(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報端末、電子機器、情報処理システム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04M 1/72457 20210101AFI20240110BHJP
H04M 1/72412 20210101ALI20240110BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H04M1/72457
H04M1/72412
H04M1/00 U
(21)【出願番号】P 2022132150
(22)【出願日】2022-08-23
(62)【分割の表示】P 2018186636の分割
【原出願日】2018-10-01
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】流田 寛史
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-142860(JP,A)
【文献】特開2015-073809(JP,A)
【文献】特開2017-118550(JP,A)
【文献】特開2016-143242(JP,A)
【文献】特開2014-025842(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04F7/00-13/06
G04G3/00-99/00
H04M1/00
1/24-1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計時機能を有する電子機器とともに用いられる情報端末であって、
衛星測位システムを利用して位置情報を取得可能な測位モジュールと、
前記電子機器と通信可能な通信装置と、
表示装置と、
制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記通信の接続が確立しているときに、前記電子機器に入力されたユーザの活動に関する情報
と、前記計時機能における経過時間の計測値と、が関連付けられた情報を、前記通信装置を介して前記電子機器から取得し、
衛星測位システムを利用して取得した位置情報を、前記測位モジュールから取得し、
前記位置情報と、前記ユーザの活動に関する情報と、を関連付けて前記表示装置に表示させる、
情報端末。
【請求項2】
前記ユーザの活動に関する情報は、前記計時機能における経過時間の計測のスタートの操作に関する情報を含み、
前記制御回路は、
前記スタートの操作が入力されたときに前記電子機器から送信された前記通信の接続を要求する信号を、前記通信装置を介して取得し、
前記接続を要求する信号に基づいて、前記通信装置に、前記電子機器と当該情報端末との接続を確立させ、
前記接続が確立したら前記電子機器から送信される前記スタートの操作に関する情報を、前記通信装置を介して取得する、
請求項
1に記載の情報端末。
【請求項3】
前記制御回路は、前記通信装置に前記接続を確立させるとともに、前記測位モジュールからの位置情報の取得を開始する、請求項
2に記載の情報端末。
【請求項4】
前記ユーザの活動に関する情報は、前記計時機能における経過時間の計測のリセットの操作に関する情報を含み、
前記制御回路は、前記電子機器から送信された前記リセットの操作に関する情報を、前記通信装置を介して取得したとき、前記通信装置に前記接続を切断させる、
請求項
1に記載の情報端末。
【請求項5】
前記制御回路は、前記通信装置に前記接続を切断させるとともに、前記測位モジュールからの位置情報の取得を終了する、請求項
4に記載の情報端末。
【請求項6】
前記制御回路は、
前記電子機器から送信された、前記計時機能における経過時間に関する情報を、前記通信装置を介して取得し、
前記位置情報と前記ユーザの活動に関する情報とに加えて、さらに前記経過時間に関する情報を関連付けて前記表示装置に表示させる、
請求項
1に記載の情報端末。
【請求項7】
前記ユーザの活動に関する情報は、前記計時機能における経過時間の計測のストップ及びリセットの操作に関する情報を含み、
前記制御回路は、前記通信装置を介して前記ストップの操作に関する情報を取得してから前記リセットの操作に関する情報を取得するまでに前記測位モジュールから取得した前記位置情報を削除する、
請求項
1に記載の情報端末。
【請求項8】
前記制御回路は、
前記電子機器によって送信された前記ユーザの活動に関する履歴を含む情報を、前記通信装置を介して取得し、
前記履歴を含む情報を用いて、活動履歴の情報を作成する、
請求項1に記載の情報端末。
【請求項9】
前記履歴を含む情報は、前記接続が確立されていない間の前記ユーザの活動に関する情報を含み、
前記制御回路は、前記履歴を含む情報に基づいて、前記接続が確立されていない間の前記ユーザの活動に関する情報を含む前記活動履歴の情報を作成する、
請求項
8に記載の情報端末。
【請求項10】
前記制御回路は、
前記電子機器から送信された前記ユーザの活動に関する情報を所定時間取得していないとき、前記通信装置に前記接続を切断させ、
前記接続が切断した後も、前記測位モジュールからの位置情報の取得を継続する、
請求項1に記載の情報端末。
【請求項11】
衛星測位システムを利用して位置情報を取得可能な情報端末とともに用いられる電子機器であって、
前記情報端末と通信可能な通信装置と、
ユーザによる操作を受け付け可能な操作部と、
制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、
前記情報端末との通信の接続が確立しているときに、前記情報端末で前記衛星測位システムを利用して取得した位置情報と関連付けて記録される、前記操作部に入力された前記ユーザの活動に関する情報を、前記通信装置を介して前記情報端末に送信し、
前記通信の接続が確立していないときに、前記操作部に前記ユーザの活動に関する操作が入力された場合、前記通信装置を介して前記通信の接続を要求する信号を送信し、
前記接続を要求する信号に基づいて、前記情報端末によって確立される当該電子機器と前記情報端末との接続が確立したら、前記通信装置を介して前記ユーザの活動に関する情報を前記情報端末に送信し、
前記接続を要求する信号の出力の後、前記接続の確立の前に、前記操作部に次の前記ユーザの活動に関する操作が入力されたとき、接続の確立後に直近に前記操作部が受けた前記ユーザの活動に関する情報を、前記通信装置を介して前記情報端末に送信する、
電子機器。
【請求項12】
ユーザによる操作を受け付け可能な操作部を備える
、計時機能を有する電子機器と、
表示装置を備え、衛星測位システムを利用して位置情報を取得可能で、前記電子機器と通信可能な情報端末と
、を備える
情報処理システムであって、
前記電子機器は、前記通信の接続が確立しているときに、
前記電子機器に入力された前記ユーザの活動に関する情報
と、前記計時機能における経過時間の計測値と、が関連付けられた情報を前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、衛星測位システムを利用して取得した位置情報と、前記ユーザの活動に関する情報と、を関連付けて前記表示装置に表示する、
情報処理システム。
【請求項13】
衛星測位システムを利用して位置情報を取得可能な測位モジュールと、計時機能を有する電子機器と通信可能な通信装置と、表示装置と、を備え、前記電子機器とともに用いられる情報端末のコンピュータが、
前記通信の接続が確立しているとき
に、前記電子機器に入力されたユーザの活動に関する情報と、前記計時機能における経過時間の計測値と、が関連付けられた情報を、前記通信装置を介して前記電子機器から取得し、
衛星測位システムを利用して取得した位置情報を、前記測位モジュールから取得し、
前記位置情報と、前記ユーザの活動に関する情報と、を関連付けて前記表示装置に表示させる、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末、電子機器、情報処理システム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
運動量の管理やトレーニングの効率化など種々の目的で、ウォーキング、ランニング、サイクリングなどの活動の履歴を記録することが行われている。このような活動履歴のうち、例えば衛星測位システムを用いた位置の履歴も有益な情報である。
【0003】
例えば特許文献1には、GPS(Global Positioning System)によって現在位置を取得して単位時間あたりの移動距離を計測するとともに、加速度センサによって単位時間あたりの歩数を計測する携帯型歩行支援装置に関する技術が開示されている。この携帯型歩行支援装置は、ユーザの歩行に関する歩幅とピッチとを算出してユーザに提示し、歩幅とピッチとに関するアドバイスをユーザに提供する。
【0004】
腕時計などといったリスト情報機器は、ユーザの手首に固定されるため、操作性がよい。一方で、リスト情報機器は、ユーザの手首に固定されるが故に大きさが制限され、大容量の電池を搭載することに困難を伴うことがある。GPSなどといった衛星測位システムを利用した位置検出では電力消費が比較的大きい。
【0005】
スマートフォンなどといった携帯端末は、衛星測位システムを利用した位置検出などの機能を有し、また、十分な容量の電池を搭載しており、ウォーキング、ランニング、サイクリングなどの際に携帯されることがある。一方で、携帯端末は、その大きさ故に、活動中の操作には不向きなことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、電子機器と情報端末とを用いて効率的に活動を記録することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、情報端末は、計時機能を有する電子機器とともに用いられる情報端末であって、衛星測位システムを利用して位置情報を取得可能な測位モジュールと、前記電子機器と通信可能な通信装置と、表示装置と、制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記通信の接続が確立しているときに、前記電子機器に入力されたユーザの活動に関する情報と、前記計時機能における経過時間の計測値と、が関連付けられた情報を、前記通信装置を介して前記電子機器から取得し、衛星測位システムを利用して取得した位置情報を、前記測位モジュールから取得し、前記位置情報と、前記ユーザの活動に関する情報と、を関連付けて前記表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子機器と情報端末とを連携させて、効率的に活動を記録でき
る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るシステムの外観の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係るシステムの構成例の概略を示すブロック図である。
【
図3A】
図3Aは、一実施形態に係る腕時計のストップウォッチモードにおける動作の概略の一例を示すフローチャートである。
【
図3B】
図3Bは、一実施形態に係る腕時計のストップウォッチモードにおける動作の概略の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、一実施形態に係るスマートフォンのストップウォッチモードにおける動作の概略の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、一実施形態に係るシステムの動作の概略の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図6】
図6は、一実施形態に係る腕時計の画面遷移の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、一実施形態に係るシステムの動作の概略の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図8】
図8は、一実施形態に係るシステムの動作の概略の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図9】
図9は、一実施形態に係るシステムの動作の概略の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【
図10】
図10は、一実施形態に係るスマートフォンに表示される活動履歴を示す画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、経過時間を計測するストップウォッチ機能(計時機能)を備える腕時計などといったリスト情報機器と、スマートフォンなどといった情報端末とを有する情報処理システムに関する。本実施形態に係るシステムは、運動量の管理やトレーニングの効率化など種々の目的で、ウォーキング、ランニング、サイクリングなどの活動の履歴を記録するために用いられ得る。腕時計とスマートフォンとは、通信を行い、連携して動作することができる。腕時計は、現在の時刻などを示す通常の時計としての機能を発揮することはもちろんのこと、動作モードを切り替えることで、ストップウォッチとしての機能を発揮する。
【0012】
ストップウォッチの機能にも、腕時計単独で機能する非Syncモードの機能と、スマートフォンと連携して機能するSyncモードの機能とがある。Syncモードでは、ユーザが腕時計のストップウォッチ機能を使用するとき、腕時計に対して行った操作に関する情報がスマートフォンに送信される。スマートフォンは受信した操作に関する情報を用いて、腕時計のストップウォッチ機能と連携した動作を行う。特に、スマートフォンは、例えばGPS(Global Positioning System)といった衛星測位システムを用いて、現在位置の追跡を行い、現在位置情報に腕時計を用いて入力されたストップウォッチに関する操作や、ストップウォッチ機能を用いて計測された経過時間に関する情報を付加する。
【0013】
[システムの構成]
本実施形態に係るシステム10の外観の概略を
図1に示す。システム10は、腕時計100と、スマートフォン200とを備える。腕時計100は、ストップウォッチ機能を有する。
図1に示す例では、腕時計100は、時刻を示すための文字盤121、時針122、分針123等を備える。また、腕時計100は、液晶ディスプレイ(LCD)130を備える。LCD130には、例えばストップウォッチによる計測結果などが表示される。また、腕時計100は、ストップウォッチなど腕時計100の各種機能に関する操作を行うための操作部としてのボタンを備える。ボタンは、リセットボタン141、スタートボタン142、モードボタン143、アジャストボタン144などを含む。スマートフォン200は、表示装置としてのLCD230、入力装置としてのタッチパネル240などを備える。腕時計100とスマートフォン200とは、無線通信により接続される。この無線通信には、例えばBluetooth Low Energy(Bluetoothは登録商標)などといった、省エネルギーである近距離無線通信技術が使われ得る。省エネルギーな通信技術を用いることで、システム10の電力消費が抑制され得る。
【0014】
図2は、システム10の構成例の概略を示すブロック図である。腕時計100は、バスライン119を介して互いに接続された、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113、メモリ114、計時回路115、モーションセンサ116、通信装置117、指針機構120、LCD130、ボタンスイッチ140を備える。
【0015】
CPU111は、各種信号処理等を行う。RAM112は、CPU111の主記憶装置として機能する。ROM113は、各種プログラムなどを記憶している。メモリ114は、例えば半導体メモリを含む。メモリ114は、腕時計100のストップウォッチ機能を用いて計測した経過時間の情報などを記録できる。CPU111とともに、或いはCPU111の代わりに、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などといった、1つ又は複数の集積回路が用いられてもよい。
【0016】
計時回路115は、時計、ストップウォッチ等としての機能を実現するための時間の計測などを行う。モーションセンサ116は、例えば加速度計、角速度計、方位を取得するための磁気センサ、高度を取得するための気圧計などを含む。モーションセンサ116による検出値に基づいて、例えば歩数などが計測され得る。通信装置117は、スマートフォン200と通信を行うためなどに用いられる。
【0017】
指針機構120は、時針122及び分針123などを駆動するための駆動機構などを含む。LCD130は、上述したストップウォッチ機能を用いて計測された経過時間などを表示する表示装置である。ボタンスイッチ140は、上述のリセットボタン141、スタートボタン142、モードボタン143、アジャストボタン144などのスイッチを含む。
【0018】
スマートフォン200は、バスライン219を介して互いに接続されたCPU211、RAM212、ROM213、ストレージ214、測位モジュール215、通信装置217、LCD230、タッチパネル240などを備える。CPU211は、制御回路として、スマートフォン200の各部を制御するなど各種信号処理や各種演算等を行う。RAM212は、CPU211の主記憶装置として機能する。ROM213は、起動プログラムなどを記憶している。ストレージ214には、例えば、eMMC(Embedded Multi Media Card)、SSD(Solid State Drive)等が用いられる。ストレージ214には、CPUで用いられるプログラム、パラメータ等各種情報が記録されている。また、ストレージ214は、記憶装置として、腕時計100から取得した情報、スマートフォン200で取得した情報、それらを関連付けた情報などを記憶する。制御回路には、CPU211とともに、ASIC、FPGA、GPU(Graphics Processing Unit)などといった各種集積回路が用いられてもよく、集積回路の数はいくつであってもよい。表示装置として、LCD230に代えて有機ELディスプレイなど、他のデバイスが用いられてもよい。
【0019】
測位モジュール215は、衛星測位システムを利用した位置検出を行う。すなわち、測位モジュール215は、例えばGPS衛星などといった航法衛星から送信された電波を、アンテナを用いて受信する。測位モジュール215は、この電波の情報に基づいて、現在位置に関する情報を生成する。測位モジュール215は、GPSに限らず、準天頂衛星システムを含む各種GNSS(Global Navigation Satellite System)を利用するものであってよい。通信装置217は、腕時計100の通信装置117などと通信を行う。通信装置217は、腕時計100と通信を行う例えばBluetoothモジュールを含み得る。通信装置217は、無線LAN、携帯電話回線などに接続するための通信モジュールも含み得る。LCD230は、上述のとおり表示装置として機能する。タッチパネル240は、上述のとおり入力装置として機能する。
【0020】
[システムの動作の概略]
本実施形態では、腕時計100のスタートボタン142、リセットボタン141などを用いて、ストップウォッチのスタート、ストップ、リスタート、ラップ、リセットなどの操作が行われる。ここで、スタート操作とは、経過時間の計測を開始するための操作である。スタート操作は、計測がリセットされている状態で、例えばスタートボタン142が押されることで行われる。ストップ操作とは、経過時間の計測を停止するための操作である。ストップ操作は、経過時間の計測中に、例えばスタートボタン142が押されることで行われる。リスタート操作とは、一度ストップ操作によって計測を停止した後に、再び計測を継続する操作である。リスタート操作は、ストップ操作によって計測が停止した状態で、例えばスタートボタン142が押されることで行われる。ラップ操作とは、ラップタイムを計測するための操作である。ラップ操作は、経過時間の計測中に、例えばリセットボタン141が押されることで行われる。リセット操作とは、経過時間の計測をリセットする操作である。リセット操作は、ストップ操作によって計測が停止した状態で、例えばリセットボタン141が押されることで行われる。
【0021】
腕時計100は、ユーザによる操作に応じて経過時間の計測結果などをLCD130に表示する。また、腕時計100は、ユーザによる操作の履歴と、それら操作時に計測された経過時間、必要に応じてそれら操作時の時刻を記録する。また、腕時計100に対してストップウォッチ機能に関する各種操作が行われたとき、腕時計100は、その操作内容を無線通信によってスマートフォン200宛に送信する。また、腕時計100は、その他の各種情報、例えばユーザによる操作の履歴とそれら操作が行われた時刻とそれら操作によって計測された経過時間との関係を含む蓄積情報をスマートフォン200宛に送信してもよい。
【0022】
スマートフォン200は、衛星測位システムを用いた位置測定機能を備える。スマートフォン200は、腕時計100からスタート操作に関する信号を受信したとき、位置測定を開始し、スタート操作に関する情報を現在位置の情報と関連付けて記録する。また、スマートフォン200は、位置測定開始以降、定期的に現在位置を記録する。スマートフォン200は、腕時計100から、ラップ操作、ストップ操作などに関する信号を受信したとき、それら操作に関する情報を現在位置の情報と関連付けて記録する。スマートフォン200は、腕時計100から、リセット操作に関する信号を受信したとき、位置測定を終了し、また、不要な情報を削除する。スマートフォン200は、腕時計100からその他の各種情報を受信して記録してもよい。
【0023】
スマートフォン200は、記録した位置情報、腕時計100への操作情報、腕時計100から受信した蓄積情報を含む各種情報などに基づいて、各種表示を行ってもよい。この表示には、時間経過に伴う位置情報の変化の経緯、スタート操作、ラップ操作、ストップ操作が行われた位置の情報、スタートからストップまでの時間、各ラップタイム、高低差の変化、これら情報に基づく解析で得られた一連の活動で消費された熱量(消費カロリー)、速度、単位距離あたりの所要時間を示すペースなどの情報が含まれ得る。
【0024】
[腕時計の動作の概略]
腕時計100が備える上述のストップウォッチ機能に関する動作を
図3A及び
図3Bに示すフローチャートを参照して説明する。ここで説明する動作は、モードボタン143を用いてストップウォッチモードが選択されたときに行われる動作である。
【0025】
ステップS101において、腕時計100は、スマートフォン200と連携したストップウォッチの動作を行うSyncモードであるか否かを判定する。Syncモードでないとき、処理はステップS102に進む。ステップS102において、腕時計100は、スマートフォン200とは連携せずに、単独でストップウォッチの機能を発揮する。例えば、腕時計100は、スタートボタン142が押されたときに、経過時間の計測を開始し、次にスタートボタン142が押されたときに計測を停止する。腕時計100は、経過時間の計測中にリセットボタン141が押されたときにはラップタイムの計測を行う。腕時計100は、計測中の経過時間をLCD130に表示する。
【0026】
ステップS101において、Syncモードであると判定されたとき、処理はステップS103に進む。ステップS103において、腕時計100は、スタートボタン142が押されたか否か、すなわち、経過時間の計測の開始の指示が入力されたか否かを判定する。スタートボタン142が押されていないとき、処理はステップS101に戻る。すなわち、腕時計100は、スタートボタン142が押されるのを待つ。スタートボタン142が押されたとき、処理はステップS104に進む。
【0027】
ステップS104において、腕時計100は、経過時間の計測を開始する。また、ストップウォッチに関する記録を開始する。例えば、計測を開始した時刻が記録される。
【0028】
計測を開始すると共に、ステップS105において、腕時計100は、例えばBluetooth Low Energyによるスマートフォン200との通信を確立するために、接続処理を開始する。接続処理について、
図3Bに示すフローチャート参照して説明する。
【0029】
ステップS141において、腕時計100は、アドバタイジングを開始する。すなわちアドバタイズパケットの送信を開始する。このとき、腕時計100から送信されたアドバタイズパケットを受信したスマートフォン200が、腕時計100に接続要求を行うことが期待される。
【0030】
ステップS142において、腕時計100は、スマートフォン200からの接続要求があったか否かを判定する。接続要求があったとき、処理はステップS143に進む。ステップS143において、腕時計100は、所定の手続きに従って、スマートフォン200との接続を確立させる。その後、処理はステップS144に進む。ステップS144において、腕時計100は、接続フラグ(接続F)を1に設定し、接続処理を終了する。
【0031】
ステップS142において、接続要求がないと判定されたとき、処理はステップS145に進む。ステップS145において、腕時計100は、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間は、これに限らないが、例えば10秒であってもよい。所定時間が経過していないと判定されたとき、処理はステップS146に進む。
【0032】
ステップS146において、腕時計100は、ユーザによる操作が行われたか否かを判定する。操作が行われていないとき、処理はステップS142に戻る。すなわち、アドバタイジングを継続し、スマートフォン200との接続の試みを継続する。
【0033】
ステップS146において、操作が行われたと判定されたとき、処理はステップS147に進む。ステップS147において、腕時計100は、行われた操作に従って動作し、また、その操作について記録する。例えば、計測中に、スタートボタン142が押されたら、計測を一時停止し、そのときの計測値及び時刻などを記録する。例えば、リセットボタン141が押されたら、ラップタイムを表示し、ラップタイム及びその時刻などを記録する。その後、処理はステップS142に戻る。すなわち、スマートフォン200との接続の試みを継続する。
【0034】
ステップS145において所定時間が経過したと判定されたとき、処理はステップS148に進む。ステップS148において、腕時計100は、アドバタイズ信号の送信を終了する。すなわち、腕時計100は、スマートフォン200との通信の確立を断念する。また、スマートフォン200との接続を失敗したことをユーザに伝えるため、その旨を表す音を出力する。その後、処理はステップS149に進む。ステップS149において、腕時計100は、接続フラグを0に設定し、接続処理を終了する。
【0035】
以上のように、所定時間が経過するまでは、腕時計100は、スマートフォン200との接続の試みを継続し、その間に操作が行われたら、その操作に応じた動作を行い記録する。所定時間経過(タイムアウト)したら、接続を断念し、その旨をユーザに通知する。
【0036】
図3Aに戻って説明を続ける。ステップS106において、腕時計100は、接続フラグが1であるか否かを判定する。接続フラグが1でなく、0であるとき、処理はステップS108に進む。接続フラグが1であるとき、処理はステップS107に進む。ステップS107において、腕時計100は、それまでに記録されている操作に関する情報を、スマートフォン200宛に送信する。その後、処理はステップS108に進む。操作に関する情報を受信したスマートフォン200は、当該操作に応じた動作を行う。
【0037】
ステップS108において、腕時計100は、ユーザによる操作が行われたか否かを判定する。操作が行われていないとき、処理はステップS109に進む。ステップS109において、腕時計100は、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間は、ユーザによって設定され得る。所定時間は、これに限らないが、例えば30分、1時間などであってもよい。また、所定時間を無限大にすることに相当する設定、すなわち、タイムアウトの機能をオフにする設定が行われてもよい。所定時間が経過していないと判定されたとき、処理はステップS111に進む。
【0038】
ステップS109において、所定時間が経過したと判定されたとき、処理はステップS110に進む。ステップS110において、腕時計100は、スマートフォン200宛に、接続の切断を要求する。この要求に応じて、切断処理が行われ、接続が切断される。その後、処理はステップS111に進む。
【0039】
このように、所定時間操作が行われていないときは、ユーザが経過時間の計測を望んでいないにもかかわらず、計測が継続中になっている場合と考えられる。このような場合に通信が切断されることで、無駄な電力消費が抑制され得る。なお、ステップS110で行われるのは、所定時間操作が行われないために積極的に接続を切断する場合であるが、電波が届かなくなるなど種々の要因で意図せずに接続が切断することもある。
【0040】
ステップS111において、腕時計100は、スマートフォン200との接続が意図的に又は意図せずに切断したか否かを判定する。切断状態が継続している場合を含み切断が検出されていないとき、処理はステップS108に戻る。すなわち、腕時計100は、ユーザによって操作が行われるのを待つ。
【0041】
ステップS111において、切断が検出されたとき、処理はステップS112に進む。ステップS112において、腕時計100は、接続フラグを0に設定する。また、腕時計100は、切断した旨をユーザに伝達するため、その旨を表す音を出力する。その後、処理はステップS108に戻り、ユーザの操作を待つ。
【0042】
ステップS108において、ユーザによる操作が行われたと判定されたとき、処理はステップS113に進む。ステップS113において、腕時計100は、行われた操作に従って動作し、また、その操作について記録する。その後、処理はステップS114に進む。
【0043】
ステップS114において、腕時計100は、接続フラグが1であるか否か、すなわち、スマートフォン200と接続中であるか否かを判定する。接続中であるとき、処理はステップS117に進む。接続中でないとき、処理はステップS115に進む。ステップS115において、腕時計100は、接続処理を行う。接続処理は
図3Bを参照して上述したとおりである。その後、ステップS116において、腕時計100は、接続フラグが1であるか否か、すなわち、スマートフォン200と接続しているか否かを判定する。接続していないとき、処理はステップS108に戻る。すなわち、ユーザからの操作を再び待つ。接続しているとき、処理はステップS117に進む。
【0044】
ステップS117において、腕時計100は、記録しており、まだ送信していない操作情報をスマートフォン200宛に送信する。すなわち、ユーザによる操作が行われたとき、腕時計100は、スマートフォン200と接続していれば直ちに、スマートフォン200と接続していなければ接続を確立しその後に、操作情報をスマートフォン200宛に送信する。
【0045】
ステップS118において、腕時計100は、ユーザによって行われた操作がリセット操作であるか否かを判定する。リセット操作でないとき、処理はステップS108に戻る。すなわち、腕時計100は、ユーザによる次の操作を待つ。一方、リセット操作であるとき、処理はステップS119に進む。
【0046】
ステップS119において、腕時計100は、メモリ114に蓄積されている情報をスマートフォン200宛に送信する。この情報は、スタート、ラップ、ストップ、リスタート、リセットなどの操作の履歴、それら操作で計測された経過時間、それら操作が行われた時刻などの一連の情報を含み得る。その後、ステップS120において、腕時計100は、スマートフォン200宛に通信の切断を要求し、所定の手続きに従って、接続を切断する。その後、処理はステップS101に戻る。すなわち、再び上述のとおり、スタートボタン142が押されるのを待つ。
【0047】
[スマートフォンの動作の概略]
Syncモードのストップウォッチ機能に関するスマートフォン200の動作を
図4に示すフローチャートを参照して説明する。ここで説明する動作は、スマートフォン200において、腕時計100と連携して動作するアプリケーションソフトウェア(アプリ)が起動しているときの動作であり、ストップウォッチ機能に関するものについて説明する。
【0048】
ステップS201において、スマートフォン200は、腕時計100が送信したアドバタイズパケットを受信したか否かを判定する。アドバタイズパケットを受信していないとき、処理はステップS201を繰り返す。すなわち、腕時計100からの受信を待つ。アドバタイズパケットを受信したとき、処理はステップS202に進む。
【0049】
ステップS202において、スマートフォン200は、アドバタイズパケットに含まれる情報に基づいて、腕時計100宛に接続要求を送信する。この接続要求に基づいて、腕時計100とスマートフォン200との間で所定の手続きが取られ、両者の間の接続が確立されることが期待される。
【0050】
ステップS203において、スマートフォン200は、接続が確立したか否かを判定する。接続が確立していないとき、処理はステップS201に戻る。すなわち、腕時計100との接続が確立するまで、上述の処理が繰り返される。接続が確立したとき、処理はステップS204に進む。
【0051】
ステップS204において、スマートフォン200は、衛星測位システムを用いてスマートフォン200の現在位置を取得する。以後、スマートフォン200は、現在位置を定期的に取得し、当該スマートフォン200の移動を追跡する。すなわち、各時刻における位置情報の一覧が作成される。この位置情報は、地図情報と対応付けられ、移動の軌跡を示し得る。
【0052】
ステップS205において、スマートフォン200は、腕時計100から取得した操作情報を、上述の位置情報と関連付けて記録する。例えば、腕時計100に対して、スタート、ラップ、ストップなどの操作が行われた位置が関連付けられて記録される。これらの情報に基づけば、地図上に、腕時計100及びスマートフォン200を携帯したユーザの移動の軌跡を描き、さらにスタート、ラップ、ストップなどの操作が行われた位置を示すことができる。このようなスマートフォン200で取得した位置情報に、腕時計100で取得した操作情報を関連付ける処理をピン立てと称することにする。
【0053】
ステップS206において、スマートフォン200は、腕時計100との接続が継続しているか否かを判定する。接続が継続しているとき、処理はステップS207に進む。ステップS207において、スマートフォン200は、腕時計100から切断要求があるか否かを判定する。例えば、上述の腕時計100の動作では、ステップS110及びステップS120において、切断要求がスマートフォン200宛に送信される。
【0054】
切断要求があるとき、処理はステップS208に進む。ステップS208において、スマートフォン200は、切断処理を行う。すなわち、スマートフォン200は、所定の手続きに従って、腕時計100宛に接続の切断を要求し、接続を切断させる。その後、処理はステップS215に進む。
【0055】
ステップS207において、切断要求がないと判定されたとき、処理はステップS209に進む。ステップS209において、スマートフォン200は、腕時計100から操作情報を受信したか否か判定する。操作情報を受信していないとき、処理はステップS206に戻る。すなわち、接続が継続している間、スマートフォン200は、腕時計100から操作情報を受信するのを待つ。
【0056】
ステップS209において、操作情報を受信したと判定されたとき、処理はステップS210に進む。ステップS210において、スマートフォン200は、腕時計100から取得した操作情報を、スマートフォン200で取得した位置情報と関連付けるピン立てを行う。
【0057】
ステップS211において、スマートフォン200は、腕時計100から取得した操作情報がリセットに関する情報であるか否かを判定する。リセットに関する情報でないとき、処理はステップS206に戻る。すなわち、スマートフォン200は、腕時計100からの操作情報の受信とピン立てとを繰り返す。
【0058】
ステップS211において、操作情報がリセットに関する情報であると判定されたとき、処理はステップS212に進む。ステップS212において、スマートフォン200は、蓄積情報処理を行う。すなわち、操作情報がリセットに関する情報であるとき、腕時計100は、ステップS119の処理で蓄積情報をスマートフォン200宛に送信する。スマートフォン200は、この蓄積情報を受信し、スタートからリセットまでの各種情報を、スマートフォン200で取得した情報と関連付けて記録する。
【0059】
また、このとき、腕時計100はステップS120の処理で切断要求をスマートフォン200宛に送信している。ステップS213において、スマートフォン200は、この切断要求を受信し、所定の切断手続きを行い、腕時計100とスマートフォン200との接続を切断する。また、スマートフォン200は、衛星測位システムを利用した現在位置の取得を終了する。
【0060】
ステップS214において、スマートフォン200は、一連の情報に基づいて、スタートからリセットまでの情報を活動履歴として整理し、各種演算を行って追加する情報を算出し、記録する。追加の情報としては、例えば、移動に関して所定距離あたりの平均所要時間である平均ペースであったり、一連の活動で消費された熱量であったりする。その後、処理はステップS201に戻る。
【0061】
ステップS206において、接続中でないと判定されたとき、処理はステップS215に進む。ステップS215において、スマートフォン200は、腕時計100から送信されたアドバタイズパケットを受信したか否かを判定する。何らかの理由で接続が切断しても、腕時計100のステップS115の処理のように、腕時計100に操作が入力されたとき、腕時計100は、スマートフォン200との接続を確立すべくアドバタイジングを行う。このような場合に、スマートフォン200は、腕時計100から送信されたアドバタイズパケットを受信する。
【0062】
アドバタイズパケットを受信したとき、処理はステップS216に進む。ステップS216において、スマートフォン200は、腕時計100宛に接続要求を送信し、所定の手続きで接続の確立を試みる。
【0063】
ステップS217において、スマートフォン200は、腕時計100との接続が確立したか否かを判定する。接続が確立したとき、処理はステップS210に進む。すなわち、腕時計100から接続処理のきっかけとなった操作情報を受信し、当該操作情報に基づくピン立てを行う。接続が確立していないとき、処理はステップS215に戻り、腕時計100から出力されたアドバタイズパケットの受信を待つ。
【0064】
ステップS215において、アドバタイズパケットを受信していないと判定されたとき、処理はステップS218に進む。ステップS218において、スマートフォン200は、スマートフォン200のタッチパネル240に、位置情報の取得を停止させるためのユーザの指示が入力されたか否かを判定する。手動停止の指示が入力されていないとき、処理はステップS215に戻り、腕時計100から出力されたアドバタイズパケットの受信を待つ。一方、手動停止の指示が入力されたとき、処理はステップS214に進む。すなわち、手動で停止されるまでの情報を活動履歴として整理し、追加情報を演算し、記録する。
【0065】
[システムの動作例]
本実施形態に係るシステム10の動作の例を説明する。
図5は、腕時計100及びスマートフォン200の動作例を示すタイミングチャートである。上段は、腕時計100への入力と、各タイミングでスマートフォン200に送信される情報を模式的に示す。中段は、腕時計100とスマートフォン200との接続状態を模式的に示す。下段は、スマートフォン200のアプリの動作状況を模式的に示す。また、
図6は、
図5に示した各タイミングにおける、LCD130に表示される画面の一例を示す。
【0066】
図5に示すように、時間T1において、Syncモードはオフになっているとする。また、ストップウォッチはリセットの状態である。
図6に示すように、時間T1の状態では、LCD130に表示される計測時間の表示領域131には、「00'00"00」が表示される。また、スタート前なので、ラップ数の表示領域132には、「001」が表示される。
【0067】
図5に示すように、時間T2において、モードボタン143が操作され、Syncモードがオンに変更されたとする。このとき、
図6に示すようにLCD130の計測時間の表示領域131には、「Sync」が所定時間、例えば数秒間、表示される。Syncモードに変更はされているが、この時点では、腕時計100とスマートフォン200とは接続していないし、接続するための動作も行われない。
【0068】
図5に示すように、時間T3において、スタートボタン142が押されたとする。このとき、腕時計100のステップS104の処理により、計測が開始され、記録が開始される。スタートの瞬間の計測時間は0秒であるので、
図6に示すように計測時間の表示領域131には、「00'00"00」が表示される。また、最初のラップなので、ラップ数の表示領域132には、「001」が表示される。このとき、腕時計100のステップS105で接続処理が行われ、ステップS141でアドバタイジングが開始される。
図5に示すように、スタートボタン142が押された時間T3から、スマートフォン200に発見されて接続が確立するまで、アドバタイジングがされることになる。接続が確立するまで、例えば4乃至5秒かかる。
【0069】
図6のT3aは、スタート後接続が確立されるまでの表示を示す。計測時間の表示領域131には、計測時間が表示されるとともに、その下のBluetooth表示領域133には、Bluetoothのマークが点滅表示される。
【0070】
図5に示すように、時間T4において、接続が確立したとする。このとき、
図6に示すように、時間T4では、Bluetooth表示領域133のBluetoothの表示が点灯する。また、腕時計100のステップS107の処理で、スタートボタン142が押されたという操作情報(StartFlag)が、この通信を介して腕時計100からスマートフォン200へと送信される。この信号を受信したスマートフォン200は、ステップS204の処理で、GPSなどの衛星測位システムを用いた位置測定を開始し、マッピングを開始する。また、ステップS205でスタートのピン立てを行う。すなわち、測定された位置が、スタート操作が行われた位置として記録される。なお、スタート操作によって始まった接続処理により接続が確立するまでに数秒の時間を要しているので、スマートフォン200がスタート操作に関する情報を受信した位置は、厳密な意味では腕時計100にスタート操作が入力された位置とは異なる。しかしながら、この差はわずかであり無視できるものとして、本実施形態では通信が確立したときに測定された現在位置が、スタート操作が行われた位置として記録される。
【0071】
図5に示すように、時間T5において、リセットボタン141が押されて、ラップ計測の入力が行われたとする。このとき、
図6のT5に示すように、腕時計100は、ステップS113の処理により、計測時間の表示領域131に、ラップタイムを表示する。また、ラップ数は1なので、ラップ数の表示領域132には、「001」が表示される。この表示は、数秒間維持される。その後、
図6のT5aに示すように、ラップ数が2なので、ラップ数の表示領域132に「002」が表示され、第2ラップのラップタイムが計測時間の表示領域131に表示される。
【0072】
また、腕時計100は、ステップS117の処理により、ラップ操作がされたという情報(LapFlag)、及びそのラップが第1ラップであるという情報(LapNo.)を、スマートフォン200宛に送信する。この情報を受信したスマートフォン200は、ステップS210の処理により、ラップ数と関連付けて、ラップに関するピン立てを行う。すなわち、ラップ操作が行われた位置が記録される。
【0073】
図5に示すように、時間T6において、スタートボタン142が押されて、ストップの入力が行われたとする。このとき、
図6のT6に示すように、腕時計100は、ステップS113の処理により、計測時間の表示領域131に、ラップタイムを表示する。また、ストップの指示がされたので、ラップ数の表示領域132には、「F」が表示される。この表示は、次の操作が行われるまで維持される。
【0074】
また、腕時計100は、ステップS117の処理により、ストップの指示が入力されたという情報(StopFlag)を、スマートフォン200宛に送信する。この情報を受信したスマートフォン200は、ステップS210の処理により、ストップに関するピン立てを行う。すなわち、ストップ操作が行われた位置が記録される。
【0075】
図5に示すように、時間T7において、スタートボタン142が押されて、リスタートの入力が行われたとする。このとき、
図6のT7に示すように、腕時計100は、ステップS113の処理により、経過時間の測定を再開する。また、腕時計100は、計測時間の表示領域131に、計測を再開した経過時間を表示する。この場合、ラップ数は2のままであり、ラップ数の表示領域132には、「002」が表示される。
【0076】
また、腕時計100は、ステップS117の処理により、リスタートの指示が入力されたという情報(ReSTARTFlag)を、スマートフォン200宛に送信する。この情報を受信したスマートフォン200は、ステップS210の処理により、リスタートに関するピン立てを行う。
【0077】
図5に示すように、時間T8において、スタートボタン142が押されて、ストップの入力が行われたとする。このとき、
図6のT8に示すように、腕時計100は、ステップS113の処理により、計測時間の表示領域131に、ラップタイムを表示する。また、ストップの指示がされたので、ラップ数の表示領域132には、「F」が表示される。この表示は、次の操作が行われるまで維持される。
【0078】
また、腕時計100は、ステップS117の処理により、ストップの指示が入力されたという情報(StopFlag)を、スマートフォン200宛に送信する。この情報を受信したスマートフォン200は、ステップS210の処理により、ストップに関するピン立てを行う。
【0079】
図5に示すように、時間T9において、リセットボタン141が押されて、リセットの入力が行われたとする。このとき、
図6のT9に示すように、腕時計100は、ステップS113の処理により、計測時間の表示領域131の表示を「00'00"00」にリセットする。また、ラップ数の表示領域132に、「001」が表示される。この表示は、次の操作が行われるまで維持される。
【0080】
また、腕時計100は、ステップS117の処理により、リセットの指示が入力されたという情報(ResetFlag)を、スマートフォン200宛に送信する。また、腕時計100は、ステップS119で必要な蓄積情報を、スマートフォン200宛に送信する。また、腕時計100は、ステップS120で切断要求をスマートフォン200宛に送信する。この情報を受信したスマートフォン200は、ステップS210の処理により、リセットに関する情報を記録する。また、スマートフォン200は、ステップS212の処理により蓄積情報に関する情報処理を行う。また、スマートフォン200は、ステップS213の処理により、腕時計100との接続を切断する。その結果、
図5に示すように、通信は切断される。また、スマートフォン200は、ステップS214の処理により、現在位置情報の取得を終了し、時間T8のストップ以降の位置情報を不要な情報として削除する。時間T8のストップ以降の位置情報を削除することで、経過時間の測定中のみの位置情報が保存されることになり、ユーザにとって不要な情報がない認識しやすい情報となる。
【0081】
以上のように、腕時計100でスタートの操作がされたときに、腕時計100とスマートフォン200との接続が行われ、腕時計100でリセットの操作がされたとき、接続が切断される。したがって、特に腕時計100は通信による電池の消耗を抑制することができる。また、腕時計100に対して行われた操作の情報は、スマートフォン200と共有されるので、腕時計100に入力された指示に応じた情報処理が行われ得る。
【0082】
図7に示す例について説明する。時間T11において、スタートボタン142が押されたとする。このとき、腕時計100は、ステップS104の処理により、計測を開始し、記録を開始する。さらに、腕時計100は、ステップS105の接続処理を行い、ステップS141の処理により、アドバタイジングを開始する。
【0083】
時間T12において、接続が確立したとする。このとき、腕時計100は、ステップS107の処理により、スタートボタン142が押されたという操作情報を、腕時計100からスマートフォン200へと送信する。スマートフォン200は、ステップS204の処理で、衛星測位システムを用いた位置測定を開始し、マッピングを開始する。また、スマートフォン200は、ステップS205の処理により、スタートのピン立てを行う。
【0084】
時間T13において、リセットボタン141が押されて、ラップ計測の入力が行われたとする。腕時計100は、ステップS113の処理により、ラップタイムを確定し、それをLCD130に表示し、メモリ114に記録する。また、腕時計100は、ステップS117の処理により、ラップ操作がされたこと、及びそのラップが第1ラップであることを、スマートフォン200宛に送信する。この情報を受信したスマートフォン200は、ステップS210の処理により、ラップ数と関連付けて、ラップに関するピン立てを行う。
【0085】
時間T14において、腕時計100とスマートフォン200との接続が、例えば電波障害又はタイムアウト等により、切断したとする。このとき、腕時計100は、ステップS112により、接続が切断したことを伝える音を出力する。切断していても、スマートフォン200は、現在位置の記録を継続する。現在位置の記録を継続することで、スマートフォン200は、その後の腕時計100への操作の入力に応じた処理が可能となる。
【0086】
時間T15において、スタートボタン142が押されて、ストップの入力が行われたとする。このとき、腕時計100は、ステップS113の処理により、測定タイムを確定し、それをLCD130に表示し、メモリ114に記録する。また、腕時計100は、ステップS115の接続処理を行い、ステップS141の処理により、アドバタイジングを開始する。操作に応じてアドバタイジングを開始することで、操作がないときに通信を確立させることが抑制される。その結果、電力消費が抑制される。
【0087】
時間T16において、接続が確立したとする。このとき、腕時計100は、ステップS117の処理により、ストップの指示が入力されたことを、スマートフォン200宛に送信する。この情報を受信したスマートフォン200は、ステップS210の処理により、ストップに関するピン立てを行う。
【0088】
時間T17において、リセットボタン141が押されて、リセットの入力が行われたとする。このとき、腕時計100は、ステップS113の処理により、測定タイム及びLCD130の表示をリセットする。腕時計100は、ステップS117の処理により、リセットの指示が入力されたことを、スマートフォン200宛に送信する。また、腕時計100は、ステップS119で必要な蓄積情報を、スマートフォン200宛に送信する。また、腕時計100は、ステップS120で切断要求をスマートフォン200宛に送信する。この情報を受信したスマートフォン200は、ステップS210の処理により、リセットに関する情報を記録する。また、スマートフォン200は、ステップS212の処理により蓄積情報に関する情報処理を行う。また、スマートフォン200は、ステップS213の処理により、腕時計100との接続を切断する。その結果、
図7に示すように、通信は切断される。また、スマートフォン200は、ステップS214の処理により、現在位置情報の取得を終了し、時間T16のストップ以降の位置情報を不要な情報として削除する。
【0089】
この例のように、何らかの理由で腕時計100とスマートフォン200との接続が切断されたとき、腕時計100に次の操作が入力されたタイミングで再接続のための動作が行われる。このような動作によっても、電力の消費が抑制される。
【0090】
図8に示す例について説明する。時間T21からT24までの腕時計100及びスマートフォン200の挙動は、
図7を参照して説明した場合と同様である。時間T24において、腕時計100とスマートフォン200との接続が切断したとする。
【0091】
時間T25において、スタートボタン142が押されて、ストップの入力が行われたとする。このとき、腕時計100は、ステップS113の処理により、測定タイムを確定し、それをLCD130に表示し、メモリ114に記録する。また、腕時計100は、ステップS115の接続処理を行い、ステップS141の処理により、アドバタイジングを開始する。
【0092】
時間T26において、接続が確立しないままタイムアウトしたとする。このとき、腕時計100は、ステップS148の処理により、接続を確立できなかった旨を表す音を出力する。
【0093】
時間T27において、リセットボタン141が押されて、リセットの入力が行われたとする。このとき、腕時計100は、ステップS113の処理により、測定タイム及びLCD130の表示をリセットする。また、腕時計100は、ステップS115の接続処理を行い、ステップS141の処理により、アドバタイジングを開始する。
【0094】
時間T28において、接続が確立しないままタイムアウトしたとする。このとき、腕時計100は、ステップS148の処理により、接続を確立できなかった旨を表す音を出力する。このように、腕時計100への操作の際に接続を確立できないと、腕時計100とスマートフォン200との情報交換はできないことになる。この場合、腕時計100からスマートフォン200へ、現在位置取得の停止のタイミングが伝えられないことになる。本実施形態では、現在位置の取得の終了の指示がユーザから入力され得るように、スマートフォン200は構成されている。
【0095】
時間T29において、スマートフォン200において、現在位置取得の終了の指示が入力されたとすると、ステップS218の判断により、スマートフォン200は、ステップS214の処理により現在位置の取得を終了する。このとき、スマートフォン200は、腕時計100への操作に関する情報を取得できないが、次に腕時計100と接続した機会に、この活動に関する情報を取得し、その情報に基づいて、各種演算を行い情報の整理を行ってもよい。
【0096】
図9に示す例について説明する。時間T31において、スタートボタン142が押されたとする。このとき、腕時計100は、ステップS104の処理により、計測を開始し、記録を開始する。さらに、腕時計100は、ステップS105の接続処理を行い、ステップS141の処理により、アドバタイジングを開始する。しかし、腕時計100とスマートフォン200との接続は確立されないものとする。
【0097】
アドバタイジングしている最中の時間T32において、リセットボタン141が押されて、ラップ計測の入力が行われたとする。腕時計100は、ステップS147の処理により、ラップタイムを確定し、それをLCD130に表示し、メモリ114に記録する。また、腕時計100は、アドバタイジングを継続する。しかし、腕時計100とスマートフォン200との接続は確立されないものとする。
【0098】
アドバタイジングしている最中の時間T33において、リセットボタン141が押されて、ラップ計測の入力が行われたとする。腕時計100は、ステップS147の処理により、ラップタイムを確定し、それをLCD130に表示し、メモリ114に記録する。また、腕時計100は、アドバタイジングを継続する。
【0099】
時間T34において、接続が確立したとする。このとき、スマートフォン200は、ステップS204の処理で、衛星測位システムを用いた位置測定を開始し、マッピングを開始する。このとき、腕時計100は、ステップS107の処理により、ラップ操作がされたこと、及びそのラップが第2ラップであることを、スマートフォン200宛に送信する。この情報を受信したスマートフォン200は、ステップS210の処理により、ラップ数と関連付けて、ラップに関するピン立てを行う。
【0100】
腕時計100でスタート操作及び第1ラップの操作がされたときは、腕時計100とスマートフォン200とが接続されていない。このため、スマートフォン200は、スタート操作がされたとき、及び第1ラップの操作がされたときには位置情報を取得していない。このため、スマートフォン200は、スタート操作及び第1ラップの操作に関する情報を腕時計100から取得しても活用できない。そこで、腕時計100は、直近の第2ラップの情報のみをスマートフォン200宛に送信する。
【0101】
なお、スタートから第1ラップ操作までの時間、及び第1ラップ操作から第2ラップ操作までの時間の情報を用いれば、スマートフォン200は、次の情報を得ることができる。すなわち、当該活動における総活動時間が得られる。また、第2ラップ以降の移動ペースに基づいて、スタートから第2ラップまでの移動距離を推定できる。その結果、当該活動における総移動距離を推定できる。また、総移動距離から、活動全体でのペースの平均を推定できる。このため、スタートから第1ラップ操作までの時間、及び第1ラップ操作から第2ラップ操作までの時間の情報は、蓄積情報として腕時計100からスマートフォン200へと送信されることが好ましい。
【0102】
時間T35において、リセットボタン141が押されて、ラップ計測の入力が行われたとする。腕時計100は、ステップS113の処理により、ラップタイムを確定し、それをLCD130に表示し、メモリ114に記録する。また、腕時計100は、ステップS117の処理により、ラップ操作がされたこと、及びそのラップが第3ラップであることを、スマートフォン200宛に送信する。この情報を受信したスマートフォン200は、ステップS210の処理により、ラップ数と関連付けて、ラップに関するピン立てを行う。
【0103】
時間T36において、腕時計100とスマートフォン200との接続が、例えば電波障害又はタイムアウトにより、切断したとする。このとき、腕時計100は、ステップS112により、接続が切断したことを伝える音を出力する。切断していても、スマートフォン200は、現在位置の記録を継続する。
【0104】
時間T37において、スタートボタン142が押されて、ストップの入力が行われたとする。このとき、腕時計100は、ステップS113の処理により、測定タイムを確定し、それをLCD130に表示し、メモリ114に記録する。また、腕時計100は、ステップS115の接続処理を行い、ステップS141の処理により、アドバタイジングを開始する。しかし、腕時計100とスマートフォン200との接続は確立されないものとする。
【0105】
アドバタイジングしている最中の時間T38において、リセットボタン141が押されて、リセットの入力が行われたとする。このとき、腕時計100は、ステップS113の処理により、測定タイム及びLCD130の表示をリセットする。また、腕時計100は、アドバタイジングを継続する。
【0106】
時間T39において、接続が確立したとする。このとき、腕時計100は、ステップS117の処理により、リセットの指示が入力されたことを、スマートフォン200宛に送信する。また、腕時計100は、ステップS119で必要な蓄積情報を、スマートフォン200宛に送信する。また、腕時計100は、ステップS120で切断要求をスマートフォン200宛に送信する。この情報を受信したスマートフォン200は、ステップS210の処理により、リセットに関する情報を記録する。また、スマートフォン200は、ステップS212の処理により蓄積情報に関する情報処理を行う。また、時間T40において、スマートフォン200は、ステップS213の処理により、腕時計100との接続を切断する。また、スマートフォン200は、ステップS214の処理により、現在位置情報の取得を終了する。
【0107】
この場合、スマートフォン200は、未接続のためにストップ操作に関する情報を腕時計100から取得していないため、ストップに関するピン立てができていない。このため、スマートフォン200は、リセット時までの現在位置の履歴に関する情報を削除することなく保持してもよい。また、スマートフォン200は、蓄積情報に含まれるストップ操作が行われた時刻又は経過時間の情報に基づいて、ストップ操作が行われた際の位置を特定し、ピン立てを行ってもよい。この場合、スマートフォン200は、ストップ以降の位置情報を不要な情報として削除してもよい。
【0108】
この例のように、腕時計100とスマートフォン200との接続が確立できないままに腕時計100に対して複数の操作が行われたとき、腕時計100は、直近に行われた操作の情報をスマートフォン200に送信する。スマートフォン200は、受信した情報に基づいて、直近に行われた操作に関するピン立てを行う。また、腕時計100は、未接続のために送信できなかった情報を含む蓄積情報をスマートフォン200宛に送信してもよい。スマートフォン200は、取得した蓄積情報に基づいて、可能な限りリアルタイムで取得できなかった情報を再現したり、推定したりしてもよい。
【0109】
なお、上述の例では、例えば接続が確立できないとき、切断されたときなどに、音を用いてその旨をユーザに伝えている。しかしながら、これらの情報伝達は音に限らない。例えば振動、表示等によってもよいし、それら又は音との組み合わせなどであってもよい。
【0110】
[活動履歴の表示例]
本実施形態に係るシステム10で取得された情報の、ユーザへの提示方法の一例について
図10を参照して説明する。
図10は、スマートフォン200のLCD230に表示される画面の例を示す。
【0111】
ユーザが過去の活動の記録を閲覧することを希望するとき、スマートフォン200は、まず画面Aのように、活動履歴の一覧画面410を提示する。この例では、合計欄411に、例えば過去1か月の情報であったり、記録されている全ての情報であったりなど、ユーザによって設定された条件を満たす活動の各種合計値が表示されている。例えば、合計移動距離、活動回数などが表示される。合計活動時間、全活動に関する平均ペースなどその他の情報が表示されてもよい。
【0112】
合計欄411の下には、各活動履歴の要約が表示される。
図10には、第1の要約412と第2の要約413の2つの要約が示されているが、画面を下にスクロールするとその他の要約も表示されるようになっている。
【0113】
各要約欄は、活動を行った都市名などを示す地名表示421と、活動を行った日時などを示す日時表示422とを含む。さらに、要約欄は、活動中に移動した距離を示す距離表示423と、単位距離あたりの所要時間であるペースを表示するペース表示424と、活動時間の合計を示す時間表示425とを含む。さらに、要約欄は、活動中の移動履歴を表した地図を縮小した地図表示426を含む。
【0114】
ユーザは、これらの要約欄を見ながら、より詳細な情報を閲覧したい活動を選択することができる。ユーザが何れかの活動を選択したとき、例えば画面Bに示すような地図画面430が表示される。地図画面430には、地図領域431、数値領域432、グラフ領域433などが含まれ得る。
【0115】
地図領域431には、活動中にスマートフォン200で取得した現在位置情報の軌跡を地図上に線441で表示した軌跡表示図が表示される。スマートフォン200は、地図の情報を、所定のサーバから取得することができる。スマートフォン200は、取得した地図上に、時間経過に伴って変化した現在位置情報の軌跡を描画する。このとき、スマートフォン200は、ピン立てされた情報に基づいて、例えば、スタート操作がなされた位置をスタート表示442として、また、ストップ操作がなされた位置をゴール表示443として、地図上に明示する。さらに、同様に、例えば第1乃至第4のラップ操作がなされた位置をそれぞれ示す、第1ラップ表示444、第2ラップ表示445、第3ラップ表示446、第4ラップ表示447も地図上に明示する。ユーザは、地図領域431に表示された図を見ることで、ユーザが走ったルートや、ラップ計測を行った地点を把握することができる。
【0116】
数値領域432は、例えば、合計の計測時間を示す表示451、ペースを示す表示452、計測中の位置の最大高低差を示す表示453、計測中に消費されたと推定される熱量を示す表示454など、各種情報を表す数値を含む。ユーザは、数値領域432表示された数値を見ることで、計測中の活動状況を数値で把握することができる。
【0117】
グラフ領域433は、例えば、横軸に経過時間を示し、縦軸に各種情報の値を示すグラフを含む。グラフ領域433は、例えば、現在位置の高度を示すグラフ456、ペースを示すグラフ457などを含み得る。ユーザは、グラフ領域433を見ることで、活動中の時間経過による各種値の変化をグラフで視覚的に確認することができる。
【0118】
地図画面430において所定方向にスワイプ操作が行われたり、所定のアイコンが選択されたりしたとき、例えば画面Cに示すようなタイム画面460が表示される。タイム画面には、腕時計100で計測され記録された経過時間に関する情報が表示される。スマートフォンは、この情報を腕時計100から通信によって取得している。
図10に示すように、タイム画面460では、スタート、各ラップ、及びゴールにおける各経過時間、ラップタイム、そのときの時刻などが、表の形式で示される。ユーザは、タイム画面460を見ることで、腕時計100で計測した経過時間に関する情報を一覧することができる。
【0119】
なお、例えばスタートの位置などにおいては、腕時計100とスマートフォン200との通信を確立するまでに必要な時間だけ、ユーザが腕時計を操作した位置、すなわち、その操作によって時間の計測が行われた位置と、スマートフォン200でピン立てされた位置とに差異が生じる。このため、地図画面430に表示される情報と、タイム画面460に表示される情報とには差異が生じ得る。このことを考慮して、地図画面430とタイム画面460とは、別画面にされてもよい。
【0120】
本実施形態によれば、ユーザの操作が入力され経過時間を計測する腕時計100と、衛星測位システムで現在位置を取得するスマートフォン200とが連携して動作することで、
図10に示したような有益な情報がユーザに対して提供され得る。
【0121】
一般に腕時計は大きさに制限があるため、腕時計に搭載できる電池は小容量のものに制限されやすい。このため、衛星測位システムを用いた位置情報の取得では、電力消費が問題となる。一方で、ランニングを行う際にスマートフォンを携帯するユーザは多い。本実施形態では、電力消費の多い衛星測位システムを用いた位置取得をスマートフォン200が担うことで腕時計100の電力消費を抑制することができる。
【0122】
ユーザにとってランニング時などであっても、手首に、例えば露出した状態で装着されている腕時計100の操作は容易である。一方、ランニング時などにはスマートフォン200の操作は困難である場合が多い。本実施形態では、スタート、ストップ、ラップなどの操作が腕時計100を用いて行われるため、システム10の操作性はよいものとなっている。
【0123】
上述の実施形態では、ストップウォッチのスタートと腕時計100とスマートフォン200との接続動作の開始とが関連付けられていたが、腕時計100は、ストップウォッチのスタートの前にスマートフォン200との接続動作を開始するための操作が受け付けられるように構成されていてもよい。ただし、ストップウォッチのスタートと接続動作の開始とが関連付けられていることで、ユーザは、通信状況を意識することなく、一般的なストップウォッチと同様の簡単な操作で、本システムを利用することができる。
【0124】
また、スタート操作によって通信が開始し、リセット操作によって通信が終了するので、腕時計100による計測を行っている間のみ腕時計100とスマートフォン200との通信が行われる。そのため、通信による腕時計100の電力消費も抑制され得る。
【0125】
また、スマートフォン200では、測位システムを利用した現在位置の取得がスタート操作によって開始し、リセット操作によって終了するので、測位によるスマートフォン200の電力消費も抑制され得る。
【0126】
上述の実施形態では、ユーザの手首に固定されるリスト情報機器の例としてストップウォッチ機能を有する腕時計を挙げたがこれに限らない。リスト情報機器は、ユーザによる操作指示を受け付けるだけでストップウォッチとしての機能を果たさない装置であってもよい。ただし、上述の実施形態のように、リスト情報機器がストップウォッチ機能を有する腕時計であることで、ユーザは活動中に経過時間を確認することができる。また、リスト情報機器は、時計及びストップウォッチ機能に限らず、電子メールの送受信など種々の機能を有する、いわゆるスマートウォッチといった情報端末であってもよい。
【0127】
また、本技術は、手首に装着されるリスト情報機器に限らず、例えば眼鏡型の端末など、ユーザの体の他の部位に装着される端末にも適用され得る。また、本技術は、衛星測位システムを利用した位置検出に限らず、他の方法による位置検出を用いる場合にも適用され得る。
【0128】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0129】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
ユーザによる操作を受けるように構成された操作部を備え、計時機能を有するリスト情報機器とともに用いられるように構成された情報端末であって、
衛星測位システムを利用して位置情報を取得するように構成された測位モジュールと、
前記リスト情報機器と通信できるように構成された通信装置と、
記憶装置と、
制御回路と
を備え、
前記制御回路は、
前記通信の接続が確立しているときに、前記リスト情報機器に入力された前記計時機能の操作に関する情報を、前記通信装置を介して前記リスト情報機器から取得し、
衛星測位システムを利用して取得した位置情報を、前記測位モジュールから取得し、
前記位置情報と、前記計時機能の操作に関する情報とを関連付けて前記記憶装置に記憶させる、
情報端末。
[2]
前記計時機能の操作に関する情報は、前記計時機能における経過時間の計測のスタートの操作に関する情報を含み、
前記制御回路は、
前記スタートの操作が入力されたときに前記リスト情報機器から送信された前記通信の接続を要求する信号を、前記通信装置を介して取得し、
前記接続を要求する信号に基づいて、前記通信装置に、前記リスト情報機器と当該情報端末との接続を確立させ、
前記接続が確立したら前記リスト情報機器から送信される前記スタートの操作に関する情報を、前記通信装置を介して取得する、
[1]に記載の情報端末。
[3]
前記制御回路は、前記通信装置に前記接続を確立させるとともに、前記測位モジュールからの位置情報の取得を開始する、[2]に記載の情報端末。
[4]
前記計時機能の操作に関する情報は、前記計時機能における経過時間の計測のリセットの操作に関する情報を含み、
前記制御回路は、前記リスト情報機器から送信された前記リセットの操作に関する情報を、前記通信装置を介して取得したとき、前記通信装置に前記接続を切断させる、
[1]乃至[3]のうち何れか一に記載の情報端末。
[5]
前記制御回路は、前記通信装置に前記接続を切断させるとともに、前記測位モジュールからの位置情報の取得を終了する、[4]に記載の情報端末。
[6]
前記制御回路は、
前記リスト情報機器から送信された、前記計時機能の操作の時に計測した経過時間に関する情報を、前記通信装置を介して取得し、
前記位置情報と前記計時機能の操作に関する情報とに加えて、さらに前記経過時間に関する情報を関連付けて前記記憶装置に記憶させる、
[1]乃至[5]のうち何れか一に記載の情報端末。
[7]
前記計時機能の操作に関する情報は、前記計時機能における経過時間の計測のストップ及びリセットの操作に関する情報を含み、
前記制御回路は、前記通信装置を介して前記ストップの操作に関する情報を取得してから前記リセットの操作に関する情報を取得するまでに前記測位モジュールから取得した前記位置情報を削除する、
[1]乃至[6]のうち何れか一に記載の情報端末。
[8]
前記制御回路は、
前記リスト情報機器によって記録されて送信された前記計時機能の操作に関する履歴を含む情報を、前記通信装置を介して取得し、
前記履歴を含む情報を用いて、活動履歴の情報を作成し、
前記活動履歴の情報を前記記憶装置に記憶させる、
[1]乃至[7]のうち何れか一に記載の情報端末。
[9]
前記履歴を含む情報は、前記接続が確立されていない間の前記計時機能の操作に関する情報を含み、
前記制御回路は、前記履歴を含む情報に基づいて、前記接続が確立されていない間の前記計時機能の操作に関する情報を含む前記活動履歴の情報を作成する、
[8]に記載の情報端末。
[10]
前記制御回路は、
前記リスト情報機器から送信された前記計時機能の操作に関する情報を所定時間取得していないとき、前記通信装置に前記接続を切断させ、
前記接続が切断した後も、前記測位モジュールからの位置情報の取得を継続する、
[1]乃至[9]のうち何れか一に記載の情報端末。
[11]
前記リスト情報機器と前記情報端末との間の接続は、Bluetooth Low Energyによって行われる、[1]乃至[10]のうち何れか一に記載の情報端末。
[12]
衛星測位システムを利用して位置情報を取得できるように構成された情報端末とともに用いられるように構成されたリスト情報機器であって、
前記情報端末と通信できるように構成された通信装置と、
ユーザによる操作を受けるように構成された操作部と、
制御回路と
を備え、
前記制御回路は、
計時機能を実行し、
前記情報端末との通信の接続が確立しているときに、前記情報端末で前記衛星測位システムを利用して取得した位置情報と関連付けて記録される、前記操作部に入力された前記計時機能の操作に関する情報を、前記通信装置を介して前記情報端末に送信する、
リスト情報機器。
[13]
前記制御回路は、
前記通信の接続が確立していないときに、前記操作部に前記計時機能の操作が入力された場合、前記通信装置を介して前記通信の接続を要求する信号を送信し、
前記接続を要求する信号に基づいて、前記情報端末によって確立される当該リスト情報機器と前記情報端末との接続が確立したら、前記通信装置を介して前記計時機能の操作に関する情報を前記情報端末に送信し、
前記接続を要求する信号の出力の後、前記接続の確立の前に、前記操作部に次の前記計時機能の操作が入力されたとき、接続の確立後に直近に前記操作部が受けた前記計時機能の操作に関する情報を、前記通信装置を介して前記情報端末に送信する、
[12]に記載のリスト情報機器。
[14]
ユーザによる操作を受けるように構成された操作部を備え、計時機能を有するリスト情報機器と、
衛星測位システムを利用して位置情報を取得でき、前記リスト情報機器と通信できるように構成された情報端末と
を備えるシステムであって、
前記リスト情報機器は、前記通信の接続が確立しているときに、当該リスト情報機器に入力された前記計時機能の操作に関する情報を前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、衛星測位システムを利用して取得した位置情報と、前記計時機能の操作に関する情報とを関連付けて記録する、
システム。
【符号の説明】
【0130】
10…システム、100…腕時計、111…CPU、112…RAM、113…ROM、114…メモリ、115…計時回路、116…モーションセンサ、117…通信装置、119…バスライン、120…指針機構、121…文字盤、122…時針、123…分針、130…LCD、140…ボタンスイッチ、141…リセットボタン、142…スタートボタン、143…モードボタン、144…アジャストボタン、200…スマートフォン、211…CPU、212…RAM、213…ROM、214…ストレージ、215…測位モジュール、217…通信装置、219…バスライン、230…LCD、240…タッチパネル。