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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】動的経路計画装置及び動的経路計画方法
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/10 20060101AFI20240110BHJP
   B60W 30/08 20120101ALI20240110BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20240110BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B60W30/10
B60W30/08
B60W60/00
G08G1/16 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023037271
(22)【出願日】2023-03-10
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】吉野 恭司
【審査官】津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-52874(JP,A)
【文献】特開2022-38620(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113581201(CN,A)
【文献】特開2018-192954(JP,A)
【文献】特開2010-100123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00
B60W 60/00
G08G 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行する位置及び車両が走行するための規範経路を取得する取得部と、
前記車両の位置に基づいて、前記車両が所定の予測時間が経過するまでに到達可能なエリアを特定し、特定した当該エリア内において、前記車両の位置から目的地までの距離に基づく目的地ポテンシャル、及び、前記車両の位置と前記規範経路の車線中心との距離に基づく車線ポテンシャルの分布をそれぞれ特定する第1特定部と、
現在から予測時間が経過するまで車両が等加速度及び等ヨーレートで移動する場合に、指示加速度及び指示ヨーレートとして指定可能な複数の組み合わせのうち、前記予測時間が経過するまでの前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャルを含むコスト関数の値が相対的に低い前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを特定する第2特定部と、
前記第2特定部が特定した前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを出力する出力部と、
を備える自動運転のための動的経路計画装置。
【請求項2】
前記第1特定部は、前記規範経路の接線方向に垂直な方向において前記車線ポテンシャルの分布を作成する範囲に含まれるいずれかの作成位置と前記規範経路の車線中心との前記距離を特定し、特定した前記距離の2乗の指数関数値に所定の係数を乗じることにより、当該作成位置に対応する前記車線ポテンシャルを特定する、
請求項1に記載の動的経路計画装置。
【請求項3】
前記第1特定部は、前記取得部が取得した前記規範経路上において所定距離ごとに複数の規範位置を特定し、
前記第1特定部は、前記複数の規範位置のうち、前記目的地ポテンシャルの分布を作成する範囲を格子状に分割した複数の領域のそれぞれに対して、当該領域から最も近い前記規範位置まで取得した前記車両の位置から前記規範経路に沿って到達するまでの道のりの累積距離を特定し、特定した当該累積距離に基づいて、当該領域に対応する前記目的地ポテンシャルを特定する、
請求項1又は2に記載の動的経路計画装置。
【請求項4】
前記第2特定部は、前記指示加速度の下限値と前記指示加速度の上限値との間の数値範囲を第1所定数だけ分割した複数の前記指示加速度と、前記指示ヨーレートの下限値と前記指示ヨーレートの上限値との間の数値範囲を第2所定数だけ分割した複数の前記指示ヨーレートとの前記複数の組み合わせのうち、前記コスト関数の値が相対的に低い前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを特定する、
請求項1又は2に記載の動的経路計画装置。
【請求項5】
前記第1特定部は、前記車両が所定の予測時間が経過するまでに到達可能な前記エリア内において、障害物の位置に基づく障害物ポテンシャル、前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャルの分布をそれぞれ特定し、
前記第2特定部は、現在から前記予測時間が経過するまで前記車両が等加速度及び等ヨーレートで移動する場合に、前記指示加速度及び前記指示ヨーレートとして指定可能な前記複数の組み合わせのうち、前記予測時間が経過するまでの前記障害物ポテンシャル、前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャルを含む前記コスト関数の値が相対的に低い前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを特定する、
請求項1に記載の動的経路計画装置。
【請求項6】
前記第1特定部は、前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャル、前記障害物ポテンシャルの分布を作成する範囲をそれぞれ格子状に分割した複数の領域のそれぞれに対応する前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャル及び前記障害物ポテンシャルを特定する、
請求項5に記載の動的経路計画装置。
【請求項7】
前記第1特定部は、レナードジョーンズポテンシャルを表す式を利用して、前記障害物ポテンシャルを特定する、
請求項5又は6に記載の動的経路計画装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する、
車両が走行する位置及び車両が走行するための規範経路を取得するステップと、
前記車両の位置に基づいて、前記車両が所定の予測時間が経過するまでに到達可能なエリアを特定し、特定した当該エリア内において、前記車両の位置から目的地までの距離に基づく目的地ポテンシャル、及び、前記車両の位置と前記規範経路の車線中心との距離に基づく車線ポテンシャルの分布をそれぞれ特定するステップと、
現在から予測時間が経過するまで車両が等加速度及び等ヨーレートで移動する場合に、指示加速度及び指示ヨーレートとして指定可能な複数の組み合わせのうち、前記予測時間が経過するまでの前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャルを含むコスト関数の値が相対的に低い前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを特定するステップと、
特定した前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを出力するステップと、
を備える自動運転のための動的経路計画方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の自動運転のための動的経路計画装置及び動的経路計画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポテンシャル法に基づいて、自車両が走行すべき走行軌跡を設定することが提案されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載された発明では、自車両の走行が推奨されない位置のポテンシャルを比較的大きくし、自車両の走行が推奨される位置のポテンシャルは比較的小さくする。特許文献1には、ある区間の開始位置から終了位置までを結ぶ軌跡上の各位置のポテンシャルの合計が比較的小さくなるように、走行軌跡を設定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-192954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明の基本走行ポテンシャルが車線中心との車幅方向の距離により算出されており、カーブなどの曲線路でポテンシャルを適切に算出できず、また障害物ポテンシャルが障害物位置座標によって定義されていることで、自車や障害物が移動している場合に安定的にポテンシャル場を形成することができないという問題があった。
【0005】
本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、車両の高精度で安定した自律走行を可能にする動的経路計画装置及び動的経路計画方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の動的経路計画装置は、車両が走行する位置及び車両が走行するための規範経路を取得する取得部と、前記車両の位置に基づいて、前記車両が所定の予測時間が経過するまでに到達可能なエリアを特定し、特定した当該エリア内において、前記車両の位置から目的地までの距離に基づく目的地ポテンシャル、及び、前記車両の位置と前記規範経路の車線中心との距離に基づく車線ポテンシャルの分布をそれぞれ特定する第1特定部と、現在から予測時間が経過するまで車両が等加速度及び等ヨーレートで移動する場合に、指示加速度及び指示ヨーレートとして指定可能な複数の組み合わせのうち、前記予測時間が経過するまでの前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャルを含むコスト関数の値が相対的に低い前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを特定する第2特定部と、前記第2特定部が特定した前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを出力する出力部と、を備える。
【0007】
前記第1特定部は、前記規範経路の接線方向に垂直な方向において前記車線ポテンシャルの分布を作成する範囲に含まれるいずれかの作成位置と前記規範経路の車線中心との前記距離を特定し、特定した前記距離の2乗の指数関数値に所定の係数を乗じることにより、当該作成位置に対応する前記車線ポテンシャルを特定してもよい。
【0008】
前記第1特定部は、前記取得部が取得した前記規範経路上において所定距離ごとに複数の規範位置を特定し、前記第1特定部は、前記複数の規範位置のうち、前記目的地ポテンシャルの分布を作成する範囲を格子状に分割した複数の領域のそれぞれに対して、当該領域から最も近い前記規範位置まで取得した前記車両の位置から前記規範経路に沿って到達するまでの道のりの累積距離を特定し、特定した当該累積距離に基づいて、当該領域に対応する前記目的地ポテンシャルを特定してもよい。第1特定部は、車両座標系で見た位置に対してポテンシャル場を定義する従来手法と比べて、空間を格子状に分割した各格子に対してポテンシャル場を定義することで、より多くの情報を取り扱うことができる。これにより、第1特定部は、障害物ポテンシャルを算出するためにLiDARの点群を使い、車線ポテンシャルを算出するためにスプライン補間の点を使うことができ、実環境をより詳細にポテンシャル場に反映させることができる。
【0009】
前記第2特定部は、前記指示加速度の下限値と前記指示加速度の上限値との間の数値範囲を第1所定数だけ分割した複数の前記指示加速度と、前記指示ヨーレートの下限値と前記指示ヨーレートの上限値との間の数値範囲を第2所定数だけ分割した複数の前記指示ヨーレートとの前記複数の組み合わせのうち、前記コスト関数の値が相対的に低い前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを特定してもよい。
【0010】
前記第1特定部は、前記車両が所定の予測時間が経過するまでに到達可能な前記エリア内において、障害物の位置に基づく障害物ポテンシャル、前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャルの分布をそれぞれ特定し、前記第2特定部は、現在から前記予測時間が経過するまで前記車両が等加速度及び等ヨーレートで移動する場合に、前記指示加速度及び前記指示ヨーレートとして指定可能な前記複数の組み合わせのうち、前記予測時間が経過するまでの前記障害物ポテンシャル、前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャルを含む前記コスト関数の値が相対的に低い前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを特定してもよい。
【0011】
前記第1特定部は、前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャル、前記障害物ポテンシャルの分布を作成する範囲をそれぞれ格子状に分割した複数の領域のそれぞれに対応する前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャル及び前記障害物ポテンシャルを特定してもよい。前記第1特定部は、レナードジョーンズポテンシャルを表す式を利用して、前記障害物ポテンシャルを特定してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様の動的経路計画装置は、コンピュータが実行する、車両が走行する位置及び車両が走行するための規範経路を取得するステップと、前記車両の位置に基づいて、前記車両が所定の予測時間が経過するまでに到達可能なエリアを特定し、特定した当該エリア内において、前記車両の位置から目的地までの距離に基づく目的地ポテンシャル、及び、前記車両の位置と前記規範経路の車線中心との距離に基づく車線ポテンシャルの分布をそれぞれ特定するステップと、現在から予測時間が経過するまで車両が等加速度及び等ヨーレートで移動する場合に、指示加速度及び指示ヨーレートとして指定可能な複数の組み合わせのうち、前記予測時間が経過するまでの前記目的地ポテンシャル、前記車線ポテンシャルを含むコスト関数の値が相対的に低い前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを特定するステップと、特定した前記指示加速度及び前記指示ヨーレートの組み合わせを出力するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、車両を安定的に走行させることを可能にするという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態の車両の概要を示す。
図2】実施形態の車両の概要を示す。
図3】車両の要部の構成を示す。
図4】第1特定部による車線ポテンシャルの算出方法を説明するための図である。
図5】第1特定部による目的地ポテンシャルの算出方法を説明するための図である。
図6】障害物ポテンシャルと、障害物からの距離との関係を示す。
図7】動的経路計画装置による規範経路を車両が追従するための指示加速度及び指示ヨーレートの特定の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[車両の概要]
図1及び図2は、本実施形態の車両100の概要を示す。車両100は、規範経路生成装置1、動的経路計画装置2及び制御装置3を備える。
【0016】
規範経路生成装置1は、車両100が自律的に走行するための規範経路情報をリアルタイムで生成する。規範経路生成装置1は、例えば車両100に搭載されている。規範経路生成装置1は、車両100の外部のコンピュータであり、車両100に搭載された通信ユニットを介して動的経路計画装置2との間でデータを送受信されるように構成されていてもよい。規範経路情報は、規範経路上を走行する車両100が第1所定距離ごとに到達する複数の規範位置を示す情報を含む。規範経路生成装置1は、生成した規範経路情報を動的経路計画装置2へ出力する。
【0017】
動的経路計画装置2は、規範経路生成装置1が生成した規範経路情報を取得する。動的経路計画装置2は、走行中の車両100の走行位置と、車両100が走行する走行速度とを制御装置3から取得する
【0018】
動的経路計画装置2は、取得した車両100の位置に基づいて、車両100が所定の予測時間が経過するまでに到達可能なエリアを特定する。動的経路計画装置2は、このエリア内に分布するポテンシャルを示すポテンシャル場を特定する。ポテンシャルは、例えば、目的地ポテンシャルと、車線ポテンシャルと、障害物ポテンシャルとを含む。目的地ポテンシャルは、車両100の位置から目的地までの距離に基づくものである。車線ポテンシャルは、車両100の位置と規範経路の車線中心との距離に基づくものである。障害物ポテンシャルは、障害物の位置に基づくものである。
【0019】
動的経路計画装置2は、特定したポテンシャル場に基づいて、規範経路生成装置1が生成した規範経路に自律的に追従するための指示加速度及び指示ヨーレートを特定する。図2は、規範経路生成装置1が生成した規範経路に追従するための指示加速度及び指示ヨーレートを特定する方法の例を示す。図2中のLは、規範経路生成装置1が生成した規範経路を示す。図2中のvは、車両100の走行速度を示す。図2の例では、動的経路計画装置2は、指示加速度A1、指示加速度A2及び指示加速度A3を指定可能である。動的経路計画装置2は、指示ヨーレートw1、指示ヨーレートw2、指示ヨーレートw3及び指示ヨーレートw4を指定可能である。
【0020】
動的経路計画装置2は、現在から予測時間が経過するまで車両100が等加速度及び等ヨーレートで移動すると仮定して、指定可能な複数の指示加速度A1~A3と、指定可能な複数の指示ヨーレートw1~w4とのそれぞれの組み合わせが示す経路を特定する。例えば、図2中のA3(w1)は、指示加速度A3及び指示ヨーレートw1を動的経路計画装置2が指定した場合に車両100が自律的に走行する経路を示す。同様に、図2中のA1(w3)は、指示加速度A1及び指示ヨーレートw3を動的経路計画装置2が指定した場合に車両100が走行する経路を示す。
【0021】
動的経路計画装置2は、上述したポテンシャル場を用いて、特定した経路が通過するポテンシャルの総和が相対的に低くなる経路を特定する。動的経路計画装置2は、この経路に対応する指示加速度及び指示ヨーレートの組み合わせを特定する。動的経路計画装置2は、特定した指示加速度及び指示ヨーレートの組み合わせを制御装置3へ出力する。
【0022】
図1の制御装置3は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)である。制御装置3は、車両100の走行を制御する。制御装置3は、動的経路計画装置2が出力した指示加速度及び指示ヨーレートに基づいて、車両100が走行する走行速度及び車両100の操舵角を変化させて車両100を自律的に走行させる。制御装置3は、走行中の車両100の走行位置と、車両100が走行する走行速度とを動的経路計画装置2へ入力する。
【0023】
動的経路計画装置2は、目的地ポテンシャル、車線ポテンシャル、障害物ポテンシャルを含むポテンシャルの総和が相対的に低くなる指示加速度及び指示ヨーレートの組み合わせを特定する。このとき、動的経路計画装置2は、特定した経路が複数の格子を通過する場合は、経路が通過した複数の格子のポテンシャルの総和の統計量が相対的に低くなる経路を特定する。このようにして、動的経路計画装置2は、車両100が目的地まで安定して到達させることができる。
【0024】
[車両100の要部の構成]
図3は、車両100の要部の構成を示す。車両100は、動的経路計画装置2及び記憶部4を備える。動的経路計画装置2は、取得部201、第1特定部202、第2特定部203及び出力部204を備える。動的経路計画装置2は、例えばCPU(Central Processing Unit)を有しており、記憶部4に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部201、第1特定部202、第2特定部203及び出力部204として機能する。
【0025】
記憶部4は、例えば、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等により構成される。記憶部4は、動的経路計画装置2を機能させるための各種プログラムや各種データを記憶する。
【0026】
取得部201は、規範経路生成装置1、制御装置3又は外部装置(不図示)から各種の情報を取得する。取得部201は、規範経路生成装置1が生成した規範経路情報を取得する。取得部201は、車両100が走行する走行位置を制御装置3から取得する。取得部201は、車両100が走行する走行速度を制御装置3から取得する。
【0027】
取得部201は、障害物の位置を外部装置から取得する。外部装置は、例えばLiDAR(Light Detecting And Ranging)などの外界センサである。外部装置は、レーダ又はToF(Time of Flight)カメラであってもよい。取得部201は、車両100の走行位置から所定距離以内に存在する障害物の位置情報を外部装置から取得する。取得部201は、規範経路を走行する目標車速を外部装置から取得する。目標車速は、例えば、道路の法定最高速度である。取得部201は、取得した規範経路を示す情報と、障害物情報とを第1特定部202及び第2特定部203へそれぞれ出力する。
【0028】
第1特定部202は、取得部201が取得した車両100の走行位置に基づいて、車両100が所定の予測時間が経過するまでに到達可能なエリアを特定する。予測時間は、例えば、規範経路生成装置1が生成する規範経路の長さに応じて定められる。第1特定部202は、特定したエリア内において、車両100の走行位置から目的地までの距離に基づく目的地ポテンシャル、及び、車両100の位置と規範経路の車線中心との距離に基づく車線ポテンシャルの分布をそれぞれ特定する。第1特定部202は、特定したエリア内において、障害物の位置に基づく障害物ポテンシャルの分布を特定する。例えば、第1特定部202は、目的地ポテンシャル、車線ポテンシャル、障害物ポテンシャルの分布を作成する範囲をそれぞれ格子状に分割する。第1特定部202は、分割した複数の領域のそれぞれに対応する目的地ポテンシャル、車線ポテンシャル及び障害物ポテンシャルを特定する。
【0029】
第1特定部202は、取得部201が取得した規範経路上において第2所定距離(所定距離に相当)ごとに複数の規範位置を特定する。例えば、第1特定部202は、目的地ポテンシャル、車線ポテンシャル及び障害物ポテンシャル(以下、目的地ポテンシャル等)の分布を特定する前に、取得部201が取得した規範経路情報上において第1所定距離ごとに設けられた複数の規範位置に基づいて、スプライン補間により、新たな規範位置を第2所定距離ごとに特定してもよい。第2所定距離は、第1所定距離より小さな値である。
【0030】
[車線ポテンシャルの分布の特定]
第1特定部202による車線ポテンシャルの特定方法について説明する。図4は、第1特定部202による車線ポテンシャルの算出方法を説明するための図である。図4中の点列(r[k]、r[k])、(r[k+1]、r[k+1])、(r[k+2]、r[k+2])は、スプライン補間により第1特定部202が特定した規範位置である。第1特定部202は、図4中の破線で示すように格子状に分割した複数の領域ごとに車線ポテンシャルを特定する。図4中の太線で車線ポテンシャルの分布を作成する作成位置を示す。この作成位置に対応するi番目の格子の中心の座標を(xi、yi)とする。
【0031】
第1特定部202は、規範経路の接線方向に垂直な方向において車線ポテンシャルの分布を作成する範囲に含まれるいずれかの作成位置(図4中の太線で示す格子内の領域)と規範経路の車線中心との距離(図4中のdr)を特定する。図4中のdrは、規範位置(r[k]、r[k])と規範位置(r[k+1]、r[k+1])とを結ぶ直線から格子の中心(xi、yi)までの距離を示す。
【0032】
第1特定部202は、特定した距離の2乗の指数関数値に所定の係数を乗じることにより、この作成位置に対応する車線ポテンシャルを特定する。上述した格子の領域の車線ポテンシャルUlaneは、
式(1):Ulane(i)=-exp(-(dr)/2σlane
により表される。式(1)中、σlaneは、規範経路の接線方向に対して垂直な成分のポテンシャルの分散である。例えば、σlaneは、10より小さな値である。
【0033】
式(1)で示すように、車線ポテンシャルは、規範経路の接線方向と垂直な方向における車両100と車線中心との距離drにより算出される。この距離drにより車線ポテンシャルを算出することでカーブのポテンシャル値も直線路と同じように規範経路の接線方向と垂直な方向にポテンシャルが分布する。このため、第1特定部202は、車線ポテンシャルが車両100と車線中心との車幅方向の距離により算出される場合に比べて、規範経路が多数のカーブを含む場合に車線ポテンシャルを特定する精度を向上させることができる。したがって、第1特定部202は、規範経路が多数のカーブを含む場合に、車両100が規範経路を追従する精度を向上させることができる。
【0034】
[目的地ポテンシャルの算出]
第1特定部202は、複数の規範位置のうち、目的地ポテンシャルの分布を作成する範囲を格子状に分割した複数の領域のそれぞれに対して、いずれかの領域から最も近い規範位置を特定する。第1特定部202は、取得した車両100の位置から特定した規範位置まで規範経路に沿って到達するまでの道のりの累積距離を特定する。第1特定部202は、特定した累積距離に基づいて、この領域に対応する目的地ポテンシャルを特定する。以下、第1特定部202による目的地ポテンシャルの生成方法について説明する。
【0035】
図5は、第1特定部202による目的地ポテンシャルの算出方法を説明するための図である。第1特定部202は、図5中の破線で示すように、格子状に分割した複数の領域ごとに目的地ポテンシャルを特定する。
【0036】
例えば、第1特定部202は、図5中の太線内に示されたいずれかの領域の目的地ポテンシャルを算出する場合、特定した複数の規範位置((r[k]、r[k])、(r[k+1]、r[k+1])、(r[k+2]、r[k+2]))のうち、目的地ポテンシャルを算出する領域の格子の中心から最も近い規範位置を特定する。図5の例では、太線内の複数の格子のそれぞれの中心から最も近い規範位置は、いずれも(r[k]、r[k])である。これらの領域の目的地ポテンシャルUdstは、特定した規範位置(r[k]、r[k])により定まる。これらの領域の目的地ポテンシャルUdstは、
式(2):Udst(i)=-exp((r[k]-xdst/2σdst
により表される。
【0037】
式(2)中、r[k]は、車両100の走行位置から特定した規範位置(r[k]、r[k])まで規範経路に沿って移動する場合の道のり距離である。xdstは、ポテンシャル場の車両100の車軸方向の長さの上限値である。xdstは、例えば、数十メートルである。σdstは、ポテンシャルの分散である。σdstは、例えば、xdstより小さい値である。
【0038】
[k]=xdstのとき、目的地ポテンシャルは、最小値となる。式(2)で示すように、目的地ポテンシャルは、車両100が規範経路を走行する累積距離r[k]により算出される。この累積距離r[k]は、規範経路がカーブか直線路にかかわらず単調に増加する。このため、第1特定部202は、ポテンシャル場の車両100の車軸方向の長さの上限値と車両100の走行位置の車軸方向成分との差分により目的地ポテンシャルを算出する場合等に比べて、規範経路が多数のカーブを含む場合の目的地ポテンシャルの算出精度を向上させることができる。したがって、第1特定部202は、規範経路が多数のカーブを含む場合に車両100が規範経路を追従する精度を向上させることができる。
【0039】
[障害物ポテンシャルの特定]
第1特定部202は、車線ポテンシャル及び目的地ポテンシャルと同様に、格子状に分割した複数の領域ごとに障害物ポテンシャルを特定する。第1特定部202は、二つの原子間の相互作用ポテンシャルエネルギーを表すレナードジョーンズ(LJ)ポテンシャルを表す式を応用して、障害物ポテンシャルを特定する。第1特定部202は、取得部201が取得した障害物情報に含まれる障害物の位置と、この障害物に近付いてはいけない距離とに基づいて、障害物ポテンシャルを特定する。障害物ポテンシャルUobj(i)は、LJポテンシャルを表す式(3):
obj(i)=e((s/r)-(s/r)
により表される。式(3)中、sは、障害物との安全距離に関連するパラメータである。式(3)中、eは、ポテンシャル値の最小値に関連するパラメータである。eは、例えば、10より小さい正の値である。式(3)中、pは、qより大きな値である。式(3)中、rは、障害物からの距離である。
【0040】
図6は、障害物ポテンシャルUobjと、障害物からの距離rとの関係を示す。図6の縦軸は、障害物ポテンシャルUobjを示す。図6の横軸は、障害物ポテンシャルを作成する作成位置と障害物との距離rを示す。障害物ポテンシャルは、r=sの時にゼロになる。rがsより小さい場合には、正の値を示し、rが小さくなるほどに急激に増大する。障害物ポテンシャルは、rがsより大きい状態では、負の値を示し、ゼロに収束する。第1特定部202は、特定した車線ポテンシャル、目的地ポテンシャル及び障害物ポテンシャルを第2特定部203へ出力する。
【0041】
[指示加速度及び指示ヨーレートの特定]
第2特定部203は、現在から予測時間が経過するまで車両100が等加速度及び等ヨーレートで移動すると仮定した場合に、指示加速度及び指示ヨーレートとして指定可能な複数の組み合わせのうち、予測時間が経過するまでの目的地ポテンシャル、車線ポテンシャル及び障害物ポテンシャルを含むコスト関数の値が相対的に低い指示加速度及び指示ヨーレートの組み合わせを特定する。第2特定部203は、例えば、指示加速度の下限値と指示加速度の上限値との間の数値範囲を第1所定数だけ分割したそれぞれの値を指示加速度として指定可能である。
【0042】
第2特定部203は、DWA(Dynamic Window Approach)を応用して、与えられたマップ内で車両100が障害物を回避しながら走行するための指示加速度及び指示ヨーレートを特定する。第2特定部203は、図2で示したとおり、現在から予測時間が経過するまで車両100が等加速度及び等ヨーレートで移動すると仮定して、指定可能な複数の指示加速度A1~A3と、指定可能な複数の指示ヨーレートw1~w4とのそれぞれの組み合わせが示す経路をそれぞれ生成する。例えば、第2特定部203は、予測時間にわたって所定時間ごとに車両100の走行位置を算出することにより経路を生成する。
【0043】
第1所定数は、例えば、規範経路の追従に要求される精度に応じて定められる。一例としては、指示加速度の下限値が-2m/sであり、指示加速度の上限値が2m/sであり、且つ第1所定数が4である場合、指示加速度として、-2m/s~2m/sの数値範囲を4分割した-2m/s、-1m/s、0m/s、1m/s、2m/sがそれぞれ指示加速度として指定可能である。
【0044】
第2特定部203は、指示加速度の数値範囲を等分した値以外の値をそれぞれ指示加速度として指定可能としてもよい。例えば、第2特定部203は、比較的低い複数の指示加速度の間の差分が比較的高い複数の指示加速度の間の差分に比べて小さくなるように数値範囲を分割した値をそれぞれ指示加速度として指定してもよい。
【0045】
例えば、第2特定部203は、指示加速度の下限値が0m/sであり、指示加速度の上限値が3m/sである場合に、0m/s、0.5m/s、1m/s、2m/s、3m/sを指示加速度として指定してもよい。このようにして、第2特定部203は、比較的低い複数の指示加速度(0m/s、0.5m/s)の間の差分(0.5m/s)が比較的高い複数の指示加速度(2m/s、3m/s)の間の差分(1m/s)に比べて小さくなるようにしてもよい。
【0046】
指示加速度の上限値αmaxは、
式(4):αmax=(vmax-v)/H
により表される。式(4)中、vmaxは目標車速である。vは、車両100が走行する走行速度である。Hは、予測時間であり、例えば、数秒である。第1特定部202は、式(4)を基本として車両100の挙動によって、式(4)のvmax及びΔtを変化させた式により指示加速度の上限値αmax及び下限値αminを指定する。
【0047】
車両100が加速、減速又は速度を維持する場合、指示加速度の上限値αmaxは、
式(6):αmax=(vtarget-v)/C
により表される。vtargetは、
式(7):vtarget=vmax/(1+exp(-1×(D-5-Dstop-H×v)))
により表される。
【0048】
式(7)中、vmaxは、取得部201が取得した車両100の目標車速である。この目標車速は、一例としては道路の法定最高速度である。Dは、第2特定部203が生成した経路の長さである。Dは、所定の基準値と,車両100の走行位置から車両100が停止する予定の停止位置までの道のり距離とのいずれか短い方である。基準値は、例えば、数十メートルである。Dstopは、車両100の後輪軸中心から車両100の先端までの距離に所定のマージンを加えた値である。Dstopは、例えば、数メートルである。
【0049】
式(6)中、Cは、制限付きの停止距離である。Cは、制限付きの距離Dcappedを用いて算出される。Ctは、vをゼロでないとして
式(8):C=Dcapped/v
により表される。Dcappedは、
式(9):Dcapped=(H×v)×(1+1/(-C×(D-Dstop-1))
により表される。
【0050】
式(9)中、Cは調整可能なパラメータで、例えば車両100の走行速度vの2乗の逆数である。指示加速度の下限値αminは、例えば、車両100の仕様により発揮することが可能な最大減速度である。このようにして、第2特定部203は、車両100が停止した状態を維持する場合と、車両100が加速、減速又は速度を維持する場合とで指示加速度の上限値及び下限値を変更するので、車両100を加減速又は停止させる精度を向上させることができる。
【0051】
第2特定部203は、指示加速度と同様に、指示ヨーレートの下限値と、指示ヨーレートの上限値との間の数値範囲を第2所定数だけ分割したそれぞれの値を指示ヨーレートとして指定してもよい。指示ヨーレートの上限値又は下限値は、例えば、毎秒数十度である。指示ヨーレートの上限値又は下限値は、車両100の現在のヨーレートに基づいて定めてもよい。第2特定部203は、比較的低い複数の指示ヨーレートの間の差分が比較的高い複数の指示ヨーレートの間の差分に比べて小さくなるように数値範囲を分割した値をそれぞれ指示ヨーレートとして指定してもよい。
【0052】
[コスト関数による経路の特定]
第2特定部203は、特定した経路が通過するポテンシャルの総和をコスト関数として用いて、このポテンシャルの総和が相対的に低くなる経路を特定する。i番目の格子のポテンシャルの総和U(i)は、
式(10):U(i)=Udst(i)+Ulane(i)+Uobj(i)
により表される。第2特定部203は、特定した経路が複数の格子を通過する場合は、経路が通過した複数の格子のポテンシャルの総和が相対的に低くなる経路を特定する。第2特定部203は、特定した経路に対応する指示加速度及び指示ヨーレートを特定する。
【0053】
より詳しくは、第2特定部203は、記憶部4に記憶されている車両100のホイールベース、オーバーハング及び車幅に基づいて、車両100の前端の中央、右端、左端、車両100の後端の右端、及び、左端の位置座標を車両100の後輪軸中心位置から計算する。第2特定部203は、これらの6点のポテンシャルの統計量を、経路が通過するポテンシャルの総和の統計量を算出する際に用いる。
【0054】
第2特定部203は、車線ポテンシャルと、目的地ポテンシャルと、障害物ポテンシャルとの総和であるコスト関数を用いる例に限定されない。例えば、停止線や歩行者のいる横断歩道など停止すべき対象物を式(3)でポテンシャル場を定義し、式(10)で同様に各格子のポテンシャル値を算出し、特定した経路を通過するポテンシャルの総和をコスト関数としてもよい。従来手法と異なり、格子状のポテンシャル場を定義したことで、単純な経路追従や障害物回避のみならず、停止線での停止や信号機に対する挙動などの複雑な機能を、ポテンシャル値の定義を増やすことで容易に追加することができる。
【0055】
[動的経路計画装置2による指示加速度及び指示ヨーレートの特定の処理手順]
図7は、動的経路計画装置2による規範経路を車両100が追従するための指示加速度及び指示ヨーレートの特定の処理手順を示すフローチャートである。この処理手順は、例えば、車両100の走行中に開始される。まず、取得部201は、規範経路生成装置1が生成した規範経路を取得する(S101)。第1特定部202は、車両100が所定の予測時間が経過するまでに到達可能なエリアを特定する(S102)。
【0056】
第1特定部202は、特定したエリアにおいて、車両100の位置と規範経路の車線中心との距離に基づく車線ポテンシャルの分布を特定する(S103)。第1特定部202は、特定したエリアにおいて車両の位置から目的地までの距離に基づく目的地ポテンシャルの分布を特定する(S104)。第1特定部202は、特定したエリアにおいて、障害物の位置に基づく障害物ポテンシャルの分布を特定する(S105)。
【0057】
第2特定部203は、現在から予測時間が経過するまで車両100が等加速度及び等ヨーレートで移動すると仮定して、指示加速度及び指示ヨーレートとして指定可能な複数の組み合わせのうち、予測時間が経過するまでの目的地ポテンシャル、車線ポテンシャル及び障害物ポテンシャルを含むコスト関数の値を最小にする指示加速度及び指示ヨーレートの組み合わせを特定する(S106)。出力部204は、第2特定部203が特定した指示加速度及び指示ヨーレートを制御装置へ出力する(S107)。
【0058】
制御装置3は、出力部204が出力した指示加速度及び指示ヨーレートに基づいて、車両100が走行する走行速度及び車両100の操舵角を変化させて車両100を走行させる(S108)。制御装置3は、車両100の走行を終了したか否かを判定する(S109)。制御装置3は、車両100の走行を終了したと判定した場合(S109のYES)、処理を終了する。制御装置3は、S109の判定において車両100の走行を終了していないと判定した場合(S109のNO)、S101の処理に戻る。
【0059】
[本実施形態の動的経路計画装置2による効果]
第2特定部203は、目的地ポテンシャルを含むポテンシャルの総和が相対的に低くなる指示加速度及び指示ヨーレートの組み合わせを特定するので、車両100を安定して目的地まで到達させることができる。第1特定部202は、車両座標系で見た位置に対してポテンシャル場を定義する従来手法と比べて、空間を格子状に分割した各格子に対してポテンシャル場を定義することで、より多くの情報を取り扱うことができる。これにより、第1特定部202は、障害物ポテンシャルを算出するためにLiDARの点群を使い、車線ポテンシャルを算出するためにスプライン補間の点を使うことができ、実環境をより詳細にポテンシャル場に反映させることができる。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0061】
1 規範経路生成装置
2 動的経路計画装置
3 制御装置
4 記憶部
100 車両
201 取得部
202 第1特定部
203 第2特定部
204 出力部
【要約】
【課題】車両100の安定的な自律走行を可能にする。
【解決手段】車両が走行する位置及び規範経路を取得する取得部201と、所定の予測時間が経過するまでに到達可能なエリア内において、車両100の位置から目的地までの距離に基づく目的地ポテンシャル、及び、車両100の位置と規範経路の車線中心との距離に基づく車線ポテンシャルの分布をそれぞれ特定する第1特定部202と、現在から予測時間が経過するまで車両100が等加速度及び等ヨーレートで移動する場合に、予測時間が経過するまでの目的地ポテンシャル、車線ポテンシャルを含むコスト関数の値が相対的に低い指示加速度及び指示ヨーレートの組み合わせを特定する第2特定部203と、第2特定部203が特定した指示加速度及び指示ヨーレートの組み合わせを出力する出力部204と、を備える。
【選択図】図3


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7