第(4n-3)ページ、第(4n-1)ページの順で印刷されるように面付処理を行う。この場合、印刷ジョブは、5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられていればよい。
【0066】
CPU21は、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の下流側となるように、第(4n-3)ページ、第(4n-1)ページのそれぞれを独立して回転させる。
【0067】
CPU21は、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の上流側となるように、第(4n-2)ページ、第4nページのそれぞれを独立して回転させる。
【0068】
CPU21は、印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合に、綴じ設定に対応する辺が搬送方向と一致するときは、画像形成部32により印刷されるタイミングで、第(4n-3)ページ、第(4n-1)ページの画像に対して180度の向きになるように、第(4n-2)ページ、第4nページのそれぞれを独立して回転させる。
一般化された面付方法(ページ印刷順と画像回転角度)に従って、第3シート以降についても、第1シート及び第2シートと同様に面付処理を行うことができる。
【0069】
CPU21は、DATA I/F25を介して、面付処理が施された印刷データ(ビットマップデータ)を画像形成装置30に出力する。
【0070】
(画像形成システムの動作)
次に、画像形成システム100における動作について説明する。
まず、コンピューター10において、ユーザーの操作に応じて、各種設定が行われ、印刷ジョブデータが生成される。
図16及び
図17に、コンピューター10の表示部16に表示されるレイアウト設定画面161、仕上げ設定画面162の例を示す。
【0071】
図16に示すように、レイアウト設定画面161には、両面設定領域41、面付設定領域42、綴じ方向設定領域43等が含まれる。
両面設定領域41は、両面印刷を行うか否かを選択するための領域である。両面印刷を行う場合には、ユーザーは、両面設定領域41のチェックボックスにチェックを入れる。片面印刷を行う場合には、ユーザーは、両面設定領域41のチェックボックスをチェックなしの状態とする。
【0072】
面付設定領域42は、面付に関する設定を選択するための領域である。面付に関する設定として、2枚分断、2in1、4in1等が選択可能となっている。2枚分断は、1枚のシートの片面に2ページ分の画像を配置して印刷し、印刷後のシートを当該シートが搬送される搬送方向と直交する方向に2枚に断裁する処理である。
【0073】
綴じ方向設定領域43は、綴じ方向を選択するための領域である。綴じ方向として、左綴じ、右綴じ、上綴じが選択可能となっている。
【0074】
図17に示すように、仕上げ設定画面162には、綴じ方向設定領域51、ステープル設定領域52、パンチ設定領域53等が含まれる。
綴じ方向設定領域51は、綴じ方向を選択するための領域である。綴じ方向は、レイアウト設定画面161の綴じ方向設定領域43で選択してもよい。
【0075】
ステープル設定領域52は、ステープルに関する設定を選択するための領域である。ステープルに関する設定として、左コーナー、右コーナー、左2点、右2点、上2点、オフが選択可能となっている。
【0076】
パンチ設定領域53は、パンチに関する設定を選択するための領域である。パンチに関する設定として、左パンチ、右パンチ、上パンチ、オフが選択可能となっている。
【0077】
ユーザーは、コンピューター10の操作部15からの操作により、レイアウト設定画面161の両面設定領域41において「両面印刷」を選択し、面付設定領域42において「2枚分断」を選択する。また、ユーザーは、必要に応じて、コンピューター10の操作部15からの操作により、仕上げ設定画面162の綴じ方向設定領域51、ステープル設定領域52、パンチ設定領域53において、綴じ方向、ステープル位置、パンチ位置を選択する。コンピューター10のCPU11は、各種設定内容に基づいて、印刷ジョブデータを生成する。
【0078】
図18は、画像処理装置20において実行される第1の面付制御処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU21と記憶部23に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0079】
コンピューター10から画像処理装置20に印刷ジョブデータが送信されると、画像処理装置20のCPU21は、NIC24を介して印刷ジョブデータを取得する(ステップS1)。
【0080】
次に、CPU21は、印刷ジョブデータに基づいて、原稿データが8ページ以上であるか否かを判断する(ステップS2)。
【0081】
原稿データが8ページ以上である場合には(ステップS2;YES)、CPU21は、第1ページから第4ページの回転角度決定処理を行う(ステップS3)。
【0082】
ここで、
図19を参照して、回転角度決定処理について説明する。
CPU21は、印刷ジョブデータから出力シート(紙種、サイズ等)とシート搬送方向の情報を取得する(ステップS11)。
【0083】
次に、CPU21は、印刷ジョブデータのステープル設定・パンチ設定に基づいて、ステープル設定・パンチ設定に対応する画像の角又は辺を特定する(ステップS12)。
【0084】
次に、CPU21は、奇数ページについて、ステップS12で特定した角又は辺が、印刷されるタイミングでシート搬送方向の下流側になる回転角度を取得する(ステップS13)。角の場合、角を構成する2辺のうち長辺がシート搬送方向の下流側になるようにする。
【0085】
次に、CPU21は、偶数ページについて、ステップS12で特定した角又は辺が、印刷されるタイミングでシート搬送方向の上流側になる回転角度を取得する(ステップS14)。角の場合、角を構成する2辺のうち長辺がシート搬送方向の上流側になるようにする。
【0086】
次に、CPU21は、各ページを、ステップS13又はステップS14で決定した回転角度で、ページ単位で独立して回転させる(ステップS15)。
なお、印刷ジョブにステープル設定もパンチ設定も含まれない場合には、ステップS12~ステップS15の処理は行われない。
【0087】
次に、CPU21は、綴じ設定の綴じ方向から、綴じの辺を取得する(ステップS16)。具体的には、綴じ方向が「左綴じ」の場合、綴じの辺は、奇数ページの画像の左側の辺であり、偶数ページの画像の右側の辺である。綴じ方向が「右綴じ」の場合、綴じの辺は、奇数ページの画像の右側の辺であり、偶数ページの画像の左側の辺である。綴じ方向が「上綴じ」の場合、綴じの辺は、奇数ページの画像の上側の辺であり、偶数ページの画像の下側の辺である。
【0088】
次に、CPU21は、綴じの辺とシート搬送方向が一致するか否かを判断する(ステップS17)。具体的には、シート向きが「ポートレート」であって、綴じの辺が「画像の左側の辺」又は「画像の右側の辺」である場合、綴じの辺とシート搬送方向は一致しない。シート向きが「ポートレート」であって、綴じの辺が「画像の上側の辺」又は「画像の下側の辺」である場合、綴じの辺とシート搬送方向は一致する。シート向きが「ランドスケープ」であって、綴じの辺が「画像の左側の辺」又は「画像の右側の辺」である場合、綴じの辺とシート搬送方向は一致する。シート向きが「ランドスケープ」であって、綴じの辺が「画像の上側の辺」又は「画像の下側の辺」である場合、綴じの辺とシート搬送方向は一致しない。
【0089】
綴じの辺とシート搬送方向が一致する場合には(ステップS17;YES)、CPU21は、偶数ページについて、ページ単位で180度回転を追加する(ステップS18)。すなわち、CPU21は、最終出力物の裏面(偶数ページ)になる方の画像を、表面(奇数ページ)になる方の画像に対して180度の向きになるように、それぞれ独立して回転させる。
【0090】
ステップS17において、綴じの辺とシート搬送方向が一致しない場合(ステップS17;NO)、又は、ステップS18の後、回転角度決定処理が終了する。
なお、印刷ジョブに綴じ設定が含まれない場合には、ステップS16~ステップS18の処理は行われない。
【0091】
図18に戻り、CPU21は、第1シートの第1面に第4ページ、第2ページの順で印刷された後に、第1シートの第2面に第1ページ、第3ページの順で印刷されるように面付処理を行う(ステップS4)。この際、CPU21は、ステップS3で決定した回転角度で各ページの画像を配置する。
【0092】
次に、CPU21は、第5ページから第8ページの回転角度決定処理(
図19参照)を行う(ステップS5)。
【0093】
次に、CPU21は、第2シートの第1面に第8ページ、第6ページの順で印刷された後に、第2シートの第2面に第5ページ、第7ページの順で印刷されるように面付処理を行う(ステップS6)。この際、CPU21は、ステップS5で決定した回転角度で各ページの画像を配置する。
以下、同様に、最終ページまで面付処理を行う。
【0094】
ステップS2において、原稿データが8ページ未満である場合には(ステップS2;NO)、CPU21は、その他の処理(本発明の対象外のページ順制御)を行う(ステップS7)。
ステップS6又はステップS7の後、第1の面付制御処理が終了する。
【0095】
第1の面付制御処理では、ステップS2において、原稿データが8ページ以上であるか否かに応じて、ステップS3又はステップS7に移行したが、ステップS2において、原稿データが5ページ以上であるか否かを判断することとしてもよい。この場合、原稿データが5ページ以上であるときには、ステップS3~ステップS6と同様の処理を、原稿データに含まれるページまで行い、原稿データが5ページ未満であるときには、ステップS7に移行すればよい。
【0096】
画像処理装置20のCPU21は、DATA I/F25を介して、面付処理が施された印刷データを画像形成装置30に出力する。
画像形成装置30では、印刷データに基づいて、画像形成部32により両面印刷後、インライン断裁部34によりシートが2枚に断裁され、第2反転機構35により断裁後のシートの表裏が反転される。そして、断裁後のシートに、必要に応じて後処理部37によりステープル・パンチ等の後処理が施され、断裁後のシートが載置部38に排出される。
【0097】
なお、画像形成装置30のインライン断裁部34から排出部36に搬送されるシートにおいて、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の辺がシート搬送方向と一致する場合(ステープル又はパンチの位置がシートの後端側でない場合)には、ステープル処理又はパンチ処理の前に、ステープル又はパンチの位置がシートの後端側になるよう、シートを回転させることとする。
【0098】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、画像処理装置20は、断裁されたシートの表裏を反転させて排出する第2反転機構35を備える画像形成装置30に対し、第1シートの第1面に第4ページ、第2ページの順で印刷された後に、第1シートの第2面に第1ページ、第3ページの順で印刷され、第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第8ページ、第6ページの順で印刷された後に、第2シートの第2面に第5ページ、第7ページの順で印刷されるように面付処理を行った印刷データを出力するので、煩雑な面付設定を意識することなく、容易に目的の出力物を得ることができる。これにより、画像形成装置30において、断裁後の各シートがページ順に積載されることになる。
【0099】
また、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の下流側となるように、奇数ページのそれぞれを独立して回転させるので、断裁されたシートの表裏が反転された場合に、ステープル位置又はパンチ位置がシートの搬送方向における上流側になるように、面付を行うことができる。
【0100】
また、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の上流側となるように、偶数ページのそれぞれを独立して回転させるので、断裁されたシートの表裏が反転された場合に、ステープル位置又はパンチ位置がシートの搬送方向における上流側になるように、面付を行うことができる。
【0101】
また、印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合に、綴じ設定に対応する辺が搬送方向と一致するときは、画像形成部32により印刷されるタイミングで、奇数ページの画像に対して180度の向きになるように、偶数ページのそれぞれを独立して回転させるので、綴じ設定に適した回転角度で、面付を行うことができる。
【0102】
このように、画像処理装置20は、インライン断裁部34のデバイス特性(スイッチバック機構を含む第2反転機構35あり)に適したページ順を一意に特定することができる。
さらに、画像処理装置20は、コンピューター10から受信した印刷ジョブデータに含まれる各種設定(ステープル設定、パンチ設定、綴じ設定、シート搬送方向等)の情報から、各ページの回転角度を動的に決定し、ページ単位で画像の回転を実施することができる。
【0103】
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における画像形成システムは、第1の実施の形態に示した画像形成システム100と同様の構成であるため、
図1~
図4を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0104】
第2の実施の形態では、画像形成装置30が断裁後のシートの表裏を反転させて排出する第2反転機構35を備えていない。すなわち、インライン断裁部34により断裁されたシートは、そのまま下流の排出部36に搬送される。そして、排出部36は、断裁後のシートを、シートの表裏を反転させずに載置部38に排出する。
【0105】
(画像処理装置の機能の概要)
ここで、画像処理装置20の機能について、第1の実施の形態と異なる部分を中心に説明する。
画像処理装置20のCPU21は、8ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられた印刷ジョブに係る印刷において、第1シートの第1面に第3ページ、第1ページの順で印刷された後に、第1シートの第2面に第2ページ、第4ページの順で印刷され、第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第7ページ、第5ページの順で印刷された後に、第2シートの第2面に第6ページ、第8ページの順で印刷されるように面付処理を行う。
【0106】
図20に、面付処理において決定される各ページの印刷順を示す。
第1シートの第1面(断裁後の排出時、表面となる面)は、第3ページから第1ページの順で印刷する。
第1シートの第2面(断裁後の排出時、裏面となる面)は、第2ページから第4ページの順で印刷する。
第2シートの第1面(断裁後の排出時、表面となる面)は、第7ページから第5ページの順で印刷する。
第2シートの第2面(断裁後の排出時、裏面となる面)は、第6ページから第8ページの順で印刷する。
【0107】
CPU21は、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の下流側となるように、第1ページ、第3ページ、第5ページ、第7ページのそれぞれを独立して回転させる。
なお、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の辺が搬送方向と一致する場合には、この画像回転制御は行わない。
【0108】
CPU21は、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の上流側となるように、第2ページ、第4ページ、第6ページ、第8ページのそれぞれを独立して回転させる。
なお、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の辺が搬送方向と一致する場合には、この画像回転制御は行わない。
【0109】
CPU21は、印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合に、綴じ設定に対応する辺が搬送方向と一致するときは、画像形成部32により印刷されるタイミングで、第1ページ、第3ページ、第5ページ、第7ページの画像に対して180度の向きになるように、第2ページ、第4ページ、第6ページ、第8ページのそれぞれを独立して回転させる。
【0110】
図21(a)~(h)に、印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合の画像回転制御の例を示す。
図21(a)に示すように、シート向きが「ポートレート」であって、綴じ方向が「左綴じ」の場合には、第1ページの画像の左側の辺E1が「綴じ設定に対応する辺」となる。
図21(b)に示すように、シート向きが「ポートレート」であって、綴じ方向が「右綴じ」の場合には、第1ページの画像の右側の辺E2が「綴じ設定に対応する辺」となる。
図21(c)、(d)に示すように、シート向きが「ポートレート」であって、綴じ方向が「上綴じ」の場合には、第1ページの画像の上側の辺E3,E4が「綴じ設定に対応する辺」となる。
図21(e)に示すように、シート向きが「ランドスケープ」であって、綴じ方向が「左綴じ」の場合には、第1ページの画像の左側の辺E5が「綴じ設定に対応する辺」となる。
図21(f)に示すように、シート向きが「ランドスケープ」であって、綴じ方向が「右綴じ」の場合には、第1ページの画像の右側の辺E6が「綴じ設定に対応する辺」となる。
図21(g)、(h)に示すように、シート向きが「ランドスケープ」であって、綴じ方向が「上綴じ」の場合には、第1ページの画像の上側の辺E7,E8が「綴じ設定に対応する辺」となる。
【0111】
図21(a)、(b)、(g)及び(h)に示すように、綴じ設定に対応する辺E1,E2,E7,E8が搬送方向と一致しない場合には、偶数ページの画像の向きを奇数ページの画像と同じにする。
図21(c)、(d)、(e)及び(f)に示すように、綴じ設定に対応する辺E3,E4,E5,E6が搬送方向と一致する場合には、偶数ページの画像を奇数ページの画像に対して180度回転させる。
【0112】
以上の処理を一般化すると、CPU21は、印刷ジョブに係る印刷において、シートの第1面に第(4n-1)ページ(nは自然数)、第(4n-3)ページの順で印刷された後に、シートの第2面に、第(4n-2)ページ、第4nページの順で印刷されるように面付処理を行う。この場合、印刷ジョブは、5ページ以上のページを含む原稿データが対応付けられていればよい。
【0113】
CPU21は、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の下流側となるように、第(4n-3)ページ、第(4n-1)ページのそれぞれを独立して回転させる。
【0114】
CPU21は、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の上流側となるように、第(4n-2)ページ、第4nページのそれぞれを独立して回転させる。
【0115】
CPU21は、印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合に、綴じ設定に対応する辺が搬送方向と一致するときは、画像形成部32により印刷されるタイミングで、第(4n-3)ページ、第(4n-1)ページの画像に対して180度の向きになるように、第(4n-2)ページ、第4nページのそれぞれを独立して回転させる。
【0116】
(画像形成システムの動作)
次に、第2の実施の形態の画像形成システムにおける動作について説明する。
図22は、画像処理装置20において実行される第2の面付制御処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU21と記憶部23に記憶されているプログラムとの協働によるソフトウェア処理によって実現される。
【0117】
ステップS21~ステップS23の処理は、第1の面付制御処理(
図18参照)のステップS1~ステップS3の処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS23の第1ページから第4ページの回転角度決定処理については、
図19に示した回転角度決定処理と同様である。
【0118】
次に、CPU21は、第1シートの第1面に第3ページ、第1ページの順で印刷された後に、第1シートの第2面に第2ページ、第4ページの順で印刷されるように面付処理を行う(ステップS24)。この際、CPU21は、ステップS23で決定した回転角度で各ページの画像を配置する。
【0119】
次に、CPU21は、第5ページから第8ページの回転角度決定処理(
図19参照)を行う(ステップS25)。
【0120】
次に、CPU21は、第2シートの第1面に第7ページ、第5ページの順で印刷された後に、第2シートの第2面に第6ページ、第8ページの順で印刷されるように面付処理を行う(ステップS26)。この際、CPU21は、ステップS25で決定した回転角度で各ページの画像を配置する。
以下、同様に、最終ページまで面付処理を行う。
【0121】
ステップS22において、原稿データが8ページ未満である場合には(ステップS22;NO)、CPU21は、その他の処理(本発明の対象外のページ順制御)を行う(ステップS27)。
ステップS26又はステップS27の後、第2の面付制御処理が終了する。
【0122】
第2の面付制御処理では、ステップS22において、原稿データが8ページ以上であるか否かに応じて、ステップS23又はステップS27に移行したが、ステップS22において、原稿データが5ページ以上であるか否かを判断することとしてもよい。この場合、原稿データが5ページ以上であるときには、ステップS23~ステップS26と同様の処理を、原稿データに含まれるページまで行い、原稿データが5ページ未満であるときには、ステップS27に移行すればよい。
【0123】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、画像処理装置20は、断裁されたシートの表裏を反転させずに排出する排出部36を備える画像形成装置30に対し、第1シートの第1面に第3ページ、第1ページの順で印刷された後に、第1シートの第2面に第2ページ、第4ページの順で印刷され、第1シートの印刷の後、第2シートの第1面に第7ページ、第5ページの順で印刷された後に、第2シートの第2面に第6ページ、第8ページの順で印刷されるように面付処理を行った印刷データを出力するので、煩雑な面付設定を意識することなく、容易に目的の出力物を得ることができる。これにより、画像形成装置30において、断裁後の各シートがページ順に積載されることになる。
【0124】
また、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の下流側となるように、奇数ページのそれぞれを独立して回転させるので、ステープル位置又はパンチ位置が断裁後のシートの搬送方向における上流側になるように、面付を行うことができる。
【0125】
また、印刷ジョブにステープル設定又はパンチ設定が含まれる場合に、ステープル設定又はパンチ設定に対応する画像の角又は辺が、画像形成部32により印刷されるタイミングで搬送方向の上流側となるように、偶数ページのそれぞれを独立して回転させるので、ステープル位置又はパンチ位置が断裁後のシートの搬送方向における上流側になるように、面付を行うことができる。
【0126】
また、印刷ジョブに綴じ設定が含まれる場合に、綴じ設定に対応する辺が搬送方向と一致するときは、画像形成部32により印刷されるタイミングで、奇数ページの画像に対して180度の向きになるように、偶数ページのそれぞれを独立して回転させるので、綴じ設定に適した回転角度で、面付を行うことができる。
【0127】
このように、画像処理装置20は、インライン断裁部34のデバイス特性(第2反転機構35なし)に適したページ順を一意に特定することができる。
さらに、画像処理装置20は、コンピューター10から受信した印刷ジョブデータに含まれる各種設定(ステープル設定、パンチ設定、綴じ設定、シート搬送方向等)の情報から、各ページの回転角度を動的に決定し、ページ単位で画像の回転を実施することができる。
【0128】
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る画像処理装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0129】
例えば、本発明を実施するための各機能は、複数の装置に分かれていてもよいし、一つの装置内に搭載されていてもよい。また、上記各実施の形態における画像処理装置20の機能が画像形成装置30の内部に備えられていてもよい。すなわち、画像形成装置30において、第1の面付制御処理(
図18参照)や第2の面付制御処理(
図22参照)を実行することとしてもよい。
【0130】
各処理を実行するためのプログラムを格納するコンピューター読み取り可能な媒体としては、上記の例に限定されず、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)を適用することとしてもよい。
【符号の説明】
【0131】
10 コンピューター
20 画像処理装置
21 CPU
22 RAM
23 記憶部
24 NIC
25 DATA I/F
30 画像形成装置
32 画像形成部
33 第1反転機構
34 インライン断裁部
35 第2反転機構
36 排出部
37 後処理部
38 載置部
100 画像形成システム
L 専用ライン
NT 通信ネットワーク