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特許7416214車両管制システム、装置、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】車両管制システム、装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20240110BHJP
   G08G 1/127 20060101ALI20240110BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20240110BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20240110BHJP
   B60W 40/068 20120101ALI20240110BHJP
   B60W 50/04 20060101ALI20240110BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20240110BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20240110BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20240110BHJP
【FI】
G08G1/09 V
G08G1/09 F
G08G1/127 B
G05D1/02 P
B60W40/08
B60W40/068
B60W50/04
B60W60/00
G16Y10/40
G16Y40/30
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022512977
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(86)【国際出願番号】 JP2020014770
(87)【国際公開番号】W WO2021199256
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】山根 隆志
(72)【発明者】
【氏名】坂田 正行
(72)【発明者】
【氏名】岩井 孝法
(72)【発明者】
【氏名】二瓶 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】篠原 悠介
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-537155(JP,A)
【文献】特開2018-142265(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 ~ 1/16
B60W 40/00 ~ 60/00
G05D 1/00 ~ 1/02
G16Y 10/40
G16Y 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔運転可能な旅客自動車である複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、前記各車両の乗客の状態を解析する解析手段と、
前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な複数の遠隔制御手段と、
前記解析手段で解析された前記乗客の状態に関する情報と、前記複数の遠隔制御手段のそれぞれに関連付けられた遠隔監視者に関する情報とに基づいて、前記車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する割当決定手段とを備える車両管制システム。
【請求項2】
前記解析手段は、前記複数の車両のそれぞれから車両の内部の映像を受信し、該受信した映像に基づいて前記車両に乗客が乗車しているか否かを解析し、
前記割当決定手段は、前記乗客が乗車しているか否かの解析結果と、前記遠隔監視者の免許の種別とに基づいて、前記旅客自動車である車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する請求項1に記載の車両管制システム。
【請求項3】
前記割当決定手段は、前記車両に乗客が乗車している場合、当該車両を旅客自動車の運転が可能な免許を保有する遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御手段に割り当て、前記車両に乗客が乗車していない場合、当該車両を旅客自動車の運転が可能な免許を保有する遠隔監視者又は該免許を保有していない遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御手段に割り当てる請求項2に記載の車両管制システム。
【請求項4】
前記解析手段は、前記複数の車両のそれぞれから車両が回送中であるか否かを示す情報を受信し、該受信した情報に基づいて前記車両が回送中であるか否かを解析し、
前記割当決定手段は、前記車両が回送中であるか否かの解析結果と、前記遠隔監視者の免許の種別とに基づいて、前記複数の車両のそれぞれと前記遠隔制御手段との対応関係を決定する請求項1に記載の車両管制システム。
【請求項5】
前記割当決定手段は、前記車両が回送中ではない場合、当該車両を旅客自動車の運転が可能な免許を保有する遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御手段に割り当て、前記車両が回送中である場合、当該車両を旅客自動車の運転が可能な免許を保有する遠隔監視者又は該免許を保有していない遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御手段に割り当てる請求項4に記載の車両管制システム。
【請求項6】
遠隔運転可能な複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、前記各車両が位置する場所の路面状態を解析する解析手段と、
前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な複数の遠隔制御手段と、
前記解析手段で解析された、前記各車両が位置する場所の路面状態に関する情報と、前記複数の遠隔制御手段のそれぞれに関連付けられた遠隔監視者に関する情報を示す監視者情報とに基づいて、前記車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する割当決定手段と、を備える車両管制システム。
【請求項7】
前記割当決定手段は、解析された前記各車両が位置する場所の路面状態と、前記遠隔監視者の前記路面状態に対する適性情報とに基づいて、前記車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する請求項に記載の車両管制システム。
【請求項8】
前記複数の車両は更に自動運転が可能に構成され、
前記遠隔制御手段は、前記車両に関する情報に基づいて、前記自動運転における制御ポリシを特定し、該特定した制御ポリシを前記車両に送信することで前記車両における自動運転を制御する請求項1から何れか1項に記載の車両管制システム。
【請求項9】
遠隔運転可能な旅客自動車である複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、前記各車両の乗客の状態を解析する解析手段と、
前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な複数の遠隔制御手段と、
前記解析手段で解析された前記乗客の状態に関する情報と、前記複数の遠隔制御手段のそれぞれに関連付けられた遠隔監視者に関する情報とに基づいて、前記車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する割当決定手段とを備える車両管制装置。
【請求項10】
遠隔運転可能な旅客自動車である複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、前記各車両の乗客の状態を解析し、
前記解析された前記乗客の状態に関する情報と、遠隔監視者に関する情報とに基づいて、前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な、前記遠隔監視者のそれぞれと関連付いた複数の遠隔制御装置と、前記車両との対応関係を決定する車両管制方法。
【請求項11】
遠隔運転可能な旅客自動車である複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、前記各車両の乗客の状態を解析し、
前記解析された前記乗客の状態に関する情報と、遠隔監視者に関する情報とに基づいて、前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な、前記遠隔監視者のそれぞれと関連付いた複数の遠隔制御装置と、前記車両との対応関係を決定する処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両管制システム、装置、方法、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動運転車に関する技術が注目されている。自動運転は、車両が運転支援を行うレベル1から、車両が完全に自律走行するレベル5まで、複数のレベルにレベル分けされる。車両が完全に自律走行する場合、車両に運転者が乗車する必要はない。しかしながら、車両に運転者が乗車していない場合、自律運転が不可能になると、車両が停止したまま動けなくなる可能性がある。特に自動運転車をドライバーレスで走らせる場合、車両の遠隔監視が重要になると考えられる。
【0003】
関連技術として、特許文献1は、自律走行車の遠隔監視及び遠隔操作のための装置を開示する。特許文献1において、自律走行が可能な各車両は、車両マネージャに割り当てられる。車両マネージャは、車両の遠隔監視、及び遠隔操作に使用される。車両は、例えば機械学習技術を使用して自動的に車両マネージャ割り当てキューに割り当てられる。特許文献1には、車両マネージャ間で負荷分散を行うことも記載されている。
【0004】
特許文献1において、システムは、複数の車両から状態データを受信する。車両マネージャは、車両の状態データが、車両の自律操作が定義パラメータ値から外れて動作していることを示しているか否かを判断する。車両マネージャは、車両の状態データが、車両の自律操作が定義パラメータ値から外れて動作していることを示している場合、その車両に特定の命令データを送信する。
【0005】
別の関連技術として、特許文献2は、自動運転バスなどの移動体を遠隔監視するシステムを開示する。特許文献2において、複数の監視者は、複数の自動運転バスを遠隔で監視する。特許文献2では、例えば、ある監視者Aは3台の自動運転バスを遠隔で監視し、別の監視者Bは2台の自動運転バスを遠隔で監視する。
【0006】
監視者は、バスにおいて故障の可能性を示す所定の事象が発生した場合、端末装置を用いて、決定装置に、所定の事象が発生していることを示す情報を送信する。決定装置は、端末装置から取得するバスに所定の事象が発生していることを示す情報に基づいて、そのバスが所定の条件を満たすと判定する。決定装置は、バスが所定の条件を満たす場合、複数のバスの監視態様を決定する。決定装置は、例えば監視者Aが監視しているバスの1台において所定の事象が発生した場合、監視者Aが監視していた残りの2台のバスを監視する監視者を、監視者Bに変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特表2019-537155号公報
【文献】特開2018-206222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1は、遠隔サポート装置が車両から状態データを受信し、受信した状態データに基づいて車両を遠隔運転サポートキューに割り当てることを開示する。遠隔サポート装置は、車両の目的地の指示を含む車両の状態データを受信する。遠隔サポート装置は、同じ目的地を有する複数の車両を、同じ遠隔運転サポートキュー(車両マネージャ)に割り当てる。特許文献1では、車両から受信される状態データによって、車両と車両マネージャとの割り当てが決定される。このため、遠隔サポート装置は、車両の状況を正確に把握することができず、車両を適切な車両マネージャに割り当てることができない可能性がある。
【0009】
特許文献2では、決定装置は、監視対象のバスから、バスの音声や動画像などの情報を取得する。決定装置は、取得した情報に基づいて、監視対象のバスの状況が所定の条件を満たすか否かを判定する。決定装置は、バスの移動を妨げる事象が発生した場合、バスにおいて不具合が発生した場合、バスの進行方向において障害が発生した場合、所定の条件が満たされると判定する。しかしながら、特許文献2では、所定の条件は、監視者とバスとの対応関係を変更するトリガとして用いられる。特許文献2においても、車両の状況を正確に把握することができず、遠隔での制御が必要なバスを適切な監視者に割り当てることができない可能性がある。
【0010】
本開示は、上記事情に鑑み、監視対象の移動体の状況に応じた、移動体の監視者への割り当てを実現できる車両管制システム、装置、方法、及びコンピュータ可読媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本開示は、遠隔運転可能な複数の車両と、前記複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、各車両の状態情報を解析する解析手段と、前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な複数の遠隔制御手段と、前記解析手段で解析された前記状態情報に基づいて、前記車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する割当決定手段とを備える車両管制システムを提供する。
【0012】
本開示は、遠隔運転可能な複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、各車両の状態情報を解析する解析手段と、前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な複数の遠隔制御手段と、前記解析手段で解析された前記状態情報に基づいて、前記車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する割当決定手段とを備える車両管制装置を提供する。
【0013】
本開示は、遠隔運転可能な複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、各車両の状態情報を解析し、前記解析された前記状態情報に基づいて、前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な複数の遠隔制御装置と、前記車両との対応関係を決定する車両管制方法を提供する。
【0014】
本開示は、遠隔運転可能な複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、各車両の状態情報を解析し、前記解析された前記状態情報に基づいて、前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な複数の遠隔制御装置と、前記車両との対応関係を決定する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本開示に係る車両管制システム、装置、方法、及びコンピュータ可読媒体は、監視対象の移動体の状況に応じた、移動体の監視者への割り当てを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示に係る車両管制システムを概略的に示すブロック図。
図2】本開示の一実施形態に係る車両管制システムを示すブロック図。
図3】車両管制装置101の構成例を示すブロック図。
図4】監視者情報の一例を示す図。
図5】車両管制システムにおける動作手順を示すフローチャート。
図6】コンピュータ装置の構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の実施の形態の説明に先立って、本開示の概要を説明する。図1は、本開示に係る車両管制システムを概略的に示す。車両管制システム10は、車両管制装置20と複数の車両30とを有する。車両管制装置20は、解析手段21、割当決定手段22、及び複数の遠隔制御手段23を有する。車両管制システム10において、車両管制装置20と各車両30とはネットワークを介して通信する。
【0018】
車両30は、遠隔運転が可能に構成される。各車両30は、各車両に関する情報をネットワークを介して車両管制装置20に送信する。車両管制装置20において、解析手段21は、各車両に関する情報を受信する。解析手段21は、受信した各車両に関する情報に基づいて、各車両の状態情報を解析する。
【0019】
各遠隔制御手段23は、複数の車両30のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行する。割当決定手段22は、解析手段21で解析された状態情報に基づいて、車両30と遠隔制御手段23との対応関係を決定する。遠隔制御手段23は、割り当てられた車両に対して、遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行する。
【0020】
本開示では、解析手段21は、車両30から取得した情報を解析し、各車両の状態情報を解析する。割当決定手段22は、解析結果に基づいて、各車両30を、どの遠隔制御手段23に割り当てるかを決定する。各遠隔制御手段23は、例えば、遠隔監視及び遠隔制御を行う監視者に関連付けられている。車両管制システム10は、各車両の状態情報を解析した結果に基づいて各車両を遠隔制御手段23に割り当てる。このようにすることで、本開示は、監視対象の移動体の状況に応じた、移動体の監視者への割り当てを実現できる。
【0021】
以下、本開示の実施の形態を詳細に説明する。図2は、本開示の一実施形態に係る車両管制システムを示す。車両管制システム100は、車両管制装置101と、複数の車両200とを有する。車両管制システム100において、車両管制装置101と複数の車両200とは、ネットワーク102を介して相互に接続される。ネットワーク102は、例えば、LTE(Long Term Evolution)などの通信回線規格を用いたネットワーク、WiFi(登録商標)、又は第5世代移動通信システムなどの無線通信網を含む。車両管制システム100は、図1に示される車両管制システム10に対応する。
【0022】
各車両200は、自動車、トラック、バス、タクシー、又は列車などの移動体として構成される。複数の車両200は、バスや、タクシーなどの乗客を乗せて走行する車両(旅客自動車)を含む。複数の車両200は、それぞれ関連するセンサ201を有する。センサ201は、各車両の周囲を撮像するカメラを含む。また、センサ201は、車両の内部を撮影するカメラを含む。本実施形態において、特に旅客自動車である車両200は、車両の内部を撮影するカメラを含むものとする。センサ201は、車両200の走行速度や位置などを検出するセンサを含み得る。センサ201は、特に限定はされないが、測距系センサ、環境系センサ、及び車体系センサを含んでいてもよい。測距系センサは、例えば、レーザーレーダ(LiDAR:Light Detection and Ranging)、ミリ波レーダ、及び超音波センサの少なくとも1つを含む。環境系センサは、温度、音、及び湿度などを検出するセンサを含む。車体系センサは、ハンドル舵角、エンジン回転数、及び燃料残量などを検出するセンサを含む。
【0023】
各車両200は、センサ201が取得したセンサ情報をネットワーク102を介して車両管制装置101に送信する。各車両200は、センサ情報とは異なる情報をネットワーク102を介して車両管制装置101に送信してもよい。各車両200は、遠隔運転が可能に構成される。複数の車両200の少なくとも一部は、自動運転(自律運転)が可能に構成されていてもよい。車両200が自動運転が可能に構成される場合、車両200は、センサ201が取得したセンサ情報を用いて自動運転を実施する。車両200は、図1に示される車両30に対応する。
【0024】
車両管制装置101は、ネットワーク102を介して、複数の車両200の遠隔監視、及び遠隔制御を行う。図3は、車両管制装置101の構成例を示す。車両管制装置101は、解析部111、割当決定部112、及び複数の遠隔制御部113を有する。車両管制装置101は、図1に示される車両管制装置20に対応する。
【0025】
解析部111は、車両200から送信されたセンサ情報を、各車両に関連する情報として受信する。解析部111は、車両200から送信された他の情報を、各車両に関連する情報として受信してもよい。解析部111は、センサ情報に基づいて、各車両の状態情報を解析する。割当決定部112は、解析部111で解析された各車両の状態情報に基づいて、車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定する。本実施形態において、例えば、遠隔制御部113の数は、車両200の数以下であるとする。1つの遠隔制御部113は、複数の車両200に対応付けられていてもよい。あるいは、1つの車両201が複数の遠隔制御部113に対応付けられていてもよい。解析部111は、図1に示される解析手段21に対応する。割当決定部112は、図1に示される割当決定手段22に対応する。
【0026】
遠隔制御部113は、割当決定部112によって対応付けられた車両200の遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を行う。各遠隔制御部113は、監視者に関連付けられる。遠隔制御部113は、車両の遠隔監視では、車両から送信されたセンサ情報を、監視画面上に表示する。監視者は、監視画面上に表示されたセンサ情報、例えば車両の周囲を撮影した映像を見ることで、車両200を遠隔監視する。
【0027】
遠隔制御部113は、車両の遠隔制御では、例えば車両200を遠隔で制御するためのコマンドを車両200に送信する。車両200は、例えば障害物回避、右折開始、路肩によって停車などの制御内容を指示するコマンドを受け取り、受け取ったコマンドに従って制御内容に従った動作を行う。遠隔制御部113は、例えば、車両200のステアリングホイールやアクセルペダルなどを模擬した装置を有していてもよい。遠隔制御部113は、監視者が操作したステアリングホイールやアクセルペダルなどの操作量を車両200に送信することで、車両200を遠隔で操縦してもよい。遠隔制御部113は、図1に示される遠隔制御手段23に対応する。
【0028】
遠隔制御部113は、車両200が自動運転が可能に構成される場合、車両200から受信したセンサ情報に基づいて制御ポリシを特定し、制御ポリシを車両200に送信して車両200の自動運転を制御することができる。ここで、制御ポリシとは、車両の自動運転に適用される制御の方針を示す情報である。制御ポリシは、例えば、複数の階層に階層化されており、最も高い階層は、車両に対して抽象的な指示を与える。制御ポリシは、階層が低くなるに連れて車両に対して具体的な指示を与える。制御ポリシは、例えば、自動運転から遠隔運転への切替え、車両側の運転におけるAI(Artificial Intelligence)の適用ルールの変更、又は自動運転において適用されているポリシ(自動運転の制御アルゴリズム)の変更を示す情報を含む。
【0029】
遠隔制御部113は、例えばセンサ情報に基づいて、車両200が自動運転を継続できるか否かを判定する。遠隔制御部113は、自動運転の継続不可と判定した場合、自動運転から遠隔制御への切替を示す制御ポリシを車両200に送信する。その場合、車両200は、制御ポリシに従って、遠隔制御部113に車両を制御する権利を委譲する。制御ポリシの特定に使用されるセンサ情報は、解析部111において車両の状態情報の解析に使用されるセンサ情報と同じ情報であってもよいし、一部又は全部が異なる情報であってもよい。
【0030】
割当決定部112は、例えば各遠隔制御部113に関連付けられる監視者の情報(監視者情報)を保持しており、その情報を使用して遠隔制御部113と車両200との対応関係を決定する。図4は、監視者情報の一例を示す。この例において、監視者情報は、免許の区分を示す情報と、路面状況に対する適性情報とを含む。免許の区分を示す情報は、旅客自動車の運転の可否を示す。適性情報は、路面状況が「湿潤」、「積雪」、及び「凍結」であった場合に、監視者が車両の遠隔運転を担当可能か否かを示す。割当決定部112は、監視者情報と、解析部111の解析結果とに基づいて、遠隔制御部113と車両200との対応関係を決定することができる。
【0031】
例えば、解析部111は、バスやタクシーなどの旅客自動車である車両200から、その内部の映像を受信する。解析部111は、受信した映像に基づいて、車両200に乗客が乗車しているか否かを解析する。割当決定部112は、乗客が乗車しているか否かの解析結果と、遠隔監視者情報における免許の種別とに基づいて、遠隔制御部113と車両200との対応関係を決定する。
【0032】
割当決定部112は、旅客自動車である車両200に乗客が乗車している場合、その車両200を旅客自動車の運転が可能な免許を保有する遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御部113に割り当てる。割当決定部112は、車両200に乗客が乗車していない場合、その車両には任意の監視者に関連付けられる遠隔制御部113を割り当てる。例えば、図4の例では、監視者A及びCは、旅客自動車の運転が可能である。割当決定部112は、車両200に乗客が乗車している場合、監視者A又はCに関連付けられる遠隔制御部113に、その車両200を割り当てる。その場合、車両200の遠隔運転が必要になった場合に、スムーズに遠隔監視から遠隔運転へ移行できる。割当決定部112は、車両200に乗客が乗車していない場合、監視者A-Cの何れかに関連付けられる遠隔制御部113を割り当てる。
【0033】
解析部111は、旅客自動車である車両200から、その車両が回送中(out of service)であるか否かを示す情報を受信し、その情報に基づいて車両が回送中であるか否かを解析してもよい。割当決定部112は、車両200が回送中であるか否かの解析結果と、遠隔監視者の免許の種別とに基づいて、その車両と遠隔制御部113との対応関係を決定してもよい。例えば、割当決定部112は、車両が回送中ではない場合、その車両を旅客自動車の運転が可能な免許を保有する遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御部113に割り当てる。そのようにすることで、車両200の遠隔運転が必要になった場合に、スムーズに遠隔監視から遠隔運転へ移行できる。割当決定部112は、車両が回送中である場合、その車両を任意の監視者に関連付けられる遠隔制御部113に割り当てる。
【0034】
解析部111は、センサ情報に基づいて、車両が走行している場所の路面状態を解析してもよい。解析部111は、例えば車両から取得した映像に対して画像解析を行い、天候及び路面状況を解析してもよい。解析部111は、車両が走行している場所の天候に関する情報を、外部のサーバから受信し、天候に関する情報に基づいて路面状態を解析してもよい。解析部111は、例えば路面状態が、乾燥路面、湿潤路面、積雪路面、及び凍結路面の何れであるかを解析する。
【0035】
割当決定部112は、解析された路面状態と、遠隔監視者情報における適性情報とに基づいて、車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定してもよい。割当決定部112は、路面状態が「乾燥路面」と解析された場合、車両を任意の監視者に関連付けられる遠隔制御部113に割り当てる。割当決定部112は、路面状態が「湿潤路面」、「積雪路面」、又は「凍結路面」と解析された場合、車両を、解析された路面状態を担当可能な遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御部113に割り当てる。割当決定部112は、例えば路面状態が「凍結路面」と解析された場合、図4に示される監視者情報を参照して、凍結路面を走行する車両を、監視者Aに関連付けられる遠隔制御部113に割り当てる。その場合、車両200の遠隔運転が必要になった場合に、スムーズに遠隔監視から遠隔運転へ移行できる。
【0036】
次いで、車両管制システム100における動作手順を説明する。図5は、車両管制システム100における動作手順(車両管制方法)を示す。各車両200は、センサ201が取得したセンサ情報をネットワーク102を介して車両管制装置101に送信する。
【0037】
車両管制装置101において、解析部111は、各車両の情報を収集する(ステップS1)。ステップS1において解析部111が収集する情報は、各車両200から送信されたセンサ情報を含む。解析部111が収集する情報は、各車両200から送信されたセンサ情報以外の他の情報を含んでいてもよい。また、解析部111が収集する情報は、車両200以外の外部サーバなどの外部装置から送信された情報を含んでいてもよい。
【0038】
解析部111は、ステップS1で収集した情報に基づいて、各車両の状態情報を解析する(ステップS2)。割当決定部112は、各車両の状態情報の解析結果に基づいて、車両200の遠隔監視など担当する遠隔制御部113を決定する(ステップS3)。各遠隔制御部113に関連付けられる監視者は、割当決定部112の決定に従って、車両200の遠隔監視、又は遠隔制御を実施する。
【0039】
本実施形態では、解析部111は、各車両のセンサ情報などに基づいて、各車両の状態情報を解析する。割当決定部112は、状態情報の解析結果に基づいて、車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定する。このようにすることで、割当決定部112は、監視対象の車両200の移動体の状況に応じて、車両200を、適切な監視者に関連付けられる遠隔制御部113に割り当てることができる。例えば、車両200の遠隔監視を行っている間に、その車両を運転可能な監視者に関連付けられる遠隔制御部113に割り当てておくことで、遠隔監視から遠隔運転(遠隔制御)へのスムーズな移行を実現できる。
【0040】
なお、割当決定部112は、解析部111の解析結果だけでなく、他の情報を考慮して、車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定してもよい。例えば、割当決定部112は、監視者ごとにスキルに関連した情報を保持しておき、その情報を用いて車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定してもよい。例えば、割当決定部112は、各監視者について、車両200が走行する地域ごとに遠隔運転の経験回数(トラブル発生回数)を記憶する。割当決定部112は、その情報を考慮して、車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定してもよい。あるいは、割当決定部112は、各監視者について、車両200の種別ごとに遠隔運転の経験回数(トラブル発生回数)を記憶する。割当決定部112は、その情報を考慮して、車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定してもよい。
【0041】
割当決定部112は、各監視者の遠隔運転のスキルをスコア化した情報を保持しておき、その情報を考慮して、車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定してもよい。例えば、割当決定部112は、車両200に要人が乗車している場合は、スコアが高い監視者に関連付けられる遠隔制御部113を、優先的にその車両200に割り当ててもよい。あるいは、利用者は、契約時に料金に応じた複数のコースから所望のコースを選択し、割当決定部112は、利用者が選択したコースに応じて、車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定してもよい。例えば、割当決定部112は、料金が最も高いコースで契約している車両については、所定のスコア以上の監視者に関連付けられる遠隔制御部113を、その車両に割り当ててもよい。例えば、割当決定部112は、料金が最も安いコースで契約している車両については、スコアが低い、又は経験が浅い監視者に関連付けられる遠隔制御部113を、その車両に割り当ててもよい。
【0042】
割当決定部112は、車両200の運行計画を用いて、車両200が自動運転で走行できない場所に到達する前に、車両200と遠隔制御部113との対応関係をスケジューリングしてもよい。また、割当決定部112は、各監視者の遠隔監視又は遠隔制御の業務負荷が平準化されるように、車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定してもよい。例えば、割当決定部112は、車両が走行する場所のカーブの多さ、及び混雑具合などに関連する情報に基づいて、各車両の遠隔監視又は遠隔制御に対する負荷スコアを計算する。割当決定部112は、各監視者の負荷スコアが平準化されるように、車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定してもよい。また、割当決定部112は、一人の遠隔監視者が多数の車両200に対して遠隔監視又は遠隔制御を実施することがないように、業務負荷が平準化されるように、車両200と遠隔制御部113との対応関係を決定してもよい。
【0043】
本開示において、車両管制装置101は、コンピュータ装置(サーバ装置)として構成され得る。図6は、車両管制装置101として用いられ得るコンピュータ装置の構成例を示す。コンピュータ装置500は、制御部(CPU:Central Processing Unit)510、記憶部520、ROM(Read Only Memory)530、RAM(Random Access Memory)540、通信インタフェース(IF:Interface)550、及びユーザインタフェース560を有する。
【0044】
通信インタフェース550は、有線通信手段又は無線通信手段などを介して、コンピュータ装置500と通信ネットワークとを接続するためのインタフェースである。ユーザインタフェース560は、例えばディスプレイなどの表示部を含む。また、ユーザインタフェース560は、キーボード、マウス、及びタッチパネルなどの入力部を含む。
【0045】
記憶部520は、各種のデータを保持できる補助記憶装置である。記憶部520は、必ずしもコンピュータ装置500の一部である必要はなく、外部記憶装置であってもよいし、ネットワークを介してコンピュータ装置500に接続されたクラウドストレージであってもよい。
【0046】
ROM530は、不揮発性の記憶装置である。ROM530には、例えば比較的容量が少ないフラッシュメモリなどの半導体記憶装置が用いられる。CPU510が実行するプログラムは、記憶部520又はROM530に格納され得る。記憶部520又はROM530は、例えば車両管制装置101内の各部の機能を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0047】
上記プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータ装置500に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、又はハードディスクなどの磁気記録媒体、例えば光磁気ディスクなどの光磁気記録媒体、CD(compact disc)、又はDVD(digital versatile disk)などの光ディスク媒体、及び、マスクROM、PROM(programmable ROM)、EPROM(erasable PROM)、フラッシュROM、又はRAMなどの半導体メモリを含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体を用いてコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバなどの有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0048】
RAM540は、揮発性の記憶装置である。RAM540には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)又はSRAM(Static Random Access Memory)などの各種半導体メモリデバイスが用いられる。RAM540は、データなどを一時的に格納する内部バッファとして用いられ得る。CPU510は、記憶部520又はROM530に格納されたプログラムをRAM540に展開し、実行する。CPU510がプログラムを実行することで、車両管制装置101内の各部の機能が実現され得る。CPU510は、データなどを一時的に格納できる内部バッファを有してもよい。
【0049】
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に対して変更や修正を加えたものも、本開示に含まれる。
【0050】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0051】
[付記1]
遠隔運転可能な複数の車両と、
前記複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、各車両の状態情報を解析する解析手段と、
前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な複数の遠隔制御手段と、
前記解析手段で解析された前記状態情報に基づいて、前記車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する割当決定手段とを備える車両管制システム。
【0052】
[付記2]
前記複数の車両は旅客自動車を含み、かつ前記複数の遠隔制御手段のそれぞれは前記車両を遠隔制御する遠隔監視者に関連付けられており、
前記解析手段は、前記旅客自動車である車両から該車両の内部の映像を受信し、該受信した映像に基づいて前記車両に乗客が乗車しているか否かを解析し、
前記割当決定手段は、前記乗客が乗車しているか否かの解析結果と、前記遠隔監視者の免許の種別とに基づいて、前記旅客自動車である車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する付記1に記載の車両管制システム。
【0053】
[付記3]
前記割当決定手段は、前記旅客自動車である車両に乗客が乗車している場合、当該車両を旅客自動車の運転が可能な免許を保有する遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御手段に割り当て、前記旅客自動車である車両に乗客が乗車していない場合、当該車両を旅客自動車の運転が可能な免許を保有する遠隔監視者又は該免許を保有していない遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御手段に割り当てる付記2に記載の車両管制システム。
【0054】
[付記4]
前記複数の車両は旅客自動車を含み、かつ前記複数の遠隔制御手段のそれぞれは前記車両を遠隔制御する遠隔監視者に関連付けられており、
前記解析手段は、前記旅客自動車である車両から該車両が回送中であるか否かを示す情報を受信し、該受信した情報に基づいて前記車両が回送中であるか否かを解析し、
前記割当決定手段は、前記車両が回送中であるか否かの解析結果と、前記遠隔監視者の免許の種別とに基づいて、前記旅客自動車である車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する付記1に記載の車両管制システム。
【0055】
[付記5]
前記割当決定手段は、前記旅客自動車である車両が回送中ではない場合、当該車両を旅客自動車の運転が可能な免許を保有する遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御手段に割り当て、前記旅客自動車である車両が回送中である場合、当該車両を旅客自動車の運転が可能な免許を保有する遠隔監視者又は該免許を保有していない遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御手段に割り当てる付記4に記載の車両管制システム。
【0056】
[付記6]
前記複数の遠隔制御手段のそれぞれは前記車両を遠隔制御する遠隔監視者に関連付けられており、
前記解析手段は、前記車両に関連する情報に基づいて前記車両が走行している場所の路面状態を解析し、
前記割当決定手段は、前記解析された路面状態と、前記遠隔監視者の前記路面状態に対する適性情報とに基づいて、前記車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する付記1に記載の車両管制システム。
【0057】
[付記7]
前記適性情報は、乾燥路面、湿潤路面、積雪路面、及び凍結路面の少なくとも1つに対して運転適性があるか否かを示す情報を含み、
前記割当決定手段は、前記適性情報を参照し、前記解析された路面状態に対して運転適性を有する遠隔監視者に関連付けられる遠隔制御手段を前記車両に割り当てる付記6に記載の車両管制システム。
【0058】
[付記8]
前記解析手段が受信する各車両に関する情報は、各車両に搭載されるカメラが撮影した映像を含む付記1から7何れか1つに記載の車両管制システム。
【0059】
[付記9]
前記複数の車両は更に自動運転が可能に構成され、
前記遠隔制御手段は、前記車両に関する情報に基づいて、前記自動運転における制御ポリシを特定し、該特定した制御ポリシを前記車両に送信することで前記車両における自動運転を制御する付記1から8何れか1つに記載の車両管制システム。
【0060】
[付記10]
遠隔運転可能な複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、各車両の状態情報を解析する解析手段と、
前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な複数の遠隔制御手段と、
前記解析手段で解析された前記状態情報に基づいて、前記車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する割当決定手段とを備える車両管制装置。
【0061】
[付記11]
前記複数の車両は旅客自動車を含み、かつ前記複数の遠隔制御手段のそれぞれは前記車両を遠隔制御する遠隔監視者に関連付けられており、
前記解析手段は、前記旅客自動車である車両から該車両の内部の映像を受信し、該受信した映像に基づいて前記車両に乗客が乗車しているか否かを解析し、
前記割当決定手段は、前記乗客が乗車しているか否かの解析結果と、前記遠隔監視者の免許の種別とに基づいて、前記旅客自動車である車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する付記10に記載の車両管制装置。
【0062】
[付記12]
前記複数の車両は旅客自動車を含み、かつ前記複数の遠隔制御手段のそれぞれは前記車両を遠隔制御する遠隔監視者に関連付けられており、
前記解析手段は、前記旅客自動車である車両から該車両が回送中であるか否かを示す情報を受信し、該受信した情報に基づいて前記車両が回送中であるか否かを解析し、
前記割当決定手段は、前記車両が回送中であるか否かの解析結果と、前記遠隔監視者の免許の種別とに基づいて、前記旅客自動車である車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する付記10に記載の車両管制装置。
【0063】
[付記13]
前記複数の遠隔制御手段のそれぞれは前記車両を遠隔制御する遠隔監視者に関連付けられており、
前記解析手段は、前記車両が走行している場所の天候に関する情報を受信し、前記車両が走行している場所の路面状態を解析し、
前記割当決定手段は、前記解析された路面状態と、前記遠隔監視者の前記路面状態に対する適性情報とに基づいて、前記車両と前記遠隔制御手段との対応関係を決定する付記10に記載の車両管制装置。
【0064】
[付記14]
遠隔運転可能な複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、各車両の状態情報を解析し、
前記解析された前記状態情報に基づいて、前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な複数の遠隔制御装置と、前記車両との対応関係を決定する車両管制方法。
【0065】
[付記15]
遠隔運転可能な複数の車両のそれぞれから、各車両に関する情報をネットワークを介して受信し、該受信した各車両に関する情報に基づいて、各車両の状態情報を解析し、
前記解析された前記状態情報に基づいて、前記複数の車両のうちの1以上の車両に対して遠隔監視及び遠隔制御の少なくとも一方を実行可能な複数の遠隔制御装置と、前記車両との対応関係を決定する処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納する非一時的なコンピュータ可読媒体。
【符号の説明】
【0066】
10:車両管制システム
20:車両管制装置
21:解析手段
22:割当決定手段
23:遠隔制御手段
30:車両
100:車両管制システム
101:車両管制装置
102:ネットワーク
111:解析部
112:割当決定部
113:遠隔制御部
200:車両
201:センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6