(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】無人搬送車
(51)【国際特許分類】
B65G 41/00 20060101AFI20240110BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B65G41/00 C
B65G1/00 501C
(21)【出願番号】P 2020087548
(22)【出願日】2020-05-19
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】岡田 知大
(72)【発明者】
【氏名】樫 禎介
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-062762(JP,A)
【文献】中国実用新案第207930656(CN,U)
【文献】特表2014-506023(JP,A)
【文献】国際公開第2019/240389(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0012163(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00、41/00
B25J 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部構造体が取り付けられる無人搬送車であって、
移動機構を有するベースと、
前記ベースと前記上部構造体とを電気的に接続するためのケーブルであって、少なくとも一部が前記ベースに固定されているケーブルと、
前記ベースの上部に配置され、かつ前記上部構造体を上部に配置可能
な中間構造体であって、前記ベースを着脱可能に連結する下側連結部、
前記ケーブルの周囲を壁面によって囲み、前記ベースの上部から上方向に延びる壁部、および前記上部構造体を着脱可能に連結する上側連結部を含む中間構造体と、を備え、
前記下側連結部は、前記上部構造体が前記中間構造体に連結された状態で、前記中間構造体を前記ベースに対して着脱可能であり、
前記
壁部は、前記上部構造体が前記中間構造体に連結された状態で、前記中間構造体を昇降するために支持される支持部
を含む、無人搬送車。
【請求項2】
前記無人搬送車の上面視において、前記中間構造体は、前記ベースの外縁で規定される範囲内にある、請求項1に記載の無人搬送車。
【請求項3】
前記上部構造体が前記中間構造体に連結された状態で、前記下側連結部の周囲のうちの少なくとも一部に、前記下側連結部に対するアクセスを受け入れる空間が形成されて
おり、前記下側連結部は、前記壁部から外側に延びている、請求項1または2に記載の無人搬送車。
【請求項4】
前記ケーブルは、前記中間構造体に対してフリーである、請求項1から3のいずれか1項に記載の無人搬送車。
【請求項5】
前記ベースと前記上部構造体とを電気的に接続するための複数のケーブル
を備え、
前記ベースは、前記複数のケーブルの先端部を集約して固定するケーブル集約部を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の無人搬送車。
【請求項6】
前記壁部には、前記中間構造体が前記ベースに連結され、且つ前記上部構造体が前記中間構造体に連結された状態で、前記上部構造体のコネクタと、前記ベースに固定されているケーブル先端のコネクタとをユーザが接続するためのスペースが設けられている、請求項1から5のいずれか1項に記載の無人搬送車。
【請求項7】
前記上側連結部は、
前記壁部の上面に形成されており、
前記上部構造体を前記中間構造体に固定するためのボルトが挿通されるナットを収容するレールである、請求項1から6のいずれか1項に記載の無人搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上部構造体を取り付けた状態で目的地まで移動する無人搬送車が知られている。特許文献1には、無人搬送車にマニピュレータが取り付けられた移動ロボットが開示されている。このように、無人搬送車に取り付けられる上部構造体の例としては、マニピュレータ以外に、コンベヤおよび荷台等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の無人搬送車では、上部構造体の取り付け様式が多様であるため、メンテナンスのために上部構造体を無人搬送車から取り外すときに、設計者からの指示書等により、取り外し手順および取り外し時の注意点等を確認する必要がある。そのため、無人搬送車または上部構造体のメンテナンスの効率が低下するという問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、無人搬送車または上部構造体のメンテナンスを容易に行うことができる無人搬送車を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る無人搬送車は、上部構造体が取り付けられる無人搬送車であって、移動機構を有するベースと、前記ベースの上部に配置され、かつ前記上部構造体を上部に配置可能であって、前記ベースを着脱可能に連結する下側連結部、および前記上部構造体を着脱可能に連結する上側連結部を含む中間構造体と、を備え、前記下側連結部は、前記上部構造体が前記中間構造体に連結された状態で、前記中間構造体を前記ベースに対して着脱可能であり、前記中間構造体は、前記上部構造体が前記中間構造体に連結された状態で、前記中間構造体を昇降するために支持される支持部を更に含む。
【0007】
上記の構成によれば、下側連結部によって中間構造体とベースとを連結し、上側連結部によって中間構造体と上部構造体とを連結した状態で、移動機構を作動させることにより、無人搬送車が上部構造体を運搬することができる。また、上側連結部によって中間構造体と上部構造体とを連結したまま、下側連結部の連結を解除することができる。この状態で、支持部を支持して中間構造体を上方へ移動させることにより、中間構造体および上部構造体を一体としてベースから取り外すことができる。そのため、上部構造体の取り付け様式に依存しない一様な手順により、上部構造体をベースから取り外し、ベースまたは上部構造体のメンテナンスを行うことができる。したがって、無人搬送車または上部構造体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0008】
また、前記無人搬送車の上面視において、前記中間構造体は、前記ベースの外縁で規定される範囲内にあってもよい。上記の構成によれば、中間構造体は、ベースの外縁の外側に位置していないので、無人搬送車が走行するときに、中間構造体が障害物に接触する可能性を低減することができる。したがって、無人搬送車が安定して走行することができる。
【0009】
また、無人搬送車は、前記上部構造体が前記中間構造体に連結された状態で、前記下側連結部の周囲のうちの少なくとも一部に、前記下側連結部に対するアクセスを受け入れる空間が形成されていてもよい。上記の構成によれば、上部構造体が中間構造体に連結された状態であっても、作業者が下側連結部に容易にアクセスし、下側連結部の連結を容易に解除することができる。したがって、中間構造体をベースに対してより容易に着脱し、無人搬送車または上部構造体のメンテナンスをより容易に行うことができる。
【0010】
また、無人搬送車は、前記ベースと前記上部構造体とを電気的に接続するためのケーブルを更に備え、前記ケーブルの少なくとも一部は、前記ベースに固定されており、前記ケーブルは、前記中間構造体に対してフリーであってもよい。
【0011】
上記の構成によれば、ベースと上部構造体とを電気的に接続する必要がある場合でも、中間構造体および上部構造体を一体としてベースから容易に取り外すことができる。したがって、無人搬送車または上部構造体のメンテナンスをより容易に行うことができる。
【0012】
また、無人搬送車は、前記ベースと前記上部構造体とを電気的に接続するための複数のケーブルを更に備え、前記ベースは、前記複数のケーブルの先端部を集約して固定するケーブル集約部を備えてもよい。上記の構成によれば、複数のケーブルの先端部がケーブル集約部に集約されているので、ケーブルが複数ある場合であっても、ベースと上部構造体とを素早く電気的に接続し、また接続解除することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、無人搬送車または上部構造体のメンテナンスを容易に行うことができる無人搬送車を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係る無人搬送車をコンベヤと共に示す前方斜視図である。
【
図2】
図1に係る無人搬送車およびコンベヤを示す正面図である。
【
図3】
図1に係る無人搬送車およびコンベヤを示す右側面図である。
【
図4】
図1に係る無人搬送車のベースを示す後方斜視図である。
【
図5】
図1に係る無人搬送車を示す後方斜視図である。
【
図7】
図1に示す無人搬送車において、中間フレームおよびコンベヤを一体としてベースから取り外した状態を示す前方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。
【0016】
§1 構成例
図1は、本実施形態に係る無人搬送車1をコンベヤ(上部構造体)C1と共に示す前方斜視図である。
図2は、
図1に係る無人搬送車1およびコンベヤC1を示す正面図である。
図3は、
図1に係る無人搬送車1およびコンベヤC1を示す右側面図である。本明細書において、
図2における紙面上方向を上方向、紙面下方向を下方向、紙面左方向を左方向、紙面右方向を右方向とそれぞれ称する。また、
図3における紙面左方向を前方向、紙面右方向を後方向とそれぞれ称する。
【0017】
図1~
図3に示すように、本実施形態では、無人搬送車1には、コンベヤC1が取り付けられている。ただし、本発明はこれに限定されず、無人搬送車1には、コンベヤC1に代えて、例えばマニピュレータまたは荷台(図示せず)等の上部構造体を取り付けることができる。コンベヤC1は、無人搬送車1に取り付けられた状態で、無人搬送車1により運搬される。コンベヤC1は、無人搬送車1に電気的に接続される外部コネクタC11を備える。図示の例では、外部コネクタC11は複数設けられている。無人搬送車1は、ベース10と、中間フレーム(中間構造体)20と、を備える。中間フレーム20は、ベース10の上部に配置され、かつコンベヤC1を上部に配置可能である。
【0018】
図4は、
図1に係る無人搬送車1のベース10を示す後方斜視図である。
図4に示すように、ベース10は、ベース本体11と、車輪(移動機構)12と、複数のケーブル13と、コネクタパネル(ケーブル集約部)14と、を備える。ベース本体11は、丸みを帯びた略直方体形状である。ベース本体11には、例えば車輪12およびコンベヤC1を作動させるための電気回路(図示せず)等が収容されている。ベース本体11の上面における縁部の近傍には、複数のねじ孔111が形成されている。
【0019】
車輪12は、ベース本体11の下部に複数設けられている。車輪12は、例えばベース本体11に収容されるモータ(図示せず)に接続されており、このモータによって駆動可能である。無人搬送車1は、車輪12が作動し、回転することによって移動可能に構成されている。
【0020】
ケーブル13は、ベース10の電気回路(図示せず)とコンベヤC1(
図4には図示せず)とを電気的に接続する。複数のケーブル13の先端にはそれぞれ、コネクタ(先端部)131が設けられている。コネクタ131の形状は、コンベヤC1の外部コネクタC11(
図4には図示せず)の形状に対応している。
【0021】
コネクタパネル14は、ベース本体11の上面における前方寄りの位置から、左右および上下方向に延びる略長方形の板状部材である。コネクタパネル14には、コネクタ131を固定するための孔が複数形成されている。それぞれの孔にコネクタ131が後方から挿通され固定されることにより、コネクタパネル14は、複数のコネクタ131を集約して固定する。
【0022】
図5は、
図1に係る無人搬送車1を示す後方斜視図である。
図6は、
図5に係る無人搬送車1を示す上面図である。
図5および
図6に示すように、中間フレーム20は、フレーム本体21と、下側連結部22と、支持部23と、を含む。ベース10のケーブル13は、中間フレーム20に対して固定されていない。言い換えると、ケーブル13は、中間フレーム20に対してフリーである。
【0023】
フレーム本体21は、前壁211と、後壁212と、右壁213と、左壁214と、を含む。前壁211は、ベース本体11の上面におけるコネクタパネル14よりも前方寄りの位置から、左右および上下方向に延びている。後壁212は、ベース本体11の上面における後方寄りの位置から、左右および上下方向に延びている。前壁211および後壁212の左右方向の長さは、ベース10の左右方向の長さよりも短い。前壁211の上下方向の長さは、コネクタパネル14の上下方向の長さよりも短く、前壁211は、複数のコネクタ131が前方に露出されるように構成されている。
【0024】
右壁213は、ベース本体11の上面における右側寄りの位置から、前後および上下方向に延びている。左壁214は、ベース本体11の上面における左側寄りの位置から、前後および上下方向に延びている。右壁213および左壁214の前後方向の長さは、ベース10の前後方向の長さよりも短い。右壁213および左壁214の上下方向の長さは、前壁211および後壁212の上下方向の長さよりも長い。
【0025】
図5に示すように、右壁213は、右壁連結部(上側連結部)215を備える。右壁連結部215は、右壁213の上面に形成されたレールである。同様に、左壁214は、左壁連結部(上側連結部)216を備える。左壁連結部216は、左壁214の上面に形成されたレールである。
【0026】
右壁連結部215および左壁連結部216のレールの中には、ナット(図示せず)をスライドさせて収容することができる。そして、右壁連結部215および左壁連結部216の中に収容されたナットに、コンベヤC1(
図4および
図5には図示せず)に固定されるボルト(図示せず)を挿通することにより、コンベヤC1がフレーム本体21に対して連結される。言い換えると、右壁連結部215および左壁連結部216は、コンベヤC1を中間フレーム20に対して着脱可能に連結する。このとき、右壁連結部215および左壁連結部216は、ボルト(図示せず)およびナット(図示せず)等の締結部材で締結することにより、コンベヤC1を中間フレーム20に対して強固に連結することができる。したがって、無人搬送車1とコンベヤC1とを強固に連結することができる。
【0027】
右壁連結部215および左壁連結部216は、中間フレーム20がベース10に対して連結された状態および連結解除された状態のどちらの状態であっても、コンベヤC1を中間フレーム20に対して着脱可能に連結することができる。
【0028】
下側連結部22は、中間フレーム20をベース10に対して着脱可能に連結する。
図6に示すように、下側連結部22は、前壁211、後壁212、右壁213および左壁214の下端にそれぞれ1つずつ、合計4つ取り付けられている。無人搬送車1の上面視において、下側連結部22は、前壁211、後壁212、右壁213および左壁214からそれぞれ外側に延びている。
【0029】
下側連結部22のそれぞれには、複数の貫通孔221が形成されている。貫通孔221の形成位置は、ベース10のねじ孔111(
図6には図示せず)の形成位置に対応している。貫通孔221に挿通されたボルト(図示せず)が、ベース10のねじ孔111に固定されることにより、下側連結部22は、中間フレーム20をベース10に対して着脱可能に連結する。このとき、下側連結部22は、ボルト(図示せず)等の締結部材により、中間フレーム20をベース10に対して強固に連結することができる。
【0030】
図1~
図3に示すように、中間フレーム20における下側連結部22は、前壁211、後壁212、右壁213および左壁214から側方へ突出している。下側連結部22の複数の貫通孔221から上方の右壁連結部215および左壁連結部216までの間に、作業者がアクセスするための空間が形成されている。それゆえ、コンベヤC1が中間フレーム20に連結された状態で、下側連結部22の上側に、下側連結部22に対するアクセスを受け入れる空間が形成されている。この空間から、作業者は下側連結部22に容易にアクセスし、貫通孔221にボルト(図示せず)を取り付け、または取り外すことができる。したがって、下側連結部22は、コンベヤC1が中間フレーム20に連結された状態で、中間フレーム20をベース10に対して着脱可能に連結することができる。また、下側連結部22は、コンベヤC1が中間フレーム20に対して連結解除された状態で、中間フレーム20をベース10に対して着脱可能に連結することもできる。
【0031】
支持部23は、コンベヤC1が中間フレーム20に連結され、かつ中間フレーム20とベース10との連結が解除された状態で、中間フレーム20を昇降するために支持される。支持部23は、例えば作業者によって支持されてもよく、クレーン等の機械によって支持されてもよい。
【0032】
図5および
図6に示すように、支持部23は、右側支持部231と、左側支持部232と、を含む。右側支持部231は、右壁213の上下方向中央部付近から右方へ突出する略C字形状の取っ手として、前後方向に並んで2つ設けられている。左側支持部232は、左壁214の上下方向中央部付近から左方へ突出する略C字形状の取っ手として、前後方向に並んで2つ設けられている。
【0033】
図6に示すように、中間フレーム20は、無人搬送車1の上面視において、ベース10の外縁で規定される範囲内にある。すなわち、中間フレーム20は、ベース10のフットプリントの範囲内にある。この場合、中間フレーム20がベース10に連結された状態において、中間フレーム20は、ベース10の外縁の外側に位置しない。
【0034】
図1~
図3に示すように、中間フレーム20がベース10に連結され、かつコンベヤC1が中間フレーム20に連結された状態で、支持部23は、ベース10およびコンベヤC1から離れている。
【0035】
図1に示すように、中間フレーム20がベース10に連結され、かつコンベヤC1が中間フレーム20に連結された状態で、コンベヤC1の外部コネクタC11を、前方から、無人搬送車1のコネクタ131(
図1には図示せず)に接続することができる。
【0036】
§2 動作例
無人搬送車1がコンベヤC1を運搬する前には、まず、
図1~
図3に示すように、下側連結部22によって中間フレーム20とベース10とを連結し、右壁連結部215および左壁連結部216によって中間フレーム20とコンベヤC1とを連結する。この状態で、車輪12を作動させることにより、無人搬送車1がコンベヤC1を運搬することができる。このとき、中間フレーム20は、ベース10の外縁の外側に位置していないので、無人搬送車1が中間フレーム20の寸法を考慮せずに走行しても、中間フレーム20が障害物に接触する可能性を低減することができる。したがって、無人搬送車1が安定して走行することができる。
【0037】
図7は、
図1に示す無人搬送車1において、中間フレーム20およびコンベヤC1を一体としてベース10から取り外した状態を示す前方斜視図である。
図8は、
図7に示す無人搬送車1の後方斜視図である。
図7および
図8に示すように、中間フレーム20およびコンベヤC1は、互いに連結されたまま、すなわち一体として、ベース10から取り外すことができる。
【0038】
中間フレーム20およびコンベヤC1を一体としてベース10から取り外すためには、まず、
図1~
図3に示す状態において、コンベヤC1の外部コネクタC11と、無人搬送車1のコネクタ131(
図1~
図3には図示せず)との接続を解除する。このとき、複数のコネクタ131がコネクタパネル14に集約されているので、ベース10とコンベヤC1との電気的接続を素早く解除することができる。
【0039】
また、右壁連結部215および左壁連結部216によって中間フレーム20とコンベヤC1とを連結したまま、下側連結部22の連結を解除する。具体的には、貫通孔221に挿通されていたボルト(図示せず)を全て取り外す。ここで、下側連結部22の上側に、下側連結部22に対するアクセスを受け入れる空間が形成されているので、作業者が下側連結部22に容易にアクセスし、下側連結部22の連結を容易に解除することができる。下側連結部22の連結の解除は、コンベヤC1の外部コネクタC11と無人搬送車1のコネクタ131との接続解除の前に行ってもよい。
【0040】
この状態で、支持部23は、ベース10およびコンベヤC1から離れている。したがって、支持部23とベース10との間および支持部23とコンベヤC1との間に形成されている空間から、作業者の手またはクレーンのフック(図示せず)等が支持部23に近付き、支持部23を支持することができる。例えば、作業者の手が支持部23を把持することにより、支持部23を支持することができる。あるいは、クレーンのフックを支持部23に引っ掛けることにより、クレーンのフックが支持部23を支持することができる。そして、作業者の手またはクレーンのフック等が支持部23を支持して中間フレーム20を上方へ移動させることにより、
図7および
図8に示すように、中間フレーム20およびコンベヤC1を一体としてベース10から取り外すことができる。また、中間フレーム20の底面(複数の下側連結部22)は平らである。そのため、コンベヤC1が連結されたままの中間フレーム20を、メンテナンスのために平坦な床または台等に載置することができる。
【0041】
このとき、ベース10のケーブル13は、中間フレーム20に対してフリーであるので、中間フレーム20がベース10から遠ざかることを妨げない。したがって、ケーブル13を中間フレーム20から取り外す必要がなく、中間フレーム20およびコンベヤC1を一体としてベース10から容易に取り外すことができる。
【0042】
このように、上記の構成によれば、コンベヤC1と中間フレーム20とが連結したまま、ベースから取り外し可能なので、コンベヤC1の取り付け様式に依存しない一様な手順により、コンベヤC1をベース10から取り外すことができる。したがって、無人搬送車1またはコンベヤC1のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0043】
また、コンベヤC1の代わりに、例えばマニピュレータまたは荷台(図示せず)等の上部構造体が中間フレーム20に取り付けられている場合であっても、上部構造体の種類に依存しない一様な手順により、上部構造体をベース10から取り外すことができる。したがって、無人搬送車1または上部構造体のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0044】
[作用・効果]
以上のように、本実施形態では、コンベヤ(上部構造体)C1が取り付けられる無人搬送車1は、車輪(移動機構)12を有するベース10と、ベース10の上部に配置され、かつコンベヤC1を上部に配置可能であって、ベース10を着脱可能に連結する下側連結部22、ならびにコンベヤC1を着脱可能に連結する右壁連結部(上側連結部)215および左壁連結部(上側連結部)216を含む中間フレーム20と、を備え、下側連結部22は、コンベヤC1が中間フレーム20に連結された状態で、中間フレーム20をベース10に対して着脱可能であり、中間フレーム20は、コンベヤC1が中間フレーム20に連結された状態で、中間フレーム20を昇降するために支持される支持部23を更に含む。
【0045】
上記の構成によれば、下側連結部22によって中間フレーム20とベース10とを連結し、右壁連結部215および左壁連結部216によって中間フレーム20とコンベヤC1とを連結することができる。この状態で、車輪12を作動させることにより、無人搬送車1がコンベヤC1を運搬することができる。
【0046】
また、右壁連結部215および左壁連結部216によって中間フレーム20とコンベヤC1とを連結したまま、下側連結部22の連結を解除することができる。この状態で、支持部23を支持して中間フレーム20を上方へ移動させることにより、中間フレーム20およびコンベヤC1を一体としてベース10から取り外すことができる。そのため、コンベヤC1の取り付け様式に依存しない一様な手順により、コンベヤC1をベースから取り外し、ベース10またはコンベヤC1のメンテナンスを行うことができる。したがって、無人搬送車1またはコンベヤC1のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0047】
また、無人搬送車1の上面視において、中間フレーム20は、ベース10の外縁で規定される範囲内にあってもよい。上記の構成によれば、中間フレーム20は、ベース10の外縁の外側に位置していないので、無人搬送車1が走行するときに、中間フレーム20が障害物に接触する可能性を低減することができる。したがって、無人搬送車1が安定して走行することができる。
【0048】
また、無人搬送車1は、コンベヤC1が中間フレーム20に連結された状態で、下側連結部22の周囲のうちの少なくとも一部に、下側連結部22に対するアクセスを受け入れる空間が形成されていてもよい。上記の構成によれば、コンベヤC1が中間フレーム20に連結された状態であっても、作業者が下側連結部22に容易にアクセスし、下側連結部22の連結を容易に解除することができる。したがって、中間フレーム20をベース10に対してより容易に着脱し、無人搬送車1またはコンベヤC1のメンテナンスをより容易に行うことができる。
【0049】
また、無人搬送車1は、ベース10とコンベヤC1とを電気的に接続するためのケーブル13を更に備え、ケーブル13の少なくとも一部は、ベース10に固定されており、ケーブル13は、中間フレーム20に対してフリーであってもよい。
【0050】
上記の構成によれば、ベース10とコンベヤC1とを電気的に接続する必要がある場合でも、中間フレーム20およびコンベヤC1を一体としてベース10から容易に取り外すことができる。したがって、無人搬送車1またはコンベヤC1のメンテナンスをより容易に行うことができる。
【0051】
また、無人搬送車1は、ベース10とコンベヤC1とを電気的に接続するための複数のケーブル13を更に備え、ベース10は、複数のケーブル13のコネクタ(先端部)131を集約して固定するコネクタパネル(ケーブル集約部)14を備えてもよい。
【0052】
上記の構成によれば、複数のケーブル13のコネクタ131がコネクタパネル14に集約されているので、ケーブル13が複数ある場合であっても、ベース10とコンベヤC1とを素早く電気的に接続し、また接続解除することができる。
【0053】
§3 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0054】
上記実施形態では、支持部23は、略C字形状の取っ手として、左右に計4つ設けられている。しかし、支持部の形状および数は、これに限定されない。支持部は、例えばフレーム本体21から外側へ突出する突起であってもよい。あるいは、支持部は、例えばフレーム本体21に形成され、下方に向いた面(作業者が手で支えるための面)を有する段差であってもよい。このような場合にも、作業者は突起または段差形状の支持部を支持して、中間フレーム20を昇降することができる。支持部の数は、3個以下であってもよく、5個以上であってもよい。
【0055】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態および変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1 無人搬送車
10 ベース
12 車輪(移動機構)
13 ケーブル
131 コネクタ(先端部)
14 コネクタパネル(ケーブル集約部)
20 中間フレーム(中間構造体)
21 フレーム本体
22 下側連結部
215 右壁連結部(上側連結部)
216 左壁連結部(上側連結部)
23 支持部
C1 コンベヤ(上部構造体)