(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】格納式充電ステーション
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240110BHJP
B60L 53/31 20190101ALI20240110BHJP
B60L 53/60 20190101ALI20240110BHJP
【FI】
H02J7/00 301A
H02J7/00 P
B60L53/31
B60L53/60
(21)【出願番号】P 2022173876
(22)【出願日】2022-10-31
(62)【分割の表示】P 2021538932の分割
【原出願日】2018-10-15
【審査請求日】2022-10-31
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】521108401
【氏名又は名称】アーバン エレクトリック ネットワークス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】URBAN ELECTRIC NETWORKS LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100145241
【氏名又は名称】鈴木 康裕
(72)【発明者】
【氏名】フリーリング-ウィルキンソン、オリビア
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0066515(US,A1)
【文献】特開2012-100448(JP,A)
【文献】特開2013-85342(JP,A)
【文献】特開平1-6972(JP,A)
【文献】特開2011-160615(JP,A)
【文献】特開平11-122714(JP,A)
【文献】国際公開第2017/037021(WO,A1)
【文献】特開2013-48544(JP,A)
【文献】特開平7-64179(JP,A)
【文献】特開昭62-100392(JP,A)
【文献】特開昭57-189146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-3/12
7/00-13/00
15/00-58/40
H02J 7/00-7/12
7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部構造物に取り付けるために構成されたベース部と、
車両に接続するための充電コンセントを有する充電部と、
前記ベース部から伸展する伸展位置と引込位置との間で前記充電部を移動させるための格納機構と、
前記格納機構を制御するためのコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記充電コンセントからの直近の充電が停止してから所定の時間が経過したか否かを判定し、
少なくとも1人のユーザの事前行動により前記所定の時間を調整し、
前記所定の時間が経過したと判定された場合に、前記格納機構を作動させて前記充電部を前記引込位置に移動させる、
ように構成されている、
車両のバッテリを充電するための充電ステーション。
【請求項2】
下部構造物に取り付けるために構成されたベース部と、
車両に接続するための充電コンセントを有する充電部と、
前記ベース部から伸展する伸展位置と引込位置との間で前記充電部を移動させるための格納機構と、
ユーザからの入力を受け付けるように構成されたユーザインターフェースと、
前記格納機構を制御するためのコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記充電コンセントからの直近の充電が停止してから所定の時間が経過したか否かを判定し、
前記ユーザインターフェースが受け付けた入力により前記所定の時間を調整し、
前記所定の時間が経過したと判定された場合に、前記格納機構を作動させて前記充電部を前記引込位置に移動させる、
ように構成されている、
車両のバッテリを充電するための充電ステーション。
【請求項3】
下部構造物に取り付けるために構成されたベース部と、
車両に接続するための充電コンセントを有する充電部と、
前記ベース部から伸展する伸展位置と引込位置との間で前記充電部を移動させるための格納機構と、
無線信号を受信するための受信装置と、
前記格納機構を制御するためのコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記充電コンセントからの直近の充電が停止してから所定の時間が経過したか否かを判定し、
前記受信装置が受信した無線信号により前記所定の時間を調整し、
前記所定の時間が経過したと判定された場合に、前記格納機構を作動させて前記充電部を前記引込位置に移動させる、
ように構成されている、
車両のバッテリを充電するための充電ステーション。
【請求項4】
前記コントローラは、受信した無線信号から導出されるユーザの近接度の測定値により前記所定の時間を調整するようにさらに構成されている請求項3に記載の充電ステーション。
【請求項5】
下部構造物に取り付けるために構成されたベース部と、
車両に接続するための充電コンセントを有する充電部と、
前記ベース部から伸展する伸展位置と引込位置との間で前記充電部を移動させるための格納機構と、
前記格納機構を制御するためのコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記充電コンセントからの直近の充電が停止してから所定の時間が経過したか否かを判定し、
接続された車両の充電を判定し、
接続された車両の直近に判定された充電により前記所定の時間を調整し、
前記所定の時間が経過したと判定された場合に、前記格納機構を作動させて前記充電部を前記引込位置に移動させる、
ように構成されている、
車両のバッテリを充電するための充電ステーション。
【請求項6】
前記コントローラは、時間帯により前記所定の時間を調整するようにさらに構成されている請求項5に記載の充電ステーション。
【請求項7】
下部構造物に取り付けるために構成されたベース部と、
車両に接続するための充電コンセントを有する充電部と、
前記ベース部から伸展する伸展位置と引込位置との間で前記充電部を移動させるための格納機構と、
前記格納機構を制御するためのコントローラと、
を備え、
前記コントローラは、
前記充電コンセントからの直近の充電が停止してから所定の時間が経過したか否かを判定し、
近くの充電ステーションから受信した信号と天候の一方または両方により前記所定の時間を調整する
前記所定の時間が経過したと判定された場合に、前記格納機構を作動させて前記充電部を前記引込位置に移動させる、
ように構成されている、
車両のバッテリを充電するための充電ステーション。
【請求項8】
前記ベース部および/または前記充電部の遠位端は、荷重を検出するための荷重センサを備え、前記コントローラは、人や車両に遮られているときに充電部を伸展しようとしたときの破損を防止するために、荷重センサが所定の閾値を超える荷重を検出した場合に、前記格納機構を伸展しないように構成されている請求項1乃至7のいずれかに記載の充電ステーション。
【請求項9】
前記充電部は、充電ケーブルを介して充電コンセントに取り付けられ、前記コントローラは、前記格納機構に前記充電部を引込位置に移動させる前に、前記充電部に前記充電ケーブルを巻き取らせるようにさらに構成されている請求項1乃至8のいずれかに記載の充電ステーション。
【請求項10】
前記充電部は、伸縮式円柱状物を備える請求項1乃至9のいずれかに記載の充電ステーション。
【請求項11】
前記充電ステーションがさらにデータ入力ケーブルを備え、前記コントローラは、前記データ入力ケーブルを介して受信したデータにより前記充電部を伸展または格納させることができる請求項1乃至10のいずれかに記載の充電ステーション。
【請求項12】
前記コントローラは、前記充電ステーションに供給される電力のサージを検出するようにさらに構成されており、かつ、前記コントローラは、電力のサージを検出したときに充電を終了するようにさらに構成され、選択的に前記コントローラは、電力サージが検出されたときに前記格納機構に前記充電部を格納させるようにさらに構成されている請求項1乃至11のいずれかに記載の充電ステーション。
【請求項13】
前記コントローラは、車両が電気的に切断されたと判定することによって充電が停止したと判定するように構成されており、および/または、前記コントローラは、接続された車両のバッテリが完全に充電されたと判定することにより充電が停止したと判定するようにこうせいされている請求項1乃至12のいずれかに記載の充電ステーション。
【請求項14】
前記充電部を移動させるために複数の前記格納機構を提供する請求項1乃至13のいずれかに記載の充電ステーション。
【請求項15】
前記充電コンセントは、前記充電部に直接配置される請求項1乃至14のいずれかに記載の充電ステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のバッテリを充電するための格納式充電ステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車には、電気のみを動力源とする純粋な電気自動車と、電気と内燃機関などの他の動力源を組み合わせて動力を供給するハイブリッド自動車がある。電気自動車の普及が急速に進んでいる。ほとんどの電気自動車は、停車中に充電ステーションから蓄えたエネルギー(バッテリーなど)に依存している。充電ステーションは、サービスエリアや車の所有者のガレージに設置することができる。ガレージに駐車するのが一般的な地域では、これで十分かもしれない。しかし、一部の地域では路上駐車が一般的である。
【0003】
電気自動車が電力網と通信して電力網に電力を供給したり、充電レートを調整したりするV2G(Vehicle-to-Grid)システムは、ピーク時の電力需要を満たすための柔軟な仕組みを提供し、車両所有者はオフピーク時に安価な料金で充電を行うことができる。充電ステーションの不適切な制御/使用およびそれへの損傷は、車両所有者および電気グリッドオペレータの両方に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
電気自動車の所有者が自宅の外の路上に駐車する場合、電気自動車を充電するために自宅から自動車まで電気ケーブルを走らせることは可能である。しかし、そのケーブルは、家と道路の間の歩道を横切っている可能性があり、通行人に危険を与え得る。
【0005】
路上走行車の充電の仕組みを改善する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明によれば、下部構造物に取り付けるために構成されたベース部と、車両に接続するための充電コンセントを有する充電部と、ベース部から伸展する伸展位置と引込位置との間で充電部を移動させるための格納機構と、格納機構を制御するためのコントローラと、を備え、コントローラは、充電コンセントからの直近の充電が停止してから所定の時間が経過したか否かを判定し、所定の時間が経過したと判定された場合に、格納機構を作動させて充電部を引込位置に移動させるように構成されている車両のバッテリを充電するための充電ステーションが提供される。
【0007】
コントローラは、少なくとも1人のユーザの事前行動により所定の時間を調整するようにさらに構成されてもよい。
【0008】
充電ステーションは、ユーザからの入力を受け付けるように構成されたユーザインターフェースをさらに備え、コントローラは、受け付けた入力により所定の時間を調整するようにさらに構成されてもよい。
【0009】
充電ステーションは、無線信号を受信するための受信装置をさらに備え、コントローラは、受信した無線信号により所定の時間を調整するようにさらに構成されている。
【0010】
受信装置は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、NFC(近距離無線通信)またはRFIDのうちの少なくとも1つを介して無線信号を受信するように構成されてもよい。
【0011】
コントローラは、受信した無線信号から導出されるユーザの近接度の測定値により所定の時間を調整するようにさらに構成されてもよい。
【0012】
コントローラは、接続された車両の充電を判定するようにさらに構成されてもよい。
【0013】
コントローラは、接続された車両の直近に判定された充電により所定の時間を調整するようにさらに構成されてもよい。
【0014】
コントローラは、時間帯により所定の時間を調整するようにさらに構成されてもよい。
【0015】
コントローラは、近くの充電ステーションから受信した信号により所定の時間を調整するようにさらに構成されてもよい。
【0016】
コントローラは、天候により所定の時間を調整するようにさらに構成されてもよい。
【0017】
コントローラは、充電部または格納機構の動きが妨害されているかどうかを判定し、妨害が検出された場合に動きを防止するようにさらに構成されてもよい。
【0018】
充電部は、充電ケーブルを介して充電コンセントに取り付けられていてもよい。コントローラは、格納機構に充電部を引込位置に移動させる前に、充電部を充電ケーブルに巻き取るようにさらに構成されてもよい。
【0019】
充電部は、伸縮式円柱状物で構成されていてもよい。
【0020】
充電コンセントは、電気ソケットと無線電気充電装置のうちの少なくとも1つを備えていてもよい。
【0021】
充電ステーションがさらにデータ入力ケーブルを備え、コントローラは、データ入力ケーブルを介して受信したデータにより充電部を伸展または格納させることができてもよい。
【0022】
充電部は、電気道路車両のバッテリを充電するように構成されてもよい。
【0023】
格納機構は、伸展位置と引込位置との間で充電部を実質的に垂直に移動させるように構成されてもよい。
【0024】
ベース部は、車道または歩道を含む下部構造物に取り付けるように構成されてもよい。
【0025】
コントローラは、充電ステーションに供給される電力のサージを検出するようにさらに構成されてもよい。コントローラは、電力のサージを検出したときに充電を終了するようにさらに構成されてもよい。コントローラは、電力サージが検出されたときに格納機構に充電部を格納させるようにさらに構成されてもよい。
【0026】
コントローラは、車両が電気的に切断されたと判定することによって充電が停止したと判定してもよい。
【0027】
コントローラは、接続された車両のバッテリが完全に充電されたと判定することにより充電が停止したと判定してもよい。
【0028】
ベース部は、ベース部を下部構造物に固定するためのアンカー部分をさらに備えてもよい。
【0029】
充電部の遠位端は、充電部が引っ込んだときに、ベース部の一方の面と実質的に面一になっていてもよい。
【0030】
充電部が格納されたときに、充電部の遠位端が下部構造物の表面と実質的に面一になっていてもよい。
【0031】
充電部が格納されたときに、ベース部の一方の面が下部構造物の表面と実質的に面一になっていてもよい。
【0032】
充電部が格納されたときに、ベース部と充電部とが、ベース部への流体の侵入を抵抗するためのシールを形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
次に、本発明を添付図面を参照して例示的に説明する。
【
図1】
図1は、本発明に係る充電ステーションの概略図である。
【
図2】
図2は、充電ステーションが伸展状態にあるときの様子を示す図である。
【
図3】
図3は、使用時の充電ステーションを示し、電気自動車を充電している。
【
図4】
図4は、充電ステーションが格納状態にあるときの、伸縮自在の折り畳み式ジャッキ駆動機構を有する充電ステーションを示している。
【
図5】
図5は、充電ステーションがその伸展状態にあるときの、伸縮自在の折り畳み式ジャッキ駆動機構を有する充電ステーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の説明は、当技術に熟練した任意の者が本発明の製造および使用を可能にするために提示され、特定の適用の文脈で提供される。開示された実施形態に対する様々な修正は、当技術に熟練した者には容易に明らかになるであろう。
【0035】
本明細書で定義された一般的な原理は、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、他の実施形態および応用に適用することができる。したがって、本発明は、示された実施形態に限定されることを意図したものではなく、本明細書に開示された原理および特徴と一致する最も広い範囲が与えられることが意図される。
【0036】
図1は、充電ステーション100の一例を示す概略図である。充電ステーションは、車両300に接続するための充電コンセント104を有する充電部101を備える。充電部は、充電コンセントを提供することができる柱、支柱、または他の構造物である。充電コンセントは、車両に電荷を転送するための任意の適切な構造であってもよく、例えば、1つまたは複数の電気ソケット、プラグ、またはワイヤレス充電システムであってもよい。充電コンセントは、充電部に直接配置されていてもよいし、電気ケーブルによって充電部に接続されていてもよい。充電ケーブルが使用されている場合、充電部は、格納された充電ケーブルを収納するためのレセプタクル、または、使用されていないときに充電コンセントをドッキングすることができるドックを含んでいてもよい。充電部は、使用していないときに充電ケーブルを機械的に引き抜くための駆動機構を含んでいてもよい。駆動機構は、充電ケーブルをレセプタクル内に引き出してもよいし、充電ケーブルの遠位端の充電コンセントが充電部の外装と面一になるようにしてもよい。充電ステーション100は、無線受信装置107を介して、および/または地中/埋め込みケーブル108によって、その電力を無線で受信してもよい。充電ステーションは、一般に、車止めポール(ボラード)、ポイント、ポスト、柱、ポール、円柱(コラム)などと呼ばれてもよい。充電部は、プリズム状(角柱状)である必要はなく、任意の形状であってもよい。充電部は、モノリシックであってもよいし、伸縮自在に折りたたむことができるように分割されていてもよい。
図4および5に示すような伸縮式充電部は、システムをコンパクトに保つことができ、深い穴を掘る必要がなく、さまざまな場所に簡単に設置でき、充電コンセントが電気的および移動性のコンプライアンス基準を満たしていることを保証する。充電部の個々の伸縮自在のセグメントは、完全に伸展された伸縮式充電部の長さに沿って、大から小の順序(
図5に示すように)または逆の小から大の順序(図示せず)で配置することができる。伸縮自在のセグメントは、2つ以上の個別の伸縮自在のセグメントで構成されていてもよく、例えば、2つ、3つ(
図4および5に示すように)、4つ、5つまたは6つのセグメントがあってもよい。個々の伸縮自在のセグメントは、同じ長さでなくともよく、充電部の長さに沿ってさらに長くなったり短くなったりする。個々の伸縮自在のセグメントは、不規則なサイズであってもよい。
【0037】
充電される車両は、どのようなタイプのものであってもよく(バッテリを有していればよく、ここでは、任意の電気記憶装置を意味する)、例えば、車両は、完全な電気、電気/内燃ハイブリッド、または完全な内燃駆動であってもよい。好ましい実施形態は、道路上の車両の充電に関連しているが、システムは、例えば、航空機、ボート、列車、電動車椅子、および移動式スクーターなど他のタイプの車両のバッテリを充電するためにも同様に使用することができる。便利なことに、車両は電気エネルギーを使用して、その動力を提供する。車両は、グリッドに電気を返す/販売するためまたはその充電率を調整するために電力グリッドと通信することにより、Vehicle-to-grid(V2G)活動に参加することができる。
【0038】
充電システムはまた、充電部が格納できる凹部を定義するベース部102を備える。好ましくは、ベース部と充電部は、充電部がベース部に垂直方向または実質的に垂直方向に引っ込めて格納されるように配置される。次いで、ベース部は、道路または歩道のような水平または実質的に水平な表面に便利に設置することができる。あるいは、ベース部は、充電部が別の方向に引っ込めて格納されるように配置されてもよい。例えば、ベース部は、垂直な壁と面一に設置され、充電部は、水平方向に引っ込めて格納されるように配置されてもよい。充電部が格納状態にあるとき、充電部とベース部は、充電部が格納された凹部に流体が入るのを防ぐために、互いにシール(例えば、弾力性のあるシール、例えば、ゴムシール)を形成してもよい。これは、部品の損傷による水漏れを防止するのに役立つ可能性がある。充電システムは、格納状態にあるときに表面から実質的に突出しないように、下部構造物105に埋め込まれるように構成されている。ベース部は、好ましくは、下部構造物と面一に設置されるが、ベース部が下部構造物の表面からわずかに突出している
図1~3に示されているように、スペースおよび他の設置要件が規定するように下部構造物の表面から突出していてもよい。下部構造物は、道路/滑走路の表面、土、砂利、舗道または歩道、車庫の壁または床など、任意の種類の適切な表面または媒体であってもよい。システムはまた、システムを下部構造物に固定するためのアンカー部分106を含んでもよい。このアンカー部分は、コンクリート基礎、鋼棒、ボルト、溶接、リベット、セメント、接着剤、クリッピングのうちの1つ以上を使用するなど、適切な既知の固定方法を利用することができる。アンカー部分は、
図1では表面近くに示されているが、システムの周囲のどこにでも配置されていてもよい。ベース部102および充電部は、少なくとも250kgを支持するのに十分な強度を有していることが好ましく、例えば、鋼またはプラスチックで作られていてもよい。
【0039】
ベース部および/または充電部の遠位端は、負荷を検出するための負荷センサを備えてもよい。
【0040】
充電システムは、さらに格納機構103を備える。格納機構は、充電部をベース部に対して相対的に移動させるための任意の適切な装置で構成されていてもよい。例としては、油圧式、空気圧式、熱式、磁気式のアクチュエータ、またはシザー機構、ギア、レール、プーリー、および/またはチェーンのうちの1つ以上を利用する機械システムが挙げられる。「折り畳み式ジャッキ」の機構でシザー機構114に作用するアクチュエータ113を含む例が、
図4および5に示されている。示されている伸縮自在の機構では、シザー機構の一端がベース部102および/または下部構造物105に移動可能に取り付けられ、他端が部分101に移動可能に取り付けられ、一方、アクチュエータ113の一端がベース部102および/または下部構造物に取り付けられ、他端がシザー機構114に取り付けられている。この機構は、充電部が伸縮しない例に適用され得ることは明らかであろう。
【0041】
格納機構は、充電部を伸展位置と引込位置との間で適切に移動させるために使用されてもよく、例えば、充電部は、充電が行われている間は伸展されてもよいが、理想的には、充電が行われていないときには格納されるべきである。好ましい実施形態では、格納機構は、充電部を実質的に垂直に、実質的に隠蔽された引込位置から、上昇した伸展位置に移動させる。伸展状態のシステムは、充電部がベース部から伸展している
図2および
図5に示されており、格納状態のシステムは、充電部の上部がベース部の上部内に実質的に入っている
図3および
図4に示されている。
【0042】
格納機構103は、部分的に(
図4および
図5に示すように)、または全体的に充電部内にあってもよい。格納機構は、代替的に、完全に充電部の外側にあってもよく、単に充電部の外側に作用してもよい。
【0043】
格納可能であることは、例えば、充電部が収納された状態では、歩行者がその中に入ることができず、自動車がその中に突っ込むことができないなど、充電部がその地域の他の利用者に迷惑をかけたり、害を与えたりする障害物となることを防止するのに役立つ。また、充電部を格納した状態で収納することができることで、充電部を収納したときに目立たなくなるため、設置される環境の美観を維持することができる。
また、複数の格納機構を使用してもよく、これは同種の機構であってもよいし、異なる機構であってもよい。これにより、伸展時に充電部に作用する力が所望のように(例えば、対称的に)適用されることを確実にすることができ、また、個々の格納機構への負荷を低減し、摩耗を低減し、定期的なメンテナンスの必要性を低減することができる。
【0044】
コントローラ112は、格納機構を制御するために使用される。コントローラ112は、ベース部102内に配置されていてもよいし、充電部101内に全体的または部分的に配置されていてもよい。コントローラは、充電部をその格納状態からその伸展状態へ、またはその伸展状態からその格納状態へ駆動するように格納機構を制御するように構成されている。これらの動作は、様々な刺激に応答して発生し得る。これらについては、以下でより詳細に論じるが、いくつかの例は以下の通りである。コントローラは、以下のいずれか1つ以上の要因に応じて、任意の組み合わせで、充電部をその格納状態からその伸展状態へと駆動するように格納機構を制御するように構成されていてもよい。
・ユーザによって作動される充電ステーションに関連付けられた物理的なユーザ入力デバイス。物理的なユーザ入力デバイスは、プッシュボタンまたはタッチスクリーンであり得る。それは、充電ステーション自体にあってもよいし、近くのプラカードや操作ステーションにあってもよい。
・ユーザが充電ステーションの使用要求を送信したことを示す、コントローラに受信される信号。例えば、ユーザは、携帯電話アプリケーションまたは車載システムを使用して、充電ステーションを使用したいことを示すことができる。そのアプリケーションは、サーバーにその要求の信号を送り、サーバーは、コントローラが接続されている有線または無線ネットワークを介して充電ステーションにその要求の信号を送ることができる。
・充電ステーションの近くにいることを検出されて充電することができる車両。電気自動車は、充電が必要なときに充電を要求するために充電ステーションと自動的に通信してもよい。
コントローラは、以下のいずれか1つ以上の要因に応じて、任意の組み合わせで、充電部をその伸展状態からその格納状態に駆動するように格納機構を制御するように構成されていてもよい。
・ユーザによって作動される充電ステーションに関連付けられた物理的なユーザ入力デバイス。物理的なユーザ入力デバイスは、プッシュボタンまたはタッチスクリーンであり得る。それは、充電ステーション自体にあってもよいし、近くのプラカードや操作ステーションにあってもよい。
・ユーザが充電ステーションの使用をこれ以上望まないことを示す、コントローラに受信される信号。例えば、ユーザは、携帯電話アプリケーションや車載システムを使用して、充電ステーションを使用したくないことを示すことができる。そのアプリケーションは、その旨をサーバーに送り、サーバーは、コントローラが接続されている有線または無線ネットワークを介して充電ステーションにその旨の信号を送ることができる。
・充電ステーションの近くにいなくなったことを検出されて充電することができる車両。電気自動車は、必要なときに充電ステーションと自動的に通信して充電の要求を放棄してもよい。
・充電ステーションによる充電が停止してから経過した所定の期間(ゼロであってもよい)。
・充電部とドッキングされている充電コンセント。
【0045】
コントローラは、例えば、充電コンセントから電流が流れていないことを検出したり、接続された車両のバッテリが完全に充電されていると判定したりすることにより、充電コンセントからの充電が停止したと判定してもよい。コントローラは、充電部の移動が妨げられているか否かを判定し、妨げられていることが検出された場合には格納機構の動作を防止するようにしてもよい。充電部がケーブルシステムを含んでいる場合、コントローラは、充電部が格納される前に、ケーブルを引き込ませて格納するようにしてもよい。また、ケーブルを完全に格納することができない場合には、充電部の引き込みを阻止してもよい。コントローラは、充電部が引込位置に移動する前に、充電ケーブルが巻き戻されるようにしてもよい。また、コントローラは、例えば、人や車両に遮られているときに充電部を伸展しようとしたときの破損を防止するために、荷重センサが所定の閾値を超える荷重を検出した場合に、格納機構を伸展しないようにしてもよい。
【0046】
充電システムはまた、外部信号を受信するように構成された1つ以上の構成要素を備えてもよい。地下/埋め込みケーブル108は、ユーザ情報、天候、または近くのボラードに関する情報に関連するデータを転送するために使用されてもよい。このケーブルは、システムに電力を転送してもよいし、別のケーブルによって電力を転送してもよい。無線受信装置107は、データを受信するために、地中/埋設ケーブルの代わりに、または、地中/埋設ケーブルと組み合わせて使用されてもよい。無線データは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、NFC(近距離通信)、またはRFID(無線周波数識別信号)の形態であってもよい。無線データは、インターネットサーバから提供されてもよい。この無線受信装置はまた、その後システムに転送される電力を受信してもよく、またはこれらの機能は、2つの別個の受信装置によって実行されてもよい。この無線受信装置は、充電部またはベース部に配置されてもよいし、格納機構に配置されてもよい。ユーザインターフェース109はまた、ユーザとの間で情報を提供および/または受信するために使用されてもよい。ユーザインターフェースは、タッチスクリーン、キーパッド/キーボード、ディスプレイ、1つ以上のLEDのうちの1つ以上を含んでもよい。他の外部信号は、ユーザインターフェース109とインタフェースすることができるかもしれない。そのような外部信号は、例えば、充電ステーション上に位置する1次元、2次元または3次元バーコード(視覚的ID111など)のスキャンに応答して生成され得る。ユーザインターフェース109は、車両の状態(例えば、充電レベル、残りの充電時間、接続してからの時間、充電のコスト)および/または充電システムの状態(例えば、システムが最適に動作しているかどうか、または何らかの方法で損傷しているかどうか、メンテナンスのためにあるかどうか)に関する情報をユーザに提供してもよい。
【0047】
一実施形態では、コントローラは、最新の電気供給から所定の時間が経過したとコントローラが判定した場合、格納機構に充電部を格納させる。ユーザは、典型的には伸展および格納を制御することができるが、例えば、ユーザが使用後に充電部を格納することを忘れた場合、システムが充電を終了した場合または損傷した場合、または単にユーザのコマンドを必要としないようにするために、充電部を格納するための自動化または半自動化された手段を有することも有利である。格納が行われた後の期間は、固定値で設定されてもよいが、代わりに、期間を定義するために個別にまたは組み合わせて使用される多くの要因により定義されてもよい。そのような要因の例は以下の通りである。
・以前に記録されていたかもしれないユーザの以前の行動と、メモリにコミットされたデータ。そのようなデータは、単に1人のユーザに由来するものであってもよいし、多数のユーザの行動により定義されてもよい。そのようなデータは、例えば、車両が切断されてから後続の車両が接続されるまでの平均時間を構成し得る。
・ユーザが使用するたびに入力してもよいし、最初の使用時に一度だけ入力してもよいユーザ入力。ユーザが充電部の格納を忘れてしまう可能性が高いことを知っている場合は、例えば、切断してからの短い時間の後に格納するように設定することができ、一方、複数の車両を充電したい(したがって、それらの間で交換しなければならない)ユーザは、切断してからのより長い時間の後に格納するように設定することができる。そのような入力は、充電ステーションのユーザインターフェースに直接提供されてもよいし、設置時にシステムにプログラムされてもよいし、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、NFC(近距離通信)またはRFIDを介して無線で提供されてもよい。その入力は、インターネットサーバを介して提供されてもよい。そのような無線信号は、車両、またはスマートフォン、スマートウォッチ、または類似のデバイスから送信され得る。また、入力は、充電ステーションに位置する1次元、2次元または3次元バーコードのスキャンに応答して生成されてもよい。
・上述した無線信号のいずれかによって判定されるユーザの近接度。信号強度を測定したり、飛行時間測定値を使用したりするなど、様々な方法で送信機と受信機との間の近接度を判定することは、当技術分野で知られている。例えば、ユーザが近くにいる間は、充電部は、切断時間からのより長い時間の後に格納しないかもしれないが、ユーザが遠くになると、充電部は、切断時間からのより短い時間の後に格納するかもしれない。
・前回接続された車両の充電レベル。例えば、前回接続された車両が完全に充電された場合、前回接続された車両が半分しか充電されていない場合よりも、切断されてからより短い時間の後に、充電部が格納してもよい。
・近くの充電ステーションから受信した信号。近くの充電ステーションは、例えば、使用中であるか、使用可能であるか、破損しているか、格納されているか、または伸展されているかを示すことができる。近くのステーションが損傷している場合には、そのステーションの利用可能性および機能性を宣伝するために、より長く伸展状態を維持することが有利であるかもしれないし、または、その地域で破壊行為が蔓延している場合には、充電部が切断されてからより短い期間の後に格納してもよい。
・時刻。例えば、充電部は、破壊行為の危険性または車両または歩行者との衝突の危険性の高まりのために、夜間のより短い時間の後に格納するようにさせられてもよい。充電部は、美観上の理由から、日中のより短い時間の後に格納するようにさせられてもよい。
・天候。天候が悪い場合、例えば、大雨や極端な気温がある場合、天候が良いときよりシステムをより早く格納することが有利になるかもしれない。これは、システムの内部の働きを環境的なダメージから保護するのに役立つかもしれない。
【0048】
これらの要因は、個別に、または組み合わせて、充電が停止した後に充電部が格納するまでの期間に影響を与える可能性がある。それらを組み合わせて使用する場合、いくつかの要因は、より高い重みを与えられるかもしれないし、他の要因を完全に上書きするかもしれない、例えば、天候が安全な操作のために暑すぎると判断される場合、これはユーザの入力された好ましい時間を上書きするかもしれない。
【0049】
上述した要因のいずれかはまた、充電が停止した直後に充電部を格納するように、すなわち、格納するまでの時間がゼロ秒に等しい時間で格納されるように構成されてもよい。他の要因、特に、充電ステーションに供給される電力のサージの検出など、ユーザの安全に影響を与える可能性のある要因は、充電部が充電を終了し、および/または直ちに格納するように構成されてもよい。また、ワイヤレス充電が発生している場合には、システムは、自動的に充電を終了し、充電部を格納するようにしてもよい。
【0050】
無線受信装置はまた、格納機構が充電部を伸展するときに制御するために使用され得る。ユーザが所持している可能性のあるRFIDタグの存在が検出された場合、それは充電部を伸展させてもよい。あるいは、ユーザが所持している外部装置(スマートフォン、スマートウォッチ、カーコンピュータシステムなど)が、充電システム内のRFIDタグ110の存在を検出して、充電部を伸展させる信号を送信するために使用されてもよい。RFIDタグは、ベース部102内に配置されてもよいし、充電部101内に全部または部分的に配置されてもよい。同様に、ユーザは、充電ステーションに位置する1D、2Dまたは3Dバーコードのような視覚的ID111を読み取るために装置を使用してもよく、これにより、装置は、充電部が伸展されるべきであることを示す信号を生成する。
【0051】
一般に、上述した構成要素のいずれかの制御は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア(例えば、固定論理回路)、またはそれらの任意の組み合わせで実装することができる。
【0052】
本出願人は、本明細書に記載された個々の特徴、および2つ以上のそのような特徴の任意の組み合わせを、そのような特徴または組み合わせが、本明細書に開示された問題点を解決するか否かにかかわらず、当業者の一般的な知識に照らして、全体として本明細書に基づいて実施することが可能である範囲で、かつ特許請求の範囲の範囲に限定されることなく、ここに分離して開示している。出願人は、本発明の側面が、そのような個々の特徴または特徴の組み合わせのいずれかから構成されてもよいことを示している。前述の説明から見て、本発明の範囲内で様々な修正が行われ得ることは、当技術に熟練した者には明らかであろう。