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特許7416075通信装置、通信制御方法、プログラム及び光通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】通信装置、通信制御方法、プログラム及び光通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/079 20130101AFI20240110BHJP
【FI】
H04B10/079
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021546170
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(86)【国際出願番号】 JP2019037116
(87)【国際公開番号】W WO2021053831
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 洋平
(72)【発明者】
【氏名】野口 栄実
(72)【発明者】
【氏名】柳町 成行
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-222789(JP,A)
【文献】特開2019-114823(JP,A)
【文献】特開2018-125787(JP,A)
【文献】特開2011-077757(JP,A)
【文献】国際公開第2016/079959(WO,A1)
【文献】Yohei HASEGAWA et al.,Optical Communication Capacity and Quality to Maximize End-user TCP/IP Throughput,ICC 2020 - 2020 IEEE International Conference on Communications (ICC),IEEE,2020年06月07日,pages 1-7
【文献】Shoichiro Oda et al.,Network Capacity Improvement by Quality of Transmission Estimator with Learning Process,2017 European Conference on Optical Communication (ECOC),IEEE,2017年09月17日,pages 1-3
【文献】Yohei Hasegawa et al.,A Multi-User ACK-Aggregation Method for Large-Scale Reliable LoRaWAN Service,ICC 2019 - 2019 IEEE International Conference on Communications (ICC),IEEE,2019年05月20日,pages 1-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/079
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信装置から送信された信号が伝送される第1回線区間と、前記第1回線区間を介して伝送された前記信号から変換された光信号が伝送される光通信路と、前記光信号から変換された信号を第2通信装置に伝送する第2回線区間と、を含む通信路の品質情報を取得する取得手段と、
前記品質情報に基づいて、前記第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定する推定手段と、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記光通信路における通信チャネルに対して制御する制御手段と、を備える通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記通信チャネルの通信チャネル構成及び変調方式の少なくとも1つを変更する第1制御、及び前記通信チャネルに適用する誤り訂正処理を変更する第2制御の少なくとも一方を実行する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記通信チャネルの光品質値と、前記通信チャネルを介して送信されるデータの検出失敗率と、を取得し、
前記制御手段は、前記通信品質が前記要求通信品質に基づく所定条件を満たさない場合、前記光品質値と、前記検出失敗率とに応じて、前記第1制御を実行する、請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1制御として、前記通信チャネルのチャネル数の変更、前記通信チャネルのガードバンド幅の変更、及び前記変調方式の変更の少なくとも1つを実行する、請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記通信チャネルの中心周波数及び帯域幅を変更して、前記チャネル数及び前記ガードバンド幅を変更する、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記光品質値が第1閾値以上であり、前記検出失敗率が第2閾値未満である場合、前記チャネル数を増加する制御、前記ガードバンド幅を狭くする制御、及び前記変調方式の多値度を増加する制御の少なくとも1つを実行する、請求項4又は5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記光品質値が第1閾値未満であり、前記検出失敗率が第2閾値未満である場合、前記チャネル数を増加する制御、前記ガードバンド幅を狭くする制御、及び前記変調方式の多値度を増加する制御の少なくとも1つを実行する、請求項4~6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
第1通信装置から送信された信号が伝送される第1回線区間と、前記第1回線区間を介して伝送された前記信号から変換された光信号が伝送される光通信路と、前記光信号から変換された信号を第2通信装置に伝送する第2回線区間と、を含む通信路の品質情報を取得することと、
前記品質情報に基づいて、前記第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定することと、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記光通信路における通信チャネルに対して制御することと、を含む通信制御方法。
【請求項9】
第1通信装置から送信された信号が伝送される第1回線区間と、前記第1回線区間を介して伝送された前記信号から変換された光信号が伝送される光通信路と、前記光信号から変換された信号を第2通信装置に伝送する第2回線区間と、を含む通信路の品質情報を取得することと、
前記品質情報に基づいて、前記第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定することと、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記光通信路における通信チャネルに対して制御することと、をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
第1光伝送装置と、前記第1光伝送装置と光通信路を介して通信する第2光伝送装置と、前記第1光伝送装置及び前記第2光伝送装置と通信するネットワーク監視装置とを含み、
前記第1光伝送装置は、
第1通信装置から送信される信号を前記第1光伝送装置へ伝送する第1回線区間における第1品質情報を計測し、
前記第2光伝送装置は、
前記光通信路における第2品質情報と、前記第2光伝送装置から送信される信号を第2通信装置へ伝送する第2回線区間における第3品質情報とを計測し、
前記ネットワーク監視装置は、
前記第1品質情報を前記第1光伝送装置から取得し、前記第2品質情報及び前記第3品質情報を前記第2光伝送装置から取得し、
前記第1品質情報、前記第2品質情報及び前記第3品質情報に基づいて、前記第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定し、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記第1光伝送装置を介して前記光通信路における通信チャネルに対して制御する、光通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信制御方法、非一時的なコンピュータ可読媒体及び光通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されているように、海底ケーブルを介して通信を行う光通信システムは、一般的に強力な誤り訂正処理が行われるため、陸上系通信システムと比較して信号誤りが極めて少ない。すなわち、特許文献1に開示されている光通信システムでは、送受信されるデータの誤り率が極めて小さい、いわゆるエラーフリー通信をエンドユーザに提供可能なシステムとなっている。特許文献1は、光通信システムにおいて、エラーフリー通信を確保しつつ、スループットを向上させる技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2011/037245号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されている光通信システムでは、エラーフリー通信を提供するために、送受信されるデータに多数の誤り訂正符号が付されている。そのため、特許文献1に開示された技術では、スループットを向上させることはできるが、通信インフラの通信容量は向上できない。
【0005】
ところで、近年、光通信システムにおいて、通信設備及び通信路(通信インフラ)を管理する通信事業者が多様化してきている。通信事業者によっては、光通信システムにおいて、許容可能な通信品質を、エラーフリー通信における通信品質よりも低くして、通信インフラの通信容量を確保することを望む場合もあり得る。このように、光通信システムにおける通信事業者の多様化により、通信品質だけでなく、通信インフラにおける通信容量も考慮する必要性が出てきた。
【0006】
本開示の目的の1つは、上記課題を解決するためになされたものであり、通信品質を考慮しながら通信インフラの通信容量を向上させることが可能な通信装置、通信制御方法、非一時的なコンピュータ可読媒体及び光通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる通信装置は、
第1通信装置から第2通信装置までの通信路であって、光通信路を含む通信路の品質情報を取得する取得手段と、
前記品質情報に基づいて、前記第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定する推定手段と、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記光通信路における通信チャネルに対して制御する制御手段と、を備える。
【0008】
本開示にかかる通信制御方法は、
第1通信装置から第2通信装置までの通信路であって、光通信路を含む通信路の品質情報を取得することと、
前記品質情報に基づいて、前記第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定することと、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記光通信路における通信チャネルに対して制御することと、を含む。
【0009】
本開示にかかる非一時的なコンピュータ可読媒体は、
第1通信装置から第2通信装置までの通信路であって、光通信路を含む通信路の品質情報を取得することと、
前記品質情報に基づいて、前記第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定することと、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記光通信路における通信チャネルに対して制御することと、をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体である。
【0010】
本開示にかかる光通信システムは、
第1光伝送装置と、前記第1光伝送装置と光通信路を介して通信する第2光伝送装置と、前記第1光伝送装置及び前記第2光伝送装置と通信するネットワーク監視装置とを含み、
前記第1光伝送装置は、
第1通信装置から前記第1光伝送装置までの第1通信路における第1品質情報を計測し、
前記第2光伝送装置は、
前記光通信路における第2品質情報と、前記第2光伝送装置から第2通信装置までの第2通信路における第3品質情報とを計測し、
前記ネットワーク監視装置は、
前記第1品質情報を前記第1光伝送装置から取得し、前記第2品質情報及び前記第3品質情報を前記第2光伝送装置から取得し、
前記第1品質情報、前記第2品質情報及び前記第3品質情報に基づいて、前記第1通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定し、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記第1光伝送装置を介して前記光通信路における通信チャネルに対して制御する、光通信システムである。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、通信品質を考慮しながら通信インフラの通信容量を向上させることが可能な通信装置、通信制御方法、非一時的なコンピュータ可読媒体及び光通信システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態の概要にかかる通信装置の構成例を示すブロック図である。
図2】実施の形態1にかかる光通信システムの構成例を示す図である。
図3】光通信路における通信チャネルを示す概略図である。
図4】光通信路における通信チャネルのチャネル数を増加する制御の概略図である。
図5】光通信路における通信チャネルのガードバンド幅を狭くする制御の概略図である。
図6】実施の形態1にかかる光伝送装置の動作例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態1にかかる光伝送装置の動作例を示すフローチャートである。
図8】実施の形態1にかかる光伝送装置の動作例を示すフローチャートである。
図9】実施の形態2にかかる光通信システムの構成例を示す図である。
図10】通信装置等のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0014】
(実施の形態の概要)
実施の形態の詳細な説明に先立って、実施の形態の概要を説明する。図1は、実施の形態の概要にかかる通信装置1の構成例を示すブロック図である。通信装置1は、光通信システムを構成する通信装置であり、例えば、光伝送装置であってもよいし、光通信システムの監視及び制御を行うネットワーク監視装置であってもよい。通信装置1は、取得部2と、推定部3と、制御部4とを備える。
【0015】
取得部2は、第1通信装置から第2通信装置までの通信路であって、光通信路を含む通信路の品質情報を取得する。第1通信装置及び第2通信装置は、エンドユーザが管理するエンドユーザ端末であってもよい。もしくは、第1通信装置及び第2通信装置は、エンドユーザ端末と光伝送装置との間の中継装置であってもよい。
【0016】
推定部3は、取得部2が取得した品質情報に基づいて、前記第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定する。
制御部4は、推定した通信品質が、決定した要求通信品質を満たすように、光通信路における通信チャネルに対して制御する。
【0017】
以上説明したように、通信装置1は、第1通信装置から第2通信装置までの通信路の品質情報に基づいて、第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定する。通信装置1は、通信品質が要求通信品質を満たすように、光通信路における通信チャネル対して制御を行う。通信装置1は、通信チャネルに対して制御を行うことにより、光通信路における通信容量を向上させることができる。したがって、実施の形態の概要にかかる通信装置1によれば、通信品質を考慮しながら通信インフラの通信容量を向上させることが可能となる。
【0018】
以下、図面を参照して、実施の形態の詳細について説明する。
(実施の形態1)
<光通信システムの構成例>
図2を用いて、実施の形態1にかかる光通信システム100の構成例について説明する。図2は、実施の形態1にかかる光通信システムの構成例を示す図である。光通信システム100は、端末装置10及び40と、光伝送装置20及び30とを備える。
【0019】
端末装置10及び40は、例えば、陸上に設けられる通信装置である。端末装置10及び40は、例えば、エンドユーザが管理するエンドユーザ端末であってもよいし、エンドユーザ端末と、光伝送装置20との間に設けられた中継装置等であってもよい。なお、以降の説明では、端末装置10及び40は、エンドユーザ端末であるとして説明する。
【0020】
端末装置10は、回線15を介して光伝送装置20と接続し、回線15を介して光伝送装置20と通信する。回線15は、例えば、アクセス回線である。端末装置10から光伝送装置20までの区間は、第1回線区間と称されてもよい。回線15は、端末装置10から光伝送装置20までの通信路と称されてもよい。
【0021】
端末装置40は、回線35を介して光伝送装置30と接続し、回線35を介して光伝送装置30と通信する。回線35は、例えば、アクセス回線である。光伝送装置30から端末装置40までの区間は、第2回線区間と称されてもよい。回線35は、端末装置40から光伝送装置30までの通信路と称されてもよい。
【0022】
光伝送装置20及び30は、光ファイバ等により構成される海底ケーブルである光通信路25を介して互いに接続し、光通信路25を介して通信を行う通信装置である。光伝送装置20及び30は、それぞれ、光通信路25を介して送受信される光信号を、回線15及び35を介して送受信される電気信号に変換する。また、光伝送装置20及び30は、回線15及び35を介して送受信される電気信号を、光通信路25を介して送受信される光信号に変換する。
【0023】
光伝送装置20及び30は、WDM(Wavelength Division Multiplexing)方式に対応しており、光通信路25を送受信されるデータを、複数の波長帯に構成される複数の通信チャネルを介して、対向する光伝送装置に送信する。各通信チャネルは、光スペクトラムと称されてもよい。換言すると、光伝送装置20及び30は、それぞれ各通信チャネルに対応する光スペクトラムを用いて、対向する光伝送装置とデータを送受信する。
【0024】
光伝送装置20は、実施の形態の概要における通信装置1に対応する。光伝送装置20は、端末装置10から送信されるデータを、光通信路25及び光伝送装置30を介して端末装置40に送信する。光伝送装置20は、端末装置40から送信されるACK信号(ACK又はNACK)を受信し、端末装置10に送信する。
【0025】
また、光伝送装置20は、端末装置10に送信されるデータを受信し、端末装置10に送信する。光伝送装置20は、端末装置10から送信されるACK信号(ACK又はNACK)を、光通信路25及び光伝送装置30を介して端末装置40に送信する。
【0026】
光伝送装置20は、端末装置10から端末装置40までの通信路の品質情報を取得する。光伝送装置20は、第1回線区間の品質情報を計測して取得する。光伝送装置20は、光通信路25における品質情報、及び第2回線区間の品質情報を光伝送装置30から取得する。
【0027】
光伝送装置20は、第1回線区間の品質情報、光通信路25における品質情報、及び第2回線区間の品質情報に基づいて、端末装置40における通信品質を推定し、要求される通信品質を示す要求通信品質を決定する。通信品質及び要求通信品質は、例えば、スループットでもよいし、誤り訂正後の誤り率を示すFER(Frame Error Rate)でもよい。光伝送装置20は、推定される通信品質が、要求通信品質を満たすように、光通信路25における通信チャネルに対して制御する。なお、以降の説明では、通信品質及び要求通信品質は、スループットであるとして説明する。
【0028】
第1回線区間、光通信路25、及び第2回線区間における品質情報は、遅延時間を示すRTT(Round Trip Time)及び誤り訂正後の誤り率を示すFERを含む。光通信路25における品質情報は、光通信路25を介して送受信されるデータ(フレーム)の検出失敗率を示すOOF(Out Of Frame)と、当該データの誤り訂正前の誤り率を示すBER(Bit Error Rate)とを含む。
【0029】
また、光通信路25における品質情報は、光通信路25における通信チャネルの光スペクトラム情報を含む。光スペクトラム情報は、光通信路25における通信チャネルの受信光強度、通信チャネルの中心周波数、帯域幅、ガードバンド、WDMチャネル幅、信号対雑音比、及び光品質値を示すQ値を含む。信号対雑音比は、例えば、OSNR(Optical Signal to Noise Ratio)であってもよい。なお、以降の説明では、信号対雑音比はOSNRであるとして記載する。
【0030】
ここで、図3を用いて、光スペクトラム情報について説明する。図3は、光通信路25における通信チャネルを示す概略図であり、光スペクトラム情報について説明するための図である。具体的には、図3は、受信光強度、通信チャネルの中心周波数、帯域幅、ガードバンド幅、及びWDMチャネル幅の関係を示す図である。なお、図3ではQ値の図示を省略している。中心周波数は、各通信チャネルの中心の周波数である。帯域幅は、各通信チャネルの周波数帯域幅である。ガードバンド幅は、隣接する通信チャネルに影響を与えないために設けられる未使用の周波数幅である。WDMチャネル幅は、WDMチャネルの周波数幅であり、隣接する通信チャネルとのガードバンド幅の中心の周波数の周波数幅である。
【0031】
図2に戻り説明を続ける。光伝送装置30は、端末装置40から送信されるデータを、光通信路25及び光伝送装置20を介して端末装置10に送信する。光伝送装置30は、端末装置10から送信されるACK信号(ACK又はNACK)を受信し、端末装置40に送信する。
【0032】
また、光伝送装置30は、端末装置40に送信されるデータを受信し、端末装置40に送信する。光伝送装置30は、端末装置40から送信されるACK信号(ACK又はNACK)を、光通信路25及び光伝送装置20を介して端末装置10に送信する。
【0033】
光伝送装置30は、第2回線区間におけるRTTを計測して決定する。光伝送装置30は、端末装置40に送信されるデータの送信開始時間と、当該データに対するACK信号を端末装置40から受信した受信開始時間との間の時間をRTTとして決定する。
【0034】
なお、光伝送装置30は、IP(Internet Protocol)アドレスに対応する位置情報を保持し、端末装置10から端末装置40に送信されるデータのIPアドレスから端末装置40の位置を特定し、光伝送装置30から端末装置40までの距離を算出してRTTを決定してもよい。
【0035】
光伝送装置30は、回線35を提供する通信事業者に基づいて、第2回線区間におけるFERを取得する。光伝送装置30は、端末装置10から端末装置40に送信されるデータから端末装置40宛のデータのIPアドレスを取得する。光伝送装置30は、取得したIPアドレスから回線35を提供する通信事業者を特定し、通信事業者から第2回線区間におけるFERを決定する。
【0036】
光伝送装置30は、回線35を提供する通信事業者のサービスを想定し、回線35において想定されるFERを予め設定し、特定した通信事業者から予め設定されたFERに基づき第2回線区間におけるFERを決定してもよい。もしくは、光伝送装置30は、過去の統計値に基づいて、回線35において想定されるFERを予め設定してもよい。なお、光伝送装置30は、回線35の回線種別と、通信事業者との組み合わせに基づいて、第2回線区間におけるFERを決定してもよい。
【0037】
光伝送装置30は、光通信路25におけるRTTを計測する。光伝送装置30は、光伝送装置20に対してPing等の測定信号を用いて、光通信路25におけるRTTを計測してもよい。もしくは、光伝送装置30は、光伝送装置20を死活監視するための監視信号を用いて、光通信路25におけるRTTを計測してもよい。
【0038】
光伝送装置30は、光通信路25を介して送受信されるデータを監視し、当該データのFERを計測する。
光伝送装置30は、光通信路25におけるOOF及びBERを計測する。
【0039】
光伝送装置30は、例えば、光チャネルモニタ(OCM:Optical Channel Monitor)、光スペクトラムアナライザ等の光スペクトラム計測器を含んで構成され、光通信路25における各通信チャネルの光パワー(強度)をモニタする。光伝送装置30は、光スペクトラム計測器を用いて、通信チャネルの受信光強度、中心周波数、帯域幅、ガードバンド幅、WDMチャネル幅、及びOSNRを計測する。
【0040】
光伝送装置30は、光通信路25を介して送受信される信号の信号値(0及び1)に基づいてQ値を算出する。光伝送装置30は、上記信号の信号値(0及び1)のそれぞれの確率分布と、復調信号レベルとを取得する。光伝送装置30は、信号値が1及び0のそれぞれの確率分布の分散と、復調信号レベルの差分値とに基づいて、Q値を算出する。
【0041】
<光伝送装置の構成例>
次に、光伝送装置20の構成例について説明する。光伝送装置20は、取得部21と、推定部22と、制御部23とを備える。
【0042】
取得部21は、実施の形態の概要における取得部2に対応する。取得部21は、端末装置10及び光伝送装置30と通信可能に構成されており、通信部としても機能する。取得部21は、端末装置10から端末装置40までの通信路における品質情報を取得する。
【0043】
具体的には、取得部21は、第1回線区間におけるRTTを計測して取得し、第1回線区間におけるFERを決定し、決定したFERを第1回線区間におけるFERとして取得する。
【0044】
取得部21は、端末装置10に送信されるデータの送信開始時間と、当該データに対するACK信号を端末装置10から受信した受信開始時間とを計測する。取得部21は、送信開始時間と、受信開始時間との間の時間をRTTとして取得する。
【0045】
なお、取得部21は、IPアドレスに対応する位置情報を保持し、端末装置40から端末装置10に送信されるデータのIPアドレスから端末装置10の位置を特定し、光伝送装置20から端末装置10までの距離を算出してRTTを決定してもよい。
【0046】
取得部21は、回線15を提供する通信事業者に基づいて、第1回線区間におけるFERを取得する。取得部21は、端末装置40から端末装置10に送信されるデータから端末装置10宛のデータのIPアドレスを取得する。取得部21は、取得したIPアドレスから回線15を提供する通信事業者を特定し、通信事業者から第1回線区間におけるFERを決定する。
【0047】
取得部21は、回線15を提供する通信事業者のサービスを想定し、回線15において想定されるFERを予め設定し、特定した通信事業者から予め設定されたFERに基づき第1回線区間におけるFERを決定してもよい。もしくは、取得部21は、過去の統計値に基づいて、回線15において想定されるFERを予め設定してもよい。なお、取得部21は、回線15の回線種別と、通信事業者との組み合わせに基づいて、第1回線区間におけるFERを決定してもよい。
【0048】
取得部21は、第2回線区間におけるRTT及びFERを光伝送装置30から受信し、第2回線区間におけるRTT及びFERを取得する。なお、取得部21は、第2回線区間におけるRTT及びFERを光伝送装置30から取得せずに、第2回線区間におけるRTT及びFERを決定してもよい。取得部21が、IPアドレスに対応する位置情報を保持し、端末装置10から端末装置40に送信されるデータのIPアドレスから端末装置40の位置を特定し、光伝送装置30から端末装置40までの距離を算出してRTTを決定してもよい。
【0049】
また、取得部21が端末装置10から端末装置40に送信されるデータから端末装置40宛のデータのIPアドレスを取得し、取得したIPアドレスから回線35を提供する通信事業者を特定し、通信事業者から第2回線区間におけるFERを決定してもよい。
【0050】
取得部21は、回線35を提供する通信事業者のサービスを想定し、回線35において想定されるFERを予め設定し、特定した通信事業者から予め設定されたFERに基づき第1回線区間におけるFERを決定してもよい。もしくは、取得部21は、過去の統計値に基づいて、回線35において想定されるFERを予め設定してもよい。なお、取得部21は、回線35の回線種別と、通信事業者との組み合わせに基づいて、第2回線区間におけるFERを決定してもよい。
【0051】
取得部21は、光通信路25におけるRTT及びFERを光伝送装置30から受信し、光通信路25におけるRTT及びFERを取得する。なお、取得部21は、光通信路25におけるRTTを光伝送装置30から取得せずに、光通信路25におけるRTTを決定してもよい。取得部21が、光伝送装置30に対してPing等の測定信号を用いて、光通信路25におけるRTTを計測してもよい。もしくは、取得部21が、光伝送装置30を死活監視するための監視信号を用いて、光通信路25におけるRTTを計測してもよい。
【0052】
取得部21は、光通信路25を介して送受信されるデータ(フレーム)のOOFと、当該データのBERとを光伝送装置30から受信し、光通信路25におけるOOF及びBERを取得する。
【0053】
取得部21は、光スペクトラム情報を光伝送装置30から受信し、光スペクトラム情報を取得する。具体的には、取得部21は、光通信路25における通信チャネルの受信光強度、中心周波数、帯域幅、ガードバンド幅、WDMチャネル幅、OSNR、及びQ値を光伝送装置30から取得する。なお、光通信路25における通信チャネルの受信光強度、中心周波数、帯域幅、ガードバンド幅、WDMチャネル幅及びOSNRを光伝送装置30から受信せずに、取得部21が計測して取得してもよい。取得部21が、例えば、光チャネルモニタ(OCM)、光スペクトラムアナライザ等の光スペクトラム計測器を含むように構成され、光通信路25における光信号の各通信チャネルの光パワー(強度)をモニタし光スペクトラム情報を取得してもよい。具体的には、取得部21が、光スペクトラム計測器を用いて、光通信路25における通信チャネルの受信光強度、中心周波数、帯域幅、ガードバンド幅、WDMチャネル幅、及びOSNRを計測して取得してもよい。
【0054】
推定部22は、実施の形態の概要における推定部3に対応する。推定部22は、端末装置40におけるスループットを推定する。また、推定部22は、端末装置40において要求されるスループットを示す要求スループットを決定する。
【0055】
推定部22は、取得部21が取得した、第1回線区間、光通信路25、及び第2回線区間におけるRTT及びFERと、スループットを推定する推定モデルとを用いて、端末装置40におけるスループットを推定し、要求スループットを決定する。
【0056】
ここで、スループットを推定する推定モデルについて説明する。推定モデルは、RTTと、FERとを用いて定式化されたモデルであり、式(1)のように表すことができる。
【数1】
ここで、bはスループットを表し、rはRTTを表し、pはFERを表し、Dは定数である。定数Dは、例えば、0.866であるが、適宜調整可能な値であってもよい。
【0057】
なお、以降の説明では式(1)で表される推定モデルを用いて説明するが、推定モデルとして、以下の式(2)及び式(3)を用いることもできる。また、式(2)及び式(3)を変形した式を推定モデルとして用いてもよい。
【数2】
【0058】
ここで、第1回線区間におけるRTTをr、第1回線区間におけるFERをp、第2回線区間におけるRTTをr、第回線区間におけるFERをp、光通信路25におけるRTTをrtp、光通信路25におけるFERをptpとする。また、端末装置10から端末装置40までのRTTをre2eとし、端末装置10から端末装置40までのFERをpestとし、端末装置40におけるスループットをbestとする。
【0059】
e2eは、re2e=rtp+r+rで表すことができる。pestは、pest=1-(1―ptp)(1-p)(1-p)と表すことができる。そのため、bestは、re2eと、pestとを式(1)に代入すると、以下の式(4)のように表すことができる。推定部22は、第1回線区間、光通信路25、及び第2回線区間におけるRTT及びFERと、式(4)とを用いて、スループットを推定する。
【数3】
【0060】
要求スループットは、エラーフリー通信状態におけるスループットを基準として決定される。要求スループットは、光通信路25におけるFERをゼロとみなして決定される。なお、要求スループットは、エラーフリー通信状態におけるFERを上記式(4)のptpに代入して決定されてもよい。
【0061】
要求スループットをbtargetとし、エラーフリー通信状態における端末装置10から端末装置40までのFERをpe2eとすると、以下の式(5)のように表すことができる。
【数4】
ここで、αは1以下の値であり、光通信路25を管理する通信事業者が、許容するスループットから決定する係数である。
【0062】
推定部22は、第1回線区間、光通信路25、及び第2回線区間におけるRTTと、第1回線区間及び第2回線区間におけるFERと、式(5)とを用いて、要求スループットを決定する。
【0063】
ここで、光通信路25の通信容量は、光通信路25を介して送受信されるデータのスループットの総量に関連し、スループットの総量が特定値に至るまでは、スループットの総量に比例するが、特定値を超えると、スループットの総量に比例しないと想定される。そのため、スループットの総量が特定値を超えると、光通信路25の通信容量は、スループットの総量を上げても効果的に向上できないことが想定される。スループットの総量は、各ユーザのスループットとユーザ数とに関連し、例えば、各ユーザのスループットにユーザ数を乗算することにより算出できる。したがって、要求スループットを適切に調整することにより、通信容量を向上させることができる。すなわち、要求スループットを算出する式(5)におけるα、又は式(4)及び式(5)の定数Dを適切に調整することにより通信容量を効果的に向上できる。
【0064】
制御部23は、実施の形態の概要における制御部4に対応する。制御部23は、推定されたスループットbestが、要求スループットbtargetを満たすように、光通信路25における通信チャネルに対して制御する。つまり、制御部23は、best>btargetを満たすように、光通信路25における通信チャネルに対して制御する。制御部23は、光通信路25における通信チャネルに対する制御内容を決定すると、光伝送装置30に対して、決定した制御内容を通知し、光伝送装置30が光伝送装置20から送信される光信号を受信可能とする。
【0065】
ここで、best>btargetを、式(4)及び式(5)を用いて変形すると、以下の式(6)のように表すことができる。
【数5】
上記式(6)は、FER観点で式(4)及び式(5)を変形した式であり、制御部23は、光通信路25におけるFER ptpが上記式(6)を満たすように、光通信路25における通信チャネルに対して制御する。
【0066】
制御部23は、best>btargetを満たすように、通信容量制御、及びFEC(Forward Error Correction)制御の少なくとも1つを実行する。通信容量制御は、通信チャネルのチャネル構成及び変調方式の少なくとも1つを変更する制御であり、光通信路25の通信容量を増減する制御である。また、FEC制御は、通信チャネルに適用する誤り訂正処理を変更する制御である。なお、通信容量制御により光通信路25の光スペクトラムの状態が変更されるため、通信容量制御は、光スペクトラム制御と称されてもよい。
【0067】
制御部23は、推定されたスループットが要求スループットに基づく所定条件を満たさない場合、通信容量制御及びFEC制御の少なくとも一方を行う。所定条件は、エラーフリー通信状態から通信容量制御及びFEC制御を実行し、光通信路25におけるFER ptpを上げて、スループットbestが下がるように制御する場合、スループットbestが要求スループットbtargetを下回ることである。なお、所定条件は、制御部23がエラーフリー通信状態からスループットbestが下がるように制御する場合、スループットbestが、要求スループットbtargetからbtargetにマージン値を加えた値までの所定範囲内に含まれることでもよい。また、所定条件は、制御部23が通信容量制御及びFEC制御を実行し、光通信路25におけるFER ptpを下げて、bestが上がるように制御する場合、bestがbtargetを上回ることであってもよい。
【0068】
なお、以降の説明では、制御部23は、エラーフリー通信状態から通信容量制御及びFEC制御を実行し、スループットbestが下がるように制御することとして説明する。つまり、制御部23は、スループットbestが要求スループットbtargetを下回らない場合、通信容量制御及びFEC制御の少なくとも一方を実行する。
【0069】
制御部23は、スループットbestが要求スループットbtargetを下回る場合、スループットbestが要求スループットbtargetを満たす最適な状態に変更して処理を終了する。最適な状態とは、スループットbestが要求スループットbtargetを上回る最も低いスループットとなる状態である。つまり、制御部23は、スループットbestが要求スループットbtargetを下回る直前の制御内容を元に戻す制御を実行して処理を終了する。
【0070】
制御部23は、スループットbestが要求スループットbtargetを下回らない場合、Q値及びOOFに応じて、通信容量制御を実行し、Q値及びOOFが所定範囲に含まれる場合、FEC制御を実行する。
【0071】
まず、通信容量制御について説明する。制御部23は、スループットbestが要求スループットbtargetを下回らない場合、Q値及びOOFに応じて通信容量制御を実行する。制御部23は、Q値が良好であり、OOFが少ない場合、通信容量を増加させる制御を行う。制御部23は、Q値が良好ではなく、OOFが少ない場合、通信容量を増加させる制御を行う。制御部23は、Q値が良好ではなく、OOFが多い場合、通信容量を減少させる制御を行う。
【0072】
具体的には、制御部23は、Q値がQ値用の閾値を示すQ値閾値以上であり、OOFがOOF用の閾値を示すOOF閾値未満である場合、通信容量を増加させる制御を行う。制御部23は、Q値がQ値閾値未満であり、OOFがOOF閾値未満である場合、通信容量を増加させる制御を行う。制御部23は、Q値がQ値閾値未満であり、OOFがOOF閾値以上である場合、通信容量を減少させる制御を行う。
【0073】
制御部23は、通信容量を増加させる制御として、光通信路25における通信チャネルのチャネル数を増加する制御、通信チャネルのガードバンド幅を狭くする制御、及び変調方式の多値度を増加する制御の少なくとも1つを実行する。制御部23は、通信容量を減少させる制御として、光通信路25における通信チャネルのチャネル数を減少する制御、通信チャネルのガードバンド幅を広くする制御、及び変調方式の多値度を減少する制御の少なくとも1つを実行する。制御部23は、光通信路25における通信チャネルの中心周波数及び帯域幅を変更することにより、通信チャネルのチャネル数を増減する。
【0074】
ここで、図4を用いて、光通信路25における通信チャネルのチャネル数を増減する制御について説明する。図4は、光通信路における通信チャネルのチャネル数を増加する制御の概略図である。図4の上図が制御前の状態を示し、図4の下図が制御後の状態を示している。図4の上図において、通信チャネルCH1~CH3の中心周波数がそれぞれF11、F21及びF31であるとする。また、通信チャネルCH1~CH3の帯域幅がB1であり、WDMチャネル幅がW1であるとする。
【0075】
制御部23は、通信チャネルCH1~CH3の中心周波数をそれぞれF12、F22及びF32に変更し、帯域幅をB1よりも狭いB2に変更し、WDMチャネル幅をW1よりも狭いW2に変更する。制御部23は、新たな通信チャネルCH4を追加することにより、チャネル数を増加する制御を行う。制御部23は、新たな通信チャネルCH4を追加してチャネル数を増加することにより、光通信路25におけるFERは上がるが、光通信路25の通信容量を増加させることができる。
【0076】
なお、通信チャネル数を増加させることにより、光通信路25を構成する光ファイバに出力される送信電力の総量が、光ファイバに出力可能な電力値を超える場合があり得る。そのため、制御部23は、通信チャネル数を増加する場合であって、光通信路25に出力される送信電力の総量が光通信路25に出力可能な電力値を超過する場合、全ての通信チャネルの送信パワーを下げて、新たなチャネルを追加する制御を行う。
【0077】
また、光通信路25に設けられる増幅器の電力に制限がある場合もあり得る。この場合、制御部23は、全ての通信チャネルの増幅量を小さくして、新たなチャネルを追加する制御を行う。
【0078】
また、制御部23は、光通信路25における通信チャネルのチャネル数を減少する制御として、チャネル数を増加する制御の逆の制御を行う。図4の下図が制御前の状態を示し、図4の上図が制御後の状態を示しているとする。制御部23は、通信チャネルCH1~CH3の中心周波数をそれぞれF11、F21及びF31に変更し、帯域幅をB2よりも広いB1に変更し、WDMチャネル幅をW2よりも広いW1に変更する。制御部23は、通信チャネルCH4を削除することにより、チャネル数を減少する制御を行う。制御部23は、通信チャネルCH4を削除してチャネル数を減少することにより、光通信路25の通信容量は減少するが、光通信路25におけるFERが下げることができる。
【0079】
次に、図5を用いて、光通信路25における通信チャネルのガードバンド幅を変更する制御について説明する。図5は、光通信路における通信チャネルのガードバンド幅を狭くする制御の概略図である。図5の上図が制御前の状態を示し、図5の下図が制御後の状態を示している。図5の上図において、通信チャネルCH1~CH3の中心周波数がそれぞれF11、F21及びF31であるとする。また、通信チャネルCH1~CH3の帯域幅がB1であり、WDMチャネル幅がW1であり、ガードバンド幅がG1であるとする。
【0080】
制御部23は、隣接するチャネル間のガードバンド幅をG1よりも狭いG2に変更する。制御部23は、変更後のガードバンド幅に合うように、通信チャネルCH1~CH3の中心周波数をそれぞれF13、F23及びF33に変更し、帯域幅をB1よりも広いB3に変更し、WDMチャネル幅をW3に変更する。制御部23は、ガードバンド幅を狭くすることにより、各チャネルの帯域幅を広げることができるため、光通信路25におけるFERは上がるが、光通信路25の通信容量を増加させることができる。
【0081】
また、制御部23は、光通信路25における通信チャネルのガードバンド幅を広げる制御として、ガードバンド幅を狭くする制御の逆の制御を行う。図5の下図が制御前の状態を示し、図5の上図が制御後の状態を示しているとする。制御部23は、ガードバンド幅をG2よりも広いG1に変更する。制御部23は、変更後のガードバンド幅に合うように、通信チャネルCH1~CH3の中心周波数をそれぞれF11、F21及びF31に変更し、帯域幅をB3よりも狭いB1に変更し、WDMチャネル幅をW1に変更する。制御部23は、ガードバンド幅を広くすることにより、各チャネルの帯域幅を狭くすることができるため、光通信路25の通信容量は減少するが、光通信路25におけるFERを下げることができる。
【0082】
次に、光通信路25における通信チャネルに適用される変調方式の多値度を増減させる制御について説明する。制御前の変調方式が、例えば、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)であり、制御部23が変調方式の多値度を増加する場合、16QAMから64QAMに変更する。制御前の変調方式が、64QAMであり、制御部23が変調方式の多値度を増加する場合、64QAMから256QAMに変更する。
【0083】
一方、制御前の変調方式が、256QAMであり、制御部23が変調方式の多値度を減少する場合、256QAMから64QAMに変更する。制御前の変調方式が、64QAMであり、制御部23が変調方式の多値度を減少する場合、64QAMから16QAMに変更する。
【0084】
次に、FEC制御について説明する。制御部23は、スループットbestが要求スループットbtargetを下回らない場合であって、Q値及びOOFがそれぞれ所定範囲に含まれる場合、BERに応じて、FEC制御を実行する。
【0085】
制御部23は、スループットbestが要求スループットbtargetを下回らない場合であって、Q値がQ値閾値を基準とする所定範囲を満たし、OOFがOOF閾値を基準とする所定範囲を満たす場合、光通信路25におけるFEC制御を実行する。所定範囲は、Q値及びOOFが許容できる値と判断することができる範囲である。制御部23は、FEC制御として、パリティ長の変更、及びProbabilistic shapingの適用する制御の少なくとも1つを実行する。
【0086】
制御部23は、スループットbest、要求スループットbtarget、Q値、及びOOFが上記条件を満たすし、BERがBER閾値未満である場合、FECパリティビットを削減し、パリティ長を削減する。制御部23は、パリティ長を削減することにより、光通信路25におけるFERが上がるが、光通信路25における誤り訂正符号による信号のオーバーヘッドを小さくできるため、光通信路25における通信容量を増加させることができる。
【0087】
一方、制御部23は、スループットbest、要求スループットbtarget、Q値、及びOOFが上記条件を満たし、BERがBER用の閾値を示すBER閾値以上である場合、FECパリティビットを増加して、パリティ長を増加する。制御部23は、パリティ長を増加することにより、オーバーヘッドが大きくなるため、光通信路25における通信容量は減少するが、光通信路25におけるFERを下げることができる。
【0088】
また、制御部23は、スループットbest、要求スループットbtarget、Q値、及びOOFが上記条件を満たす場合、OSNRに応じて、Probabilistic shapingを適用する。制御部23は、OSNRがOSNR用の閾値を示すOSNR閾値未満となる場合、フラット又はフラットに近いQAMを使用する。一方、制御部23は、OSNRがOSNR閾値以上となる場合、Probabilistic shapingを適用して、光通信路25を送受信される信号の位相及び振幅に対してシェーピングを大きくする。
【0089】
なお、説明を便宜的に行うために、以降の説明では、制御部23は、通信容量制御として、通信チャネルのチャネル数を増減する制御のみを実行し、FEC制御としてパリティ長を増減する制御のみを実行することとして説明する。
【0090】
<光伝送装置の動作例>
続いて、図6図8を用いて、光伝送装置20の動作例について説明する。図6図8は、実施の形態1にかかる光伝送装置の動作例を示すフローチャートである。光伝送装置20は、エラーフリー通信状態で図6図8の動作を実行する。なお、光伝送装置20は、装置起動中の任意にタイミングで処理を開始してもよく、通信中のタイミングでなくてもよい。
【0091】
取得部21は、第1回線区間及び第2回線区間のRTT及びFERを取得する(ステップS1)。取得部21は、第1回線区間のRTT及びFERを自装置で計測して取得する。取得部21は、第2回線区間のRTT及びFERを光伝送装置30から取得する。
【0092】
取得部21は、光スペクトラム情報を取得する(ステップS2)。取得部21は、光通信路25における通信チャネルの受信光強度、中心周波数、帯域幅、ガードバンド幅、WDMチャネル幅、OSNR、及びQ値を光伝送装置30から取得する。
【0093】
取得部21は、光通信路25を介して送受信されるデータ(フレーム)のBER及びOOFを光伝送装置30から取得し(ステップS3)、光通信路25のRTT及びFERを光伝送装置30から取得する(ステップS4)。
【0094】
推定部22は、スループットbestを推定し(ステップS5)、要求スループットbtargetを決定する(ステップS6)。推定部22は、取得部21が取得した、第1回線区間、第2回線区間及び光通信路25におけるRTT及びFERと、式(4)及び式(5)とを用いて、スループットbestを推定し、要求スループットbtargetを決定する。なお、ステップS6は、エラーフリー通信状態において処理開始後、最初の1回目のみに実行される。つまり、推定部22は、エラーフリー通信状態において処理開始後、最初の1回目のみ要求スループットbtargetを決定し、後述する通信容量制御及びFEC制御が実行された後は要求スループットbtargetを決定しない。
【0095】
次に、制御部23は、スループットbestが要求スループットbtargetを満たしているかを判定する(ステップS7)。スループットbestが要求スループットbtargetを満たしている場合(ステップS7のYES)、制御部23は、Q値及びOOFが所定範囲内であるかを判定する(ステップS8)。
【0096】
Q値及びOOFが所定範囲内ではない場合(ステップS8のNO)、制御部23は、通信容量制御を実行する(ステップS9)。そして、光伝送装置20は、ステップS2以降の動作を実行する。
【0097】
一方、Q値及びOOFが所定範囲内である場合(ステップS8のYES)、制御部23は、FEC制御を実行する(ステップS10)。そして、光伝送装置20は、ステップS3以降の動作を実行する。
【0098】
ステップS7において、スループットbestが要求スループットbtargetを満たしていない場合(ステップS7のNO)、制御部23は、スループットbestが要求スループットbtargetを満たす最適な状態に変更し(ステップS11)、処理を終了する。なお、最適な状態とは、スループットbestが要求スループットbtargetを上回る最も低いスループットとなる状態である。つまり、ステップS11において、制御部23は、スループットbestが要求スループットbtargetを下回る直前の制御内容を元に戻す制御を実行して処理を終了する。
【0099】
次に、図7について説明する。図7は、図6のステップS9において実行される通信容量制御の動作例を示すフローチャートである。
【0100】
制御部23は、Q値がQ値閾値以上であり、OOFがOOF閾値未満であるかを判定する(ステップS91)。Q値がQ値閾値以上であり、OOFがOOF閾値未満である場合(ステップS91のYES)、制御部23は、光通信路25の通信チャネルのチャネル数を増加する(ステップS92)。図4で示したように、制御部23は、各通信チャネルの中心周波数を変更し、帯域幅を変更前の帯域幅よりも狭くし、新たな通信チャネルを追加することによりチャネル数を増加する。
【0101】
なお、制御部23は、通信チャネル数を増加する場合であって、光通信路25に出力される送信電力の総量が光通信路25に出力可能な電力値を超過する場合、全ての通信チャネルの送信パワーを下げて、新たなチャネルを追加する制御を行う。
【0102】
Q値がQ値閾値未満である場合、及び/又はOOFがOOF閾値以上である場合(ステップS91のNO)、制御部23は、Q値がQ値閾値未満であり、OOFがOOF閾値未満であるかを判定する(ステップS93)。Q値がQ値閾値未満であり、OOFがOOF閾値未満である場合(ステップS93のYES)、制御部23は、光通信路25の通信チャネルのチャネル数を増加する(ステップS92)。
【0103】
例えば、OOFがOOF閾値以上である場合等、Q値がQ値閾値未満であり、OOFがOOF閾値未満であるという判定条件を満たさない場合(ステップS93のNO)、制御部23は、光通信路25の通信チャネルのチャネル数を減少する(ステップS94)。制御部23は、各通信チャネルの中心周波数を変更し、帯域幅を変更前の帯域幅よりも広くして、通信チャネルのいずれかを削除することによりチャネル数を減少する。
【0104】
次に、図8について説明する。図8は、図6のステップS10において実行されるFEC制御の動作例を示すフローチャートである。
【0105】
制御部23は、BERがBER閾値未満であるかを判定する(ステップS101)。BERがBER閾値未満である場合(ステップS101のYES)、制御部23は、FECパリティビットを削減してパリティ長を削減する(ステップS102)。一方、BERがBER閾値以上である場合(ステップS101のNO)、制御部23は、FECパリティビットを増加してパリティ長を増加する(ステップS103)。
【0106】
以上説明したように、推定部22は、取得部21が取得した品質情報に基づいて、端末装置40におけるスループットを推定し、要求スループットを決定する。制御部23は、スループットが要求スループットを満たすように、通信容量制御及びFEC制御を実行して、エラーフリー通信状態よりも通信容量を増加させる。そのため、実施の形態1にかかる光伝送装置20を用いることにより、スループットが要求される要求スループットを満たしつつ、光通信路25の通信容量を向上させることが可能となる。すなわち、実施の形態1にかかる光伝送装置20によれば、通信品質を考慮しながら通信インフラの通信容量を向上させることが可能となる。
【0107】
上述したように、光通信路25の通信容量は、光通信路25を介して送受信されるデータのスループットの総量が特定値に至るまでは、スループットの総量に比例すると想定される。そのため、要求スループットを算出する式(5)におけるα、又は式(4)及び式(5)の定数Dを適切に調整することにより、通信容量を効果的に向上させることができる。
【0108】
エラーフリー通信状態では、光通信路25の信号誤り率(例えば、FER)は、回線15及び回線35等のアクセス回線における信号誤り率よりも極めて小さい。そのため、光通信路25における信号誤り率を下げたとしても、エンドユーザのスルーパットに与える影響は極めて小さいことが想定される。すなわち、実施の形態1にかかる光伝送装置20によれば、エンドユーザのスループットに与える影響を抑制しつつ、光通信路25の通信容量を効率的に向上させることができる。そして、通信容量を効率的に向上させることにより、通信事業者は、設備投資の費用を抑えることができ、低コスト化を図ることが可能となる。
【0109】
上述した実施の形態1において、以下の変形を施してもよい。
(変形例1)
実施の形態1では、光伝送装置20が取得部21、推定部22及び制御部23を備える構成として説明したが、光伝送装置30が取得部21、推定部22及び制御部23を備える構成としてもよい。
【0110】
取得部21は、光通信路25におけるRTT及びFER、並びに第2回線区間におけるRTTを計測して取得する。取得部21は、第2回線区間におけるFERを、回線35を提供する通信事業者に基づいて決定する。取得部21は、第1回線区間におけるRTT及びFERを光伝送装置20から取得する。
【0111】
取得部21は、光通信路25におけるQ値を算出して取得する。取得部21は、光通信路25を介して送受信されるデータ(フレーム)のOOFと、当該データのBERとを計測して取得する。
【0112】
取得部21は、光通信路25における光スペクトラム情報を計測して取得する。具体的には、取得部21は、光通信路25における通信チャネルの受信光強度、中心周波数、帯域幅、ガードバンド、WDMチャネル幅及びOSNRを計測して取得する。
【0113】
推定部22は、実施の形態1と同様に、推定部22は、第1回線区間、光通信路25、及び第2回線区間におけるRTT及びFERと、式(4)及び式(5)とを用いて、スループットを推定し、要求スループットを決定する。
【0114】
制御部23は、実施の形態1と同様に、通信容量制御及びFEC制御を実行する。制御部23は、通信容量制御及びFEC制御の制御内容を決定すると、光伝送装置20に通知し、光伝送装置20を介して、通信容量制御及びFEC制御を実行する。
以上のように、実施の形態1における光伝送装置20の構成を、光伝送装置30が有しても、実施の形態1と同様の効果を奏することができる。
【0115】
(変形例2)
推定部22は、上述した式(5)を用いて要求スループットを決定するが、決定した要求スループットを、第1回線区間の通信路及び第2回線区間の通信路を提供する通信事業者が要求する通信品質値(スループット)に基づいて調整してもよい。
【0116】
具体的には、例えば、回線15(第1回線区間)を提供する通信事業者がA社であり、回線35(第2回線区間)を提供する通信事業者がB社であるとする。A社が要求するスループットの上限値が200Mbpsであり、B社が要求するスループットの上限値が50Mbpsであるとする。推定部22が決定した要求スループットが300Mbpsであったとする。推定部22は、要求スループットが、回線15及び回線35を提供する通信事業者が要求するスループットの上限値のうち小さい方のスループットである50Mbpsよりも大きい場合、50Mbpsを要求スループットとしてもよい。
【0117】
もしくは、例えば、A社が要求するスループットの下限値(最低値)が200Mbpsであり、B社が要求するスループットの下限値(最低値)が50Mbpsであるとする。また、推定部22が決定した要求スループットが30Mbpsであったとする。推定部22は、要求スループットが、回線15及び回線35を提供する通信事業者が要求するスループットの下限値のうち小さい方のスループットである50Mbpsよりも小さい場合、50Mbpsを要求スループットとしてもよい。なお、推定部22は、回線15及び回線35を提供する通信事業者と、回線15及び回線35の回線種別との組み合わせに基づいて要求スループットを決定してもよい。このようにしても、実施の形態1と同様の効果を得ることができ、通信事業者が要求するスループットに応じた適切な要求スループットを設定することが可能となる。
【0118】
(変形例3)
推定部22は、上述した式(5)を用いて要求スループットを決定するが、エンドユーザ端末間のユーザプロファイルに基づいて、要求スループットを調整してもよい。ユーザプロファイルは、ユーザによる要求性能を表す指標であり、取得部21又は推定部22が、端末装置10と端末装置40に送信されるIPアドレスから決定してもよい。
【0119】
例えば、端末装置10と端末装置40との間の通信がデータセンタ間の通信である場合、取得部21又は推定部22は、ユーザプロファイルをDC(Data Center)として決定する。推定部22は、ユーザプロファイルがDCであり、DCに要求されるスループットが10Gbpsである場合、要求スループットを10Gbpsに設定してもよい。
【0120】
また、例えば、端末装置10と端末装置40との間の通信がデータセンタと一般ユーザとの間の通信である場合、取得部21又は推定部22は、ユーザプロファイルをDCtoHomeとして決定する。推定部22は、ユーザプロファイルがDCtoHomeであり、DCtoHomeに要求されるスループットが100Mbpsである場合、要求スループットを100Mbpsに設定してもよい。このようにしても、実施の形態1と同様の効果を得ることができ、ユーザプロファイルに応じた適切な要求スループットを設定することが可能となる。
【0121】
(変形例4)
制御部23は、Q値及びOOFに応じて、通信容量制御を実行することで説明をしたが、光通信路25のバースト誤りに関するバースト誤り情報に基づいて通信容量制御を実行してもよい。取得部21は、光通信路25を送受信されるデータ(フレーム)のバースト誤りの発生率及びバースト誤りが発生した継続時間を取得する。
【0122】
制御部23は、取得された発生率がバースト誤り発生率閾値を超過している場合、及び継続時間がバースト誤り継続時間閾値を超過している場合の少なくとも1つを満たす場合、光通信路25の通信容量を減少させる制御を実行してもよい。制御部23は、通信容量を減少させる制御として、光通信路25の通信チャネルのチャネル数を減少する制御、通信チャネルのガードバンド幅を広くする制御、及び変調方式の多値度を減少する制御の少なくとも1つを実行してもよい。このようにすれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができ、端末装置40に対して、より良い通信品質を提供することができる。
【0123】
(変形例5)
制御部23は、Q値及びOOFに応じて、通信容量制御を実行することで説明をした。Q値は、BERに関連がある品質情報である。BERに関連がある情報として、信号対雑音比も挙げられる。そのため、制御部23は、Q値の代わりに、例えば、OSNR等の信号対雑音比を用いて、通信容量制御を実行してもよい。すなわち、上述した実施の形態1において、制御部23は、OSNR及びOOFに応じて、通信容量制御を実行するようにしてもよい。
【0124】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。実施の形態2は、実施の形態1における光伝送装置20が実施した処理をネットワーク監視装置が実施する実施の形態である。なお、説明を割愛するが、実施の形態2にも、実施の形態1の変形例2~5が適用されてもよい。
【0125】
<光通信システムの構成例>
図9を用いて、実施の形態2にかかる光通信システム200の構成例について説明する。図9は、実施の形態2にかかる光通信システムの構成例を示す図である。光通信システム200は、端末装置10及び40と、光伝送装置30及び50と、ネットワーク監視装置60とを備える。
【0126】
光通信システム200は、実施の形態1にかかる光通信システム100に、ネットワーク監視装置60が追加された構成である。また、光通信システム200は、実施の形態1にかかる光通信システム100における光伝送装置20が光伝送装置50に置き換わった構成である。なお、端末装置10、40、及び光伝送装置30の構成は、基本的に実施の形態1と同様であるため適宜説明を割愛する。
【0127】
光伝送装置30は、第2回線区間におけるRTTを計測して、計測した第2回線区間におけるRTTをネットワーク監視装置60に送信する。光伝送装置30は、取得したIPアドレスから回線35を提供する通信事業者を特定し、通信事業者から第2回線区間におけるFERを決定する。光伝送装置30は、決定した第2回線区間におけるFERをネットワーク監視装置60に送信する。
【0128】
なお、光伝送装置30は、取得したIPアドレスから回線35を提供する通信事業者を特定し、特定された通信事業者をネットワーク監視装置60に送信してもよい。そして、ネットワーク監視装置60が、特定された通信事業者に基づいて、第2回線区間におけるFERを決定及び取得してもよい。
【0129】
光伝送装置30は、光通信路25におけるRTT及びFERを計測して、計測されたRTT及びFERを、ネットワーク監視装置60に送信する。
【0130】
光伝送装置30は、光通信路25を介して送受信されるデータ(フレーム)のOOFと、当該データのBERとを取得する。光伝送装置30は、取得したOOF及びBERをネットワーク監視装置60に送信する。
【0131】
光伝送装置30は、光通信路25の光スペクトラム情報を取得する。光伝送装置30は、光通信路25における通信チャネルの受信光強度、中心周波数、帯域幅、ガードバンド、WDMチャネル幅及びOSNRを計測する。また、光伝送装置30は、光通信路25におけるQ値を算出する。光伝送装置30は、光スペクトラム情報をネットワーク監視装置60に送信する。具体的には、光伝送装置30は、光通信路25における通信チャネルの受信光強度、中心周波数、帯域幅、ガードバンド、WDMチャネル幅、OSNR及び光通信路25におけるQ値をネットワーク監視装置60に送信する。
【0132】
光伝送装置50は、第1回線区間におけるRTTを計測して、計測した、第1回線区間におけるRTTをネットワーク監視装置60に送信する。光伝送装置50は、取得したIPアドレスから回線15を提供する通信事業者を特定し、特定した通信事業者から第1回線区間におけるFERを決定する。光伝送装置50は、決定した第1回線区間におけるFERをネットワーク監視装置60に送信する。
【0133】
なお、光伝送装置50は、取得したIPアドレスから回線15を提供する通信事業者を特定し、特定された通信事業者をネットワーク監視装置60に送信してもよい。そして、ネットワーク監視装置60が、特定された通信事業者に基づいて、第1回線区間におけるFERを決定及び取得してもよい。
【0134】
ネットワーク監視装置60は、実施の形態の概要における通信装置1に対応する。ネットワーク監視装置60は、光通信システム200のネットワーク全体を監視する装置である。ネットワーク監視装置60は、NMS(Network Management System)と称されてもよい。ネットワーク監視装置60は、ネットワークを介して、光伝送装置30及び50と接続されており、光伝送装置30及び50と通信を行う。ネットワーク監視装置60は、光伝送装置30及び50を監視し、光伝送装置30及び50を介して制御する。
【0135】
<ネットワーク監視装置の構成例>
次に、ネットワーク監視装置60の構成例について説明する。ネットワーク監視装置60は、取得部61と、推定部62と、制御部63とを備える。
【0136】
取得部61は、実施の形態1における取得部21に対応する。取得部61は、第1回線区間のRTT及びFERを光伝送装置50から取得する。取得部61は、第2回線区間及び光通信路25のRTT及びFERを光伝送装置30から取得する。
【0137】
取得部61は、光通信路25を介して送受信されるデータ(フレーム)のBERと、当該データのOOFとを光伝送装置30から取得する。
【0138】
取得部61は、光スペクトラム情報を光伝送装置30から取得する。具体的には、取得部61は、光通信路25における通信チャネルの受信光強度、中心周波数、帯域幅、ガードバンド、WDMチャネル幅、OSNR及び光通信路25におけるQ値を光伝送装置30から取得する。
【0139】
推定部62は、実施の形態1における推定部22に対応する。推定部62は、取得部61が取得した、第1回線区間、第2回線区間及び光通信路25におけるRTT及びFERと、式(4)及び式(5)とを用いて、スループットbestを推定し、要求スループットbtargetを決定する。
【0140】
制御部63は、実施の形態1における制御部23に対応する。制御部63は、基本的に制御部23と同様の構成であり、制御部63が行う制御内容は、実施の形態1における制御部23と同様であるため説明を割愛する。制御部63は、通信容量制御及びFEC制御の制御内容を決定すると、制御内容を光伝送装置30及び50に通知し、光伝送装置50を介して決定した制御内容を実行する。
【0141】
<ネットワーク監視装置の動作例>
次に、ネットワーク監視装置の動作例について説明する。ネットワーク監視装置60は、実施の形態1における光伝送装置30の動作例と基本的に同様であるため、図6図8を参照して適宜割愛しながら説明する。ネットワーク監視装置60は、エラーフリー通信状態で図6図8の動作を実行する。なお、ネットワーク監視装置60は、光伝送装置30及び50が装置起動中の任意にタイミングで処理を開始してもよい。
【0142】
取得部61は、第1回線区間及び第2回線区間のRTT及びFERを光伝送装置30及び50から取得する(ステップS1)。取得部61は、第1回線区間のRTT及びFERを光伝送装置50から取得し、第2回線区間のRTT及びFERを光伝送装置30から取得する。
【0143】
取得部61は、光スペクトラム情報を光伝送装置30から取得する(ステップS2)。取得部61は、光通信路25における通信チャネルの受信光強度、中心周波数、帯域幅、ガードバンド、WDMチャネル幅、OSNR及び光通信路25におけるQ値を光伝送装置30から取得する。
【0144】
取得部61は、光通信路25を介して送受信されるデータ(フレーム)のBER及びOOFを光伝送装置30から取得し(ステップS3)、光通信路25のRTT及びFERを光伝送装置30から取得する(ステップS4)。
【0145】
推定部62は、スループットbestを推定し(ステップS5)、要求スループットbtargetを決定する(ステップS6)。推定部62は、取得部61が取得した、第1回線区間、第2回線区間及び光通信路25におけるRTT及びFERと、式(4)及び式(5)とを用いて、スループットbestを推定し、要求スループットbtargetを決定する。なお、ステップS6は、エラーフリー通信状態において処理開始後、最初の1回目のみに実行される。つまり、推定部62は、エラーフリー通信状態において処理開始後、最初の1回目のみ要求スループットbtargetを決定し、後述する通信容量制御及びFEC制御が実行された後は要求スループットbtargetを決定しない。
【0146】
次に、制御部63は、スループットbestが要求スループットbtargetを満たしているかを判定する(ステップS7)。スループットbestが要求スループットbtargetを満たしている場合(ステップS7のYES)、制御部63は、Q値及びOOFが所定範囲内であるかを判定する(ステップS8)。
【0147】
Q値及びOOFが所定範囲内ではない場合(ステップS8のNO)、制御部63は、通信容量制御を実行する(ステップS9)。制御部63は、通信容量制御の制御内容を光伝送装置30及び50に通知し、光伝送装置50を介して制御する。そして、ネットワーク監視装置60は、ステップS2以降の動作を実行する。
【0148】
一方、Q値及びOOFが所定範囲内である場合(ステップS8のYES)、制御部63は、FEC制御を実行する(ステップS10)。制御部63は、FEC制御の制御内容を光伝送装置30及び50に通知し、光伝送装置50を介して制御する。そして、ネットワーク監視装置60は、ステップS3以降の動作を実行する。
【0149】
ステップS7において、スループットbestが要求スループットbtargetを満たしていない場合(ステップS7のNO)、制御部63は、スループットbestが要求スループットbtargetを満たす最適な状態に変更し(ステップS11)、処理を終了する。
【0150】
制御部63は、光伝送装置30及び50に対して、最適な状態に変更するように通知し、光伝送装置50を介して最適な状態に変更する。なお、最適な状態とは、スループットbestが要求スループットbtargetを上回る最も低いスループットとなる状態である。つまり、ステップS11において、制御部63は、スループットbestが要求スループットbtargetを下回る直前の制御内容を元に戻す制御を、光伝送装置50を介して実行して処理を終了する。
【0151】
ステップS9及びS10において実行される通信容量制御及びFEC制御は、図7及び図8と同様であるため説明を割愛する。なお、制御部63は、制御内容を決定すると、光伝送装置30及び50に通知し、光伝送装置50を介して、光通信路25に対して制御を実行する。
【0152】
以上説明したように、ネットワーク監視装置60が、実施の形態1にかかる光伝送装置20が実行する処理内容を実行しても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。すなわち、実施の形態2にかかるネットワーク監視装置60を用いても、実施の形態1と同様に、スループットが要求される要求スループットを満たしつつ、光通信路25の通信容量を向上させることが可能となる。したがって、実施の形態2にかかるネットワーク監視装置60によれば、通信品質を考慮しながら通信インフラの通信容量を向上させることが可能となる。
【0153】
(他の実施の形態)
<1>上述した実施の形態では、通信品質及び要求通信品質は、スループットであることとしたが、通信品質及び要求通信品質がFERであってもよい。通信品質及び要求通信品質がFERである場合、pestがpe2eを基準とする要求FERを下回るように制御を行えばよい。このようにしても、上述した実施の形態と同様の効果を奏することが可能となる。
【0154】
<2>図10は、上述した実施の形態において説明した通信装置1、光伝送装置20、30、50、及びネットワーク監視装置60(以下、通信装置1等と称する)のハードウェア構成例を示すブロック図である。図10を参照すると、通信装置1等は、ネットワーク・インターフェース1201、プロセッサ1202、及びメモリ1203を含む。ネットワーク・インターフェース1201は、光伝送装置、端末装置、ネットワーク監視装置等、光通信システムに含まれる他の通信装置と通信するために使用される。
【0155】
プロセッサ1202は、メモリ1203からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された通信装置1等の処理を行う。プロセッサ1202は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ1202は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0156】
メモリ1203は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ1203は、プロセッサ1202から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ1202は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ1203にアクセスしてもよい。
【0157】
図10の例では、メモリ1203は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ1202は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ1203から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された通信装置1等の処理を行うことができる。
【0158】
図10を用いて説明したように、通信装置1等が有するプロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1または複数のプログラムを実行する。
【0159】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、半導体メモリを含む。半導体メモリは、例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0160】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施の形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0161】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1通信装置から第2通信装置までの通信路であって、光通信路を含む通信路の品質情報を取得する取得手段と、
前記品質情報に基づいて、前記第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定する推定手段と、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記光通信路における通信チャネルに対して制御する制御手段と、を備える通信装置。
(付記2)
前記制御手段は、前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記通信チャネルの通信チャネル構成及び変調方式の少なくとも1つを変更する第1制御、及び前記通信チャネルに適用する誤り訂正処理を変更する第2制御の少なくとも一方を実行する、付記1に記載の通信装置。
(付記3)
前記取得手段は、前記通信チャネルの光品質値と、前記通信チャネルを介して送信されるデータの検出失敗率と、を取得し、
前記制御手段は、前記通信品質が前記要求通信品質に基づく所定条件を満たさない場合、前記光品質値と、前記検出失敗率とに応じて、前記第1制御を実行する、付記2に記載の通信装置。
(付記4)
前記制御手段は、前記第1制御として、前記通信チャネルのチャネル数の変更、前記通信チャネルのガードバンド幅の変更、及び前記変調方式の変更の少なくとも1つを実行する、付記3に記載の通信装置。
(付記5)
前記制御手段は、前記通信チャネルの中心周波数及び帯域幅を変更して、前記チャネル数及び前記ガードバンド幅を変更する、付記4に記載の通信装置。
(付記6)
前記制御手段は、前記光品質値が第1閾値以上であり、前記検出失敗率が第2閾値未満である場合、前記チャネル数を増加する制御、前記ガードバンド幅を狭くする制御、及び前記変調方式の多値度を増加する制御の少なくとも1つを実行する、付記4又は5に記載の通信装置。
(付記7)
前記制御手段は、前記光品質値が第1閾値未満であり、前記検出失敗率が第2閾値未満である場合、前記チャネル数を増加する制御、前記ガードバンド幅を狭くする制御、及び前記変調方式の多値度を増加する制御の少なくとも1つを実行する、付記4~6のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記8)
前記制御手段は、前記光品質値が第1閾値未満であり、前記検出失敗率が第2閾値以上である場合、前記チャネル数を減少する制御、前記ガードバンド幅を広くする制御、及び前記変調方式の多値度を減少する制御の少なくとも1つを実行する、付記4~7のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記9)
前記制御手段は、前記チャネル数を増加する場合であって、前記光通信路に出力される送信電力の総量が前記光通信路に出力可能な電力値を超過する場合、前記通信チャネルの送信パワーを下げる、付記4~8のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記10)
前記取得手段は、前記光通信路におけるバースト誤りに関するバースト誤り情報を取得し、
前記制御手段は、前記バースト誤り情報が第3閾値を超過している場合、前記チャネル数を減少する制御、前記ガードバンド幅を広くする制御、及び前記変調方式の多値度を減少する制御の少なくとも1つを実行する、付記4~9のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記11)
前記バースト誤り情報は、前記バースト誤りの発生率、及び前記バースト誤りが発生した継続時間を含む、付記10に記載の通信装置。
(付記12)
前記取得手段は、前記データの誤り訂正前の誤り率を示す第1誤り率をさらに取得し、
前記制御手段は、前記通信品質が前記所定条件を満たさない場合であって、前記光品質値及び前記検出失敗率がそれぞれ所定範囲に含まれる場合、前記第1誤り率に応じて、前記第2制御を実行する、付記3~11のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記13)
前記制御手段は、前記第2制御として、前記誤り訂正に使用されるパリティ長を変更する、付記12に記載の通信装置。
(付記14)
前記制御手段は、前記第1誤り率が第3閾値以上である場合、前記パリティ長を増加する、請求項13に記載の通信装置。
(付記15)
前記制御手段は、前記第1誤り率が第3閾値未満である場合、前記パリティ長を削減する、付記13又は14に記載の通信装置。
(付記16)
前記第2制御は、Probabilistic shapingを適用する制御を含み、
前記取得手段は、前記通信チャネルの信号対雑音比を取得し、
前記制御手段は、前記通信品質が前記所定条件を満たさない場合であって、前記光品質値及び前記検出失敗率がそれぞれ所定範囲に含まれる場合、前記信号対雑音比に応じてProbabilistic shapingを適用する、付記12~15のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記17)
前記通信品質及び前記要求通信品質は、スループットであり、
前記品質情報は、前記通信路における遅延時間、及び前記通信路を介して送信されるデータの誤り訂正後の誤り率を示す第2誤り率を含み、
前記推定手段は、前記遅延時間と、前記第2誤り率とに基づいて、前記通信品質を推定し、前記要求通信品質を決定する、付記1~16のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記18)
前記推定手段は、前記遅延時間と、前記第2誤り率と、スループットを推定する推定モデルとを用いて、前記通信品質を推定し、前記要求通信品質を決定する、付記17に記載の通信装置。
(付記19)
前記通信路は、第1区間、第2区間及び前記光通信路を含み、
前記取得手段は、前記第1区間、前記第2区間、及び前記光通信路における前記遅延時間及び前記第2誤り率を取得し、
前記推定手段は、前記第1区間、前記第2区間、及び前記光通信路における前記遅延時間及び前記第2誤り率に基づいて、前記通信品質を推定し、前記要求通信品質を決定する、付記17又は18に記載の通信装置。
(付記20)
前記推定手段は、前記光通信路における前記第2誤り率をゼロとして前記要求通信品質を決定する、付記19に記載の通信装置。
(付記21)
前記取得手段は、前記第1区間及び前記第2区間の通信路を提供する通信事業者に基づいて、前記第1区間及び前記第2区間における前記遅延時間及び前記第2誤り率を決定する、付記19又は20に記載の通信装置。
(付記22)
前記推定手段は、前記第1区間及び前記第2区間の通信路を提供する通信事業者が要求する通信品質値に基づいて、前記決定された要求通信品質を調整する、付記19~21のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記23)
前記推定手段は、エンドユーザ端末間のユーザプロファイルに基づいて、前記決定された要求通信品質を調整する、付記1~22のいずれか1項に記載の通信装置。
(付記24)
第1通信装置から第2通信装置までの通信路であって、光通信路を含む通信路の品質情報を取得することと、
前記品質情報に基づいて、前記第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定することと、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記光通信路における通信チャネルに対して制御することと、を含む通信制御方法。
(付記25)
第1通信装置から第2通信装置までの通信路であって、光通信路を含む通信路の品質情報を取得することと、
前記品質情報に基づいて、前記第2通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定することと、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記光通信路における通信チャネルに対して制御することと、をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記26)
第1光伝送装置と、前記第1光伝送装置と光通信路を介して通信する第2光伝送装置と、前記第1光伝送装置及び前記第2光伝送装置と通信するネットワーク監視装置とを含み、
前記第1光伝送装置は、
第1通信装置から前記第1光伝送装置までの第1通信路における第1品質情報を計測し、
前記第2光伝送装置は、
前記光通信路における第2品質情報と、前記第2光伝送装置から第2通信装置までの第2通信路における第3品質情報とを計測し、
前記ネットワーク監視装置は、
前記第1品質情報を前記第1光伝送装置から取得し、前記第2品質情報及び前記第3品質情報を前記第2光伝送装置から取得し、
前記第1品質情報、前記第2品質情報及び前記第3品質情報に基づいて、前記第1通信装置における通信品質を推定するとともに要求通信品質を決定し、
前記通信品質が前記要求通信品質を満たすように、前記第1光伝送装置を介して前記光通信路における通信チャネルに対して制御する、光通信システム。
【符号の説明】
【0162】
1 通信装置
2、21、61 取得部
3、22、62 推定部
4、23、63 制御部
10、40 端末装置
15、35 回線
20、30、50 光伝送装置
25 光通信路
60 ネットワーク監視装置
100、200 光通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10