(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
B66C 23/693 20060101AFI20240110BHJP
B66C 23/687 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B66C23/693 J
B66C23/687 B
(21)【出願番号】P 2021512317
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(86)【国際出願番号】 JP2020015275
(87)【国際公開番号】W WO2020204157
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】P 2019072147
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】頭師 正英
(72)【発明者】
【氏名】長濱 和
(72)【発明者】
【氏名】福岡 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】白井 真人
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭48-081252(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第2708584(FR,A1)
【文献】特開2017-159973(JP,A)
【文献】特開2015-218031(JP,A)
【文献】特開2011-207598(JP,A)
【文献】特開昭48-078642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/00-23/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮式のブームを伸縮させるアクチュエータと、
前記アクチュエータに設けられ、電源からの給電に基づいて駆動する電気的駆動源と、
前記電気的駆動源の動力に基づいて作動する作動部と、
前記電気的駆動源の動力に基づいて回転する第一伝達軸に固定される駆動側要素と、前記作動部に接続された第二伝達軸に固定される従動側要素とを有し、前記駆動側要素及び前記従動側要素が共に回転する伝達状態と、前記駆動側要素及び前記従動側要素のうち何れか一方のみが回転する非伝達状態と、を取り得る継手と、を備える、
作業機。
【請求項2】
前記ブームは、伸縮可能に重なる第一ブーム要素及び第二ブーム要素を有し、
前記作動部は、
第一付勢機構の付勢力に基づいて、前記第一ブーム要素と前記アクチュエータとを連結し、前記電気的駆動源の動力に基づいて前記第一ブーム要素と前記アクチュエータとの連結を解除する第一連結機構と、
第二付勢機構の付勢力に基づいて、前記第一ブーム要素と前記第二ブーム要素とを連結し、前記電気的駆動源の動力に基づいて前記第一ブーム要素と前記第二ブーム要素との連結を解除する第二連結機構と、を有する、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記電気的駆動源が第一方向に回転すると前記第一連結機構が、前記第一ブーム要素と前記アクチュエータとの連結を解除し、
前記電気的駆動源が第二方向に回転すると前記第二連結機構が、前記第一ブーム要素と前記第二ブーム要素との連結を解除する、請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記継手は、前記第一連結機構が、前記第一付勢機構の付勢力に基づいて、前記第一ブーム要素と前記アクチュエータとを連結する際、前記従動側要素が回転して所定位置に到達するまで前記伝達状態となり、前記従動側要素が前記所定位置に到達した後、前記従動側要素が停止した場合に、前記駆動側要素のみが回転する前記非伝達状態となる、請求項2又は3に記載の作業機。
【請求項5】
前記継手は、前記第二連結機構が、前記第二付勢機構の付勢力に基づいて、前記第一ブーム要素と前記第二ブーム要素とを連結する際、前記従動側要素が回転して所定位置に到達するまで前記伝達状態となり、前記従動側要素が前記所定位置に到達した後、前記従動側要素が停止した場合に、前記駆動側要素のみが回転する前記非伝達状態となる、請求項2~4の何れか一項に記載の作業機。
【請求項6】
前記駆動側要素は、駆動側伝達部を有し、
前記従動側要素は、前記駆動側伝達部と前記継手の回転方向において係合可能な従動側伝達部を有し、
前記伝達状態において、前記駆動側伝達部と前記従動側伝達部とが、前記回転方向において係合し、
前記非伝達状態において、前記駆動側伝達部と前記従動側伝達部との間に、前記回転方向における隙間が存在する、請求項2~5の何れか一項に記載の作業機。
【請求項7】
前記継手と、前記第一連結機構及び前記第二連結機構との間に設けられ、前記電気的駆動源の動力を、前記第一連結機構と前記第二連結機構との何れかに択一的に伝達するスイッチギヤを有する、請求項2~6の何れか一項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮式ブームを備える作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数のブーム要素が入れ子状(テレスコピック状ともいう。)に重なる伸縮式ブーム、及び、伸縮式ブームを伸長させる油圧式の伸縮シリンダを備えた移動式のクレーンが開示されている。
【0003】
伸縮式ブームは、隣り合って重なるブーム要素同士を連結するブーム連結ピンを有する。ブーム連結ピンによる連結が解除されたブーム要素(以下、移動可能なブーム要素という。)は、他のブーム要素に対して長手方向(伸縮方向ともいう。)に移動可能となる。
【0004】
伸縮シリンダは、ロッド部材及びシリンダ部材を有する。このような伸縮シリンダは、シリンダ連結ピンを介して上記移動可能なブーム要素にシリンダ部材を連結する。この状態でシリンダ部材が伸縮方向に移動すると、当該シリンダ部材とともに上記移動可能なブーム要素が移動して伸縮式ブームが伸縮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のようなクレーンは、ブーム連結ピンを移動させる油圧式のアクチュエータ、シリンダ連結ピンを移動させる油圧式のアクチュエータ、及び、これら各アクチュエータに圧油を供給する油圧回路を備える。このような油圧回路は、例えば伸縮式ブームの周囲に設けられる。このため、伸縮式ブームの周囲における設計の自由度が低下する可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、伸縮式ブームの周囲における設計の自由度を向上できる作業機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る作業機は、
伸縮式のブームを伸縮させるアクチュエータと、
アクチュエータに設けられ、電源からの給電に基づいて駆動する電気的駆動源と、
電気的駆動源の動力に基づいて作動する作動部と、
電気的駆動源の動力に基づいて回転する第一伝達軸に固定される駆動側要素と、作動部に接続された第二伝達軸に固定される従動側要素とを有し、駆動側要素及び従動側要素が共に回転する伝達状態と、駆動側要素及び従動側要素のうち何れか一方のみが回転する非伝達状態と、を取り得る継手と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、伸縮式ブームの周囲における設計の自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係る移動式クレーンの模式図である。
【
図2】
図2A~
図2Eは、伸縮式ブームの構造及び伸縮動作を説明するための模式図である。
【
図4】
図4は、アクチュエータの部分平面図である。
【
図5】
図5は、アクチュエータの部分側面図である。
【
図7】
図7は、ブーム連結ピンを保持した状態のピン移動モジュールの斜視図である。
【
図8】
図8は、拡張状態かつブーム連結ピンを保持した状態のピン移動モジュールの正面図である。
【
図12】
図12は、ブーム連結機構が縮小状態であり、シリンダ連結機構が拡張状態のピン移動モジュールの正面図である。
【
図13】
図13は、ブーム連結機構が拡張状態であり、シリンダ連結機構が縮小状態のピン移動モジュールの正面図である。
【
図16】
図16は、伸縮式ブームの伸長動作の際のタイミングチャートである。
【
図19】
図19A~
図19Dは、シリンダ連結機構の抜き動作における、カップリングの状態を説明するための模式図である。
【
図20】
図20A~
図20Dは、シリンダ連結機構の入り動作における、カップリングの状態を説明するための模式図であって、
図20E及び
図20Fは、ブーム連結機構の動作における、カップリングの状態を説明するための模式図である。
【
図21】
図21A~
図21Dは、ブーム連結機構の抜き動作における、カップリングの状態を説明するための模式図である。
【
図22】
図22A~
図22Dは、ブーム連結機構の入り動作における、カップリングの状態を説明するための模式図であって、
図22E及び
図22Fは、シリンダ連結機構の動作における、カップリングの状態を説明するための模式図である。
【
図23A】
図23Aは、第一伝達軸及び第二伝達軸に組み付けられたカップリングの側面図である。
【
図23B】
図23Bは、駆動側要素と従動側要素とが離れた状態のカップリングの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、後述の実施形態に係るクレーンは、本発明に係る作業機の一例であり、本発明は後述の実施形態により限定されない。
【0012】
[実施形態]
図1は、本実施形態に係る移動式クレーン1(図示の場合、ラフテレーンクレーン)の模式図である。移動式クレーン1は、作業機の一例に該当する。
【0013】
移動式クレーンとして、例えば、オールテレーンクレーン、トラッククレーン、あるいは、積載形トラッククレーン(カーゴクレーンともいう。)が挙げられる。ただし、本発明に係る作業機は、移動式クレーンに限定されず、伸縮式のブームを備えるその他の作業車(例えば、クレーン、高所作業車)にも適用できる。
【0014】
以下、まず、移動式クレーン1及び移動式クレーン1が備える伸縮式ブーム14の概要について説明する。その後、本実施形態に係る移動式クレーン1の特徴であるアクチュエータ2の具体的な構造及び動作について説明する。
【0015】
<移動式クレーン>
図1に示すように、移動式クレーン1は、走行体10と、アウトリガ11と、旋回台12と、伸縮式ブーム14と、アクチュエータ2(
図1には省略)と、起伏シリンダ15と、ワイヤ16と、フック17と、を有する。
【0016】
走行体10は、複数個の車輪101を有する。アウトリガ11は、走行体10の四隅に設けられている。旋回台12は、走行体10の上部に旋回可能に設けられている。伸縮式ブーム14は、基端部が旋回台12に固定されている。アクチュエータ2は、伸縮式ブーム14を伸縮する。起伏シリンダ15は、伸縮式ブーム14を起伏する。ワイヤ16は、伸縮式ブーム14の先端部から垂れ下がっている。フック17は、ワイヤ16の先端に設けられている。
【0017】
<伸縮式ブーム>
次に、
図1、
図2A~
図2Eを参照して、伸縮式ブーム14について説明する。
図2A~
図2Eは、伸縮式ブーム14の構造及び伸縮動作を説明するための模式図である。
【0018】
図1には、伸長状態の伸縮式ブーム14が示されている。
図2Aには、収縮状態の伸縮式ブーム14が示されている。
図2Eには、後述の先端ブーム要素141のみが伸長した伸縮式ブーム14が示されている。
【0019】
伸縮式ブーム14は、複数のブーム要素からなる。複数のブーム要素はそれぞれ、筒状である。複数のブーム要素は、互いに、テレスコピック状に組み合わされている。具体的には、収縮状態において、複数のブーム要素は、内側から順に先端ブーム要素141、中間ブーム要素142、及び、基端ブーム要素143である。
【0020】
なお、本実施形態の場合、先端ブーム要素141及び中間ブーム要素142が、伸縮方向に移動可能な第一ブーム要素の一例に該当する。先端ブーム要素141が、中間ブーム要素142に対して伸縮方向に移動する場合には、先端ブーム要素141が第一ブーム要素の一例に該当し、中間ブーム要素142が第二ブーム要素の一例に該当する。また、中間ブーム要素142が、基端ブーム要素143に対して伸縮方向に移動する場合には、中間ブーム要素142が、第一ブーム要素の一例に該当し、基端ブーム要素143が第二ブーム要素の一例に該当する。基端ブーム要素143は、伸縮方向への移動が規制されている。
【0021】
伸縮式ブーム14は、内側に配置されたブーム要素(つまり、先端ブーム要素141)から順に伸長することにより、
図2Aに示す収縮状態から
図1に示す伸長状態に状態遷移する。
【0022】
伸長状態において、最も基端側の基端ブーム要素143と最も先端側の先端ブーム要素141との間に、中間ブーム要素142が配置されている。なお、中間ブーム要素は、複数でもよい。
【0023】
伸縮式ブーム14の構造は、従来から知られている伸縮式ブームの構造とほぼ同様であるが、後述のアクチュエータ2の構造及び動作に関する説明の便宜のため、以下、先端ブーム要素141及び中間ブーム要素142の構造について説明する。
【0024】
<先端ブーム要素>
先端ブーム要素141は、
図2A~
図2Eに示すような筒状である。先端ブーム要素141は、アクチュエータ2を収容可能な内部空間を有する。先端ブーム要素141は、基端部に、一対のシリンダピン受部141a及び一対のブームピン受部141bを有する。
【0025】
一対のシリンダピン受部141aは、先端ブーム要素141の基端部に、互いに同軸に設けられている。一対のシリンダピン受部141aはそれぞれ、伸縮シリンダ3のシリンダ部材32に設けられた一対のシリンダ連結ピン454a、454b(第一連結部材ともいう。)と係脱可能である。つまり、一対のシリンダピン受部141aは、一対のシリンダ連結ピン454a、454bと係合する係合状態、及び、一対のシリンダ連結ピン454a、454bとの係合が解除された離脱状態の何れか一方の状態を取り得る。
【0026】
シリンダ連結ピン454a、454bは、後述のアクチュエータ2が備えるシリンダ連結機構45の作動に基づいて、自身の軸方向に移動する。一対のシリンダ連結ピン454a、454bと一対のシリンダピン受部141aとが係合した状態で、先端ブーム要素141は、シリンダ部材32とともに伸縮方向に移動可能である。
【0027】
一対のブームピン受部141bは、シリンダピン受部141aよりも基端側に、互いに同軸に設けられている。ブームピン受部141bはそれぞれ、一対のブーム連結ピン144a(第二連結部材ともいう。)と係脱可能である。つまり、一対のブームピン受部141bは、一対のブーム連結ピン144aと係合する係合状態、及び、一対のブーム連結ピン144aとの係合が解除された離脱状態の何れか一方の状態を取り得る。
【0028】
一対のブーム連結ピン144aはそれぞれ、先端ブーム要素141と中間ブーム要素142とを連結する。一対のブーム連結ピン144aは、アクチュエータ2が備えるブーム連結機構46の作動に基づいて、自身の軸方向に移動する。一対のブーム連結ピン144aは、ブーム連結機構46(
図3B参照)の構成部材と捉えてもよい。
【0029】
先端ブーム要素141と中間ブーム要素142とが一対のブーム連結ピン144aにより連結された状態で、先端ブーム要素141のブームピン受部141bと、後述の中間ブーム要素142の第一ブームピン受部142b又は第二ブームピン受部142cとに、ブーム連結ピン144aが架け渡されるように挿通される。
【0030】
先端ブーム要素141と中間ブーム要素142とが連結した状態(連結状態ともいう。)において、先端ブーム要素141は、中間ブーム要素142に対する伸縮方向への移動が禁止される。
【0031】
一方、先端ブーム要素141と中間ブーム要素142との連結が解除された状態(非連結状態ともいう。)において、先端ブーム要素141は、中間ブーム要素142に対する伸縮方向への移動が可能である。
【0032】
<中間ブーム要素>
中間ブーム要素142は、
図2A~
図2Eに示すような筒状である。中間ブーム要素142は、先端ブーム要素141を収容可能な内部空間を有する。中間ブーム要素142は、基端部に、一対のシリンダピン受部142a、一対の第一ブームピン受部142b、に一対の第二ブームピン受部142c、及び一対の第三ブームピン受部142dを有する。
【0033】
一対のシリンダピン受部142a及び一対の第一ブームピン受部142bはそれぞれ、先端ブーム要素141が有する一対のシリンダピン受部141a及び一対のブームピン受部141bとほぼ同様である。
【0034】
一対の第三ブームピン受部142dは、一対の第一ブームピン受部142bよりも基端側に、互いに同軸に設けられている。一対の第三ブームピン受部142dにはそれぞれ、一対のブーム連結ピン144bが挿通される。一対のブーム連結ピン144bは、中間ブーム要素142と基端ブーム要素143とを連結する。
【0035】
一対の第二ブームピン受部142cは、中間ブーム要素142の先端部に、互いに同軸に設けられている。一対の第二ブームピン受部142cにはそれぞれ、一対のブーム連結ピン144aが挿通される。
【0036】
<アクチュエータ>
以下、
図3A~
図18Cを参照して、アクチュエータ2について説明する。アクチュエータ2は、上述したような伸縮式ブーム14(
図1及び
図2A~
図2E参照)を伸縮させるアクチュエータである。
【0037】
アクチュエータ2は、伸縮シリンダ3及びピン移動モジュール4を有する。アクチュエータ2は、伸縮式ブーム14の収縮状態(
図2Aに示す状態)において、先端ブーム要素141の内部空間に配置されている。
【0038】
<伸縮シリンダ>
伸縮シリンダ3は、ロッド部材31(固定側部材ともいう。
図2A~
図2E参照)及びシリンダ部材32(可動側部材ともいう。)を有する。伸縮シリンダ3は、後述のシリンダ連結ピン454a、454bを介してシリンダ部材32に連結されたブーム要素(例えば、先端ブーム要素141又は中間ブーム要素142)を伸縮方向に移動させる。伸縮シリンダ3の構造は、従来から知られている伸縮シリンダの構造とほぼ同様であるため、詳しい説明は省略する。
【0039】
<ピン移動モジュール>
ピン移動モジュール4は、ハウジング40、電動モータ41、ブレーキ機構42、伝達機構43、位置情報検出装置44、シリンダ連結機構45、ブーム連結機構46、及び、ロック機構47を有する(
図8参照)。
【0040】
以下、アクチュエータ2を構成する各部材については、アクチュエータ2に組み込まれた状態を基準として説明する。また、アクチュエータ2の説明において、各図に示す直交座標系(X,Y,Z)を使用する。ただし、アクチュエータ2を構成する各部の配置は、本実施形態の配置に限定されない。
【0041】
各図に示す直交座標系において、X方向は、移動式クレーン1に搭載された状態の伸縮式ブーム14の伸縮方向に一致する。X方向+側は、伸縮方向における伸長方向ともいう。X方向-側は、伸縮方向における収縮方向ともいう。また、Z方向は、例えば、伸縮式ブーム14の起伏角度がゼロの状態(伸縮式ブーム14の倒伏状態ともいう。)において、移動式クレーン1の上下方向に一致する。Y方向は、例えば、伸縮式ブーム14が前方を向いた状態において、移動式クレーン1の車幅方向に一致する。ただし、Y方向とZ方向とは、互いに直交する2方向であれば上述の方向に限定されない。
【0042】
<ハウジング>
ハウジング40は、伸縮シリンダ3のシリンダ部材32に固定されている。ハウジング40は、内部空間に、シリンダ連結機構45及びブーム連結機構46を収容している。ハウジング40は、伝達機構43を介して電動モータ41を支持している。さらに、ハウジング40は、後述のブレーキ機構42も支持している。このようなハウジング40は、上述の各エレメントをユニット化している。このような構成は、ピン移動モジュール4の小型化、生産性の向上、及び、システムの信頼性の向上に寄与する。
【0043】
具体的には、ハウジング40は、箱状の第一ハウジング要素400及び箱状の第二ハウジング要素401を有する。
【0044】
第一ハウジング要素400は、内部空間に、後述のシリンダ連結機構45を収容している。第一ハウジング要素400には、ロッド部材31がX方向に挿通されている。第一ハウジング要素400のX方向+側(
図4中の左側及び
図7中の右側)の側壁には、シリンダ部材32の端部が固定されている。
【0045】
第一ハウジング要素400は、Y方向両側の側壁に、貫通孔400a、400b(
図3B、
図7参照)を有する。貫通孔400a、400bにはそれぞれ、シリンダ連結機構45の一対のシリンダ連結ピン454a、454bが挿通されている。
【0046】
第二ハウジング要素401は、第一ハウジング要素400のZ方向+側に設けられている。第二ハウジング要素401は、内部空間に、後述のブーム連結機構46を収容している。第二ハウジング要素401には、後述の伝達機構43の第二伝達軸433(
図8参照)がX方向に挿通されている。
【0047】
第二ハウジング要素401は、Y方向両側の側壁に、貫通孔401a、401b(
図3B、
図7参照)を有する。貫通孔401a、401bにはそれぞれ、ブーム連結機構46の一対の第二ラックバー461a、461bが挿通されている。
【0048】
<電動モータ>
電動モータ41は、電気的駆動源の一例に該当し、伝達機構43の減速機431を介して、ハウジング40に支持されている。具体的には、電動モータ41は、出力軸(図示省略)がX方向(シリンダ部材32の長手方向ともいう。)に平行な状態で、シリンダ部材32の周囲(例えば、Z方向+側)かつ第二ハウジング要素401の周囲(例えば、X方向-側)に配置されている。このような配置は、Y方向及びZ方向におけるピン移動モジュール4の小型化に寄与する。
【0049】
以上のような電動モータ41は、電力供給用のケーブルを介して、例えば、旋回台12に設けられた電源装置61(
図16A~
図16D参照)と接続されている。また、電動モータ41は、制御信号伝送用のケーブルを介して、例えば、旋回台12に設けられた制御部44b(
図1参照)と接続される。
【0050】
上述の各ケーブルは、伸縮式ブーム14の基端部の外部又は旋回台12(
図1参照)に設けられたコードリールにより、繰り出し及び巻き取り可能である。
【0051】
また、電動モータ41は、手動ハンドル(図示省略)により操作可能な手動操作部410(
図3B参照)を有する。手動操作部410は、ピン移動モジュール4の状態遷移を、手動で行うためのものである。故障時などに、上記手動ハンドルにより手動操作部410を回すと、電動モータ41の出力軸が回転してピン移動モジュール4の状態が遷移する。
【0052】
なお、電動モータは、1個であってもよいし、複数個(例えば、2個)であってもよい。電動モータが1個の場合には、本実施形態のように、1個の電動モータ41により、シリンダ連結機構45及びブーム連結機構46を作動させる。また、電動モータが複数(例えば、2個)の場合には、第一電動モータ(不図示)によりシリンダ連結機構45を作動させ、第二電動モータ(不図示)によりブーム連結機構46を作動させてよい。
【0053】
尚、本実施形態の場合、電気的駆動源は、既述の電動モータ41である。ただし、電気的駆動源は、電動モータに限定されない。例えば、電気的駆動源は、電源からの通電に基づいて、駆動力を発生する種々の駆動源であってよい。
【0054】
<ブレーキ機構>
ブレーキ機構42は、電動モータ41に対して制動力を付与する。ブレーキ機構42は、電動モータ41の停止状態において、電動モータ41の出力軸の回転を阻止する。これにより、電動モータ41の停止状態において、ピン移動モジュール4の状態が維持される。
【0055】
また、ブレーキ機構42は、制動時において、シリンダ連結機構45又はブーム連結機構46に所定の大きさの外力が作用した場合には、電動モータ41の回転(つまり、滑り)を許容してよい。このような構成は、アクチュエータ2を構成する電動モータ41及び各ギヤなどの損傷防止に寄与する。なお、このような構成を採用する場合には、ブレーキ機構42として、例えば、摩擦ブレーキを採用できる。
【0056】
具体的には、ブレーキ機構42は、後述のシリンダ連結機構45の縮小状態又はブーム連結機構46の縮小状態において作動して、シリンダ連結機構45及びブーム連結機構46の状態を維持する。
【0057】
ブレーキ機構42は、後述の伝達機構43よりも前段に配置されている。具体的には、ブレーキ機構42は、電動モータ41よりもX方向-側(つまり、電動モータ41を中心として伝達機構43と反対側)に、電動モータ41の出力軸と同軸に配置されている(
図3B参照)。
【0058】
このような配置は、Y方向及びZ方向におけるピン移動モジュール4の小型化に寄与する。なお、前段とは、電動モータ41の動力がシリンダ連結機構45又はブーム連結機構46に伝達される伝達経路において、上流側(電動モータ41に近い側)を意味する。一方、後段とは、電動モータ41の動力がシリンダ連結機構45又はブーム連結機構46に伝達される伝達経路において、下流側(電動モータ41から遠い側)を意味する。
【0059】
電動モータ41の停止状態を維持するために必要なブレーキトルクは、ブレーキ機構42が伝達機構43よりも前段に配置される構成の方が、ブレーキ機構42が伝達機構43(後述の減速機431)よりも後段に配置される構成よりも小さい。このような理由から、ブレーキ機構42が伝達機構43より前段に配置される構成は、ブレーキ機構42の小型化に寄与する。
【0060】
なお、ブレーキ機構42は、機械式又は電磁式などの各種ブレーキ装置であってよい。また、ブレーキ機構42の位置は、本実施形態の位置に限定されない。
【0061】
<伝達機構>
伝達機構43は、シリンダ連結機構45及びブーム連結機構46に、電動モータ41の動力(つまり、回転運動)を伝達する。伝達機構43は、
図17A~
図17Cに示すように、減速機431、第一伝達軸432、カップリング6、及び第二伝達軸433を有する。
【0062】
減速機431は、電動モータ41の回転を減速して第一伝達軸432に伝達する。減速機431は、例えば、減速機ケース431aに収容された遊星歯車機構である。減速機431は、電動モータ41の出力軸と同軸に設けられている。このような配置は、Y方向及びZ方向におけるピン移動モジュール4の小型化に寄与する。
【0063】
<第一伝達軸>
第一伝達軸432は、軸状部材であって、外周面の一端部(X方向+側の端部)に係合部432a(
図23A参照)を有する。係合部432aは、例えば、第一伝達軸432の軸方向に延在する突条である。
【0064】
第一伝達軸432の一端部は、後述のカップリング6の駆動側要素61に接続されている。また、第一伝達軸432の他端部(X方向-側の端部)は、減速機431の出力軸(図示省略)に接続されている。第一伝達軸432は、減速機431の出力軸とともに回転する。第一伝達軸432は、電動モータ41の動力に基づいて回転すると捉えてよい。そして、第一伝達軸432は、減速機431の出力軸の回転を、駆動側要素61に伝達する。なお、第一伝達軸432は、減速機431の出力軸と一体であってもよい。
【0065】
<カップリング>
図23A、
図23B、
図24A、及び、
図24Bを参照して、カップリング6について説明する。カップリング6は、駆動側要素61と、従動側要素62と、を有する。
【0066】
<駆動側要素>
駆動側要素61は、駆動側基部611と、駆動側伝達部612と、を有する。
【0067】
駆動側基部611は、例えば、円盤状であってよい。駆動側基部611は、中心に、駆動側基部611を厚さ方向に貫通する貫通孔613を有する。貫通孔613は、内周面に、係止溝614を有する。貫通孔613には、第一伝達軸432の一端部が挿入されている。この状態で、係止溝614は、第一伝達軸432の係合部432aと係合している。従って、第一伝達軸432と駆動側基部611(駆動側要素61)とは、共に回転可能である。駆動側要素61は、電動モータ41の動力に基づいて回転すると捉えてよい。
【0068】
駆動側伝達部612は、駆動側基部611の一端面(X方向+側の面)に設けられている。駆動側伝達部612は、略扇形の凸部である。駆動側伝達部612は、駆動側要素61の周方向における一端面に、第一伝達面615を有する。駆動側伝達部612は、駆動側要素61の周方向における他端面に、第二伝達面616を有する。
【0069】
<従動側要素>
従動側要素62は、従動側基部621と、従動側伝達部622と、を有する。
【0070】
従動側基部621は、例えば、円盤状であってよい。従動側基部621は、中心に、従動側基部621を厚さ方向に貫通する貫通孔623を有する。貫通孔623は、内周面に、係止溝624を有する。貫通孔623には、第二伝達軸433の一端部が挿入されている。この状態で、係止溝624は、第二伝達軸433の係合部433aと係合している。従って、第二伝達軸433と従動側基部621(従動側要素62)とは、共に回転可能である。従動側要素62は、後述のシリンダ連結機構45及びブーム連結機構46に接続されていると捉えてよい。
【0071】
従動側伝達部622は、従動側基部621の一端面(X方向-側の面)に設けられている。従動側伝達部622は、従動側基部621の一端面に設けられた、略扇形の凸部である。従動側伝達部622は、従動側要素62の周方向における一端面に、第一伝達面625を有する。従動側伝達部622は、従動側要素62の周方向における他端面に、第二伝達面626を有する。
【0072】
以上のような駆動側要素61と従動側要素62とは、互いの一端面同士がX方向に対向した状態で、配置されている。駆動側要素61の駆動側伝達部612と、従動側要素62の従動側伝達部622とは、駆動側要素61及び従動側要素62の回転方向(周方向ともいう。)において係合した状態(以下、「係合状態」と称する。)と、回転方向において離れた状態(以下、「非係合状態」と称する。)と、を取り得る。
【0073】
なお、
図23Aに示す組付状態において、駆動側要素61の駆動側伝達部612と、従動側要素62の従動側基部621との間には、隙間64aが設けられている。また、
図23Aに示す組付状態において、従動側要素62の従動側伝達部622と、駆動側要素61の駆動側基部611との間には、隙間64bが設けられている。つまり、組付状態において、駆動側要素61と従動側要素62とは、X方向において接触していない。このような隙間64a、64bは、駆動側要素61と従動側要素62との間の摺動抵抗を無くすことができる。
【0074】
係合状態において、駆動側要素61と従動側要素62とは、共に回転する。このような係合状態は、駆動側要素61と従動側要素62とが共に回転する、カップリング6の伝達状態に対応する。具体的には、係合状態において、駆動側要素61及び従動側要素62のうちの何れか一方の要素の回転が、他方の要素に伝達することにより、駆動側要素61と従動側要素62とが共に回転する。このような係合状態は、駆動側要素61と従動側要素62との間で動力の伝達が可能なカップリング6の伝達状態に対応する。
【0075】
一方、非係合状態において、駆動側要素61と従動側要素62とは、駆動側要素61及び従動側要素62のうちの一方の要素のみが回転する(空転する)。このような非係合状態は、駆動側要素61及び従動側要素62のうちの何れか一方のみが回転可能なカップリング6の非伝達状態に対応する。
【0076】
カップリング6の動作については、後述のブーム連結機構の動作、及び、シリンダ連結機構の動作の説明とともに、説明する。
【0077】
<第二伝達軸>
第二伝達軸433は、軸状部材であって、外周面の一端部(X方向-側の端部)に、係合部433a(
図23A参照)を有する。係合部433aは、例えば、第二伝達軸433の軸方向に延在する突条である。
【0078】
第二伝達軸433の一端部(X方向-側の端部)は、カップリング6の従動側要素62に接続されている。第二伝達軸433は、X方向に延在し、ハウジング40(具体的には、第二ハウジング要素401)に挿通されている。
【0079】
第二伝達軸433のX方向+側の端部は、ハウジング40よりもX方向+側に突出している。第二伝達軸433のX方向+側の端部には、後述の位置情報検出装置44が設けられている。
【0080】
<位置情報検出装置>
位置情報検出装置44は、電動モータ41の出力(例えば、出力軸の回転)に基づいて、一対のシリンダ連結ピン454a、454b及び一対のブーム連結ピン144a(一対のブーム連結ピン144bでもよい。以下、同じ。)の位置に関する情報を検出する。位置に関する情報は、例えば、一対のシリンダ連結ピン454a、454b又は一対のブーム連結ピン144aの基準位置(
図17A及び
図18Aに示す位置)からの移動量であってよい。
【0081】
具体的には、位置情報検出装置44は、一対のシリンダ連結ピン454a、454bと、ブーム要素(例えば、先端ブーム要素141)の一対のシリンダピン受部141aとの係合状態(例えば、
図2Aに示す状態)又は離脱状態(
図2Eに示す状態)における、一対のシリンダ連結ピン454a、454bの位置に関する情報を検出する。
【0082】
また、位置情報検出装置44は、一対のブーム連結ピン144aと、ブーム要素(例えば、中間ブーム要素142)の一対の第一ブームピン受部142b(一対の第二ブームピン受部142cでもよい。以下、同じ。)との係合状態(例えば、
図2A、
図2Dに示す状態)又は離脱状態(例えば、
図2Bに示す状態)における、一対のブーム連結ピン144aの位置に関する情報を検出する。
【0083】
このように検出された一対のシリンダ連結ピン454a、454b及び一対のブーム連結ピン144a、144bの位置に関する情報は、例えば、電動モータ41の動作制御を含む、アクチュエータ2の各種制御に用いられる。
【0084】
位置情報検出装置44は、検出部44a及び制御部44b(
図17A、18A参照)を有する。
【0085】
検出部44aは、例えば、ロータリエンコーダであって、電動モータ41の出力軸の回転量に応じた情報(例えば、パルス信号、コード信号)を出力する。ロータリエンコーダの出力方式は特に限定されず、測定開始位置からの回転量(回転角度)に応じたパルス信号(相対角度信号)を出力するインクリメンタル方式でもよいし、基準点に対して絶対的な角度位置に対応したコード信号(絶対角度信号)を出力するアブソリュート方式でもよい。
【0086】
検出部44aがアブソリュート方式のロータリエンコーダであれば、制御部44bが、非通電状態から通電状態に復帰した場合でも、位置情報検出装置44は、一対のシリンダ連結ピン454a、454b及び一対のブーム連結ピン144aの位置に関する情報を検出できる。
【0087】
検出部44aは、電動モータ41の出力軸に設けられてよい。また、検出部44aは、電動モータ41の出力軸とともに回転する回転部材(例えば、回転軸、ギヤなど)に設けられてもよい。具体的には、本実施形態の場合、検出部44aは、第二伝達軸433のX方向+側の端部に設けられている。換言すれば、本実施形態の場合、検出部44aは、減速機431よりも後段(つまり、X方向+側)に設けられている。
【0088】
本実施形態の場合、検出部44aは、第二伝達軸433の回転量に応じた情報を出力する。本実施形態の場合、検出部44aとして、第二伝達軸433の回転数(回転速度)に対して十分な分解能が得られるロータリエンコーダを採用する。なお、伝達軸432には、後述のシリンダ連結機構45の第一欠歯歯車450、及び、ブーム連結機構46の第二欠歯歯車460が固定されているため、検出部44aの出力情報は、第一欠歯歯車450及び第二欠歯歯車460の回転量に応じた情報でもある。
【0089】
以上のような構成を有する検出部44aは、検出値を、制御部44bに送る。当該情報を取得した制御部44bは、取得した情報に基づいて一対のシリンダ連結ピン454a、454b又は一対のブーム連結ピン144aの位置に関する情報を算出する。そして、制御部44bは、算出結果に基づいて、電動モータ41を制御する。
【0090】
制御部44bは、例えば、入力端子、出力端子、CPU、及びメモリなどで構成された車載コンピュータである。制御部44bは、検出部44aの出力に基づいて、一対のシリンダ連結ピン454a、454b又はブーム連結ピン144aの位置に関する情報を算出する。
【0091】
具体的には、例えば、制御部44bは、検出部44aの出力と、一対のシリンダ連結ピン454a、454b及び一対のブーム連結ピン144aの位置に関する情報(例えば、基準位置からの移動量)との相関関係を示すデータ(テーブル、マップなど)を用いて、上記位置に関する情報を算出する。
【0092】
検出部44aの出力がコード信号である場合には、各コード信号と、一対のシリンダ連結ピン454a、454b及び一対のブーム連結ピン144aにおける基準位置からの移動量との相関関係を示すデータ(テーブル、マップなど)に基づいて、上記位置に関する情報を算出する。
【0093】
以上のような制御部44bは、旋回台12に設けられている。ただし、制御部44bの位置は、旋回台12に限定されない。制御部44bは、例えば、検出部44aが配置されたケース(図示省略)に設けられてもよい。
【0094】
なお、検出部44aの位置は、本実施形態の位置に限定されない。例えば、検出部44aは、減速機431よりも前段(つまり、X方向-側)に配置されてもよい。すなわち、検出部44aは、減速機431により減速される前の電動モータ41の回転に基づいて、制御部44bに送出する情報を取得してもよい。検出部44aの分解能は、検出部44aが減速機431の前段に配置される構成の方が、検出部44aが減速機431の後段に配置される構成よりも高い。
【0095】
検出部44aは、上述のロータリエンコーダに限定されない。例えば、検出部44aは、リミットスイッチでもよい。リミットスイッチは、減速機431よりも後段に配置される。このようなリミットスイッチは、電動モータ41の出力に基づいて機械的に作動する。あるいは、検出部44aは、近接センサでもよい。近接センサは、減速機431よりも後段に配置される。また、近接センサは、電動モータ41の出力に基づいて回転する部材に対向して配置される。このような近接センサは、上記回転する部材との距離に基づいて信号を出力する。そして、制御部44bは、リミットスイッチ又は近接センサの出力に基づいて、電動モータ41の動作を制御する。
【0096】
<シリンダ連結機構>
シリンダ連結機構45は、作動部の一例に該当し、電動モータ41の動力(つまり、回転運動)に基づいて作動し、拡張状態(第一状態ともいう。
図8、
図12参照)と、縮小状態(第二状態ともいう。
図13参照)との間を状態遷移する。
【0097】
拡張状態において、後述の一対のシリンダ連結ピン454a、454bと、ブーム要素(例えば、先端ブーム要素141)の一対のシリンダピン受部141aとが、係合状態(シリンダピンの入り状態ともいう。)となる。当該係合状態において、ブーム要素とシリンダ部材32とが連結状態となる。
【0098】
一方、縮小状態において、一対のシリンダ連結ピン454a、454bと、一対のシリンダピン受部141a(
図2A~
図2E参照)とが離脱状態(
図2Eに示す状態であって、シリンダピンの抜き状態ともいう。)となる。当該離脱状態において、ブーム要素とシリンダ部材32とが非連結状態となる。
【0099】
以下、シリンダ連結機構45の具体的構成について説明する。シリンダ連結機構45は、
図9~
図13に示すように、第一欠歯歯車450、第一ラックバー451、第一歯車機構452、第二歯車機構453、一対のシリンダ連結ピン454a、454b、及び、第一付勢機構455を有する。上記各エレメント450、451、452、453は、第一駆動機構の構成部材の一例に該当する。
【0100】
なお、本実施形態の場合、シリンダ連結機構45に、一対のシリンダ連結ピン454a、454bが組み込まれている。ただし、一対のシリンダ連結ピン454a、454bは、シリンダ連結機構45から独立して設けられてもよい。
【0101】
<第一欠歯歯車>
第一欠歯歯車450(スイッチギヤともいう。)は、略円輪板状である。第一欠歯歯車450は、外周面の一部に第一歯部450a(
図9参照)を有する。第一欠歯歯車450は、第二伝達軸433に外嵌固定され、第二伝達軸433とともに回転する。
【0102】
このような第一欠歯歯車450は、ブーム連結機構46の第二欠歯歯車460(
図8参照)とともにスイッチギヤを構成する。スイッチギヤは、電動モータ41の動力を、シリンダ連結機構45とブーム連結機構46とのうちの何れか一方の連結機構に択一的に伝達する。
【0103】
なお、本実施形態の場合、スイッチギヤである第一欠歯歯車450及び第二欠歯歯車460はそれぞれ、第一連結機構であるシリンダ連結機構45及び第二連結機構であるブーム連結機構46に組み込まれている。ただし、スイッチギヤは、第一連結機構及び第二連結機構から独立して設けられてもよい。
【0104】
以下の説明において、シリンダ連結機構45が、拡張状態(
図8、
図12、及び、
図17A参照)から縮小状態(
図13及び
図17C参照)に状態遷移する際の、第一欠歯歯車450の回転方向(
図17A~
図17Cに矢印F
2の方向)が、第一欠歯歯車450の回転方向における「前側」である。
【0105】
その一方で、縮小状態から拡張状態に状態遷移する際の、第一欠歯歯車450の回転方向(
図17A~
図17Cに矢印F
1の方向)が、第一欠歯歯車450の回転方向における「後側」である。
【0106】
第一歯部450aを構成する凸部のうち、第一欠歯歯車450の回転方向における最も前側に設けられた凸部が、位置決め歯(図示省略)である。
【0107】
<第一ラックバー>
第一ラックバー451は、第一欠歯歯車450の回転に応じて自身の長手方向(Y方向ともいう。)に移動する。第一ラックバー451は拡張状態(
図8、
図12参照)において、最もY方向-側に位置する。その一方で、第一ラックバー451は、縮小状態(
図13参照)において、最もY方向+側に位置する。
【0108】
拡張状態から縮小状態に状態遷移する際、第一欠歯歯車450が回転方向における前側に回転すると、第一ラックバー451は、Y方向+側(長手方向における一方ともいう。)に移動する。
【0109】
その一方で、縮小状態から拡張状態に状態遷移する際、第一欠歯歯車450が回転方向における後側に回転すると、第一ラックバー451は、Y方向-側(長手方向における他方ともいう。)に移動する。以下、第一ラックバー451の具体的構成について説明する。
【0110】
第一ラックバー451は、例えばY方向に長い軸部材であって、第一欠歯歯車450とロッド部材31との間に配置される。この状態で、第一ラックバー451の長手方向は、Y方向に一致する。
【0111】
第一ラックバー451は、第一欠歯歯車450に近い側(Z方向+側ともいう。)の面に、第一ラック歯部451a(
図8参照)を有する。第一ラック歯部451aは、上述の状態遷移の際にのみ、第一欠歯歯車450の第一歯部450aと噛合する。
【0112】
図8及び
図10に示す拡張状態において、第一ラック歯部451aにおけるY方向+側の第一端面(図示省略)は、第一欠歯歯車450の第一歯部450aにおける位置決め歯(図示省略)と当接、又は僅かな隙間を介してY方向に対向する。
【0113】
拡張状態において、第一欠歯歯車450が回転方向における前側に回転すると、位置決め歯450bが第一端面をY方向+側に押し付けて、第一ラックバー451がY方向+側に移動する。
【0114】
すると、第一歯部450aにおいて位置決め歯よりも回転方向における後側に存在する歯部が、第一ラック歯部451aと噛合する。この結果、第一ラックバー451は、第一欠歯歯車450の回転に応じてY方向+側に移動する。
【0115】
なお、
図8に示す拡張状態から、第一欠歯歯車450が回転方向における後側に回転した場合には、第一ラック歯部451aと第一欠歯歯車450の第一歯部450aとは噛合しない。
【0116】
また、第一ラックバー451は、第一欠歯歯車450から遠い側(Z方向-側ともいう。)の面に、第二ラック歯部451b及び第三ラック歯部451c(
図13参照)を有する。第二ラック歯部451bは、後述の第一歯車機構452と噛合する。その一方で、第三ラック歯部451cは、後述の第二歯車機構453と噛合する。
【0117】
<第一歯車機構>
第一歯車機構452は、それぞれが平歯車である複数(本実施形態の場合、3個)の歯車要素452a、452b、452c(
図8参照)からなる。具体的には、歯車要素452aは、第一ラックバー451の第二ラック歯部451b及び歯車要素452bと噛合している。拡張状態(
図8、
図12参照)において、歯車要素452aは、第一ラックバー451の第二ラック歯部451bにおけるY方向+側の端部又は端部寄り部分の歯部と噛合する。
【0118】
歯車要素452bは、歯車要素452a及び歯車要素452cと噛合している。
【0119】
歯車要素452cは、歯車要素452b及び後述の一方のシリンダ連結ピン454aのピン側ラック歯部454cと噛合している。拡張状態において、歯車要素452cは、一方のシリンダ連結ピン454aのピン側ラック歯部454c(
図8参照)におけるY方向-側の端部と噛合する。
【0120】
<第二歯車機構>
第二歯車機構453は、それぞれが平歯車である複数(本実施形態の場合、2個)の歯車要素453a、453b(
図8参照)からなる。具体的には、歯車要素453aは、第一ラックバー451の第三ラック歯部451c及び歯車要素453bと噛合している。拡張状態において、歯車要素453aは、第一ラックバー451の第三ラック歯部451cにおけるY方向+側の端部と噛合する。
【0121】
歯車要素453bは、歯車要素453a及び後述の他方のシリンダ連結ピン454bのピン側ラック歯部454d(
図8参照)と噛合している。拡張状態において、歯車要素453bは、他方のシリンダ連結ピン454bのピン側ラック歯部454dにおけるY方向+側の端部と噛合している。
【0122】
本実施形態の場合、第一歯車機構452の歯車要素452cの回転方向と、第二歯車機構453の歯車要素453bの回転方向とが反対方向となる。
【0123】
<シリンダ連結ピン>
一対のシリンダ連結ピン454a、454bはそれぞれ、中心軸がY方向に一致し、かつ、互いに同軸である。以下、一対のシリンダ連結ピン454a、454bの説明において、先端部とは、互いに遠い側の端部であり、基端部とは互いに近い側の端部である。
【0124】
一対のシリンダ連結ピン454a、454bはそれぞれ、外周面にピン側ラック歯部454c、454d(
図8参照)を有する。一方(Y方向+側ともいう。)のシリンダ連結ピン454aのピン側ラック歯部454cは、第一歯車機構452の歯車要素452cと噛合している。
【0125】
一方のシリンダ連結ピン454aは、第一歯車機構452における歯車要素452cの回転にともない、自身の軸方向(つまり、Y方向)に移動する。具体的には、一方のシリンダ連結ピン454aは、縮小状態から拡張状態に状態遷移する際にY方向+側(第二方向ともいう。)に移動する。一方で、一方のシリンダ連結ピン454aは、拡張状態から縮小状態に状態遷移する際にY方向-側(第一方向ともいう。)に移動する。
【0126】
他方(Y方向-側ともいう。)のシリンダ連結ピン454bのピン側ラック歯部454dは、第二歯車機構453の歯車要素453bと噛合している。他方のシリンダ連結ピン454bは、第二歯車機構453における歯車要素453bの回転にともない、自身の軸方向(つまり、Y方向)に移動する。
【0127】
具体的には、他方のシリンダ連結ピン454bは、縮小状態から拡張状態に状態遷移する際、Y方向-側(第二方向ともいう。)に移動する。その一方で、他方のシリンダ連結ピン454bは、拡張状態から縮小状態に状態遷移する際、Y方向+側(第一方向ともいう。)に移動する。つまり、上述の状態遷移において、一対のシリンダ連結ピン454a、454bは、Y方向において互いに反対方向に移動する。
【0128】
一対のシリンダ連結ピン454a、454bはそれぞれ、第一ハウジング要素400の貫通孔400a、400bに挿通されている。この状態で、一対のシリンダ連結ピン454a、454bの先端部はそれぞれ、第一ハウジング要素400の外部に突出している。
【0129】
<第一付勢機構>
第一付勢機構455は、シリンダ連結機構45の縮小状態において、電動モータ41が非通電状態となった場合に、シリンダ連結機構45を拡張状態に自動復帰させる。このために、第一付勢機構455は、一対のシリンダ連結ピン454a、454bを、互いに離れる方向に付勢している。なお、第一付勢機構455は、シリンダ連結ピン454a、454bに直接的に力を作用させてもよいし、他の部材を介して力を作用させてもよい。また、第一付勢機構455は、省略されてもよい。この場合には、シリンダ連結機構45は、電動モータ41の動力に基づいて、縮小状態から拡張状態へと状態遷移してよい。
【0130】
具体的には、第一付勢機構455は、一対のコイルばね455a、455b(
図8参照)により構成されている。一対のコイルばね455a、455bはそれぞれ、一対のシリンダ連結ピン454a、454bを、先端側に向けて付勢している。一対のコイルばね455a、455bはそれぞれ、第一付勢部材の一例に該当する。
【0131】
なお、ブレーキ機構42が作動している場合には、シリンダ連結機構45は自動復帰しない。
【0132】
【0133】
図17Aは、シリンダ連結機構45の拡張状態、かつ、一対のシリンダ連結ピン454a、454bと先端ブーム要素141の一対のシリンダピン受部141aとの係合状態を示す模式図である。
図17Bは、シリンダ連結機構45が拡張状態から縮小状態へと状態遷移する途中の状態を示す模式図である。さらに、
図17Cは、シリンダ連結機構45の縮小状態、かつ、一対のシリンダ連結ピン454a、454bと先端ブーム要素141の一対のシリンダピン受部141aとの離脱状態を示す模式図である。
【0134】
シリンダ連結機構45は、電動モータ41の動力(つまり、回転運動)に基づいて、拡張状態(
図8、
図12、
図17A参照)と、縮小状態(
図13、
図17C参照)との間を状態遷移する。以下、
図17A~
図17Cを参照しつつ、シリンダ連結機構45が、拡張状態から縮小状態に状態遷移する際の各部の動作を説明する。
【0135】
なお、
図17A~
図17Cにおいて、第一欠歯歯車450と第二欠歯歯車460とは、一体型欠歯歯車として模式的に示されている。以下、説明の便宜のため、この一体型欠歯歯車を、第一欠歯歯車450として説明する。また、
図17A~
図17Cにおいて、後述のロック機構47は省略されている。
【0136】
<シリンダ連結機構:拡張状態 → 縮小状態>
シリンダ連結機構45が拡張状態から縮小状態へと状態遷移する際、電動モータ41の動力は、以下の第一経路及び第二経路で一対のシリンダ連結ピン454a、454bに伝達される。
【0137】
第一経路は、第一欠歯歯車450 → 第一ラックバー451 → 第一歯車機構452 → 一方のシリンダ連結ピン454aの経路である。
【0138】
その一方で、第二経路は、第一欠歯歯車450 → 第一ラックバー451 → 第二歯車機構453 → 他方のシリンダ連結ピン454bの経路である。
【0139】
具体的には、電動モータ41の出力軸が第一方向に回転すると、減速機431及び第一伝達軸432を介して、カップリング6の駆動側要素61が第一方向(
図19Aの矢印A
6aの方向)に回転する。なお、
図19Aに示す駆動側要素61及び従動側要素62の位置を、カップリング6における中立位置と定義する。カップリング6における中立位置は、駆動側要素61と従動側要素62とが係合してない状態を意味する。従って、カップリング6の中立位置に対応する駆動側要素61の位置は、
図19Aの位置に限定されない。
【0140】
電動モータ41が第一方向に回転すると、まず駆動側要素61のみが回転する。この際、従動側要素62は停止している。そして、電動モータ41の回転にともない駆動側要素61が、
図19Cの位置まで回転すると、駆動側要素61の第一伝達面615が、従動側要素62の第一伝達面625に当接する。この状態で、駆動側要素61と従動側要素62とが、係合する。なお、
図19A及び
図19Bに示す状態は、カップリング6の非伝達状態の一例に該当する。
【0141】
図19Cの状態からさらに電動モータ41が回転すると、駆動側要素61と従動側要素62とが、ともに第一方向に回転する。つまり、駆動側要素61の回転が、従動側要素62に伝達される。なお、
図19C及び
図19Dに示す状態は、カップリング6の伝達状態の一例に該当する。
【0142】
上述のような駆動側要素61及び従動側要素62の回転にともない、第一経路及び第二経路において、第一欠歯歯車450が回転方向の前側(
図17Aに矢印F
2の方向)に回転する。なお、
図19A~
図19Cの矢印A
6aの方向は、
図17Aの矢印F
2の方向に対応する。
【0143】
第一経路及び第二経路において、第一欠歯歯車450が回転方向の前側に回転すると、当該回転に応じて、第一ラックバー451がY方向+側(
図17A~
図17Cの右側)に移動する。
【0144】
そして、第一経路において、第一ラックバー451がY方向+側に移動すると、第一歯車機構452を介して、一方のシリンダ連結ピン454aがY方向-側(
図17A~
図17Cの左側)に移動する。
【0145】
一方、第二経路において、第一ラックバー451がY方向+側に移動すると、第二歯車機構453を介して、他方のシリンダ連結ピン454bがY方向+側に移動する。つまり、拡張状態から縮小状態への状態遷移の際、一方のシリンダ連結ピン454aと他方のシリンダ連結ピン454bとが互いに近づく方向に移動する。
【0146】
位置情報検出装置44は、一対のシリンダ連結ピン454a、454bが、先端ブーム要素141の一対のシリンダピン受部141aから離脱し、かつ、所定の位置(例えば、
図2E、
図17Cに示す位置)まで移動したことを検出する。そして、検出結果に基づいて、制御部44bは、電動モータ41の動作を停止する。
【0147】
一対のシリンダ連結ピン454a、454bが所定の位置に移動した状態において、駆動側要素61及び従動側要素62は、
図19Dに示す状態となる。この状態において、従動側要素62は、ストッパ63aにより、第一方向への回転が規制されて停止する。従動側要素62が停止すると、駆動側要素61も停止する。そして、電動モータ41をOFF状態にするとともに、ブレーキ機構42をON状態にすることにより、シリンダ連結機構45の縮小状態が、維持される。カップリング6は、
図19Dに示す状態で維持される。なお、ストッパ63aは、カップリング6に設けられている必要はない。また、ストッパ63aは、従動側要素62と直接当接して、従動側要素62の矢印A
6aの方向の回転を阻止する部材でなくてもよい。つまり、ストッパ63aは、ストッパ63aと従動側要素62以外の部材とが当接した結果、従動側要素62の矢印A
6aの方向の回転を阻止する部材であってもよい。
【0148】
<シリンダ連結機構:縮小状態 → 拡張状態>
つぎに、シリンダ連結機構45が縮小状態から拡張状態へと状態遷移する際の、シリンダ連結機構45及びカップリング6の動作について、
図17A~
図17C及び
図20A~
図20Dを参照して説明する。
【0149】
シリンダ連結機構45が縮小状態から拡張状態へと状態遷移する際、シリンダ連結機構45は、
図17Cに示す状態から
図17Aに示す状態へと遷移する。
【0150】
まず、
図17Cに示す状態において、電動モータ41のOFF状態を維持しつつ、ブレーキ機構42をOFF状態にする。すると、第一付勢機構455の付勢力に基づいて、一方のシリンダ連結ピン454aと他方のシリンダ連結ピン454bとが互いに離れる方向に移動する。このような一方のシリンダ連結ピン454a及び他方のシリンダ連結ピン454bの移動にともない、第一欠歯歯車450が
図17Cの矢印F
1の方向に回転する。
【0151】
すると、第一欠歯歯車450の回転は、第二伝達軸433を介してカップリング6の従動側要素62に伝達し、従動側要素62は
図20Aの矢印A
6bの方向に回転する。従動側要素62の回転は、駆動側要素61に伝達し、駆動側要素61及び従動側要素62が、
図20Aの矢印A
6bの方向に回転する。なお、
図20Aの矢印A
6bの方向は、
図17A~
図17Cの矢印F
1の方向に対応する。また、なお、
図20A~
図20Cに示す状態は、カップリング6の伝達状態の一例に該当する。
【0152】
従動側要素62は、
図20Bに示す位置を経て、
図20Cに示す位置で、ストッパ63bにより、回転を規制されて停止する。カップリング6が、
図20Aに示す状態から
図20Cに示す状態に遷移する際、シリンダ連結機構45は、
図17Cに示す状態から
図17Bに示す状態を経て、
図17Aに示す状態に遷移する。なお、ストッパ63bは、カップリング6に設けられている必要はない。また、ストッパ63bは、従動側要素62と直接当接して、従動側要素62の矢印A
6bの方向の回転を阻止する部材でなくてもよい。つまり、ストッパ63bは、ストッパ63bと従動側要素62以外の部材とが当接した結果、従動側要素62の矢印A
6bの方向の回転を阻止する部材であってもよい。
【0153】
図20Bに示すカップリング6の状態は、
図17Bに示すシリンダ連結機構45の状態に対応すると捉えてよい。また、
図20Cに示す従動側要素62の位置は、シリンダ連結機構45の拡張状態における、従動側要素62の位置と捉えてよい。
【0154】
従動側要素62が
図20Cに示す位置で停止すると、駆動側要素61は、電動モータ41の慣性力に基づいて、
図20Cに矢印A
6bの方向に、さらに回転する。そして、駆動側要素61は、駆動側要素61の回転にともなう摩擦抵抗に基づいて、
図20Dに矢印A
rが示す範囲で停止する。なお、
図20A~
図20Cに示す状態は、カップリング6の伝達状態の一例に該当する。
【0155】
駆動側要素61の停止位置は、駆動側要素61の第二伝達面616が、従動側要素62の第二伝達面626に当接しない位置(例えば、
図19Aに示す位置)が好ましい。なお、駆動側要素61の第二伝達面616が、従動側要素62の第二伝達面626に当接する場合であっても、従動側要素62が、
図20Dに示す位置から矢印A
6bの方向に回転していなければよい。また、
図20Dに示す状態は、カップリング6の非伝達状態の一例に該当する。
【0156】
上述のような構成を採用する理由について説明する。シリンダ連結機構45の入り動作において、電動モータ41の慣性力に基づいて駆動側要素61が所定量より大きくオーバーランすると、駆動側要素61が従動側要素62に当接して、従動側要素62を
図20Eの矢印A
6bの方向に回転させてしまう。この結果、意図しないブーム連結機構46の抜き動作が起こってしまう可能性がある。
【0157】
そこで、本実施形態の場合、シリンダ連結機構45の入り動作において、駆動側要素61のみが回転し、摩擦抵抗により停止する構成を採用することにより、電動モータ41の慣性力に基づく駆動側要素61のオーバーランを、上記所定量より小さい範囲に規制している。この結果、シリンダ連結機構45の入り動作において、意図しないブーム連結機構46の抜き動作が起こることを防止している。なお、駆動側要素61のオーバーランに関する上記所定量は、シリンダ連結機構45の入り動作において、駆動側要素61がオーバーランして、中立位置にある従動側要素62に当接しない範囲と捉えてよい。
【0158】
なお、ブーム連結機構46が拡張状態から縮小状態に遷移する際、駆動側要素61は、電動モータ41の動力に基づいて、
図20Dに示す位置から、矢印A
6bの方向に回転する。そして、駆動側要素61は、
図20Eで示すように、従動側要素62に当接する。その後、駆動側要素61及び従動側要素62は、
図20Fに示すように、矢印A
6bの方向に回転する。ブーム連結機構46の動作については後述する。
【0159】
<ブーム連結機構>
ブーム連結機構46は、作動部の一例に該当し、電動モータ41の回転に基づいて、拡張状態(第一状態ともいう。
図8、
図13参照)と、縮小状態(第二状態ともいう。
図12参照)との間を状態遷移する。
【0160】
ブーム連結機構46は、拡張状態において、ブーム連結ピン(例えば、一対のブーム連結ピン144a)に対する係合状態及び離脱状態の何れか一方の状態をとる。
【0161】
ブーム連結機構46は、ブーム連結ピンと係合した状態で、拡張状態から縮小状態に状態遷移することにより、ブーム連結ピンをブーム要素から離脱させる。
【0162】
また、ブーム連結機構46は、ブーム連結ピンと係合した状態で、縮小状態から拡張状態に状態遷移することにより、ブーム連結ピンをブーム要素に係合する。
【0163】
以下、ブーム連結機構46の具体的構成について説明する。ブーム連結機構46は、
図8に示すように、第二欠歯歯車460、一対の第二ラックバー461a、461b、同期歯車462(
図17A~
図17C参照)、及び、第二付勢機構463を有する。上記各エレメント460、461a、461b、462は、第二駆動機構の構成部材の一例に該当する。また、一対のブーム連結ピン144a、144bも、第二駆動機構の構成部材の一例に該当する。
【0164】
<第二欠歯歯車>
第二欠歯歯車460(スイッチギヤともいう。)は、略円輪板状であって、外周面における周方向の一部に第二歯部460aを有する。
【0165】
第二欠歯歯車460は、第二伝達軸433において、第一欠歯歯車450よりもX方向+側に外嵌固定され、第二伝達軸433とともに回転する。なお、第二欠歯歯車460は、例えば、
図14A~
図14Dに示す模式図のように、第一欠歯歯車450と一体の欠歯歯車であってもよい。
【0166】
以下、ブーム連結機構46が拡張状態(
図8、
図13参照)から縮小状態(
図12参照)に状態遷移する際の、第二欠歯歯車460の回転方向(
図8に矢印F
1の方向)が、第二欠歯歯車460の回転方向における「前側」である。
【0167】
その一方で、ブーム連結機構46が縮小状態から拡張状態に状態遷移する際の、第二欠歯歯車460の回転方向(
図8に矢印F
2の方向)が、第二欠歯歯車460の回転方向における「後側」である。
【0168】
第二歯部460aを構成する凸部のうち、第二欠歯歯車460の回転方向における最も前側に設けられた凸部が、位置決め歯460b(
図8参照)である。
【0169】
なお、
図8は、X方向+側からピン移動モジュール4を見た図である。したがって、本実施形態の場合、第二欠歯歯車460の回転方向における前後方向は、第一欠歯歯車450の回転方向における前後方向とは逆である。
【0170】
つまり、ブーム連結機構46が拡張状態から縮小状態に状態遷移する際の第二欠歯歯車460の回転方向は、シリンダ連結機構45が拡張状態から縮小状態に状態遷移する際の第一欠歯歯車450の回転方向と逆である。
【0171】
<第二ラックバー>
一対の第二ラックバー461a、461bはそれぞれ、第二欠歯歯車460の回転にともなってY方向(軸方向ともいう。)に移動する。一方(X方向+側ともいう。)の第二ラックバー461aと他方(X方向-側ともいう。)の第二ラックバー461bとは互いに、Y方向において反対方向に移動する。
【0172】
一方の第二ラックバー461aは、拡張状態において、最もY方向-側に位置する。他方の第二ラックバー461bは、拡張状態において、最もY方向+側に位置する。
【0173】
また、一方の第二ラックバー461aは、縮小状態において、最もY方向+側に位置する。他方の第二ラックバー461bは、縮小状態において、最もY方向-側に位置する。
【0174】
なお、一方の第二ラックバー461aのY方向+側への移動、及び、他方の第二ラックバー461bのY方向-側への移動は、例えば、ハウジング40に設けられたストッパ面48(
図14D参照)との当接により規制される。
【0175】
以下、一対の第二ラックバー461a、461bの具体的構成について説明する。一対の第二ラックバー461a、461bはそれぞれ、例えばY方向に長い軸部材であって、互いに平行に配置されている。一対の第二ラックバー461a、461bはそれぞれ、第一ラックバー451よりもZ方向+側に配置されている。また、一対の第二ラックバー461a、461b同士は、X方向において、後述の同期歯車462を中心に配置されている。このような一対の第二ラックバー461a、461bはそれぞれ、長手方向がY方向に一致している。
【0176】
一対の第二ラックバー461a、461bはそれぞれ、X方向に対向する側面に同期用ラック歯部461e、461f(
図17A~
図17C参照)を有する。同期用ラック歯部461e、461fはそれぞれ、同期歯車462に噛合している。
【0177】
同期歯車462が回転すると、一方の第二ラックバー461aと他方の第二ラックバー461bとは、Y方向において反対方向に移動する。
【0178】
一対の第二ラックバー461a、461bはそれぞれ、先端部に、係止爪部461g、461h(係止部ともいう。
図8参照)を有する。このような係止爪部461g、461hは、ブーム連結ピン144a、144bを移動させる際、ブーム連結ピン144a、144bに設けられたピン側受部144c(
図8参照)に係合する。
【0179】
一方の第二ラックバー461aは、第二欠歯歯車460の第一側面(第二欠歯歯車460に近い側面)に、駆動用ラック歯部461c(
図8参照)を有する。駆動用ラック歯部461cは、第二欠歯歯車460の第二歯部460aと噛合している。
【0180】
拡張状態(
図8参照)において、駆動用ラック歯部461cの第一端面461d(Y方向+側の端面)は、第二欠歯歯車460の第二歯部460aにおける位置決め歯460bと当接、又は僅かな隙間を介してY方向に対向する。
【0181】
拡張状態から、第二欠歯歯車460が回転方向における前側に回転すると、位置決め歯460bが第一端面461dをY方向+側に押し付ける。このような押し付けにともない、一方の第二ラックバー461aがY方向+側に移動する。
【0182】
一方の第二ラックバー461aがY方向+側に移動すると、同期歯車462が回転して、他方の第二ラックバー461bがY方向-側(つまり、一方の第二ラックバー461aと反対側)に移動する。
【0183】
<第二付勢機構>
第二付勢機構463は、ブーム連結機構46の縮小状態において、電動モータ41が非通電状態となった場合に、ブーム連結機構46を拡張状態に自動復帰させる。なお、ブレーキ機構42が作動している場合には、ブーム連結機構46は自動復帰しない。また、第二付勢機構463は、省略されてもよい。この場合には、ブーム連結機構46は、電動モータ41の動力に基づいて、縮小状態から拡張状態へと状態遷移してよい。
【0184】
このために第二付勢機構463は、一対の第二ラックバー461a、461bを、互いに離れる方向に付勢する。具体的には、第二付勢機構463は、一対のコイルばね463a、463b(
図17A~17C参照)により構成される。一対のコイルばね463a、463bはそれぞれ、一対の第二ラックバー461a、461bの基端部を、先端側に向けて付勢する。一対のコイルばね463a、463bは、第二付勢部材の一例に該当する。
【0185】
【0186】
図18Aは、ブーム連結機構46の拡張状態、かつ、一対のブーム連結ピン144aと中間ブーム要素142の一対の第一ブームピン受部142bとの係合状態を示す模式図である。
図18Bは、ブーム連結機構46が拡張状態から縮小状態へ状態遷移する途中の状態を示す模式図である。さらに、
図18Cは、ブーム連結機構46の縮小状態、かつ、一対のブーム連結ピン144aと中間ブーム要素142の一対の第一ブームピン受部142bとの離脱状態を示す模式図である。
【0187】
上述のようなブーム連結機構46は、電動モータ41の動力(つまり、回転運動)に基づいて、拡張状態(
図18A参照)と、縮小状態(
図18C参照)との間を状態遷移する。以下、
図18A~
図18Cを参照しつつ、ブーム連結機構46が、拡張状態から縮小状態に状態遷移する際の各部の動作を説明する。
【0188】
なお、
図18A~
図18Cにおいて、第一欠歯歯車450と第二欠歯歯車460とは、一体型欠歯歯車として模式的に示されている。以下、説明の便宜のため、この一体型欠歯歯車を、第二欠歯歯車460として説明する。また、
図18A~
図18Cにおいて、後述のロック機構47は省略されている。
【0189】
<ブーム連結機構:拡張状態 → 縮小状態>
ブーム連結機構46が拡張状態から縮小状態へ状態遷移する際、電動モータ41の動力(つまり、回転運動)は、第二欠歯歯車460 → 一方の第二ラックバー461a → 同期歯車462 → 他方の第二ラックバー461bの経路で伝達される。
【0190】
具体的には、電動モータ41の出力軸が第二方向に回転すると、減速機431及び第一伝達軸432を介して、カップリング6の駆動側要素61が第二方向(
図21Aの矢印A
6bの方向)に回転する。なお、
図21Aに示す位置は、カップリング6における中立位置である。
【0191】
電動モータ41が第二方向に回転すると、まず駆動側要素61のみが回転する。この際、従動側要素62は停止している。そして、電動モータ41の回転にともない駆動側要素61が、
図21Cの位置まで回転すると、駆動側要素61の第二伝達面616が、従動側要素62の第二伝達面626に当接する。この状態で、駆動側要素61と従動側要素62とが、係合する。なお、
図21A及び
図21Bに示す状態は、カップリング6の非伝達状態の一例に該当する。
【0192】
図21Cの状態からさらに電動モータ41が回転すると、駆動側要素61と従動側要素62とが、ともに第二方向に回転する。つまり、駆動側要素61の回転が、従動側要素62に伝達される。なお、
図21C及び
図21Dに示す状態は、カップリング6の伝達状態の一例に該当する。
【0193】
上述のような駆動側要素61及び従動側要素62の回転にともない、第二欠歯歯車460が回転方向の前側(
図8及び
図18A~
図18Cに矢印F
1の方向)に回転する。なお、
図21A~
図21Dの矢印A
6bの方向、
図18Aの矢印F
1の方向に対応する。
【0194】
第二欠歯歯車460が回転方向の前側に回転すると、当該回転に応じて、一方の第二ラックバー461aがY方向+側(
図18A~
図18Cの右側)に移動する。
【0195】
すると、一方の第二ラックバー461aのY方向+側への移動に応じて、同期歯車462が回転する。そして、同期歯車462の回転に応じて、他方の第二ラックバー461bがY方向-側(
図18A~
図18Cの左側)に移動する。
【0196】
一対の第二ラックバー461a、461bが一対のブーム連結ピン144aと係合した状態で、拡張状態から縮小状態に状態遷移すると、一対のブーム連結ピン144aは、中間ブーム要素142の一対の第一ブームピン受部142bから離脱する(
図18C参照)。
【0197】
位置情報検出装置44は、一対のブーム連結ピン144aが、中間ブーム要素142の一対の第一ブームピン受部142bから離脱し、かつ、所定の位置(例えば、
図2B、
図18Cに示す位置)まで移動したことを検出する。そして、この検出結果に基づいて、制御部44bは、電動モータ41の動作を停止する。
【0198】
一対のブーム連結ピン144aが所定の位置に移動した状態において、駆動側要素61及び従動側要素62は、
図21Dに示す状態となる。この状態において、従動側要素62は、ストッパ63cにより、第二方向への回転が規制されて停止する。従動側要素62が停止すると、駆動側要素61も停止する。そして、電動モータ41をOFF状態にするとともに、ブレーキ機構42をON状態にすることにより、ブーム連結機構46の縮小状態が、維持される。カップリング6は、
図21Dに示す状態で維持される。
【0199】
なお、本実施形態の場合、一つのブーム要素(例えば、先端ブーム要素141)において、シリンダ連結ピンの抜き状態とブーム連結ピンの抜き状態とが同時に実現することを防止している。
【0200】
このためにシリンダ連結機構45の状態遷移と、ブーム連結機構46の状態遷移とが同時に起こらないようにしている。
【0201】
具体的には、シリンダ連結機構45において第一欠歯歯車450の第一歯部450aが、第一ラックバー451の第一ラック歯部451aと噛合している場合には、ブーム連結機構46において第二欠歯歯車460の第二歯部460aは、一方の第二ラックバー461aの駆動用ラック歯部461cと噛合しない。
【0202】
また、逆に言えば、ブーム連結機構46において第二欠歯歯車460の第二歯部460aが、一方の第二ラックバー461aの駆動用ラック歯部461cと噛合している場合には、シリンダ連結機構45において第一欠歯歯車450の第一歯部450aは、第一ラックバー451の第一ラック歯部451aと噛合しない。
【0203】
<ブーム連結機構:縮小状態 → 拡張状態>
つぎに、ブーム連結機構46が縮小状態から拡張状態へと状態遷移する際の、ブーム連結機構46及びカップリング6の動作について、
図18A~
図18C及び
図22A~
図22Dを参照して説明する。
【0204】
ブーム連結機構46が縮小状態から拡張状態へと状態遷移する際、ブーム連結機構46は、
図18Cに示す状態から
図18Aに示す状態へと遷移する。
【0205】
まず、
図18Cに示す状態において、電動モータ41のOFF状態を維持しつつ、ブレーキ機構42をOFF状態にする。すると、第二付勢機構463の付勢力に基づいて、一対のブーム連結ピン144aが互いに離れる方向に移動する。このような一対のブーム連結ピン144aの移動にともない、第二欠歯歯車460が
図18Cの矢印F
2の方向に回転する。
【0206】
すると、第二欠歯歯車460の回転は、第二伝達軸433を介してカップリング6の従動側要素62に伝達し、従動側要素62は
図22Aの矢印A
6aの方向に回転する。従動側要素62の回転は、駆動側要素61に伝達し、駆動側要素61及び従動側要素62が、
図22Aの矢印A
6aの方向に回転する。なお、
図22Aの矢印A
6aの方向は、
図18A~
図18Cの矢印F
2の方向に対応する。また、なお、
図22A~
図22Cに示す状態は、カップリング6の伝達状態の一例に該当する。
【0207】
従動側要素62は、
図22Bに示す位置を経て、
図22Cに示す位置で、ストッパ63dにより、回転を規制されて停止する。カップリング6が、
図22Aに示す状態から
図22Cに示す状態に遷移する際、ブーム連結機構46は、
図18Cに示す状態から
図18Bに示す状態を経て、
図18Aに示す状態に遷移する。なお、
図22A及び
図22Bに示す状態は、カップリング6の伝達状態の一例に該当する。
【0208】
図22Bに示すカップリング6の状態は、
図18Bに示すブーム連結機構46の状態に対応すると捉えてよい。また、
図22Cに示す従動側要素62の位置は、ブーム連結機構46の拡張状態における、従動側要素62の位置と捉えてよい。
【0209】
従動側要素62が
図22Cに示す位置で停止すると、駆動側要素61は、電動モータ41の慣性力に基づいて、
図22Cに矢印A
6aの方向に、さらに回転する。そして、駆動側要素61は、駆動側要素61の回転にともなう摩擦抵抗に基づいて、
図22Dに矢印A
rが示す範囲で停止する。
【0210】
駆動側要素61の停止位置は、駆動側要素61の第一伝達面615が、従動側要素62の第一伝達面625に当接しない位置(例えば、
図21Aに示す位置)が好ましい。なお、駆動側要素61の第一伝達面615が、従動側要素62の第一伝達面625に当接する場合であっても、従動側要素62が、
図22Dに示す位置から矢印A
6aの方向に回転していなければよい。また、
図22C及び
図22Dに示す状態は、カップリング6の非伝達状態の一例に該当する。
【0211】
上述のような構成を採用する理由について説明する。ブーム連結機構46の入り動作において、電動モータ41の慣性力に基づいて駆動側要素61が所定量より大きくオーバーランすると、駆動側要素61が従動側要素62に当接して、従動側要素62を
図22Eに矢印A
6aの方向に回転させてしまう。この結果、意図しないシリンダ連結機構45の抜き動作が起こってしまう可能性がある。
【0212】
そこで、本実施形態の場合、ブーム連結機構46の入り動作において、駆動側要素61のみが回転し、摩擦抵抗により停止する構成を採用することにより、電動モータ41の慣性力に基づく駆動側要素61のオーバーランを、上記所定量より小さい範囲に規制している。この結果、ブーム連結機構46の入り動作において、意図しないシリンダ連結機構46の抜き動作が起こることを防止している。なお、駆動側要素61のオーバーランに関する上記所定量は、シリンダ連結機構45の入り動作において、駆動側要素61がオーバーランして、中立位置にある従動側要素62に当接しない範囲と捉えてよい。
【0213】
なお、シリンダ連結機構45が拡張状態から縮小状態に遷移する際、駆動側要素61は、電動モータ41の動力に基づいて、
図22Dに示す位置から、矢印A
6aの方向に回転する。そして、駆動側要素61は、
図22Eで示すように、従動側要素62に当接する。その後、駆動側要素61及び従動側要素62は、
図22Fに示すように、矢印A
6aの方向に回転する。シリンダ連結機構45の動作について、既述の通りである。
【0214】
ただし、作動部は、シリンダ連結機構45及びブーム連結機構46に限定されない。作動部は、電気的駆動源の動力に基づいて作動する種々の機構であってよい。
【0215】
<ロック機構>
以上のように、本実施形態に係るアクチュエータ2は、ブーム連結機構46及びシリンダ連結機構45の構成に基づいて、一つのブーム要素(例えば、先端ブーム要素141)において、シリンダ連結ピンの抜き状態とブーム連結ピンの抜き状態とが、同時に実現されない。このような構成は、電動モータ41の動力に基づいて、ブーム連結機構46とシリンダ連結機構45とが同時に作動することを防止する。
【0216】
このような構成とともに、本実施形態に係るアクチュエータ2は、シリンダ連結機構45(例えば、第一ラックバー451)又はブーム連結機構46(例えば、第二ラックバー461a)に、電動モータ41以外の外力が作用した場合に、シリンダ連結機構45とブーム連結機構46とが同時に状態遷移することを防止するロック機構47を有する。
【0217】
このようなロック機構47は、ブーム連結機構46とシリンダ連結機構45とのうちの一方の連結機構が作動している状態において、他方の連結機構の作動を阻止する。以下、ロック機構47の具体的構造について、
図14A~
図14Dを参照して説明する。なお、
図14A~
図14Dは、ロック機構47の構造を説明するための模式図である。
【0218】
また、
図14A~
図14Dにおいて、シリンダ連結機構45の第一欠歯歯車450と、ブーム連結機構46の第二欠歯歯車460とを一体に形成した一体型欠歯歯車49(スイッチギヤともいう。)により構成される。このような一体型欠歯歯車49は、略円輪板状であって、外周面の一部に歯部49aを有する。その他の部分の構造は、前述した本実施形態の構造と同様である。
【0219】
ロック機構47は、第一凸部470、第二凸部471、及び、カム部材472(ロック側回転部材ともいう。)を有する。
【0220】
第一凸部470は、シリンダ連結機構45の第一ラックバー451に一体に設けられている。具体的には、第一凸部470は、第一ラックバー451の第一ラック歯部451aに隣接する位置に設けられている。
【0221】
第二凸部471は、ブーム連結機構46の一方の第二ラックバー461aに一体に設けられている。具体的には、第二凸部471は、一方の第二ラックバー461aの駆動用ラック歯部461cに隣接する位置に設けられている。
【0222】
カム部材472は、略三日月形状の板状部材である。このようなカム部材472は、周方向における一端に第一カム受部472aを有する。その一方で、カム部材472は、周方向における他端に第二カム受部472bを有する。
【0223】
カム部材472は、例えば、第二伝達軸433において、一体型欠歯歯車49が外嵌固定されている位置からX方向にずれた位置に外嵌固定されてよい。なお、本実施形態の場合、カム部材472は、第一欠歯歯車450と第二欠歯歯車460との間に外嵌固定されている。つまり、カム部材472と一体型欠歯歯車49とは同軸に設けられている。このようなカム部材472は、第二伝達軸433とともに回転する。したがって、カム部材472は、一体型欠歯歯車49とともに、伝達軸432の中心軸周りに回転する。
【0224】
なお、カム部材472は、一体型欠歯歯車49と一体であってもよい。また、本実施形態の場合には、カム部材472は、第一欠歯歯車450及び第二欠歯歯車460の少なくとも一方の欠歯歯車と一体であってもよい。
【0225】
図14B~
図14D、及び、
図15Aに示すように、一体型欠歯歯車49の歯部49a(第二欠歯歯車460の第二歯部460aでもある。)が、一方の第二ラックバー461aの駆動用ラック歯部461cと噛合する状態で、カム部材472の第一カム受部472aが、第一凸部470よりもY方向+側に位置する。なお、この際、一体型欠歯歯車49の歯部49aは、第一ラックバー451の第一ラック歯部451aと噛合しない。
【0226】
この状態で、第一カム受部472aと第一凸部470とは、Y方向のわずかな隙間を介して対向する(
図15A参照)。これにより、第一ラックバー451にY方向+側の外力(
図15Aに矢印F
aの方向の力)が加わった場合でも、第一ラックバー451のY方向+側への移動が防止される。
【0227】
具体的には、第一ラックバー451にY方向+側の外力F
aが加わると、第一ラックバー451は、
図15Aに二点鎖線で示す位置から実線で示す位置までY方向+側に移動する。この状態において、第一凸部470が、第一カム受部472aに当接して、第一ラックバー451のY方向+側への移動が防止される。
【0228】
なお、
図14B~14Dに示す状態では、カム部材472の外周面と第一凸部470とが、Y方向のわずかな隙間を介して対向する。これにより、第一ラックバー451にY方向+側の外力が加わった場合でも、第一ラックバー451のY方向+側への移動が防止される。
【0229】
その一方で、
図15Bに示すように、一体型欠歯歯車49の歯部49a(シリンダ連結機構45における第一欠歯歯車450の第一歯部450a)が、第一ラックバー451の第一ラック歯部451aと噛合する状態では、カム部材472の第二カム受部472bが、第二凸部471よりもY方向+側に位置する。
【0230】
この状態(
図15Bに二点鎖線で示す状態)で、第二カム受部472bと第二凸部471とは、Y方向のわずかな隙間を介して対向する。これにより、一方の第二ラックバー461aにY方向+側の外力(
図15Bに矢印F
b)が加わった場合でも、一方の第二ラックバー461aのY方向+側への移動が防止される。
【0231】
具体的には、一方の第二ラックバー461aにY方向+側の外力F
bが加わると、一方の第二ラックバー461aは、
図15Bに二点鎖線で示す位置から実線で示す位置までY方向+側に移動する。この状態において、第二凸部471が、第二カム受部472bに当接して、一方の第二ラックバー461aのY方向+側への移動が防止される。
【0232】
<アクチュエータの動作>
以下、
図2A~
図2E、及び、
図16を参照して、伸縮式ブーム14の伸縮動作、及び、当該伸縮動作の際のアクチュエータ2の動作について説明する。
【0233】
図16は、伸縮式ブーム14における先端ブーム要素141の伸長動作の際のタイミングチャートである。
【0234】
本実施形態に係るアクチュエータ2は、1台の電動モータ41の回転方向の切り換え、及び、電動モータ41の駆動力をシリンダ連結機構45とブーム連結機構46とに振り分けるスイッチギヤ(つまり、第一欠歯歯車450及び第二欠歯歯車460)により、シリンダ連結ピン454a、454bの抜き動作、及びブーム連結ピン144aの抜き動作を択一的に実現する。
【0235】
以下、伸縮式ブーム14における先端ブーム要素141の伸長動作についてのみ説明する。なお、先端ブーム要素141の収縮動作は、以下の伸縮動作の手順とは逆である。
【0236】
なお、以下の説明において、シリンダ連結機構45及びブーム連結機構46の拡張状態と縮小状態との間の状態遷移は、前述の通りである。このため、シリンダ連結機構45及びブーム連結機構46の状態遷移に関する詳しい説明は省略する。
【0237】
また、電動モータ41のON/OFFの切り換え、及び、ブレーキ機構42のON/OFFの切り換えは、上述の位置情報検出装置44の出力に基づいて、制御部が制御する。
【0238】
図2Aは、伸縮式ブーム14の収縮状態を示している。この状態では、先端ブーム要素141は、中間ブーム要素142に対してブーム連結ピン144aを介して連結される。したがって、先端ブーム要素141は、中間ブーム要素142に対して長手方向(
図2A~
図2Eの左右方向)に移動不能である。
【0239】
また、
図2Aにおいて、シリンダ連結ピン454a、454bの先端部が、先端ブーム要素141の一対のシリンダピン受部141aに係合する。つまり、先端ブーム要素141とシリンダ部材32は、連結状態である。
【0240】
図2Aの状態では、各部材の状態は以下となる(
図16のT0~T1参照)。
ブレーキ機構42 : OFF
電動モータ41 : OFF
シリンダ連結機構45 : 拡張状態
ブーム連結機構46 : 拡張状態
シリンダ連結ピン454a、454b : 入り状態
ブーム連結ピン144a : 入り状態
【0241】
つぎに、
図2Aに示す状態において、電動モータ41を正転(出力軸の先端側からみて時計回りの方向である第一方向に回転)させて、アクチュエータ2のブーム連結機構46により、一対のブーム連結ピン144aを中間ブーム要素142の一対の第一ブームピン受部142bから離脱する方向に移動させる。この際、ブーム連結機構46が、拡張状態から縮小状態へと状態遷移する。
【0242】
図2A~
図2Bへの状態遷移の際の、各部材の状態は以下となる(
図16のT1~T2参照)。
ブレーキ機構42 : OFF
電動モータ41 : ON
シリンダ連結機構45 : 拡張状態
ブーム連結機構46 : 拡張状態→縮小状態
シリンダ連結ピン454a、454b : 入り状態
ブーム連結ピン144a : 入り状態→抜き状態
【0243】
上述の状態遷移にともない、一対のブーム連結ピン144aと、中間ブーム要素142の一対の第一ブームピン受部142bとの係合が解除される(
図2B参照)。その後、ブレーキ機構42をONにするとともに、電動モータ41をOFFにする。
【0244】
なお、電動モータ41をOFFにするタイミングと、ブレーキ機構42をONにするタイミングは、制御部により適宜制御される。例えば、図示は省略するが、ブレーキ機構42をONにした後、電動モータ41をOFFにする。
【0245】
図2Bの状態では、各部材の状態は以下となる(
図16のT2参照)。
ブレーキ機構42 : ON
電動モータ41 : OFF
シリンダ連結機構45 : 拡張状態
ブーム連結機構46 : 縮小状態
シリンダ連結ピン454a、454b : 入り状態
ブーム連結ピン144a : 抜き状態
【0246】
つぎに、
図2Bに示す状態において、アクチュエータ2の伸縮シリンダ3における伸側の油圧室に圧油を供給する。すると、シリンダ部材32が、伸長方向(
図2A~
図2Eの左側)に移動する。
【0247】
上述のようなシリンダ部材32の移動とともに、先端ブーム要素141が伸長方向に移動する(
図2C参照)。この際、各部の状態は、
図16のT2の状態がT3まで維持される。
【0248】
つぎに、
図2Cに示す状態において、ブレーキ機構42を解除する。すると、第二付勢機構463の付勢力に基づいて、ブーム連結機構46は、一対のブーム連結ピン144aを中間ブーム要素142の一対の第二ブームピン受部142cに係合させる方向に移動させる。この際、ブーム連結機構46は、縮小状態から拡張状態へと状態遷移(つまり、自動復帰)する。つまり、ブーム連結機構46の入り動作が行われる。
【0249】
図2C~
図2Dへの状態遷移の際の、各部材の状態は以下となる(
図16のT3~T4参照)。
ブレーキ機構42 : OFF
電動モータ41 : OFF
シリンダ連結機構45 : 拡張状態
ブーム連結機構46 : 縮小状態→拡張状態
シリンダ連結ピン454a、454b : 入り状態
ブーム連結ピン144a : 抜き状態→入り状態
【0250】
すると、
図2Dに示すように、一対のブーム連結ピン144aが、中間ブーム要素142の一対の第二ブームピン受部142cに係合する。
【0251】
図2Dに示す状態における、各部材の状態は以下となる。
ブレーキ機構42 : OFF
電動モータ41 : OFF
シリンダ連結機構45 : 拡張状態
ブーム連結機構46 : 拡張状態
シリンダ連結ピン454a、454b : 入り状態
ブーム連結ピン144a : 入り状態
【0252】
さらに、
図2Dに示す状態において、電動モータ41を第一方向(出力軸の先端側からみて反時計回りの方向)させて、シリンダ連結機構45により、一対のシリンダ連結ピン454a、454bを先端ブーム要素141の一対のシリンダピン受部141aから離脱する方向に移動させる。この際、シリンダ連結機構45が、拡張状態から縮小状態へと状態遷移する。
【0253】
図2D~
図2Eへの状態遷移の際の、各部材の状態は以下となる(
図16のT4~T5参照)。
ブレーキ機構42 : OFF
電動モータ41 : ON
シリンダ連結機構45 : 拡張状態→縮小状態
ブーム連結機構46 : 拡張状態
シリンダ連結ピン454a、454b : 入り状態→抜き状態
ブーム連結ピン144a : 入り状態
【0254】
すると、
図2Eに示すように、一対のシリンダ連結ピン454a、454bの先端部と、先端ブーム要素141の一対のシリンダピン受部141aとの係合が解除される。その後、ブレーキ機構42をONにするとともに、電動モータ41をOFFにする。
【0255】
図2Eに示す状態における、各部材の状態は以下となる(
図16のT5参照)。
ブレーキ機構42 : ON
電動モータ41 : OFF
シリンダ連結機構45 : 縮小状態
ブーム連結機構46 : 拡張状態
シリンダ連結ピン454a、454b : 抜き状態
ブーム連結ピン144a : 入り状態
【0256】
その後、図示は省略するが、アクチュエータ2の伸縮シリンダ3における縮側の油圧室に圧油を供給すると、シリンダ部材32が収縮方向(
図2A~
図2Eの右側)に移動する。この際、先端ブーム要素141とシリンダ部材32とが非連結状態であるため、シリンダ部材32は単独で収縮方向に移動する。中間ブーム要素142を伸長する場合には、中間ブーム要素142に対して
図2A~2Eの動作を行う。
【0257】
<本実施形態の作用・効果>
以上のような構成を有する本実施形態の移動式クレーン1の場合、シリンダ連結機構45の入り動作において、意図しないブーム連結機構46の抜き動作が起こることを防止できる。この理由については既述の通りである。
【0258】
また、本実施形態の移動式クレーン1の場合、ブーム連結機構46の入り動作において、意図しないシリンダ連結機構45の抜き動作が起こることも防止できる。この理由についても既述の通りである。
【0259】
さらに、本実施形態の移動式クレーン1の場合、シリンダ連結機構45及びブーム連結機構46が電動式であるため、伸縮式ブーム14の内部空間に従来構造のような油圧回路を設ける必要がない。したがって、油圧回路が使用していたスペースを有効活用して、伸縮式ブーム14の内部空間における設計の自由度を向上できる。
【0260】
また、本実施形態の場合、シリンダ連結ピン454a、454b及びブーム連結ピン144a、144bの位置検出を、上述の位置情報検出装置44により行う。このため、本実施形態において、シリンダ連結ピン454a、454b及びブーム連結ピン144a、144bの位置検出用の近接センサが不要となる。このような近接センサは、例えば、シリンダ連結ピン454a、454b及びブーム連結ピン144a、144bそれぞれの入り状態及び抜き状態を検出できる位置に設けられる。この場合、近接センサは、シリンダ連結ピン454a、454b及び第二ラックバー461a、461bと少なくとも同数だけ必要となる。一方、本実施形態の場合、上述のような1個の検出部44aを含む位置情報検出装置44(つまり、一台の検出器)により、シリンダ連結ピン454a、454b及びブーム連結ピン144a、144bそれぞれの位置を検出可能である。
【0261】
2019年4月4日出願の特願2019-72147の日本出願に含まれる明細書、図面、及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【0262】
<付記>
本発明に係る作業機は、
伸縮式のブームを伸縮させるアクチュエータと、
アクチュエータに設けられ、電源からの給電に基づいて駆動する電気的駆動源と、
電気的駆動源の動力に基づいて作動する作動部と、を基本的な構成(以下、「基本構成」と称する。)として備えている。
【0263】
又、本発明を実施する場合に、作業機は、追加的に、
電気的駆動源の動力に基づいて回転する第一伝達軸に固定される駆動側要素と、作動部に接続された第二伝達軸に固定される従動側要素とを有し、駆動側要素及び前記従動側要素が共に回転する伝達状態と、駆動側要素及び従動側要素のうち何れか一方のみが回転する非伝達状態と、を取り得る継手を備えてもよい。
【0264】
又、本発明を実施する場合に、ブームは、追加的に、伸縮可能に重なる第一ブーム要素及び第二ブーム要素を有してもよい。
【0265】
又、本発明を実施する場合に、作動部は、追加的に、
電気的駆動源の動力に基づいて作動し、第一ブーム要素とアクチュエータとの連結状態と非連結状態とを切り換える第一連結機構と、
電気的駆動源の動力に基づいて作動し、第一ブーム要素と第二ブーム要素との連結状態と非連結状態とを切り換える第二連結機構と、を備えてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0266】
本発明に係るクレーンは、ラフテレーンクレーンに限らず、例えば、オールテレーンクレーン、トラッククレーン、あるいは積載形トラッククレーン(カーゴクレーンともいう。)などの各種の移動式クレーンであってよい。また、本発明に係るクレーンは、移動式クレーンに限らず、伸縮式のブームを備えるその他のクレーンであってもよい。
【符号の説明】
【0267】
1 移動式クレーン
10 走行体
101 車輪
11 アウトリガ
12 旋回台
14 伸縮式ブーム
141 先端ブーム要素
141a シリンダピン受部
141b ブームピン受部
142 中間ブーム要素
142a シリンダピン受部
142b 第一ブームピン受部
142c 第二ブームピン受部
142d 第三ブームピン受部
143 基端ブーム要素
144a、144b ブーム連結ピン
144c ピン側受部
15 起伏シリンダ
16 ワイヤ
17 フック
2 アクチュエータ
3 伸縮シリンダ
31 ロッド部材
32 シリンダ部材
4 ピン移動モジュール
40 ハウジング
400 第一ハウジング要素
400a、400b 貫通孔
401 第二ハウジング要素
401a、401b 貫通孔
41 電動モータ
410 手動操作部
42 ブレーキ機構
43 伝達機構
431 減速機
431a 減速機ケース
432 第一伝達軸
432a 係合部
433 第二伝達軸
433a 係合部
44 位置情報検出装置
44a 検出部
44b 制御部
45 シリンダ連結機構
450 第一欠歯歯車
450a 第一歯部
450b 位置決め歯
451 第一ラックバー
451a 第一ラック歯部
451b 第二ラック歯部
451c 第三ラック歯部
452 第一歯車機構
452a、452b、452c 歯車要素
453 第二歯車機構
453a、453b 歯車要素
454a、454b シリンダ連結ピン
454c、454d ピン側ラック歯部
455 第一付勢機構
455a、455b コイルばね
46 ブーム連結機構
460 第二欠歯歯車
460a 第二歯部
460b 位置決め歯
461a、461b 第二ラックバー
461c 駆動用ラック歯部
461d 第一端面
461e、461f 同期用ラック歯部
461g、461h 係止爪部
462 同期歯車
463 第二付勢機構
463a、463b コイルばね
47 ロック機構
470 第一凸部
471 第二凸部
472 カム部材
472a 第一カム受部
472b 第二カム受部
48 ストッパ面
49 一体型欠歯歯車
49a 歯部
6 カップリング
61 駆動側要素
611 駆動側基部
612 駆動側伝達部
613 貫通孔
614 係止溝
615 第一伝達面
616 第二伝達面
62 従動側要素
621 従動側基部
622 従動側伝達部
623 貫通孔
624 係止溝
625 第一伝達面
626 第二伝達面
63a、63b、63c、63d ストッパ
64a、64b 隙間