(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】補修用継手装置およびその組み立て方法
(51)【国際特許分類】
F16L 55/16 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
F16L55/16
(21)【出願番号】P 2022536085
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(86)【国際出願番号】 JP2020027768
(87)【国際公開番号】W WO2022014029
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000230526
【氏名又は名称】日本ヴィクトリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(72)【発明者】
【氏名】淺田 進一
(72)【発明者】
【氏名】内藤 正夫
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-179781(JP,A)
【文献】特開平6-11092(JP,A)
【文献】国際公開第2015/084517(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項7】
各分割ハウジングの前記シール収納空間および前記追加のシール収納空間にシールリングを嵌め込み、前記シール収納用突起に前記シールリングを保持するシール押さえリング金具を設ける工程を更に備えた、請求項5または6記載の補修用継手装置の組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体を流通させる配管の間の漏洩部位に設置されるとともに、円周方向に複数に分割された分割ハウジングを含む補修用継手装置およびその組み立て方法に係り、とりわけ各分割ハウジングを溶接により接合することができ、かつ溶接処理作業を簡単に行うことができる補修用継手装置およびその組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水道管や工業用配管などの埋設後、経年変化、地盤の変動により、パッキンや管体あるいは継手部に亀裂が生じることがあり、あるいは溶接部が劣化することがある。この場合、管内を流れる液体が漏洩してしまう。
【0003】
そこで、配管からの液体が漏洩した場合に、漏洩部位を含む補修対象継手全体を覆い被せる補修用継手装置を設置することが考えられている。
【0004】
このような補修用継手装置として、例えば配管を構成する第1配管と第2配管とを外周から覆うとともに、複数の分割ハウジングを含むものが知られている。
【0005】
この場合、補修用継手装置は円周方向に複数、例えば2つに分割された上述の分割ハウジングを含む。
【0006】
このような補修用継手装置を組み立てる際、各分割ハウジングを溶接により接合することができれば、全体としての構造を簡略化することができて都合が良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平5-118491
【文献】特開2012-37041
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示は、このような点を考慮してなされたものであり、補修用継手装置を構成する各分割ハウジングを溶接により接合することができ、かつ溶接作業を簡単に行うことができる補修用継手装置およびその組み立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、配管を外周から覆うとともに、円周方向に分割され、かつ互いに溶接により接合面を介して接合された複数の分割ハウジングを含む補修用継手において、各分割ハウジングは前記配管を外周から覆う分割スリーブと、前記分割スリーブの軸線方向の両端部に設けられた一対の端板と、各端板の軸線方向の外面に設けられ、前記配管との間にシール収納空間を形成するとともに、円周方向に延びるシール収納用突起を有し、各シール収納用突起は、前記接合面まで延びておらず、隣接する一対の分割ハウジングのうち、一方の分割ハウジングのシール収納用突起と、他方の分割ハウジングのシール収納用突起との間に突起無し領域が形成され、この突起無し領域に前記配管との間で追加のシール収納空間を形成する補助突起装置を取り外し自在に設けた、補修用継手装置である。
【0010】
本開示は、前記補助突起装置は、前記突起無し領域内に嵌め込まれる補助突起と、前記補助突起を保持して、前記一方の分割ハウジングのシール収納用突起と前記他方の分割ハウジングのシール収納用突起に固定される補助固定具とを有する、補修用継手装置である。
【0011】
本開示は、各分割ハウジングの前記シール収納用突起に、前記シール収納空間および前記追加のシール収納空間に装着されたシールリングを保持するシール押さえリング金具を設けた、補修用継手装置である。
【0012】
本開示は、前記シールリングは接触面を介して2つ割れした一対の分割シールリングを含む、補修用継手装置である。
【0013】
本開示は、配管を外周から覆うとともに、円周方向に分割され、かつ互いに溶接により接合面を介して接合された複数の分割ハウジングを含む補修用継手装置の組み立て方法において、前記配管を外周から覆う分割スリーブと、前記分割スリーブの軸線方向両端部に設けられた一対の端板と、各端板の軸線方向外面に設けられ、前記配管との間に、シール収納空間を形成するとともに、円周方向に延びるシール収納用突起を有する複数の分割ハウジングを準備する工程であって、各分割ハウジングのシール収納突起は前記接合面まで延びていない工程と、各分割ハウジングを前記配管の外周に設置する工程であって、隣接する一対の分割ハウジングのうち、一方の分割ハウジングのシール収納用突起と他方の分割ハウジングのシール収納用突起との間に突起無し領域を形成する工程と、一対の分割ハウジングを、前記接合面を介して溶接により接合する工程と、一対の分割ハウジングの前記接合面に残る溶接余盛を除去する工程と、前記突起無し領域に前記配管との間に追加のシール収納空間を形成する補助突起装置を設ける工程とを備えた補修用継手装置の組み立て方法である。
本開示は、前記一対の分割ハウジングの前記接合面のうち、少なくとも前記突起無し領域および前記追加のシール収納空間に対応する部分に残る溶接余盛を除去する、補修用継手装置の組み立て方法である。
【0014】
本開示は、各分割ハウジングの前記シール収納空間および前記追加のシール収納空間にシールリングを嵌め込み、前記シール収納用突起に前記シールリングを保持するシール押さえリング金具を設ける工程を更に備えた、補修用継手装置の組み立て方法である。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、全体としての構造を簡略化することができ、かつ密封性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は本実施の形態に係る補修用継手装置を示す斜視図。
【
図4】
図4は第1配管と第2配管の外周に一対の分割ハウジングを配置して溶接した状態を示す斜視図。
【
図6】
図6は分割ハウジングの溶接余盛をグラインダを用いて削除する図。
【
図7】
図7は分割ハウジングの突起無し領域に補助突起装置を設けた図。
【
図9】
図9は分割ハウジングにシールリングを嵌め込む状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<本実施の形態>
以下、本実施形態による補修用継手装置について
図1乃至
図9により説明する。
【0018】
本実施の形態による補修用継手装置10は
図1および
図2示すように、中心を通る軸線をもつ円筒状の漏洩管(第1配管)1と、中心を通る軸線をもつ円筒状の漏洩管(第2配管)2とを外周から覆うものであり、複数、例えば2つの分割ハウジング11,11を備えている。
【0019】
また2つの分割ハウジング11、11は円周方向に2つに分割され、互いに接合面13を介して溶接されて接合されている。
【0020】
このうち上方の分割ハウジング11は補修用継手装置10の上半部を構成し、下方の分割ハウジング11は補修用継手装置10の下半部を各々構成する。
【0021】
さらに
図1および
図2に示すように、各分割ハウジング11は第1配管1と第2配管2を外周から覆う半円筒状の分割スリーブ11Aと、分割スリーブ11Aのうち軸線方向に沿う第1配管1側の一端部に設けられた端板21と、第2配管2側の他端部に設けられた端板21とを備えている。
【0022】
なお、補修用継手装置10は主として第1配管1と第2配管2との間の接合面3からの液体の漏洩に対応するものであるが、例えば第1配管1または第2配管2のいずれかの破損による漏洩に対応するものであってもよい。この場合、補修用継手装置10は破損された第1配管1または第2配管2のいずれかの外周を覆って設けられる。
【0023】
上述のように、各分割ハウジング11の分割スリーブ11Aの軸線方向の両端部に一対の端板21、21が設けられている。また、各端板21、21の軸線方向外面に対応する第1配管1または第2配管2との間に、シール収納空間35を形成するシール収納用突起22が設けられている。このシール収納用突起22は各端板21、21の軸線方向外面に円周方向に延びて形成され、またシール収納空間35内に後述するシールリング30が挿着される。
【0024】
ところで、各シール収納用突起22は分割ハウジング11間の接合面13まで延びておらず、隣接する一対の分割ハウジング11のうち、一方の分割ハウジング11のシール収納用突起22と、他方の分割ハウジング11のシール収納用突起22との間に突起無し領域23、23が形成されている。この一方の分割ハウジング11のシール収納用突起22と、他方の分割ハウジング11のシール収納用突起22との間に形成された突起無し領域23、23は、一方の分割ハウジング11の突起無し領域23と、他方の分割ハウジング11の突起無し領域23とからなる。
【0025】
このように分割ハウジング11、11のシール収納用突起22、22間に突起無し領域23、23を設けることにより、後述のように分割ハウジング11、11を接合面13を介して溶接する際、分割ハウジング11、11のうち、とりわけ端板21、21における溶接作業および溶接後の溶接余盛の除去作業を容易に行うことができる。
【0026】
例えば、分割ハウジング11、11の端板21、21に突起無し領域23、23を設けることなく、接合面13まで、すなわち端板21、21の端部までシール収納用突起22、22を設けた場合、端板21、21同士の溶接作業が煩雑となり、かつ溶接余盛の除去作業も困難となる。これに対して本実施の形態によれば、分割ハウジング11、11のシール収納用突起22、22間に突起無し領域23、23を設けることにより、端板21、21における溶接作業および溶接後の溶接余盛の除去作業を容易に行うことができる。
【0027】
このようにして分割ハウジング11、11のシール収納用突起22、22間に形成された突起無し領域23、23には、後述のように対応する第1配管1または第2配管との間で追加のシール収納空間36を形成する補助突起装置25が取り外し自在に装着されている。
【0028】
この補助突起装置25は分割ハウジング11、11のシール収納用突起22、22間に形成された突起無し領域23、23内に嵌め込まれる補助突起26と、この補助突起26を保持する補助固定具27とを有する。この場合、補助突起装置25の補助突起26により、第1配管1および第2配管2との間で、追加のシール収納空間36が形成される。また補助固定具27は、補助突起26に取り付けボルト28により固着されている。そして、このように構成された補助突起装置25は補助固定具27を貫通して延びる取り付けボルト29により各分割ハウジング11、11のシール収納用突起22に取り付けられている。
【0029】
この場合、補助突起装置25の補助固定具27を貫通して延びる取り付けボルト29は、各分割ハウジング11、11に設けられたシール収納用突起22のうち、半径方向外面に形成された開口22b内に挿着される(
図7参照)。
【0030】
また
図5乃至
図8において、各分割ハウジング11、11に設けられたシール収納用突起22、22のうち、軸線方向外面にも開口22aが形成されている。
【0031】
上述のように、分割ハウジング11、11に設けられたシール収納用突起22、22により、第1配管1および第2配管2との間にシール収納空間35が形成され、また補助突起装置25により、第1配管1および第2配管2との間に追加のシール収納空間36が形成されており、これらシール収納空間35および追加のシール収納空間36内にシールリング30が装着される。
【0032】
次にシール収納空間35および追加のシール収納空間36内に装着されたシールリング30について述べる。シールリング30は、弾性ゴムからなり、くさび形状をもつとともに分割された一対の分割シールリング31,32を含む。分割シールリング31、32は傾斜する接触面30aを介して互いに接触している。
【0033】
シールリング30は、シール収納空間35および追加のシール収納空間36内に装着され、シール押さえリング金具24をシール収納空間35内に嵌め込み、シール押さえリング金具24に穿孔されたボルト孔を介してボルト38をシール押さえリング金具24に貫通させる。次にボルト38をシール収納用突起22の軸方向外面に設けられた開口22a内に挿着して締め付ける。このとき、シール押さえリング金具24により、分割シールリング31,32は軸線方向に圧縮され、傾斜する接触面30aにより分割シールリング31、32が半径方向にも移動して、端板21と、シール収納用突起22と、補助突起装置25の補助突起26と、対応する第1配管1または第2配管2とに当接するシールリング30が形成される。
【0034】
本実施の形態において分割シールリング31,32の間の接触面30aの傾斜角(くさび角)は、例えば45°に設定されている。
【0035】
本実施の形態において補修用継手装置10は補修対象の第1配管1と第2配管2との間の接合面3から漏れ出る液体を補修用継手装置10内で密封する。補修用継手装置10の上端には空気出入口47、下端にはドレン排水口48が設けられているが、これらは施工時に閉栓され、補修後には補修用継手装置10内部は密封状態となる。
【0036】
次にシールリング30について更に述べる。
図9は、シールリング30を構成する分割シールリング31,32に軸圧が負荷されない場合の組立時のシール部断面図を示す。対向配置されるくさび形の分割シールリング31,32のうち一方の分割シールリング31の軸線方向内面および接触面30aにはリップを形成する溝31a、31bが各々形成され、他方の分割シールリング32の底面にはリップを形成する溝32aが設けられ、シールリング30の高さはHとなっている。軸線方向に締結力がかかると分割シールリング31,32は軸線方向に圧縮されて半径方向外方へ膨らみ、シール収納空間35および追加のシール収納空間36の上下のシール面を密封する。くさび形の接触面30a同士は対向する接触面30a上で軸線方向に締結力がかかると軸線方向に圧縮されて半径方向へずり上がり、シールリング30の高さは増加し、さらにシール圧が増す。シールリング30のくさび角αは約45°に形成されており、シールリング30を軸線方向に圧縮することによりシールリング30により、より大きな力で分割ハウジング11、11の端板21を押圧することができる。またシールリング30を軸線方向に圧縮することにより、シールリング30によりシール収納用突起22および補助突起装置25の補助突起26と、対応する第1配管1または第2配管2を押圧する。このことによりシールリング30により補修用継手装置10内を確実に密封することができる。
【0037】
次にこのような構成からなる補修用継手装置の組み立て方法について、
図3乃至
図9により説明する。
【0038】
まず
図3に示すように、第1配管1および第2配管2を外周から覆う分割スリーブ11Aと、分割スリーブ11Aの軸線方向の両端部に設けられた一対の端板21、21と、各端板21の軸線方向外面に設けられ、第1配管1および第2配管2との間でシール収納空間35を形成するシール収納用突起22とを有する一対の分割ハウジング11を準備する。この場合、各分割ハウジング11において、シール収納用突起22は分割ハウジング11の接合面13まで延びていない。
【0039】
次に
図4および
図5に示すように、一対の分割ハウジング11を第1配管と第2配管の外周に配置する。このとき隣接する一対の分割ハウジング11のうち、一方の分割ハウジング11のシール収納用突起22と他方の分割ハウジング11のシール収納用突起22との間に突起無し領域23、23が形成される。この一方の分割ハウジング11のシール収納用突起22と、他方の分割ハウジング11のシール収納用突起22との間に形成された突起無し領域23、23は、一方の分割ハウジング11の突起無し領域23と、他方の分割ハウジング11の突起無し領域23とからなる。
【0040】
その後、一対の分割ハウジング11を接合面13を介して溶接により接合する。このとき一対の分割ハウジング11の接合面13に沿って接合面13の外方に溶接余盛13aが形成される。この場合、分割ハウジング11、11のシール収納用突起22、22間に突起無し領域23、23が形成されているため、分割ハウジング11、11のうち、とりわけ端板21、21のシール収納用突起22、22近傍において、接合面13までシール収納用突起22、22を設けた場合に比較して溶接作業を容易に行うことができる。
【0041】
次に溶接により接合面13を介して接合された一対の分割ハウジング11、11に対し、その接合面13上に沿って残る溶接余盛13aを、グラインダ40を用いて除去する(
図6参照)。
【0042】
この場合、一対の分割ハウジング11,11の接合面13のうち、少なくとも端板21の突起無し領域23,23および追加のシール収納空間36に対応する部分に残る溶接余盛13aをグラインダ40を用いて除去する。この際、分割ハウジング11、11のシール収納用突起22、22間に突起無し領域23、23が形成されているため、とりわけ端板21のシール収納用突起22、22間の突起無し領域23,23および追加のシール収納空間36に対応する部分について、グラインダ40を用いて接合面13上の溶接余盛13aを容易に除去することができる。
【0043】
このように、端板21のうち、シール収納用突起22、22間の突起無し領域23、23に残る溶接余盛13aおよび追加のシール収納空間36に対応する部分に残る溶接余盛13aを、グラインダ40を用いて確実に除去することができる。このことにより、補助突起装置25が当接する端板21、および追加のシール収納空間36内のシールリング30が当接する端板21を平滑化することができ、端板21と補助突起装置25および端板21とシールリング30との間の密着性を高め、シールリング30を用いて補修用継手装置10の密封性を高めることができる。
【0044】
なお、グラインダ40はその作動部40aがシール収納用突起22、22間の突起無し領域23、23内に挿入できる程度の形状をもつ。
【0045】
その後、
図7に示すように、シール収納用突起22、22間の突起無し領域23、23に、第1配管および第2配管2との間で追加のシール収納空間36を形成する補助突起装置25を装着する。この場合補助突起装置25の補助突起26と第1配管1および第2配管2との間に追加のシール収納空間36が形成される。
【0046】
次に補助突起装置25の補助固定具27を貫通して取り付けボルト29が設けられ、取り付けボルト29をシール収納用突起22、22の開口22bに挿着することにより、補助突起装置25が一対の分割ハウジング11、11内に固定される(
図8参照)。
【0047】
次に
図9に示すように、一対の分割ハウジング11、11のシール収納空間35および追加のシール収納空間36内にシールリング30が嵌め込まれる。その後、シール収納用突起22にシールリング30を保持するシール押さえリング金具24が装着され、シール押さえリング金具24を貫通してボルト38が装着される。このボルト38は、次にシール収納用突起22の開口22aに挿着され、ボルト38を締め付けることにより、シール押さえリング金具24によってシールリング30を軸線方向に沿って押圧することができる。
【0048】
また、このようにシールリング30を軸線方向に沿って押圧することにより、シールリング30を端板21と、シール収納用突起22および補助突起装置25と、第1配管1および第2配管2に対して押し付けることができ、このことにより、補修用継手装置10内を密封することができる。
【0049】
以上のように本実施の形態によれば、一対の分割ハウジング11、11のシール収納用突起22、22は接合面13まで達しておらず、一対の分割ハウジング11、11のシール収納用突起22、22間に突起無し領域23、23が形成されている。このため一対の分割ハウジング11、11のシール収納用突起22、22が接合面13まで達している場合に比べて、分割ハウジング11、11のうち、とりわけシール収納用突起22、22近傍の端板21において、接合面13に沿った溶接作業を容易かつ精度良く実行することができる。また溶接後にとりわけシール収納用突起22、22近傍の端板21において、接合面13に沿って残る溶接余盛13aを容易に除去することができる。
【0050】
また一対の分割ハウジング11、11のシール収納用突起22、22間に形成された突起無し領域23、23および追加のシール収納空間36に対応する部分に残る溶接余盛13aを、グラインダ40を用いて除去し平滑化することができる。このことにより、突起無し領域23、23に対応する端板21に対して補助突起装置25を密接して取り付けることができ、かつ追加のシール収納空間36内のシールリング30を端板21に対して確実に密接させることができ、シールリング30を用いて補修用継手装置10の密封性をより高めることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 第1配管
2 第2配管
3 接合面
10 補修用継手装置
11 分割ハウジング
11A 分割スリーブ
13 接合面
13a 溶接余盛
21 端板
22 シール収納用突起
22a 開口
22b 開口
23 突起無し領域
24 シール押さえリング金具
25 補助突起装置
26 補助突起
27 補助固定具
28 取り付けボルト
29 取り付けボルト
30 シールリング
30a 接触面
31 分割シールリング
31a 溝
31b 溝
32 分割シールリング
32a 溝
35 シール収納空間
36 追加のシール収納空間
38 ボルト
40 グラインダ
47 空気出入口
48 ドレン排水口