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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】検索ワード支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/00 20180101AFI20240110BHJP
   G06F 16/953 20190101ALI20240110BHJP
【FI】
G16H50/00
G06F16/953
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019184897
(22)【出願日】2019-10-08
(65)【公開番号】P2021060832
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】518189390
【氏名又は名称】MedQuery株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(72)【発明者】
【氏名】織田 聡
(72)【発明者】
【氏名】村山 敏泰
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-511873(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154711(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0181648(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索サイトを有するコンピュータにて用いられるプログラムであって、
Web検索を行うユーザから検索ワードの入力を受け付け、
受け付けた前記検索ワードが、予め定められた医療選別の対象となるワードであるか否かを判定し、
前記検索ワードが予め定められた医療選別の対象となるワードであると判定された場合に、次に取るべき手段へユーザを誘導するための医療選別プロトコルに従って動作し前記検索サイトの検索候補として医療選別ワードを選定する、
プログラム。
【請求項2】
前記医療選別ワードは、重症化するまでの時間が短ければ高くなる緊急度に応じて選定されることを特徴とする請求項記載のプログラム。
【請求項3】
前記医療選別ワードの前記緊急度に応じた選定は、救急車を用いて直ちに受診が必要な緊急状態、受診が必要な準緊急状態、翌日の受診でも構わない低緊急状態、および家庭での経過観察での受診を勧める非緊急状態、の少なくとも何れか一つを含む緊急度から選定がなされることを特徴とする請求項記載のプログラム。
【請求項4】
前記医療選別ワードは、病院の選定および薬の選定の少なくとも何れか一つにユーザを誘導するために用いられることを特徴とする請求項記載のプログラム。
【請求項5】
前記医療選別ワードは、医療に関するサービス、医療に関する商品、および医療に関するECサイトの少なくとも何れか一つへユーザを誘導するために用いられることを特徴とする請求項記載のプログラム
【請求項6】
前記医療選別ワードの選定は、Web検索にて検索頻度が高いものとして出力される検索候補に比べて検索頻度の低いものであっても、前記ユーザが次に取るべき医療手段を誘導するためであれば、当該医療選別ワードとして優先的に選定することを特徴とする請求項記載のプログラム
【請求項7】
前記医療選別ワードは、症状または何れかの症状と組み合わせるキーワードであることを特徴とする請求項記載のプログラム
【請求項8】
検索サイトでWeb検索を行うユーザから検索ワードの入力を受け付け、
受け付けた前記検索ワードが、予め定められた医療選別の対象となるワードであるか否かを判定し、
前記検索ワードが予め定められた医療選別の対象となるワードであると判定された場合に、次に取るべき手段へユーザを誘導するための医療選別プロトコルに従って前記検索サイトの検索候補として医療選別ワードを選定し、
選定された前記医療選別ワードを前記ユーザの端末に出力する
ことを特徴とする検索ワード支援方法。
【請求項9】
前記検索サイトより提供される前記ユーザの位置に関する位置情報を取得し、
前記医療選別ワードの選定は、前記ユーザが次に取るべき医療手段を誘導するためのものであるとともに、取得した前記位置情報を用いて当該医療選別ワードを選定することを特徴とする請求項記載の検索ワード支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索ワード支援方法、検索ワード支援装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等における検索操作を支援する技術として、例えば、特許文献1には、入力欄から検索履歴表示要求もしくは文字入力を受け付けた場合に、検索履歴情報もしくは入力補助情報を取得し、取得した検索履歴情報もしくは入力補助情報に基づいて、検索履歴リストもしくは入力候補リストを入力欄に並べて表示し、検索履歴リストもしくは入力候補リストから選択された項目についての検索結果を取得し、取得した検索結果に基づいて、検索履歴リストもしくは入力候補リストに並べて検索結果リストを表示し、検索結果リストから選択された項目についての要約を検索結果リストに並べて表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5230715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ユーザがWebサイトに検索ワードを入力して検索する場合、検索ワードに関連する検索候補として、検索頻度の高いワードを優先的に表示する場合がある。ただし、検索頻度の高いワードは、医学的な見地で選定されるものではないため、例えば何らかの医療手段を取るべきユーザが検索を行う場合、そのユーザが次に取るべき医療手段を選別するための医療選別ワードが検索候補として表示されるとは限らなかった。
本発明の目的は、検索候補として、検索頻度の高いワードのみを表示する構成と比較して、ユーザが次に取るべき医療手段を選別し易くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、検索サイトを有するコンピュータにて用いられるプログラムであって、Web検索を行うユーザから検索ワードの入力を受け付け、受け付けた前記検索ワードが、予め定められた医療選別の対象となるワードであるか否かを判定し、前記検索ワードが予め定められた医療選別の対象となるワードであると判定された場合に、次に取るべき手段へユーザを誘導するための医療選別プロトコルに従って動作し前記検索サイトの検索候補として医療選別ワードを選定する、プログラムである。
請求項に記載の発明は、前記医療選別ワードは、重症化するまでの時間が短ければ高くなる緊急度に応じて選定されることを特徴とする請求項記載のプログラムである。
請求項に記載の発明は、前記医療選別ワードの前記緊急度に応じた選定は、救急車を用いて直ちに受診が必要な緊急状態、受診が必要な準緊急状態、翌日の受診でも構わない低緊急状態、および家庭での経過観察での受診を勧める非緊急状態、の少なくとも何れか一つを含む緊急度から選定がなされることを特徴とする請求項記載のプログラムである。
請求項に記載の発明は、前記医療選別ワードは、病院の選定および薬の選定の少なくとも何れか一つにユーザを誘導するために用いられることを特徴とする請求項記載のプログラムである。
請求項に記載の発明は、前記医療選別ワードは、医療に関するサービス、医療に関する商品、および医療に関するECサイトの少なくとも何れか一つへユーザを誘導するために用いられることを特徴とする請求項記載のプログラムである。
請求項に記載の発明は、前記医療選別ワードの選定は、Web検索にて検索頻度が高いものとして出力される検索候補に比べて検索頻度の低いものであっても、前記ユーザが次に取るべき医療手段を誘導するためであれば、当該医療選別ワードとして優先的に選定することを特徴とする請求項記載のプログラムである。
請求項に記載の発明は、前記医療選別ワードは、症状または何れかの症状と組み合わせるキーワードであることを特徴とする請求項記載のプログラムである。
請求項8に記載の発明は、検索サイトでWeb検索を行うユーザから検索ワードの入力を受け付け、受け付けた前記検索ワードが、予め定められた医療選別の対象となるワードであるか否かを判定し、前記検索ワードが予め定められた医療選別の対象となるワードであると判定された場合に、次に取るべき手段へユーザを誘導するための医療選別プロトコルに従って前記検索サイトの検索候補として医療選別ワードを選定し、選定された前記医療選別ワードを前記ユーザの端末に出力することを特徴とする検索ワード支援方法である。
請求項9に記載の発明は、前記検索サイトより提供される前記ユーザの位置に関する位置情報を取得し、前記医療選別ワードの選定は、前記ユーザが次に取るべき医療手段を誘導するためのものであるとともに、取得した前記位置情報を用いて当該医療選別ワードを選定することを特徴とする請求項記載の検索ワード支援方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、検索候補として、検索頻度の高いワードのみを表示する構成と比較して、ユーザが次に取るべき医療手段を選別し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施の形態に係るシステムの全体構成例を示した図である。
図2】本実施の形態に係る検索サーバのハードウェア構成例を示した図である。
図3】本実施の形態に係る検索サーバの機能構成例を示したブロック図である。
図4】検索サーバが検索候補を出力する処理手順の一例を示したフローチャートである。
図5】医療選別ワードDBの一例を示す図である。
図6】(A)、(B)は、医療選別ワードDBの一例を示す図である。
図7】(A)~(C)は、医療選別ワードDBの一例を示す図である。
図8】(A)~(D)は、検索候補を出力する処理の具体例を説明するための図である。
図9】(A)は、検索結果の一例を示す図である。(B)は、検索結果の他の例を示す図である。
図10】(A)、(B)は、医療選別ワードの他の表示例を示す図である。
図11】(A)、(B)は、医療選別ワードの他の表示例を示す図である。
図12】(A)、(B)は、医療選別ワードの他の表示例を示す図である。
図13】(A)~(D)は、医療選別ワードをClosed Questionの形式で表示する場合の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0009】
<情報処理システムの全体構成>
図1は、本実施の形態に係るシステムの全体構成例を示した図である。図示するように、本実施の形態に係るシステムでは、検索サーバ100とユーザ端末200とがネットワーク300を介して接続される。
【0010】
検索サーバ100は、Webサイトを用いた情報の検索(即ち、Web検索)を受け付けるWebサイト(以下、「検索サイト」と称する)を公開するサーバ装置である。例えば、検索サーバ100は、ユーザ端末200からの要求に応じて、検索サイトの画像データを提供したり、検索結果のデータを提供したりする。そして、詳細は後述するが、検索サーバ100は、ユーザが入力した検索ワードから、医療選別ワードを選定し、選定した医療選別ワードを検索ワードに関連させて、検索候補としてユーザ端末200に表示出力させる処理を行う。なお、検索ワードとは、検索対象の言葉である。
【0011】
ここで、医療選別とは、ユーザが次に取るべき医療手段を選別することをいう。言い換えると、ユーザが次にどのような医療手段を取るべきか、ということを提案するためのレベル分けである。例えば、医療では、直ちに病院での受診が必要な状態にあるユーザもいれば、翌日の受診でも構わない状態にあるユーザもいる。医療選別は、このような個々のユーザの状況に応じて、例えば、直ちに病院で受診するという医療手段を選別したり、翌日の受診でも構わないという医療手段を選別したりするものである。
また、医療選別ワードとは、検索ワードに関連して医療選別に用いられる言葉をいう。例えば、直ちに病院で受診するという医療手段を選別するためのワードや、翌日の受診でも構わないという医療手段を選別するためのワードである。
【0012】
なお、本実施の形態に係る検索サイトは、情報の検索を受け付けるWebサイトであればよく、例えば、検索エンジンとして機能するWebサイトや、EC(Electronic Commerce)サイトのように複数の商品の中から特定の商品を検索するWebサイトが含まれる。
また、本実施の形態において、検索サーバ100は、検索支援ワード支援装置の一例として用いられる。
【0013】
ユーザ端末200は、ユーザが操作するコンピュータ装置である。ユーザ端末200としては、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等が例示される。ユーザ端末200は、ユーザの操作を基にWebブラウザを起動させて、検索サーバ100が提供する検索サイトにアクセスする。そして、ユーザから検索ワードの入力を受け付けると、入力された検索ワードを検索サーバ100に送信する。また、検索サーバ100から医療選別ワードを受信し、受信した医療選別ワードを、検索ワードに関連させて検索候補として表示出力する。
【0014】
ネットワーク300は、検索サーバ100とユーザ端末200との間の情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネット、公衆回線等である。
【0015】
<検索サーバのハードウェア構成>
図2は、本実施の形態に係る検索サーバ100のハードウェア構成例を示した図である。
図示するように、検索サーバ100は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)101と、BIOS(Basic Input Output System)等のプログラムを記憶する記憶領域であるROM(Read Only Memory)102と、プログラムの実行領域であるRAM(Random Access Memory)103とを備える。また、検索サーバ100は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種プログラム、各種プログラムに対する入力データ、各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域であるHDD(Hard Disk Drive)104を備える。そして、ROM102やHDD104等に記憶されたプログラムが、RAM103に読み込まれてCPU101に実行されることにより、検索サーバ100の機能が実現される。
さらに、検索サーバ100は、外部との通信を行うための通信インタフェース(通信I/F)105と、ディスプレイ等の表示機構106と、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力デバイス107とを備える。
【0016】
なお、本実施の形態において、ROM102、RAM103、HDD104は、メモリの一例として用いられる。また、CPU101は、プロセッサの一例として用いられる。
また、ユーザ端末200のハードウェア構成の一例として、図2に示すハードウェア構成と同様のものが例示される。
【0017】
<検索サーバの機能構成>
図3は、本実施の形態に係る検索サーバ100の機能構成例を示したブロック図である。検索サーバ100は、検索ワード取得部111と、通常検索候補選定部112と、通常検索候補データベース(以下、「通常検索候補DB」と称する)113と、医療選別プロトコル部114と、医療選別ワードデータベース(以下、「医療選別ワードDB」と称する)115と、検索候補出力部116と、検索実行指示受付部117と、検索実行部118と、検索結果出力部119とを備える。
【0018】
検索ワード取得部111は、ユーザ端末200から、ユーザがユーザ端末200に入力した検索ワードを取得する。
【0019】
通常検索候補選定部112は、通常検索候補DB113を参照して、検索ワード取得部111が取得した検索ワードに関連する検索候補を選定する。ここで選定される検索候補は、一般にサジェスト機能と呼ばれる従来の手法により選定されるワードである。
【0020】
例えば、通常検索候補選定部112は、検索サイトに検索ワードが入力されて検索が行われると、その入力された検索ワードを検索履歴として、通常検索候補DB113に記憶する機能を有している。そして、検索サイトに検索ワードが入力された場合(即ち、検索ワード取得部111が検索ワードを取得した場合)、通常検索候補選定部112は、通常検索候補DB113に記憶された検索履歴を参照して、入力された検索ワードと一緒に検索された頻度の高いワードを検索候補として選定する。
また、例えば、検索履歴をユーザ毎(又は、ユーザ端末200毎)に記憶してもよい。そして、検索サイトに検索ワードが入力された場合(即ち、検索ワード取得部111が検索ワードを取得した場合)、通常検索候補選定部112は、通常検索候補DB113に記憶された検索履歴を参照して、検索者であるユーザが過去に検索したことのあるワードを検索候補として選定してもよい。
【0021】
通常検索候補DB113は、通常検索候補選定部112が選定する対象の検索候補を記憶するデータベースである。上述したように、通常検索候補DB113には、例えば、検索サイトに検索ワードが入力されて検索が行われた場合に、その入力された検索キーワードが検索履歴として記憶される。
【0022】
医療選別プロトコル部114は、医療選別ワードDB115を参照して、検索ワード取得部111が取得した検索ワードが、予め定められた医療選別の対象となるワードであるか否かを判定する。そして、医療選別プロトコル部114は、検索ワードが、予め定められた医療選別の対象となるワードであると判断した場合、医療選別プロトコルを発動させる。ここで、医療選別プロトコル部114は、医療選別ワードDB115を参照して、検索ワードに関連する医療選別ワードを選定する。
【0023】
医療選別ワードDB115は、医療選別プロトコル部114が選定する対象の医療選別ワードを記憶するデータベースである。具体的には、医療選別ワードDB115には、医療選別の対象となる検索ワードが登録されている。また、検索ワードと検索ワードに関連する医療選別ワードとが対応付けられている。
本実施の形態において、検索ワードと医療選別ワードとの対応付けは、医療選別ワードを示した医療選別ワード情報の一例として用いられる。
【0024】
検索候補出力部116は、通常検索候補選定部112が選定した検索候補、および、医療選別プロトコル部114が選定した検索候補(即ち、医療選別ワード)をユーザに提供するために、ユーザ端末200に出力する。言い換えると、検索候補出力部116は、通常検索候補選定部112が選定した検索候補、および、医療選別プロトコル部114が選定した検索候補を、ユーザが入力した検索ワードに関連する検索候補としてユーザ端末200に出力する。出力された検索候補は、ユーザ端末200に表示された検索サイトにおいて、ユーザが選択可能な形式で表示される。
【0025】
検索実行指示受付部117は、ユーザ端末200から、検索を実行する指示を受け付ける。例えば、ユーザが、ユーザ端末200に表示された検索サイトにて検索ボタンを選択すると、ユーザ端末200から検索サーバ100に対して、検索を実行する指示が行われる。具体的には、検索ボタンを選択する際に入力されている検索ワードにて検索を実行するように指示される。この検索ワードには、ユーザ端末200に表示された検索候補のうち、ユーザが選択した検索候補が含まれる。
【0026】
検索実行部118は、検索実行指示受付部117が検索の実行指示を受け付けると、検索ワードにて検索を実行する。
【0027】
検索結果出力部119は、検索実行部118による検索結果をユーザ端末200に出力する。検索結果には、例えば、検索ワードに関連するWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)や、そのWebサイト内の文章等の情報が含まれる。
【0028】
そして、検索サーバ100を構成する各機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、例えば、検索サーバ100を図2に示したハードウェア構成にて実現した場合、ROM102やHDD104等に記憶された各種プログラムが、RAM103に読み込まれてCPU101に実行されることにより、図3に示す検索ワード取得部111、通常検索候補選定部112、医療選別プロトコル部114、検索候補出力部116、検索実行指示受付部117、検索実行部118、検索結果出力部119等の機能部が実現される。
なお、これらの機能部を実現するためのプログラムを、複数のプログラムに分けて実現してももちろんよい。例えば、図3に示す機能部のうち、医療選別プロトコル部114を実現するプログラムとその他の機能部を実現するプログラムとを別に用意してもよい。
また、通常検索候補DB113、医療選別ワードDB115は、例えば、ROM102、RAM103、HDD104等により実現される。
【0029】
<検索候補を出力する処理手順>
図4は、検索サーバ100が検索候補を出力する処理手順の一例を示したフローチャートである。
以下では、処理のステップを記号の「S」と表記する。
【0030】
まず、ユーザ端末200は、ユーザの操作を基にWebブラウザを起動させて、検索サーバ100が提供する検索サイトにアクセスする。そして、ユーザ端末200は、ユーザから検索ワードの入力を受け付けると、入力された検索ワードを検索サーバ100に送信する。これにより、検索ワード取得部111は、ユーザ端末200から、ユーザがユーザ端末200に入力した検索ワードを取得する(S101)。
次に、通常検索候補選定部112は、通常検索候補DB113を参照して、取得された検索ワードに関連する検索候補を選定する(S102)。
【0031】
次に、医療選別プロトコル部114は、医療選別ワードDB115を参照して、取得された検索ワードが医療選別の対象となるワードであるか否かを判定する(S103)。S103で否定の判断(NO)がされた場合、検索候補出力部116は、S102で選定された検索候補をユーザ端末200に出力する(S104)。出力された検索候補は、ユーザが入力した検索ワードに関連する検索候補として、ユーザが選択可能な形式で表示される。そして、本処理フローは終了する。
【0032】
一方、S103で肯定の判断(YES)がされた場合、医療選別プロトコル部114は、医療選別プロトコルを発動させる(S105)。そして、医療選別プロトコル部114は、医療選別ワードDB115を参照して、取得された検索ワードに関連する医療選別ワードを選定する(S106)。次に、検索候補出力部116は、S102で選定された検索候補、および、S106で選定された医療選別ワードを、ユーザ端末200に出力する(S107)。出力された検索候補および医療選別ワードは、ユーザが入力した検索ワードに関連する検索候補として、ユーザが選択可能な形式で表示される。そして、本処理フローは終了する。
【0033】
<医療選別ワードDBの説明>
次に、医療選別ワードDB115について、具体例を挙げて説明する。図5図7は、医療選別ワードDB115の一例を示す図である。
【0034】
図5に示す例は、医療選別の対象となる検索ワードとして、「発熱」が登録されている場合を示している。「発熱」は、症状を表す検索ワードの一例である。そして、検索ワード「発熱」と、「発熱」に関連する4つの医療選別ワードとが対応付けられている。具体的には、「発熱」に関連する医療選別ワードとして、「強い頭痛があって吐いている」、「背中や脇腹に痛みがある」、「尿をするときに痛みがある」、「激しい運動をした」の4つが登録されている。これらの4つは、症状を表す医療選別ワードの一例である。
【0035】
また、医療選別ワードの各々には、緊急度が設定されている。この緊急度は、ユーザが重症化していくスピードの度合であり、重症化するまでの時間が短いほど緊急度が高くなるように定められている。具体的には、「緊急状態」は、救急車などを用いて直ちに受診が必要な状態である。「準緊急状態」は、緊急状態よりも緊急性は下がるが、受診が必要な状態である。「低緊急状態」は、翌日の受診でも構わない状態である。「非緊急状態」は、家庭での経過観察を行い、その状況に応じて受診を勧める状態である。
【0036】
例えば、発熱していて強い頭痛があり吐いている状態は、「緊急状態」であり、救急車などを用いて直ちに受診が必要な状態とされる。また、発熱していて背中や脇腹に痛みがある状態は、「準緊急状態」であり、緊急状態よりも緊急度は下がるが、受診が必要な状態とされる。さらに、発熱していて尿をするときに痛みがある状態は、「低緊急状態」であり、翌日の受診でも構わない状態とされる。そして、発熱しているが発熱前に激しい運動をした状態は、「非緊急状態」であり、家庭での経過観察を行い、その状況に応じて受診を勧める状態とされる。
このように、図5に示す例では、検索ワード「発熱」と、「発熱」に関連する医療選別ワードとが対応付けられており、医療選別ワードの各々に緊急度が定められている。なお、緊急度の種類は4つに限られない。
【0037】
また、ユーザは、「発熱」の代わりに、「発熱」と同様の意味の検索ワードを入力する可能性がある。「発熱」と同様の意味の検索ワードとしては、例えば、「熱が出た」、「悪寒がする」等が挙げられる。そこで、このような検索ワードについても、医療選別の対象となる検索ワードとして扱ってもよい。具体的には、「熱が出た」、「悪寒がする」等の検索ワードは、「発熱」と同様の意味の検索ワードとして登録される。そして、「熱が出た」、「悪寒がする」等が入力された場合、「発熱」が入力された場合と同様の医療選別プロトコルが発動する。
【0038】
さらに、図5に示す例では、「発熱」を検索ワードとする場合を説明したが、医療選別ワードDB115に登録される検索ワードは1つに限られない。例えば、「胸痛」、「動悸」、「風邪」等の各々の症状を検索ワードとして登録し、各々の検索ワードに対して医療選別ワードを対応付けてもよい。
【0039】
図6(A)に示す例は、医療選別の対象となる検索ワードとして、「胸痛」が登録されている場合を示している。「胸痛」は、症状を表す検索ワードの一例である。そして、検索ワード「胸痛」と、「胸痛」に関連する3つの医療選別ワードとが対応付けられている。具体的には、「胸痛」に関連する医療選別ワードとして、「3日以上前から」、「1~2日前から」、「今日から」の3つが登録されている。これらの3つは、症状が現れた時点からの経過時間を表す医療選別ワードの一例である。
【0040】
付言すると、胸痛が3日以上前から継続している状態は、「緊急状態」であり、救急車などを用いて直ちに受診が必要な状態とされる。また、胸痛が1~2日前から継続している状態は、「準緊急状態」であり、緊急状態よりも緊急度は下がるが、受診が必要な状態とされる。さらに、胸痛が今日から始まった状態は、「低緊急状態」であり、翌日の受診でも構わない状態とされる。
このように、医療選別ワードとして、症状が現れた時点からの経過時間を用いてもよい。
【0041】
図6(B)に示す例は、医療選別の対象となる検索ワードとして、「グルコサミン」が登録されている場合を示している。「グルコサミン」は、成分又は商品を表す検索ワードの一例である。医療選別ワードDB115では、検索ワード「グルコサミン」と、「グルコサミン」に関連する3つの医療選別ワードとが対応付けられている。具体的には、「グルコサミン」に関連する医療選別ワードとして、「足の親指周辺が痛い」、「足の甲が痛い」、「アキレス腱のつけ根が痛い」の3つが登録されている。これらの3つは、症状を表す医療選別ワードの一例である。また、本実施の形態において、グルコサミンは、何れかの症状と組み合わせるキーワードの一例として用いられる。
【0042】
付言すると、グルコサミンの購入を検討しているユーザは、痛風の疑いがある。即ち、グルコサミンは、ユーザが痛風であることを推定するキーワードである。そこで、医療選別ワードDB115には、検索ワード「グルコサミン」に関連する医療選別ワードとして、痛風の症状を表すものが登録されている。また、痛風により足の親指周辺が痛い状態、痛風により足の甲が痛い状態、痛風によりアキレス腱のつけ根が痛い状態の各々は、緊急状態よりも緊急性は下がるが、受診が必要な状態である。よって、各々の医療選別ワードは、「準緊急状態」として登録される。
【0043】
このように、医療選別の対象となる検索ワードとして、特定の症状や病気が推定されるキーワードを登録してもよい。この場合、キーワードから推定される症状や病気を表すワードが、医療選別ワードとして登録される。
なお、特定の症状や病気が推定されるキーワードは、グルコサミンのように成分又は商品を表すものに限られない。成分又は商品以外のキーワードであっても、特定の症状や病気を推定可能なものであれば、検索ワードとして登録してもよい。
【0044】
また、図7(A)に示す例は、図5に示す例と同様に、医療選別の対象となる検索ワードとして、「発熱」が登録されている場合を示している。ただし、この例では、医療選別ワードに複数の階層が定められている。具体的には、「背中や脇腹に痛みがある」の下の階層に、「胸痛」、「頭痛」という2つの医療選別ワードが定められている。「胸痛」は「緊急状態」であり、「頭痛」は「準緊急状態」である。
【0045】
付言すると、発熱していて背中や脇腹に痛みがあり、さらに胸痛がある状態は、「緊急状態」であり、救急車などを用いて直ちに受診が必要な状態とされる。一方、発熱していて背中や脇腹に痛みがあり、さらに頭痛がある状態は、「準緊急状態」であり、緊急状態よりも緊急度は下がるが、受診が必要な状態とされる。
このように、医療選別ワードに複数の階層を定めてもよい。また、階層は2つに限られず、3つ以上の階層を定めてもよい。
【0046】
また、図7(B)に示す例は、検索ワードに複数の階層を定めた場合を示している。具体的には、「発熱」の下の階層に、「頭痛」という検索ワードが定められている。また、医療選別ワードとして、「胸痛」、「風邪のような症状」が対応付けられている。
このように、検索ワードに複数の階層を定めてもよい。また、階層は2つに限られず、3つ以上の階層を定めてもよい。
【0047】
さらに、検索ワードに複数の階層を定める場合、検索ワードとして、例えば、「大人」、「子供」、「高齢者」などのユーザの属性を示すワードを登録してもよい。例えば、「発熱」の下の階層に、「大人」、「子供」、「高齢者」という検索ワードを登録する。この場合、ユーザが「発熱」と入力した後、次に「大人」と入力すると、「発熱」、「大人」に対応する医療選別プロトコルが発動する。また、ユーザが「発熱」と入力した後、次に「子供」と入力すると、「発熱」、「子供」に対応する医療選別プロトコルが発動する。さらに、ユーザが「発熱」と入力した後、次に「高齢者」と入力すると、「発熱」、「高齢者」に対応する医療選別プロトコルが発動する。即ち、ユーザの属性に応じた医療選別プロトコルが発動する。
【0048】
また、図5図6図7(A)、(B)に示す例では、医療選別ワードに緊急度を設定したが、医療選別ワードに緊急度を設定するのではなく、「緊急状態」や「準緊急状態」などの特定の緊急度に絞って医療選別ワードを登録してもよい。
図7(C)に示す例は、特に緊急性の高いものに絞って医療選別ワードを登録した場合を示している。具体的には、検索ワード「発熱」と医療選別ワード「強い頭痛があって吐いている」とが対応付けられている。「強い頭痛があって吐いている」は、「緊急状態」に相当する医療選別ワードである。
【0049】
<検索候補を出力する処理の具体例>
次に、検索候補を出力する処理について、具体例を挙げて説明する。
【0050】
図8は、検索候補を出力する処理の具体例を説明するための図である。
まず、ユーザ端末200は、ユーザの操作を基にWebブラウザを起動させて、検索サーバが提供する検索サイトにアクセスする。その結果、図8(A)に示すように、ユーザ端末200に、検索サイトの画像11が表示される。
この例では、ユーザは、検索ワードとして、入力欄12に「発熱」を入力する。そして、検索ワード取得部111は、ユーザ端末200から、検索ワード「発熱」を取得する。次に、通常検索候補選定部112は、通常検索候補DB113を参照して、検索ワード「発熱」に関連する検索候補を選定する。ここで、従来の手法の場合、通常検索候補選定部112が選定した検索候補のみがユーザ端末200に表示される。
図8(B)は、従来の手法で表示される検索候補の一例を示す図である。例えば、「発熱」と一緒に検索される頻度の高いワードとして、「頭痛」、「下痢」、「原因」、「英語」、「発疹」、「風呂」、「嘔吐」、「腰痛」が表示されている。
【0051】
一方、本実施の形態では、医療選別プロトコル部114が、検索ワードが医療選別の対象となるワードであるか否かを判定する。ここで、図5に示す医療選別ワードDB115の場合、医療選別プロトコル部114は、検索ワード「発熱」が医療選別の対象となるワードであると判断する。そして、医療選別プロトコルを発動させる。この例では、医療選別ワードとして、図5に示すように、「強い頭痛があって吐いている」、「背中や脇腹に痛みがある」、「尿をするときに痛みがある」、「激しい運動をした」の4つが選定される。
【0052】
付言すると、この例では、発熱しているユーザがいる場合に、そのユーザが次に取るべき医療手段を誘導するために、医療選別ワードが選定される。具体的には、発熱しているユーザがいる、という状況に応じて、4つの医療選別ワードが選定される。また、医療選別ワードの各々は、緊急度に応じて選定される。そして、選定された4つの医療選別ワードがユーザ端末200に表示される。
【0053】
図8(C)は、医療選別ワードの表示例を示す図である。検索候補として、検索頻度の高い「頭痛」、「下痢」、「原因」、「英語」と、医療選別ワードである「強い頭痛があって吐いている」、「背中や脇腹に痛みがある」、「尿をするときに痛みがある」、「激しい運動をした」とが表示される。付言すると、図8(B)に示す例では、検索頻度の高いワードとして、「発疹」、「風呂」、「嘔吐」、「腰痛」が表示されたが、これらのワードに代えて、「強い頭痛があって吐いている」、「背中や脇腹に痛みがある」、「尿をするときに痛みがある」、「激しい運動をした」が表示される。即ち、ここで表示される医療選別ワードは、検索頻度が高いものとして出力される検索候補(この例では、「頭痛」、「下痢」、「原因」、「英語」、「発疹」、「風呂」、「嘔吐」、「腰痛」)に比べて、検索頻度の低いワードといえる。
【0054】
また、図8(D)は、医療選別ワードの他の表示例を示す図である。この例では、医療選別ワードに対して、医療選別ワードであることを示す情報が付されている。具体的には、医療選別ワードであることを示す情報として、医療選別ワードの各々に対して、Medicalの頭文字である「M」というマーク13が付されている。マーク13が付されることにより、例えば、ユーザは、医療選別ワードではない検索候補と医療選別ワードである検索候補とを区別し易くなる。
【0055】
なお、医療選別ワードであることを示す情報は、「M」というマーク13に限られない。例えば、他のマークや記号であってもよいし、「医療」などの文字であってもよい。
また、医療選別ワードではない検索候補と医療選別ワードである検索候補とを異なる色で示したり、文字の太さや文字の大きさを異ならせたりしてもよい。
さらに、医療選別ワードである検索候補に何らかの情報を付ける代わりに、医療選別ワードでない検索候補に何らかの情報を付けることにより、医療選別ワードではない検索候補と医療選別ワードである検索候補とを区別し易くしてもよい。
【0056】
次に、ユーザが、検索候補として表示された4つの医療選別ワードのうち、例えば「強い頭痛があって吐いている」を選択し、検索を実行するように指示すると、「発熱」、「強い頭痛があって吐いている」という検索ワードにより検索が実行される。
図9(A)は、検索結果の一例を示す図である。ここでは、検索結果として、「危ない頭痛」、「くも膜下出血、脳内出血」、「危険な頭痛に注意」などのWebサイトのタイトルが表示されている。また、各Webサイトのタイトルの下には、WebサイトのURL、Webサイト内の文章の一部が表示されている。付言すると、「発熱」に加えて、「強い頭痛があって吐いている」を検索ワードにして検索することにより、例えば、救急車などを用いて直ちに受診が必要な状態であることを報知するWebサイト等が検索され易くなる。
【0057】
また、検索結果として、Webサイトの情報の他に、ユーザが次に取るべき医療手段の情報を表示してもよい。図9(B)は、検索結果の他の例を示す図である。ここでは、ユーザが次に取るべき医療手段の情報の一例として、「発熱時に強い頭痛があって吐いている場合、救急車などを用いて直ちに受診が必要な可能性があります」というメッセージが表示されている。例えば、ユーザは、このメッセージにより、次に取るべき医療手段として、救急車などを用いて直ちに受診が必要な可能性があることを把握し易くなる。
【0058】
次に、医療選別ワードの他の表示例について説明する。図10図12は、医療選別ワードの他の表示例を示す図である。
まず、図6(A)のように医療選別ワードDB115に記憶されている場合について説明する。例えば、ユーザが、検索ワードとして、入力欄12に「胸痛」を入力する。図6(A)に示す医療選別ワードDB115の場合、医療選別プロトコル部114は、検索ワード「胸痛」が、医療選別の対象となるワードであると判断する。そして、医療選別プロトコルを発動させる。この例では、図6(A)に示すように、医療選別ワードとして、「3日以上前から」、「1~2日前から」、「今日から」の3つが選定される。
【0059】
付言すると、この例では、胸痛のあるユーザがいる場合に、そのユーザが次に取るべき医療手段を誘導するために、医療選別ワードが選定される。具体的には、胸痛のあるユーザがいる、という状況に応じて、3つの医療選別ワードが選定される。また、医療選別ワードの各々は、緊急度に応じて選定される。そして、図10(A)に示すように、検索候補として、検索頻度の高い「鑑別」、「原因」、「何科」に加えて、医療選別ワードである「3日以上前から」、「1~2日前から」、「今日から」がユーザ端末200に表示される。
【0060】
次に、図6(B)のように医療選別ワードDB115に記憶されている場合について説明する。例えば、ユーザが、検索ワードとして、入力欄12に「グルコサミン」を入力する。図6(B)に示す医療選別ワードDB115の場合、医療選別プロトコル部114は、検索ワード「グルコサミン」が、医療選別の対象となるワードであると判断する。そして、医療選別プロトコルを発動させる。この例では、図6(B)に示すように、医療選別ワードとして、「足の親指周辺が痛い」、「足の甲が痛い」、「アキレス腱のつけ根が痛い」の3つが選定される。
【0061】
付言すると、この例では、検索を行ったユーザが次に取るべき医療手段を誘導するために、医療選別ワードが選定される。具体的には、ユーザに痛風の疑いがある、という状況に応じて、3つの医療選別ワードが選定される。また、医療選別ワードの各々は、緊急度に応じて選定される。そして、図10(B)に示すように、検索候補として、検索頻度の高い「効果」、「価格」、「食品」に加えて、医療選別ワードである「足の親指周辺が痛い」、「足の甲が痛い」、「アキレス腱のつけ根が痛い」がユーザ端末200に表示される。
【0062】
次に、図7(A)のように医療選別ワードDB115に記憶されている場合について説明する。例えば、ユーザが、検索ワードとして、入力欄12に「発熱」を入力する。図7(A)に示す医療選別ワードDB115の場合、医療選別プロトコル部114は、検索ワード「発熱」が、医療選別の対象となるワードであると判断する。そして、医療選別プロトコルを発動させる。この例では、図7(A)に示すように、医療選別ワードとして、「強い頭痛があって吐いている」、「背中や脇腹に痛みがある」、「尿をするときに痛みがある」、「激しい運動をした」の4つが選定される。この時点では、図11(A)に示すように、検索候補として、検索頻度の高い「頭痛」、「下痢」、「原因」、「英語」に加えて、医療選別ワードである「強い頭痛があって吐いている」、「背中や脇腹に痛みがある」、「尿をするときに痛みがある」、「激しい運動をした」がユーザ端末200に表示される。
【0063】
ここで、ユーザが、検索候補として、「背中や脇腹に痛みがある」を選択した場合、医療選別プロトコル部114は、さらに、医療選別ワードとして、「背中や脇腹に痛みがある」の下の階層の「胸痛」、「頭痛」という2つを選定する。そして、図11(B)に示すように、検索候補として、医療選別ワードである「胸痛」、「頭痛」がユーザ端末200に表示される。
また、この例では、ユーザが検索候補として「背中や脇腹に痛みがある」を選択した場合に、さらに「胸痛」、「頭痛」という2つの医療選別ワードを選定したが、例えば、ユーザが、入力欄12で、「発熱」の次に「背中や脇腹に痛みがある」の文字列を直接入力した場合に、「胸痛」、「頭痛」という2つの医療選別ワードを選定することとしてもよい。
【0064】
次に、図7(B)のように医療選別ワードDB115に記憶されている場合について説明する。例えば、ユーザが、検索ワードとして、入力欄12に「発熱」を入力する。図7(B)に示す医療選別ワードDB115の場合、検索ワードに複数の階層が定められており、この時点では医療選別プロトコルは発動されない。即ち、検索候補として、通常検索候補選定部112が選定した検索候補のみが表示される。ここで、ユーザが、入力欄12で、「発熱」の次に「頭痛」と入力した場合、医療選別プロトコル部114は、検索ワード「発熱」、「頭痛」が、医療選別の対象となるワードであると判断する。そして、医療選別プロトコルを発動させる。この例では、図7(B)に示すように、医療選別ワードとして、「胸痛」、「風邪のような症状」の2つが選定される。そして、図12(A)に示すように、検索候補として、検索頻度の高い「下痢」、「腹痛」、「原因」、「関節痛」に加えて、医療選別ワードである「胸痛」、「風邪のような症状」がユーザ端末200に表示される。
【0065】
また、この例では、ユーザが検索候補として「発熱」と入力した時点では医療選別プロトコルを発動しないこととしたが、「発熱」と入力した時点で医療選別プロトコルを発動させてもよい。この場合、例えば、ユーザが「発熱」と入力すると、図5に示す医療選別ワードDB115の情報により、医療選別プロトコルが発動し、図8(C)のように検索候補が表示される。また、ユーザが、入力欄12で「発熱」の次に「頭痛」と入力したり、検索候補として「頭痛」を選択したりした場合に、図7(B)に示す医療選別ワードDB115の情報により、医療選別プロトコルが発動し、図12(A)のように検索候補が表示される。
【0066】
次に、図7(C)のように医療選別ワードDB115に記憶されている場合について説明する。例えば、ユーザが、検索ワードとして、入力欄12に「発熱」を入力する。図7(C)に示す医療選別ワードDB115の場合、医療選別プロトコル部114は、検索ワード「発熱」が、医療選別の対象となるワードであると判断する。そして、医療選別プロトコルを発動させる。この例では、図7(C)に示すように、医療選別ワードとして、「強い頭痛があって吐いている」が選定される。
【0067】
付言すると、この例では、発熱しているユーザがいる場合に、そのユーザが次に取るべき医療手段を誘導するために、医療選別ワードが選定される。具体的には、発熱しているユーザがいる、という状況に応じて、「強い頭痛があって吐いている」という医療選別ワードが選定される。また、この医療選別ワードは、緊急性の高い状況にある場合に選定されるワードである。そして、図12(B)に示すように、検索候補として、検索頻度の高い「頭痛」、「下痢」、「原因」、「英語」、「発疹」、「風呂」、「嘔吐」に加えて、医療選別ワードである「強い頭痛があって吐いている」がユーザ端末200に表示される。
【0068】
また、図8図12に示す例では、通常検索候補選定部112が選定した検索候補と、医療選別プロトコル部114が選定した医療選別ワードとの両方を表示したが、このような構成に限られない。例えば、医療選別プロトコルが発動した場合、検索候補として、医療選別ワードのみを表示してもよい。
さらに、医療選別ワードを表示する場合、緊急度に応じて表示態様を変えてもよい。例えば、緊急度の最も高い「緊急状態」の医療選別ワードの文字を、他の緊急度の医療選別ワードの文字よりも大きくしたり太くしたりして表示してもよい。また、医療選別ワードとともに緊急度の情報を表示してもよい。
また、上述した例では、医療選別プロトコルを発動した場合、緊急度に応じた医療選別ワードを選定した。しかし、本実施の形態に係る医療選別ワードは、医療選別に用いられる言葉であればよく、緊急度に応じたものに限られない。例えば、医療選別ワードとして、重症度に応じたものを定めてもよい。そして、このような医療選別ワードの状態に応じて、例えば、医療選別ワードの文字を大きくしたり太くしたりして、医療選別ワードの表示態様を変えてもよい。
【0069】
<医療選別ワードの他の例>
次に、医療選別ワードの他の例について説明する。
【0070】
上述した例では、医療選別ワードを、症状を表すものや、症状が現れた時点からの経過時間など、医学的情報に関するワードとした。ただし、医療選別ワードとしては、例えば、病態や診断、治療、予後など、広く医学的情報に関するものであってもよい。
【0071】
例えば、医療選別ワードは、医学的情報を表すものの一例として、病院の選定にユーザを誘導するために用いられるものであってもよい。例えば、上述したように、グルコサミンの購入を検討しているユーザは、痛風の疑いがある。そこで、検索サーバ100は、ユーザが「グルコサミン」と入力した場合、医療選別プロトコルを発動させて、「親指周辺が痛いのを治す病院」、「足の甲が痛いのを治す病院」、「アキレス腱のつけ根が痛いのを治す病院」等を医療選別ワードとして選定する。そして、これらの医療選別ワードが、検索候補としてユーザ端末200に表示される。
なお、医療選別ワードDB115には、このような医療選別ワードと、検索ワード「グルコサミン」とが対応付けられている。
このように、ユーザの入力した検索ワードから、ユーザに疑われる症状を推定し、推定される症状を治す病院を検索できるように、医療選別ワードを選定してもよい。
【0072】
また、医療選別ワードは、医学的情報を表すものの一例として、薬の選定にユーザを誘導するために用いられるものであってもよい。例えば、病院の選定と同様に、検索サーバ100は、ユーザが「グルコサミン」と入力した場合、医療選別プロトコルを発動させて、「親指周辺が痛いのを治す薬」、「足の甲が痛いのを治す薬」、「アキレス腱のつけ根が痛いのを治す薬」等を医療選別ワードとして選定する。そして、これらの医療選別ワードが、検索候補としてユーザ端末200に表示される。
なお、医療選別ワードDB115には、このような医療選別ワードと、検索ワード「グルコサミン」とが対応付けられている。
このように、ユーザの入力した検索ワードから、ユーザに疑われる症状を推定し、推定される症状を治す薬を検索できるように、医療選別ワードを選定してもよい。
【0073】
さらに、医療選別ワードは、医学的情報に関するものに限られない。
例えば、医療選別ワードは、医療に関するサービス、医療に関する商品、医療に関するECサイト等にユーザを誘導するために用いられるものであってもよい。例えば、検索サーバ100は、ユーザが「グルコサミン」と入力した場合、医療選別プロトコルを発動させる。ここで、検索サーバ100は、「親指周辺が痛いのを治す薬剤の提供サービス」、「親指周辺が痛いのを治すための医療機器」、「親指周辺が痛いのを治す薬の販売サイト」等を医療選別ワードとして選定する。そして、これらの医療選別ワードが、検索候補としてユーザ端末200に表示される。
【0074】
なお、「親指周辺が痛いのを治す薬剤の提供サービス」は、医療に関するサービスの一例である。「親指周辺が痛いのを治すための医療機器」は、医療に関する商品の一例である。「親指周辺が痛いのを治す薬の販売サイト」は、医療に関するECサイトの一例である。医療選別ワードDB115には、このような医療選別ワードと、検索ワード「グルコサミン」とが対応付けられている。
このように、ユーザの入力した検索ワードから、ユーザに疑われる症状を推定し、推定される症状に関するサービスや商品、ECサイト等を検索できるように、医療選別ワードを選定してもよい。
【0075】
また、医療選別ワードは、ユーザの位置に関する位置情報を用いて選定されるものであってもよい。例えば、ユーザが足を捻挫した場合、徒歩よりも車を利用した方が病院に行き易い。そこで、捻挫をした場合にユーザが次に取るべき医療手段を誘導するためのワードとして、「車を駐車できる病院」が登録される。即ち、医療選別ワードDB115に、検索ワード「捻挫」と、「車を駐車できる病院」というワードとが対応付けられる。ここで、ユーザが「捻挫」と入力した場合、検索サーバ100は、医療選別プロトコルを発動させる。また、検索サーバ100は、ユーザの位置情報を取得する。この例では、ユーザの位置情報を「A市」とする。そして、検索サーバ100は、「車を駐車できる病院」および「A市」というワードを基に、医療選別ワードとして、「A市内で車を駐車できる病院」を選定する。そして、「A市内で車を駐車できる病院」が検索候補としてユーザ端末200に表示される。
【0076】
ユーザの位置情報は、例えば、ユーザ端末200の現在位置、ユーザの居住地、ユーザの勤務地である。ユーザ端末200の現在位置は、例えばユーザ端末200がGPS(Global Positioning System)により取得し、取得した情報が検索サーバ100に送信される。また、ユーザの居住地やユーザの勤務地は、ユーザがユーザ端末200に事前に登録した情報が検索サーバ100に送信される。
このように、ユーザの入力した検索ワードを基にユーザが次に取るべき医療手段を誘導するために、ユーザの位置情報を用いて医療選別ワードが選定される。
【0077】
<医療選別ワードの他の表示例>
次に、医療選別ワードの他の表示例について説明する。
本実施の形態では、医療選別ワードを、Closed Question(クローズドクエスチョン)の形式で表示してもよい。Closed Questionとは、一般に、回答する方法や回答の範囲が限定されている質問をいう。
【0078】
図13は、医療選別ワードをClosed Questionの形式で表示する場合の一例を説明するための図である。
この例では、図13(A)に示すように、医療選別ワードDB115において、医療選別の対象となる検索ワードである「鼻水」が登録されている。「鼻水」は、症状を表す検索ワードの一例である。そして、検索ワード「鼻水」と、「鼻水」に関連する5つの医療選別ワードとが対応付けられている。具体的には、「鼻水」に関連する医療選別ワードとして、「飲み込む時の痛み」、「発熱」、「喉(のど)のはれ・むくみ」、「悪寒」、「下痢」の5つが登録されている。これらの5つは、症状を表す医療選別ワードの一例である。なお、医療選別ワードの各々には、緊急度が設定されている。
【0079】
例えば、ユーザが、検索ワードとして、入力欄12に「鼻水」を入力すると、医療選別プロトコルが発動し、医療選別ワードとして、「飲み込む時の痛み」、「発熱」、「喉(のど)のはれ・むくみ」、「悪寒」、「下痢」の5つが選定される。そして、図13(B)に示すように、医療選別ワードがClosed Questionの形式で表示される。この例では、入力欄12の下の領域に、検索候補である医療選別ワードが表示される。また、医療選別ワードの各々では、医療選別ワードの症状のあり/なしを問う質問が表示される。より具体的には、医療選別ワードに対して、医療選別ワードの症状の有無を受け付けるボタンが対応付けられている。例えば、ユーザは、医療選別ワードの症状がある場合、その医療選別ワードの「ある」ボタン14Aを選択すればよい。また、医療選別ワードの症状がない場合、その医療選別ワードの「ない」ボタン14Bを選択すればよい。
【0080】
例えば、ユーザの症状として、鼻水の他に、飲み込む時の痛み、悪寒があるとする。この場合、ユーザは、「飲み込む時の痛み」の「ある」ボタン14A、「悪寒」の「ある」ボタン14Aを選択する。また、他の3つの医療選別ワードでは、「ない」ボタン14Bを選択する。このようにして、5つの医療選別ワードで「ある」、「ない」の選択が行われると、検索が実行される。この例では、「鼻水」、「飲み込む時の痛み」、「悪寒」という検索ワードにより検索が実行される。
このように、検索候補である医療選別ワードがClosed Questionの形式で表示され、ユーザの選択により医療選別が進められる。
【0081】
ここで、表示された全ての医療選別ワード(この例では、5つの医療選別ワード)のうち、一部の医療選別ワードで「ある」、「ない」の選択が行われると、検索を実行することとしてもよい。例えば、ユーザが「飲み込む時の痛み」の「ある」を選択した場合に、他の医療選別ワードの「ある」、「ない」が選択されていない場合であっても、検索を実行してもよい。この場合、医療選別ワードDB115では、「飲み込む時の痛み」が、他の医療選別ワードによらずに検索を実行するための医療選別ワードとして予め定められている。
【0082】
また、医療選別ワードの「ある」、「ない」の選択が行われると、さらに別の医療選別ワードをClosed Questionの形式で表示してもよい。例えば、ユーザが、「飲み込む時の痛み」及び「悪寒」の「ある」を選択した場合、図13(C)に示すように、別の医療選別ワードとして、「胸痛」、「頭痛」が表示される。この場合、医療選別ワードDB115では、「飲み込む時の痛み」及び「悪寒」の下の階層に、「胸痛」、「頭痛」という2つの医療選別ワードが登録されている。ここで、ユーザが、「胸痛」、「頭痛」の「ある」、「ない」を選択すると、検索が行われたり、さらに別のClosed Questionが表示されたりする。このように、医療選別ワードに複数の階層を設けておき、ユーザの選択により、別の医療選別ワードをClosed Questionの形式で表示してもよい。
【0083】
また、医療選別ワードに対して、「ある」ボタン14A、「ない」ボタン14Bの両方を設けるのではなく、例えば、「ある」ボタン14Aのみを設けたり、「ない」ボタン14Bのみを設けたりしてもよい。
また、程度の評価(例えば、1~10の10段階)の選択を受け付けるようにしてもよい。具体的には、例えば、「発熱」の場合、ユーザの発熱の程度によって、1~10のうちの何れかの段階がユーザによって選択される。そして、選択された段階に応じて医療選別が進められる。
更に、例えば、図13(D)に示すように、表示された医療選別ワードの症状の中からユーザに選択させることにより、選択された医療選別ワードで検索を行って、医療選別を進めるようにしてもよい。
【0084】
なお、本実施の形態では、上述した検索サーバ100が備える機能部の一部又は全部を、ユーザ端末200等の他の装置で実現してもよい。
また、本発明の実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記録した状態で提供することも可能である。
【0085】
さらに、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0086】
100…検索サーバ、101…CPU、102…ROM、103…RAM、104…HDD、111…検索ワード取得部、112…通常検索候補選定部、113…通常検索候補DB、114…医療選別プロトコル部、115…医療選別ワードDB、116…検索候補出力部、117…検索実行指示受付部、118…検索実行部、119…検索結果出力部、200…ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13