(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】首掛け式菓子
(51)【国際特許分類】
B65D 75/56 20060101AFI20240110BHJP
A23G 3/00 20060101ALI20240110BHJP
A23G 3/34 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B65D75/56
A23G3/00
A23G3/34 102
(21)【出願番号】P 2019163146
(22)【出願日】2019-09-06
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】502200874
【氏名又は名称】有限会社みずの
(74)【代理人】
【識別番号】100110722
【氏名又は名称】齊藤 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100213540
【氏名又は名称】鈴木 恵庭
(72)【発明者】
【氏名】水野 貴之
【審査官】吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】実公昭43-007900(JP,Y1)
【文献】特開2004-347733(JP,A)
【文献】特開2001-039448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/56
A23G 3/00
A23G 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
菓子を収納した包材に紐を取り付けることにより首に掛けることができるようにした首掛け式菓子において、
前記紐の両端部をそれぞれ前記包材の縁部に別々に取り付けると共に、前記紐のいずれか一方の端部又は両端部を所定の力が加わった際に容易に前記包材から離断可能とした
ものであり、
前記包材における前記紐の取付部には、前記紐の何れか一方の端部又は両端部を挿通するための円孔を有した二つ折りの抽選紙が配置され、
前記二つ折りの抽選紙の材質は、前記首掛け菓子のユーザが前記紐を引っ張って前記包材から離断すると前記円孔の周囲の何れかの向きに切れ込みが生じるような材質であり、
前記二つ折りの抽選紙の内側には、切れ込みの向きごとに異なる抽選結果が印刷され、
前記紐を引っ張る前記ユーザが抽選結果に関与できるようにしたことを特徴とする首掛け式菓子。
【請求項2】
請求項1に記載の首掛け菓子において、
前記二つ折りの抽選紙は、前記包材の隅に頂部が位置するようにして挿入された三角くじである
ことを特徴とする首掛け菓子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の首掛け式菓子において、
前記縁部において前記紐の両端部の取り付け先である
前記取付部は、菓子が収納される密封された収納部とは区分されていることを特徴とする首掛け式菓子。
【請求項4】
請求項
1から3のいずれか1項に記載の首掛け菓子において、
前記首掛け菓子は、表彰用メダルを模した形状とされていることを特徴とする首掛け式菓子。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか1項に記載の首掛け菓子において、
前記菓子がどら焼きであることを特徴とする首掛け式菓子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包材に収納された首掛け式菓子に関し、さらに詳しくは、菓子を収納した包材に紐を取り付けることにより首に掛けることができるようにした首掛け式菓子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、菓子を収納した包材にネックストラップを取り付けることにより首に掛けることができるようにしたネックストラップ付き金メダルクッキーが製造・販売されている(非特許文献1等を参照)。また開封済みの菓子袋の口を閉じて首に掛けて携帯するための菓子袋ホルダーも既に提案されている(特許文献1等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【文献】ストラップ及び菓子 インターネット検索 Rakuten「ネックストラップ付き金メダルクッキー」[2019.03.29検索]、https://item.rakuten.co.jp/crepe/gmst/
【文献】安全なネックストラップで、予期せぬ事故を防止しましょう![2017.08.23](J&Cサプライ株式会社) https://neck-strap.jp/9587/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、子供の首に掛けられたストラップが子供の背丈よりも高い位置にあるドアノブなどの突起物に引っかかり、ストラップが首に巻き付くという事故が発生し得ることが判明した。また、自動ドア、電車の戸袋、エレベーターの扉、原付自転車の車輪などの機械にネックストラップが巻き込まれた場合には大人の体重相当以上の大きな力が掛かるため、たとえ大人であってもこれを外すことはできず危険である。
【0006】
因みに、カードホルダなどに取り付けられるネックストラップの中にはこのような事故の防止を目的として安全パーツを具備したもの存在している(非特許文献2等を参照)。この安全パーツは、ストラップの接続部などに設けられる例えばプラスチックやマグネットなどの部品であり、一定以上の力が加わった場合に分離できるような仕組みとなっている。しかしながら、クッキーやチョコレートなどの菓子に安全パーツのような部品を設けることは菓子自体の価格と比して高コストであるため、あまり適していない。
【0007】
そこで、本発明の目的は、コストの増大を抑えつつ安全性を高めることのできる首掛け式菓子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、菓子を収納した包材に紐を取り付けることにより首に掛けることができるようにした首掛け式菓子において、前記紐の両端部をそれぞれ前記包材の縁部に別々に取り付けると共に、前記紐のいずれか一方の端部又は両端部を所定の力が加わった際に容易に前記包材から離断可能としたことを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の何れかの首掛け式菓子において、前記縁部において前記紐の両端部の取り付け先である取付部は、菓子が収納される密封された収納部とは区分されていてもよい。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の何れかの首掛け式菓子において、前記取付部には保持部材が配置されていてもよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の何れかの首掛け式菓子において、前記保持部材は、二つ折りにされた台紙であって、その台紙の内側には所定の情報が印刷されていてもよい。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の何れかの首掛け菓子において、前記首掛け菓子は、表彰用メダルを模した形状とされていてもよい。
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の何れかの首掛け菓子において、前記菓子がどら焼きであってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る首掛け式菓子によれば、紐の両端部をそれぞれ包材の縁部に別々に取り付けており、紐の一端と他端とが互いに結ばれることがないので、仮にドアノブなどの突起物に紐が引っかかったとしても、紐の結び目が固く締まって解けなくなるという事態を回避することができる。しかも、紐のいずれか一方の端部又は両端部を所定の力が加わった際に容易に包材から離断可能としたので、ループ状の紐が簡単にストレート状に戻るという利点がある。しかも、このような紐は、プラスチックやマグネットなどの安全パーツを要しないので、低コストである。したがって、本発明に係る首掛け式菓子によれば、コストの増大を抑えつつ安全性を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1(A)は、首掛け式菓子の一実施形態の斜視図、
図1(B)は、
図1(A)のX-X断面図である。
【
図2】
図2は、紐の挿入方法を説明する斜視図である。
【
図3】
図3は、紐を結ぶ方法を説明する斜視図である。
【
図4】
図4は、紐の結び目を説明する斜視図である。
【
図5】
図5は、首掛け式菓子を首に掛けた様子を示す図である。
【
図6】
図6は、首掛け式菓子の変形例を説明する正面図である。
【
図7】
図7は、紐を結ぶ方法の変形例を説明する図である。
【
図8】
図8は、紐を引っ張る方向の一例を説明する図である。
【
図9】
図9は、切れ込みが入った首掛け式菓子の一例を説明する図である。
【
図10】
図10は、二つ折りにされた台紙を説明する図である。
【
図11】
図11は、台紙の内側に挟み込まれた補助紙の一例を説明する図である。
【
図12】
図12は、台紙の内側に挟み込まれた補助紙の別の例を説明する図である。
【
図13】
図13は、台紙の内側に印刷された情報と切れ込み方向との関係を説明する図である。
【
図14】
図14は、台紙の内側に印刷された情報と切れ込み方向との関係を説明する別の図である。
【
図15】
図15は、台紙の内側に印刷された別の情報を説明する図である。
【
図16】
図16(A),(B),(C)は、台紙の輪郭の変形例を説明する図である。
【
図17】
図17は、複数の菓子を首飾り状に連結した変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る首掛け式菓子の好ましい一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(A)は首掛け式菓子の一実施形態の斜視図、
図1(B)は、
図1(A)のX-X断面図、
図2は紐の挿入方法を説明する斜視図、
図3は紐を結ぶ方法を説明する斜視図、
図4は紐の結び目を説明する斜視図、
図5は首掛け式菓子を首に掛けた様子を示す図である。
【0017】
図示されるとおり、本実施形態に係る首掛け式菓子1は、菓子2を収納した袋状の透明フィルムなどの包材3に(
図1)、織布リボン等で構成された紐4(
図2)を取り付けることにより、首に掛けることができるようにしたものである(
図5)。この紐4の両端部4A,4Aは、それぞれ包材3の縁部に別々に取り付けられており(
図2~
図4)、紐4のいずれか一方の端部4A又は両端部4A,4Aは、所定の力(菓子2の重量相当より大きく子供の体重相当より小さい力)が加わった際に容易に包材3から離断可能とされている。
【0018】
ここで、包材3の縁部において紐4の両端部の取り付け先である平面視三角形状の取付部3Aは、菓子2が収納される密封された収納部3Bとは区分されており、この取付部3Aには平面視三角形状のボール紙などの保持部材3Dが台紙として配置されている。この保持部材3Dの配置により、取付部3Aに一定の強度を付与することができる。また、このように台紙を収容する取付部3Aを菓子2の収納部3Bと区分しておくことで、台紙である保持部材3Dを滅菌する必要性がなくなる。よって、首掛け式菓子1のコストを抑えつつ取付部3Aの強度を確保することができる。
【0019】
また、首掛け菓子1は、表彰用メダルを模した形状とすることができる(
図5)。そして、これに収納される菓子2は、例えばせんべい、クッキー、どら焼き等適宜のものとすることができる。特にどら焼きは、表彰用メダルと同様の円盤状をしており、その色はクリーム色、黄色、又は茶色等であって、表彰用メダルの色に似ている。また、どら焼きの表面に例えば「金(ゴールド)」、「銀(シルバー)」、「銅(ブロンズ)」などの文字を焼印で刻印したり、どら焼きの表面にメダル表面を模した柄を焼印で刻印したりすれば、どら焼きの外観を表彰用メダルにより近づけることができる。このようにして菓子2の外観を表彰用メダルに近づければ、首掛け菓子1の表彰用メダル玩具としての価値が高まる。
【0020】
次に、首掛け式菓子1の製造方法について説明する。
(1)先ず、製造者は、平面視三角形状の台紙である保持部材3Dを準備し、この保持部材3Dの頂部が奥に位置するようにして袋状の透明フィルムである包材3の隅へ挿入する(ステップ1)。この保持部材3Dの配置先が取付部3Aとなる。
【0021】
(2)次に、製造者は、包材3のうち取付部3Aと収納部3Bとの境界となる部分3F(保持部材3Dの底辺部側)を、ヒートシーラーで溶着する(ステップ2)。
【0022】
(3)次に、製造者は、包材3の収容部3Bとなる部分へ脱酸素剤2B及び菓子2を挿入してから、包材3の開け口側3Gをヒートシーラーで溶着する。これによって、収容部3Bは、脱酸素状態で密閉される(ステップ3)。なお、脱酸素剤2Bは省略することも可能である。
【0023】
(4)また、製造者は、保持部材3Dを収容した取付部3Aに穴あけパンチなどで2つの円孔3E,3Eを形成する。円孔3E,3Eの並び方向は、平面視三角形状の保持部材3Dの底辺に沿った方向である。本実施形態では、これら円孔3E,3Eへ紐4が挿通される(ステップ4)。
【0024】
(5)次に、製造者は、紐4の両端部4A,4Aを2つの円孔3E,3Eへ別々に挿通し(
図2)、両端部4A,4
Aの各々に結び目を作り(
図3)、紐4を適度な強度(子供の体重よりも十分に軽い強度)で引くことで(
図4)、首掛け式菓子1を完成させて出荷する(ステップ5)。
【0025】
なお、円孔3E,3Eのサイズと、紐4の太さとの関係は、予め最適に設定されており、紐4の何れかの箇所を一定以上の力(菓子2の重量相当より大きく子供の体重相当より小さい力)で引っ張った場合には、端部4Aの結び目が円孔3Eを通過するか、又は端部4Aの結び目が円孔3Eの側壁との摩擦によって解けるようになっている。
【0026】
また、首掛け式菓子1を量産する場合などには、上述したステップ3をステップ4の後段又はステップ5の後段に実行してもよい。また、ステップ5の少なくとも一部は、製造者が実行する代わりに販売者又は購入者が実行してもよい。
【0027】
また、包材3は、脱酸素包装酸素吸収性多層フィルムなどで構成されてもよい。また、上述した説明では収納部3Bを脱酸素状態としたが、収容部3Bを消毒、殺菌作用のあるガスで満たしてもよい。
【0028】
以下、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る首掛け式菓子1によれば、紐4の両端部4A,4Aをそれぞれ包材3の縁部の2箇所(円孔3E,3E)に別々に取り付けており、紐4の一端4Aと他端4Aとが互いに結ばれることがないので、仮にドアノブなどの突起物に紐4が引っかかったとしても、紐4の結び目が固く締まって解けなくなるという事態を回避することができる。しかも、紐4のいずれか一方の端部4A又は両端部4A,4Aを、所定の力(菓子2の重量相当より大きく子供の体重相当より小さい力)が加わった際に容易に包材3から離断可能としたので、ループ状になっていた紐4が簡単にストレート状に戻るという利点がある。しかも、このような紐4は、プラスチックやマグネットなどの安全パーツを要しないので、低コストである。したがって、本実施形態に係る首掛け式菓子1によれば、コストの増大を抑えつつ安全性を高めることができる。
【0029】
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0030】
例えば、上述した取付部3Aの形状は、平面視三角形状に限定されることはなく
図6に示すような平面視短冊状などとすることもできる。
図6では
図1に示すものと同じ機能を有した部分には同一の符号を付している。
図6において符号8で示す部分は、袋状のフィルムである包材3の折り返し部である。
【0031】
また、上記実施形態では包材3を透明としたが、包材3を不透明としてその外観を表彰用メダル状に似せてもよい。また、包材3に表彰用メダルの絵柄をプリントしたり、表彰用メダルの絵柄をプリントしたシートを包材3に貼り付けてもよい。また、包材3としては、上述した袋状のフィルムの他に、紙製の箱やプラスチック製の容器などを用いることもできる。
【0032】
また、上記実施形態では、紐4の端部4Aを包材3に取り付けるために、円孔3Eに挿通された紐4の端部4Aに結び目を作ったが(
図3参照)、円孔3Eに挿通された紐4の先端部4Aを
図7に示すように紐4の根元側へゆるやかに結び付けてもよい。なお、
図7では紐4の一方の端部4Aしか描いていないが他方の端部4Aも同様である。
【0033】
また、上記実施形態では、包材3から紐4が容易に離脱できるようにするために、紐4の端部4Aを意図的に解けやすくしたが、紐4の端部4Aが解けずとも紐4が容易に離脱できるように、円孔3Eの強度を意図的に弱くしてもよい。例えば、紐4が引っ張られた際に円孔3Eが容易に破れるよう、円孔3Eの位置を台紙(保持部材3D)の端部ぎりぎりの位置にしてもよい。
【0034】
また、台紙(保持部材3D)の材質は紙に限定されることはなく、プラスチック、金属など他の材質であってもよい。また、包材3の強度が適当であるならば、台紙(保持部材3D)自体を省略することも可能である。また、台紙(保持部材3D)を省略した場合は、取付部3Aの強度を維持するために、取付部3Aにおける包材3の構造を二重構造(4層のフィルム層)にしてもよい。そのために例えば透明フィルムからなる包材3を二重に折り畳んでからヒートシーラーで溶着して透明な取付部3Aを形成してもよい。
【0035】
また、台紙(保持部材3D)は強度を確保するために例えば二つ折りにしても良く、この場合、台紙(保持部材3D)の内側に占いやメッセージ或いは抽選に関する所定の情報を予め印刷しておくことで楽しさを加えることができる。
以下、抽選機能を有した首掛け式菓子の一実施形態について説明する。この実施形態は、上述したいずれかの実施形態の変形例である。ここでは
図8に示されるとおり包材3及び保持部材3D(ここでは台紙とする。)に形成された円孔3Eの個数を「1」とし、紐4の一端4Aが円孔3Eへ挿通して紐4の根元へ結び付けられており、紐4の他端4Aも同じ円孔3Eへ挿通して紐4の根元へ結び付けられる。また、首掛け式菓子の購入者(子供)が一定の力(菓子2の重量相当より大きく子供の体重相当より小さい力)で紐4を引っ張って包材3から離断すると、台紙3D及び包材3が例えば
図9に示すとおりに破れるので、台紙3Dを包材3の外部へ取り出すことができる(
図10(A))。
【0036】
ここで、本実施形態の台紙3Dは、包材3に収められた状態では
図10(A)に示されるとおり二つ折りにされ平面視三角形状となっている。そして、台紙3Dを包材3の外部へ取り出すと、
図10(B),(C)に示されるとおり拡げることが可能となる。拡げられた状態における台紙3Dの輪郭は平面視正方形状である。
【0037】
この台紙3Dの内側には、台紙3Dと同型同大であって例えば台紙3Dよりも薄い紙である補助紙3D’(
図11,
図12)が台紙3Dと同様に二つ折りされた状態で予め挟み込まれている。
図11、
図12に示すとおり補助紙3D’には抽選結果を示す情報(「あたり」、「はずれ」、「大吉」、「中吉」、「小吉」、「凶」、「大凶」などの文字)が印刷されている。なお、補助紙3D’は台紙3Dの補強のために付加されるものであってもよい。
【0038】
この補助紙3D’を取り外すと、
図13、
図14に示されるとおり台紙3Dの内側の面が露出する。この内側の面には、詳細な抽選結果を示す情報(「ヒット」、「ホームラン」、「2ベース」などの文字)が印刷されている。つまり、本実施形態では、二つ折りされた台紙3D及び補助紙3D’がいわゆる三角くじとして用いられる。
【0039】
図13、
図14の例では、台紙3Dに生じた切れ込み3Fの向きごとに抽選結果が印刷されている。例えば、切れ込み3Fの向きが左上である場合の抽選結果として「ヒット」の文字が印刷され、切れ込み3Fの向きが上である場合の抽選結果として「ホームラン」の文字が印刷され、切れ込み3Fの向きが右上である場合の抽選結果として「2ベース」の文字が印刷されている。
【0040】
図13の例では切れ込み3Fの向きが左上であるから抽選結果は「ヒット」であり、
図14の例では切れ込み3Fの向きが右上であるから抽選結果は「2ベース」である。このようにすれば、紐4を引っ張るユーザ(子供)が抽選結果へ少なからず関与できるので、単なる三角くじよりも興趣性を高めることができる。なお、
図13,
図14では3通りの切れ込みの向きを突起付きの円形マークで表したが、矢印マークなどの他のマークで表してもよい。
【0041】
また、ここでは台紙3Dに印刷される抽選結果を野球用語で表したが、
図15に示されるとおりサッカー用語で表してもよい。
図15に示される例では、「ゴール」、「セーブ」、「セーブ」などのサッカー用語が印刷されている。
【0042】
また、ここでは二つ折りにした台紙3D及び補助紙3D’が過不足無く重なるように台紙3D及び補助紙3D’の輪郭形状を、折り目に関して対称な形状としたが、例えば
図16(A),(B),(C)に示すとおり非対称な形状としてもよい。
【0043】
図16(A)の例は、折り目を挟んで一方の側(ヒレ部)3Hの頂部の高さを予め低くしておくことで他方の側(ヒレ部)3Gの頂部に重ならないようにし、両者の非重複部分に円孔3Eを形成したものである。
【0044】
図16(B)の例は、折り目を挟んで一方の側(ヒレ部)3Hの頂部を予め平坦にしておくことで他方の側(ヒレ部)3Gの頂部に重ならないようにし、両者の非重複部分に円孔3Eを形成したものである。
【0045】
図16(C)の例は、折り目を挟んで一方の側(ヒレ部)3Hの頂部を予め凹ませておくことで他方の側(ヒレ部)3Gの頂部に重ならないようにし、両者の非重複部分に円孔3Eを形成したものである。
【0046】
これら
図16(A),(B),(C)のように、台紙3D及び補助紙3D’の一方の側(ヒレ部)3Hと他方の側(ヒレ部)Gとの非重複部分に円孔3Eを形成すれば、紐4の取付先の紙の厚さを薄くすることができるので、紐4を離断するために要する力を抑えることができる。
【0047】
なお、実施形態の紐4へ複数の菓子2を下げて首飾りを構成してもよい(例えば
図17を参照)。この場合、紐4の端部に連結された菓子2の包材3(
図17の矢印参照)が容易に離断可能になっていればよい。
【0048】
なお、実施形態の紐は、包材の縁部へ直接的に取り付けられてもよいし、縁部に貼付されたシールを介して取り付けられてもよい。その場合は、紐の両端部をそれぞれシールに設けられた1又は複数の孔へ別々に取り付けてもよい。そして、紐のいずれか一方の端部又は両端部を所定の力が加わった際に容易にシールから離断可能になっていればよい。また、貼付したシールの中に、強度向上の為にボール紙を挟み込んでもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 首掛け式菓子
2 菓子
2B 脱酸素剤
3 包材
3A 取付部
3B 収納部
3D 保持部材
3G 包材の溶着部
3E 円孔
3F 包材の溶着部
3H 開封用の切り欠き部
4 紐
4A 端部
8 折り返し部
3D’ 補助紙
3F 切れ込み
3H ヒレ部
3G ヒレ部