(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】受粉用の蜂の巣箱及び巣箱カバー
(51)【国際特許分類】
A01K 47/06 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A01K47/06
(21)【出願番号】P 2022034117
(22)【出願日】2022-03-07
【審査請求日】2023-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594137557
【氏名又は名称】丸東東海商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104514
【氏名又は名称】森 泰比古
(72)【発明者】
【氏名】金子 幸義
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-136870(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110786269(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109247267(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105393949(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 47/00 - 47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構成を備えていることを特徴とする受粉用の蜂の巣箱。
(1A)二重以上の構造の側壁を有し、最外層の側壁下部に、外側へ開き得る下部フラップが備えられていること。
(1B)前記下部フラップは、外側へ開いた状態で両端部を上方に立ち上げることができる様にフラップの底部両端から中央に向かう所定範囲を切り離し可能に構成されていること。
【請求項2】
受粉用の蜂を収容した巣箱本体を覆う様に収納する巣箱カバーであって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする巣箱カバー。
(2A)両側面の下部には外側へ開き得る下部フラップが備えられていること。
(2B)前記下部フラップは、外側へ開いた状態で両端部を上方に立ち上げることができる様にフラップの底部両端から中央に向かう所定範囲を切り離し可能に構成されていること。
【請求項3】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項2に記載の巣箱カバー。
(3)両側面には、前記下部フラップの上部切り離し線の中央付近に窓,窪み又は切り込みが形成されていること。
【請求項4】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の巣箱カバー。
(4)前記下部フラップにおいて上方に立ち上げることができる様に切り離し可能とされた部分は、側面下部から底面側に所定量入り込む様に構成されていること。
【請求項5】
さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の巣箱カバー。
(5A)前記巣箱本体の側面の大部分及び底面を覆う下側部材と、前記巣箱本体の側面上部及び上面を覆う上側部材とを、前記上側部材が前記下側部材の上部を覆う様に複数箇所で接合して角筒状に形成されていること。
(5B)前記下部フラップは前記下側部材の両力面の下部中央に設けられていること。
(5C)前記上側部材には、その両側面の中央上部に下部を切り離して外側へ開くことができ、両端に切り欠き穴を備える上部フラップが形成されていること。
(5D)前記上側部材は、その裏側を通して前記上部フラップの両端の切り欠き穴から外へ露出させる様
に吊り手を刺し通すことができる様に、前記上部フラップの形成されている範囲を外側へ開き得る様に前記下側部材に対して接合されていること。
(5E)前記上部フラップは前記下部フラップよりも前後幅が狭く、前後方向の中心が一致する様に形成されていること。
(5F)前記吊り手は、ループ状に形成され、底を回して両側面側で上方に飛び出し、前記底を回した部分が前後方向間隔を調整可能となる様に取り付けられていること。
【請求項6】
高さに比べて幅の狭い直方体状で受粉用の蜂を収容した巣箱本体を請求項2~5のいずれかの巣箱カバーに収納し、前記下部フラップを外に開くと共にその両端部を上方に立ち上げる様に折り曲げて形成した転倒防止ステーを備えてなる受粉用の蜂の巣箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受粉用の蜂の巣箱及び巣箱カバーに係り、特に、転倒防止機能に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半分に折り畳んだ巣脾枠を収納した段ボール製のミツバチ巣箱の提案がなされている(例えば、特許文献1,2)。
【0003】
これは、受粉用としては養蜂用に比べて十分の一程度の数千匹のミツバチで足りると共に、圃場やハウス内で容易に移動させることができる様に小型化・軽量化が要求されるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、小型・軽量とした受粉用のミツバチ巣箱は、高さに比べて幅が小さいために転倒し易いという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、小型化・軽量化しても転倒し難く、運搬や保管に際して嵩張ることのない受粉用の蜂の巣箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の受粉用の蜂の巣箱は、以下の構成を備えていることを特徴とする。
(1A)二重以上の構造の側壁を有し、最外層の側壁下部に、外側へ開き得る下部フラップが備えられていること。
(1B)前記下部フラップは、外側へ開いた状態で両端部を上方に立ち上げることができる様にフラップの底部両端から中央に向かう所定範囲を切り離し可能に構成されていること。
【0008】
本発明の受粉用の蜂の巣箱によれば、圃場等に設置する際に、下部フラップを外側へ開いた状態で両端部を上方に立ち上げることにより、巣箱の底部に両側面から外側へ飛び出した転倒防止ステーを備えさせることができる。
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の巣箱カバーは、受粉用の蜂を収容した巣箱本体を覆う様に収納する巣箱カバーであって、さらに、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(2A)両側面の下部には外側へ開き得る下部フラップが備えられていること。
(2B)前記下部フラップは、外側へ開いた状態で両端部を上方に立ち上げることができる様にフラップの底部両端から中央に向かう所定範囲を切り離し可能に構成されていること。
【0010】
本発明の巣箱カバーによれば、受粉用の蜂を収容した巣箱本体を覆う様に収納し、圃場等に設置する際に、下部フラップを外側へ開いた状態で両端部を上方に立ち上げることにより、巣箱カバーの底部に両側面から外側へ飛び出した転倒防止ステーを備えさせることができる。
【0011】
ここで、本発明の巣箱カバーは、さらに、以下の構成をも備えたものとすることができる。
(3)両側面には、前記下部フラップの上部切り離し線の中央付近に窓,窪み又は切り込みが形成されていること。
【0012】
この巣箱カバーによれば、転倒防止ステーとなる様に上方に立ち上がらせた下部フラップの両端部を窓,窪み又は切り込みに嵌まり込ませることで、転倒防止ステーを巣箱の両側面にしっかりと設置した状態にすることができる。
【0013】
これら本発明の巣箱カバーは、さらに、以下の構成をも備えたものとすることができる。
(4)前記下部フラップにおいて上方に立ち上げることができる様に切り離し可能とされた部分は、側面下部から底面側に所定量入り込む様に構成されていること。
【0014】
この巣箱カバーによれば、下部フラップにおいて上方に立ち上げることができる様に切り離し可能とされた部分は、側面下部から底面側に所定量入り込む様に構成されているから、下部フラップを折り曲げて形成した転倒防止ステーの底面は外下がりとなる。従って、巣箱を圃場等に設置して巣箱の重量が加わると転倒防止ステーの上部は巣箱本体に向かって回動し、巣箱本体に密着しようとする。これにより、転倒防止ステーがしっかりと設置された状態を自然に実現することができる。特に、(3)の構成をも備えた場合は、転倒防止ステーの上部が三角形の窓又は窪みによって保持されるから、その形状をしっかりと維持し、より安定した転倒防止ステーとして機能することになる。
【0015】
これら本発明の巣箱カバーは、さらに、以下の構成をも備えたものとすることができる。
(5A)前記巣箱本体の側面の大部分及び底面を覆う下側部材と、前記巣箱本体の側面上部及び上面を覆う上側部材とを、前記上側部材が前記下側部材の上部を覆う様に複数箇所で接合して角筒状に形成されていること。
(5B)前記下部フラップは前記下側部材の両力面の下部中央に設けられていること。
(5C)前記上側部材には、その両側面の中央上部に下部を切り離して外側へ開くことができ、両端に切り欠き穴を備える上部フラップが形成されていること。
(5D)前記上側部材は、その裏側を通して前記上部フラップの両端の切り欠き穴から外へ露出させる様に吊り手を刺し通すことができる様に、前記上部フラップの形成されている範囲を外側へ開き得る様に前記下側部材に対して接合されていること。
(5E)前記上部フラップは前記下部フラップよりも前後幅が狭く、前後方向の中心が一致する様に形成されていること。
(5F)前記吊り手は、ループ状に形成され、底を回して両側面側で上方に飛び出し、前記底を回した部分が前後方向間隔を調整可能となる様に取り付けられていること。
【0016】
この巣箱カバーによれば、巣箱カバーの上部フラップを外側へ開くと共に上側部材の下部を下側部材に対して開き気味としてループ状の吊り手を上側部材と下側部材の間に刺し通し、上部フラップの両端の切り欠き穴を通して上方に抜け出させた後に上部フラップを閉じることで、吊り手は、上側部材と下側部材の間に挟み付けられつつ適正な位置に持ち手を備える状態に装着することができる。また、挟み付けているだけであるから取り外しも容易に実施できる。そして、上部フラップは下部フラップよりも前後幅が狭く、前後方向の中心が一致する様に形成されると共に、吊り手は、底を回した部分が前後方向間隔を調整可能となる様に取り付けられているから、下部フラップを開く際にはその邪魔にならない様にずらすことができる一方、下部フラップを折り畳んだときにはその外側を押さえることができる。
【0017】
上記目的を達成するためになされた本発明の受粉用の蜂の巣箱は、高さに比べて幅の狭い直方体状で受粉用の蜂を収容した巣箱本体を、上述した本発明の巣箱カバーのいずれかに収納し、前記下部フラップを外に開くと共にその両端部を上方に立ち上げる様に折り曲げて形成した転倒防止ステーを備えてなる。
【0018】
本発明の受粉用の蜂の巣箱によれば、運搬・保管に際しては転倒防止ステーを折り畳んだ状態とし、圃場等の設置に際しては、巣箱カバーの下部フラップを外側へ開いて両端を立ち上げる様に谷折りして巣箱の両側面から外に飛び出して接地し得る転倒防止ステーを備えさせることができる。これにより、受粉用であるが故に小型化・軽量化しても転倒し難く、運搬や保管に際して嵩張ることのない受粉用の蜂の巣箱を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、小型化・軽量化しても転倒し難く、運搬や保管に際して嵩張ることのない受粉用の蜂の巣箱を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】実施例1のミツバチ用巣箱の分解斜視図である。
【
図3】実施例1のミツバチ用巣箱を使用するに当たっての組み立て方法を示す説明図である。
【
図4】実施例1のミツバチ用巣箱を使用するに当たっての組み立て方法を示す説明図である。
【
図5】実施例1のミツバチ用巣箱の巣箱カバーの特徴部を示し、(A)は側面図、(B)は底面図、(C)は要部拡大断面図、(D)は要部拡大正面図である。
【
図6】他の実施例のミツバチ用巣箱の巣箱カバーの特徴部を示し、(A)は実施例2の要部拡大断面図及び要部拡大正面図、(B)は実施例3の要部拡大断面図及び要部拡大正面図である。
【
図7】実施例4のミツバチ用巣箱を示し、(A)は保管や移動の際の斜視図、(B),(C)は要部拡大断面図である。
【
図8】実施例4のミツバチ用巣箱を示し、(A)は圃場に設置する状態の斜視図、(B)は要部拡大断面図及び要部拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0022】
実施例1の受粉用のミツバチ用巣箱1は、
図1に示す様に、巣箱本体10と、巣箱カバー20とからなる。巣箱カバー20には、吊り手30と転倒防止ステー40が備えられる。また、巣箱カバー20には、巣箱本体10を収納した状態で抜け出さない様に前後に係止するストッパ部STP,STPが備えられている。
【0023】
巣箱本体10は、内部に数枚の巣脾枠を収納し、高さに比べて幅の狭い直方体状を呈するものであって、防水性を付与した段ボールを素材として形成され、
図2に示す様に、前面壁11に、縦長六角形の通気口12,12,…と、横長長方形の巣門13とが貫通されている。前面壁11は複数枚の段ボール壁からなり、その間に開閉板14が摺動可能に挟み込まれ、鉤形溝15から前方へ飛び出す様に備えられた摘み16を鉤形溝15に沿って移動させることにより巣門13の開閉を行う。
【0024】
通気口12には金網が取り付けられ、空気の流通はできても蜂の出入りはできない様になっている。また、上下方向各列の通気口12,12,…は、巣脾枠を挟んで左右に位置する配置となっている。
【0025】
巣門13には金網は装着されず、開閉板14を移動させて開口を開いた状態で蜂の出入りが可能となる様になっている。
【0026】
開閉板14は、それに備えられている摘み16を鉤形溝15の右下水平溝内に移動させた状態で巣門13を閉じた状態(CLS)、摘み16を鉤形溝15の左上水平溝内に移動させた状態で巣門13を開いた状態(OPN)となる様な寸法形状に構成されている。
【0027】
なお、巣箱本体10の背面壁及び側壁面は開口のない閉じた壁面となっている。そして、巣箱本体10の天板部は、巣脾枠の出し入れが可能な様に開放状態とすることが可能であると共に、閉じた状態における給餌等のための扉部17も備えている。
【0028】
巣箱カバー20も防水性を付与した段ボールを素材として形成され、
図2に示す様に、巣箱本体10の側面の大部分及び底面を覆う下側部材21と、巣箱本体10の側面上部及び上面を覆う上側部材22とを複数箇所で接合して角筒状に形成されている。このとき、上側部材22が下側部材21の側面を覆う様に接合する。また、巣箱カバー20の上側部材22の前後の角部には、巣箱本体10を収納した後に下方に押し込むことによって巣箱本体10の上部が前後方向へ抜け出さない様にするストッパ部STP,STPを形成するための切り込み23,23も備えられている。
【0029】
下側部材21の側面の中央下部には、ミシン目によって上部及び下部の両端から所定範囲を切り離して外へ開くことのできる下部フラップ24が形成されている。また、下部フラップ24の中央上部に三角形窓25が貫通されている。この下部フラップ24は、後述の方法により、転倒防止ステー40を形成するためのものである。
【0030】
また、上側部材22の側面の中央上部にミシン目によって下部を切り離して外へ開くことのできる上部フラップ26が形成されている。また、上部フラップ26の中央下部に半円窓27が貫通されている。この上部フラップ26の両端には、後述の方法により、吊り手30を装着するための半円状の切り欠き穴28,28も形成されている。なお、上側部材の側面中央下部は円弧状に切り欠かかれ、後述の方法により、吊り手30を装着する際に手を掛けて上側部材22を開き気味に変形させ易くしてある。また、上側部材22の上面には巣箱本体10を収納した状態で扉部17に重なる位置に開閉蓋29が備えられている。
【0031】
吊り手30はプラスチック製テープを用いてリング状に形成されている。
【0032】
次に、本実施例のミツバチ用巣箱1の組み立て方法等について説明する。
【0033】
まず、
図3(A)に示す様に、巣箱カバー20に巣箱本体10を収納し、切り込み23,23のある角部を下方に押し込んでストッパ部STP,STPを形成し、巣箱本体10が前後方向へ抜け出さない状態にする。
【0034】
次に、
図3(B)に示す様に、巣箱カバー20の上側部材22の半円窓27から上部フラップ26の裏側に指を挿し入れて上部フラップ26の下部のミシン目を切り離しながら外側に開くと共に、側面中央下部の円弧状切り欠きの部分に手を掛けて上側部材22と下側部材21との間に隙間を形成し、この隙間から吊り手30を差し通し、上部フラップ26の切り欠き穴28,28に通す様に上方へ引き出す。その後、
図3(C)に示す様に、上部フラップ26を閉じる。これと同じ作業を反対側の側面についても実行し、吊り手30を装着した状態とする。このとき、吊り手30の下部は、下部フラップ24を開く際の邪魔にならない様に外へずらしておく(
図3(D)参照。)。
【0035】
次に、
図4(A)に示す様に、三角形窓25から下部フラップ24の裏側に指を挿し入れて下部フラップ24の上部のミシン目を切り離しながら外へ倒す。そして、
図4(B),(C)に示す様に、下部フラップ24の両端部分24a,24bを、ミシン目を切り離しながら、それぞれ谷折りして上方に持ち上げると共に、それぞれの先端を三角形窓25に嵌まり込ませる。これにより、転倒防止ステー40が形成される。その後、吊り手30が上下方向に真っ直ぐとなる様に、下部を中央に寄せる様に移動させる(
図4(D)参照。)。
【0036】
本実施例においては、
図5(A),(B)に示す様に、開いて転倒防止ステー40を形成するため下部フラップ24は、巣箱カバー20の側面下部から底面に至るミシン目24cによって開くことができる様に形成されている。この結果、
図5(C)に示す様に、地面GNDに設置したとき、巣箱の重量が下向きに加わる結果、転倒防止ステー40は巣箱の中心に向かって上端を回動させる力を受ける。その結果、転倒防止ステー40を、
図5(D)に示す様に、その底面を地面GNDに接地させると共に、
図5(C)に示す様に、巣箱側の端面を巣箱本体10に対して押し付けることとなり、三角形窓25に嵌まり込んだ状態を、よりしっかりとしたものとすることができる。
【0037】
また、こうして形成した転倒防止ステー40は、
図4(A)~(D)に示した組み立て手順と逆に、吊り手30を下部を開いた状態とし、フラップの両端24a,24bを外へ倒して平らな状態の下部フラップ24に戻し、これを折り畳んだ後に吊り手30の下部で外から押さえる様に収納することができる。
【実施例2】
【0038】
実施例2は、
図6(A)に示す様に、下側部材121a,121bの二重構造の巣箱カバーを備えるものにおいて、外側の下側部材121bに実施例1と同様の下部フラップを備えさせ、三角形窓に代えて三角形窪み125を備えさせたものである。転倒防止ステー140の上部は三角形窪み125に保持される。
【実施例3】
【0039】
実施例3は、
図6(B)に示す様に、下側部材221に実施例1と同様の下部フラップを備えさせ、三角形窓に代えて切り込み225,225を備えさせたものである。転倒防止ステー240の上部は切り込み225,225に保持される。
【実施例4】
【0040】
実施例4のミツバチ巣箱4は、
図7に示す様に、二重以上の構造の側壁421a,421bを有し、最外層の側壁421a,421aの中央下部に、ミシン目によって上部及び下部の両端から所定範囲を切り離して外へ開くことのできる下部フラップ424,424が備えられている。最外層の側壁421a,421aには、下部フラップ424,424の中央上部に三角形窓425,425が貫通されている。下部フラップ424,424のミシン目は、実施例1と同様に、ミツバチ巣箱4の側面下部から底面に至る様に形成されている。そして、三角形窓425,425から下部フラップ424,424の裏側に指を挿し入れて下部フラップ424,424の上部のミシン目を切り離しながら外へ倒す。このとき、下部フラップ424,424の内側には側壁421b,421bが備わっているから、ミツバチ巣箱4に開口が形成されることはない。
【0041】
次に、下部フラップ424,424の両端部分を、ミシン目を切り離しながら、それぞれ谷折りして上方に持ち上げると共に、それぞれの先端を三角形窓425,425に嵌まり込ませる。これにより、
図8に示す様に、ミツバチ巣箱4の両側面の中央下部に、転倒防止ステー440,440が形成される。この転倒防止ステー420,420には、地面GNDに設置したとき、巣箱の重量が下向きに加わり、巣箱の中心に向かって上端を回動させる力を受ける。その結果、転倒防止ステー440、440を、その底面を地面GNDに接地させると共に、
図8(C)に示す様に、巣箱側の端面をミツバチ巣箱4の内側の側壁421b.421bに対して押し付けることとなり、三角形窓425,425に嵌まり込んだ状態を、よりしっかりとしたものとすることができる。
【0042】
以上説明した実施例によれば、圃場やハウス内で地面に直置きしたとき、転倒防止ステー40が巣箱の横倒れを阻止する結果、受粉用に要求される小型化・軽量化をしても転倒し難いミツバチ用巣箱を提供することができる。
【0043】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限らず、その要旨を逸脱しない範囲内での種々なる変形実施が可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
蜂による農作物の受粉に利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1,4・・・ミツバチ用巣箱、10・・・巣箱本体、11・・・前面壁、12・・・通気口、13・・・巣門、14・・・開閉板、15・・・鉤形溝、16・・・摘み、17・・・扉部、20・・・巣箱カバー、21・・・下側部材、22・・・上側部材、23・・・切り込み、24・・・下部フラップ、24a,24b・・・両端部分、24c・・・ミシン目、25・・・三角形窓、26・・・上部フラップ、27・・・半円窓、28・・・切り欠き穴、29・・・開閉蓋、30・・・吊り手、40・・・転倒防止ステー、121a,121b・・・下側部材、125・・・三角形窪み、140・・・転倒防止ステー、221・・・下側部材、225・・・切り込み、240・・・転倒防止ステー、STP・・・ストッパ部、421a,421b・・・側壁、424・・・下部フラップ、425・・・三角形窓、440・・・転倒防止ステー。