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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】養液栽培装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 27/00 20060101AFI20240110BHJP
   A01G 31/00 20180101ALI20240110BHJP
【FI】
A01G27/00 504B
A01G31/00 601B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020087829
(22)【出願日】2020-05-20
(65)【公開番号】P2021180641
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】510193153
【氏名又は名称】山本電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】大澤 政敏
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-158449(JP,A)
【文献】特開2006-223216(JP,A)
【文献】登録実用新案第3225993(JP,U)
【文献】特開2018-028444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/00 - 31/06
A01G 9/14 - 9/26
A01G 25/00 - 29/00
G01G 1/00 - 9/00
G01G 21/00 - 23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準とする植物栽培中の容器の重量を計測する重量計測手段と、前記計測用の容器を含めて多数の植物栽培中の容器へ液肥を供給する液肥供給手段と、前記重量計測手段によって計測された重量に基づいて適正重量からの減少分を認定し、当該減少分が閾値以下になったときに、前記液肥供給手段を動作させて、計測用に利用した容器を含めて全ての植物栽培中の容器に液肥を供給させる給液実行部を含むコントローラを備え、
屋内に配置された多数の栽培用容器内に植えられた栽培植物に液肥を供給して栽培を行う養液栽培装置であって、
前記基準とする容器の近傍に配置された荷重センサと、前記コントローラに含まれ、前記荷重センサが荷重を検知すると、前記コントローラで採用される液肥の供給タイミングの目安とする適正重量を前記重量計測手段によって計測された重量に基づいて更新する補正を実行する補正機能部を備え、
前記荷重センサの上に人が立って栽培植物に摘果、葉かき等の減量作業が実施されるとその作業後に適正重量が更新されることを特徴とする養液栽培装置。
【請求項2】
請求項1に記載した養液栽培装置において、
補正機能部は、荷重センサの上に人が立ったことを検知し、その後人が退いたことを確認すると、コントローラで採用される適正重量を重量計測手段によって計測された重量に基づいて更新する補正を実行することを特徴とする養液栽培装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した養液栽培装置において、
荷重センサが荷重を一定時間以上検知すると、異常を報知する異常報知部を備えることを特徴とする養液栽培装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載した養液栽培装置において、
荷重センサが荷重を検知すると、給液実行部が動作を停止し、その後荷重を検知しない時間が所定時間経過すると、前記給液実行部が動作を再開することを特徴とする養液栽培装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載した養液栽培装置において、
荷重センサがマットセンサで構成されていることを特徴とする養液栽培装置。
【請求項6】
請求項5に記載した養液栽培装置において、
マットセンサは、上下で対向配置された一対の導電性シートと、前記一対の導電性シートの間に介装された多数の穴があけられた弾性変形可能な絶縁性シートを備え、いずれかの穴の上に足が乗ったときには当該穴の周囲の絶縁性シートが圧縮して、当該穴に被さった上側の導電性シートが下側の導電性シートと接触導通することで荷重を検知することを特徴とする養液栽培装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニールハウスなどの屋内に配置された多数の栽培用容器に植えられた栽培植物に液肥を供給して栽培する養液栽培装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願の出願人の先の出願に係る特許文献1では、同時期に多数の栽培用容器に植えられた栽培植物に液肥を自動的に供給する養液栽培装置が提案されている。この養液栽培装置では、植物栽培中の容器のいずれか少なくとも一つを計測用に利用し、この容器の重量減少分を液肥の減少分として取り扱い、当該減少分が閾値以下になったときに、計測用に利用した容器を含めて全ての植物栽培中の容器に液肥を供給するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3225993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、トマトのような栽培植物に対して摘果、葉かき等の作業を行うと、植物栽培中の容器の重量は有意的に軽くなるが、この重量減少分が液肥の減少分として取り扱われると、本来供給すべきタイミングの前にしかも過剰に液肥を供給してしまうことになる。
一方、そのような減量作業をする度に、液肥の供給モードを設定し直すのは、面倒であり、自動化のメリットが減ずる。
【0005】
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、栽培植物に対して摘果、葉かき等の作業を行うことで植物栽培中の容器の重量が軽くなっても、補正機能を働かせて、本来供給すべきタイミングで液肥を必要な量だけ供給し続けることを可能とする養液栽培装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために為されたものであり、請求項1の発明は、基準とする植物栽培中の容器の重量を計測する重量計測手段と、前記計測用の容器を含めて多数の植物栽培中の容器へ液肥を供給する液肥供給手段と、前記重量計測手段によって計測された重量に基づいて適正重量からの減少分を認定し、当該減少分が閾値以下になったときに、前記液肥供給手段を動作させて、計測用に利用した容器を含めて全ての植物栽培中の容器に液肥を供給させる給液実行部を含むコントローラを備え、屋内に配置された多数の栽培用容器内に植えられた栽培植物に液肥を供給して栽培を行う養液栽培装置であって、前記基準とする容器の近傍に配置された荷重センサと、前記コントローラに含まれ、前記荷重センサが荷重を検知すると、前記コントローラで採用される液肥の供給タイミングの目安とする適正重量を前記重量計測手段によって計測された重量に基づいて更新する補正を実行する補正機能部を備え、前記荷重センサの上に人が立って栽培植物に摘果、葉かき等の減量作業が実施されるとその作業後に適正重量が更新されることを特徴とする養液栽培装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した養液栽培装置において、補正機能部は、荷重センサの上に人が立ったことを検知し、その後人が退いたことを確認すると、コントローラで採用される適正重量を重量計測手段によって計測された重量に基づいて更新する補正を実行することを特徴とする養液栽培装置である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した養液栽培装置において、荷重センサが荷重を一定時間以上検知すると、異常を報知する異常報知部を備えることを特徴とする養液栽培装置である。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した養液栽培装置において、荷重センサが荷重を検知すると、給液実行部が動作を停止し、その後荷重を検知しない時間が所定時間経過すると、前記給液実行部が動作を再開することを特徴とする養液栽培装置である。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載した養液栽培装置において、荷重センサがマットセンサで構成されていることを特徴とする養液栽培装置である。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載した養液栽培装置において、マットセンサは、上下で対向配置された一対の導電性シートと、前記一対の導電性シートの間に介装された多数の穴があけられた弾性変形可能な絶縁性シートを備え、いずれかの穴の上に足が乗ったときには当該穴の周囲の絶縁性シートが圧縮して、当該穴に被さった上側の導電性シートが下側の導電性シートと接触導通することで荷重を検知することを特徴とする養液栽培装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の養液栽培装置によれば、栽培植物に対して摘果、葉かき等の作業を行うことで植物栽培中の容器の重量が軽くなっても、補正機能を働かせて、本来供給すべきタイミングで液肥を必要な量だけ供給し続けることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る養液栽培装置の使用環境を示すビニールハウスの概要平面図である。
図2図1に見えるマットセンサの斜視図である。
図3図2のマットセンサの分解斜視図である。
図4図2のマットセンサの断面図である。
図5図4のマットセンサによる荷重検知メカニズムの説明図である。
図6図1のマットセンサを備えた養液栽培装置の摘果前の液肥供給状態を示すイメージ図である。
図7図6と関連する、養液栽培装置の摘果後の液肥供給状態のイメージ図である。
図8図6の養液栽培装置の電気的構成図である。
図9図8による給液モードにおける供給状況遷移のイメージ的グラフである。
図10図8の養液栽培装置の給液モードの動作のフローチャートである。
図11図8の養液栽培装置の異常報知モードの動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る養液栽培装置について図を参照して説明する。
図1は、トマトの養液栽培のビニールハウス1を示す概要平面図である。ビニールハウス1の内部には、複数のベッド3、3、……が列状に連なって配置されてベッド列4が形成されている。各ベッド3にはトマトを養液栽培するための栽培用容器としてポット5が配置されている。このポット5、5、……は二条で配置されている。図6に示すように、ポット5にはココヤシ繊維からなる培地が収容されており、その培地にトマト7が定植されている。
複数のベッド列4、4、……は列毎に系統が別になって、個別に給液設定ができるようになっており、ベッド列4、4、……に対して、マットセンサ9、9、……が一対一対応で敷かれて配置されている。マットセンサ9は、その対応するベッド列4に栽培されているトマト7に対して摘果、葉かき等の減量作業が実施されるときに、作業者が立つ位置に配置されている。
【0015】
図2に示すように、マットセンサ9は、全体が長方形の薄肉シート状になっており、図3図4に示すように、多層構造を有している。下面保護シート11と、上面保護シート13は絶縁ゴム製になっている。下面保護シート11は枠状になっており、内側が一段下がって収容部分になっている。上面保護シート13の上面13aは滑り止め用に凹凸面になっている。
下面保護シート11の枠内に一対のアルミ製の導電性シート15、15が上下で対向した状態で収容されている。導電性シート15は薄くフィルム状になっており、上側に位置するゴム製の上面保護シート13と共に凹陥変形可能になっている。
【0016】
また、この一対の導電性シート15、15の間に、比較的厚みのある絶縁性シート17が介装されている。この絶縁性シート17は弾性変形可能なスポンジ製になっており、多数の丸穴17a、17a、……が設けられている。この丸穴17aの穴サイズ、穴間隔は、図2に示すように、マットセンサ9の上に人が乗ってその足で踏まれると、図5に示すように、いずれかの丸穴17aの上側が矢印に示す荷重を受けて、その周囲の絶縁性シート17が圧縮すると共に、丸穴17aに被さった上側の導電性シート15が上面保護シート13と共に凹陥して下側の導電性シート15と接触するよう、大人の女性の平均的な靴サイズ23cmを基準に設定されている。
導電性シート15、15にはそれぞれリード線19、19が接続されており、一対の導電性シート15、15が接触すると導通する。リード線19、19は束ねられコード21となって、マットセンサ9から引き出されている。このコード21はコントローラ43(後述)に接続されている。
【0017】
マットセンサ9は作業の際に歩行の邪魔にならないように薄くなっており、作業者はマットセンサ9を踏んだことを意識せずに作業を進めることが可能となっている。作業者の存在を検知するには光を利用した人感センサもあるが、ポット5に接近して配置する必要があることから、葉等に遮られて誤検知する可能性が高く、このような使用環境に最適なセンサとしてマットセンサ9が採用されている。マットセンサ9の全体のサイズは、減量作業の際には、確実に作業者に踏まれるよう必要かつ十分なものになっている。
【0018】
図6図7に示すように、ポット5、5、……には、液肥供給手段の液肥を入れた液肥供給装置23からポンプ駆動によりパイプ25、25、……を介して液肥がそれぞれ供給されるようになっている。
符号27は重量計測手段としての吊秤を示す。この吊秤27ではロバーバル型のロードセル29を重量計として利用しており、上側支持フレーム31を介して吊下げ具33が連結され、下側支持フレーム35を介して牽引具37が連結されている。ビニールハウス1には、図1に示すように、丸棒状の補強材1aが所定の間隔をあけて複数横架されており、この補強材1aに吊下げ具33を連結してロードセル29を吊下げ支持させている。また、牽引具37は、ロープ39を介して計測用に基準とするトマト栽培中のポット5を牽引するようになっている。なお、この実施の形態では、計測用に1つのポット5を利用しているが、2~3のポット5の重量を計ってその平均値を採用してもよい。
【0019】
ロードセル29にはケーブルを介して中継器41が接続されており、そこから電圧信号が重量計測信号として送出される。
コントローラ43は、養液栽培装置の全体を制御するものであり、図8に示すように、その主体となる2つのタイマ内蔵のマイコンがマットセンサ9、ロードセル29の中継器41、液肥供給装置23のポンプ駆動回路23a、警報ブザー(コントローラ43に配設)のブザー駆動回路45と電気的に接続されている。マイコンは設定されたプログラムに基づいて制御しており、機能的に捉えると、給液実行部47と、補正機能部49と、異常報知部51を構成している。
【0020】
給液実行部47は、ロードセル29で計測された重量を適正重量(100%)に対して相対化して相対重量(%)とし、
適正重量(100%)-相対重量(%)=減少分(%)
を算出し、その減少分(%)が閾値(%)以下になったときに、液肥供給装置23のポンプ駆動回路23aを動作させて液肥の供給、すなわち給液を実行する。給液対象は牽引されたポット5を含めてそのベッド列4に含まれる多数のポット5、5、……が含まれている。
適正重量は、前日の最後または当日の最初に計測された最大重量に基づいて毎日更新するようになっており、開花から果実の生育、収穫直前までポット5の重量が増えていくと、それに追従して適正重量の絶対値が大きくなっていく。
従って、図9の[給液モード(減量作業無し)]に示すように、1日の単位で見ると、液肥の供給タイミングを最適化させ、給液の遅れや早まりによる水分ストレスを与えずに済む。また、週単位で見ると、果実の生育につれて液肥の供給量も増えることになる。
【0021】
栽培中には、栄養を行き渡らせる等のために摘果をしたり、風通しを良くしたり、果実を露出させたりする等のために葉かきをするが、このような作業をするとポット5の重量が減る。このような減量作業が実施された場合に、その減量分を考慮しないと給液過剰になるため、補正機能部49が給液実行部47に対して補正を実行する。
図10のフローチャートに示すように、給液モードがスタートすると、給液実行部47が上記したように給液を開始する。
補正機能部49は、マットセンサ9が荷重を検知すると、マットセンサ9の上に減量作業のために人が立って「踏んだ」と判断し、給液実行部47に介入して給液を停止する。そして、マットセンサ9が荷重を検知しない状態になると人がマットセンサ9から「退いた」と判断し、更に、「30秒間」経過してもその「退いた」状態が継続すると、減量作業を終了したと判断して、給液実行部47に介入して、先ず、計測用のポット5の重量を計測してその重量で適正重量を更新する。そして、給液を再開する。
【0022】
作業途中では、作業者がマットセンサ9から一旦降りても再び乗ったりという状況が想定されること、降りた状態で枝を掴んだりして計測用のポット5に作業者の体重が掛かる場合もある。そのため、マットセンサ9が荷重を検知しない時間が「30秒間」継続した時点で、作業が終了と判断している。
適正重量を減量作業が終了した後の減った重量で更新するので、液肥の供給量も減ってその減量作業後の最適な量を給液する。
図6に示す摘果前の状態から図7に示す摘果後の状態に変わるときには、この補正機能部49が効果的に働く。図9の[給液モード(減量作業有り)]に示すように、給液再開後には、液肥の相対的供給量は変わらないが、絶対的供給量、すなわち実際の供給量が変わる。
【0023】
但し、補正機能部49に係るマットセンサ9は、作業者に踏まれて導通するだけでなく、作業用台車に摘果したものを載せたりしながら作業をする際には、この作業用台車が乗ったときにも導通する。
導通すると、給液を中止するので、疲れたりして作業を途中で中断したような場合に作業用台車をそのまま置き去りにしてしまうと、その中断時間が長くなるときには給液の停止による水分ストレスが強くなってしまう。
これでは、補正機能部49の存在が却って悪影響をもたらすので、異常報知部51も併用して備えられている。
【0024】
異常報知部51は、図11のフローチャートに示すように、給液モードのスタートに並行して異常報知モードをスタートさせる。
異常報知部51は、マットセンサ9が荷重を検知すると、人を含めて何かがその上に「乗った」と判断する。信号としては同じであるが、補正機能部49では、「踏んだ」と判断し、この異常報知部51では「踏んだ」人を含めて何かが「乗った」と論理的に区別している。「10分間」経過してもその「乗った」状態が継続すると、「乗った」のは減量作業のために人が「踏んだ」状態ではないと判断して、警報ブザーのブザー駆動回路45を駆動させて警報ブザーを鳴動させる。そして、マットセンサ9が荷重を検知しない状態になると、マットセンサ9から作業用台車等の減量作業の検知に邪魔になるものが「退いた」と判断して、警報ブザーの鳴動を停止する。
作業者が減量作業のためにマットセンサ9を踏み続ける時間を考慮して、減量作業中には警報ブザーが鳴動しないように、「10分間」を待機時間に設定している。
【0025】
上記のように、補正機能部49と異常報知部51を備えることにより、この養液栽培装置では、実際に摘果、葉かき等の減量作業が行われた場合にも、自己補正機能が働き、その作業前と変わらずに、そのまま、必要なときに必要な分だけ給液を実行する。
【0026】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲における設計の変更があっても発明に含まれる。
例えば、ポット5、5、……を一条で配置する場合には、ベッド列4の両側から減量作業を行うことが多い。そのような場合には、マットセンサ9をベッド列4の下側を通してベッド列4の両側で露出させるように配置することが推奨される。このように配置すれば、いずれの側に作業者が立って減量作業が実施されてもマットセンサ9は検知することができる。
また、マットセンサ9から「退いた」後の「退いた」状態の継続時間や、マットセンサ9に「乗った」状態の継続時間などの「時間」は、上記実施の形態では、数字で具体的に記載されているが、これらは一例であり、「時間」についても、任意に設定可能である。
【符号の説明】
【0027】
1…ビニールハウス 1a…補強材 3…ベッド 4…ベッド列
5…ポット 7…トマト 9…マットセンサ 11…下面保護シート
13…上面保護シート 13a…上面 15…導電性シート 17…絶縁性シート
17a…丸穴 19…リード線 21…コード 23…液肥供給装置
23a…ポンプ駆動回路 25…パイプ 27…吊秤 29…ロードセル
31…上側支持フレーム 33…吊下げ具 35…下側支持フレーム
37…牽引具 39…ロープ 41…中継器 43…コントローラ
45…ブザー駆動回路 47…給液実行部 49…補正機能部
51…異常報知部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11