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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】アーマードDSSケーブル
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/16 20060101AFI20240110BHJP
   G01K 11/32 20210101ALI20240110BHJP
【FI】
G01B11/16 Z
G01K11/32 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022570766
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(86)【国際出願番号】 JP2020047596
(87)【国際公開番号】W WO2022137273
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】303021609
【氏名又は名称】ニューブレクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸田 欣増
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-145592(JP,A)
【文献】特開平3-68825(JP,A)
【文献】特開2000-352109(JP,A)
【文献】特開2019-70594(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0113009(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01L 1/00-1/26
25/00
G01D 5/26-5/38
G01M 11/00-11/08
G01K 11/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋状に巻回された第1のロープで構成された内層部と、
光ファイバと、この光ファイバを螺旋状に取り囲み、前記第1のロープよりも小さい外径を持つ複数の第2のロープと、を有する光ファイバモジュール、および、前記第1のロープよりも大きい外径を持つ複数の第3のロープ、が同一径上に配置され、かつ螺旋状に巻回されて構成された表層部と、
を同心状に構成したことを特徴とするアーマードDSSケーブル。
【請求項2】
前記第2のロープを5本有するとともに、前記光ファイバモジュールを2個有することを特徴とする請求項1に記載のアーマードDSSケーブル。
【請求項3】
前記光ファイバモジュールの外径は1.2mm以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のアーマードDSSケーブル。
【請求項4】
前記光ファイバと前記複数の第2のロープとの隙間は、樹脂で充填されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のアーマードDSSケーブル。
【請求項5】
前記表層部を構成するロープは、いずれもステンレス鋼線であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のアーマードDSSケーブル。
【請求項6】
前記表層部と前記内層部の間に、
温度センサであるFIMT温度モジュールと、複数の螺旋形状の第4のロープと、を同一径上に配置され、かつ螺旋状に構成された中間層部をさらに備えた、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のアーマードDSSケーブル。
【請求項7】
前記内層部のロープに複数のステンレス鋼線を含むことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のアーマードDSSケーブル。
【請求項8】
前記中間層部のロープに複数のステンレス鋼線を含むことを特徴とする請求項6に記載のアーマードDSSケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、アーマードDSSケーブルに関わる。
【背景技術】
【0002】
分布型光ファイバセンシング(DFOS:Distributed Fiber Optic Sensing)技術が実用化に向けて進展しつつある。本技術は、変形、温度、音波、圧力など、多岐に亘って発展しており、精度は13nε(ナノストレイン)、距離分解能は2cm、計測距離は数10kmまで可能となり、実用的なレベルに達した。
【0003】
特に、土木工事においては、このDFOS技術は、施工品質の監視、および工事完成後の維持管理に至るまで、一貫してその適用が期待されている。
なお、このDFOS技術は、寿命の観点からは100年の可能性があるが、未だ、実際にこの寿命を検証されて製造されているものはない。
【0004】
一方、ケーブル設計の観点からは、以下の事柄が要求される。1つ目は、適切なコストで製造できること、2つ目は、既存の設備で製造できること、3つ目は、所要の変形範囲において圧縮と引っ張り双方の正確なひずみの計測結果が得られること、4つ目は、光学的にも機械的にも容易に接続されるための安定した特質を持っていること、5つ目は、輸送の際の取り扱い、あるいは現場での取り扱いが容易であること、6つ目は、ヒューマンフレンドリーであること、及び安全に操作できること、7つ目は、セメント内に設置された場合でも十分な強度を持っていること、である。
【0005】
特に、DSSケーブル(DSSはDistributed Strain Sensingの略称)の寿命については、その使用期間によって、課題となる主な損傷原因とその解決方法が以下のように異なっており、使用期間に応じて対応の仕方を変える必要がある(図1参照)。
【0006】
まず、使用期間が1年以下で良い場合には、実装時における機械的損傷が問題となる。これについては、以下の対策が採られている。1つ目は、ケーブル径を小さくすること、2つ目は、全面鋼鉄構造、あるいはチタン線材にすること、3つ目は、現場においてはケーブルの接続点を設けないこと、4つ目は、実装方法が簡単であること、である。
【0007】
次に、使用期間が20~30年であることが要求される場合には、ケーブル構造体中の変形、あるいは亀裂、および接続部の変形などの機械的な問題が課題となる。これについては、以下が解決方法となる。1つ目は、実装時に生じたケーブル歪は、鋼と光ファイバ(以下、FOとも称す)の規定された歪の範囲内であること、2つ目は、光ファイバケーブル(FOC)は、亀裂が3mm幅になっても機能すること、3つ目は、ケーブル構造体の内部に接続箇所を設けないこと、言い換えると、初期の実装歪が規定の範囲内にあること、4つ目は、埋め込まれた部分から表面まで、出口部分を十分保護すること、である。
【0008】
最後に、使用期間が20年を超える場合には、ケーブル構造体の劣化、あるいは腐食などの、化学的な問題が課題となる。これについては、以下が解決方法である。1つ目は、光ファイバケーブルのプラスチック部品の耐劣化対策を行うこと、2つ目は、異種金属を用いず、異種金属腐食を防止すること、3つ目は、酸素に対して耐腐食性のある金属材を使用すること、4つ目は、海水環境においては(耐海水性のある)特殊な金属材を使用すべきこと、水素環境、あるいは水環境下では、これらの環境に対応する措置を採ること(例えば、炭素コーティングの採用など)、である。
【0009】
上記の課題の中でも、特に、DSSケーブルの設計思想として重要なものは、構造物に負荷がかかることによって発生する歪の評価の問題、つまり品質管理に関する課題、および20年を超える使用期間において良好な品質を維持する維持管理の課題の両方を解決してゆく必要がある(例えば非特許文献1参照)。
【0010】
前者の歪の大きさを評価するに当たっては、FOと、FOが設置されるケーブルなどの構造体と、の間の(長期の)安定な結合性が課題となる(図2および図2の丸囲み記号a、b、c参照)。これにより、被測定対象物からケーブルへの歪の伝達特性が影響を受けるからである。また、歪の測定においては、DSSケーブルの施工時における品質管理の観点、つまり、現場で測定対象物にケーブルを設置した場合には、「設置のし易さ」の他に、「FOCセンシング」の観点から、温度とひずみの変化がともに計測した光信号に変化を及ぼすので、ひずみの計測精度の確保の観点から、温度変化と歪変化の影響をそれぞれ区別して測定可能な、測定対象物の評価方法の実現を図る必要がある。さらに、施工後の計測精度の維持管理の観点から、DSSケーブルの設置後においては、振動などの環境変化に対して、予想される状況、例えば、測定対象物にある程度大きな亀裂が発生しても、寿命に影響が生じない、亀裂発生部以外の部分の計測精度に影響を与えない計測方法であることの保証などをしていく必要がある(図2の丸囲み記号d参照)。
【0011】
以上の課題を解決するべく、従来、以下に挙げる構造のアーマード光ファイバケーブル(以下、光ファイバケーブルはFOCと略記することもある)が開発されてきた。以下、先行事例となるケーブルの特徴について、図3に示すケーブルの比較表を用いて説明する。
【0012】
まず、A社製のアーマードFOCの課題は、ケーブル曲げなどの大変形に対する耐性がよくないこと、および、微小ひずみに対する感度が良くないことである。後者の原因は、光ファイバ(以下、FOと略記することもある)がケーブルの内側に設置されている構造、具体的には、このケーブルのFOは、その周りを環状に配置された複数のスチール鋼線で囲まれており、ケーブル表面にFOが設置された場合に比べ、微小ひずみに対する感度が良くないことである。
【0013】
次に、B社製のアーマードFOCも、同様の課題を持つ。すなわち、ケーブルは、亀裂の生ずる場所に設置された時などの大変形に対する耐性がよくない(大変形で切断される)こと、また、上記と同様に、このケーブルのFOは、その周りを六角形状に構成された6本のスチール鋼線で囲まれており、その外にさらに柔らかいプラスチック層があり、ケーブル表面にFOが設置された場合に比べ、被測定体の微小ひずみに対する感度が良くないことである。
【0014】
また、上記2社のような、外形が円状のケーブルとは異なり、ケーブルの外形が矩形状のエンボス型ケーブルも開発されている。エンボス型ケーブルは、大変形に対する耐性がよくないことは上記2種類のケーブルと同様である。また、ケーブル強度も、上述のA社製のアーマードFOC並みである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【文献】大窪 他、「緊張管理・維持管理に適用可能な光ファイバを用いたPC張力分布計測技術の開発」、土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)、Vol.76, No.1, 41-54, 2020.
【特許文献】
【0016】
【文献】国際公開2014/083989号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
以上説明した課題を解決するに当たって、まず、測定感度を良くする上で特に重要となる、上述のFOと、FOが設置されるケーブルなどの構造物と、の間の結合性の問題に関して、以下説明する。
【0018】
上述の微小ひずみに対する感度については、ケーブル内でのFOの配置場所が変わると感度が異なるという新たな課題があることが判明した。これについて、図4図5を用いて説明する。ここで、図4は、このFOを有するFOC100の設置場所を説明するための坑井の断面図、図5は、上記FOC100内での配置場所が異なる2種類のFOを使って測定したひずみの測定結果を示した図である。この例では、このFOCは、複数の鋼線製のロープが環状に構成された層が複数集まって構成されている。
【0019】
図4に示したように、上記FOCは、坑井の円環状のケーシング101の外側に設置された環状のセメント部分である側壁102内に設置されており、上記坑井を構成するケーシング101に発生する微小ひずみを、このFOC100が有するFOで計測する。
【0020】
そして、この場合において、上記ケーシング101に生じた歪を上記FOで検知した実測例を図5A図5Bに示す。これら2つの図は、被測定体に対して、ステップ状に、荷重を負荷した時と荷重を除去した時に、FOで検出された歪の変化量を示している。図中、点線は荷重負荷時(負荷荷重をゼロから一定値までステップ的に増加させた時)の実測例を示し、実線は荷重除去時(負荷荷重を一定値からゼロまでステップ的に減少させた時)の実測例を示す。
【0021】
上記図5として示した2つの図(図5A図5B)のうち、図5Aは、FOC100の内層部分にFOが構成されている場合のひずみの計測結果を示した図であり、図5Bは、FOC100の表層部分にFOが構成されている場合のひずみの計測結果を示した図である。
【0022】
上記計測結果から、図5A図5Bのいずれの図においても、5με程度の微小な歪を検出できていることがわかる。一方で、歪分布の計測においては、2つの図では様子が異なり、図5Aでは、5με以下の小さな歪の値の測定データしか示されておらず、実際の歪の変化に追従して正確な計測ができていないと推定されるのに対して、図5Bでは、1με以下の微小な歪を含み、20με以上の大きな値の歪の値までの歪の変化に追従した測定データが示されており、実際の歪の分布を正確に計測できていると推定される。また、この場合において、図5Aで計測された歪の最大値は、図5Bで計測された歪の最大値の1/2程度の値になっていることが判る。
以上の結果から、歪が10με程度の小さい値を示す歪の変化を計測する場合には、FOC100の表層部分にFOが実装されている必要があることが判明した。
【0023】
本願は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、土木工事における被測定体の品質管理と維持管理を行う評価手法を確立するため、被測定体の変形度合いを計測する光ファイバケーブルに設計上要求される項目のうち、特に、被測定体に負荷される引張力および圧縮力の両方の評価が可能な精密で正確な計測ができること、およびセメントなどの施工環境下に光ファイバケーブルが設置された場合に、長期にわたる計測精度が維持できること、の2つの項目を満足する光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本願に開示されるアーマードDSSケーブルは、
螺旋状に巻回された第1のロープで構成された内層部と、
光ファイバと、この光ファイバを螺旋状に取り囲み、前記第1のロープよりも小さい外径を持つ複数の第2のロープと、を有する光ファイバモジュール、および、前記第1のロープよりも大きい外径を持つ複数の第3のロープ、が同一径上に配置され、かつ螺旋状に巻回されて構成された表層部と、
を同心状に構成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本願に開示されるアーマードDSSケーブルによれば、土木工事における被測定体の品質管理と維持管理を行う評価手法を確立するため、被測定体の変形度合いを計測する光ファイバケーブルに設計上要求される項目のうち、特に、被測定体に負荷される引張力および圧縮力の両方の評価が可能な精密で正確な計測ができること、およびセメントなどの施工環境下に光ファイバケーブルが設置された場合に、長期にわたる計測精度が維持できること、の2つの項目を満足する光ファイバケーブルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】DSSケーブルの寿命に関わる課題を説明するための表図である。
図2】DSSケーブルの計測精度の維持管理上の課題を説明するための図である。
図3】先行例となる複数のケーブルの特性を比較した表図である。
図4】実施の形態1に係るアーマードDSSケーブルの課題を説明するための、坑井中のFOCの設置状況を示した断面図である。
図5】実施の形態1に係るアーマードDSSケーブルおける課題を説明するための、図4のFOCを用いて計測したひずみ計測結果を示した図である。
図6】実施の形態1に係るアーマードDSSケーブルの設置状態を説明するための断面図である。
図7】実施の形態1に係るアーマードDSSケーブルのアーマードFOモジュールを説明するためのモデル断面図である。
図8】実施の形態1に係るアーマードFOモジュールの空間分解能を説明するための図である。
図9】被測定体に生じた亀裂の歪計測への影響を調べるため、実施の形態1に係るアーマードFOモジュールで測定した歪の測定結果を示した図である。
図10】実施の形態1に係る2種類のアーマードFOモジュールの横方向の耐性を比較するための図である。
図11】実施の形態1に係るアーマードDSSケーブルの構造を説明するためのモデル図である。
図12】実施の形態1に係る2種類のアーマードFOモジュールの最小ロープ径を検討するためのデータを示した表図である。
図13】実施の形態1に係るアーマードDSSケーブルの引張試験の結果を示した図である。
図14】実施の形態1に係るアーマードDSSケーブルに圧縮応力が作用した時の歪分布の計測結果を示した図である。
図15】実施の形態2に係るアーマードDTSSケーブルの構造を説明するためのモデル図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
実施の形態1.
実施の形態1のアーマードDSSケーブルについて、以下、図6図15を用いて詳しく説明する。
【0028】
まず、本実施の形態によるアーマードDSSケーブルの設置例を図6に示す。この図に示したように、一般に、土木工事においては、被測定対象物の歪の計測に当たって、アーマードDSSケーブル40等のFOCをセメントで固定する機会も多いため、セメントとFOCの結合性を確保する必要がある。図6は、FOCを取り囲むように、周囲部材であるセメントを流し込んで四角柱状のブロックを形成し、このブロックによりFOCを固着した実験の様子を示すモデル断面図である。
【0029】
この図に示すように、歪などのセンサである光ファイバ1(以下、略して「FO1」とも称する)は、FOCであるアーマードDSSケーブル40(後ほど詳しく説明する)の表層部分に配置され、このアーマードDSSケーブル40を取り囲んで、周囲部材であるセメントブロック30が存在している。
【0030】
この場合において、2層構造のアーマードDSSケーブル40の表層部分を構成する、FO1を内側の中心部分に持つ歪センシング構造体であるアーマードFOモジュール10(以下、光ファイバモジュール10とも呼ぶ)およびロープ4(ロープ4は、例えば、鋼線で構成されている)を含む、環状の表層部分の外側部分には、セメントブロック30を構成するセメントが入り込み、アーマードDSSケーブル40は、このセメントに固着されている。これにより、アーマードDSSケーブルの光ファイバモジュール10とセメントブロック30の両者は互いに滑ることはない。つまり、正確に歪を伝達できる。また一方で、この表層部分の内側にはセメントが侵入している形跡はない。これらのことから、FOCの構造特性は独立性があり、製造時での性能を実装後にも保証できる、高い安定性があると言える。
【0031】
上記のような形態でアーマードDSSケーブル40が固着されている理由は、アーマードDSSケーブル40のような構造体とこの構造体が設置される周囲構造物との結合性がよくないと、周囲構造物である被測定体に発生した歪、温度などをアーマードDSSケーブル40に設けたFO1で測定する場合に、被測定体とアーマードDSSケーブル40の間に滑りが発生し、これによりFO1への伝達特性が劣化し、高精度な計測に支障を来たすので、これを防止するためである。
【0032】
なお、上記では、表層部分の内側のセメントが侵入していない領域の充填方法については特に規定しなかったが、ゴムを含む樹脂により、この表層部分の内側のセメントが侵入していないと判断できる領域を充填してもよい。これにより、ケーブルの腐食防止を図ることができ、工業的に、より安定した製造が可能となり、かつ、計測精度の安定化にも繋がる。
【0033】
また、上記では、2層構造のアーマードDSSケーブル40を例に被測定体との固着の必要性について説明したが、これに限らず、FOCとして、実施の形態2で詳しく説明する、3層構造のアーマードDSSケーブル50を用いた場合も同様である。なお、光ファイバ1は、歪検知用のセンサとして機能する他、温度検知用のセンサとしても機能する。
【0034】
次に、上述した2種類のFOCであるアーマードDSSケーブル40とアーマードDSSケーブル50に共通する構成要素である歪検知用のセンサを持つアーマードFOモジュール10等について、図7を用いて詳しく説明する。
【0035】
図7には、2種類のアーマードFOモジュールの軸の方向(長手方向)に垂直な面で切断した断面図が示されている。図7Aには、6本のロープ2(例えば、鋼線で構成されている)を有し、その中心部分にFO1を有するアーマードFOモジュール10が示され、図7Bには、5本のロープ2(例えば、鋼線で構成されている)を有し、その中心部分にFO1を有するアーマードFOモジュール10aが示されている。また、これら2つの図のいずれにおいても、FO1とロープ2との隙間には樹脂11が充填され、FO1は、この樹脂11によりロープ2に固着されている。この場合において、樹脂11は防水機能を兼ねている。なお、これまでは、前者のアーマードFOモジュール10が、実際の計測で、しばしば用いられてきた。
【0036】
これら2種類のアーマードFOモジュール10、10aが有する複数のロープ2は、いずれも、FO1の周囲に螺旋状に巻回されており撚り線構造を形成している。なお、ロープは、プラスチックで表面を被覆されていないステンレス鋼線で構成されていてもよく、ロープ(撚り線とも称する)の材質は自由に変更可能であり、耐腐食性を有するなど、特殊な環境にも適応可能となっている。また、光学的にも安定した特性を有している。
【0037】
次に、上記アーマードFOモジュール10の性能を確認するため、まず、基本的な特性試験である引張試験を行った(手で引っ張って試験した)。このときの実験結果の一例について、図8を用いて説明する。図8において、横軸には、基準点から計測位置までの距離(単位:m)を取り、縦軸には、検知された歪(任意単位)の大きさを取る。
【0038】
図8において、白丸を付した曲線は、アーマードFOモジュール10を巻いた状態で行った場合の、引張試験前の歪のデータ(初期歪のデータ)を示し、白抜きの三角形を付した曲線は、アーマードFOモジュール10を伸ばした状態で行った場合の、引張試験前の歪のデータ(初期歪のデータ)を示している。また、黒丸を付した曲線は、1回目の引張試験の結果を示し、黒三角形を付した曲線は、回目の引張試験の結果を示す。さらに、縦の実線で示した位置lcは、1回目の引張試験で、最大の歪の値を計測した2つの位置のうちの右側の位置を示し、縦の点線で示した位置loは、この歪が変化しなくなる位置を示しており、これら2つの位置間の距離Sczは、アーマードFOモジュール10の空間分解能を示していると考えられる。

【0039】
この結果から、位置loより右側の位置(図中、横軸の値がおよそ2m以上の位置)では、引張試験前と引張試験後とで生じた歪に差がないことが判る。また、歪の値は最大値を示す位置から離れるにつれて、徐々に小さくなることが判る。また、2回目の引張試験で検知された歪の最大値は、1回目の引張試験で検知された歪の最大値よりも小さいことが判る。
【0040】
このことから、引張試験によって、アーマードFOモジュール10は、距離Scz(ここでは約50cm)より短い距離では、アーマードFOモジュール10中のFO1が反応しているが、それより長い距離では反応していないこと、つまり、この実験結果においては、アーマードFOモジュール10の空間分解能は距離Sczで表されることが判る。
また、被測定体の歪の発生によりFO1で検知される歪が徐々に抑制されることから、ケーブルの一部が被測定体に発生した大きな亀裂に曝されても、FO1に及ぶ影響は一部に限られると想定される。つまり、被測定体に亀裂が発生しても、歪の計測上に及ぼす影響範囲は限定された範囲にとどまると予想されるため、実質上、問題はないことが想定できる。なお、上記のSczの値である50cmは、アーマードFOモジュール10の巻回されているロープの螺旋のピッチが5cmの場合には、10ピッチ分に相当する。
【0041】
次に、被測定体に実際に亀裂が発生した場合に、FO1に生じた歪の大きさについての実験結果について、図9を基に説明する。図9に、被測定体(ここでは四角柱状のセメントブロック)に亀裂が発生した場合に、アーマードFOモジュール10を使って検知した歪の測定結果を示す。
【0042】
ここで、図9Aは、60kNの負荷により上記被測定体に発生した7か所の亀裂パターンCr1~Cr7の模式図を示す。ここで測定した亀裂の幅は最小40μmであった。
また、図9Bは、上記被測定体の位置に対応して、アーマードFOモジュール10を構成するFO1によって測定された歪の計測結果を、負荷の値ごとに分けて示したグラフである。
【0043】
図9Bで、黒三角形を付した曲線のグラフは、負荷30kNの場合に検知された、被測定体の計測位置に対応した歪分布を示し、黒丸を付した曲線のグラフは、負荷60kNの場合に検知された、被測定体の計測位置に対応した歪分布を示し、白抜きの三角形を付した曲線のグラフは、負荷130kNの場合に検知された、被測定体の計測位置に対応した歪分布を示し、白丸を付した曲線のグラフは、負荷200kNの場合に検知された、被測定体の計測位置に対応した歪分布を示す。図9Aの亀裂を示した図、および図9Bの歪の検知結果のグラフより、亀裂位置、および被測定体への負荷の大きさに比例する態様で、歪が計測されている様子が判る。なお、この場合の位置分解能は20cmであった。
【0044】
なお、歪センシング用のセンサとしては、そのヤング率(厳密に言うと縦弾性係数)に代表される剛性(わかり易く言うと変形のし難さ)が被測定体と同じであることが理想である(同一の負荷に対して同じ歪を生ずる)。本実施の形態1のアーマードFOモジュール(撚り線構造)の場合には、その剛性は60GPaであり、被測定体がコンクリート(セメント材)の場合、その剛性は30-60GPaである。一方、一般的な鋼材の剛性は約200GPaである。従って、この一般的な鋼材に比べて、本実施の形態1のアーマードFOモジュールは撚り線構造を有しており、歪センシング用のセンサとして理想に近いものである。
【0045】
アーマードFOモジュールの長手方向の耐力(材料の強度特性である降伏点に相当する応力)の安定性については、上述のような説明ができるが、さらに精度の高い計測を行うためには、アーマードFOモジュールの短手方向(横方向)の耐力の安定性も調べておく必要がある(例えば、非特許文献1参照)。
そこで、次に、上述の2種類のアーマードFOモジュール10、10aに関して、それぞれ3つずつサンプルを選び、これらのサンプルによって、短手方向(横方向)の耐力を調べた。この結果を図10に示す。
【0046】
この図は、これら2種類のアーマードFOモジュールについての、押圧(縦軸に示す)に対する横方向の変位(横軸に示す)の結果を示すものである。具体的には、アーマードFOモジュール10のサンプルとしては、符号6a、6b、6cで示した3つのサンプルを用い、アーマードFOモジュール10aのサンプルとしては、符号5a、5b、5cで示した3つのサンプルを用いて、この押圧に対する変位を調べた。
【0047】
この図に示すように、2種類のアーマードFOモジュール10、10aとも、変位が0.45mmまでは、押圧に対して(アーマードFOモジュール10では約40Nの押圧まで、アーマードFOモジュール10aでは約100Nの押圧まで)、ほぼ安定的に変位していることが判る。
しかしながら、これらの点(以下、それぞれのモジュールにおいての臨界点と呼ぶ)を境に、応力がわずかでも増すと、変位が著しく増加する結果が計測された。具体的には、2種類のアーマードFOモジュール10、10aについて、アーマードFOモジュール10(図中“6本撚り”としたモジュール)の耐力が約40Nであったのに対して、アーマードFOモジュール10a(図中“5本撚り”としたモジュール)の耐力は100Nであった。この結果から、アーマードFOモジュール10aがアーマードFOモジュール10より、優れた耐力特性を持つことが判る。つまり、歪の計測ツールとしては、5本のロープをもつアーマードFOモジュール10aの方が、6本のロープをもつアーマードFOモジュール10よりも、耐力性能が優れていると言える。
【0048】
次に、上述のアーマードFOモジュール10aを最外層部分に配置した2層構造のアーマードDSSケーブル40について、図11を用いて、まず説明する。図11は、アーマードDSSケーブル40について説明するための構造モデル図であり、その層構造を説明するための図11A、および3次元的な構造を説明するための図11Bから構成される。この場合において、図11Aは、アーマードDSSケーブル40の長手方向(軸方向)に直交する断面図として示されている。
【0049】
図11Aに示したように、アーマードDSSケーブル40は、大きく分けて、中心部に配置された7本のロープ3(例えば、鋼線で構成されている)を有する内層部と、7本のロープ4(例えば、鋼線で構成されている)と2つのアーマードFOモジュール10aを環状に配置した表層部(図に示したように、この表層部が最外層部分となっている)の2つの要素で構成されている。
【0050】
ここで、図11Bに示したように、アーマードFOモジュール10aの構成要素であるFO1を取り囲むロープ2、上記のロープ3、およびロープ4は、いずれも、螺旋状に巻回されて構成されている。この場合の螺旋のピッチは、例えば5cmに設定される。また、上記アーマードDSSケーブル40の外径は4.9mmである(この値を満たすためには、例えば外径0.81mmのロープ3と、外径1.2mmのロープ4を用いればよい)。そして、上記のようなアーマードDSSケーブル40を用いて、分布歪を測定することができる。なお、通常は、歪を測定する際、測定場所によって被測定体の温度も異なっていることが想定されるため、図11A図11Bにそれぞれ示したように、アーマードFOモジュール10aは2個(1組)で構成される。なお、実施の形態1のアーマードDSSケーブル40についての、図3に示した先行事例のケーブル特性に対応する値は、上記した外形サイズを除き、それぞれ、以下の通りである。機械的強度:13000N、微小歪に対する感度:良好、大変形耐性:有。これらのいずれの特性も、先行事例の各特性に比べて優れていることがわかる。なお、以上で説明したロープ2、ロープ3、およびロープ4は、寿命の観点から、単なる鋼線ではなくステンレス鋼線で構成されていてもよい。
【0051】
さらに、図11A図11Bに示したFOの外径は、ほぼ0.25mmであり、この条件下で、最小ロープ外径を計算した例を図12に示す。
図12においては、上述の2種類のアーマードFOモジュール10、10a(図12では、前者をタイプ1のワイヤタイプ、後者をタイプ2のワイヤタイプと呼んでいる)について、その外径サイズをそれぞれ計算して求めたものである。各モジュールにおいて、そのロープ外径は以下のように計算される。
【0052】
まず、タイプ1では、6本の各ワイヤの外径は0.4mm、これら6本のワイヤで囲まれた内側において、これら6本のワイヤの外径に接する円の外径をホールサイズと称すると、このホールサイズは、0.4mmとなる。よって、タイプ1のロープ外径は、2×(各ワイヤ外径+ホールサイズ/2)=2×(0.4+0.4/2)=1.2mmとなる。タイプ2のワイヤにおいても同様に、そのロープ外径は、2×(0.442+0.317/2)≒1.2mmとなる。
【0053】
以上をまとめると、いずれのタイプにおいても、すなわち、2種類のアーマードFOモジュール10、10aのいずれにおいても、そのロープ外径は1.2mmであることが判る(言い換えると、アーマードFOモジュールの外径は1.2mm以上に設定できるともいえる)。また、ホールサイズが0.25mmより大きいことから、例1、例2に示した、いずれの外径のFOも使用可能である。さらに、タイプ2のワイヤでは、タイプ1のワイヤに比較して、各ワイヤの外径は、より大きいサイズのものが使用できることが判る。このことからも、アーマードFOモジュールの外径は1.2mm以上に設定できるといえる。
【0054】
また、上述のような構造とすることで、先に説明した、表面の撚り線構造を利用して被測定体である、例えば土木工事におけるコンクリートとの結合性能を確保できること、また、アーマードFOモジュール10、あるいはアーマードFOモジュール10aを表面に配置したことで、被測定体の歪あるいは温度などを感度よく測定できること、また、レイリー計測法とブリルアン計測法を利用することにより、温度を検知する専用のセンサを有していない場合でも、温度と歪を分離して同時に計測する高精度な測定が可能であること(例えば、特許文献1参照)、局所の亀裂に対して断線しないこと、などの効果を奏する、被測定体の歪、および温度計測用のアーマードDSSケーブルを提供することができる。
【0055】
そこで次に、上記のアーマードDSSケーブルの有する特性を確認するため、まず、基本的な試験である引張試験を行った。その結果を図13に示す。この図に示すように、試験には3サンプルを用いた(No.1~No.3)。この図13に示したように、ケーブルへの負荷に対して、1.5%を超える伸びを示したが、一般的な鋼材の伸びの線形区間は0.1%以下であるのに対して、この図に示したように、撚り線構造とした場合には、伸びの線形区間は1%程度にもなることがわかる。
【0056】
以上では、アーマードDSSケーブル40の引張試験の結果について説明したが、次に、アーマードDSSケーブル40を圧縮試験に適用した場合について説明する。
【0057】
図14は、被測定体を圧縮した場合に、被測定体に生じた歪を、上記アーマードDSSケーブル40に搭載したFOで計測した場合の歪分布の計測結果の一例を示したグラフである。この図14において、横軸は被測定体上の測定位置を基準点からの距離で示したものであり、縦軸は計測した歪の値を示している。また、この図では、被測定体に負荷された5種類の負荷ごとに分けて、計測した歪分布の結果を示している。
【0058】
この図14で、グラフの一番上の曲線は負荷がかかっていない場合(負荷が零)の歪分布を示しており、上から二番目は、負荷が285kNの場合の歪分布、上から三番目は、負荷が430kNの場合の歪分布、上から四番目は、負荷が625kNの場合の歪分布、そして一番下は、負荷が735kNの場合の歪分布を、それぞれ示している。
【0059】
この図に示したように、距離1.0mから距離2.4mの範囲では、上記5種類の各応力の値に応じて歪分布が比例的に変化しており、被測定体に生じた歪分布が的確に計測できているものと想定される。そして、この場合において、5種類の歪分布の値はいずれもマイナスの値を示しており、被測定体への圧縮力として的確に計測されているものと推定される。
【0060】
以上のように、本実施の形態1のアーマードDSSケーブルによれば、アーマードFOモジュールを最外層部分に配置していることにより、被測定体に負荷される引張力および圧縮力の両方の評価が可能な精密で正確な計測ができること、およびセメントなどの施工環境下に光ファイバケーブルが設置された場合において、40μmの亀裂幅まで検出できており、また、一方、ひび割れ開口が3mmになるまでケーブル寿命があると予想できることから、20年以上の長期にわたる計測精度が維持できること、の2つの項目を満足する光ファイバケーブルであると推定できる。また、上述のアーマードFOモジュール10aを用いれば、アーマードFOモジュール10を用いた場合と比べて、より高性能な計測が可能となる。
【0061】
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係るアーマードDSSケーブルについて、図15を用いて詳しく説明する。
【0062】
以上においては、主として歪センシング用の光ファイバを有する、2層構造のアーマードDSSケーブル40を基に、その特徴、あるいは効果について説明してきたが、本実施の形態2では、さらに、温度センサとしての機能のみを有する光ファイバを併せ持つ、3層構造(内層部、表層部の間に中間層部を有する構造)のアーマードDSSケーブル50について、以下、上記アーマードDSSケーブル40との相違点を中心に詳しく説明する。
【0063】
図15は、アーマードDSSケーブル50について説明するための構造モデル図であり、その層構造を説明するための図15A、および3次元的な構造を説明するための図15Bから構成される。この場合において、図15Aは、このアーマードDSSケーブル50の長手方向(軸方向)に直交する断面図として示されている。
【0064】
図15Aに示したように、アーマードDSSケーブル50は、大きく分けて、中心部に配置された7本のロープ3(うち6本のロープが中心軸となる1本のロープを取り囲んで配置されている)を有する内層部と、8本のロープ5(例えば、鋼線で構成されている)および1つの温度センシング構造体であるFIMT温度モジュール20を一体として、環状に配置した中間層部と、13本のロープ4および2つのアーマードFOモジュール10aを一体として、環状に配置した表層部(図に示したように、この表層部が最外層部分となっている)の、3つの要素で構成されている。
【0065】
ここで、図15Bに示したように、中間層部を構成する8本のロープ5と温度センサ21を備えたFIMT温度モジュール20(FIMTはFiber Metallic Tube の略称)は、内層部、および外層部の上記各構成要素と同様(これらについては実施の形態1ですでに説明したのでここでは詳しい説明は省略する)、いずれも、螺旋状に巻回されて構成されている。また、上記アーマードDSSケーブル50の外径は7.3mmである(この値を満たすためには、例えば外径1mmのロープ3とFIMT温度モジュール20、および外径1.2mmのロープ5を用いればよい)。なお、ロープ5は寿命の観点からステンレス鋼線で構成されていてもよい。
【0066】
上記のようなアーマードDSSケーブル50を用いて、被測定体の歪分布に加え、温度分布を計測することができる。従って、図15に示したアーマードDSSケーブル50は、アーマードDTSSケーブルとも呼べる。ここで、DTSSはDistributed Temperature and Strain Sensingの略称である。
【0067】
このような構造とすることで、先に説明した、表面の撚り線構造を利用して被測定体である、例えば土木工事におけるコンクリートとの結合性能を確保できること、また、アーマードFOモジュール10aを表面に配置したこと、およびFIMT温度モジュール20を表面に近い層に配置したことで、被測定体の歪あるいは温度などを感度よく測定できること、また、アーマードFOモジュール10aとFIMT温度モジュール20を併用することで、ブリルアン計測法は利用せず、レイリー計測法だけで、温度と歪を分離して高精度での測定が可能であること(例えば、特許文献1参照)、局所の亀裂に対して断線しないこと、などの効果を有する、被測定体の歪、および温度センサ用のアーマードDSSケーブルを提供することができる。以上により、実施の形態2に係るアーマードDSSケーブルでも、実施の形態1に係るアーマードDSSケーブルと同様の効果を得ることが可能となる。なお、実施の形態2では、アーマードFOモジュールとして、アーマードFOモジュール10aを用いた場合について説明したが、実施の形態1と同様、アーマードFOモジュール10aに替えてアーマードFOモジュール10を用いた場合でも同様の効果を奏する。
【0068】
なお、本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、上記各層を構成する各ロープの本数は複数であればよく、具体的な数は適宜決めることができるなど、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0069】
1 光ファイバ(FO)、2、3、4、5 ロープ、10、10a アーマードFOモジュール(光ファイバモジュール)、11 樹脂、20 FIMT温度モジュール、21 温度センサ、30 セメントブロック、40、50 アーマードDSSケーブル
図1
図2
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