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特許7416293端末デバイスで実行される方法、端末デバイス、ネットワークデバイスで実行される方法及びネットワークデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】端末デバイスで実行される方法、端末デバイス、ネットワークデバイスで実行される方法及びネットワークデバイス
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/21 20230101AFI20240110BHJP
   H04B 7/08 20060101ALI20240110BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20240110BHJP
   H04B 7/0456 20170101ALI20240110BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H04W72/21
H04B7/08 810
H04B7/06 960
H04B7/0456 100
H04L27/26 113
H04L27/26 114
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023006505
(22)【出願日】2023-01-19
(62)【分割の表示】P 2021504273の分割
【原出願日】2018-07-27
(65)【公開番号】P2023041742
(43)【公開日】2023-03-24
【審査請求日】2023-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ガオ ユーカイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0205440(US,A1)
【文献】Intel Corporation,Discussion on multi-panel and multi-TRP operation [online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1709 R1-1716289,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_R,2017年09月12日
【文献】3GPP TSG RAN NR Physical layer procedures for data (Release 15),3GPP TS 38.214 V15.2.0 (2018-06),Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive,2018年06月29日,P.1-2,71-72
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
H04B 7/08
H04B 7/06
H04B 7/0456
H04L 27/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末デバイスで実行される方法であって、
第1のサウンディング参照信号(SRS)リソースセット及び第2のSRSリソースセットが設定され、かつ前記第1のSRSリソースセットが第1のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースに関連付けられ、前記第2のSRSリソースセットが第2のCSI-RSリソースに関連付けられることに応じて、前記第1のCSI-RSリソースで第1のCSI-RS、及び前記第2のCSI-RSリソースで第2のCSI-RSをネットワークデバイスから受信し、
第1のプリコーディング情報に基づく第1のSRSと、第2のプリコーディング情報に基づく第2のSRSと、を前記ネットワークデバイスに送信し、
前記第1のプリコーディング情報は前記第1のCSI-RSに基づいて決定され、前記第2のプリコーディング情報は前記第2のCSI-RSに基づいて決定される、
ことを含む方法。
【請求項2】
前記第1のSRS及び前記第2のSRSを送信することは、
前記第1のSRSリソースセットで前記第1のSRSを送信することと、
前記第2のSRSリソースセットで前記第2のSRSを送信することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のSRSを送信することは、
前記第1のSRSの送信のための第1のSRS構成を決定することと、
前記第1のSRS構成に基づいて前記第1のSRSを送信することと、を含み、
前記第2のSRSを送信することは、
前記第2のSRSの送信のための第2のSRS構成を決定することと、
前記第2のSRS構成に基づいて前記第2のSRSを送信することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のSRS構成は前記第2のSRS構成と異なる、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のSRS構成及び前記第2のSRS構成は、異なるSRSリソース、異なるSRSシーケンス、及びSRSシーケンス生成のための異なるサイクルシフト値のうちの少なくとも1つに関連付けられる、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
前記第1のSRSリソースセット及び前記第2のSRSリソースセットのうち少なくとも1つが少なくとも1つの物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)に使用されるという指示を受信したことに応じて、前記第1のSRSリソースセット及び前記第2のSRSリソースセットのうち少なくとも1つに基づいて、前記少なくとも1つのPUSCHを前記ネットワークデバイスに送信すること、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記指示は、前記第1のSRSリソースセットが前記少なくとも1つのPUSCHに使用されることを指示し、
前記少なくとも1つのPUSCHを送信することは、
前記第1のSRSリソースセットに基づいて前記少なくとも1つのPUSCHの第1のサブセットを送信することを含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記指示は、前記第1のSRSリソースセット及び前記第2のSRSリソースセットが前記少なくとも1つのPUSCHに使用されることを指示し、
前記少なくとも1つのPUSCHを送信することは、
前記第1のSRSリソースセットに基づいて、前記少なくとも1つのPUSCHの第1のサブセットを送信することと、
前記第2のSRSリソースセットに基づいて、前記少なくとも1つのPUSCHの第2のサブセットを送信することと、を含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1のサウンディング参照信号(SRS)リソースセット及び第2のSRSリソースセットが設定され、かつ前記第1のSRSリソースセットが第1のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースに関連付けられ、前記第2のSRSリソースセットが第2のCSI-RSリソースに関連付けられることに応じて、前記第1のCSI-RSリソースで第1の送受信ポイント(TRP)から第1のCSI-RSを受信し、前記第2のCSI-RSリソースで第2のTRPから第2のCSI-RSを受信し、
第1のプリコーディング情報に基づいて第1のSRSを前記第1のTRPに送信し、第2のプリコーディング情報に基づいて第2のSRSを前記第2のTRPに送信し、
前記第1のプリコーディング情報は前記第1のCSI-RSに基づいて決定され、前記第2のプリコーディング情報は前記第2のCSI-RSに基づいて決定される、
端末デバイス。
【請求項10】
ネットワークデバイスで実行される方法であって、
第1のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースに関連付けられる第1のサウンディング参照信号(SRS)リソースセット及び第2のCSI-RSリソースに関連付けられる第2のSRSリソースセットの少なくとも1つの構成を端末デバイスに送信し、
前記第1のCSI-RSリソースで第1のCSI-RS、及び、前記第2のCSI-RSリソースで第2のCSI-RSを、前記端末デバイスに送信し、
前記第1のCSI-RSに基づいて決定された第1のプリコーディング情報に基づく第1のSRS、及び、前記第2のCSI-RSに基づいて決定された第2のプリコーディング情報に基づく第2のSRSを、前記端末デバイスから受信する、
ことを含む方法。
【請求項11】
前記第1のSRS及び前記第2のSRSを受信することは、
前記第1のSRSリソースセットで前記第1のSRSを受信することと、
前記第2のSRSリソースセットで前記第2のSRSを受信することと、を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のSRSを受信することは、
第1のSRS構成に基づいて送信された前記第1のSRSを前記端末デバイスから受信することを含み、
前記第2のSRSを受信することは、
第2のSRS構成に基づいて送信された前記第2のSRSを前記端末デバイスから受信することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のSRS構成は前記第2のSRS構成と異なる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
第1のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースに関連付けられる第1のサウンディング参照信号(SRS)リソースセット及び第2のCSI-RSリソースに関連付けられる第2のSRSリソースセットの少なくとも1つの構成を端末デバイスに送信し、
前記第1のCSI-RSリソースで第1の送受信ポイント(TRP)を介して第1のCSI-RSを送信し、前記第2のCSI-RSリソースで第2のTRPを介して第2のCSI-RSを送信し、
前記第1のCSI-RSに基づいて決定された第1のプリコーディング情報に基づく第1のSRSを前記第1のTRPを介して受信し、前記第2のCSI-RSに基づいて決定された第2のプリコーディング情報に基づく第2のSRSを前記第2のTRPを介して受信する、
ネットワークデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般的に、電気通信分野に関し、特に、アップリンク送信のための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
新しい無線アクセス(NR:Radio Access)では、アップリンク(UL:Uplink)送信について、コードブックベースのUL送信と非コードブックベースのUL送信という2つの送信スキームがサポートされることができる。端末デバイスは、上位層シグナリング(例えば、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリング)を介して2つのスキームのいずれかで構成されることができる。コードブックベースの送信の場合、端末デバイスは、そのUL送信のためのプリコーダを、ネットワークデバイスから受信したダウンリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)に基づいて決定することができる。例えば、DCIにおけるいくつかのフィールドは、プリコーディングされたサウンディング参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)の送信に使用される好ましいプリコーダを端末デバイスに示す。非コードブックベースのUL送信の場合、端末デバイスは、関連する参照信号(RS:Reference Signal)の測定に基づいて、UL送信のための送信に使用されるプリコーダを決定することができる。UL送信のための送信に使用されるプリコーダを決定すると、端末デバイスは、SRS送信に対して構成されたSRSリソースセットを介して、プリコーディングされたSRSをネットワークデバイスに送信する。SRSは、アップリンクチャネル推定の結果に基づいてUL送信(例えば、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)送信)のためにリソース割り当てを実行し且つ送信パラメータを設定するように、ネットワークデバイスによって受信され使用されてアップリンクチャネル推定を実行することができる。例えば、ネットワークデバイスは、PUSCH送信に使用されるSRSリソースセットから少なくとも1つのSRSリソースを決定する。その少なくとも1つのSRSリソースを端末デバイスに示すことによって、ULデータは、その少なくとも1つのSRSリソースを介して端末デバイスからネットワークデバイスに送信される。
【0003】
NRにおいて、ネットワークデバイス(例えば、次世代NodeB(gNB))は、複数の送受信ポイント(TRP:Transmission and Reception Point)又はアンテナパネルを備えてもよい。すなわち、ULデータは、1つのTRPのみ又は複数のTRPを介して、端末デバイスからネットワークデバイスに送信されることができる。TRPの各々は、端末デバイスと通信するための1つ又は複数のビームを提供することができる。しかしながら、現在の3GPP(登録商標)仕様では、UL送信のためのビームは、上位層シグナリング(例えば、RRCシグナリング)を介してのみ設定されることができる。すなわち、UL送信では、異なるTRP(又は異なるビーム)間の動的切替えがサポートされない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
概して、本開示の例示的な実施形態は、UL送信のための方法、デバイス、及びコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、端末デバイスで実行される方法を提供する。方法は、ネットワークデバイスによって少なくとも1つのSRSリソースセットが設定され、かつ少なくとも1つのSRSリソースセットが第1及び第2のチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)リソースに関連付けられることに応答して、第1のCSI-RSリソースで第1のTRPを介して送信される第1のCSI-RSと、第2のCSI-RSリソースで第2のTRPを介して送信される第2のCSI-RSとをネットワークデバイスから受信することを含む。方法は、受信した第1のCSI-RSと第2のCSI-RSに基づいて、第1のTRPを介したアップリンク送信のための第1のプリコーディング情報と、第2のTRPを介したアップリンク送信のための第2のプリコーディング情報を、それぞれ決定することを、さらに含む。方法は、第1のプリコーディング情報及び第2のプリコーディング情報から選択された第3のプリコーディング情報に関連付けられるアップリンク送信のための少なくとも1つのTRPを、第1のTRP及び第2のTRPから決定することを、さらに含む。また、方法は、第3のプリコーディング情報に基づいて、少なくとも1つのTRPを介して少なくとも1つのSRSをネットワークデバイスに送信することを、さらに含む。
【0006】
第2の態様では、ネットワークデバイスで実行される方法を提供する。方法は、第1及び第2のCSI-RSリソースに関連付けられる少なくとも1つのSRSリソースセットが端末デバイスに設定されたことに応答して、第1のCSI-RSリソースで第1のTRPを介して第1のCSI-RSを端末デバイスに送信し、第2のCSI-RSリソースで第2のTRPを介して第2のCSI-RSを端末デバイスに送信することを含む。方法は、端末デバイスによって第1のTRP及び第2のTRPから選択された少なくとも1つのTRPを介して少なくとも1つのSRSを端末デバイスから受信することを、さらに含む。
【0007】
第3の態様では、デバイスを提供する。デバイスは、プロセッサと、プロセッサに接続されるメモリとを備える。メモリは、プロセッサによって実行されると、デバイスに動作を実行させる命令を格納する。動作は、ネットワークデバイスによって少なくとも1つのSRSリソースセットが設定され、かつ少なくとも1つのSRSリソースセットが第1及び第2のCSI-RSリソースに関連付けられていることに応答して、第1のCSI-RSリソースで第1のTRPを介して送信される第1のCSI-RSと、第2のCSI-RSリソースで第2のTRPを介して送信される第2のCSI-RSとをネットワークデバイスから受信することと、受信した第1のCSI-RS及び第2のCSI-RSに基づいて、第1のTRPを介したアップリンク送信のための第1のプリコーディング情報と、第2のTRPを介したアップリンク送信のための第2のプリコーディング情報を、それぞれ決定することと、第1のプリコーディング情報及び第2のプリコーディング情報から選択された第3のプリコーディング情報に関連付けられるアップリンク送信のための少なくとも1つのTRPを、第1のTRP及び第2のTRPから、決定することと、第3のプリコーディング情報に基づいて、少なくとも1つのTRPを介して少なくとも1つのSRSをネットワークデバイスに送信することと、を含む。
【0008】
第4の態様では、デバイスを提供する。デバイスは、プロセッサと、プロセッサに接続されるメモリとを備える。メモリは、プロセッサによって実行されると、デバイスに動作を実行させる命令を格納する。動作は、第1及び第2のCSI-RSリソースに関連付けられる少なくとも1つのSRSリソースセットが端末デバイスに設定されたことに応答して、第1のCSI-RSリソースで第1のTRPを介して第1のCSI-RSを端末デバイスに送信し、第2のCSI-RSリソースで第2のTRPを介して第2のCSI-RSを端末デバイスに送信することと、端末デバイスによって第1のTRP及び第2のTRPから選択された少なくとも1つのTRPを介して少なくとも1つのSRSを端末デバイスから受信することと、を含む。
【0009】
第5の態様では、命令が格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、少なくとも1つのプロセッサに本開示の第1の態様による方法を実行させる。
【0010】
第6の態様では、命令が格納されたコンピュータ読み取り可能な媒体を提供する。命令は、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、少なくとも1つのプロセッサに本開示の第2の態様による方法を実行させる。
【0011】
第7の態様では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に有形に格納されたコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、少なくとも1つのプロセッサで実行されると、少なくとも1つのプロセッサに本開示の第1の態様または第2の態様による方法を実行させる命令を含む。
【0012】
本開示の他の特徴は、以下の説明を通して容易に理解可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付図面を参照しながら本開示のいくつかの実施形態をより詳細に説明することを通じて、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点がより明らかになる。
【0014】
図1A】マルチTRP UL送信のための異なるシナリオを示す。
図1B】マルチTRP UL送信のための異なるシナリオを示す。
図1C】マルチTRP UL送信のための異なるシナリオを示す。
【0015】
図2】本開示の実施形態が実施され得る通信環境のブロック図である。
【0016】
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかるマルチTRP UL送信のためのプロセスを示す。
【0017】
図4A】本開示のいくつかの実施形態の例を示す。
図4B】本開示のいくつかの実施形態の例を示す。
図4C】本開示のいくつかの実施形態の例を示す。
【0018】
図5】本開示のいくつかの実施形態の例を示す。
【0019】
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法のフローチャートを示す。
【0020】
図7】本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法のフローチャートを示す。
【0021】
図8】本開示の実施形態の実施に適するデバイスの簡略的なブロック図である。
【0022】
図面全体において、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明する。これらの実施形態は、例示の目的で記載されるにすぎず、本開示の範囲に関するいかなる制限をするものではなく、当業者が本開示を理解及び実施することを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実施されることができる。
【0024】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0025】
本明細書で使用されるとき、「ネットワークデバイス」又は「基地局」(BS:Base Station)という用語は、端末デバイスが通信できるセルやカバレッジを提供し、又はホストできるデバイスを指す。ネットワークデバイスの例として、ノードB(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、送受信ポイント(TRP)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッド(RH:Radio Head)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、及びフェムトノードやピコノードなどの低電力ノードなどが挙げられるが、それらに限定されない。説明の目的のために、以下、gNBをネットワークデバイスの例として、いくつかの実施形態を説明する。
【0026】
本明細書で使用されるとき、「端末デバイス」という用語は、無線又は有線の通信機能を有する任意のデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザ機器(UE:User Equipment)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、移動電話、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャデバイス、ゲームデバイス、音楽ストレージ及び再生機器、又は無線や有線インターネットアクセス及びブラウジングなどを可能にするインターネット機器が挙げられるが、それらに限定されない。説明の目的のために、以下では、端末デバイスの例としてUEを参照していくつかの実施形態を説明する。
【0027】
本明細書で使用されるとき、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「上記(the)」は、文脈からそうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」という用語及びその変形は、「含むがこれに限定されない」ことを意味するオープンな用語として読まれる。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」と読まれる。「一実施形態」及び「実施形態」という用語は、「少なくとも一実施形態」と読まれる。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」と読まれる。「第1」、「第2」などの用語は、異なるオブジェクト又は同じオブジェクトを指す。明示的及び暗黙的なその他の定義は、以下に含まれる。
【0028】
いくつかの例では、値、手順、又は装置は、「最もよい」、「最も低い」、「最も高い」、「最小」、「最大」などと見なされる。このような説明は、多くの使用される機能的選択肢から選択を行うことができることを指し、このような選択は他の選択に比べてより良く、小さく、高く、又はより好ましい必要がないことを意図している。
【0029】
上述したように、アップリンク(UL)送信では、コードブックベースのUL送信と非コードブックベースのUL送信という2つの送信スキームがサポートされることができる。端末デバイスは、上位層シグナリングを介して2つのスキームのいずれかで構成されることができる。コードブックベースの送信の場合、端末デバイスは、UL送信のためのプレコーディング情報を、ネットワークデバイスから受信したDCIに基づいて決定することができる。例えば、DCIにおけるいくつかのフィールドは、PUSCH送信に使用されるプリコーディング情報を端末デバイスに示す。さらに、DCIにおけるいくつかのフィールド(例えば、SRSリソースインジケータ(SRI:SRS resource indicator))は、PUSCH送信に使用される1つ又は複数のSRSリソースを端末デバイスに示す。非コードブックベースのUL送信の場合、端末デバイスは、関連するRSの測定に基づいて、UL送信のための送信に使用されるプリコーダを決定することができる。UL送信のための送信に使用されるプリコーダを決定すると、端末デバイスは、SRS送信に対して構成されたSRSリソースセットを介して、プリコーディングされたSRSをネットワークデバイスに送信する。SRSは、アップリンクチャネル推定の結果に基づいてUL送信(例えば、PUSCH送信)のためにリソース割り当てを実行し且つ送信パラメータを設定するように、ネットワークデバイスによって受信され使用されてアップリンクチャネル推定を実行することができる。例えば、ネットワークデバイスは、PUSCH送信に使用されるSRSリソースセットから少なくとも1つのSRSリソースを決定する。その少なくとも1つのSRSリソースを端末デバイスに示すことによって、ULデータは、示された少なくとも1つのSRSリソースに基づいて端末デバイスからネットワークデバイスに送信される。
【0030】
NRにおいて、ネットワークデバイス(例えば、gNB)は、複数のTRP/パネルを備えてもよい。すなわち、ULデータは、単に1つのTRP/パネル、又は複数のTRP/パネルを介して、端末デバイスからネットワークデバイスに送信されることができる。
【0031】
図1A図1Cは、マルチTRP/パネル UL送信のための異なるシナリオを示す。図1A図1Cに示す例では、ネットワークデバイス(例えば、gNB)は、端末デバイス120にサービスを提供するための第1のTRP/パネル110-1及び第2のTRP/パネル110-2(TRP/パネル110と総称されるか、個別にTRP/パネル110と呼ばれる)を備えてもよい。例えば、図1Aに示すシナリオでは、端末デバイス120は、第1のTRP/パネル110-1及び第2のTRP/パネル110-2の両方を介してネットワークデバイスにULデータを送信するように構成されてもよい。図1Bに示すシナリオでは、端末デバイス120は、第1のTRP/パネル110-1を介してのみネットワークデバイスにULデータを送信するように構成されてもよい。図1Cに示すシナリオでは、端末デバイス120は、第2のTRP/パネル110-2を介してのみネットワークデバイスにULデータを送信するように構成されてもよい。
【0032】
図1A図1Cに示す例では、TRP110の各々は、端末デバイス230と通信するための1つ又は複数のビームを提供してもよい。しかしながら、現在の3GPP仕様では、UL送信のためのビームは、上位層(レイヤ)シグナリングを介してのみ設定されることができる。すなわち、図1A図1Cに示す上記3つのシナリオ間の動的切替えはサポートされない。
【0033】
上記問題及び1つ又は複数の他の潜在的な問題を解決するために、本開示の実施形態は、UL送信のためのソリューションを提供する。このソリューションにより、UL送信では、異なるTRP(又は異なるビーム)間の動的切替えはサポートされない。例えば、図1A図1Cに示す上記3つのシナリオ間の動的切替えをサポートすることができる。
【0034】
本開示の原理及び実施について、図2図8を参照して以下に詳細に説明する。
【0035】
図2は、本開示の実施形態が実施され得る例示的な通信ネットワーク200を示す。図2に示すように、ネットワーク200は、2つのTRP/パネル220-1、220-2(TRP220と総称されるか、個別にTRP220と呼ばれる)に接続されるネットワークデバイス210を含む。ネットワーク200は、ネットワークデバイス210の配下の端末デバイス230も含む。図2に示すネットワークデバイス、端末デバイス、及びTRPの数は、いかなる制限を示唆することなく、例示の目的のみであることを理解されたい。ネットワーク200は、本開示の実施形態を実施することに適する任意の適切な数のデバイスを含んでもよい。
【0036】
本明細書で使用されるとき、「端末デバイス」という用語は、無線又は有線の通信機能を有する任意のデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザ機器(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、モバイル電話、セルラー電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラなどの画像キャプチャデバイス、ゲームデバイス、音楽ストレージ及び再生機器、又は無線や有線インターネットアクセス及びブラウジングなどを可能にするインターネット機器が挙げられるが、それらに限定されない。説明の目的のために、以下では、端末デバイス230の例としてUEを参照していくつかの実施形態を説明する。
【0037】
本明細書で使用されるとき、「ネットワークデバイス」又は「基地局」(BS)という用語は、端末デバイスが通信できるセルやカバレッジを提供し、又はホストできるデバイスを指す。ネットワークデバイスの例として、ノードB(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、リモート無線ユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、及びフェムトノードやピコノードなどの低電力ノードなどが挙げられるが、それらに限定されない。
【0038】
本明細書で使用されるとき、「TRP」という用語は、特定の地理的位置にあるネットワークデバイスに利用可能なアンテナアレイ(1つ又は複数のアンテナエレメントを有する)を指す。例えば、ネットワークデバイスは、より良いカバレッジを達成するために、異なる地理的位置にある複数のTRPと結合されてもよい。TRPはパネルであり、かつパネルは(1つ又は複数のアンテナエレメントを有する)アンテナアレイを指すこともできることを理解されたい。本開示のいくつかの実施形態は、例えば複数のTRPを参照して記載されているが、これらの実施形態は、例示の目的で記載されるにすぎず、本開示の範囲に関するいかなる限定を示唆するものではなく、当業者が本開示を理解及び実施することを寄与するものであると理解されたい。本明細書で説明される本開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実施されることができる。
【0039】
図2に示すように、ネットワークデバイス210は、TRP220-1、220-2を介して端末デバイス230と通信することができる。以下では、TRP220-1を第1のTRPと呼び、TRP220-2を第2のTRPと呼ぶこともある。各TRP220は、端末デバイス230と通信するための複数のビームを提供することができる。例えば、TRP220-1は、4つのビーム221-1、221-2、221-3、221-4(「ビーム221」と総称されるか、個別に「ビーム221」と呼ばれる)を含んでもよく、TRP220-2は、4つのビーム222-1、222-2、222-3、222-4(「ビーム222」と総称されるか、個別に「ビーム222」と呼ばれる)を含んでもよい。図2に示すビームの数は、いかなる限定を示唆することなく、例示の目的のみであることを理解されたい。TRP220は、本開示の実施形態を実施することに適する任意の適切な数のビームを提供することができる。
【0040】
ネットワーク200における通信は、任意の適切な規格に準拠してもよく、ここでの規格は、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTEエボリューション、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多重アクセス(WCDMA(登録商標):Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元アクセス(CDMA:Code Division Multiple Access)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communication)などを含むが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来に開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。通信プロトコルの例には、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。例えば、ネットワークデバイス200におけるネットワークデバイス210と端末デバイス230との間の通信は、すべてTRP220の少なくとも1つを介して行われることができる。
【0041】
通常のデータ通信に加えて、ネットワークデバイス210は、ダウンリンクでRSを端末デバイス230に送信することができる。同様に、端末デバイス230は、アップリンクでRSをネットワークデバイス210に送信することができる。一般的に言えば、RSは、ネットワークデバイス210及び端末デバイス230の両方に共有される信号シーケンス(「RSシーケンス」とも称する)である。例えば、ネットワークデバイス210があるルールに基づいてRSシーケンスを生成して送信し、端末デバイス230が同じルールに基づいてRSシーケンスを推定する。RSの例には、ダウンリンク又はアップリンクの復調参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)、CSI-RS、SRS、位相追跡参照信号(PTRS:Phase Tracking Reference Signal)、追跡参照信号(TRS:Tracking Reference Signal)、微小時間及び周波数追跡参照信号(fine time-frequency TRS)、追跡用CSI-RS、同期信号(SS:Synchronization Signal)/物理放送チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)ブロック、SSブロック(SSB)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
例えば、SRSは、ネットワークデバイス210によって使用されてアップリンクチャネル推定を実行することによって、アップリンクチャネル推定の結果に基づいて、端末デバイス230からのUL送信(PUSCH送信)のためにリソース割り当てを実行し且つ送信パラメータを設定することができる。また、SRSは、時間領域での挙動(動作(behavior))によって、周期的SRS(P-SRS(periodic SRS))、非周期的SRS(AP-SRS(aperiodic SRS))、半永続的SRS(SP-SRS(semi-persistent SRS))などの種類に分けられることもできる。本明細書で使用されるとき、「P-SRS」は、時間領域で周期的に送信されるSRSを指す。「SP-SRS」は、SP-SRSの送信が信号によって活性化され、かつ別の信号によって非活性化され得ること以外、P-SRSと類似している。「AP-SRS」は、送信がトリガーシグナリングを介してネットワークデバイスによってトリガーされ得るSRSを指す。
【0043】
NRにおいて、UL送信について、コードブックベースの送信と非コードブックベースの送信という2つの送信スキームがサポートされることができる。端末デバイス230は、上位層パラメータを用いて、2つのスキームのいずれかで構成されることができる。コードブックベースの送信の場合、端末デバイス230は、UL送信のためのプレコーディング情報を、ネットワークデバイス210から受信したDCIに基づいて決定することができる。例えば、DCIにおけるいくつかのフィールドは、PUSCH送信に使用されるプリコーディング情報を端末デバイス230に示す。さらに、DCIにおけるいくつかのフィールド(例えば、SRSリソースインジケータ(SRI))は、PUSCH送信に使用される1つ又は複数のSRSリソースを端末デバイス230に示すことができる。非コードブックベースのUL送信の場合、端末デバイス230は、UL送信に使用されるプリコーダを決定するために、SRSに関連するいくつかの参照信号を測定する。如何なる限定を示唆することなく説明の目的のために、以下の説明では、非コードブックベースのUL送信を参照していくつかの実施形態を説明する。
【0044】
非コードブックベースのUL送信について、端末デバイス230は、SRS送信に先立ってSRS構成で構成されてもよい。SRS構成は、SRS送信のための1つ又は複数のSRSリソースを含む少なくとも1つのSRSリソースセットを示してもよい。例えば、各SRSリソースに対して1つのSRSポートのみが構成される。端末デバイス230は、プリコーディングされたSRSの送信に使用されるプリコーダを決定するために、SRSに関連付けられたRSを測定することができる。SRSに関連付けられたRSは、CSI-RS、別のSRS、又は同期信号ブロック(SSB)/物理的ブロードキャストチャネル(PBCH)であってもよい。限定を示唆することなく説明の目的のために、以下の説明では、いくつかの実施形態が、SRSに関連付けられたCSI-RSを参照して説明される。
【0045】
UL送信に使用されるプリコーダを決定すると、端末デバイス230は、SRS送信に対して構成されたSRSリソースセットを介して、プリコーディングされたSRSをネットワークデバイス210に送信することができる。SRSは、アップリンクチャネル推定の結果に基づいてUL送信(例えば、PUSCH送信)のためにリソース割り当てを実行し且つ送信パラメータを設定するように、ネットワークデバイスによって受信され使用されてアップリンクチャネル推定を実行する。例えば、ネットワークデバイス210は、PUSCH送信に使用されるSRSリソースセットから少なくとも1つのSRSリソースを決定する。その少なくとも1つのSRSリソースが端末デバイス230に示されることによって、ULデータは、その少なくとも1つのSRSリソースに基づいて端末デバイス230からネットワークデバイス210に送信される。
【0046】
図3は、本開示のいくつかの実施形態にかかるマルチTRP UL送信のためのプロセス300を示す。説明の目的のために、図2を参照してプロセス300を説明する。プロセス300は、図2に示すネットワークデバイス210、TRP220、及び端末デバイス230に関わる。プロセス300は、図示されない追加の動作を含んでもよく、及び/又は図示されているいくつかの動作を省略してもよいことを理解されたい。本開示の範囲は、この点について限定されない。
【0047】
いくつかの実施形態では、図3に示すように、ネットワークデバイス210は、SRS送信のための少なくとも1つのSRSリソースセットを端末デバイス230に設定する(310)。少なくとも1つのSRSリソースセットは、SRS送信のための1つ又は複数のSRSリソースを含んでもよい。いくつかの実施形態では、例えば、1つのSRSリソースセットのみが非コードブックベースのUL送信に構成されてもよい。非コードブックベースのUL送信に対して構成されたSRSリソースセットに含まれるSRSリソースの最大数は、Kである。例えば、Kは、{4、6、8}のうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、SRSリソースセットは、「第1のCSI-RSリソース」及び「第2のCSI-RSリソース」と呼ばれる2つのCSI-RSリソースに関連付けられてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、例えば、2つのSRSリソースセットは、非コードブックベースのUL送信について構成されることができる。非コードブックベースのUL送信について構成された2つのSRSリソースセットのそれぞれに含まれるSRSリソースの最大数は、Kである。例えば、Kは、{4、6、8}のうちの1つであってもよい。いくつかの実施形態では、2つのSRSリソースセット(「第1のSRSリソースセット」及び「第2のSRSリソースセット」とも呼ばれる)は、「第1のCSI-RSリソース」及び「第2のCSI-RSリソース」と呼ばれる2つのCSI-RSリソースにそれぞれ関連付けられてもよい。例えば、第1のSRSリソースセットは第1のCSI-RSリソースに関連付けられ、第2のSRSリソースセットは第2のCSI-RSリソースに関連付けられてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、疑似コロケーション(QCL:Quasi-Co-Location)タイプは、上位層シグナリングを介して、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、及び/又はSRSに関連付けられたRSに対して構成されてもよい。例えば、QCLタイプは、QCL-TypeA(ドップラーシフト、ドップラー拡散、平均遅延、平均拡散)、QCL-TypeB(ドップラーシフト、ドップラー拡散)、QCL-TypeC(ドップラーシフト、平均遅延)、QCL-TypeD(空間受信パラメータ)のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、端末デバイス230からネットワークデバイス210に送信されるSRSがAP-SRSである場合、ネットワークデバイス210は、構成された少なくとも1つのSRSリソースセット上のSRS送信をトリガーするDCIを送信する(320)。SRS送信のためのトリガーを含むDCIは、ネットワークデバイス210からTRP220の1つ(例えば、TRP220-1)を介して端末デバイス230に送信される。そして、ネットワークデバイス210は、DCIと同じスロットで第1及び第2のCSI-RSを送信する(330)。いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス210は、第1のTRP220-1を介して第1のCSI-RSリソース上の第1のCSI-RSを、第2のTRP220-2を介して第2のCSI-RSリソース上の第2のCSI-RSを、それぞれ端末デバイス230に送信してもよい。いくつかの実施形態では、第1のCSI-RSリソースのためのQCLタイプと第2のCSI-RSリソースのためのQCLタイプは異なってもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2のCSI-RSは、同じスロットで送信されてもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、第1及び第2のCSI-RSは、それぞれ2つの連続したスロットで送信されてもよいし、Tスロットを超えない間隔を持つ2つのスロットで送信されてもよい。
【0051】
ネットワークデバイス210から第1及び第2のCSI-RSを受信したことに応答して、端末デバイス230は、第1及び第2のCSI-RSの測定に基づいて、SRS送信に使用されるプリコーダの情報(プリコーディング情報ともいう)を決定する(340)。例えば、端末デバイス230は、第1のCSI-RSの測定に基づいて、UL送信のための第1のプリコーディング情報(例えば、UL送信は第1のTRP220-1を介して行われること)を決定し、第2のCSI-RSの測定に基づいて、UL送信のための第2のプリコーディング情報(例えば、UL送信は第2のTRP220-2を介して行われること)を決定してもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、例えば、1つのSRSリソースセットのみが非コードブックベースのUL送信に対して構成されてもよい。1つのSRSリソースセットは、第1のSRSリソースサブセットと第2のSRSリソースサブセットに分割されてもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、上述したように、第1のSRSリソースセット及び第2のSRSリソースセットである2つのSRSリソースセットは、非コードブックベースのUL送信に対して構成されてもよい。説明の目的のみで、以下の説明では、第1のSRSリソースサブセット又は第1のSRSリソースセットは、「第1のSRSリソースグループ」と呼ばれてもよく、第2のSRSリソースサブセット又は第2のSRSリソースセットは、「第2のSRSリソースグループ」と呼ばれてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス210から第1及び第2のCSI-RSを受信したことに応答して、端末デバイス230は、関連する第1のCSI-RSリソースに基づいて、第1のSRSリソースグループ(例えば、M個のSRSリソースを含む)に基づいて、SRS送信のための第1のプリコーダを計算してもよい。同様に、端末デバイス230は、関連する第2のCSI-RSリソースに基づいて、第2のSRSリソースグループ(例えば、N個のSRSリソースを含む)に基づいて、SRS送信のための第2のプリコーダを計算してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、端末デバイス230は、さらに、PUSCH送信のための第1のTRP220-1及び第2のTRP220-2から少なくとも1つのTRPを決定する(340)。例えば、端末デバイス230は、第1及び第2のSRSリソースグループの少なくとも1つに基づいて、PUSCHを送信するように示されてもよい。構成された少なくとも1つのSRSリソースセットは合計でK個のSRSリソースを含み得ると仮定する。例えば、Kは整数であり、1≦K≦4である。別の例として、Kは整数であり、Kは{1、2、3、4、5、6、7、8}のいずれかであってもよい。端末デバイス230は、第1のCSI-RSリソースに基づいてM個のSRSリソースのためのプリコーダを決定し、第2のCSI-RSリソースに基づいてN個のSRSリソースのための別のプリコーダを決定してもよく、ここで、M+N=Kである。端末デバイス230は、例えば、第1及び第2のCSI-RSの測定に基づいて、M及びNの値をそれぞれ決定してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、M=0又はN=0の場合、第1及び第2のSRSリソースグループのうちの1つのみがUL送信のために示されてもよい。すなわち、TRP220のうちの1つのみがUL送信のために端末デバイス230によって選択されてもよい。いくつかの実施形態では、M=0の場合、第2のSRSリソースグループのみがUL送信のためにネットワークデバイス210によって示されてもよい。いくつかの実施形態では、N=0の場合、第1のSRSリソースグループのみがUL送信のためにネットワークデバイス210によって示されてもよい。いくつかの実施形態では、M≠0且つN≠0の場合、第1及び第2のSRSリソースグループの両方がUL送信のために選択されてもよい。すなわち、M=0の場合、第2のTRP220-2のみがUL送信のために選択されてもよく、一方、N=0の場合、第1のTRP220-1のみがUL送信のために選択されてもよい。M≠0且つN≠0の場合、第1のTRP220-1と第2のTRP220-2の両方がUL送信のために選択されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、UL送信のための少なくとも1つのTRPを決定したことに応答して、端末デバイス230は、少なくとも1つのTRPについて決定されたプリコーディング情報(第3のプリコーディング情報とも呼ばれる)に基づいて、少なくとも1つのTRPを介して少なくとも1つのプリコーディングされたSRSをネットワークデバイス210に送信する(350)。例えば、UL送信のための第1及び第2のSRSリソースグループの少なくとも1つを決定したことに応答して、端末デバイス230は、第1のCSI-RSリソース及び第2のCSI-RSリソースの少なくとも1つに基づいて決定された第3のプリコーディング情報に基づいて、少なくとも1つのSRSリソースをネットワークデバイス210に送信してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、例えば、N=0である。すなわち、第1のSRSリソースグループのみがUL送信のために選択される。例えば、第1のTRP220-1のみがUL送信のために選択される。この場合、端末デバイス230は、第1のCSI-RSリソースに基づき決定された第1のプリコーディング情報に基づいて、構成された少なくとも1つのSRSリソースセットで(例えば、第1のTRP220-1を介して)ネットワークデバイス210にSRSを送信してもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、例えば、M=0である。すなわち、第2のSRSリソースグループのみがUL送信のために選択される。例えば、第2のTRP220-2のみがUL送信のために選択される。この場合、端末デバイス230は、第2のCSI-RSリソースに基づいて決定された第2のプリコーディング情報に基づいて、構成された少なくとも1つのSRSリソースセットで(例えば、第2のTRP220-2を介して)ネットワークデバイス210にSRSを送信してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、例えば、M≠0且つN≠0である。すなわち、第1及び第2のSRSリソースグループの両方がUL送信のために選択される。例えば、第1のTRP220-1及び第2のTRP220-2は、UL送信のために選択される。この場合、端末デバイス230は、第1のCSI-RSリソースから算出された第1のプリコーディング情報に基づいて、第1のSRSリソースグループ(第1のSRSリソースともいう)から選択された1つ又は複数のSRSリソース、及び/又は第2のCSI-RSリソースから算出された第2のプリコーディング情報に基づいて、第2のSRSリソースグループ(第2のSRSリソースともいう)から選択された1つ又は複数のSRSリソースを送信してもよい。いくつかの実施形態では、第1のSRSリソース及び第2のSRSリソースは、同じスロット/シンボルで送信されてもよい。代替的に、第1のSRSリソース及び第2のSRSリソースは、隣接する2つのスロット/シンボル間の間隔がTスロット/シンボルを超えないPスロット/シンボルで送信されてもよい。例えば、これは、マルチTRP UL送信が端末デバイスによってサポートされる場合に適用可能である。いくつかの実施形態では、第1のSRSリソース及び第2のSRSリソースは、異なるスロット/シンボルで送信されてもよいし、隣接する2つのスロット/シンボル間の間隔がTスロット/シンボルに等しく、又はTスロット/シンボルを超えるPスロット/シンボルで送信されてもよい。例えば、端末デバイス230がマルチTRP UL送信をサポートしていない場合にも適用可能である。例えば、マルチTRP UL送信が端末デバイス230に対して有効である場合、端末デバイス230は、第1のプリコーディング情報に基づいて、第1のTRP220-1を介してネットワークデバイス210に第1のSRSを送信し、第2のプリコーディング情報に基づいて、第2のTRP220-2を介してネットワークデバイス210に第2のSRSを送信してもよい。別の例として、マルチTRP UL送信が端末デバイス230に対して有効でない場合、端末デバイス230は、第1のプリコーディング情報に基づいて、第1のTRP220-1を介してネットワークデバイス210に第1のSRSを送信し、又は第2のプリコーディング情報に基づいて、第2のTRP220-2を介してネットワークデバイス210に第2のSRSを送信してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、SRS送信では、異なるTRP又は異なるCSI-RSリソースに対して、異なるSRSリソース、異なるSRS構成が使用されてもよい。例えば、第1のSRS構成は、第1のSRS送信のために決定されてもよく、ここで、第1のSRS送信は、第1のCSI-RSリソースから算出されたプリコーディング情報に基づいて実行されてもよい。例えば、第1のSRS送信は、第1のTRP220-1を介して実行されてもよい。別の例として、第2のSRS構成は、第2のSRS送信のために決定されてもよく、ここで、第2のSRS送信は、第2のCSI-RSリソースから算出されたプリコーディング情報に基づいて実行されてもよい。例えば、第2のSRS送信は、第2のTRP220-2を介して実行されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1のSRS構成及び第2のSRS構成は、互いに異なってもよい。例えば、第1のSRS構成及び第2のSRS構成は、異なるSRS時間及び/又は周波数リソース、異なるSRSシーケンス、異なるコームオフセット値(comb offset values)、及び/又はSRSシーケンス生成のための異なるサイクルシフト値(cycle shift values)に関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、第1のSRSリソースグループのみがUL送信のために選択される場合、第1のSRS構成をSRS送信に使用することができる。代替的に、いくつかの実施形態では、第2のSRSリソースグループのみがUL送信のために選択される場合、第2のSRS構成をSRS送信に使用することができる。代替的に、いくつかの実施形態では、第1及び第2のSRSリソースグループの両方がUL送信のために選択される場合、端末デバイス230は、第1のSRS構成に基づいて第1のSRSを送信し、第2のSRS構成に基づいて第2のSRSを送信してもよい。このようにして、ネットワークデバイス210は、受信したSRSに基づいて、選択されたSRSリソースのグループを識別することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1のTRP220-1のみがUL送信のために選択される場合、第1のSRS構成は、第1のTRP220-1を介したSRS送信に使用されることができる。代替的に、いくつかの実施形態では、第2のTRP220-2のみがUL送信のために選択される場合、第2のSRS構成は、第2のTRP220-2を介したSRS送信に使用されることができる。代替的に、いくつかの実施形態では、第1のTRP220-1及び第2のTRP220-2の両方がUL送信のために選択され、端末デバイス230ではマルチTRPアップリンク送信が可能である場合、端末デバイス230は、第1のSRS構成に基づいて第1のTRP220-1を介して第1のSRSを送信し、第2のSRS構成に基づいて第2のTRP220-2を介して第2のSRSを送信してもよい。このようにして、ネットワークデバイス210は、受信したSRSに基づいて選択されたTRPを識別することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのSRSはネットワークデバイス210によって受信されたことに応答して、ネットワークデバイス210は、受信した少なくとも1つのSRSに基づいてアップリンクチャネル推定を実行し、アップリンクチャネル推定の結果に基づいて、PUSCH送信に使用される少なくとも1つのSRSリソースセットから少なくとも1つのSRSリソースを決定する(360)。ネットワークデバイス210は、その少なくとも1つのSRSリソースを端末デバイス230に示す(370)。例えば、ネットワークデバイス210は、端末デバイス230にDCI(「アップリンクグラント」とも呼ばれる)を送信し、DCIは、決定された少なくとも1つのSRSリソースを示すためのSRSリソースインジケータ(SRI)を含んでもよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、第1のSRSリソースグループのみがUL送信のために選択される場合、ネットワークデバイス210は、第1のSRSリソースグループ内の少なくとも1つのSRSリソースを示すSRIを含むDCIを端末デバイス230に送信してもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、第2のSRSリソースグループのみがUL送信のために選択される場合、ネットワークデバイス210は、第2のSRSリソースグループ内の少なくとも1つのSRSリソースを示すSRIを含むDCIを端末デバイス230に送信してもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、第1及び第2のSRSリソースグループの両方がUL送信のために選択される場合、ネットワークデバイス210は、第1のSRSリソースセット/サブセット内のX個のSRSリソース及び/又は第2のSRSリソースセット/サブセット内のY個のSRSリソースを示すSRIを含むDCIを端末デバイス230に送信してもよく、ここで、X及びYはそれぞれ非負の整数であり、且つX+Y≠0。
【0065】
いくつかの実施形態では、第1のTRP220-1のみがUL送信のために選択され、SRSが第1のTRP220-1を介してのみネットワークデバイス210に送信される場合、ネットワークデバイス210は、第1のTRP220-1を介してSRIを含むDCIを端末デバイスに送信してもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、第2のTRP220-2のみがUL送信のために選択され、SRSが第2のTRP220-2を介してのみネットワークデバイス210に送信される場合、ネットワークデバイス210は、第2のTRP220-2を介してSRIを含むDCIを送信してもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、第1のTRP220-1及び第2のTRP220-2の両方がUL送信のために選択され、SRSが第1のTRP220-1及び第2のTRP220-2の両方を介してネットワークデバイス210に送信される場合、ネットワークデバイス210は、第1のTRP220-1又は第2のTRP220-2を介してSRIを含むDCIを送信してもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス210は、複数のSRSリソースに含まれるSRSリソースの数、複数のSRSリソースにおけるSRSリソースグループの数、少なくとも1つのTRPに含まれるTRPの数、及び端末デバイスに対してマルチTRPアップリンク送信が有効であるかどうかのうちの少なくとも1つに基づいて、SRIに使用されるビット数を決定してもよい。そして、ネットワークデバイス210は、アップリンクグラントにおいて、決定されたビット数でSRIを送信してもよい。
【0067】
例えば、少なくとも1つのSRSリソースセットが2つのSRSリソース(例えば、SRSリソース0及びSRSリソース1として表される)を含み、PUSCH送信でサポートされる最大層数が2であると仮定する。いくつかの実施形態では、SRIの可能な値は、以下の表1に示されてもよい。
【表1】
【0068】
いくつかの実施形態では、M=0又はN=0の場合、表1に示す可能な値のすべて(すなわち、0、1、2及び3)が、端末デバイス230に適用可能である。いくつかの実施形態では、M≠0及びN≠0であり、かつマルチTRP UL送信が端末デバイス230に対して有効である場合、値「2」が端末デバイス230に適用可能である。その他、M≠0及びN≠0であり、かつマルチTRP UL送信が端末デバイス230に対して有効でない場合、値「2」は、端末デバイス230に適用できない可能性がある。
【0069】
いくつかの実施形態では、1つのSRSリソースグループのみ、又は1つのTRPのみがUL送信のために選択される場合、ネットワークデバイス210は、以下の数式(1)のようにSRIのビット数を決定してもよい。
【数1】
ここで、Lmaxは、PUSCH送信でサポートされる最大レイヤ数を表し、NSRSは、少なくとも1つのSRSリソースセット内のSRSリソースの数を表す。代替的に、2つのTRPがUL送信のために選択され、かつ端末デバイス230が同時にマルチTRP送信をサポートする場合、ネットワークデバイス210も、上述の数式(1)に従ってSRSのビット数を決定してもよい。
【0070】
しかしながら、2つのSRSリソースグループ又は2つのTRPがUL送信のために選択され、かつ端末デバイス230が同時にマルチTRP送信をサポートしない場合、SRIフィールドからいくつかの可能な値を除外することができる。例えば、少なくとも1つのSRSリソースセットが2つのSRSリソース(例えば、SRSリソース0及びSRSリソース1)を含み、SRIの可能な値が上記表1のように示されると仮定する。いくつかの実施形態では、2つのTRPがUL送信のために選択され、かつ端末デバイス230が同時にマルチTRP送信をサポートしない場合、PUSCH送信では1つの送信層のみがサポートされてもよい。この場合、上記表1に示す値「2」及び「3」は、SRIフィールドから除外される。このようにすれば、SRIフィールドは1ビットだけで十分である。
【0071】
いくつかの実施形態では、例えば、1つ又は2つのSRSリソースグループが、SRS送信のために端末デバイス230に構成されてもよく、1つ又は2つのSRSリソースグループが、第1及び第2のCSI-RSリソースに関連付けられてもよい。第1のCSI-RSリソースは、第1のCSI-RSの送信のために(例えば、第1のTRP220-1を介して)構成されてもよく、第2のCSI-RSリソースは、第2のCSI-RSの送信のために(例えば、第2のTRP220-2を介して)構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2のCSI-RSリソースに関連付けられた1つのSRSリソースセットのみがSRS送信のために端末デバイス230に構成される場合、SRSリソースセットに含まれる(N1+N2)個のSRSリソースが存在し得る。例えば、SRSリソースセットにおけるN1個のSRSリソースは、第1のSRS送信に対して構成されてもよく、ここで、第1のSRS送信は、第1のCSI-RSリソースから算出されたプリコーディング情報に基づいて実行されてもよい。例えば、第1のSRS送信は、第1のTRP220-1を介して行われてもよい。さらに、SRSリソースセットにおけるN2のSRSリソースは、第2のSRS送信に対して構成されてもよく、ここで、第2のSRS送信は、第2のCSI-RSリソースから算出されたプリコーディング情報に基づいて実行されてもよい。例えば、第2のSRS送信は、第2のTRP220-2を介して実行されてもよい。いくつかの実施形態では、SRS送信のために2つのSRSリソースグループ(例えば、第1及び第2のSRSリソースグループ)が端末デバイス230に構成される場合、2つのSRSリソースグループのうちの一方は、第1のSRS送信のためのN1個のSRSリソースを含んでもよく、ここで、第1のSRS送信は、第1のCSI-RSリソースから算出されたプリコーディング情報に基づいて実行されてもよい。例えば、第1のSRS送信は、第1のTRP220-1を介して行われてもよい。また、2つのSRSリソースグループのうちの他方は、第2のSRS送信のためのN2個のSRSリソースを含んでもよく、ここで、第2のSRS送信は、第2のCSI-RSリソースから算出されたプリコーディング情報に基づいて実行されてもよい。例えば、第2のSRS送信は、第2のTRP220-2を介して実行されてもよい。いくつかの実施形態では、この場合、SRIフィールドのビット数は、以下の数式(2)のように決定することができる。
【数2】
ここで、Lは、PUSCH送信でサポートされる最大層数を表す。例えば、SRIフィールドの可能な値は、0、1、2...及びN1+N2-1を含んでもよい。例えば、仮にN1=4、N2=4とすると、SRIフィールドの可能な値は、以下の表2のように示される。
【表2】
【0072】
図3に戻り、少なくとも1つのSRSリソースセットからの少なくとも1つのSRSリソースがUL送信に使用されるという指示を受信したことに応答して、端末デバイス230は、第3のプリコーディング情報に基づいて、少なくとも1つのSRSリソースを介して(例えば、少なくとも1つのTRPを介して)ネットワークデバイスにデータを送信する(380)。
【0073】
いくつかの実施形態では、第1のSRSリソースグループのみ、又は第1のTRP220-1のみがUL送信のために選択される場合(例えば、SRSは、第1のTRP220-1を介してのみネットワークデバイス210に送信される)、端末デバイス230は、SRIによって示される第1のSRSリソースグループからの少なくとも1つのSRSリソースを介して(例えば、第1のTRP220-1を介して)ULデータを送信してもよい。図4Aは、そのような実施形態の例を示す。図4Aに示す例では、第1のTRP220-1のみがUL送信のために選択され、SRSが第1のTRP220-1を介してのみネットワークデバイス210に送信されたと仮定する。端末デバイス230が受信したSRIは、第1のSRSリソース410と第2のSRSリソース420がUL送信に使用されることを示す。この場合、図4Aに示すように、端末デバイス230が2つの送信層をサポートする場合、端末デバイス230は、SRSリソース410及び420を介してULデータを第1のTRP220-1に送信してもよい。
【0074】
代替的に、いくつかの実施形態では、第2のSRSリソースグループのみ、又は第2のTRP220-2のみがUL送信のために選択される場合(例えば、SRSは、第2のTRP220-2を介してのみネットワークデバイス210に送信される)、端末デバイス230は、SRIによって示される第2のSRSリソースグループからの少なくとも1つのSRSリソースを介して(例えば、第2のTRP220-2を介して)ULデータを送信してもよい。図4Bは、そのような実施形態の例を示す。図4Bに示す例では、第2のTRP220-2のみがUL送信のために選択され、SRSが第2のTRP220-2を介してのみネットワークデバイス210に送信されたと仮定する。端末デバイス230が受信したSRIは、第1のSRSリソース430と第2のSRSリソース440がUL送信に使用されることを示す。この場合、図4Bに示すように、端末デバイス230が2つの送信層をサポートする場合、端末デバイス230は、SRSリソース430及び440を介してULデータを第2のTRP220-2に送信してもよい。
【0075】
代替的に、いくつかの実施形態では、第1及び第2のSRSリソースグループの両方、又は第1及び第2のTRP220-1、220-2の両方がUL送信のために選択される場合(例えば、SRIは、第1のTRP220-1を介したUL送信のための第1のSRSリソースと、第2のTRP220-2を介したUL送信のための第2のSRSリソースとを示す)、端末デバイス230は、SRIによって示される第1及び第2のSRSリソースグループのうちの少なくとも1つのグループからの少なくとも1つのSRSリソースを介して(例えば、第1のTRP及び/又は第2のTRP220-2を介して)ULデータを送信してもよい。例えば、SRIは、第1のSRSリソースグループにおけるX個のSRSリソース及び/又は第2のSRSリソースグループにおけるY個のSRSリソースを端末デバイス230に示す。ここで、X及びYはそれぞれ非負の整数であり、X+Y≠0である。いくつかの実施形態では、マルチTRP送信が端末デバイス230に対して有効であることに応答して、端末デバイス230は、第1のプリコーディング情報に基づいて、少なくともデータの第1部分を第1のTRP220-1を介してネットワークデバイス210に送信し、第2のプリコーディング情報に基づいて、少なくともデータの第2部分を第2のTRP220-2を介してネットワークデバイス210に送信してもよい。図4Cは、そのような実施形態の一例を示す。図4Cに示す例では、第1及び第2のTRP220-1、220-2の両方がUL送信のために選択され、端末デバイス230がマルチTRP送信を同時にサポートすると仮定する。端末デバイス230が受信したSRIは、第1のSRSリソース450が第1のTRP220-1を介してUL送信に使用され、第2のSRSリソース460が第2のTRP220-2を介してUL送信に使用されることを示す。この場合、図4Bに示すように、端末デバイス230は、SRSリソース450を介して第1のTRP220-1にULデータを送信し、SRSリソース460を介して第2のTRP220-2にULデータを送信してもよい。
【0076】
上述したように、いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス210から関連するCSI-RS(例えば、第1のCSI-RS及び/又は第2のCSI-RS)を受信したことに応答して、端末デバイス230は、関連するCSI-RSの測定に基づいて、SRS送信のための各プリコーダを決定してもよい。例えば、端末デバイス230は、関連するCSI-RSの測定に基づいて、ランク(送信レイヤの数を示す)を決定してもよい。しかし、決定されたランクは、CSI-RSに対応するSRSリソースセットに含まれるSRSリソースの数よりも少ない。関連するCSI-RSの測定に基づいて決定されたランクがPであり、SRSリソースセットに含まれるSRSリソースの数がNであると仮定する。例えば、P≦Nである。いくつかの実施形態では、端末デバイス230は、最大P個のSRSリソース上で、UL送信のためのプリコーダのみを決定してもよい。この場合、UL送信のためのP個以上のSRSリソースを示すSRIは、端末デバイス230によって期待されない可能性がある。すなわち、UL送信のためのP個以上のSRSリソースを示すSRIが端末デバイス230に送信された場合、端末デバイス230は、そのSRIに基づいてULデータを送信しなくてもよい。
【0077】
現在の3GPP仕様では、2つのPUSCH電力制御(例えば、閉ループ電力制御)調整状態をサポートすることができる。異なるPUSCH電力制御調整状態は、異なる電力制御パラメータセットを示してもよい。例えば、SRS送信及びPUSCH送信は、上位層(レイヤ)シグナリング(例えば、RRCシグナリング)を介して、同じ電力制御調整状態、例えば2つのPUSCH電力制御調整状態のいずれかに関連付けられるように構成されてもよい。代替的に、SRS送信は、上位層(レイヤ)シグナリング(例えば、RRCシグナリング)を介して、例えば、2つのPUSCH電力制御調整状態と異なる、PUSCH送信とは別の電力制御調整状態に関連付けられるように構成されてもよい。しかし、マルチTRP送信のシナリオでは、異なるTRPに対するSRS送信の電力制御調整状態が異なる場合がある。この場合、RRCシグナリングを介して電力制御調整状態を構成することは、異なるTRP(又は異なるビーム)間のUL送信のための動的切替えに適しない可能性がある。
【0078】
本開示の実施形態は、上記問題及び1つ又は複数の他の潜在的な問題を解決するために、SRS送信のための電力制御のソリューションを提供する。いくつかの実施形態では、非コードブックベースのUL送信について、2つのPUSCH電力制御調整状態のうちの1つと同じであるSRSリソースの電力制御調整状態が、SRIフィールドによって暗黙的に示され得る(暗示されることができる)。
【0079】
いくつかの実施形態では、2つのPUSCH閉ループ電力制御状態A及びBをサポートすることができると仮定する。2つのSRSリソースグループのそれぞれは、2つの閉ループ電力制御状態A及びBのうちの1つに関連付けられるように構成されてもよい。例えば、第1のSRSリソースグループは閉ループ電力状態Aに関連付けられるように構成され、第2のSRSリソースグループは閉ループ電力状態Bに関連付けられるように構成されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のSRSリソースグループからの少なくとも1つのSRSリソースがUL送信に使用されることを示すSRIをネットワークデバイス210から受信したことに応答して、端末デバイス230は、少なくとも1つのSRSリソースに対して閉ループ電力制御状態を暗黙的に(暗示的に)決定することができる。例えば、SRIは、第1のSRSリソースグループにおけるX個のSRSリソース及び/又は第2のSRSリソースグループにおけるY個のSRSリソースを端末デバイス230に示してもよく、ここで、X及びYはそれぞれ非負の整数であり、X+Y≠0である。例えば、示されたSRSリソースが全て第1のSRSリソースグループからのものである場合には、閉ループ電力制御状態AがSRS送信に使用されると決定することができる。また、示されたSRSリソースが全て第2のSRSリソースグループからのものである場合には、閉ループ電力制御状態BがSRS送信に使用されると決定することができる。SRIがX+Y個のSRSリソースを端末デバイス230に示し、ここで、X個のSRSリソースが第1のSRSリソースグループからのものであり、かつY個のSRSリソースが第2のSRSリソースグループからのものである場合、X個のSRSリソースに基づいて、閉ループ電力制御状態AがSRS送信に使用されると決定され、Y個のSRSリソースに基づいて、閉ループ電力制御状態BがSRS送信に使用されると決定されることができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、2つのPUSCH閉ループ電力制御状態A及びBをサポートすることができると仮定する。2つのSRSリソースグループのそれぞれは、2つの閉ループ電力制御状態A及びBのうちの1つに関連付けられるように構成されてもよい。例えば、第1のSRSリソースグループは、閉ループ電力制御状態Aに関連付けられるように構成され、第2のSRSリソースグループは、閉ループ電力制御状態Bに関連付けられるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、端末デバイス230が、第1のSRS送信について関連する第1のCSI-RSリソースに基づいて第1のプリコーダを計算する場合、閉ループ電力制御状態Aが第1のSRS送信に使用されると決定されることができる。いくつかの実施形態では、端末デバイス230が、第2のSRS送信について関連する第2のCSI-RSリソースに基づいて第2のプリコーダを計算する場合、閉ループ電力制御状態Bが第2のSRS送信に使用されると決定されることができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、第1及び/又は第2のSRSリソースグループからの少なくとも1つのSRSリソースがUL送信に使用されることを示すSRIをネットワークデバイス210から受信したことに応答して、端末デバイス230は、少なくとも1つのSRSリソースに対して閉ループ電力制御状態を暗黙的に(暗示的に)決定することができる。例えば、SRIは、第1のSRSリソースグループにおけるX個のSRSリソース及び/又は第2のSRSリソースグループにおけるY個のSRSリソースを端末デバイス230に示してもよく、ここで、X及びYはそれぞれ非負の整数であり、X+Y≠0である。例えば、示されたSRSリソースが全て第1のSRSリソースグループからのものである場合には、閉ループ電力制御状態AがSRS送信に使用されると決定されることができる。また、示されたSRSリソースが全て第2のSRSリソースグループからのものである場合には、閉ループ電力制御状態BがSRS送信に使用されると決定されることができる。SRIがX+Y個のSRSリソースを端末デバイス230に示し、ここで、X個のSRSリソースが第1のSRSリソースグループからのものであり、かつY個のSRSリソースが第2のSRSリソースグループからのものである場合、X個のSRSリソースに基づいて、閉ループ電力制御状態AがSRS送信に使用されると決定され、Y個のSRSリソースに基づいて、閉ループ電力制御状態BがSRS送信に使用されると決定されることができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、2つのPUSCH閉ループ電力制御状態A及びBをサポートすることができると仮定する。少なくとも1つのSRSリソースセット内の各SRSリソースは、2つの閉ループ電力制御状態A及びBのうちの1つに関連付けられるように構成されることができる。すなわち、所定のSRSリソースに対する電力制御調整状態が、A又はBであると予め設定されることができる。さらに、SRSリソースセット内では、いくつかのSRSリソースは閉ループ電力制御状態Aに関連付けられ、他のSRSリソースは閉ループ電力制御状態Bに関連付けられることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのSRSリソースセットからのSRSリソースがUL送信に使用されることを示すSRIをネットワークデバイス210から受信したことに応答して、端末デバイス230は、SRSリソースに対して閉ループ電力制御状態を暗黙的に(暗示的に)決定することができる。
【0084】
端末デバイス230は、ネットワークデバイス210との間で信号(例えば、SRS又は任意の他の信号)を送受信するための複数のアンテナを備えてもよい。複数のアンテナが端末デバイス230によってサポートされることによって、SRSアンテナの切替えがサポートされ得る。SRSアンテナの切替えは、一般的に、開ループ又は閉ループのいずれであり得るPUSCHのためのアップリンク送信ダイバーシティと、チャネル可逆性に基づく時分割複信(TDD:time division duplex)又は周波数分割複信(FDD:frequency division duplex)ダウンリンクMIMOビームフォーミングという2つの異なる目的を提供する。しかしながら、現在の3GPP仕様では、SRSアンテナの切替えは、ダウンリンクマルチTRP送信をサポートすることができない。
【0085】
いくつかの実施形態では、DL送信のために1つのTRPのみが選択される場合、ダウンリンクプリコーダは、現在の3GPP仕様に従って決定されることができる。代替的に、いくつかの実施形態では、2つのTRPがDL送信のために選択されてもよい。図5は、そのような実施形態の例を示す。図5に示すように、TPR510-1及び510-2は、端末デバイス520にDLデータを送信するように、ネットワークデバイス(図5に示されず)によって選択されてもよい。端末デバイス520は、4つの受信アンテナポート521、522、523、524を提供してもよい。いくつかの実施形態では、TRP510-1について、ダウンリンクプリコーダは、アンテナポート521、522を介して送信される信号に基づいて決定され、アンテナポート523、524を介して送信される信号は、干渉とみなされる。TRP510-2について、ダウンリンクプリコーダは、アンテナポート523、524を介して送信される信号に基づいて決定され、アンテナポート521、522を介して送信される信号は、干渉とみなされる。
【0086】
図6は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法600のフローチャートを示す。方法600は、図2に示す端末デバイス230において実施され得る。方法600は、図示されない追加のブロックを含み、及び/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲は、この点について限定されないと理解される。説明の目的のために、方法600は、図2を参照して端末デバイス230の観点から説明される。
【0087】
ブロック610において、ネットワークデバイスによって少なくとも1つのSRSリソースセットが設定され、その少なくとも1つのSRSリソースセットが第1及び第2のCSI-RSリソースに関連付けられたことに応答して、端末デバイス230は、第1のCSI-RSリソースで第1のTRPを介して送信された第1のCSI-RSと、第2のCSI-RSリソースで第2のTRPを介して送信された第2のCSI-RSをネットワークデバイスから受信する。
【0088】
ブロック620において、端末デバイス230は、受信した第1のCSI-RS及び第2のCSI-RSに基づいて、第1のTRPを介してアップリンク送信のための第1のプリコーディング情報を、第2のTRPを介してアップリンク送信のための第2のプリコーディング情報を、それぞれ決定する。
【0089】
ブロック630において、端末デバイス230は、第1及び第2のTRPから、アップリンク送信のための少なくとも1つのTRPを決定し、その少なくとも1つのTRPは、第1及び第2のプリコーディング情報から選択された第3のプリコーディング情報に関連付けられる。
【0090】
ブロック640において、端末デバイス230は、第3のプリコーディング情報に基づいて、少なくとも1つのTRPを介して少なくとも1つのSRSをネットワークデバイスに送信する。
【0091】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのSRSリソースセットは、複数のSRSリソースを含み、少なくとも1つのTRPは、第1のTRPである。端末デバイス230は、第1のプリコーディング情報に基づいて、複数のSRSリソースで第1のTRPを介して少なくとも1つのSRSをネットワークデバイスに送信することによって、少なくとも1つのSRSを送信してもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのSRSリソースセットは、複数のSRSリソースを含み、少なくとも1つのTRPは、第1のTRP及び第2のTRPを含む。端末デバイス230は、第1のTRPを介したSRS送信に使用される複数のSRSリソースのうちの第1の部分と、第2のTRPを介したSRS送信に使用される複数のSRSリソースのうちの第2の部分とを決定し、そして、端末デバイスに対してマルチTRPアップリンク送信が有効であることに応答して、第1のプリコーディング情報に基づいて、複数のSRSリソースのうちの第1の部分で第1のTRPを介してネットワークデバイスに第1のSRSを送信し、第2のプリコーディング情報に基づいて、複数のSRSリソースのうちの第2の部分で第2のTRPを介してネットワークデバイスに第2のSRSを送信することによって、少なくとも1つのSRSを送信してもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、端末デバイス230は、第1のSRSを送信するための第1のSRS構成を決定し、かつ第1のSRS構成に基づいて第1のSRSを送信することによって、第1のSRSを送信してもよい。端末デバイス230は、第2のSRSを送信するための第2のSRS構成を決定し、かつ第2のSRS構成に基づいて第2のSRSを送信することによって、第2のSRSを送信してもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1のSRS構成は、第2のSRS構成とは異なる。
【0095】
いくつかの実施形態では、第1のSRS構成及び第2のSRS構成は、異なるSRSリソース、異なるSRSシーケンス、及びSRSシーケンス生成のための異なるサイクルシフト値のうちの少なくとも1つに関連付けられる。
【0096】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのSRSリソースセットは、複数のSRSリソースを含む。方法600は、複数のSRSリソースからの少なくとも1つのSRSリソースがアップリンク送信に使用されるという指示を受信したことに応答して、第3のプリコーディング情報に基づいて、少なくとも1つのSRSリソースで、少なくとも1つのTRPを介してデータをネットワークデバイスに送信することを、さらに含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのTRPは第1のTRPである。端末デバイス230は、第1のプリコーディング情報に基づいて、少なくとも1つのSRSリソースで第1のTRPを介してデータをネットワークデバイスに送信することによって、データを送信してもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのTRPは、第1のTRP及び第2のTRPを含み、少なくとも1つのSRSリソースは、第1のTRPを介したアップリンク送信のための第1のSRSリソースと、第2のTRPを介したアップリンク送信のための第2のSRSリソースとを含む。端末デバイス230は、端末デバイスに対してマルチTRPアップリンク送信が有効であることに応答して、第1のプリコーディング情報に基づいて、第1のSRSリソースで第1のTRPを介してネットワークデバイスに少なくともデータの第1部分を送信し、第2のプリコーディング情報に基づいて、第2のSRSリソースで第2のTRPを介してネットワークデバイスに少なくともデータの第2部分を送信することによって、少なくとも1つのSRSを送信してもよい。
【0099】
図7は、本開示のいくつかの実施形態にかかる例示的な方法700のフローチャートを示す。方法700は、図2に示すネットワークデバイス210において実施され得る。方法700は、図示されない追加のブロックを含み、及び/又は図示されているいくつかのブロックを省略してもよく、本開示の範囲は、この点について限定されないと理解される。説明の目的のために、方法700は、図2を参照してネットワークデバイス210の観点から説明される。
【0100】
ブロック710において、第1及び第2のCSI-RSリソースに関連付けられた少なくとも1つのSRSリソースセットが端末デバイスに設定されたことに応答して、ネットワークデバイス210は、第1のCSI-RSリソースで第1のTRPを介して第1のCSI-RSを、第2のCSI-RSリソースで第2のTRPを介して第2のCSI-RSを、それぞれ端末デバイスに送信する。
【0101】
ブロック720において、ネットワークデバイス210は、少なくとも1つのTRPを介して端末デバイスから少なくとも1つのSRSを受信し、その少なくとも1つのTRPは、端末デバイスによって第1のTRP及び第2のTRPから選択される。
【0102】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのSRSリソースセットは複数のSRSリソースを含み、少なくとも1つのTRPは第1のTRPである。ネットワークデバイス210は、複数のSRSリソースで第1のTRPを介して送信された少なくとも1つのSRSを端末デバイスから受信することによって、少なくとも1つのSRSを受信してもよい。
【0103】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのSRSリソースセットは、複数のSRSリソースを含み、少なくとも1つのTRPは、第1のTRP及び第2のTRPを含む。ネットワークデバイス110は、端末デバイスに対してマルチTRPアップリンク送信が有効であることに応答して、複数のSRSリソースのうちの第1の部分で第1のTRPを介して送信された第1のSRSを端末デバイスから受信し、かつ、複数のSRSリソースのうちの第2の部分で第2のTRPを介して送信された第2のSRSを端末デバイスから受信することによって、少なくとも1つのSRSを受信してもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス210は、第1のSRS構成に基づいて送信された第1のSRSを端末デバイスから受信することによって、第1のSRSを受信してもよい。ネットワークデバイス210は、第2のSRS構成に基づいて送信された第2のSRSを端末デバイスから受信することによって、第2のSRSを受信してもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、第1のSRS構成は、第2のSRS構成とは異なる。
【0106】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のSRS構成は、異なるSRSリソース、異なるSRSシーケンス、及びSRSシーケンス生成のための異なるサイクルシフト値のうちの少なくとも1つに関連付けられている。
【0107】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのSRSリソースセットは、複数のSRSリソースを含む。方法700は、複数のSRSリソースから、アップリンク送信に使用される少なくとも1つのSRSリソースを決定することと、少なくとも1つのSRSリソースを端末デバイスに示すことと、少なくとも1つのSRSリソースで少なくとも1つのTRPを介して送信されたデータを端末デバイスから受信することを、さらに含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、ネットワークデバイス210は、複数のSRSリソースに含まれるSRSリソースの数、少なくとも1つのTRPに含まれるTRPの数、及び端末デバイスに対してマルチTRPアップリンク送信が有効であるかどうかのうちの少なくとも1つに基づいて、少なくとも1つのSRSリソースを示すためのビット数を決定し、かつ、決定されたビット数で、少なくとも1つのSRSリソースを端末デバイスに示すことによって、少なくとも1つのSRSリソースを示してもよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのTRPは第1のTRPである。ネットワークデバイス210は、少なくとも1つのSRSリソースで第1のTRPを介して送信されたデータを端末デバイスから受信することによって、データを受信してもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのTRPは、第1のTRP及び第2のTRPを含み、少なくとも1つのSRSリソースは、第1のTRPを介したアップリンク送信のための第1のSRSリソースと、第2のTRPを介したアップリンク送信のための第2のSRSリソースとを含む。ネットワークデバイス210は、端末デバイスに対してマルチTRPアップリンク送信が有効であることに応答して、第1のSRSリソースで第1のTRPを介して送信された少なくともデータの第1部分を端末デバイスから受信し、第2のSRSリソースで第2のTRPを介して送信された少なくともデータの第2部分を端末デバイスから受信することによって、データを受信してもよい。
【0111】
図8は、本開示の実施形態の実施に適するデバイス800の簡略的なブロック図である。デバイス800は、図2に示すネットワークデバイス210又は端末デバイス230のさらなる例示的な実施と見なされることができる。そのため、デバイス800は、ネットワークデバイス210或いは端末デバイス230で実施され、又はネットワークデバイス210或いは端末デバイス230の少なくとも一部として実施されることができる。
【0112】
図示のように、デバイス800は、プロセッサ810と、プロセッサ810に接続されているメモリ820と、プロセッサ810に接続されている適切な送信機(TX)及び受信機(RX)840と、TX/RX840に接続されている通信インターフェースとを備える。メモリ820は、プログラム830の少なくとも一部を格納する。TX/RX840は、双方向通信するためのものである。TX/RX840は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には、本願で言及されるアクセスノードは、いくつかを有してもよい。通信インターフェースは、eNB間の双方向通信用のX2インターフェース、Mobility Management Entity(MME)/Serving Gateway(S-GW)とeNBとの間の通信用のS1インターフェース、eNBとリレーノード(RN:Relay Node)との間の通信用のUnインターフェース、又はeNBと端末デバイスとの間の通信用のUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表してもよい。
【0113】
プログラム830は、関連するプロセッサ810によって実行されると、本明細書で図2乃至図7を参照して説明したように、デバイス800が本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと想定される。本開示の実施形態は、デバイス800のプロセッサ810によって実行可能なコンピュータソフトウェアにより、又はハードウェアにより、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより実装されてもよい。プロセッサ810は、本開示の様々な実施形態を実施するように構成されてもよい。さらに、プロセッサ810とメモリ820の組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実施するのに適した処理手段850を形成してもよい。
【0114】
メモリ820は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、半導体系のメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光メモリデバイス及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実施されてもよい。デバイス800には1つのメモリ820のみが示されているが、物理的に別個であるいくつかのメモリモジュールがあってもよい。プロセッサ810は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ又は複数を含んでもよい。デバイス800は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0115】
一般的に、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、ロジック、又はそれらの任意の組み合わせで実施されてもよい。一部の態様はハードウェアで実施され、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピューティングデバイスによって実行されるファームウェア又はソフトウェアで実施されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、又は他の何らかの画像表現を使用して例示及び説明されているが、本明細書で説明されるこれらのブロック、装置、システム、技術又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又はロジック、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティングデバイス、又はそれらの組み合わせに実施されてもよいと理解される。
【0116】
本開示は、さらに、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に有形に格納された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、図6及び図7を参照して上記で説明したプロセス又は方法を実行するために、プログラムモジュールに含まれるものなどの、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスで実行される、コンピュータ実行可能な命令を含む。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で必要に応じてプログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割してもよい。プログラムモジュールのためのマシン実行可能な命令は、ローカルデバイスで実行されてもよいし、分散型デバイスで実行されてもよい。分散型デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートのストレージメディアの両方に配置されてもよい。
【0117】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又はその他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されることによって、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定される機能/動作が実現される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行されたり、その一部がマシン上で実行されたり、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されたり、一部がマシン上で実行され、かつ一部がリモートマシン上で実行されたり、又は完全にリモートマシン又はサーバー上で実行されたりすることができる。
【0118】
前記プログラムコードは、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらと関連して使用するためのプログラムを含むか、又は格納する任意の有形媒体であり得るマシン読み取り可能な媒体上で具現化されてもよい。マシン読み取り可能な媒体は、マシン読み取り可能な信号媒体又はマシン読み取り可能な記憶媒体であってもよい。マシン読み取り可能な媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、又はデバイス、あるいは前述の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。マシン読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例には、1つ又は複数のワイヤによる電気的な接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、又は前述の任意の適切な組み合わせが挙げられる。
【0119】
さらに、操作は特定の順序で図面に描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような操作が図示の特定の順序又は連続順序で実行されること、又はすべての描かれた操作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。同様に、上記説明にはいくつかの特定の実装の詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲の制限としてではなく、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈で記載されている特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて実施されることもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施形態で別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで実施されてもよい。
【0120】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の用語で説明したが、添付の請求の範囲で限定される本開示は、必ずしも上記の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記の特定の特徴及び動作は、請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8