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特許7416371着座姿勢判定装置、椅子、着座姿勢判定方法、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】着座姿勢判定装置、椅子、着座姿勢判定方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/62 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A47C7/62 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018208470
(22)【出願日】2018-11-05
(65)【公開番号】P2019171010
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2018065500
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年11月 8日(水)~平成29年11月10日(金) オカムラグランドフェア2017 ホテルニューオータニ ガーデンコート 3階 オカムラガーデンコートショールームにて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成29年11月 9日(木) 国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学のユビキタスコンピューティングシステム研究室のウェブサイトにて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】504143441
【氏名又は名称】国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】荒川 豊
(72)【発明者】
【氏名】水本 旭洋
(72)【発明者】
【氏名】音田 恭宏
(72)【発明者】
【氏名】菅田 唯仁
(72)【発明者】
【氏名】佐野 友哉
(72)【発明者】
【氏名】小花 光広
(72)【発明者】
【氏名】上西 基弘
(72)【発明者】
【氏名】中島 千尋
【審査官】井出 和水
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-023475(JP,A)
【文献】特開2001-340163(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0231991(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107668998(CN,A)
【文献】特開2015-213572(JP,A)
【文献】特開2016-047673(JP,A)
【文献】特開2003-070596(JP,A)
【文献】特開2004-085435(JP,A)
【文献】米国特許第09921726(US,B1)
【文献】特開2012-192901(JP,A)
【文献】特開平05-091936(JP,A)
【文献】特開2016-087031(JP,A)
【文献】実開昭59-194842(JP,U)
【文献】特開2017-087880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 1/00 - A47C 3/40
A47C 7/00 - A47C 7/74
A47C 31/12
B60N 2/00 - B60N 2/90
A61G 5/00 - A61G 5/14
A61G 15/00 - A61G 15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
椅子の座体の前側面部に配設され、圧力を計測する第3センサーが計測した結果である第3圧力計測値を取得する取得部と、
前記椅子に着座した着座者の着座姿勢を判定する着座姿勢判定部と、
を備え、
前記着座姿勢判定部は、前記取得部が取得した前記第3圧力計測値が零である場合には前記着座者の着座姿勢を判定し、前記第3圧力計測値が零よりも大きい場合には前記着座者の着座姿勢を判定しない着座姿勢判定装置。
【請求項2】
椅子の背凭れの上部に配設され、圧力を計測する第1センサーが計測した結果である第1圧力計測値と、前記背凭れの下部と前記椅子の座体の後部との少なくとも一方に配設され、圧力を計測する第2センサーが計測した結果である第2圧力計測値と、前記座体の前部に配設され、圧力を計測する第4センサーが計測した結果である第4圧力計測値とを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第1圧力計測値と前記第2圧力計測値とに基づいて、前記椅子に着座した着座者が基本姿勢で着座しているか否かを判定する着座姿勢判定部と、
を備え、
前記着座姿勢判定部は、前記着座者が前記基本姿勢で着座している場合、前記第2圧力計測値と前記第4圧力計測値とに基づいて、前記座体の座面の高さが、前記着座者に合っているか否かを判定する着座姿勢判定装置。
【請求項3】
椅子の背凭れの上部に配設され、圧力を計測する第1センサーが計測した結果である第1圧力計測値と、前記背凭れの下部と前記椅子の座体の後部との少なくとも一方に配設され、圧力を計測する第2センサーが計測した結果である第2圧力計測値と、前記座体の前部に配設され、圧力を計測する第4センサーが計測した結果である第4圧力計測値とを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第1圧力計測値と前記第2圧力計測値とに基づいて、前記椅子に着座した着座者が基本姿勢で着座しているか否かを判定する着座姿勢判定部と、
を備え、
前記着座姿勢判定部は、前記着座者が前記基本姿勢で着座している場合、前記第2圧力計測値と前記第4圧力計測値とに基づいて、前記座体の座面の奥行きが、前記着座者に合っているか否かを判定する着座姿勢判定装置。
【請求項4】
支持構造体と、
前記支持構造体に支持される座体と、
前記支持構造体、又は前記座体の少なくとも一方に支持される背凭れと、
前記座体の前側面部に配設され、圧力を計測する第3センサーと、
請求項1に記載の着座姿勢判定装置と、
を備える、椅子。
【請求項5】
支持構造体と、
前記支持構造体に支持される座体と、
前記支持構造体、又は前記座体の少なくとも一方に支持される背凭れと、
前記背凭れの上部に配設され、圧力を計測する第1センサーと、
前記背凭れの下部、または前記座体の後部の少なくとも一方に配設され、圧力を計測する第2センサーと、
前記座体の前部に配設され、圧力を計測する第4センサーと、
請求項または請求項に記載の着座姿勢判定装置と、
を備える、椅子。
【請求項6】
椅子の座体の前側面部に配設され、圧力を計測する第3センサーが計測した結果である第3圧力計測値を取得するステップと、
前記取得するステップで取得した前記第3圧力計測値に基づいて、前記椅子に着座した着座者の着座姿勢を判定するステップと
を有し、
前記着座姿勢を判定するステップでは、前記取得するステップで取得した前記第3圧力計測値が零である場合には前記着座者の着座姿勢を判定し、前記第3圧力計測値が零よりも大きい場合には前記着座者の着座姿勢を判定しない、コンピュータが実行する着座姿勢判定方法。
【請求項7】
椅子の背凭れの上部に配設され、圧力を計測する第1センサーが計測した結果である第1圧力計測値と、前記背凭れの下部と前記椅子の座体の後部との少なくとも一方に配設され、圧力を計測する第2センサーが計測した結果である第2圧力計測値と、前記座体の前部に配設され、圧力を計測する第4センサーが計測した結果である第4圧力計測値とを取得するステップと、
前記取得するステップで取得した前記第1圧力計測値と前記第2圧力計測値とに基づいて、前記椅子に着座した着座者が基本姿勢で着座しているか否かを判定するステップと
を有し、
前記基本姿勢で着座しているか否かを判定するステップでは、前記着座者が前記基本姿勢で着座している場合、前記第2圧力計測値と前記第4圧力計測値とに基づいて、前記座体の座面の高さが、前記着座者に合っているか否かを判定するコンピュータが実行する着座姿勢判定方法。
【請求項8】
椅子の背凭れの上部に配設され、圧力を計測する第1センサーが計測した結果である第1圧力計測値と、前記背凭れの下部と前記椅子の座体の後部との少なくとも一方に配設され、圧力を計測する第2センサーが計測した結果である第2圧力計測値と、前記座体の前部に配設され、圧力を計測する第4センサーが計測した結果である第4圧力計測値とを取得するステップと、
前記取得するステップで取得した前記第1圧力計測値と前記第2圧力計測値とに基づいて、前記椅子に着座した着座者が基本姿勢で着座しているか否かを判定するステップと
を有し、
前記基本姿勢で着座しているか否かを判定するステップでは、前記着座者が前記基本姿勢で着座している場合、前記第2圧力計測値と前記第4圧力計測値とに基づいて、前記座体の座面の奥行きが、前記着座者に合っているか否かを判定するコンピュータが実行する着座姿勢判定方法。
【請求項9】
コンピュータに、
請求項から請求項のいずれか一項に記載の着座姿勢判定方法を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、着座姿勢判定装置、椅子、着座姿勢判定方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
着座姿勢を監視できる椅子が知られている。この椅子は、側面視において概ねL字状をなす座と背凭れのうち、座の後部と背凭れの下部とに接触感知センサーを配設する。この椅子は、着座者の身体がいずれかのセンサーに接していない状態が一定時間継続されると、その状態を音声により伝達する。このような構成は、腰回りの部位と座、および背凭れとの接触状態を検知することにより、それがなされていない状態をよくない姿勢として認識させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
他の椅子は、床面上で座を支持する四本の支持脚へ作用する荷重を検知する荷重センサーにより、着座者の着座面上の重心位置を測定する。この椅子は、荷重を四本の脚でバランスよく支持したうえで、それらへ作用する荷重をもとに重心位置を検知できるため、より正確な姿勢判定を行うことができる。すなわち、検知された重心位置が相対的に前方であれば、背中の腰回りも前方に位置した姿勢である判定が可能となる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-070596号公報
【文献】特開2010-082165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述した椅子では、臀部の一部、および背中の一部が単にセンサーに接していればよいので、両部位の位置のバランスが判定されず、総合的に良好とされる姿勢を提案できるには至っていない。
また、姿勢判定は専ら座への高さ方向の荷重を基準として行われるが、座の高さ方向の位置や奥行方向の位置によって、高さ方向の荷重が過度に作用している場合に、姿勢の判定の正確性を損なうおそれがある。例えば、重心位置が座の前部寄りであると判定された場合、その原因が、座そのものが前傾しているにもかかわらず、座の前部寄りの部位に着座していると判定するといった誤認が発生する可能性がある。
上記事情に鑑み、本発明は、着座者の着座姿勢の判定精度を向上できる着座姿勢判定装置、椅子、着座姿勢判定方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、着座姿勢判定装置は、椅子の背凭れの上部に配設され、圧力を計測する第1センサーが計測した結果である第1圧力計測値と、前記背凭れの下部と前記椅子の座体の後部との少なくとも一方に配設され、圧力を計測する第2センサーが計測した結果である第2圧力計測値と、前記座体の前側面部に配設され、圧力を計測する第3センサーが計測した結果である第3圧力計測値との少なくとも一つを取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第1圧力計測値と前記第2圧力計測値と前記第3圧力計測値との少なくとも一つに基づいて、前記椅子に着座した着座者の着座姿勢を判定する着座姿勢判定部と、を備える。
【0007】
上述の着座姿勢判定装置によれば、前記取得部は、前記第3圧力計測値を取得し、前記着座姿勢判定部は、前記取得部が取得した前記第3圧力計測値が零である場合には前記着座者の着座姿勢を判定し、前記第3圧力計測値が零よりも大きい場合には前記着座者の着座姿勢を判定しないようにしてもよい。
【0008】
上述の着座姿勢判定装置によれば、前記取得部は、前記第1圧力計測値と前記第2圧力計測値とを取得し、前記着座姿勢判定部は、前記第1圧力計測値と前記第2圧力計測値とのいずれか一方又は両方に基づいて、前記着座者の着座姿勢を判定してもよい。
【0009】
上述の着座姿勢判定装置によれば、前記取得部は、前記第2圧力計測値を取得し、前記着座姿勢判定部は、前記第2圧力計測値に基づいて、前記背凭れが、前記着座者に合っているか否かを判定してもよい。
【0010】
上述の着座姿勢判定装置によれば、前記取得部は、前記第2圧力計測値と、前記座体の前部に配設され、圧力を計測する第4センサーが計測した結果である第4圧力計測値とを取得し、前記着座姿勢判定部は、前記第2圧力計測値と前記第4圧力計測値とに基づいて、前記座体の高さが、前記着座者に合っているか否かを判定してもよい。
【0011】
上述の着座姿勢判定装置によれば、前記取得部は、前記第2圧力計測値と、前記座体の前部に配設され、圧力を計測する第4センサーが計測した結果である第4圧力計測値とを取得し、前記着座姿勢判定部は、前記第2圧力計測値と前記第4圧力計測値とに基づいて、前記座体の座面の奥行きが、前記着座者に合っているか否かを判定してもよい。
上述の着座姿勢判定装置によれば、机の高さの変更を促す情報を作成する作成部を備えてもよい。
上述の着座姿勢判定装置によれば、座面の高さと、座面の前後位置とのいずれか一方又は両方に基づいて、机の高さを導出する導出部を備え、前記作成部は、前記導出部が導出した前記机の前記高さに基づいて、机の高さの変更を促す情報を作成してもよい。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、椅子は、支持構造体と、前記支持構造体に支持される座体と、前記支持構造体、又は前記座体の少なくとも一方に支持される背凭れと、前記背凭れの上部に配設され、圧力を計測する第1センサーと、前記背凭れの下部、または前記座体の後部の少なくとも一方に配設され、圧力を計測する第2センサーと、前記座体の前側面部に配設され、圧力を計測する第3センサーと、前記第1センサーが計測した結果である第1圧力計測値と前記第2センサーが計測した結果である第2圧力計測値と前記第3センサーが計測した結果である第3圧力計測値との少なくとも一つに基づいて、着座姿勢を判定する着座姿勢判定部とを備える。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、コンピュータが実行する着座姿勢判定方法は、椅子の背凭れの上部に配設され、圧力を計測する第1センサーが計測した結果である第1圧力計測値と、前記背凭れの下部と前記椅子の座体の後部との少なくとも一方に配設され、圧力を計測する第2センサーが計測した結果である第2圧力計測値と、前記座体の前側面部に配設され、圧力を計測する第3センサーが計測した結果である第3圧力計測値との少なくとも一つを取得するステップと、前記取得するステップで取得した前記第1圧力計測値と前記第2圧力計測値と前記第3圧力計測値との少なくとも一つに基づいて、前記椅子に着座した着座者の着座姿勢を判定するステップとを有する。
【0014】
本発明の第4の態様によれば、コンピュータに、椅子の背凭れの上部に配設され、圧力を計測する第1センサーが計測した結果である第1圧力計測値と、前記背凭れの下部と前記椅子の座体の後部との少なくとも一方に配設され、圧力を計測する第2センサーが計測した結果である第2圧力計測値と、前記座体の前側面部に配設され、圧力を計測する第3センサーが計測した結果である第3圧力計測値との少なくとも一つを取得するステップと、前記取得するステップで取得した前記第1圧力計測値と前記第2圧力計測値と前記第3圧力計測値との少なくとも一つに基づいて、前記椅子に着座した着座者の着座姿勢を判定するステップとを実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によれば、着座者の着座姿勢の判定精度を向上できる着座姿勢判定装置、椅子、着座姿勢判定方法、およびプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態の着座姿勢判定システムの一例を示す図である。
図2】実施形態の着座姿勢判定システムの椅子の平面図の一例を示す図である。
図3】実施形態の着座姿勢判定システムの椅子の背面図の一例を示す図である。
図4】実施形態の着座姿勢判定システムの椅子の背面側斜視図の一例を示す図である。
図5】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置と椅子との一例を示すブロック図である。
図6】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置の表示画面の一例(その1)を示す図である。
図7】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置の表示画面の一例(その2)を示す図である。
図8】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置の表示画面の一例(その3)を示す図である。
図9】実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その1)を示すフローチャートである。
図10】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その1)を示す図である。
図11】実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その2)を示すフローチャートである。
図12】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その2)を示す図である。
図13】実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その3)を示すフローチャートである。
図14】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その3)を示す図である。
図15】実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その4)を示すフローチャートである。
図16】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その4)を示す図である。
図17】実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その5)を示すフローチャートである。
図18】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その5)を示す図である。
図19】実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その6)を示すフローチャートである。
図20】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その6)を示す図である。
図21】実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その7)を示すフローチャートである。
図22】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その7)を示す図である。
図23】実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その8)を示すフローチャートである。
図24】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その8)を示す図である。
図25】実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その9)を示すフローチャートである。
図26】実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その9)を示す図である。
図27】第2の実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置と椅子と机との一例を示すブロック図である。
図28】第2の実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その10)を示すフローチャートである。
図29】第2の実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その10)を示す図である。
図30】第2の実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その11)を示すフローチャートである。
図31】第2の実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その11)を示す図である。
図32】第2の実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その12)を示すフローチャートである。
図33】第2の実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その12)を示す図である。
図34】第2の実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その13)を示すフローチャートである。
図35】第2の実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その13)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本実施形態の着座姿勢判定装置、椅子、着座姿勢判定方法、およびプログラムを、図面を参照しつつ説明する。以下で説明する実施形態は一例に過ぎず、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られない。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
また、本願でいう「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。また、「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
【0018】
(第1の実施形態)
(着座姿勢判定システム)
図1は、実施形態の着座姿勢判定システムの一例を示す図である。
実施形態の着座姿勢判定システム10aは、着座姿勢判定装置100と、椅子200とを備える。
着座姿勢判定装置100と、椅子200との間は、インターネットなどのネットワーク50を介して、有線又は無線で接続される。本実施形態では、着座姿勢判定装置100と、椅子200との間が、無線で接続される場合について説明を続ける。
着座姿勢判定装置100と、椅子200との設置場所の一例は、オフィスである。
【0019】
椅子200に座る者(以下「着座者」という)は、椅子200に着座する。以下の説明においては、椅子200に正規姿勢で着座した人の正面が向く図中矢印FRの指す向きを「前」と呼び、それと逆側の向きを「後」と呼ぶものとする。また、「上」,「下」と「左」,「右」については、椅子200に正規姿勢で着座した人の上方の図中矢印UPの指す向きを「上」、それと逆側の向きを「下」と呼び、椅子200に正規姿勢で着座した人の左側の図中矢印LHの指す向きを「左」、それと逆側の向きを「右」と呼ぶものとする。
椅子200は、支持構造体210と、支持構造体210に支持される座体220と、支持構造体210と座体220との少なくとも一方に支持される背凭れ230とを備える。
【0020】
さらに、椅子200は、背凭れ230の上部に配設され、圧力を計測するセンサー(センサー11-センサー13)と、背凭れ230の下部に配設され、圧力を計測するセンサー(センサー8-センサー10、センサー14、センサー15)とを備える。また、椅子200は、座体220の後部に配設され、圧力を計測するセンサー(センサー5-センサー7)と、座体220の前部に配設され、圧力を計測するセンサー(センサー2-センサー4)と、座体220の前側面部に配設され、圧力を計測するセンサー(センサー0-センサー1)とを備える。センサー0-センサー15については、後述する。
【0021】
着座者、又は着座者以外の操作補助者は、着座姿勢判定装置100を操作することによって、着座姿勢の判定を開始する。着座姿勢の判定が開始される場合、着座姿勢判定装置100は、椅子200へ、計測要求を送信する。椅子200は計測制御部を備え、計測制御部は、着座姿勢判定装置100が送信した計測要求を受信し、受信した計測要求を、各センサー(センサー0-センサー15)へ出力する。
各センサー(センサー0-センサー15)は計測要求を取得し、受信した計測要求にしたがって、圧力を計測する。各センサーは、圧力の計測結果を、計測制御部へ出力する。計測制御部は、各センサーが出力した圧力の計測結果を取得し、取得したセンサー0-センサー15の各々の計測結果を含む計測応答を作成し、作成した計測応答を、着座姿勢判定装置100へ送信する。
着座姿勢判定装置100は、椅子200が送信した計測応答を受信し、受信した計測応答に含まれる各センサーの圧力の計測結果に基づいて、着座者の着座姿勢を判定する。着座姿勢判定装置100は、着座者の着座姿勢の判定結果に基づいて、椅子200の調節を指示する情報を作成し、作成した椅子200の調節を指示する情報を、着座者へ通知する。
【0022】
以下、着座姿勢判定システム10aを構成する椅子200と、着座姿勢判定装置100とについて、詳細に説明する。
(椅子200)
図1に示すように、本実施形態の椅子200は、フロア上に載置される脚部2と、脚部2の上端に設置されるボックス状の支基3と、着座者が着座する座体220と、支基3の上面に取り付けられ、座体220を前後スライド可能に支持する座受部材5と、座体220に着座した着座者の背中を支持する背凭れ230と、背凭れ230を背後から支える支持構造体210と、背凭れ230の受面構成部20の湾曲形状を変更する湾曲形状変更手段8aと、を有する。
【0023】
脚部2は、キャスタ9a付きの多岐脚9と、多岐脚9の中央部より起立し昇降機構であるガススプリングを内蔵する脚柱10と、を有し、脚柱10の上端部に支基3が水平方向に回転可能に取り付けられている。支基3には、脚柱10の昇降調整機構と支持構造体210の傾動調整機構が内蔵されている。支持構造体210は、側面視略L字形状を有し、その前部下端が支基3内の傾動調整機構に連結されている。
なお、図1中、符号11は、支基3上における支持構造体210の枢支軸であり、符号12は、支基3の側面に突設された傾動調整機構の操作ノブである。
【0024】
座体220は、骨格部を成す座板13と、座板13の上部に取り付けられる座本体14と、を有する。座本体14は、詳細な図示は省略するが、座板13の外周縁部に取り付けられる座枠(不図示)と、座板13の上面に設置されるウレタン等から成るクッション材(不図示)と、座枠に張設されてクッション材の上方側を覆うシート表皮材15と、を有する。
【0025】
図2は、実施形態の着座姿勢判定システムの椅子の平面図の一例を示す図である。図3は、実施形態の着座姿勢判定システムの椅子の背面図の一例を示す図である。図4は、実施形態の着座姿勢判定システムの椅子の背面側斜視図の一例を示す図である。
背凭れ230は、図2に示すように、着座者と接して荷重を受ける受面構成部20を有する。受面構成部20は、図2に示す平面視で、後方に凸となる湾曲形状を有する。本実施形態の受面構成部20は、樹脂成型された背凭れ板230(図4参照)と、背凭れ板21の前面に設置されるクッション材(不図示)と、背凭れ板21に張設されてクッション材を覆うシート表皮材22と、によって形成されている。
背凭れ230は、図3に示す背面視で、四隅が丸みを帯びた略長方形状とされている。また、背凭れ230は、図1に示すように、前方に屈曲する突出部23を有する。本実施形態の背凭れ230は、図1に示す側面視で、前方に凸の屈曲形状を有している。突出部23の頂点は、着座者の腰に対応する位置に形成されている。すなわち、突出部23は、図1に示す側面視で、背凭れ230の下端部よりもやや上方の部分が前方に突出するように、適所で屈曲した形状を有している。
【0026】
支持構造体210は、図1に示すように、背凭れ230を背後から支えるものである。支持構造体210は、背凭れ230よりも剛性が高く、背凭れ230で受けた着座者の荷重を支える強度部材である。支持構造体210は、樹脂成型されており、厚み大きさや補強リブの配置等により、背凭れ230よりも剛性が高く構成されている。支持構造体210は、図3に示す背面視で、背凭れ230の外形と略同じ外形を有する枠部30を有する。枠部30は、背面側に大きく開口する開口部31を有している。
支持構造体210は、図1に示すように、背凭れ230の突出部23に対応する位置に、前方に屈曲する突出部32を有する。すなわち、突出部32は、図1に示す側面視で、枠部30の下端部よりもやや上方の部分が前方に突出するように、適所で屈曲した形状を有している。この突出部32には、後述する湾曲形状変更手段8aの操作部材52が配置されるようになっている。支持構造体210は、枠部30の下端部から前方に延出する連結部33を有する。連結部33は、支基3内の傾動調整機構に連結されている。
【0027】
図3に示すように、背凭れ230には、その上部にセンサー11-センサー13が配設されている。センサー11-センサー13の各々の一例は、圧力センサーである。図3に示される例では、センサー11-センサー13の各々は、椅子200の背凭れ230の前方の面(着座者が着座した場合に背中が接する面)の幅方向に、右から左へ並べて配設される。
また、背凭れ230には、その下部にセンサー8-センサー10とセンサー14とセンサー15とが配設されている。センサー8-センサー10、センサー14、センサー15の各々の一例は、圧力センサーである。図3に示される例では、センサー8-センサー10、センサー14、センサー15の各々は、椅子200の背凭れ230の前方の面(着座者が着座した場合に背中が接する面)の幅方向に、右から左へ、センサー8、センサー14、センサー9、センサー15、センサー10の順の並べて配設される。
【0028】
図2に示すように、座体220には、その後部にセンサー5-センサー7が配設されている。センサー5-センサー7の各々の一例は、圧力センサーである。図2に示される例では、センサー5-センサー7の各々は、椅子200の座体220の座面の上面(着座者が着座した場合に臀部が接する面)の後方に、右から左へ、幅方向に並べて配設される。
また、座体220には、その前部にセンサー2-センサー4が配設されている。センサー2-センサー4の各々の一例は、圧力センサーである。図2に示される例では、センサー2-センサー4の各々は、椅子200の座体220の座面の上面(着座者が着座した場合に臀部が接する面)の前方に、右から左へ、幅方向に並べて配設される。
【0029】
また、座体220には、その前側面部にセンサー0-センサー1が配設されている。センサー0-センサー1の各々の一例は、圧力センサーである。図2に示される例では、センサー0-センサー2の各々は、矩形形状であり、椅子200の座体220の前側面部に、右から左へ、幅方向に並べて配設される。
背凭れ230の下部にセンサー8-センサー10とセンサー14とセンサー15とが配設され、座体220の後部にセンサー5-センサー7が配設されるため、上下方向に離間する着座者の臀部と背中の下部との双方から入力される荷重を確実に検知することができる。
【0030】
図5は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置と椅子との一例を示すブロック図である。
椅子200は、前述したように、支持構造体210と、座体220と、背凭れ230とを備える。
座体220には、センサー0-センサー7が配設されている。背凭れ230には、センサー8-センサー15が配設されている。支持構造体210には、計測制御部212が取り付けられている。
【0031】
計測制御部212は、通信部214と、情報処理部216と、入出力I/F218とを備える。
通信部214は、通信モジュールによって実現される。通信部214は、ネットワーク50を介して、外部の通信装置と通信する。通信部214は、例えば無線LAN(Local Area Network)、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network)、特定小電力無線、BLE(Bluetooth Low Energy)、EnOcean、LPWA(Low Power Wide Area)、又はLTE(Long Term Evolution)(登録商標)などの通信方式で通信してもよい。また、着座姿勢判定装置100と椅子200とが有線接続される場合には、通信部214は、有線LANで通信してもよい。
具体的には、通信部214は、着座姿勢判定装置100が送信した計測要求を受信し、受信した計測要求を情報処理部216へ出力する。通信部214は、計測要求に対して、情報処理部216が出力した計測応答を取得し、取得した計測応答を、着座姿勢判定装置100へ送信する。
【0032】
情報処理部216は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが内部に記憶されたプログラムを実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。なお、情報処理部216の全部または一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部216は、通信部214が出力した計測要求を取得し、取得した計測要求に基づいて、センサーに圧力を計測させる制御信号を作成する。情報処理部216は、入出力I/F218から、計測要求に含まれるセンサーIDに該当するセンサーへ、作成した制御信号を出力する。
情報処理部216は、センサーIDに該当するセンサーへ出力した制御信号に対して、該当するセンサーが送信した計測結果を取得し、取得した計測結果を含む計測応答を作成し、作成した計測応答を通信部214へ出力する。計測応答には、センサーIDと計測結果とが関連付けられている。
入出力I/F218は、センサー0-センサー15の各々と有線で接続され、情報処理部216が出力した制御信号を、センサー0-センサー15の各々へ出力する。また、入出力I/F218は、制御信号に対して、センサー0-センサー15の各々が出力した計測結果を、情報処理部216へ出力する。
センサー0-センサー15の各々への給電について説明する。センサー0-センサー15の各々へは、以下の(1)-(4)によって給電される。
(1)センサー0-センサー15の各々が有線接続され、入出力I/F218の部分や、その他の場所に設置された蓄電体(バッテリ)により、センサー0-センサー15の各々が給電される。
(2)センサー0-センサー15の各々が有線接続され、センサー0-センサー15の各々に蓄電体が配置される。入出力I/F218の部分や、その他の場所より、センサー0-センサー15の各々に設置された蓄電体に給電される。
(3)センサー0-センサー15の各々が無線接続され、センサー0-センサー15の各々に蓄電体が設置される。センサー0-センサー15の各々に設置された蓄電体に、ワイヤレス給電などの手段により給電される。また、センサー0-センサー15の各々に設置された蓄電体が、新たな蓄電体に交換されてもよい。
(4)センサー0-センサー15の各々が無線接続され、センサー0-センサー15の各々にワイヤレス給電の受電部が設置される。センサー0-センサー15の各々に設置されたワイヤレス給電の受電部に、入出力I/F218の部分や、その他の場所に設置されたワイヤレス給電送電部より給電する。
また、センサー0-センサー15の各々が、入出力I/F218と接続されてもよい。この場合、計測制御部212は、椅子200の外部にあってもよい。
【0033】
(着座姿勢判定装置100)
図5を参照して、着座姿勢判定装置100について説明する。
着座姿勢判定装置100は、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。
着座姿勢判定装置100は、例えば、通信部110と、情報処理部130と、記憶部140と、操作部150と、表示部160とを備える。
通信部110は、通信モジュールによって実現される。通信部110はネットワーク50を介して、外部の通信装置と通信する。通信部110は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)、EnOcean、LPWA(Low Power Wide Area)、又はLTE(登録商標)などの通信方式で通信してもよい。また、着座姿勢判定装置100と椅子200とが有線で接続される場合には、通信部110は、有線LANで通信してもよい。
通信部110は、情報処理部130が出力した計測要求を、椅子200へ送信する。また、通信部110は、計測要求に対して、椅子200が送信した計測応答を受信し、受信した計測応答を、情報処理部130へ出力する。
【0034】
記憶部140は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部140の一部または全部は、着座姿勢判定装置100の一部として設けられる場合に代えて、NAS(Network Attached Storage)や外部のストレージサーバなど、着座姿勢判定装置100のプロセッサがネットワーク50を介してアクセス可能な外部装置により実現されてもよい。記憶部140には、情報処理部130により実行されるプログラム141と、アプリ142とが記憶される。
【0035】
アプリ142は、着座姿勢判定装置100に、着座姿勢の判定を開始させる場合に、計測要求を作成させ、作成させた計測要求を、椅子200へ送信させる。アプリ142は、着座姿勢判定装置100に、計測要求に対する計測応答を受信させ、受信させた計測応答に含まれる計測結果に基づいて、椅子200に着座した着座者の着座姿勢を判定させる。アプリ142は、着座姿勢判定装置100に、椅子200が着座者に合っていない場合に、椅子200を調節する情報を作成し、作成した椅子200を調節する情報を表示させる。
操作部150は、入力デバイスを備え、ユーザの操作を受け付ける。この入力デバイスには、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、釦、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッド等が含まれる。
表示部160は、CPUなどのプロセッサによって制御され、画像、GUI(Graphical User Interface)などを表示する。この一例では、操作部150は、タッチパネルである。
【0036】
情報処理部130は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部140に格納されたプログラム141やアプリ142を実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。なお、情報処理部130の全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部130は、例えば、取得部132と、着座姿勢判定部134と、作成部136とを備える。
【0037】
取得部132は、通信部110が出力した計測応答を取得し、取得した計測応答を、着座姿勢判定部134へ出力する。
着座姿勢判定部134は、取得部132が出力した計測結果を取得し、取得した計測応答に含まれるセンサーIDと計測結果との関連付けに基づいて、着座者が好ましい姿勢で着座しているか否かを判定する。ここで、好ましい姿勢の一例は、座体220の高さに関しては、ひざが直角に曲がる高さを目安に、足を前後に動かしても足裏が床に接するように調節されていることである。また、好ましい姿勢の一例は、座体220の位置に関しては、座った時にひざ裏に少し隙間ができ、太ももが圧迫されない位置になることである。また、好ましい姿勢の一例は、背凭れ230に関しては、腰部をしっかりホールドし、背骨の自然なS字カーブを保つように調節されていることである。以下、好ましい姿勢を、「基本姿勢」という。
着座姿勢判定部134は、着座者が基本姿勢で着座していないと判定した場合に、基本姿勢で着座していないことを通知する情報(以下「着座姿勢通知情報」という)を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
着座姿勢判定部134は、基本姿勢判定部1341と背凭れ判定部1342と座体判定部1343とを備える。
【0038】
基本姿勢判定部1341は、着座者が基本姿勢で着座しているか否かを判定する場合に、センサー0-センサー15のうち、所定のセンサーの計測結果を取得する。基本姿勢判定部1341は、所定のセンサーの計測結果を取得する場合に、その所定のセンサーのセンサーIDを含む計測要求を作成し、作成した計測要求を、通信部110へ出力する。基本姿勢判定部1341は、通信部110が出力した計測応答を取得し、取得した計測応答に含まれるセンサーIDと計測結果との関連付けに基づいて、着座者が基本姿勢で着座しているか否かを判定する。
具体的には、基本姿勢判定部1341は、センサー11-センサー13の計測結果を取得し、取得したセンサー11-センサー13の計測結果の全てが零である場合に、背凭れ230から着座者の背中が離れているため、着座者が、基本姿勢で着座していないと判定する。この場合、基本姿勢判定部1341は、背凭れ230から着座者の背中が離れていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
基本姿勢判定部1341は、センサー8-センサー10とセンサー14とセンサー15の計測結果を取得し、取得したセンサー8-センサー10とセンサー14とセンサー15の計測結果の全てが零である場合には、座体220の奥まで座れていないと判断できるため、着座者が、基本姿勢で着座していないと判定する。この場合、基本姿勢判定部1341は、座体220の奥まで座れていないことを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
【0039】
背凭れ判定部1342は、センサー8の計測結果とセンサー10の計測結果とを取得し、取得したセンサー8の計測結果とセンサー10の計測結果との和を導出する。背凭れ判定部1342は、センサー8の計測結果とセンサー10の計測結果との和の導出結果が、第1の閾値よりも大きい場合には、背凭れ230のカーブが合っていないと判定できるため、着座者が、基本姿勢で着座していないと判定する。この場合、背凭れ判定部1342は、背凭れ230のカーブが合っていないことを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
背凭れ判定部1342は、センサー8の計測結果とセンサー10の計測結果との和の導出結果が、湾曲形状変更手段8aへの操作により、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大きくなっている状態であり且つ第2の閾値未満である場合には、着座者の腰回りが背凭れ230に当たっていないと判定できるため、着座者が、基本姿勢で着座していないと判定する。この場合、背凭れ判定部1342は、背凭れ230のカーブが合っていないことを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
背凭れ判定部1342は、センサー8の計測結果とセンサー10の計測結果との和の導出結果が、湾曲形状変更手段8aへの操作により、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が小さくなっている状態であり且つ第1閾値未満又は背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が小であり且つ第2閾値より大きい場合には、着座者の腰回りが背凭れ230にちょうど良く当たっていると判定できるため、着座者が、基本姿勢で着座していると判定する。この場合、背凭れ判定部1342は、着座者が基本姿勢で着座していることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
【0040】
座体判定部1343は、センサー2-センサー7の計測結果とセンサー14の計測結果とセンサー15の計測結果とを取得し、取得したセンサー2-センサー7の計測結果とセンサー14の計測結果とセンサー15の計測結果とのうち、計測結果が最大となる値で、センサー2の計測結果とセンサー4の計測結果を正規化する。
座体判定部1343は、センサー2の計測結果を正規化した値とセンサー4の計測結果を正規化した値とを合計した値が、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大の場合には第4閾値よりも大きく、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が小の場合には第6閾値よりも大きい場合には、着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいると想定されるため、着座者が、基本姿勢で着座していないと判定する。この場合、座体判定部1343は、着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
また、座体判定部1343は、センサー2の計測結果を正規化した値とセンサー4の計測結果を正規化した値とを合計した値が、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大の場合には第3閾値未満であり、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が小の場合には第5閾値未満である場合には、着座者の膝部分が浮いていると想定されるため、着座者が、基本姿勢で着座していないと判定する。この場合、座体判定部1343は、着座者の膝部分が浮いていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
また、座体判定部1343は、センサー2の計測結果を正規化した値とセンサー4の計測結果を正規化した値とを合計した値が、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大の場合には第3閾値以上第4閾値以下であり、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が小の場合には第5閾値以上第6閾値以下である場合には、着座者が、基本姿勢で着座していると判定する。この場合、座体判定部1343は、着座者が基本姿勢で着座していることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
【0041】
また、座体判定部1343は、センサー0の計測結果とセンサー1の計測結果とを取得し、取得したセンサー0の計測結果とセンサー1の計測結果とのいずれかが、第7閾値以上である場合には、膝裏が座体220の前側面に当たっていると想定されるため、着座者が、基本姿勢で着座していないと判定する。この場合、座体判定部1343は、着座者の膝裏が座体220の前側面に当たっていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
【0042】
また、座体判定部1343は、センサー2の計測結果を正規化した値とセンサー4の計測結果を正規化した値とセンサー6の計測結果を正規化した値とを合計した値が、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大であり且つ第9閾値より大きい場合又は背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が小であり且つ第10閾値より大きい場合には、着座者が、基本姿勢で着座していないと判定する。この場合、座体判定部1343は、座面が短すぎることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
また、座体判定部1343は、センサー2の計測結果を正規化した値とセンサー4の計測結果を正規化した値とセンサー6の計測結果を正規化した値とを合計した値が、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大であり且つ第8閾値未満である場合又は背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が小であり且つ第10閾値未満である場合には、着座者が基本姿勢で着座していないと判定する。この場合、座体判定部1343は、座面が前に出ていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
また、座体判定部1343は、センサー2の計測結果を正規化した値とセンサー4の計測結果を正規化した値とセンサー6の計測結果を正規化した値とを合計した値が、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大であり且つ第8閾値以上第9閾値以下である場合又は背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が小であり且つ第10閾値以上第11閾値以下である場合には、着座者が、基本姿勢で着座していると判定する。この場合、座体判定部1343は、着座者が、基本姿勢で着座していることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。
【0043】
作成部136は、着座姿勢判定部134が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報に含まれる情報に基づいて、着座者が基本姿勢で着座するために行う対応を表した画面を作成し、作成した画面を、表示部160に表示する。
図6は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置の表示画面の一例(その1)を示す図である。
作成部136は、着座姿勢判定部134が出力した着座姿勢通知情報に、背凭れ230から着座者の背中が離れていることを示す情報が含まれる場合には、基本姿勢で着座するために、背凭れ230に背中をつけることを促す画面を作成し、作成した画面を、表示部160に表示する。表示部160には、図6に示されるように、「基本の座り方:背中が浮いている 背もたれに背中をしっかりつけてください。」と記載された画面が表示される。
【0044】
図7は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置の表示画面の一例(その2)を示す図である。
作成部136は、着座姿勢判定部134が出力した着座姿勢通知情報に、背凭れ230から着座者の腰が離れていることを示す情報が含まれる場合には、基本姿勢で着座するために、座面の奥まで座ることを促す画面を作成し、作成した画面を、表示部160に表示する。表示部160には、図7に示されるように、「基本の座り方:腰が浮いている 座面の奥まで座り、背もたれに腰をしっかりつけてください。」と記載された画面が表示される。
【0045】
図8は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置の表示画面の一例(その3)を示す図である。
作成部136は、着座姿勢判定部134が出力した着座姿勢通知情報に、背凭れ230から着座者の背中と腰とが離れていることを示す情報が含まれる場合には、基本姿勢で着座するために、座面の奥まで座り、背凭れ230に背中をつけることを促す画面を作成し、作成した画面を、表示部160に表示する。表示部160には、図8に示されるように、「基本の座り方:背中と腰が浮いている 座面の奥まで座り、背もたれに背中と腰をしっかりつけてください。」と記載された画面が表示される。
【0046】
(着座姿勢判定システムの動作)
図9図26を参照して、着座姿勢判定システムの動作について、説明する。着座姿勢判定システム10aの動作を説明するにあたり、着座姿勢判定装置100の表示部160に表示される画面についても示す。
図9は、実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その1)を示すフローチャートである。
図10は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その1)を示す図である。
(ステップS1)
着座者が、着座姿勢判定装置100の操作部150を操作することによって、操作部150から作成部136に操作信号が出力される。作成部136は、操作部150が出力する操作信号を取得し、取得した操作信号に基づいて、椅子200の調節を開始する画面を作成し、作成した椅子200の調節を開始する画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「体格に合わせた椅子の調節ができます」と記載された図10の(1)に示される画面を表示する。この画像には、椅子200の調節を行う場合に、着座者が押すSTART釦が表示されている。図9に戻り、説明を続ける。
【0047】
(ステップS2)
着座姿勢判定装置100の作成部136は、図10の(1)の画面のSTART釦が押されたか否かを判定する。作成部136は、操作部150から椅子200の調整を開始する情報が含まれた操作信号が出力されるか否かを判定することによって、操作信号が出力された場合にはSTART釦が押されたと判定し、操作信号が出力されない場合にはSTART釦が押されていないと判定する。START釦が押されていない場合には(ステップS2:NO)、表示部160は、図10の(1)の画面を表示し続ける(ステップS1)。
(ステップS3)
START釦が押された場合には(ステップS2:YES)、作成部136は、調節の手順を示す画面を作成し、作成した調節の手順を示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「4ステップで調節していきます」と記載された図10の(2)に示される画面を表示する。この画面には、調節が、「(1)基本の座り方」、「(2)背もたれのカーブ」、「(3)座面の高さ」、「(4)座面の奥行き」の順で、調節が行われることが示されている。
(ステップS4)
図10の(2)に示される画面を表示した後、作成部136は、基本姿勢で着座することを促す画面を作成し、作成した基本姿勢で着座することを促す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「ステップ1 “基本の座り方”で座ってみましょう」と記載された図10の(3)に示される画面を表示する。この画面には、基本姿勢で着座する場合の注意事項として、「背もたれに背中をつける」、「座面の奥まで座る」、「床に爪先やかかとをつける」ことが示されている。さらに、この画面には、着座者が基本姿勢で着座している状態で、センサー8-センサー15の圧力の計測を行う場合に押されるNEXT釦(測定釦)が表示されている。また、この画面には、着座者が、基本姿勢で着座している状態で、センサー8-センサー15に圧力の計測を行わずに椅子200の調節を開始する画面に戻る場合に押されるReset(リセット)釦が表示されている。図10の(3)に示される例では、Reset釦は、画面上部の空欄の部分である。図9に戻り、説明を続ける。
【0048】
(ステップS5)
着座姿勢判定装置100の作成部136は、図10の(3)の画面の測定釦が押されたか否かを判定する。
(ステップS6)
測定釦が押されていない場合には(ステップS5:NO)、作成部136は、操作部150からリセット情報が含まれた操作信号が出力されるか否かを判定することによって、操作信号が出力された場合にはReset釦が押されたと判定し、操作信号が出力されない場合にはReset釦が押されていないと判定する。リセット釦が押されていない場合には、ステップS5へ戻る。リセット釦が押された場合には、ステップS1へ戻る。
(ステップS7)
測定釦が押された場合には(ステップS5:YES)、作成部136は、測定を開始することを示す画面を作成し、作成した測定を開始することを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「測定します ※基本の座り方でお待ちください」と記載された図10の(4)に示される画面を表示する。この画面には、基本姿勢で着座する場合の注意事項として、「背もたれに背中をつける」、「座面の奥まで座る」、「床に爪先やかかとをつける」ことが示されている。
(ステップS8)
基本姿勢判定部1341は、センサー8-センサー15のセンサーIDを含む計測要求を作成し、作成した計測要求を、通信部110へ出力する。通信部110は、作成部136が出力した計測要求を、椅子200へ送信する。
椅子200の通信部214は、着座姿勢判定装置100が送信した計測要求を受信し、受信した計測要求を、情報処理部216へ出力する。情報処理部216は、通信部214が出力した計測要求を取得し、取得した計測要求に基づいて、圧力を計測させる制御信号を作成し、作成した制御信号を、入出力I/F218から計測要求に含まれるセンサーIDに該当するセンサー8-センサー15の各々へ出力する。情報処理部216は、制御信号に対して、入出力I/F218が出力したセンサー8-センサー15の各々が送信した計測結果を取得し、取得した計測結果を含む計測応答を作成し、作成した計測応答を通信部214へ出力する。計測応答には、センサー_8-センサー15の各々について、センサーIDと計測結果とが関連付けられている。通信部214は、情報処理部216が出力した計測応答を、着座姿勢判定装置100へ送信する。
着座姿勢判定装置100の通信部110は、椅子200が送信した計測応答を受信し、受信した計測応答を、情報処理部130へ出力する。取得部132は、通信部110が出力した計測応答を取得し、取得した計測応答を、着座姿勢判定部134へ出力する。
本実施形態では、着座姿勢判定装置100は、計測要求を2個作成し、作成した2個の計測要求を、椅子200へ送信する場合について説明を続ける。この場合、着座姿勢判定装置100は、2個の計測要求の各々に対して、椅子200が送信した計測応答を取得する。
基本姿勢判定部1341は、取得部132が出力した2個の計測応答を取得し、取得した2個の計測応答の各々に含まれるセンサー8-センサー15の計測結果の各々の平均値を導出する。
【0049】
(ステップS9)
基本姿勢判定部1341は、センサー8-センサー15の各々の平均値の全てが零であるか否かを判定する。
(ステップS10)
基本姿勢判定部1341は、センサー8-センサー15の各々の平均値の全てが零であると判定した場合、背凭れ230から着座者の背中が離れていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、基本姿勢判定部1341が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報に基づいて、背凭れ230から着座者の背中が離れていることを通知する画面を作成し、作成した背凭れ230から着座者の背中が離れていることを通知する画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「基本の座り方:背中と腰が浮いている 座面の奥まで座り、背もたれに背中と腰をしっかりつけてください。」と記載された図10の(5)に示される画面を表示する。この画面には、基本姿勢で着座する場合の注意事項として、「背もたれに背中をつける」、「座面の奥まで座る」ことが示されている。この画面を表示した後に、ステップS7へ移行する。
【0050】
図11は、実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その2)を示すフローチャートである。
図12は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その2)を示す図である。
(ステップS11)
基本姿勢判定部1341は、センサー8-センサー15の各々の平均値のうち、零でないものがあると判定した場合、センサー8-センサー10、センサー14-センサー15の各々の平均値の全てが零であるか否かを判定する。
(ステップS12)
基本姿勢判定部1341は、センサー8-センサー10、センサー14-センサー15の各々の平均値の全てが零であると判定した場合、座体220の奥まで座れていないことを示す情報を含む着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、基本姿勢判定部1341が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報に基づいて、座体220の奥まで座れていないことを通知する画面を作成し、作成した座体220の奥まで座れていないことを通知する画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「基本の座り方:腰が浮いている 座面の奥まで座り、背もたれに腰をしっかりつけてください。」と記載された図12の(6)に示される画面を表示する。この画面には、基本姿勢で着座する場合の注意事項として、「座面の奥まで座る」ことが示されている。この画面を表示した後に、ステップS7へ移行する。図11に戻り、説明を続ける。
【0051】
(ステップS13)
基本姿勢判定部1341は、センサー8-センサー10、センサー14-センサー15の各々の平均値のうち、零でないものがあると判定した場合、センサー11-センサー13の各々の平均値の全てが零であるか否かを判定する。
(ステップS14)
基本姿勢判定部1341は、センサー11-センサー13の各々の平均値の全てが零であると判定した場合、背凭れ230から着座者の背中が離れていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、基本姿勢判定部1341が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報に基づいて、背凭れ230から着座者の背中が離れていることを通知する画面を作成し、作成した背凭れ230から着座者の背中が離れていることを通知する画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「基本の座り方:背中が浮いている 背もたれに背中をしっかりつけてください。」と記載された図12の(7)に示される画面を表示する。この画面には、基本姿勢で着座する場合の注意事項として、「背もたれに背中をつける」ことが示されている。この画面を表示した後に、ステップS7へ移行する。図11に戻り、説明を続ける。
(ステップS15)
基本姿勢判定部1341は、センサー11-センサー13のうち、零でないものがあると判定した場合、基本姿勢で着座していることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、基本姿勢判定部1341が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報に基づいて、基本姿勢で着座していることを通知する画面を作成し、作成した基本姿勢で着座していることを通知する画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「基本の座り方:◎」と記載された図12の(8)に示される画面を表示する。
【0052】
図13は、実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その3)を示すフローチャートである。
図14は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その3)を示す図である。
(ステップS21)
作成部136は、次のステップへ進む画面を作成し、作成した次のステップへ進む画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「ステップ2 次は背もたれのカーブを調節します」と記載された図14の(9)に示される画面を表示する。この画像には、着座者が、背もたれのカーブを調節する場合に押されるNEXT釦(測定釦)が表示されている。図13に戻り、説明を続ける。
(ステップS22)
着座姿勢判定装置100の作成部136は、図14の(9)の画面の測定釦が押されたか否かを判定する。作成部136は、操作部150から測定情報が含まれた操作信号が出力されるか否かを判定することによって、操作信号が出力された場合には測定釦が押されたと判定し、操作信号が出力されない場合には測定釦が押されていないと判定する。測定釦が押されていない場合には(ステップS22:NO)、ステップS22へ戻る。
ステップS23-ステップS30は、図9を参照して説明したステップS7-10と、図11を参照して説明したステップS11-ステップS14とを適用できる。ただし、ステップS26、ステップS28、ステップS30の各々の処理が終了した後に、ステップS23へ戻る。
【0053】
図15は、実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その4)を示すフローチャートである。
図16は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その4)を示す図である。
(ステップS31)
背凭れ判定部1342は、湾曲形状変更手段8aへの操作により、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大きくなっている状態であるか否かを判定する。
(ステップS32)
背凭れ判定部1342は、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大きくなっていると判定した場合、センサー8の計測結果とセンサー10の計測結果との和が第1閾値未満であるか否かを判定する。
(ステップS33)
背凭れ判定部1342は、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が小さくなっていると判定した場合、センサー8の計測結果とセンサー10の計測結果との和が第2閾値より大きいか否かを判定する。
(ステップS34)
背凭れ判定部1342は、センサー8の計測結果とセンサー10の計測結果との和が第1閾値未満である場合(ステップS32:YES)又はセンサー8の計測結果とセンサー10の計測結果との和が第2閾値より大きい場合(ステップS33:YES)に、背凭れのカーブが合っていることを示す着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、背凭れ判定部1342が出力した着座姿勢通知情報に基づいて、背凭れのカーブが合っていることを示す画面を作成し、作成した背凭れのカーブが合っていることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「背もたれのカーブ:◎」と記載された図16の(10)に示される画面を表示する。図15に戻り、説明を続ける。
【0054】
(ステップS35)
背凭れ判定部1342は、センサー8の計測結果とセンサー10の計測結果との和が第1閾値以上である場合には(ステップS32:NO)、背凭れのカーブがあっていないことを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、背凭れ判定部1342が出力した着座姿勢通知情報に基づいて、背凭れのカーブがあっていないことを示す画面を作成し、作成した背凭れのカーブがあっていないことを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「背もたれのカーブ:あっていない 背もたれの両側にあるつまみを左右同時に下げてください」と記載された図16の(11)に示される画面を表示する。作成部136は、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大から小になるまで、背凭れのカーブがあっていないことを示す画面の表示を継続する。図15に戻り、説明を続ける。
(ステップS36)
背凭れ判定部1342は、センサー8の計測結果とセンサー10の計測結果との和が第2閾値未満である場合には(ステップS33:NO)、作成部136は、背凭れ230のカーブが合っていないことを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、背凭れ判定部1342が出力した着座姿勢通知情報に基づいて、背凭れのカーブがあっていないことを示す画面を作成し、作成した背凭れのカーブがあっていないことを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「背もたれのカーブ:あっていない 背もたれの両側にあるつまみを左右同時に上げてください」と記載された図16の(12)に示される画面を表示する。作成部136は、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が小から大になるまで、背凭れのカーブがあっていないことを示す画面の表示を継続する。
【0055】
図17は、実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その5)を示すフローチャートである。
図18は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その5)を示す図である。
(ステップS41)
作成部136は、次のステップへ進む画面を作成し、作成した次のステップへ進む画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「ステップ3 次は座面の高さを調節します」と記載された図18の(13)に示される画面を表示する。この画像には、着座者が、座面の高さを調節する場合に押されるNEXT釦(測定釦)が表示されている。図17に戻り、説明を続ける。
(ステップS42)
着座姿勢判定装置100の作成部136は、図18の(13)の画面の測定釦が押されたか否かを判定する。作成部136は、操作部150から測定情報が含まれた操作信号が出力されるか否かを判定することによって、操作信号が出力された場合には測定釦が押されたと判定し、操作信号が出力されない場合には測定釦が押されていないと判定する。測定釦が押されていない場合には(ステップS42:NO)、ステップS42へ戻る。
ステップS43-ステップS50は、図9を参照して説明したステップS7-ステップS10と、図11を参照して説明したステップS11-ステップS14を適用できる。ただし、ステップS46、ステップS48、ステップS50の各々の処理が終了した後に、ステップS43へ戻る。
(ステップS51)
基本姿勢判定部1341は、センサー11-センサー13の各々の平均値のうち、零でないものがあると判定した場合、センサー11の計測結果-センサー13の計測結果のうち、最大となる計測結果で、センサー11の計測結果-センサー13の計測結果の各々を除算することによって正規化する。
【0056】
図19は、実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その6)を示すフローチャートである。
図20は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その6)を示す図である。
(ステップS61)
背凭れ判定部1342は、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大であるか否かを判定する。
(ステップS62)
座体判定部1343は、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大であると判定した場合、センサー2の計測結果とセンサー4の計測結果とを取得し、取得したセンサー2の計測結果とセンサー4の計測結果との和(X)を導出する。
(ステップS63)
座体判定部1343は、センサー2の計測結果とセンサー4の計測結果との和(X)が第3閾値以上第4閾値以下であるか否かを判定する。
(ステップS64)
座体判定部1343は、センサー2の計測結果とセンサー4の計測結果との和(X)が第3閾値以上第4閾値以下であると判定した場合、着座者が基本姿勢で着座していることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報に基づいて、着座者が基本姿勢で着座していることを示す画面を作成する。作成部136は、着座者が基本姿勢で着座していることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の高さ:◎」と記載された図19の(14)に示される画面を表示する。図19に戻り、説明を続ける。
【0057】
(ステップS65)
座体判定部1343は、センサー2の計測結果とセンサー4の計測結果との和(X)が第3閾値以上第4閾値以下でないと判定した場合、センサー2の計測結果とセンサー4の計測結果との和(X)が第3閾値未満であるか否かを判定する。
(ステップS66)
座体判定部1343が、センサー2の計測結果とセンサー4の計測結果との和(X)が第3閾値未満であると判定した場合、着座者の膝部分が浮いていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報に基づいて、着座者の膝部分が浮いていることを示す画面を作成する。作成部136は、作成した着座者の膝部分が浮いていることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の高さ:低い 少し腰を浮かしながら右手のレバーを上に引いて座面を上げてください」と記載された図20の(15)に示される画面を表示する。この表示は、現在の高さから+1.0cm以上になるまで、継続される。図19に戻り、説明を続ける。
【0058】
(ステップS67)
座体判定部1343が、センサー2の計測結果とセンサー4の計測結果との和(X)が第3閾値未満でないと判定した場合、すなわち、センサー2の計測結果とセンサー4の計測結果との和(X)が第4閾値より大きい場合、着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいることを示す情報を取得し、取得した着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいることを示す情報に基づいて、着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいることを示す画面を作成する。作成部136は、作成した着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の高さ:高い 右下のレバーを引いて座面を下げてください」と記載された図20の(16)に示される画面を表示する。この表示は、現在の高さから-1.0cm以上になるまで、継続される。ここで、座高を一番低くしてもなお、合計値が規定値以上の場合は、座体判定部1343は、足置きを置くことを指示するようにしてもよい。椅子200には、超音波センサーなど測距センサーが搭載されている。測距センサーは、座の高さを計測し、現在の高さを把握している。このため、座高の下限値を検出できる。この場合、座体判定部1343は、足置きを置くことを指示する情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した足置きを置くことを指示する情報を取得し、取得した足置きを置くことを指示する情報に基づいて、足置きを置くことを指示する画面を作成する。作成部136は、作成した足置きを置くことを指示する画面を、表示部160に表示する。図19に戻り、説明を続ける。
(ステップS68)
座体判定部1343は、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大でない、つまり小であると判定した場合、センサー7の計測結果とセンサー4の計測結果とを取得し、取得したセンサー7の計測結果とセンサー4との和(Y)を導出する。
(ステップS69)
座体判定部1343は、センサー7の計測結果とセンサー4の計測結果との和(Y)が第5閾値以上第6閾値以下であるか否かを判定する。
【0059】
(ステップS70)
座体判定部1343は、センサー7の計測結果とセンサー4の計測結果との和(Y)が第5閾値以上第6閾値以下であると判定した場合、着座者が基本姿勢で着座していることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報に基づいて、着座者が基本姿勢で着座していることを示す画面を作成する。作成部136は、着座者が基本姿勢で着座していることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の高さ:◎」と記載された図19の(14)に示される画面を表示する。図19に戻り、説明を続ける。
(ステップS71)
座体判定部1343は、センサー7の計測結果とセンサー4の計測結果との和(Y)が第5閾値以上第6閾値以下でないと判定した場合、センサー7の計測結果とセンサー4の計測結果との和(Y)が第5閾値未満であるか否かを判定する。
(ステップS72)
座体判定部1343が、センサー7の計測結果とセンサー4の計測結果との和(Y)が第5閾値未満であると判定した場合、着座者の膝部分が浮いていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報に基づいて、着座者の膝部分が浮いていることを示す画面を作成する。作成部136は、作成した着座者の膝部分が浮いていることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の高さ:低い 少し腰を浮かしながら右手のレバーを上に引いて座面を上げてください」と記載された図20の(15)に示される画面を表示する。この表示は、現在の高さから+1.0cm以上になるまで、継続される。図19に戻り、説明を続ける。
【0060】
(ステップS73)
座体判定部1343が、センサー7の計測結果とセンサー4の計測結果との和(X)が第5閾値未満でないと判定した場合、すなわち、センサー7の計測結果とセンサー4の計測結果との和(X)が第6閾値より大きい場合、着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいることを示す情報を取得し、取得した着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいることを示す情報に基づいて、着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいることを示す画面を作成する。作成部136は、作成した着座者の膝部分が過度に座面にめり込んでいることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の高さ:高い 右下のレバーを引いて座面を下げてください」と記載された図20の(16)に示される画面を表示する。この表示は、現在の高さからー1.0cm以上になるまで、継続される。ここで、座高を一番低くしてもなお、合計値が規定値以上の場合は、座体判定部1343は、足置きを置くことを指示するようにしてもよい。椅子200には、超音波センサーなど測距センサーが搭載されている。測距センサーは、座の高さを計測し、現在の高さを把握している。このため、座高の下限値を検出できる。この場合、座体判定部1343は、足置きを置くことを指示する情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した足置きを置くことを指示する情報を取得し、取得した足置きを置くことを指示する情報に基づいて、足置きを置くことを指示する画面を作成する。作成部136は、作成した足置きを置くことを指示する画面を、表示部160に表示する。図19に戻り、説明を続ける。
【0061】
図21は、実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その7)を示すフローチャートである。
図22は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その7)を示す図である。
(ステップS81)
作成部136は、次のステップへ進む画面を作成し、作成した次のステップへ進む画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「ステップ4 次は座面の奥行きを調節します」と記載された図22の(17)に示される画面を表示する。この画像には、着座者が、座面の奥行きを調節する場合に押されるNEXT釦(測定釦)が表示されている。図21に戻り、説明を続ける。
(ステップS82)
座体判定部1343の作成部136は、図22の(17)の画面の測定釦が押されたか否かを判定する。作成部136は、操作部150から測定情報が含まれた操作信号が出力されるか否かを判定することによって、操作信号が出力された場合には測定釦が押されたと判定し、操作信号が出力されない場合には測定釦が押されていないと判定する。測定釦が押されていない場合には(ステップS82:NO)、ステップS81へ戻る。
ステップS83-ステップS90は、図9を参照して説明したステップS7-ステップS10と、図11を参照して説明したステップS11-ステップS14を適用できる。ただし、ステップS86、ステップS88、ステップS90の各々の処理が終了した後に、ステップS83へ戻る。
【0062】
図23は、実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その8)を示すフローチャートである。
図24は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その8)を示す図である。
(ステップS91)
座体判定部1343は、センサー0の計測結果とセンサー1の計測結果とを取得する。
(ステップS92)
座体判定部1343は、センサー0の計測結果が第7閾値よりも大きい又はセンサー1の計測結果が第7閾値よりも大きいかを判定する。
(ステップS93)
座体判定部1343は、センサー0の計測結果が第7閾値よりも大きい又はセンサー1の計測結果が第7閾値よりも大きいと判定した場合、着座者の膝裏が座体220の前側面に当たっていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座者の膝裏が座体220の前側面に当たっていることを示す画面を作成する。作成部136は、着座者の膝裏が座体220の前側面に当たっていることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の奥行き:長い 腰を浮かせ、座面左下のレバーを引きながら座面を後ろにスライドさせてください」と記載された図23の(18)に示される画面を表示する。この表示は、現在の奥行より後方になるまで、継続される。その後、ステップS43へ移行する。図23に戻り、説明を続ける。
(ステップS94)
座体判定部1343は、センサー0の計測結果が第7閾値以下であり且つセンサー1の計測結果が第7閾値以下であると判定した場合、センサー2-センサー7、センサー14、センサー15の各々の計測結果を取得する。
(ステップS95)
座体判定部1343は、センサー2の計測結果-センサー7の計測結果、センサー14の計測結果、センサー15の計測結果のうち、最大となる計測結果で、センサー2の計測結果-センサー7の計測結果、センサー14の計測結果、センサー15の計測結果の各々を除算することによって正規化する。
【0063】
(ステップS96)
座体判定部1343は、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大であるか否かを判定する。
(ステップS97)
座体判定部1343は、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大であると判定した場合、センサー2の計測結果を正規化した値とセンサー4の計測結果を正規化した値とセンサー6の計測結果を正規化した値との和(X)を導出する。
(ステップS98)
座体判定部1343は、和(X)が第8閾値以上第9閾値以下であるか否かを判定する。
(ステップS99)
座体判定部1343は、和(X)が第8閾値以上第9閾値以下であると判定した場合、着座者が基本姿勢で着座していることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報にしたがって、座面の奥行きがあっていることを示す画面を作成する。作成部136は、座面の奥行きがあっていることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の奥行き:◎」と記載された図24の(19)に示される画面を表示する。図23に戻り、説明を続ける。
【0064】
(ステップS100)
座体判定部1343は、和(X)が第8閾値以上第9閾値以下でないと判定した場合、和(X)が第8閾値未満であるか否かを判定する。
(ステップS101)
座体判定部1343が、和(X)が第8閾値未満であると判定した場合、座面が前に出ていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報にしたがって、座面が前に出ていることを示す画面を作成する。作成部136は、座面が前に出ていることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の奥行き:長い 腰を浮かせ、座面左下のレバーを引きながら座面を後ろにスライドさせてください」と記載された図24の(18)に示される画面を表示する。椅子200の適所に座面の前後方向の位置を計測する接触位置センサーが設けられている。座体判定部1343は、接触位置センサーから、座面の前後方向の計測結果を取得し、取得した座面の前後方向の計測結果に基づいて、現在の奥行きよりも後方になったか否かを判定する。座体判定部1343は、現在の奥行きよりも後方になったと判定した場合、表示部160に表示を中止する情報を出力する。表示部160は、座体判定部1343が出力した表示を中止する情報を取得し、取得した表示を中止する情報にしたがって、表示を中止する。したがって、この表示は、現在の奥行きより後方になるまで、継続される。図23に戻り、説明を続ける。
(ステップS102)
座体判定部1343が、和(X)が第3閾値未満でないと判定した場合、すなわち、和(X)が第9閾値より大きい場合、座面が前に出ていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報にしたがって、座面が前に出ていることを示す画面を作成する。作成部136は、座面が前に出ていることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の奥行き:短い 腰を浮かせ、座面左下のレバーを引きながら座面を前にスライドさせてください」と記載された図24の(20)に示される画面を表示する。椅子200の適所に座面の前後方向の位置を計測する接触位置センサーが設けられている。座体判定部1343は、接触位置センサーから、座面の前後方向の計測結果を取得し、取得した座面の前後方向の計測結果に基づいて、現在の奥行きよりも前方になったか否かを判定する。座体判定部1343は、現在の奥行きよりも前方になったと判定した場合、表示部160に表示を中止する情報を出力する。表示部160は、座体判定部1343が出力した表示を中止する情報を取得し、取得した表示を中止する情報にしたがって、表示を中止する。したがって、この表示は、現在の奥行きより前方になるまで、継続される。図23に戻り、説明を続ける。
【0065】
(ステップS103)
座体判定部1343は、背凭れ230の平面視における曲線形状の曲率が大でない、つまり小であると判定した場合、センサー2の計測結果を正規化した値とセンサー4の計測結果を正規化した値とセンサー6の計測結果を正規化した値との和(Y)を導出する。
(ステップS104)
座体判定部1343は、和(Y)が第10閾値以上第11閾値以下であるか否かを判定する。
(ステップS105)
座体判定部1343は、和(Y)が第10閾値以上第11閾値以下であると判定した場合、着座者が基本姿勢で着座していることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報にしたがって、座面の奥行きがあっていることを示す画面を作成する。作成部136は、座面の奥行きがあっていることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の高さ:◎」と記載された図24の(19)に示される画面を表示する。図23に戻り、説明を続ける。
(ステップS106)
座体判定部1343は、和(Y)が第5閾値以上第6閾値以下でないと判定した場合、和(Y)が第10閾値未満であるか否かを判定する。
【0066】
(ステップS107)
座体判定部1343が、和(Y)が第10閾値未満であると判定した場合、座面が前に出ていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報にしたがって、座面が前に出ていることを示す画面を作成する。作成部136は、座面が前に出ていることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の奥行き:長い 腰を浮かせ、座面左下のレバーを引きながら座面を後ろにスライドさせてください」と記載された図24の(18)に示される画面を表示する。椅子200の適所に座面の前後方向の位置を計測する接触位置センサーが設けられている。座体判定部1343は、接触位置センサーから、座面の前後方向の計測結果を取得し、取得した座面の前後方向の計測結果に基づいて、現在の奥行きよりも後方になったか否かを判定する。座体判定部1343は、現在の奥行きよりも後方になったと判定した場合、表示部160に表示を中止する情報を出力する。表示部160は、座体判定部1343が出力した表示を中止する情報を取得し、取得した表示を中止する情報にしたがって、表示を中止する。したがって、この表示は、現在の奥行きより後方になるまで、継続される。図23に戻り、説明を続ける。
(ステップS108)
座体判定部1343が、和(X)が第10閾値未満でないと判定した場合、すなわち、和(X)が第11閾値より大きい場合、座面が前に出ていることを示す情報を含む着座姿勢通知情報を作成し、作成した着座姿勢通知情報を、作成部136へ出力する。作成部136は、座体判定部1343が出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報にしたがって、座面が前に出ていることを示す画面を作成する。作成部136は、座面が前に出ていることを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「座面の奥行き:短い 腰を浮かせ、座面左下のレバーを引きながら座面を前にスライドさせてください」と記載された図24の(20)に示される画面を表示する。椅子200の適所に座面の前後方向の位置を計測する接触位置センサーが設けられている。座体判定部1343は、接触位置センサーから、座面の前後方向の計測結果を取得し、取得した座面の前後方向の計測結果に基づいて、現在の奥行きよりも前方になったか否かを判定する。座体判定部1343は、現在の奥行きよりも前方になったと判定した場合、表示部160に表示を中止する情報を出力する。表示部160は、座体判定部1343が出力した表示を中止する情報を取得し、取得した表示を中止する情報にしたがって、表示を中止する。したがって、この表示は、現在の奥行きより前方になるまで、継続される。
【0067】
図25は、実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その9)を示すフローチャートである。
図26は、実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その9)を示す図である。
(ステップS111)
作成部136は、全てのステップが終了したことを示す画面を作成し、作成したすべてのステップが終了したことを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「すべてのステップの調節ができました」と記載された図26の(21)に示される画面を表示する。この画像には、椅子200の調節を終了する場合に、着座者が押すEND釦が表示されている。図25に戻り、説明を続ける。
(ステップS112)
着座姿勢判定装置100の作成部136は、図26の(21)の画面のEND釦が押されたか否かを判定する。作成部136は、操作部150から椅子200の調整を終了する情報が含まれた操作信号が出力されるか否かを判定することによって、操作信号が出力された場合にはEND釦が押されたと判定し、操作信号が出力されない場合にはEND釦が押されていないと判定する。END釦が押されていない場合には(ステップS112:NO)、表示部160は、図25の(21)の画面を表示し続ける(ステップS111)。
START釦が押された場合には(ステップS112:YES)、作成部136は、椅子200の調整を終了する。
【0068】
前述した実施形態では、背凭れ230の上部に、センサー11-センサー13の3個のセンサーが配設されている場合について説明したが、この例に限られない。例えば、背凭れ230の上部に1個-2個のセンサーが配設されてもよいし、4個以上のセンサーが配設されてもよい。
前述した実施形態では、背凭れ230の下部に、センサー8-センサー10とセンサー14とセンサー15との5個のセンサーが配設されている場合について説明したが、この例に限られない。例えば、背凭れ230の下部に1個-4個のセンサーが配設されてもよいし、6個以上のセンサーが配設されてもよい。
前述した実施形態では、座体220の後部に、センサー5-センサー7の3個のセンサーが配設されている場合について説明したが、この例に限られない。例えば、座体220の後部に1個-2個のセンサーが配設されてもよいし、4個以上のセンサーが配設されてもよい。
前述した実施形態では、座体220の前部に、センサー2-センサー4の3個のセンサーが配設されている場合について説明したが、この例に限られない。例えば、座体220の前部に1個-2個のセンサーが配設されてもよいし、4個以上のセンサーが配設されてもよい。
【0069】
前述した実施形態では、座体220の前側面部に、センサー0-センサー1の2個のセンサーが配設されている場合について説明したが、この例に限られない。例えば、座体220の前側面部に1個のセンサーが配設されてもよいし、3個以上のセンサーが配設されてもよい。
前述した実施形態では、背凭れ230の下部と座体220の後方とにセンサーが配設される場合について説明したが、この例に限られない。例えば、背凭れ230の下部と座体220の後方とのいずれか一方にセンサーが配設されていればよい。
前述した実施形態では、着座姿勢判定装置100は、椅子200から、センサー0-センサー15が2回計測することによって得られた計測結果を取得する場合について説明したが、この限りでない。例えば、着座姿勢判定装置100は、椅子200から、センサー0-センサー15が1回-3回以上数計測することによって得られた計測結果を取得してもよい。この場合、着座姿勢判定装置100は、3個以上の計測結果を平均化するなどの統計処理を行った結果を使用してもよい。
前述した実施形態では、膝裏が座体220の前側面に当たっている場合には、着座者が、基本姿勢で着座していないと判定する場合について説明したが、この限りでない。例えば、膝裏が座体220の前側面に当たっている場合でも、着座者が、基本姿勢で着座していると判定してもよい。
前述した実施形態において、左側にあるセンサーの計測結果と右側にあるセンサーの計測結果とに基づいて、一定値以上の差が有る場合には、左右のバランスが崩れていることを、着座者に通知してもよい。例えば、着座者のズボンのポケットに何かが入っている場合には、左側にあるセンサーの計測結果と右側にあるセンサーの計測結果とに差が生じる場合がある。この状態で長い時間が経過した場合、身体のバランスを崩す要因となる。着座者に左右のバランスが崩れていることを通知することによって、身体のバランスを崩す要因が生じていることを通知することができる。
【0070】
前述した実施形態において、左右のいずれかに着座姿勢が傾いている場合に、そのことを通知してもよい。例えば、背凭れ230と座体220との両方において、右側のセンサーの計測結果が、左側のセンサーの計測結果よりも高い場合には、着座者が右側に姿勢を傾けていると推定できる。この状態で長い時間が経過した場合、身体のバランスを崩す要因となる。着座者に、右側に姿勢を傾けていることを通知することによって、身体のバランスを崩す要因が生じていることを通知することができる。
前述した実施形態において、リクライニング機能を大きく後傾にして使用している場合には、気分転換を促すようにしてもよい。リクライニング機能を大きく後傾に使用しているか否かは、加速度センサーによって検出できる。例えば、リクライニング機能を大きく後傾に使用している場合には、集中力が切れているか、休憩状態であると判断できる。このため、立って体を少し動かすことを促したり、気分転換を促したりするのが好ましい。
前述した実施形態において、着座者が猫背の場合に、猫背であることを通知してもよい。例えば、座面と、腰にはしっかりと椅子200に接しているが、背凭れ230に接していない場合に、猫背であると判定する。この状態で長い時間が経過した場合、身体のバランスを崩す要因となる。着座者に、猫背であることを通知することによって、身体のバランスを崩す要因が生じていることを通知することができる。
前述した実施形態において、座220の前部に臀部を載置した姿勢、所謂ちょい掛けの場合に、そのことを通知してもよい。例えば、膝下部分のセンサーのみが反応している場合、ちょい掛け状態であると判定する。上半身をしっかりと支えられていない状態であるため、ちょい掛けであることを通知するアラートを出すようにしてもよい。
前述した実施形態において、腰が浮いている場合に、そのことを通知してもよい。例えば、腰部分のセンサーが反応していない場合に、腰が浮いている状態であると判定する。この状態では腰に負担が大きく掛かっているため、腰に負担が大きくかかっていることを通知するアラートを出すようにしてもよい。
【0071】
第1の実施形態の着座姿勢判定システムによれば、着座姿勢判定装置は、椅子の背凭れの上部に配設され、圧力を計測する第1センサー(実施形態では、センサー11-センサー13)が計測した結果である第1圧力計測値と、背凭れの下部と椅子の座体の後部との少なくとも一方に配設され、圧力を計測する第2センサー(実施形態では、センサー8-センサー10とセンサー14とセンサー15と、センサー5-センサー7のいずれか一方又は両方)が計測した結果である第2圧力計測値と、座体の前側面部に配設され、圧力を計測する第3センサー(実施形態では、センサー0-センサー1)が計測した結果である第3圧力計測値との少なくとも一つを取得する取得部と、取得部が取得した第1圧力計測値と第2圧力計測値と第3圧力計測値との少なくとも一つに基づいて、椅子に着座した着座者の着座姿勢を判定する着座姿勢判定部とを備える。
センサーが、着座者の腰まわりを支持する部位に加え、背凭れの上部と、座体の前側面に配設される。このように構成することによって、着座者の身体の広い範囲を、センサーによってカバーできるため、着座姿勢の判定精度を向上できる。また、座体の前側面に配設されたセンサーによって、着座者の膝裏の圧力を検知できるため、着座姿勢を総合的に判定できる。
また、取得部は、第3圧力計測値を取得し、着座姿勢判定部は、取得部が取得した第3圧力計測値が零である場合には着座者の着座姿勢を判定し、第3圧力計測値が零よりも大きい場合には着座者の着座姿勢を判定しない。膝裏が第3センサーに当たっている場合には、座の前縁から大腿部への圧力が生じている状態であるため、基準姿勢とは異なる姿勢として認定する。このため、膝裏が第3センサーに当たっている場合には、第1圧力計測値と第2圧力計測値とによることなく、センサー着座者が、基本姿勢で着座していないと判断できるため、着座姿勢と判定しないことによって、着座者に、基本姿勢で着座していないことを通知できる。
【0072】
また、取得部は、第1圧力計測値と第2圧力計測値とを取得し、着座姿勢判定部は、第1圧力計測値と第2圧力計測値とのいずれか一方又は両方に基づいて、着座者の着座姿勢を判定する。第1圧力計測値と第2圧力計測値とのいずれか一方又は両方に基づいて、着座者の着座姿勢を判定するため、第1センサーと第2センサーとのうち少なくとも一方が圧力を検知していない場合にも、着座姿勢を判定する。このため、着座者の背中の上部と腰回りとが背凭れと座体とに接していない状態を基準姿勢から外すことができる。このため、着座姿勢の判定を効率的に行うことができる。
また、取得部は、第2圧力計測値を取得し、着座姿勢判定部は、第2圧力計測値に基づいて、背凭れが、着座者に合っているか否かを判定する。第2センサーは、背凭れの下部と座体の後部との少なくとも一方に配設されているので、前後方向に離間する着座者の臀部と背中の下部とのいずれか一方又は両方から入力される荷重を確実に検知することができる。このため、着座姿勢の判定精度を向上させることができる。
また、取得部は、第2圧力計測値と、座体の前部に配設され、圧力を計測する第4センサー(実施形態では、センサー2-センサー4)が計測した結果である第4圧力計測値とを取得し、着座姿勢判定部は、第2圧力計測値と第4圧力計測値とに基づいて、座の高さが、着座者に合っているか否かを判定する。
第4センサーをさらに備えるので、座面上の圧力をさらに正確に検知することができる。
【0073】
また、取得部は、第2圧力計測値と、座体の前部に配設され、圧力を計測する第4センサー(実施形態では、センサー2-センサー4)が計測した結果である第4圧力計測値とを取得し、着座姿勢判定部は、第2圧力計測値と第4圧力計測値とによって正規化した第2圧力計測値と第4圧力計測値とに基づいて、座体の座面の奥行きが、着座者に合っているか否かを判定する。
正規化した第2圧力計測値と第4圧力計測値とに基づいて、座体の座面の奥行きが、着座者に合っているか否かを判定するため、複数の着座者ごとの体重の差異に影響されることなく、着座者の身体の範囲内の相対的な圧力値の差異を検知することができる。
【0074】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の着座姿勢判定システムは、体格に合わせて椅子の調整を推奨することに加えて、体格に合わせて机の高さを推奨する。第2の実施形態の着座姿勢判定システムは、図1を適用できる。ただし、着座姿勢判定装置100の代わりに、着座姿勢判定装置100aと備え、さらに机300を備える。
【0075】
(着座姿勢判定システム)
図27は、第2の実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置と椅子と机との一例を示すブロック図である。
(机300)
机300は、通信部314と、情報処理部316と、センサー318とを備える。
通信部314は、通信モジュールによって実現される。通信部314は、ネットワーク50を介して、外部の通信装置と通信する。通信部314は、例えば無線LAN、ブルートゥース、Wi-SUN、特定小電力無線、BLE、EnOcean、LPWA、又はLTEなどの通信方式で通信してもよい。また、着座姿勢判定装置100aと机300とが有線接続される場合には、通信部314は、有線LANで通信してもよい。
具体的には、通信部314は、着座姿勢判定装置100aが送信した計測要求を受信し、受信した計測要求を情報処理部316へ出力する。通信部314は、計測要求に対して、情報処理部316が出力した計測応答を取得し、取得した計測応答を、着座姿勢判定装置100aへ送信する。
【0076】
情報処理部316は、例えば、CPUなどのプロセッサが内部に記憶されたプログラムを実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。なお、情報処理部316の全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部316は、通信部314が出力した計測要求を取得し、取得した計測要求に基づいて、センサー318に机300の天板の高さを計測させる制御信号を作成する。情報処理部316は、センサー318へ、作成した制御信号を出力する。
情報処理部316は、センサー318へ出力した制御信号に対して、センサー318が送信した計測結果を取得し、取得した計測結果を含む計測応答を作成し、作成した計測応答を通信部314へ出力する。計測応答には、センサーIDと計測結果とが関連付けられている。
【0077】
センサー318は、机300の天板の高さを計測できる位置に設置されている。センサー318は、情報処理部316が出力した制御信号を取得し、取得した制御信号求にしたがって、机300の天板の高さを計測する。センサー318は、机300の天板の高さの計測結果を、情報処理部316へ出力する。情報処理部316は、センサー318が出力した机300の天板の高さの計測結果を取得し、取得した机の天板の高さの計測結果を含む計測応答を作成し、作成した計測応答を、通信部314へ出力する。
(着座姿勢判定装置100a)
着座姿勢判定装置100aは、パーソナルコンピュータ、サーバ、スマートフォン、タブレットコンピュータ又は産業用コンピュータ等の装置によって実現される。
着座姿勢判定装置100aは、例えば、通信部110と、情報処理部130aと、記憶部140aと、操作部150と、表示部160とを備える。
通信部110は、通信モジュールによって実現される。通信部110はネットワーク50を介して、外部の通信装置と通信する。通信部110は、例えば無線LAN、ブルートゥース(登録商標)、Wi-SUN、特定小電力無線、BLE、EnOcean、LPWA、又はLTE(登録商標)などの通信方式で通信してもよい。また、着座姿勢判定装置100aと椅子200とが有線で接続される場合には、通信部110は、有線LANで通信してもよい。
通信部110は、情報処理部130aが出力した計測要求を、椅子200と机300とへ送信する。また、通信部110は、計測要求に対して、椅子200と机300とが送信した計測応答を受信し、受信した計測応答を、情報処理部130aへ出力する。
【0078】
記憶部140aは、例えば、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部140aの一部または全部は、着座姿勢判定装置100aの一部として設けられる場合に代えて、NASや外部のストレージサーバなど、着座姿勢判定装置100aのプロセッサがネットワーク50を介してアクセス可能な外部装置により実現されてもよい。記憶部140aには、情報処理部130aにより実行されるプログラム141と、アプリ142aとが記憶される。
【0079】
アプリ142aは、着座姿勢判定装置100aに、着座姿勢の判定を開始させる場合に、計測要求を作成させ、作成させた計測要求を、椅子200へ送信させる。アプリ142aは、着座姿勢判定装置100aに、机300の天板の高さを計測させる計測要求を作成させ、作成させた計測要求を、椅子200へ送信させる。アプリ142aは、着座姿勢判定装置100aに、計測要求に対する計測応答を受信させ、受信させた計測応答に含まれる計測結果に基づいて、椅子200に着座した着座者の着座姿勢を判定させる。アプリ142aは、着座姿勢判定装置100aに、椅子200が着座者に合っていない場合に、椅子200を調節する情報を作成し、作成した椅子200を調節する情報を表示させる。アプリ142aは、椅子200を調節する内容と、机300の天板の高さとに応じて、机300の高さを変更することを促す画面を作成させ、作成させた机300の高さを変更することを促す画面を表示部160に表示させる。
【0080】
情報処理部130aは、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部140aに格納されたプログラム141やアプリ142aを実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。なお、情報処理部130aの全部または一部は、LSI、ASIC、またはFPGAなどのハードウェアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。
情報処理部130aは、例えば、取得部132と、着座姿勢判定部134aと、作成部136aと、導出部137とを備える。
【0081】
着座姿勢判定部134aは、前述した着座姿勢判定部134を適用できる。ただし、着座姿勢判定部134aは、机300の天板の高さを把握する。
座体判定部1343aは、前述した座体判定部1343を適用できる。ただし、座体判定部1343aは、センサー318の計測結果を、定期的に取得する。着座姿勢判定部134aは、センサー318の計測結果を定期的に取得する場合に、そのセンサー318のセンサーIDを含む計測要求を定期的に作成し、作成した計測要求を、通信部110へ出力する。着座姿勢判定部134aは、通信部110が出力した計測応答を定期的に取得し、取得した計測応答に含まれるセンサーIDと計測結果との関連付けに基づいて、机300の天板の高さを把握する。
【0082】
作成部136aは、着座姿勢判定部134aが出力した着座姿勢通知情報を取得し、取得した着座姿勢通知情報に含まれる情報に基づいて、着座者が基本姿勢で着座するために行う対応を表した画面を作成し、作成した画面を、表示部160に表示する。
作成部136aは、着座者が基本姿勢で着座するために行う対応を表した画面を作成した場合に、導出部137に、推奨する机300の高さの導出を要求することを示す情報(以下「机の高さ導出要求情報」という)を出力する。作成部136aは、導出部137に出力した机の高さ導出要求情報に対して、導出部137が出力した推奨する机の高さを示す情報を取得する。作成部136aは、着座姿勢判定部134aから机300の天板の高さの計測結果を取得する。作成部136aは、取得した推奨する机の高さを示す情報と、机300の天板の高さの計測結果を示す情報とに基づいて、机の高さを変更することを促す画面を作成し、作成した机の高さを変更することを促す画面を、表示部160に表示する。
作成部136aは、着座姿勢判定部134aが出力した着座姿勢通知情報に、背凭れ230から着座者の背中が離れていることを示す情報が含まれる場合には、基本姿勢で着座するために、背凭れ230に背中をつけることを促す画面を作成し、作成した画面を、表示部160に表示する。表示部160には、図6に示したように、「基本の座り方:背中が浮いている 背もたれに背中をしっかりつけてください。」と記載された画面が表示される。その後、作成部136aは、机の高さを変更することを促す画面を作成し、作成した机の高さを変更することを促す画面を、表示部160に表示する。
【0083】
作成部136aは、着座姿勢判定部134aが出力した着座姿勢通知情報に、背凭れ230から着座者の腰が離れていることを示す情報が含まれる場合には、基本姿勢で着座するために、座面の奥まで座ることを促す画面を作成し、作成した画面を、表示部160に表示する。表示部160には、図7に示したように、「基本の座り方:腰が浮いている 座面の奥まで座り、背もたれに腰をしっかりつけてください。」と記載された画面が表示される。その後、作成部136aは、机300の高さを変更することを促す画面を作成し、作成した机300の高さを変更することを促す画面を、表示部160に表示する。
【0084】
作成部136aは、着座姿勢判定部134aが出力した着座姿勢通知情報に、背凭れ230から着座者の背中と腰とが離れていることを示す情報が含まれる場合には、基本姿勢で着座するために、座面の奥まで座り、背凭れ230に背中をつけることを促す画面を作成し、作成した画面を、表示部160に表示する。表示部160には、図8に示したように、「基本の座り方:背中と腰が浮いている 座面の奥まで座り、背もたれに背中と腰をしっかりつけてください。」と記載された画面が表示される。その後、作成部136aは、机300の高さを変更することを促す画面を作成し、作成した机300の高さを変更することを促す画面を、表示部160に表示する。
作成部136aは、推奨する机の高さが、机300の天板の高さの計測結果よりも高い場合には、机300の高さを高くすることを促す画面を作成し、作成した机300の高さを高くすることを促す画面を、表示部160に表示する。作成部136aは、推奨する机の高さが、机300の天板の高さの計測結果よりも低い場合には、机300の高さを低くすることを促す画面を作成し、作成した机の高さを低くすることを促す画面を、表示部160に表示する。
【0085】
導出部137は、作成部136aが出力した机の高さ導出要求情報を取得し、取得した机の高さ導出要求情報に基づいて、推奨する机の高さを導出する。導出部137は、推奨する机の高さを導出する際に、推奨差尺を導出する。差尺とは、机300の天板までの高さと、椅子200の座面までの高さとの差である。ここで、推奨差尺の導出に一例について説明する。以下の式(1)から式(3)を仮定する。
座面の高さ[cm]=着座者の身長[cm]×0.23 (1)
着座者の座高[cm]=着座者の身長[cm]×0.54 (2)
差尺[cm]=着座者の座高[cm]/3 (3)
式(1)の座面の高さは、着座者が素足であると仮定した場合の値である。このため、着座者が靴を履いている場合には、座面の高さから、靴底の厚さだけ減算する。この靴底の厚さを調整値A[cm]とする。調整値Aは、靴底の厚さに基づいて、0[cm]~3[cm]などの範囲を持って設定される。調整値Aは、高さの好みを考慮して、幅を大きくするため、下限値は小数点以下切捨て、上限値は小数点以下切上を行い、幅を持って提示してもよい。着座者の体格によって大まかに机300の高さは決まるが、実際にはその高さから、着座者の作業内容や使っているPC、高さの好みによって変わってくる。例えば、着座者が、ノートPCを使用している場合には画面が低い為、姿勢を保つために、机300は少し高くするのが好ましい。また、着座者が、書き作業を行っている場合には、上からのぞみ込みたいために、机300は少し低く設定した方が好ましい。式(1)~式(3)より、推奨差尺は、式(4)で、表される。
推奨差尺[cm]=((座面の高さ-A)/0.23)×0.54/3 (4)
導出部137は、作成部136aが出力した差尺導出要求情報を取得した場合に、着座姿勢判定部134aから、座体220の座面の高さを示す情報を取得し、取得した座体220の座面の高さを示す情報に、導出した推奨差尺を加えることによって、推奨する机の高さを導出する。導出部137は、導出した推奨する机の高さを示す情報を、作成部136aに出力する。
【0086】
(着座姿勢判定システムの動作)
図28図35を参照して、着座姿勢判定システムの動作について、説明する。着座姿勢判定システムの動作を説明するにあたり、着座姿勢判定装置100aの表示部160に表示される画面についても示す。
図28は、第2の実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その10)を示すフローチャートである。
図29は、第2の実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その10)を示す図である。
ステップS201~S202は、前述したステップS1~S2を適用できる。
(ステップS203)
START釦が押された場合には(ステップS202:YES)、作成部136aは、調節の手順を示す画面を作成し、作成した調節の手順を示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「5ステップで調節していきます」と記載された図29の(2)に示される画面を表示する。この画面には、調節が、「(1)基本の座り方」、「(2)背もたれのカーブ」、「(3)座面の高さ」、「(4)座面の奥行き」、「(5)デスク天板の高さ」の順で、調節が行われることが示されている。 以下、前述した第1の実施形態と異なる(1)基本の座り方の調整と、(5)デスク天板の高さの調整とについて、主に説明する。(1)基本の座り方の調整について説明する。
ステップS204~S207は、前述したステップS4、S8~S10を適用できる。
【0087】
図30は、第2の実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その11)を示すフローチャートである。
図31は、第2の実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その11)を示す図である。
ステップS208~S212は、前述したステップS11~S15を適用できる。
前述したように、(2)背もたれのカーブの調整と、(3)座面の高さの調整と、(4)座面の奥行きの調整とについては、第1の実施形態を適応できるため、説明を省略する。
図32は、第2の実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その12)を示すフローチャートである。
図33は、第2の実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その12)を示す図である。
図23のステップS102、S107、又はS108の終了の後に、ステップS311の処理に移行する。
(ステップS311)
作成部136aは、次のステップへ進む画面を作成し、作成した次のステップへ進む画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「ステップ5 次は天板の高さを調整します ※基本の座り方でお待ちください」と記載された図33の(21)に示される画面を表示する。この画像には、着座者が、天板の高さを調節する場合に押されるNEXT釦(測定釦)が表示されている。図32に戻り、説明を続ける。
(ステップS312)
作成部136aは、着座者が基本姿勢で着座するために行う対応を表した画面を作成した場合に、導出部137に、机の高さ導出要求情報を出力する。導出部137は、作成部136aが出力した机の高さ導出要求情報を取得し、取得した机の高さ導出要求情報に基づいて、推奨する机の高さを導出する。導出部137は、座体判定部1343aから座面の高さを示す情報を取得する。
(ステップS313)
導出部137は、座体判定部1343aから座面の高さを示す情報を取得し、取得した座面の高さを示す情報に基づいて、前述した式(4)から、推奨差尺を導出する。
(ステップS314)
導出部137は、導出した推奨差尺に、座面の高さを加えることによって、推奨する机の高さを導出する。導出部137は、導出した推奨する机の高さを示す情報を、作成部136aに出力する。
【0088】
(ステップS315)
作成部136aは、着座姿勢判定部134aから机300の天板の高さの計測結果を取得する。作成部136aは、導出部137が出力した推奨する机の高さを示す情報を取得する。作成部136aは、取得した推奨する机の高さを示す情報と、机300の天板の高さの計測結果とに基づいて、推奨する机の高さが、机の天板の高さの計測結果よりも高いか否かを判定する。
(ステップS316)
作成部136aは、推奨する机の高さが、机300の天板の高さの計測結果よりも高い場合には、机300の高さを高くすることを促す画面を作成し、作成した机の高さを高くすることを促す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「天板高さ:低い デスクの右端にある昇降レバーを上げてください」と記載された図33の(22)に示される画面を表示する。図32に戻り、説明を続ける。作成部136aは、着座者が机300の天板の高さを調節することによって、机の天板の高さが、推奨する机の高さになるまで、机の高さを高くすることを促す画面を、表示部160に表示し続ける。
(ステップS317)
作成部136aは、推奨する机の高さが、机300の天板の高さの計測結果よりも低い場合には、机300の高さを低くすることを促す画面を作成し、作成した机300の高さを低くすることを促す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「天板高さ:高い デスクの右端にある昇降レバーを下げてください」と記載された図33の(23)に示される画面を表示する。図32に戻り、説明を続ける。作成部136aは、着座者が机300の天板の高さを調節することによって、机300の天板の高さが、推奨する机の高さになるまで、机300の高さを低くすることを促す画面を、表示部160に表示し続ける。
(ステップS318)
作成部136aは、天板300の高さが推奨範囲内であることを示す画面を作成し、作成した天板300の高さが推奨範囲内であることを示す情報を、表示部160に表示する。表示部160は、「天板の高さ:推奨範囲内」と記載された図33の(24)に示される画面を表示する。さらに、この画面には、着座者が天板の高さの調整を終了する場合に押されるNEXT釦が表示されている。
【0089】
図34は、第2の実施形態の着座姿勢判定システムの動作の一例(その13)を示すフローチャートである。
図35は、第2の実施形態の着座姿勢判定システムに含まれる着座姿勢判定装置が表示する画面の一例(その13)を示す図である。
(ステップS319)
作成部136aは、全てのステップが終了したことを示す画面を作成し、作成したすべてのステップが終了したことを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「すべてのステップの調節ができました」と記載された図35の(25)に示される画面を表示する。この画像には、椅子200の調節を終了する場合に、着座者が押すEND釦が表示されている。図34に戻り、説明を続ける。
(ステップS320)
着座姿勢判定装置100の作成部136aは、図35の(25)の画面のEND釦が押されたか否かを判定する。作成部136aは、操作部150から椅子200の調整を終了する情報が含まれた操作信号が出力されるか否かを判定することによって、操作信号が出力された場合にはEND釦が押されたと判定し、操作信号が出力されない場合にはEND釦が押されていないと判定する。END釦が押されていない場合には(ステップS319:NO)、表示部160は、図35の(25)の画面を表示し続ける(ステップS318)。
END釦が押された場合には(ステップS319:YES)、作成部136は、椅子200の調整を終了する。
【0090】
(ステップS321)
作成部136aは、測定が終了したことを示す画面を作成し、作成した測定が終了したことを示す画面を、表示部160に表示する。表示部160は、「以上で測定は終了です 座り心地はいかがでしょうか? 好ましい座り姿勢のために これからも椅子の調節機能をご活用ください。」と記載された図35の(26)に示される画面を表示する。この画像には、椅子200の調節を終了する場合に、着座者が押すEND釦が表示されている。図34に戻り、説明を続ける。
(ステップS322)
着座姿勢判定装置100の作成部136aは、図35の(26)の画面のEND釦が押されたか否かを判定する。作成部136aは、操作部150から椅子200の調整を終了する情報が含まれた操作信号が出力されるか否かを判定することによって、操作信号が出力された場合にはEND釦が押されたと判定し、操作信号が出力されない場合にはEND釦が押されていないと判定する。END釦が押されていない場合には(ステップS321:NO)、表示部160は、図35の(26)の画面を表示し続ける(ステップS321)。
END釦が押された場合には(ステップS321:YES)、作成部136は、椅子200の調整を終了する。
【0091】
前述した第2の実施形態では、椅子200の奥行きが、着座者に合っていると判定した場合に、机300の高さを変更することを案内する場合について説明したが、この限りでない。例えば、椅子200の背凭れが、着座者に合っていると判定した場合に、机300の高さを変更することを案内するようにしてもよいし、椅子200の座面の高さが、着座者に合っていると判定した場合に、机300の高さを変更することを案内するようにしてもよい。
前述した第2の実施形態では、着座姿勢判定装置100aが、椅子200の座面の高さから、着座者の体格を推定する場合について説明したが、この限りでない。例えば、着座姿勢判定装置100aは、座面の高さと、座面の奥行きなどの前後位置とのいずれか一方又は両方の結果に基づいて、着座者の体格を推定してもよい。例えば、座面が前方にある場合には、着座者が後傾姿勢で着座していると想定されるため、机300の天板の高さを低くするのが好ましく、座面が後方にある場合には、着座者が前傾姿勢で着座していると想定されるため、机300の天板の高さを高くするのが好ましい。このように構成することによって、ヒールなどの靴底の厚さの違いで生じるおそれがある範囲誤差を吸収できる。
【0092】
前述した第2の実施形態では、着座姿勢判定装置100aが、椅子200と机300とが送信した計測応答を受信する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、椅子200と机300とが、クラウドサーバ(図示なし)へ、計測応答を、定期的に、または、計測値に変化があったときに送信してもよい。クラウドサーバは、椅子200と、机300とが送信した計測応答を受信し、受信した計測応答を記憶することによって、データを最新の状態にしておく。着座姿勢判定装置100aは、計測応答を取得する場合に、クラウドサーバから取得する。
【0093】
第2の実施形態の着座姿勢判定システムによれば、着座姿勢判定装置は、椅子の背凭れの上部に配設され、圧力を計測する第1センサー(実施形態では、センサー11-センサー13)が計測した結果である第1圧力計測値と、背凭れの下部と椅子の座体の後部との少なくとも一方に配設され、圧力を計測する第2センサー(実施形態では、センサー8-センサー10とセンサー14とセンサー15と、センサー5-センサー7のいずれか一方又は両方)が計測した結果である第2圧力計測値と、座体の前側面部に配設され、圧力を計測する第3センサー(実施形態では、センサー0-センサー1)が計測した結果である第3圧力計測値との少なくとも一つを取得する取得部と、取得部が取得した第1圧力計測値と第2圧力計測値と第3圧力計測値との少なくとも一つに基づいて、椅子に着座した着座者の着座姿勢を判定する着座姿勢判定部とを備える。
センサーが、着座者の腰まわりを支持する部位に加え、背凭れの上部と、座体の前側面に配設される。このように構成することによって、着座者の身体の広い範囲を、センサーによってカバーできるため、着座姿勢の判定精度を向上できる。また、座体の前側面に配設されたセンサーによって、着座者の膝裏の圧力を検知できるため、着座姿勢を総合的に判定できる。
また、取得部は、第3圧力計測値を取得し、着座姿勢判定部は、取得部が取得した第3圧力計測値が零である場合には着座者の着座姿勢を判定し、第3圧力計測値が零よりも大きい場合には着座者の着座姿勢を判定しない。膝裏が第3センサーに当たっている場合には、座の前縁から大腿部への圧力が生じている状態であるため、基準姿勢とは異なる姿勢として認定する。このため、膝裏が第3センサーに当たっている場合には、第1圧力計測値と第2圧力計測値とによることなく、センサー着座者が、基本姿勢で着座していないと判断できるため、着座姿勢と判定しないことによって、着座者に、基本姿勢で着座していないことを通知できる。
【0094】
また、取得部は、第1圧力計測値と第2圧力計測値とを取得し、着座姿勢判定部は、第1圧力計測値と第2圧力計測値とのいずれか一方又は両方に基づいて、着座者の着座姿勢を判定する。第1圧力計測値と第2圧力計測値とのいずれか一方又は両方に基づいて、着座者の着座姿勢を判定するため、第1センサーと第2センサーとのうち少なくとも一方が圧力を検知していない場合にも、着座姿勢を判定する。このため、着座者の背中の上部と腰回りとが背凭れと座体とに接していない状態を基準姿勢から外すことができる。このため、着座姿勢の判定を効率的に行うことができる。
また、取得部は、第2圧力計測値を取得し、着座姿勢判定部は、第2圧力計測値に基づいて、背凭れが、着座者に合っているか否かを判定する。第2センサーは、背凭れの下部と座体の後部との少なくとも一方に配設されているので、前後方向に離間する着座者の臀部と背中の下部とのいずれか一方又は両方から入力される荷重を確実に検知することができる。このため、着座姿勢の判定精度を向上させることができる。
また、取得部は、第2圧力計測値と、座体の前部に配設され、圧力を計測する第4センサー(実施形態では、センサー2-センサー4)が計測した結果である第4圧力計測値とを取得し、着座姿勢判定部は、第2圧力計測値と第4圧力計測値とに基づいて、座の高さが、着座者に合っているか否かを判定する。
第4センサーをさらに備えるので、座面上の圧力をさらに正確に検知することができる。
【0095】
また、取得部は、第2圧力計測値と、座体の前部に配設され、圧力を計測する第4センサー(実施形態では、センサー2-センサー4)が計測した結果である第4圧力計測値とを取得し、着座姿勢判定部は、第2圧力計測値と第4圧力計測値とによって正規化した第2圧力計測値と第4圧力計測値とに基づいて、座体の座面の奥行きが、着座者に合っているか否かを判定する。
正規化した第2圧力計測値と第4圧力計測値とに基づいて、座体の座面の奥行きが、着座者に合っているか否かを判定するため、複数の着座者ごとの体重の差異に影響されることなく、着座者の身体の範囲内の相対的な圧力値の差異を検知することができる。
【0096】
また、机の高さの変更を促す情報を作成する作成部を備える。
また、座面の高さと、座面の前後位置とのいずれか一方又は両方に基づいて、机の高さを導出する導出部を備え、作成部は、導出部が導出した机の前記高さに基づいて、机の高さの変更を促す情報を作成する。よい姿勢で仕事をするためには机の高さも重要である。椅子の座面の高さが設定されれば、着座者の大まかな体格を推定することができる。このため、椅子の座面の高さを設定することによって推定される着座者の体格に合わせて、机の高さ推奨することによって、着座者により良い姿勢をとることを促すことができる。
【0097】
以上、実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組合せを行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
なお、上述した着座姿勢判定装置100、着座姿勢判定装置100a、椅子200の計測制御部212は、コンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、各機能ブロックの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録する。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、CPUが実行することで実現してもよい。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器などのハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROMなどの可搬媒体のことをいう。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクなどの記憶装置を含む。
【0098】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含んでいてもよい。短時間の間、動的にプログラムを保持するものは、例えば、インターネットなどのネットワークや電話回線などの通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線である。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、サーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。また、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。また、上記プログラムは、プログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。プログラマブルロジックデバイスは、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)である。
【0099】
なお、上述の着座姿勢判定装置100、着座姿勢判定装置100a、椅子200の計測制御部212は内部にコンピュータを有している。そして、上述した着座姿勢判定装置100、椅子200の計測制御部212の各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。
ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどをいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0100】
8a…湾曲形状変更手段、10a…着座姿勢判定システム、20…受面構成部、23…突出部、41…移動端部、50…ネットワーク、52…操作部材、100、100a…着座姿勢判定装置、110…通信部、130、130a…情報処理部、132…取得部、134、134a…着座姿勢判定部、1341…基本姿勢判定部、1342…背凭れ判定部、1343、1343a…座体判定部、136、136a…作成部、137…導出部、140、140a…記憶部、141…プログラム、142、142a…アプリ、150…操作部、160…表示部、200…椅子、210…支持構造体、212…計測制御部、214…通信部、216…情報処理部、218…入出力I/F、220…座体、230…背凭れ、0~15…センサー、300…机、314…通信部、316…情報処理部、318…センサー
図1
図2
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