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特許7416274現像装置およびそれを備えた画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】現像装置およびそれを備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240110BHJP
   G03G 15/08 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G03G21/00 310
G03G15/08 321
G03G15/08 322
G03G15/08 390A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022547451
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 JP2021029509
(87)【国際公開番号】W WO2022054489
(87)【国際公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】P 2020151829
(32)【優先日】2020-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今仲 浩一
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-146695(JP,A)
【文献】特開2014-174495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを含む現像剤を収容する現像容器と、
回転軸と、前記回転軸に一体成形される搬送羽根と、を有し、前記現像容器内の前記現像剤を攪拌搬送する正逆回転可能な攪拌搬送部材と、
前記現像容器内のトナー濃度またはトナー残量を検知するトナー検知センサーと、
前記攪拌搬送部材に付設され、前記攪拌搬送部材の回転により前記トナー検知センサーの検知面を清掃するスクレーパーと、
を備え、
前記スクレーパーは、前記攪拌搬送部材の正回転時に前記トナー検知センサーの検知面に接触する第1部材と、前記攪拌搬送部材の逆回転時に前記トナー検知センサーの検知面に接触する第2部材と、を有し、
前記第1部材は、前記第2部材よりも耐摩耗性が高く、前記第2部材と前記検知面との間の摩擦係数は、前記第1部材と前記検知面との間の摩擦係数よりも高い現像装置において、
前記攪拌搬送部材は、前記搬送羽根の一部を分断するように形成され、前記搬送羽根の傾斜に沿って前記スクレーパーを保持するスクレーパー保持部を有し、
前記スクレーパー保持部は、
分断された前記搬送羽根の一方側に配置され、前記スクレーパーの一方の側端部を挟持する一対の第1挟持片で構成される第1挟持部と、
前記搬送羽根の他方側に配置され、前記スクレーパーの他方の側端部を挟持する一対の第2挟持片で構成される第2挟持部と、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記スクレーパーは、前記第1部材および前記第2部材を貫通する位置決め孔を有し、
前記スクレーパー保持部は、前記位置決め孔に挿通される位置決め突起を有することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記位置決め孔は、前記攪拌搬送部材の周方向の内径が前記位置決め突起の外径よりも大きく、前記攪拌搬送部材の径方向の内径が前記位置決め突起の外径と同一である長孔形状であることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
一対の前記第1挟持片のうち、前記攪拌搬送部材の正回転時に前記搬送羽根の位相の進行方向に対し上流側に配置される前記第1挟持片は、下流側に配置される前記第1挟持片に比べて周方向に長く形成されており、前記位置決め突起が形成されることを特徴とする請求項2に記載の現像装置。
【請求項5】
前記スクレーパーは、一対の前記第1挟持片のうち、前記攪拌搬送部材の正回転時に前記搬送羽根の位相の進行方向に対し上流側に配置される前記第1挟持片に前記第2部材が接触することを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記攪拌搬送部材は、画像形成時に正回転することにより前記現像容器内の現像剤を攪拌搬送するとともに前記第1部材によって前記検知面を清掃し、非画像形成時に逆回転することにより前記第2部材によって前記検知面を清掃することを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項7】
前記スクレーパーの前記検知面に接触する側の端部は円弧状に湾曲しており、前記スクレーパーの前記回転軸に固定される側の端部には、前記スクレーパー保持部に前記スクレーパーを取り付ける際の前記回転軸との干渉を回避する切り欠きが形成されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項8】
前記第1部材は超高分子量ポリエチレンシートにより形成されており、
前記第2部材は不織布により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項9】
請求項1に記載の現像装置を備えた画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置およびそれを備えた画像形成装置に関し、特に、現像容器内のトナー濃度またはトナー残量を検知するトナー検知センサーと、トナー検知センサーの検知面を清掃するスクレーパーと、を含む現像装置およびそれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、感光体等からなる像担持体上に形成した静電潜像を、現像装置により現像しトナー像として可視化することを行っている。このような現像装置の一つとして、二成分現像剤を用いる二成分現像方式が採用されている。この種の現像装置は、現像容器内にキャリアとトナーとからなる二成分現像剤を収容し、像担持体に現像剤を供給する現像ローラーを配設するとともに、現像容器内部の現像剤を攪拌しながら搬送して現像ローラーへと供給する攪拌搬送部材を配設している。
【0003】
この現像装置では、現像動作によってトナーが消費されていく。このため、現像により消費された分のトナーを補給するために、現像容器内に配置されたトナー濃度検知センサー(トナー検知センサー)により現像剤中のトナー濃度を測定する必要がある。
【0004】
ここで、トナー濃度を正確に測定するためには、トナー濃度検知センサーの検知面に現像剤が堆積するのを抑制する必要がある。そこで、攪拌搬送部材に、トナー濃度検知センサーの検知面を清掃するためのスクレーパーを設けている。これにより、攪拌搬送部材の回転時に、スクレーパーがトナー濃度検知センサーの検知面を摺動して清掃する。特許文献1には、トナー濃度検知センサーの検知面を清掃するためのスクレーパーとして不織布を用いた現像装置が開示されている。
【0005】
スクレーパーとして不織布を用いた場合、不織布はトナー濃度検知センサーの検知面を長期間に亘り摺動することによって摩耗する。このため、トナー濃度検知センサーの検知面に現像剤が堆積するのを長期間に亘って抑制することが困難であるという問題点があった。
【0006】
そこで、特許文献2には、スクレーパーの材質を攪拌搬送部材の正回転時にトナー検知センサーの検知面に接触する第1部材と、攪拌搬送部材の逆回転時にトナー検知センサーの検知面に接触する第2部材の二重構造とし、第1部材は、第2部材よりも耐摩耗性が高く、第2部材と検知面との間の摩擦係数は、第1部材と検知面との間の摩擦係数よりも高くした現像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-168232号公報
【文献】特開2014-174495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2のスクレーパーは、両面テープ等からなる接着層を用いて二重構造の各層を貼り合わせている。そのため、攪拌搬送部材の長期間の回転によって各層にずれが生じてしまい、スクレーパーによる清掃性能が低下してしまうおそれがあった。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、トナー検知センサーの検知面に現像剤が堆積するのを長期間に亘って抑制可能であり、二重構造としたスクレーパーの各層のずれも抑制可能な現像装置およびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、現像容器と、攪拌搬送部材と、トナー検知センサーと、スクレーパーと、を備えた現像装置である。現像容器は、トナーを含む現像剤を収容する。攪拌搬送部材は、正逆回転可能であって、回転軸と、回転軸に一体成形される搬送羽根と、を有し、現像容器内の現像剤を攪拌搬送する。トナー検知センサーは、現像容器内のトナー濃度またはトナー残量を検知する。スクレーパーは、攪拌搬送部材に付設され、攪拌搬送部材の回転によりトナー検知センサーの検知面を清掃する。スクレーパーは、攪拌搬送部材の正回転時にトナー検知センサーの検知面に接触する第1部材と、攪拌搬送部材の逆回転時にトナー検知センサーの検知面に接触する第2部材と、を有する。第1部材は、第2部材よりも耐摩耗性が高く、第2部材と検知面との間の摩擦係数は、第1部材と検知面との間の摩擦係数よりも高い。攪拌搬送部材は、搬送羽根の一部を分断するように形成され、搬送羽根の傾斜に沿ってスクレーパーを保持するスクレーパー保持部を有する。スクレーパー保持部は、分断された搬送羽根の一方側に配置され、スクレーパーの一方の側端部を挟持する一対の第1挟持片で構成される第1挟持部と、搬送羽根の他方側に配置され、スクレーパーの他方の側端部を挟持する一対の第2挟持片で構成される第2挟持部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の第1の構成によれば、攪拌搬送部材の正回転時において、スクレーパーがトナー検知センサーの検知面を摺動して摩耗するのを抑制することができるので、トナー検知センサーの検知面に現像剤が堆積するのを長期間に亘って抑制することができる。また、攪拌搬送部材を逆回転することによって、第2部材によりトナー検知センサーの検知面をより効果的に清掃することができる。さらに、スクレーパーがスクレーパー保持部の第1挟持部、第2挟持部に挟み込まれて保持されるため、単にスクレーパーを撹拌搬送スクリューに貼り付けるだけの従来の構成に比べてスクレーパーを構成する第1部材と第2部材のずれが抑制される。従って、スクレーパーによる清掃性能を長期間に亘って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の現像装置3a~3dが搭載された画像形成装置100の内部構造を示す概略断面図
図2】本発明の一実施形態に係る現像装置3aの構造を示す側面断面図
図3】本実施形態の現像装置3aを感光体ドラム1aと反対側から見た外観斜視図
図4】本実施形態の現像装置3aの攪拌部の構造を模式的に示す平面断面図
図5】現像装置3aに用いる攪拌搬送スクリュー25を現像剤搬送方向の下流側から見た斜視図
図6】現像装置3aに用いる攪拌搬送スクリュー25を現像剤搬送方向の上流側から見た斜視図
図7】攪拌搬送スクリュー25に付設されるスクレーパー52の構造を示す拡大斜視図
図8】攪拌搬送スクリュー25に形成されるスクレーパー保持部60の拡大斜視図であって、スクレーパー保持部60を現像剤搬送方向の下流側から見た状態を示す図
図9】攪拌搬送スクリュー25に形成されるスクレーパー保持部60の拡大斜視図であって、スクレーパー保持部60を現像剤搬送方向の上流側から見た状態を示す図
図10】スクレーパー52が取り付けられたスクレーパー保持部60の拡大斜視図であって、スクレーパー保持部60を現像剤搬送方向の下流側から見た状態を示す図
図11】スクレーパー52が取り付けられたスクレーパー保持部60の拡大斜視図であって、スクレーパー保持部60を現像剤搬送方向の上流側から見た状態を示す図
図12】現像装置3aのトナー濃度検知センサー51周辺の構造を示す側面断面図であって、攪拌搬送スクリュー25が正回転する状態を示す図
図13】現像装置3aのトナー濃度検知センサー51周辺の構造を示す側面断面図であって、攪拌搬送スクリュー25が逆回転する状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の現像装置3a~3dが搭載された画像形成装置100の内部構造を示す概略断面図である。画像形成装置100(ここではカラープリンター)内には4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、搬送方向上流側(図1では左側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa~Pdは、異なる4色(シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)の画像に対応して設けられている。画像形成部Pa~Pdは、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの画像を順次形成する。
【0015】
これらの画像形成部Pa~Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)1a、1b、1cおよび1dが配設されている。さらに駆動手段(図示せず)により図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa~Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a~1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a~1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次一次転写されて重畳される。その後、中間転写ベルト8上に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラー9によって記録媒体の一例としての転写紙P上に二次転写される。トナー像が二次転写された転写紙Pは、定着部13においてトナー像が定着された後、画像形成装置100本体より排出される。感光体ドラム1a~1dを図1において時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a~1dに対する画像形成プロセスが実行される。
【0016】
トナー像が二次転写される転写紙Pは、画像形成装置100の本体下部に配置された用紙カセット16内に収容されている。転写紙Pは、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9と中間転写ベルト8の駆動ローラー11とのニップ部へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
【0017】
次に、画像形成部Pa~Pdについて説明する。回転可能に配設された感光体ドラム1a~1dの周囲および下方には、感光体ドラム1a~1dを帯電させる帯電装置2a、2b、2cおよび2dと、各感光体ドラム1a~1dに画像情報を露光する露光装置5と、感光体ドラム1a~1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3cおよび3dと、感光体ドラム1a~1d上に残留した現像剤(トナー)等を除去するクリーニング装置7a、7b、7cおよび7dが設けられている。
【0018】
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電装置2a~2dによって感光体ドラム1a~1dの表面を一様に帯電させる。次いで露光装置5によって画像データに応じて光照射し、各感光体ドラム1a~1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a~3dには、それぞれシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a~3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a~4dから各現像装置3a~3dにトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a~3dにより感光体ドラム1a~1d上に供給され、静電的に付着する。これにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
【0019】
そして、一次転写ローラー6a~6dにより一次転写ローラー6a~6dと感光体ドラム1a~1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与される。その結果、感光体ドラム1a~1d上のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、一次転写後に感光体ドラム1a~1dの表面に残留したトナー等がクリーニング装置7a~7dにより除去される。
【0020】
中間転写ベルト8は、上流側の従動ローラー10と、下流側の駆動ローラー11とに掛け渡されている。駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、転写紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで駆動ローラー11とこれに隣接して設けられた二次転写ローラー9とのニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送される。そして、中間転写ベルト8上のフルカラー画像がニップ部を通過する転写紙P上に二次転写される。トナー像が二次転写された転写紙Pは定着部13へと搬送される。
【0021】
定着部13に搬送された転写紙Pは、定着ローラー対13aにより加熱および加圧されてトナー像が転写紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、両面搬送路18に送られて両面に画像が形成された後に)、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
【0022】
図2は、画像形成装置100に搭載される現像装置3aの側面断面図である。図3は、現像装置3aを感光体ドラム1aと反対側(図2の左側)から見た外観斜視図である。図4は、現像装置3aの攪拌部の構造を模式的に示す平面断面図である。なお、以下の説明では図1の画像形成部Paに配置される現像装置3aを例示するが、画像形成部Pb~Pdに配置される現像装置3b~3dの構成についても基本的に同様であるため説明を省略する。
【0023】
図2に示すように、現像装置3aは、磁性キャリアとトナーとを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤という)が収納される現像容器20を備えている。現像容器20は仕切壁20aによって攪拌搬送室21、供給搬送室22に区画されている。攪拌搬送室21および供給搬送室22には、トナーコンテナ4a(図1参照)から供給されるトナーを磁性キャリアと混合して攪拌し、帯電させるための攪拌搬送スクリュー25および供給搬送スクリュー26がそれぞれ回転可能に配設されている。
【0024】
攪拌搬送室21内に配設される攪拌搬送スクリュー25は、回転軸25aと、回転軸25aに一体に設けられ、回転軸25aの軸方向に一定のピッチで螺旋状に形成される第1螺旋羽根25bとを有する。回転軸25aは現像容器20に回転可能に軸支されている。攪拌搬送スクリュー25が回転することによって、攪拌搬送室21内の現像剤を攪拌しながら所定方向(現像ローラー31の軸方向の一方側)に搬送する。
【0025】
供給搬送室22内に配設される供給搬送スクリュー26は、回転軸26aと、回転軸26aに一体に設けられ、第1螺旋羽根25bと逆方向を向く(逆巻きの)羽根で螺旋状に形成される第2螺旋羽根26bとを有する。回転軸26aは、攪拌搬送スクリュー25の回転軸25aと平行に配置され、現像容器20に回転可能に軸支されている。供給搬送スクリュー26が回転することによって、供給搬送室22内の現像剤を攪拌しながら攪拌搬送スクリュー25と反対方向に搬送し、現像ローラー31に供給する。
【0026】
攪拌搬送スクリュー25および供給搬送スクリュー26によって現像剤が攪拌されつつ軸方向(図2の紙面と垂直な方向)に搬送され、仕切壁20aの両端部に形成された連通部20c、20d(図4参照)を介して攪拌搬送室21、供給搬送室22間を循環する。即ち、攪拌搬送室21、供給搬送室22、連通部20c、20dによって現像容器20内に現像剤の循環経路が形成されている。
【0027】
現像容器20は図2の右斜め上方に延在しており、現像容器20内において供給搬送スクリュー26の右斜め上方には現像ローラー31が配置されている。そして、現像ローラー31の外周面の一部が現像容器20の開口部20bから露出し、感光体ドラム1aに対向している。現像ローラー31は、図2において反時計回り方向に回転する。現像ローラー31には、直流電圧に交流電圧が重畳された現像電圧が印加される。
【0028】
現像ローラー31は、図2において反時計回り方向に回転する円筒状の現像スリーブと、現像スリーブ内に固定された複数の磁極を有するマグネット(図示せず)とで構成されている。なお、ここでは表面がローレット加工された現像スリーブを用いているが、表面に多数の凹形状(ディンプル)を形成したものや、表面がブラスト加工された現像スリーブを用いることもできる。
【0029】
また、現像容器20には規制ブレード27が現像ローラー31の長手方向(図2の紙面と垂直方向)に沿って取り付けられている。規制ブレード27の先端部と現像ローラー31表面との間には僅かな隙間(ギャップ)が形成されている。
【0030】
図3に示すように、現像装置3aの一端(図3の左端)にはトナーコンテナ4a(図1参照)から現像容器20内にトナーを補給するトナー補給部40が設けられている。トナー補給部40の上端部にはトナーコンテナ4aからトナーを受け取るトナー補給口40aが形成されている。現像容器20のトナー補給部40側の側面には駆動入力ギア50が配置されている。トナー補給口40aから補給されたトナーは、攪拌搬送室21の上流側(図4の左側)から攪拌搬送室21内に供給される。
【0031】
図4に示すように、現像容器20には、仕切壁20aと、攪拌搬送室21と、供給搬送室22と、上流側連通部20cと、下流側連通部20dとが形成されている。なお、攪拌搬送室21において、図4の左側を上流側、図4の右側を下流側とする。また、供給搬送室22において、図4の右側を上流側、図4の左側を下流側とする。従って、連通部は、供給搬送室22を基準として上流および下流と呼称している。
【0032】
仕切壁20aは、現像容器20の長手方向に延びて攪拌搬送室21と供給搬送室22を並列させるように仕切っている。上流側連通部20cおよび下流側連通部20dは、仕切壁20aの長手方向の一方側および他方側(A1方向側およびA2方向側)にそれぞれ形成されている。上流側連通部20cは、攪拌搬送室21および供給搬送室22のA1方向の端部同士を連通している。下流側連通部20dは、攪拌搬送室21および供給搬送室22のA2方向の端部同士を連通している。
【0033】
攪拌搬送スクリュー25の回転軸25aは現像容器20に回転可能に軸支されている。攪拌搬送スクリュー25は、第1螺旋羽根25bによって攪拌搬送室21内の現像剤を攪拌しながらA1方向に搬送する。
【0034】
なお、攪拌搬送スクリュー25は、図示しないモーターによって回転駆動されるとともに、正回転と逆回転とが可能である。正回転は、印字動作時(画像形成時)に回転する方向である。逆回転は、後述する不織布52bによる清掃動作時(非画像形成時)に回転する方向である。
【0035】
供給搬送スクリュー26の回転軸26aは、回転軸25aと平行に配置され、現像容器20に回転可能に軸支されている。供給搬送スクリュー26は、第2螺旋羽根26bによって供給搬送室22内の現像剤をA2方向(A1方向と反対方向)に攪拌搬送しながら現像ローラー31に現像剤を供給する。
【0036】
また、攪拌搬送スクリュー25はPS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)、PC(ポリカーボネート)などの樹脂により形成されており、第1螺旋羽根25bおよび回転軸25aは一体成型されている。同様に、供給搬送スクリュー26もPS、ABS、PCなどの樹脂により形成されており、第2螺旋羽根26bおよび回転軸26aは一体成型されている。なお、回転軸25aおよび26aは樹脂のみで形成されており、軸芯に金属を用いたものではない。
【0037】
また、図2および図4に示すように、攪拌搬送室21の底面にはトナー濃度検知センサー(トナー検知センサー)51が配置されている。トナー濃度検知センサー51は、攪拌搬送室21内の現像剤搬送方向(図4の矢印A1方向)に対し上流側連通部20dの上流側に配置されている。
【0038】
トナー濃度検知センサー51としては、現像容器20内における現像剤の透磁率を検出する透磁率センサーが用いられる。トナー濃度検知センサー51により現像剤の透磁率が検出されると、その検出結果に相当する電圧値を制御部(図示せず)に出力する。そして、制御部によってトナー濃度検知センサー51の出力値からトナー濃度が決定される。
【0039】
センサー出力値はトナー濃度に応じて変化し、トナー濃度が高くなるほど磁性キャリアに対するトナーの比率が高くなり、磁気を通さないトナーの割合が増加するため出力値が低くなる。一方、トナー濃度が低くなるほどキャリアに対するトナーの比率が低くなり、磁気を通すキャリアの割合が増加するため出力値が高くなる。
【0040】
図5および図6は、攪拌搬送スクリュー25の構造を示す斜視図であり、それぞれ攪拌搬送スクリュー25を攪拌搬送室12内の現像剤搬送方向(矢印A1方向)の下流側および上流側から見た状態を示している。図5および図6に示すように、攪拌搬送スクリュー25にはトナー濃度検知センサー51に対向する部分にスクレーパー52が固定されている。スクレーパー52は、攪拌搬送スクリュー25の第1螺旋羽根25bに形成されたスクレーパー保持部60に取り付けられている。
【0041】
また、攪拌搬送スクリュー25の回転軸25aはトナー補給部40内まで延在している。攪拌搬送スクリュー25の回転軸25aには、トナー補給部40内に配置される部分に補給羽根25cが一体形成されている。補給羽根25cは、第1螺旋羽根25bと同方向を向く(巻き方向が同一の)、第1螺旋羽根25bと比べて小径の螺旋状の羽根によって第1螺旋羽根25bよりも小さいピッチで形成されている。
【0042】
トナーコンテナ4a(図1参照)からトナー補給口40aを介してトナー補給部40に補給されたトナーは、攪拌搬送スクリュー25の補給羽根25cにより回転軸25aに沿って攪拌搬送室21内に進入する。そして、攪拌搬送室21内の現像剤(供給搬送室22から受け渡された現像剤)と攪拌、混合されることで所定の帯電量に帯電される。即ち、攪拌搬送スクリュー25はトナー補給部40内のトナーを攪拌搬送室21に向けて搬送する搬送部材を兼ねている。
【0043】
図7は、攪拌搬送スクリュー25に付設されるスクレーパー52の構造を示す拡大斜視図であって、スクレーパー52をポリエチレンシート52a側から見た図である。図7に示すように、スクレーパー52は同一形状のポリエチレンシート(第1部材)52aと不織布(第2部材)52bとを図示しない両面テープ等からなる接着層を用いて貼り合せることにより形成されている。
【0044】
ポリエチレンシート52aは約0.1mm~0.2mmの厚みを有し、不織布52bは約1mmの厚みを有する。不織布52bとトナー濃度検知センサー51の検知面51a(図12参照)との間の摩擦係数は、ポリエチレンシート52aとトナー濃度検知センサー51の検知面51aとの間の摩擦係数よりも高い。また、ポリエチレンシート52aは、約100万~約700万の分子量を有する、いわゆる超高分子量ポリエチレンにより形成されており、不織布52bよりも耐摩耗性が高い。
【0045】
スクレーパー52の中央部には、ポリエチレンシート52aおよび不織布52bを貫通する長孔状の位置決め孔52cが形成されている。スクレーパー52の検知面51aに接触する側の端部52d(図7の下端部)は円弧状に湾曲している。スクレーパー52の回転軸25aに固定される側の端部(図7の上端部)には、台形状の切り欠き52eが形成されている。切り欠き52eは、スクレーパー52をスクレーパー保持部60に取り付ける際のスクレーパー52と回転軸25aとの干渉を回避する。
【0046】
図8および図9は、攪拌搬送スクリュー25の第1螺旋羽根25bに形成されるスクレーパー保持部60の拡大斜視図であり、それぞれスクレーパー保持部60を現像剤搬送方向の下流側および上流側から見た状態を示している。スクレーパー保持部60は、第1螺旋羽根25bの一部を分断するように形成されており、第1挟持部61、第2挟持部62、位置決め突起63を有する。
【0047】
第1挟持部61、第2挟持部62は、分断された第1螺旋羽根25bの一方側と他方側に対向配置される。第1挟持部61は、スクレーパー52の一方の側端部を挟持する一対の第1挟持片61a、61bを有する。第2挟持部62は、スクレーパー52の他方の側端部を挟持する一対の第2挟持片62a、62bを有する。
【0048】
第1挟持部61と第2挟持部62の間隔は、スクレーパー52の幅方向寸法w1(図7参照)と略同一である。第1挟持片61a、61bおよび第2挟持片62a、62bは、スクレーパー52の厚みd(図7参照)よりも小さい隙間を有する。
【0049】
第1挟持片61a、第2挟持片62aは、攪拌搬送スクリュー25が正回転したときの第1螺旋羽根25bの位相の進行方向(現像剤搬送方向)に対し下流側に配置されている。第1挟持片61a、第2挟持片62aは、スクレーパー52のポリエチレンシート52aに接触する。第1挟持片61b、第2挟持片62bは、攪拌搬送スクリュー25が正回転したときの第1螺旋羽根25bの位相の進行方向に対し上流側に配置されている。第1挟持片61b、第2挟持片62bは、スクレーパー52の不織布52bに接触する。
【0050】
第1挟持片61bは、第1挟持片61aに比べて周方向(第1螺旋羽根25bの連続する方向)に長く形成されており、第2挟持片62b付近まで延在している。第1挟持片61bにはスクレーパー52の位置決め孔52cに挿入される位置決め突起63が形成されている。
【0051】
スクレーパー保持部60にスクレーパー52を取り付ける場合、先ず、スクレーパー52の切り欠き52dが回転軸25aを跨ぐようにして、スクレーパー52の一方側(図7の左側)の端縁を第1挟持部61の第1挟持片61a、61bの隙間に挟み込む。
【0052】
そして、第1挟持片61bに形成された位置決め突起63をスクレーパー52の不織布52b側から位置決め孔52cに挿通する。位置決め孔52cは、攪拌搬送スクリュー25の周方向(図7の左右方向)の内径が位置決め突起63の外径よりも大きく、攪拌搬送スクリュー25の径方向(図7の上下方向)の内径が位置決め突起63の外径と同一である長孔形状である。そのため、スクレーパー52或いはスクレーパー保持部60の寸法公差によらず、位置決め突起63を円滑に挿通できる。その後、スクレーパー52の他方側(図7の右側)の端縁を第2挟持部62の第2挟持片62a、62bの隙間に挟み込む。以上のようにしてスクレーパー52の取り付けを完了する。
【0053】
スクレーパー保持部60とスクレーパー52との間の接着は不要である。なお、必要に応じて第1挟持部61、第2挟持部62とスクレーパー52との間に接着剤を塗布することで、スクレーパー保持部60へのスクレーパー52の保持強度をより一層高めることもできる。
【0054】
但し、第1挟持片61a、61bの両方、および第2挟持片62a、62bの両方に接着剤を塗布した場合、スクレーパー保持部60へのスクレーパー52の取り付け作業性が悪くなる。そのため、スクレーパー52のポリエチレンシート52aに接触する第1挟持片61a、第2挟持片62aのみ、若しくは不織布52bに接触する第1挟持片61b、第2挟持片62bのみに接着剤を塗布することが好ましい。第1挟持片61bは第1挟持片61aに比べて長く形成されており、スクレーパー52との接触面積が大きい。そのため、第1挟持片61b、第2挟持片62bのみに接着剤を塗布することがより好ましい。
【0055】
図10および図11は、スクレーパー52が取り付けられたスクレーパー保持部60の拡大斜視図であり、それぞれスクレーパー保持部60を現像剤搬送方向の下流側および上流側から見た状態を示している。スクレーパー52は、第1螺旋羽根25bの傾斜に沿って取り付けられる。即ち、スクレーパー52が攪拌搬送スクリュー25のスクレーパー保持部60に取り付けられた状態で、端部52dが連続する第1螺旋羽根25bの外縁部の一部を構成する。
【0056】
また、位置決め孔52cに位置決め突起63が挿通されることでスクレーパー52の径方向への移動が規制される。従って、第1螺旋羽根25bの外縁部からのスクレーパー52の突出量を一定に維持することができ、センサー面51a(図12参照)を安定して清掃することができる。スクレーパー52の周方向への移動は、第1挟持部61および第2挟持部62によって規制される。
【0057】
図12および図13は、現像装置3aのトナー濃度検知センサー51周辺の構造を示す側面断面図であって、それぞれ攪拌搬送スクリュー25が正回転および逆回転する状態を示す図である。
【0058】
図12に示すように、スクレーパー52は、第1螺旋羽根25bの外縁部(図12の下端部)からの突出高さが第1螺旋羽根25bの先端とトナー濃度検知センサー51の検知面51aとの間の距離よりも大きくなるように、第1螺旋羽根25bに取り付けられる。このため、スクレーパー52は、湾曲した状態でトナー濃度検知センサー51の検知面51aに接触する。
【0059】
なお、本実施形態のように回転軸25aが樹脂のみにより形成されている場合、回転軸25aが撓んでもトナー濃度検知センサー51の検知面51aを確実に摺動(接触)できるように、スクレーパー52の突出高さは、より大きく設定される。
【0060】
通常の画像形成時には攪拌搬送スクリュー25が正回転する。このとき、図12に示すようにポリエチレンシート52aの表面(スクレーパー52の一方面)がトナー濃度検知センサー51の検知面51aを摺動する。一方、攪拌搬送スクリュー25を逆回転させると、図13に示すように、不織布52bの表面(スクレーパー52の他方面)がトナー濃度検知センサー51の検知面51aを摺動する。このように、ポリエチレンシート52aまたは不織布52bにより、トナー濃度検知センサー51の検知面51aが摺擦されて清掃される。
【0061】
攪拌搬送スクリュー25を逆回転させるタイミングとしては、印字動作の終了毎に行っても良いし、印字枚数が所定枚数に到達した時点で行うようにしても良い。また、攪拌搬送スクリュー25を逆回転させる際に、供給搬送スクリュー26も逆回転させてもよい。
【0062】
本実施形態の構成によれば、スクレーパー52は、攪拌搬送スクリュー25の正回転時にトナー濃度検知センサー51の検知面51aに接触するポリエチレンシート52aと、攪拌搬送スクリュー25の逆回転時にトナー濃度検知センサー51の検知面51aに接触する不織布52bと、を有する。ポリエチレンシート52aは、不織布52bよりも耐摩耗性が高い。これにより、攪拌搬送スクリュー25の正回転時において、スクレーパー52がトナー濃度検知センサー51の検知面51aを摺動して摩耗するのを抑制することができる。これにより、トナー濃度検知センサー51の検知面51aに現像剤が堆積するのを長期間に亘って抑制することができ、トナー濃度を長期間に亘って精度良く検知することができる。
【0063】
また、不織布52bと検知面51aとの間の摩擦係数は、ポリエチレンシート52aと検知面51aとの間の摩擦係数よりも高い。すなわち、不織布52bは、ポリエチレンシート52aに比べて、トナー濃度検知センサー51の検知面51aに対する清掃力が大きい。これにより、攪拌搬送スクリュー25を逆回転させることによって、不織布52bによりトナー濃度検知センサー51の検知面51aをより効果的に清掃することができる。
【0064】
また、攪拌搬送スクリュー25は、画像形成時に正回転することにより現像容器20内の現像剤を攪拌搬送するとともに、非画像形成時に逆回転する。これにより、非画像形成時に、清掃力の大きい不織布52bにより検知面51aを清掃することができる。
【0065】
また、スクレーパー52は、不織布52bとポリエチレンシート52aとを貼り合せることにより形成されている。これにより、スクレーパー52のポリエチレンシート52aとは反対側の部材(不織布52b)と検知面51aとの間の摩擦係数を、ポリエチレンシート52aと検知面51aとの間の摩擦係数よりも、容易に高くすることができる。また、ポリエチレンシート52aを超高分子量ポリエチレンで形成したので、ポリエチレンシート52aの耐摩耗性を容易に向上させることができる。
【0066】
また、スクレーパー52がスクレーパー保持部60の第1挟持部61、第2挟持部62に挟み込まれて保持されるため、単にスクレーパー52を攪拌搬送スクリュー25に貼り付けるだけの従来の構成に比べてスクレーパー52を構成するポリエチレンシート52aと不織布52bのずれが抑制される。従って、スクレーパーによる清掃性能を長期間に亘って維持することができる。
【0067】
また、スクレーパー52は第1螺旋羽根25bの一部を構成するように取り付けられるので、スクレーパー52を回転軸25aと平行に取り付ける場合に比べて現像剤の搬送性能に対する影響を小さくすることができる。
【0068】
また、スクレーパー52のポリエチレンシート52aが、第1螺旋羽根25bの正回転時に回転方向下流側となる面に取り付けられている。これにより、攪拌搬送スクリュー25の正回転時に、耐摩耗性が高く摩擦係数が低いポリエチレンシート52aによりトナー濃度検知センサー51の検知面51aを容易に清掃することができる。また、攪拌搬送スクリュー25を定期的に逆回転させることにより、摩擦係数が高く清掃力の大きい不織布52bによってトナー濃度検知センサー51の検知面51aをより確実に清掃することができる。
【0069】
その他、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では攪拌搬送室21にトナー検知センサー51を設け、攪拌搬送スクリュー25にスクレーパー52を取り付けた例について示したが、供給搬送室22にトナー検知センサー51を設け、供給搬送スクリュー26にスクレーパー52を取り付けてもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、現像剤としてキャリアおよびトナーからなる二成分現像剤を用いる例について示したが、本発明はこれに限らず、現像剤としてトナーのみからなる一成分現像剤を用いてもよい。この場合、トナー検知センサーとして現像容器内のトナー残量を検知するトナー残量検知センサーを用いてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、トナー検知センサー51として透磁率センサーを用いた例について示したが、本発明はこれに限らず、圧電センサーなどの、透磁率センサー以外のセンサーを用いてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、超高分子量ポリエチレンを用いてスクレーパー52の第1部材を形成した例について示したが、本発明はこれに限らない。超高分子量ポリエチレン以外のポリエチレンを用いて第1部材を形成してもよいし、ポリエチレン以外の材料(例えば樹脂)を用いて第1部材を形成してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、不織布を用いてスクレーパー52の第2部材を形成した例について示したが、本発明はこれに限らず、不織布以外の材料を用いて第2部材を形成してもよい。
【0074】
また、本発明は図1に示したタンデム式のカラープリンターに限らず、デジタル或いはアナログ方式のモノクロ複写機、カラー複写機、ファクシミリ等の、トナー検知センサーおよびスクレーパーを含む現像装置を備えた種々の画像形成装置に適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13