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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】マッサージ機器
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20240110BHJP
   A61H 23/02 20060101ALI20240110BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A61N1/36
A61H23/02 384
A61N1/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023110745
(22)【出願日】2023-07-05
(62)【分割の表示】P 2022068182の分割
【原出願日】2022-04-18
(65)【公開番号】P2023118889
(43)【公開日】2023-08-25
【審査請求日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】202122347951.4
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520112483
【氏名又は名称】株式会社創通メディカル
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】薛 明鶴
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-261160(JP,A)
【文献】特開2004-202051(JP,A)
【文献】登録実用新案第3200060(JP,U)
【文献】特表2016-505292(JP,A)
【文献】特表2018-536458(JP,A)
【文献】特開2020-168270(JP,A)
【文献】特開2021-137119(JP,A)
【文献】中国実用新案第209360512(CN,U)
【文献】中国実用新案第210812412(CN,U)
【文献】中国実用新案第211326791(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 23/00 ― 23/06
A61N 1/00 ― 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性シリコーンゴムで形成された少なくとも一つの電極部と非導電性シリコーンで該電極部と一体に形成されるフレーム部内に該電極部を保持するとともに、該電極部に供給する駆動パルス制御信号の周波数レベルを調整する+ボタン操作部と、-ボタン操作部と、電源オンオフ操作部とを含む操作部を該電極部に対向するフレーム部の外周の側面部に有するフェースシェルと、
前記フェースシェルの下端部と接着接合され、内部閉空間を前記フェースシェルの内周面と協働して形成するボトムシェルと、
前記内部閉空間における前記フェースシェルの前記側面部の前記操作部に対向して配され、該操作部の操作に応じて前記電極部に駆動パルス制御信号を供給する回路基板と、
前記操作部の操作に応じて前記回路基板により形成される駆動信号に基づいて制御され、前記フェースシェルおよびボトムシェルを振動させる振動モータと、
前記内部閉空間に配され、前記回路基板に電力を供給する充電可能な二次電池と、を備え、
前記操作部は、前記+ボタン操作部と、-ボタン操作部と、前記電源オンオフ操作部と並列に防水用プラグ付きの充電用ポートと、前記二次電池の充電状態を表示する表示部とをさらに備えることを特徴とするマッサージ機器。
【請求項2】
前記フェースシェルの下端部に嵌め合わされる前記ボトムシェルの一方の表面部における全周縁部には、封止部が設けられることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機器。
【請求項3】
前記ボトムシェルは、前記電極部の接続端子に対応した位置にポストを有することを特徴とする請求項1記載のマッサージ機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経筋電気刺激療法(EMS)を利用したマッサージ機器に関する。
【背景技術】
【0002】
理学療法等において利用されるクッションとしては、例えば、特許文献1に示されるように、パッド本体の背もたれに設けられるバック部分理学療法装置と、パッド本体の座布団に設けられる臀部理学療法装置とを含んで構成されるものが提案されている。そのようなバック部分理学療法装置、および、臀部理学療法装置は、それぞれ、電源プラグに接続され温度設定ボタンおよび時間制御ボタンを備える制御盤からの制御信号に基づいて制御される給電板に取り付けられた複数個の球体を備えている。複数個の球体は、それぞれ、上側ハウジングおよび下ケースを有している。人体に接触する上側ハウジングおよび下ケースにより形成された内部には、加熱温度が調整される加熱ロッドが配されるとともに、漢方薬としてヨモギ灸粉が加熱ロッドの回りに配置されている。
【0003】
また、腕または脚に取り付け可能な時計型理学療法装置としては、例えば、特許文献2に示されるように、治療装置本体が、提案されており、その治療装置本体は、使用者に対し治療を行う第1電極シート、および、第2電極シートと、第1電極シート、および、第2電極シートに所定のパルス電流を供給する制御基板と、制御基板に電力を供給する充電可能な電池と、その電池に外部から充電するための充電インターフェースと、第1電極シート、および、第2電極シートの動作を制御するための操作部としての押し釦と、をハウジングに含んで構成されている。
【0004】
さらに、例えば、特許文献3に示されるように、EMS技術を用いたトレーニング装置が、提案されている。このようなトレーニング装置は、使用者の皮膚と接触する電極をそれぞれ、有する第1の電極パッド、第2の電極パッド、第3の電極パッド、第4の電極パッドと、操作者により操作され第1の電極パッド~第4の電極パッドの電極に供給するパルス波を制御するコントローラと、シートとを含んで構成されている。第1の電極パッド~第4の電極パッドは、それぞれ、電極に貼付された粘着シートにより、使用者の身体に貼り付けられる。このように第1の電極パッド~第4の電極パッドが使用者の身体に貼り付けられた状態で、コントローラによって、パルス波が、第1の電極パッド~第4の電極パッドの電極に供給されることにより、筋肉が電気的に刺激可能とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】中国実用新案第205359963号
【文献】中国実用新案第213884746号
【文献】特開2020-168270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような神経筋電気刺激療法(EMS)を利用したマッサージ機器において、理学療法効果をさらに高めるべく、例えば、入浴中、浴槽内でマッサージ機器を使用することも要望されている。
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1および特許文献2に開示されるクッション、および、時計型理学療法装置は、本来、水中で使用することを前提としていないので使用することは困難であり、また、特許文献3に開示されるトレーニング装置は、電源の防水機能について何ら考慮されていないので水中でトレーニング装置を使用することが難しい虞がある。
【0008】
以上の問題点を考慮し、本発明は、神経筋電気刺激療法(EMS)を利用したマッサージ機器であって、防水機能を有するマッサージ機器を水中でも使用できるマッサージ機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明に係るマッサージ機器は、導電性シリコーンゴムで形成された少なくとも一つの電極部と非導電性シリコーンで電極部と一体に形成されるフレーム部内に電極部を保持するとともに、電極部に供給する駆動パルス制御信号の周波数レベルを調整する+ボタン操作部と、-ボタン操作部と、電源オンオフ操作部とを含む操作部を電極部に対向するフレーム部の外周の側面部に有するフェースシェルと、フェースシェルの下端部と接着接合され、内部閉空間をフェースシェルの内周面と協働して形成するボトムシェルと、内部閉空間におけるフェースシェルの側面部の操作部に対向して配され、操作部の操作に応じて電極部に駆動パルス制御信号を供給する回路基板と、操作部の操作に応じて回路基板により形成される駆動信号に基づいて制御され、フェースシェルおよびボトムシェルを振動させる振動モータと、内部閉空間に配され、回路基板に電力を供給する充電可能な二次電池と、を備え、操作部は、+ボタン操作部と、-ボタン操作部と、電源オンオフ操作部と並列に防水用プラグ付きの充電用ポートと、二次電池の充電状態を表示する表示部とをさらに備えることを特徴とする。
【0011】
さらに、フェースシェルの下端部に嵌め合わされるボトムシェルの一方の表面部における全周縁部には、封止部が設けられてもよい。ボトムシェルは、電極部の接続端子に対応した位置にポストを有するものであってもよい
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るマッサージ機器によれば、導電性シリコーンゴムで形成された少なくとも一つの電極部と非導電性シリコーンで電極部と一体に形成されるフレーム部内に電極部を保持するとともに、電極部に供給する駆動パルス制御信号の周波数レベルを調整する+ボタン操作部と、-ボタン操作部と、電源オンオフ操作部とを含む操作部を電極部に対向するフレーム部の外周の側面部に有するフェースシェルと、フェースシェルの下端部と接着接合され、内部閉空間をフェースシェルの内周面と協働して形成するボトムシェルと、内部閉空間におけるフェースシェルの側面部の操作部に対向して配され、操作部の操作に応じて電極部に駆動パルス制御信号を供給する回路基板と、操作部の操作に応じて回路基板により形成される駆動信号に基づいて制御され、フェースシェルおよびボトムシェルを振動させる振動モータと、内部閉空間に配され、回路基板に電力を供給する充電可能な二次電池と、を備え、操作部は、+ボタン操作部と、-ボタン操作部と、電源オンオフ操作部と並列に防水用プラグ付きの充電用ポートと、二次電池の充電状態を表示する表示部とをさらに備えるので防水機能を有するマッサージ機器を水中でも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るマッサージ機器の第1実施例の外観を示す平面図である。
図2】(A)は、図1に示されるマッサージ機器の構成を分解して示す斜視図であり、(B)は、(A)に示されるマッサージ機器の部分断面図である。
図3図1に示されるマッサージ機器の電極部とアッパケースとロアケースとの間の閉空間内に収容されるプリント回路基板との接続の構成を示す構成図である。
図4】プリント回路基板に実装された各押し釦、USBレセプタクルコネクタ、および、振動モータを、リチウムイオン電池とともに示す斜視図である。
図5図1におけるV-V線に沿って示される部分断面図である。
図6】プリント回路基板に形成される駆動パルス信号生成回路の一例の回路図である。
図7】(A)、(B)および、(C)は、それぞれ、操作部の操作の説明に供される図である。
図8】本発明に係るマッサージ機器の第2実施例の構成を分解して示す斜視図である。
図9】(A)および(B)は、それぞれ、図8に示されるフェースシェル、および、シリコーンゴムパッドを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明に係るマッサージ機器の第1実施例の外観を概略的に示す。
【0015】
マッサージ機器10は、例えば、マッサージ機器10を使用する使用者の身体の皮膚に接触するように配される電極部(導電性シリコーンゴム)12Aおよび12Bを有するフェースシェル18と、フェースシェル18の下端部に接着され防水構造を有する閉空間42を形成するボトムシェル40(図5参照)と、フェースシェル18とボトムシェル40との間に形成される閉空間18CA内に配され後述する操作部からの指令信号に基づいて上述の電極部(導電性シリコーンゴム)12Aおよび12Bの動作制御、後述する振動モータ32の動作制御、および、リチウムイオン電池34の充電制御等を行うプリント回路基板22(図2(A)、(B)、図4および図6参照)と、上述のフェースシェル18内に形成される凹部内に配されマッサージ機器10をより早く水中に沈ませるための所定の重さのカウンターウェイト14と、プリント回路基板22に電力を供給するリチウムイオン電池34と、を主な要素として含んで構成されている。
【0016】
フェースシェル18は、図2(A)に示されるように、例えば、電気的絶縁性を有するシリコーンゴム(以下、非導電性シリコーンゴムともいう)で成形された略扇形のフレーム部16と、フレーム部16の略中央部であってその内面の凹部にリチウムイオン電池34が配される連結部16Pの両脇にそれぞれ、区画された略三角形に形成される比較的大きな窪み内に配される導電性シリコーンゴムで成形された電極部12Aおよび12Bと、連結部16Pの内面の凹部に配置されるリチウムイオン電池34に隣接してフレーム部16の内面の上述の窪みよりも比較的小さな凹部に配置されるカウンターウェイト14と、を含んで構成されている。
【0017】
電極部12Aおよび12Bは、それぞれ、連結部16Pを挟んで線対称となるようにフレーム部16の窪み内に配置されている。図2(A)に示されるように、電極部12Aは、上述の窪み内に配され導電性シリコーンゴムで略三角形に成形された導電性シート12A1と、導電性シート12A1上に積層される導電性シート12A2とから構成されている。上述の窪み内に配置された導電性シート12A1は、後述するプリント回路基板22からのリード線Wi(図3参照)が通過する複数個の貫通孔16Sを金属シート内に有している。電極部12Bは、上述の窪み内に配され導電性シリコーンゴムで略三角形に成形された導電性シート12B1と、導電性シート12B1上に積層される導電性シート12B2とから構成されている。窪み内に配置された導電性シート12B1は、後述するリード線Wi(図3参照)が通過する貫通孔16Sを金属シート内に有している。図3に示されるように、プリント回路基板22からのリード線Wiの一端は、環状の端子12aRおよび12bRを介して導電性シート12A2の接続端子12a、および、導電性シート12B2の接続端子12bに電気的に接続されている。
【0018】
電極部12Aおよび12Bとフレーム部16とは、例えば、二色成形により、一体成形されている。
【0019】
図1および図2(A)に示されるように、電極部12Bの三角形の一辺に対向するフレーム部16の外周側面部に、プリント回路基板22に指令信号を送出する操作部(図7(A)参照)と、リチウムイオン電池34の充電状態を表示する二色LED(発光ダイオード)(図7(C)参照)からなる表示部と、防水用プラグ付きの充電用ポート18B4(図7(B)参照)とが設けられている。上述の操作部に対向するフェースシェル18の内側の閉空間18CA内には、図2(B)に示されるように、アッパケース20Aとロアケース20Bとの間の閉空間内に挟持されるプリント回路基板22が配置されている。閉空間18CAの下方の開口部は、密封シート24および接着剤により封止されている。ロアケース20Bは、上述のフレーム部16の外周側面部の一部を形成する上述の操作部に対向している。ロアケース20Bの一方の端面には、後述するプリント回路基板22におけるUSBレセプタクルコネクタ24、押し釦30、押し釦26、および、押し釦28の端部がそれぞれ、突出する貫通孔が形成されている。
【0020】
上述の操作部は、図7(A)に示されるように、例えば、電極部12Aおよび12Bに供給する駆動パルス制御信号の周波数レベル(例えば、0.1~1000Hz(低周波数),1000~10000Hz(中周波数),10000~50000Hz(高周波数))を20段階で4%ずつ増減させる+ボタン操作部18B1と、-ボタン操作部18B3と、電源オンオフ操作部18B2と、防水用プラグ付きの充電用ポート18B4とから構成されている。+ボタン操作部18B1は、後述するプリント回路基板22に実装された押し釦30(図4参照)の端部に対応して形成されている。-ボタン操作部18B3は、プリント回路基板22に実装された押し釦26(図4参照)の端部に対応して形成されている。電源オンオフ操作部18B2は、プリント回路基板22に実装された押し釦28(図4参照)の端部に対応して形成されている。
【0021】
防水用プラグ18C(図7(B)参照)付きの充電用ポート18B4内には、例えば、プリント回路基板22に実装されるUSBレセプタクルコネクタ(Type-C)24(図4参照)が配置されている。このUSBレセプタクルコネクタ(Type-C)が、所定の電源に接続されたUSBプラグコネクタ(Type-C)(不図示)に接続される場合、リチウムイオン電池34への電源からの電力供給がプリント回路基板22を介して可能となる。なお、リチウムイオン電池34の代わりに、二次電池としてニッケル・カドミウム電池でもよい。
【0022】
さらに、防水塗装されたプリント回路基板22には、上述の操作部の操作に連動して振動する振動モータ32がプリント回路基板22に実装されている。振動モータ32は、プリント回路基板22により、振動モータ32の負極が間欠的に接続されることによって動作制御される。例えば、上述の操作部の1回の操作毎に連動して振動モータ32がフェースシェル18とともに振動することにより、その振動が使用者に伝搬されるので水中であっても使用者は、操作部を操作したことを確実に認識できる。また、リチウムイオン電池34の電圧を検出することにより、リチウムイオン電池34の充電量が所定値以下(例えば、3.0v以下)の残量となった場合、例えば、プリント回路基板22からの制御信号に基づいて自動的に振動モータ32が短く3回振動することにより、リチウムイオン電池34の充電量の残量が少なくなり、充電が必要であることが使用者に警告される。
【0023】
図5に部分的に拡大されて示されるように、フェースシェル18の下端部に嵌め合わされるボトムシェル40の一方の表面部における全周縁部には、封止部として突起部40P1および突起部40P2が所定の間隔をもって2列形成されている。突起部40P1および突起部40P2は、それぞれ、例えば、約2mmの高さおよび幅を有し、ボトムシェル40の突起部40P1および突起部40P2に対向してフェースシェル18の下端部に形成される溝18G1、溝18G2に嵌合されるとともに接着剤により封止されている。上述の下端部に連なるフェースシェル18の上端部の端部18Eは、フレーム部16の縁部と一体成形されている。これにより、フェースシェル18とボトムシェル40とにより形成される閉空間42を密封する防水構造が形成されることとなる。
【0024】
例えば、図6に示されるように、駆動パルス制御信号を形成し電極部12Aおよび12Bに供給する駆動パルス制御信号生成回路が、上述のプリント回路基板22に形成されている。駆動パルス制御信号生成回路は、駆動パルス制御信号のパルス幅を変化させるBOOST昇圧回路と、動作中の駆動パルス制御信号の周波数レベルを検出することにより、使用者に与えている負荷を識別し検出する負荷検出回路とを含んで構成されている。
例えば、図6において、トランジスタQ2、Q3、Q4、Q5、Q7、および、Q8は、パルス幅変調コントローラとされる。また、BOOST昇圧回路は、例えば、図6において、トランジスタQ10、トランジスタQ11、コイルL1、DZ3とから構成されている。また、負荷検出回路は、例えば、トランジスタQ6から構成されている。
【0025】
斯かる構成において、マッサージ機器10を使用するにあたり、例えば、水またはお湯が溜められた浴槽の底部に沈められたマッサージ機器10の電極部12Aおよび12Bは、ジェルパット等を電極部12Aおよび12Bに塗布する必要なく、例えば、使用者の臀部、大腿部、下腿部、腰部、背部、首肩、上腕部等の皮膚に直接的に押し当てられた後、操作部の電源オンオフ操作部18B2を長押し(約2秒間)することにより、マッサージ機器10がオン状態となる。なお、マッサージ機器10をオフ状態とする場合、操作部の電源オンオフ操作部18B2を長押し(約2秒間)することにより、オフ状態となる。その際、オン状態となる場合、振動モータ32により、比較的短い振動がフェースシェル18に2回だけ生じる。オフ状態となる場合、振動モータ32により、比較的長い振動がフェースシェル18に1回だけ生じる。これにより、使用者は、フェースシェル18に生じる振動により、マッサージ機器10のオンオフ状態を認識することが可能となる。
【0026】
図7(A)に示されるように、電極部12Aおよび12Bにより使用者に作用される負荷は、適宜、+ボタン操作部18B1、および、-ボタン操作部18B3が操作されることにより調整される。例えば、+ボタン操作部18B1、または、-ボタン操作部18B3が1回、操作される場合、振動モータ32により、1回の振動がフェースシェル18に生じるとともに、使用者に与える負荷が増減される。
【0027】
使用中、リチウムイオン電池34の充電量が所定値以下(例えば、3.0v以下)の残量となった場合、例えば、プリント回路基板22からの制御信号に基づいて自動的に振動モータ32が短く3回振動し、その振動がフェースシェル18に伝搬される。これにより、使用者は、リチウムイオン電池34の充電量が所定値以下となったことを認識し、例えば、使用を中止した後、図7(B)に示されるように、所定の電源に接続されたUSBプラグコネクタ(不図示)がUSBレセプタクルコネクタ(Type-C)24に接続され、リチウムイオン電池34の充電が行われる。図7(C)に示されるように、例えば、充電中、LED18LEDが赤色に点灯し、約2時間後、その充電が完了したとき、LED18LEDが緑色に点灯する。
【0028】
従って、使用者は、防水機能を有するマッサージ機器10を水中でも使用できることとなる。
【0029】
図8は、本発明に係るマッサージ機器の第2実施例を概略的に分解して示す。
【0030】
なお、図8において、図1および図2(A)に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0031】
図8において、マッサージ機器10’は、例えば、電極部(導電性シリコーンゴム)12Aおよび12Bを有するフェースシェル18と、フェースシェル18の下端部に接着され防水構造を有する閉空間を形成するボトムシェル40’と、フェースシェル18内に形成される閉空間内に配され操作部からの指令信号に基づいて上述の電極部(導電性シリコーンゴム)12Aおよび12Bの動作制御、振動モータ32の動作制御、および、リチウムイオン電池34の充電制御等を行うプリント回路基板22(図2(A)、(B)、図4および図6参照)と、上述のフェースシェル18内に形成される凹部内に配されマッサージ機器10’をより早く水中に沈ませるための所定の重さのカウンターウェイト14と、プリント回路基板22に電力を供給するリチウムイオン電池34と、フェースシェル18とボトムシェル40’との間に挟持されるシリコーンゴムパッド50と、を主な要素として含んで構成されている。
【0032】
フェースシェル18の下端部に嵌め合わされるボトムシェル40’の一方の表面部における全周縁部には、封止部として突起部40’P1および突起部40’P2が所定の間隔をもって2列形成されている。突起部40’P1および突起部40’P2は、それぞれ、例えば、約2mmの高さおよび幅を有し、ボトムシェル40’の突起部40’P1および突起部40’P2に対向してフェースシェル18の下端部に形成される溝18G1、溝18G2に嵌合されるとともに接着剤により封止されている。これにより、フェースシェル18とボトムシェル40’とにより形成される閉空間を密封する防水構造が形成されることとなる。
【0033】
外面40’Bおよび内面40’Aを有するボトムシェル40’の内面40’Aには、上述の導電性シート12A2の接続端子12a、導電性シート12B2の接続端子12bの位置に対応してポスト40’aおよび40’bが形成されている。
【0034】
図9(A)に示されるフェースシェル18に対向して配されるシリコーンゴムパッド50の形状は、フェースシェル18の形状と略同一の形状に設定されている。シリコーンゴムパッド50は、図9(B)に示されるように、例えば、液体シリコーン成形法により、成形されており、フェースシェル18に向き合うハニカム構造面50A、および、ボトムシェル40’の内面40’Aに向き合う下面50Bを有している。ハニカム構造面50Aは、ハニカム形状(六角形)の複数の穴を有している。ハニカム構造面50Aを形成することによってシリコーンゴムパッド50に弾力性をもたせることにより、シリコーンゴムパッド50が軽量で柔軟なものとなり、製造コストの低減も図られる。
【0035】
ハニカム構造面50Aにおける上述のポスト40’aおよび40’bの位置に対応した位置にポスト40’aおよび40’bがそれぞれ挿入される貫通孔が形成されている。これにより、ボトムシェル40’のポスト40’aおよび40’bによって導電性シート12A2の環状の端子12aR、導電性シート12B2の環状の端子12bRの離脱が回避される。
【0036】
従って、フェースシェル18とボトムシェル40’との間に挟持されるシリコーンゴムパッド50を備えることにより、マッサージ機器10’のクッション性が高められる。
【0037】
斯かる構成においても、使用者は、防水機能を有するマッサージ機器10’を水中でも使用できることとなる。
【0038】
(1)上述の第2の実施例においても、マッサージ機器10’は、人間工学に基づいて設計され、素材の硬さは人体との接触に必要な硬さと一致している。マッサージ機器10’のフェースシェル18およびボトムシェル40’の構造は、例えば、腰の構造と一致しており、その快適性が非常に高いものとなっている。同時に、マッサージ機器10’の電気治療は、肩、背中、腰、腕、足の裏、ふくらはぎ、太ももなど、他の部位にも使用できるので治療費用をさらに削減することができる。
【0039】
(2)フェースシェルおよびボトムシェルは、環状の凹部と環状の突起によってシールすることができ、これによって、フェースシェルとボトムシェルとを結合することにより、タイトな構造と良好なシール効果が得られる。
【0040】
(3)プリント回路基板は、シリコーンゴムパッド50によっても封止され密閉性の向上が図られるとともに、全体のサイズがさらに小さくなり、非常に使いやすくなっている。また、複数の操作ボタンが装備されており、さまざまな人のニーズに合わせて作業ギアを素早く調整することができる。
(4)シリコーンゴムパッド50は、内部にハニカム構造を備えているのでマッサージ機器10’全体の軽量化とコスト削減を図ることができる。
【符号の説明】
【0041】
10、10’ マッサージ機器
12A2 電極部(導電性シリコーンゴム)
12B2 電極部(導電性シリコーンゴム)
14 カウンターウェイト
18 フェースシェル
18CA、42 閉空間
22 プリント回路基板
34 リチウムイオン電池
40、40’ ボトムシェル
50 シリコーンゴムパッド
50A ハニカム構造面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9