(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】走行支援制御装置、走行支援方法、走行支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20240110BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240110BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20240110BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240110BHJP
B60W 50/04 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G08G1/09 V
G08G1/16 A
G08G1/09 F
B60W40/02
B60W60/00
B60W50/04
(21)【出願番号】P 2021011486
(22)【出願日】2021-01-27
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健吾
(72)【発明者】
【氏名】武藤 健二
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-64118(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0018916(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102018215859(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転中に車両の走行に支障を来す事態を含む特定事象が発生したとき、走行を支援する走行支援制御装置(12)であって、
車両から支援要請情報を受け付けたとき、少なくとも車両の現在位置情報に基づいて、自動運転に関連して使用するデバイスの種類及び当該デバイスのパラメータを含むデバイス情報を選定し、車両を含む要求対象に対して、前記デバイス情報を要求するデバイス情報要求部と、(34、32b)
前記デバイス情報要求部による要求に応じて受け付けた前記デバイスからのデバイスデータに基づいて、走行支援オペレータが目視可能なモニタに映像を表示すると共に、前記車両に対して、前記特定事象を解消するための支援指示情報を通知する支援指示情報通知部と、(38、32d)
を有する走行支援制御装置。
【請求項2】
前記支援要請情報を発信した車両の現在位置情報と、当該現在位置情報における走行支援に利用されたデバイス及びデバイスのパラメータの履歴情報とが関連付けられて格納されたデータベースをさらに有し、
前記デバイス情報要求部は、前記デバイス情報を、前記現在位置情報に基づき、前記データベースから読み出す、請求項1記載の走行支援制御装置。
【請求項3】
前記デバイス情報要求部は、監視カメラ及び車両に対する道路情報源を含むインフラデバイスからの情報を集約するリアルタイム地図管理システムにアクセス可能であり、
前記デバイス情報は、前記車両に対する第1デバイス情報、及び前記リアルタイム地図管理システムのインフラデバイスに対する第2デバイス情報を含む請求項1又は請求項2記載の走行支援制御装置。
【請求項4】
前記デバイスのパラメータの変更が、ハードウェアによる物理的調整で監視範囲の変更を行う、請求項1から請求項3の何れか1項記載の走行支援制御装置。
【請求項5】
前記デバイスのパラメータの変更が、ソフトウェアによるデジタル処理で監視範囲の変更を行う、請求項1から請求項3の何れか1項記載の走行支援制御装置。
【請求項6】
前記デバイス情報要求部は、前記車両に対するデバイス情報の要求に加え、前記車両の運転に応じて変化する運転特性情報、及び、車両が走行している周辺施設から得られる街路情報を含む、請求項1~請求項5の何れか1項記載の走行支援制御装置。
【請求項7】
前記デバイス情報要求部が、前記特定事象の要求時刻によって、要求するデバイス情報を変更する、請求項1~請求項6の何れか1項記載の走行支援制御装置。
【請求項8】
前記デバイス情報要求部が、前記特定事象の要求時の天候によって、要求するデバイス情報を変更する、請求項1~請求項6の何れか1項記載の走行支援制御装置。
【請求項9】
自動運転が可能な車両に搭載された自動運転制御装置と、前記車両に対して走行支援を提供する走行支援制御装置との間で、自動運転中に車両の走行に支障を来す事態を含む特定事象が発生したとき、走行を支援する走行支援方法であって、
前記自動運転制御装置から前記走行支援制御装置へ支援要請情報を通知し、
前記支援要請情報の通知を受けて、前記走行支援制御装置が、少なくとも車両の現在位置情報に基づいて、自動運転に関連して使用するデバイスの種類及び当該デバイスのパラメータを含むデバイス情報を選定し、
前記走行支援制御装置から前記自動運転制御装置へ、前記デバイス情報を要求し、
前記デバイス情報の要求に応じて、前記自動運転制御装置が、デバイスを取捨選択し、選択したデバイスのパラメータを変更したデバイスデータを生成し、
前記自動運転制御装置から前記走行支援制御装置へ前記デバイスデータを通知し、
前記走行支援制御装置が、受け付けた前記デバイスデータに基づく映像を表示すると共に、表示された映像に基づいて、前記特定事象を解消するための支援指示情報を策定し、
前記走行支援制御装置から前記自動運転制御装置へ、前記支援指示情報を通知し、
前記自動運転制御装置が、前記支援指示情報に基づいて、前記特定事象を回避する走行ルートに基づいて、自動運転を継続する、
走行支援方法。
【請求項10】
コンピュータを、
請求項1~請求項8の何れか1項記載の走行支援制御装置の各部として動作させる、
走行支援制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転において、車両の走行を支援するための走行支援制御装置、走行支援方法、走行支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両における自動運転に関する開発が進められている。特に、車載システムが車両の加速、操舵、制動の全てを自動的に行い、システムから要請があった場合にのみ運転手が手動で車両を運転する自動運転車両の開発が活発になっている。
【0003】
さらに、このような自動運転車両の開発に伴い、自動運転中に運転に支障を来す事態が発生した場合に、遠隔で車両の安全な走行を確保するためのフェイルオペレーショナル技術の開発も進んでいる。
【0004】
特許文献1には、車両の遠隔監視時に、オペレータに対して、どこを重点監視するべきかの推薦を行う監視システム内で過去の情報に基づいて車両から受け取った情報の解析を行い、オペレータに対して、重点監視するべき位置を推薦する情報処理装置が記載されている。
【0005】
より具体的には、特許文献1の情報処理装置は、コンピュータを用いて、第1時点よりも後の第2時点における、車両及び車両周辺の少なくとも一方の状況に関する第2状況情報を取得し、第1時点における、車両及び車両周辺の少なくとも一方の状況に関する第1状況情報と、第1監視者による第1状況情報に基づく監視の結果である第1監視結果とを用いた機械学習により得られる学習モデルに、第2状況情報を入力することにより、第2監視者に推薦される車両の監視に関する推薦内容を決定し、決定された推薦内容から車両の監視のための提示情報を生成して、提示情報を提示装置に出力させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1は、監視者が、いつ、どこで事故等の危険な事態が発生するかわからないことを課題とし、監視車両の選択の学習を行って、監視者の監視負担を軽減するものである。
【0008】
すなわち、走行支援側は、車載カメラやインフラカメラ等から膨大な情報を得ているが、車両が自動運転に支障を来す事態によって、走行支援を行うのに必要な情報が異なるにも関わらず、取得した膨大な情報の中から、特定の事態に必要な情報を取捨選択する作業がオペレータの負担となっている。
【0009】
なお、車両が自動運転に支障を来す事態の一例としては、路上駐車している車両の存在で通常の走行ルートが妨げられているような事態、交差点で右折しようとしているが、対向車両が存在する事態、横断歩道を通過するとき歩行者が存在するような事態等が挙げられる。
【0010】
参考として、自動運転車両に搭載しているカメラは、その種類や設定されているパラメータが、自動運転走行のために最適化されており、オペレータが遠隔支援するために最適化されているわけではないため、事態によって必要な情報が異なる場合がある。
【0011】
本発明は、自動運転に支障を来す事態に陥った車両に対して走行支援するオペレータに負担をかけることなく、当該事態を回避するために必要十分な情報を的確に取得することができる走行支援制御装置、走行支援方法、走行支援プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る走行支援制御装置は、自動運転中に車両の走行に支障を来す事態を含む特定事象が発生したとき、走行を支援する走行支援制御装置であって、車両から支援要請情報を受け付けたとき、少なくとも車両の現在位置情報に基づいて、自動運転に関連して使用するデバイスの種類及び当該デバイスのパラメータを含むデバイス情報を選定し、車両を含む要求対象に対して、前記デバイス情報を要求するデバイス情報要求部と、前記デバイス情報要求部による要求に応じて受け付けた前記デバイスからのデバイスデータに基づいて、走行支援オペレータが目視可能なモニタに映像を表示すると共に、前記車両に対して、前記特定事象を解消するための支援指示情報を通知する支援指示情報通知部と、を有している。
【0013】
本発明に係る走行支援方法は、自動運転が可能な車両に搭載された自動運転制御装置と、前記車両に対して走行支援を提供する走行支援制御装置との間で、自動運転中に車両の走行に支障を来す事態を含む特定事象が発生したとき、走行を支援する走行支援方法であって、前記自動運転制御装置から前記走行支援制御装置へ支援要請情報を通知し、前記支援要請情報の通知を受けて、前記走行支援制御装置が、少なくとも車両の現在位置情報に基づいて、自動運転に関連して使用するデバイスの種類及び当該デバイスのパラメータを含むデバイス情報を選定し、前記走行支援制御装置から前記自動運転制御装置へ、前記デバイス情報を要求し、前記デバイス情報の要求に応じて、前記自動運転制御装置が、デバイスを取捨選択し、選択したデバイスのパラメータを変更したデバイスデータを生成し、前記自動運転制御装置から前記走行支援制御装置へ前記デバイスデータを通知し、前記走行支援制御装置が、受け付けた前記デバイスデータに基づく映像を表示すると共に、表示された映像に基づいて、前記特定事象を解消するための支援指示情報を策定し、前記走行支援制御装置から前記自動運転制御装置へ、前記支援指示情報を通知し、前記自動運転制御装置が、前記支援指示情報に基づいて、前記特定事象を回避する走行ルートに基づいて、自動運転を継続する、ことを特徴としている。
【0014】
本発明に係る走行支援制御プログラムは、コンピュータを、上記の走行支援制御装置の各部として動作させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、自動運転に支障を来す事態に陥った車両に対して走行支援するオペレータに負担をかけることなく、当該事態を回避するために必要十分な情報を的確に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1の実施の形態に係る車両の自動運転における走行を支援する走行支援制御装置を含む走行支援システムの概略図である。
【
図2】第1の実施の形態に係る自動運転制御装置と走行支援制御装置との間で実行される支援要請に基づく情報の送受信制御を実行するための機能ブロック図である。
【
図3】第1の実施の形態に係る制御フローチャートであり、(A)は、自動運転制御装置における自動運転中特定事象監視制御ルーチンを示すフローチャート、(B)は、走行支援制御装置における走行支援制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図4】(A)は自動運転に支障を来す事態が発生した道路の平面図、(B)は自動運転に支障を来す事態が右折シーンにおいて表示される画像が表示されたモニタの正面図、(C)は自動運転に支障を来す事態が横断歩道通過シーンにおいて表示される画像が表示されたモニタの正面図である。
【
図5】第1の実施の形態に係る走行支援の状況を示す概略図である。
【
図6】第2の実施の形態に係る自動運転制御装置と走行支援制御装置との間で実行される支援要請に基づく情報の送受信制御を実行するための機能ブロック図である。
【
図7】
図3(B)に対応する、第2の実施の形態に係る走行支援制御装置における走行支援制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図8】(A)は自動運転に支障を来す事態が発生した交差点の監視カメラの画像、(B)は(A)の交差点の平面図、(C)及び(D)は同一交差点において、異なる車両の右折シーンにおいて表示される画像が表示されたモニタの正面図である。
【
図9】第2の実施の形態に係る走行支援の状況を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施の形態)
【0018】
図1には、第1の実施の形態に係る車両10の自動運転における走行を支援する走行支援制御装置12を含む走行支援システムの概略図である。
【0019】
車両10には、車両制御装置14及び自動運転制御装置20が搭載されている。
【0020】
車両制御装置14は、車両10が走行しているときの駆動系統(エンジン制御等)及び電気系統(各部の状態検出センサによる故障診断等)を含む制御を実行する。
【0021】
車両制御装置14には、車両10の周囲を撮影するカメラ群(
図1では、一例として、前方向カメラ16A、左前方向カメラ16B、左後方向カメラ16C、右前方向カメラ16D、右後方向カメラ16E、及び後方向カメラ16Fを図示)が接続されている(総称する場合、「カメラ群16」という)。また、車両制御装置14には、複数のミリ波レーダ及びLIDARを備えたレーダ群18が接続されている。
【0022】
自動運転制御装置20は、車両制御装置14から自動運転に必要な情報(例えば、上記カメラ群16及びレーダ群18からの検出情報)に基づき、目的地への運転操作を確定し、車両制御装置14へ指示する。
【0023】
自動運転制御装置20は、ネットワーク22の無線通信装置22Aを介して、走行支援制御装置12と通信可能となっている。また、ネットワーク22には、インフラデバイス管理システム24及びインフラ25が接続されている。インフラ25は、天候情報、時刻情報を提供する。
【0024】
走行支援制御装置12では、各車両10からの自動運転による走行履歴情報が集約され、必要に応じて、オペレータOP(
図2等参照)により走行支援の指示を行うようになっている。このため、走行支援制御装置12は、ネットワーク22を介して、インフラデバイス管理システム24から、リアルタイムの道路情報を取得する。
【0025】
インフラデバイス管理システム24は、道路等に設置された監視カメラ等のインフラデバイス、車両10等に設けられた道路情報発信デバイスからの情報が集約され、現在の道路状況(道路規制、路上駐車等を含む)を解析する機能を有している。
【0026】
ここで、車両10が自動運転による走行中、自動運転に支障を来す事態(事象)が発生した場合に、車両10側から走行支援制御装置12に対して、支援要請を行い、走行支援制御装置12側で車両10を監視しているオペレータOPから適切な走行支援を受けて、自動運転に支障を来す事態に対して、走行を継続する場合がある。
【0027】
このとき、例えば、車両10に搭載しているカメラ群16は、設定されているパラメータが、自動運転走行のために最適化されている。言い換えれば、支援要請の際に、カメラ群16の画像を見た場合、その画像がオペレータOPが遠隔で支援するために最適化されているわけではない。
【0028】
そこで、第1の実施の形態では、自動運転に支障を来す事態が発生した車両10から支援要請があった場合に、当該車両10の位置(現在位置からの動向(右左折、迂回、横断歩道通過等)を含む)と紐付けられた当該位置における過去の事象(事故履歴等)や現在時刻での事象(工事計画等)に基づき、車両10から受け取るデバイスの種類(カメラ群、レーダ群18)を選択し、選択したデバイスのパラメータを特定するようにした。
【0029】
走行支援制御装置12では、車両10に対して、特定したデバイス種及びパラメータを要求することで、必要十分なデータを的確に取得することが可能となる。これは、オペレータOPによる情報の取得の作業負担の軽減につながる。言い換えれば、オペレータOPが監視するモニタ40B(
図2等参照)には、走行支援に必要な画像が、オペレータOPが情報の取捨選択を行う作業時間分が短縮されて表示されることになる。
【0030】
図2は、自動運転制御装置20と走行支援制御装置12との間で実行される支援要請に基づく情報の送受信制御を実行するための機能ブロック図である。なお、この機能ブロック図は一例であり、本発明の目的を達成するものであれば、機能の種類や組み合わせは限定されるものではない。また、
図2に示す一部又は全部の機能は、マイクロコンピュータ等によるプログラムの実行によるソフトウェア処理であってもよい。
【0031】
(自動運転制御装置20)
【0032】
支援要請制御部26には、車両制御装置14を介して、カメラ群16及びレーダ群18の検出情報、及びダイアグコード(CAN(Controller Area Network)信号)が入力されるようになっている。また、支援要請制御部26には、走行計画部28から走行計画情報が入力されている。
【0033】
支援要請制御部26では、走行計画部28から入力された走行計画情報に対して、当該走行計画情報から逸脱するような事象(自動運転に支障を来す事態)の有無を判断する。
【0034】
走行計画情報から逸脱するような事象(自動運転に支障を来す事態)とは、例えば、
図5に示される如く、直線道路を走行中の車両(以下、自車両10Aという)の前方に路上駐車している車両(以下、他車両10Bという)が存在する場合、
図5の点線で示す走行計画情報に基づく走行ルートを走行できないような事象を言う。
【0035】
支援要請制御部26において、支援要請が必要と判断されると、支援要請制御部26では、第1通信I/F30を介して、走行支援制御装置12に対して、支援要請(時刻情報を含む)を送信する(第1通信I/F30の通信種30A参照)。
【0036】
第1通信I/F30では、上記の通信種30Aの応答として、走行支援制御装置12から、要求センサ情報を受信する(第1通信I/F30の通信種30B参照)。
【0037】
要求センサ情報は、支援要請制御部26へ送出されるようになっている。要求センサ情報には、カメラ群及びレーダ群18の取捨選択、及び選択したカメラ群及びレーダ群18のパラメータが含まれている。
【0038】
支援要請制御部26では、この要求センサ情報に基づいて、選択したカメラ群及びレーダ群18から設定されたパラメータに基づく情報が取込まれ、第1通信I/F30を介して、走行支援制御装置12に対して、デバイスデータとしてのセンサデータを送信する(第1通信I/F30の通信種30C参照)。
【0039】
第1通信I/F30では、上記の通信種30Cの応答として、走行支援制御装置12から、支援指示情報を受信する(第1通信I/F30の通信種30D参照)。
【0040】
支援指示情報は、走行計画部28へ送出されるようになっている。支援指示情報には、走行計画情報に基づく走行ルートから逸脱した走行ルートが含まれている。
【0041】
走行計画部28では、この支援指示情報に基づいて、変更した走行ルート情報を車両制御装置14へ送出する。
【0042】
この走行ルート情報により、例えば、
図5に示される如く、自車両10Aは、路上駐車している他車両10Bを回避するために、
図5の実線で示す走行ルートでの走行を実行する。
【0043】
また、走行計画部28では、支援指示情報(通信種30D参照)に基づく、走行ルートでの走行が成功したか否か(成否)を判定するようになっている。この成否判定情報は、今回の走行ではなく、履歴情報として残すための情報である。このため、走行計画部28では、第1通信I/F30を介して、走行支援制御装置12に対して、成否判定情報を送信する(第1通信I/F30の通信種30E参照)。
【0044】
(走行支援制御装置12)
【0045】
図2に示される如く、走行支援制御装置12は、第2通信I/F32を備えている。
【0046】
第2通信I/F32は、自動運転制御装置20の第1通信I/F30と対となって情報の送受信を行うようになっている。以下に、自動運転制御装置20の第1通信I/F30における通信種30A~通信種30Eと、第2通信I/F32における通信種32a~通信種eとの間の送受信対照表を示す。
【0047】
【0048】
第2通信I/F32は、支援管理部34に接続されており、支援要請(時刻情報を含む)を受信すると(通信種32a参照)、当該支援管理部34へ送出する。なお、このとき、時刻情報に基づいて、インフラ25にアクセスして、天候情報を取得することで、より、状況に合う支援要請が可能となる。支援管理部34は、現在位置-要求デバイス情報データベース36に接続されている。より詳しくは、現在位置-要求デバイス情報データベース36は、現在位置(時刻依存)-要求デバイス情報データベース36aと、現在位置(天候依存)-要求デバイス情報データベース36bを備えている。
【0049】
現在位置-要求デバイス情報データベース36は、時刻及び/又は天候に依存した、支援要請に含まれる車両10の位置情報(現在位置に加え、現在位置からの動向(右左折、迂回、横断歩道通過等)を含む)に対して、予め要求センサ情報が格納されている。要求センサ情報は、支援要請に対して支援するための判断に必要なセンサ種Aと、当該センサ種のパラメータ情報Bを含む。
【0050】
センサ種Aは、その要否をon又はoffの2値データである。また、パラメータ情報Bは、選択されたカメラ群及びレーダ群18で検出する条件である(後述)。
【0051】
支援管理部34では、支援要請(現在位置情報、時刻情報及び/又は天候情報)に応じて、現在位置-要求デバイス情報データベース36の現在位置(時刻依存)-要求デバイス情報データベース36a及び/又は現在位置(天候依存)-要求デバイス情報データベース36bにアクセスし、支援要請に対する要求センサ情報を取得し、第2通信I/F32を介して自動運転制御装置20へ送信する(第2通信I/F32の通信種32b参照)。
【0052】
また、支援管理部34では、自動運転制御装置20から、第2通信I/F32を介してセンサデータを受信すると(第2通信I/F32の通信種32c参照)、支援指示情報制御部38に対して、支援の指示を通知する。
【0053】
支援指示情報制御部38には、ユーザインターフェイス40が接続されている。
【0054】
ユーザインターフェイス40には、入力デバイス(キーボード、マウス、マイク等)40Aと、出力デバイスとしてのモニタ40Bが設けられている。
【0055】
支援指示情報制御部38では、支援管理部34から受け付けたセンサデータ、すなわち、映像をユーザインターフェイス40へ送出することで、モニタ40Bに当該映像が表示され、これを、オペレータOPが目視することになる。
【0056】
オペレータOPは、モニタ40Bに表示されている映像に基づいて、どのような支援を行うかを判断し、入力デバイス40Aによって、支援指示情報を入力する。
【0057】
支援指示情報制御部38では、入力デバイス40Aから受け付けた支援指示情報を、第2通信I/F32を介して、自動運転制御装置20へ送出する(第2通信I/F32の通信種32d参照)。
【0058】
(要求センサ情報)
【0059】
例えば、
図4(A)に示される如く、自車両10Aが右折するときに支援要請があった場合、センサ種Aは、カメラ群がon、レーダ群18がoffに設定される共に、通信時の遅延情報を要求する。
【0060】
また、パラメータ情報Bは、「右方向にカメラの向きを傾ける」及び「遠方が見えるように画角を変える」といった条件が設定される。カメラ群16の向きがハードウェアによる物理的調整が可能であれば、該当するカメラの向きを変えれば良い。また、カメラ群16の向きが固定の場合は、ソフウェアによるデジタル処理により、パラメータ情報Bに基づいて、例えば、前方向カメラ16A、右前方向カメラ16Dをon、その他をoffとしてもよい。
【0061】
この結果、走行支援制御装置12のユーザインターフェイス40のモニタ40Bには、
図4(B)に示される画像が表示され、適切な支援指示情報を生成することが可能となる。
【0062】
また、
図4(A)に示される如く、自車両10Aが横断歩道を通過するときに支援要請があった場合、センサ種Aは、カメラ群及びレーダ群18が共にonに設定されると共に、レーダ群18による認識情報を要求する。
【0063】
また、パラメータ情報Bは、カメラ群16に対して、「周辺を見渡せるように広画角にする」といった条件が設定される。なお、カメラ群の向きが固定の場合は、パラメータ情報Bに基づいて、例えば、カメラ群16の画像を合成して広画角を生成してもよい。
【0064】
この結果、走行支援制御装置12のユーザインターフェイス40のモニタ40Bには、
図4(C)に示される画像が表示され、適切な支援指示情報を生成することが可能となる。
【0065】
また、ユーザインターフェイス40は、OP成否判定情報通知部42に接続されている。オペレータOPは、モニタ40Bを見て、オペレータ指示情報に基づいて走行した車両10の走行計画情報から逸脱するような事象を回避できたか否かを判断し、その結果(OP成否判定情報)を、OP成否判定情報通知部42へ送出する。
【0066】
OP成否判定情報通知部42は、成否判定解析部44に接続され、OP成否判定情報を送出する。
【0067】
また、成否判定解析部44には、第2通信I/F32を介して、自動運転制御装置20から、車両10側で判定したAD成否判定情報を受信する(通信種32e参照)。
【0068】
成否判定解析部44では、OP成否判定情報とAD成否判定情報とを関連付けて解析し、解析結果を情報更新部46へ送出する。判定情報の組み合わせと解析結果との関係を表2に示す。
【0069】
【0070】
情報更新部46は、現在位置-要求デバイス情報データベース36に接続されており、当該現在位置-要求デバイス情報データベース36に格納されているデータを更新する。例えば、現在位置において、危険運転を回避するために必要なセンサ種やパラメータの更新を行う。
【0071】
(成否判定)
【0072】
成否判定は、自動判定によって決定される。
【0073】
判定基準は、支援要請時点(車両10の停車)から、例えば、
図5において、実線矢印に沿って走行した後に判定する。
【0074】
上記走行において、軌跡のずれが一定範囲内であれば、成功と判定する。
【0075】
また、上記走行において、急加速、急プレーキ、急ハンドルの全てがなければ成功と判定する。
【0076】
走行支援制御装置12側の成否判定は、オペレータOPの主観によって決定される。
【0077】
判定基準は、支援要請時点(車両10の停車)から、例えば、
図5において、実線矢印に沿って走行した後に判定する。
【0078】
上記走行において、走行できたとしても、周辺の車両や歩行者の移動を妨げている場合は、失敗と判定する。
【0079】
また、上記走行において、走行できたとしても、周辺の車両に道を譲ってもらっている場合は、成功と判定する。
【0080】
(更新手順)
【0081】
要求センサ情報Aにおいて設定したon/off情報に基づき、直近のt回(tは正の整数)の成功した遠隔支援で移動平均をとる。
【0082】
要求センサ情報Bにおいて、カメラ群16の向き、トリミング範囲、及び光量等の各パラメータの、直近のt回の移動平均をとる。
【0083】
また、パラメータがメッセージの種類の場合は、メッセージの内容毎に選択したデバイスのon/off情報の移動平均をとる。
【0084】
以下に、第1の実施の形態の作用を、
図3のフローチャートに従い説明する。
【0085】
(自動運転制御装置20側の処理)
【0086】
図3(A)は、自動運転制御装置20における自動運転中特定事象監視制御ルーチンを示すフローチャートである。特定事象とは、自動運転に支障を来す事態を言う。
【0087】
ステップ100では、特定事象が発生したか否かを判断する。このステップ100で否定判定された場合は、ステップ120へ移行する。
【0088】
また、ステップ100で肯定判定されると、ステップ102へ移行して、走行支援制御装置12に対して、支援要請を送信する(
図3の点線A参照)。
【0089】
次のステップ104では、ステップ102の支援要請に対して、走行支援制御装置12から要求センサ情報A、Bを受信したか否かを判断する(
図3の点線B参照)。
【0090】
要求センサ情報Aは、カメラ群、レーダ群18の取捨選択(on又はoffの2値データ)であり、要求センサ情報Bは、選択したカメラ群及びレーダ群18のパラメータ調整情報である。
【0091】
ステップ104では、肯定判定されるまで待機し、肯定判定されると、ステップ106へ移行して、カメラ群、レーダ群18から、要求センサ情報A、Bに基づくセンサデータを集約し、ステップ108へ移行する。
【0092】
ステップ108では、走行支援制御装置12に対して、センサデータを送信する(
図3の点線C参照)。
【0093】
次のステップ110では、ステップ108のセンサデータの送信に対して、走行支援制御装置12から支援指示情報を受信したか否かを判断する(
図3の点線D参照)。
【0094】
ステップ110では、肯定判定されるまで待機し、肯定判定されると、ステップ112へ移行して、支援指示情報に基づく走行計画処理を実行し、ステップ114へ移行する。
【0095】
ステップ114では、ステップ112で作成した走行計画に基づき、車両制御装置14へ走行を指示する。これにより、車両制御装置14は、特定事象を回避する走行を制御する。
【0096】
例えば、
図5に示される如く、自車両10Aの前に他車両10Bが路上駐車している状況を特定事象として走行支援を要請した場合、自車両10Aは、
図5の実線矢印のように他車両10Bを迂回し、他車両10Bとの接触等を回避し、走行する。
【0097】
次のステップ116では、特定事象に関する場所を通過したか否かを判断する。ステップ116で肯定判定、すなわち、
図5の実線矢印の走行ルートでの走行により、他車両10Bとの接触等を回避したと判断された場合は、ステップ118へ移行して、車両10側において、特定事象の回避の成否の判定処理を実行する(AD成否判定情報の生成)。なお、通過できない場合は、自動走行の中止を意味し、ここでの説明は省略するが、何等かのトラブルシューティングが実行されることになる。
【0098】
次のステップ120では、走行支援制御装置12に対して、ステップ118で生成したAD成否判定情報を送信し(
図3の点線E参照)、ステップ122へ移行する。
【0099】
ステップ122では、自動運転が終了したか否かを判断する。
【0100】
ステップ122で、否定判定された場合は、ステップ100へ戻り、上記工程を繰り返す。
【0101】
(走行支援制御装置12側の処理)
【0102】
図3(B)は、走行支援制御装置12における走行支援制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0103】
ステップ150では、自動運転制御装置20から支援要請を受信したか否かを判断する(
図3の点線A参照)。
【0104】
ステップ150では肯定判定されるまで待機し、肯定判定されると、ステップ151へ移行して、支援要請の位置情報と時刻情報とに基づいて、インフラ25に問い合わせを行い、天候情報を入手し、ステップ152へ移行する。ステップ152では、現在位置-要求デバイス情報データベース36の現在位置(時刻依存)-要求デバイス情報データベース36a及び/又は現在位置(天候依存)-要求デバイス情報データベース36bにアクセスして、支援要請に含まれる車両10の位置情報(時刻情報及び/又は天候情報)に基づき、要求センサ情報を読み出す。
【0105】
次のステップ154では、自動運転制御装置20に対して、要求センサ情報A、Bを送信する(
図3の点線B参照)。
【0106】
次のステップ156では、自動運転制御装置20から、要求センサ情報A、Bに対する回答としての、センサデータを受信したか否かを判断する(
図3の点線C参照)。
【0107】
ステップ156では肯定判定されるまで待機し、肯定判定されると、ステップ158へ移行して、センサデータに基づき、ユーザインターフェイス40のモニタ40Bに映像を表示し、ステップ160へ移行する。
【0108】
ステップ160では、モニタ40Bを見ているオペレータOPによる入力デバイス40Aを用いた入力操作で支援指示情報の入力があったか否かを判断し、肯定判定されると、ステップ162へ移行して、自動運転制御装置20に対して、支援指示情報を送信する(
図3の点線D参照)。
【0109】
ステップ162で送信した支援指示情報に基づき、車両10は特定事象を回避する走行を実行することになり、ステップ164では、自動運転制御装置20からAD成否判定情報を受信したか否かを判断する(
図3の点線E参照)。このステップ164で肯定判定されると、ステップ166へ移行する。
【0110】
ここで、オペレータOPは、この回避行動をモニタ40Bで目視確認しており、オペレータOPの判断による成否判定があったか否かを判断する。すなわち、ステップ166では、入力デバイス40Aから、OP成否判定情報の入力があったか否かを判断する。
【0111】
このステップ166では肯定判定されるまで待機し、肯定判定されると、ステップ168へ移行して、AD成否判定情報及びOP成否判定情報を解析して、現在位置-要求デバイス情報データベース36の情報を更新し、ステップ150へ戻る。
【0112】
以上説明したように第1の実施の形態では、車両10からの支援要請があると、現在位置-要求デバイス情報データベース36にアクセスして、車両10に対して、要求センサ情報を送信することで、車両10から自動運転に支障を来す事態を解消するための必要十分なセンサデータ(A:カメラ群、レーダ群18の取捨選択、B:選択したカメラ群、レーダ群18のパラメータ)を取得することができ、オペレータOPは、当該センサデータに基づいて、車両10(自動運転制御装置20)に対して、的確なアドバイス(支援指示情報)を提供することができる。
【0113】
なお、現在位置-要求デバイス情報データベース36に格納されている情報が少ない場合(履歴情報が少ない場合)、地図上の位置や事前情報で何が発生しそうかわかっている場合、想定シーンをデフォルトとして格納しておくことが好ましい。例えば、事前に工事が発生することを交通情報源から取得している、交差点で右折する、統計情報から路上駐車発生ポイントが分かっている、等をデフォルトとして格納しておく。
【0114】
一方、地図上の位置や事前情報で何が発生しそうかわかっていない場合は、予め定めたデフォルトのセンサパラメータを用いればよい。
【0115】
なお、デバイスにおいて、機械的に向きを変えることができる場合は物理的に光軸を変更してもよいし、交差点に設置されている監視カメラ等においても光軸は変更できない場合が多いため、トリミング等によるデジタル処理で必要は画角の画像を取得するようにすればよい。
【0116】
また、本実施の形態では、特定事象の要求時の車両10の現在位置に基づき、要求デバイス情報を決めるようにしたが、現在位置に加え、特定事象の要求時の時刻によって要求デバイス情報を変更してもよい。また、現在位置に加え、特定事象の要求時の天候によって要求デバイス情報を変更してもよい。
【0117】
(第2の実施の形態)
【0118】
以下に本発明の第2の実施の形態について、
図6に従い説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付して、その構成の説明を省略する。
【0119】
第2の実施の形態の特徴は、車両10から支援要請があった場合に、当該車両10が搭載するカメラ群及びレーダ群18に加え、車両10の現在位置情報から、周辺のインフラデバイスからの情報(特に、画像情報)を取得し、支援指示情報の策定に役立てることにある。
【0120】
図6に示される如く、走行支援制御装置12の第2通信I/F32は、要求インフラデバイス情報送受信機能を持つ(第2通信I/F32の通信種32f参照)。
【0121】
第2通信I/F32の通信種32fは、インフラデバイス管理システム24のインフラデバイス管理制御部52に接続されている。
【0122】
支援管理部34では、現在位置-要求デバイス情報データベース36にアクセスし、要求センサ情報A、Bと共に、要求インフラデバイス情報C、Dを取得する。
【0123】
要求インフラデバイス情報Cは、インフラデバイス50の取捨選択(on又はoffの2値データ)であり、要求インフラデバイス情報Dは、選択したインフラデバイス50のパラメータ調整情報である。
【0124】
(要求デバイス情報)
【0125】
例えば、
図8(A)に示される如く、所定の交差点にインフラデバイス(監視カメラ50A)が設置され、当該交差点の全体が見渡せるように、広角で撮影し、監視している。
【0126】
このとき、
図8(B)に示される如く、自車両10A1(黒塗りの車両)が
図8(B)の紙面下側から右側へ右折しようとしたときに、走行支援制御装置12へ支援要請を送信すると、走行支援制御装置12では、自車両10A1のカメラ群16からの画像に加え、インフラデバイス管理システム24に対して、
図8(A)の点線四角枠A1のトリミング画像を要求する。
【0127】
これにより、
図8(C)に示される如く、走行支援制御装置12のユーザインターフェイス40のモニタ40Bには、2種類の画像GA1(自車両10A1に搭載のカメラ群16で撮影した画像と、交差点監視カメラの点線四角枠A1のトリミング画像)が表示されることなる。
【0128】
また、
図8(B)に示される如く、自車両10A2(白塗りの車両)が
図8(B)の紙面右側から上側へ右折しようとしたときに、走行支援制御装置12へ支援要請を送信すると、走行支援制御装置12では、自車両10A2のカメラ群16からの画像に加え、インフラデバイス管理システム24に対して、
図8(A)の点線四角枠A2のトリミング画像を要求する。
【0129】
これにより、
図8(D)に示される如く、走行支援制御装置12のユーザインターフェイス40のモニタ40Bには、2種類の画像GA2(自車両10A1に搭載のカメラ群16で撮影した画像と、交差点監視カメラの点線四角枠A2のトリミング画像)が表示されることなる。
【0130】
支援管理部34では、取得した要求インフラデバイス情報を、第2通信I/F32を介して、インフラデバイス管理システム24のインフラデバイス管理制御部52へ送信する(第2通信I/F32の通信種32f参照)。
【0131】
インフラデバイス管理制御部52では、要求デバイス情報に基づいて、選択したインフラデバイス50から、設定されたパラメータに基づく情報を取り込み、第2通信I/F32を介して、走行支援制御装置12に対して、インフラデバイスデータを送信する(第2通信I/F32の通信種32f参照)。
【0132】
以下に、第2の実施の形態の作用を、
図7のフローチャートに従い説明する。
【0133】
なお、第1の実施の形態で説明した、
図3(A)のフローチャートには変更はないので、ここでの記載は省略し、
図3(B)のフローチャートに対して、インフラデバイスへの情報要求に付加したフローチャートについて説明する。
【0134】
なお、
図7のフローチャートにおいて、
図3(B)と同一ステップ(同一処理)については、同一の符号を付して、その処理の説明を省略する。
【0135】
ステップ155において、自動運転制御装置20に対して、要求センサ情報A、Bを送信し、次いで、ステップ155へ移行してインフラデバイス管理システム24に対して、要求インフラデバイス情報C、Dを送信する。
【0136】
次のステップ156では、自動運転制御装置20から、要求センサ情報A、Bに対する回答としての、センサデータを受信したか否かを判断する。
【0137】
ステップ156では肯定判定されるまで待機し、肯定判定されると、ステップ157Aへ移行して、インフラデバイス管理システム24から、要求インフラデバイス情報C、Dに対する回答としてのデバイスデータを受信したか否かを判断する。
【0138】
ステップ157Aでは肯定判定されるまで待機し、肯定判定されると、ステップ157Bへ移行して、センサデータ及びインフラデバイスデータに基づき、ユーザインターフェイス40のモニタ40Bに映像を表示し、ステップ160へ移行する。
【0139】
この結果、第2の実施の形態では、
図9に示される如く、モニタ40B上に、第1の実施の形態で説明した自車両10Aからのセンサデータに基づく画像L(モニタ40Bの画面の向かって左側)と、インフラデバイス50からの画像R(モニタ40Bの画面の向かって右側)と、が同時に表示されることになる。
【0140】
図9によれば、画像Rは画像Lでは死角となる他車両10Bの前方の画像を入手することができ、オペレータOPは、自車両10Aからの画像Lのみによる支援指示情報よりも、画像Rが見られることで、より的確な支援指示情報を策定することができる。
図9の例では、他車両10Bの前方に歩行者Xが、自車両10Aの死角の範囲に存在しており、インフラデバイス50の画像では、確認可能となる。
【0141】
なお、インフラデバイス50から得る情報(パラメータ)は、
図8(A)で示した交差点の監視カメラ50Aの道路に直接関係する画像に限定されるものではなく、例えば、車両10の走行軌跡(GPS情報)、車両10のヘッドライトの点灯状態、街灯の点灯状態、市街地に存在する様々なサイネージ(例えば、道路標識、店の看板、道路工事の案内表示版、歩道を歩く歩行者の密度、駐車場の空車や満車のメッセージ等)を取得するようにしてもよい。表3に、適用可能な情報源の一覧を示すが、情報源は、この表3に限定されるものではない。
【0142】
【符号の説明】
【0143】
10 車両、10A 自車両、10B 他車両、12 走行支援制御装置、14 車両制御装置、16 カメラ群、16A 前方向カメラ、16B 左前方向カメラ、16C 左後方向カメラ、16D 右前方向カメラ、16E 右後方向カメラ、16F 後方向カメラ、18 レーダ群、20 自動運転制御装置、22 ネットワーク、22A 無線通信装置、24 インフラデバイス管理システム、25 インフラ、26 支援要請制御部、28 走行計画部、30 第1通信I/F、30A~30E 通信種、32 第2通信I/F、32a~32e 通信種、34 支援管理部、36 現在位置-要求デバイス情報データベース、38 支援指示情報制御部、40 ユーザインターフェイス、40A 入力デバイス、40B モニタ、42 OP成否判定情報通知部、44 成否判定解析部、46 情報更新部、OP オペレータ