(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】銀系金属粉末及び該銀系金属粉末の製造方法
(51)【国際特許分類】
B22F 1/00 20220101AFI20240110BHJP
B22F 9/08 20060101ALI20240110BHJP
C22C 5/06 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B22F1/00 K
B22F9/08 A
C22C5/06 Z
(21)【出願番号】P 2023514796
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(86)【国際出願番号】 JP2022040147
【審査請求日】2023-03-03
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-04
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000239426
【氏名又は名称】福田金属箔粉工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100173406
【氏名又は名称】前川 真貴子
(74)【代理人】
【識別番号】100067301
【氏名又は名称】安藤 順一
(72)【発明者】
【氏名】別府 賢二
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 文也
【合議体】
【審判長】粟野 正明
【審判官】井上 猛
【審判官】相澤 啓祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-183268(JP,A)
【文献】特開2013-189704(JP,A)
【文献】特表2015-531432(JP,A)
【文献】特表2015-533193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00-9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀系金属粉末であって、前記銀系金属粉末が含有する600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギー以下であり、かつ、銀との混合エンタルピーがアルミニウム以下である不純物元素の総含有量が500ppm以下である銀系金属
のアトマイズ粉末。
【請求項2】
前記不純物元素である希土類元素を合計した含有量が100ppm以下である請求項1に記載の銀系金属の
アトマイズ粉末。
【請求項3】
前記不純物元素であるリチウムの含有量が100ppm以下である請求項1記載の銀系金属
のアトマイズ粉末。
【請求項4】
前記不純物元素であるカルシウム及び/又はマグネシウムを合計した含有量が300ppm以下である請求項1に記載の銀系金属
のアトマイズ粉末。
【請求項5】
前記不純物元素であるジルコニウムの含有量が300ppm以下である請求項1記載の銀系金属
のアトマイズ粉末。
【請求項6】
前記不純物元素であるケイ素の含有量が300ppm以下である請求項1記載の銀系金属
のアトマイズ粉末。
【請求項7】
前記不純物元素であるアルミニウムの含有量が300ppm以下である請求項1記載の銀系金属
のアトマイズ粉末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は銀系金属粉末に関する。詳しくは、該銀系金属粉末は、低温や露点の高い雰囲気であっても安定した焼結・焼成が可能であり、焼結体の強度や寸法のばらつきが少ないので、粉末冶金用途の原料粉末や導電ペースト材料の原料粉末として好適に使用することができる銀系金属粉末に関する。
【背景技術】
【0002】
銀は優れた導電性、熱伝導性、耐酸化性、耐食性を示し、貴金属として各種アクセサリとしての人気も高いため、金属粉末射出成形や銀粘土の原料粉末として銀及び銀合金からなる銀系金属の粉末が従来より用いられてきた。
【0003】
また近年、銀系金属粉末は電子材料の分野において、焼成型もしくは熱硬化型の導電ペーストの原料粉末としての用途も拡大している。
【0004】
銀は酸化し難い貴金属であり、また、銀の酸化物は分解し易い性質を持つため、十分な温度まで昇温すれば、還元雰囲気を必要とせず、大気雰囲気等の酸素分圧の高い雰囲気であっても焼結が可能であるという優れた特性がある。
【0005】
しかし製造コストの観点から、焼結温度はできるだけ低く、露点が高い等の悪条件の雰囲気であっても焼結が可能な銀系金属粉末が望まれているが、低温や露点の高い雰囲気下においては銀系金属粉末であっても安定した焼結が進まず、焼結体の寸法や強度のばらつきが発生し易いという問題がある。
【0006】
そこで、低温や露点が高い雰囲気であっても安定して焼結が進み、焼結体の寸法や強度にばらつきが生じ難い銀系金属粉末の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1にはスズ、鉛、銅、ビスマス、鉄のうち1種または2種以上を合計で20ppm~900ppm含む銀粘土用銀粉末が開示されており、上記の元素を意図的に添加することで焼結性が向上することが記載されている。
【0009】
しかしながら特許文献1の銀粉末の焼結温度は900℃であるため、低温や露点の高い雰囲気での焼結においての安定性については示されていない。
【0010】
本発明者らは、前記諸問題を解決することを技術的課題とし、銀及び銀合金中の不純物元素に着目して鋭意実験を重ねた結果、銀系金属粉末が含有する600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギー以下であり、かつ、銀との混合エンタルピーがアルミニウム以下である不純物元素の総含有量が500ppm以下である銀系金属粉末であれば、低温や露点の高い雰囲気であっても安定した焼結・焼成が可能であり、焼結体の強度や寸法のばらつきを抑制できるという刮目すべき知見を得て前記技術的な課題を解決することに至った。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記技術的課題は次のとおりの本発明によって解決できる。
【0012】
本発明は、銀系金属粉末であって、前記銀系金属粉末が含有する600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギー以下であり、かつ、銀との混合エンタルピーがアルミニウム以下である不純物元素の総含有量が500ppm以下である銀系金属粉末である。
【0013】
また本発明は、前記不純物元素である希土類元素を合計した含有量が100ppm以下である前記の銀系金属粉末である。
【0014】
また本発明は、前記不純物元素であるリチウムの含有量が100ppm以下である前記の銀系金属粉末である。
【0015】
また本発明は、前記不純物元素であるカルシウム及び/又はマグネシウムを合計した含有量が300ppm以下である前記の銀系金属粉末である。
【0016】
また本発明は、前記不純物元素であるジルコニウムの含有量が300ppm以下である前記の銀系金属粉末である。
【0017】
また本発明は、前記不純物元素であるケイ素の含有量が300ppm以下である前記の銀系金属粉末である。
【0018】
また本発明は、前記不純物元素であるアルミニウムの含有量が300ppm以下である前記の銀系金属粉末である。
【0019】
また本発明は、アトマイズ法によって製造する前記の銀系金属粉末の製造方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明における銀系金属粉末は、600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギー以下であり、かつ、銀との混合エンタルピーがアルミニウム以下である不純物元素の総含有量が500ppm以下であるので、低温や露点が高い雰囲気であっても安定した焼結・焼成が可能であり、焼結体の寸法や強度のばらつきが少ないので、粉末冶金用途の原料粉末や導電ペースト材料の原料粉末として好適に使用することができる銀系金属粉末である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は銀及び/又は銀合金からなる銀系金属粉末である。
【0022】
本発明における銀系金属粉末は、600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギー以下であり、かつ、銀との混合エンタルピーがアルミニウム以下である不純物元素(以下「特定の不純物元素」と言うことがある)の総含有量が500ppm以下である。
【0023】
600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギー以下の不純物元素は、600℃以下の温度域において酸化が容易な傾向があり、これらの元素が粉末粒子表面や粉末粒子中に微量でも存在すると雰囲気中の酸素と優先的に反応して、酸化物を生成すると考えられる。
【0024】
また、混合エンタルピーは元素同士の相互作用の大きさを表す熱力学的な数値であり、小さいほどその元素同士が結合し易い傾向にあるが、銀との混合エンタルピーがアルミニウム以下の不純物元素は銀との親和性が高いため、銀から分離して局所的に酸化物を形成するのではなく、銀系金属の粉末粒子表面を均一に被覆したり、粒子中に均一に分散したりする状態で酸化物になると考えられる。
【0025】
前記特定の不純物元素の酸化物は、焼結温度が十分高い場合や、還元雰囲気、露点の低い不活性雰囲気といった好条件での雰囲気では、ほとんど焼結に影響を及ぼさない。
【0026】
しかし、低温や露点の高い雰囲気といった悪条件の雰囲気では、主成分である銀が粒子表面や粒子中で固相拡散するのを妨げるため、焼結の進展を遅らせたり、ばらつかせたりするので、焼結不良や焼結体の寸法や強度のばらつきとして顕在化すると推察される。
【0027】
本発明における特定の不純物元素の総含有量は500ppm以下である。
【0028】
特定の不純物元素の総含有量が500ppmを超えると、焼結・焼成が安定しないので、焼結体の寸法や強度にばらつきが生じる虞があるからである。
【0029】
なお、本発明における「総含有量」とは銀系金属粉末が含有する全ての特定の不純物元素を合計した含有量を言う。
【0030】
特定の不純物元素としては、イットリウム(Y)やネオジム(Nd)に代表される希土類元素、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、ケイ素(Si)及びアルミニウム(Al)を例示する。
【0031】
600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギー及び銀との混合エンタルピーについては文献に記載の数値を利用すればよい。
【0032】
二酸化ケイ素の600℃における標準生成自由エネルギーの文献値は-750(kJ/mol-O2)であり、アルミニウムの銀との混合エンタルピーの文献値は-4(kJ/mol)である。
【0033】
本発明においては、特定の不純物元素である希土類元素を合計した含有量は100ppm以下であることが好ましい。
【0034】
希土類元素は安定な焼結を阻害する影響が大きい元素だからである。
【0035】
特定の不純物元素であるリチウムの含有量は100ppm以下であることが好ましい。
【0036】
リチウムは安定な焼結を阻害する影響が大きい元素だからである。
【0037】
特定の不純物元素であるカルシウム及び/又はマグネシウムを合計した含有量は300ppm以下であることが好ましい。
【0038】
特定の不純物元素であるジルコニウムの含有量は300ppm以下であることが好ましい。
【0039】
特定の不純物元素であるケイ素の含有量は300ppm以下であることが好ましい。
【0040】
特定の不純物元素であるアルミニウムの含有量は300ppm以下であることが好ましい。
【0041】
カルシウム、マグネシウム、ジルコニウム、ケイ素、アルミニウムは希土類やリチウムに比べて影響は少ないものの、安定した焼結を阻害するからである。
【0042】
特定の不純物元素は、銀系金属粉末を酸溶解して溶液化したものをICP発光分光分析法により分析して定量することができる。
【0043】
本発明においては、600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギーよりも高い元素や、銀との混合エンタルピーがアルミニウムよりも大きい不純物元素を含有してもよい。
【0044】
600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギーよりも高い元素としてパラジウム(Pd)、銀との混合エンタルピーがアルミニウムよりも大きい元素としてチタン(Ti)、600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギーよりも高く、かつ、銀との混合エンタルピーがアルミニウムよりも大きい元素としてニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)を例示する。
【0045】
本発明における銀系金属粉末には、ろう材として用いられる銀銅合金、銀パラジウム合金を含有してもよい。
【0046】
本発明における銀系金属粉末の製造方法は特に限定されないが、アトマイズ法で製造することが好ましい。
【0047】
アトマイズ法は比較的安価に効率よく、多量に銀系金属粉末を製造できるからである。
【0048】
アトマイズ法は限定されず、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法及び遠心アトマイズ法等の公知の方法でよい。
【0049】
なお、本発明においては特定の不純物元素の総含有量を500ppm以下に制御する必要があるため、原材料として使用する銀の地金に注意を払う必要があるが、本発明における特定の不純物元素は基本的に酸化し易いため、ある程度酸素が存在する雰囲気下で溶解すると酸化物になって銀及び銀合金の溶湯と分離除去が可能である。
よって、溶解前の地金の状態で特定の不純物元素の総含有量が500ppm以下である必要はない。
【0050】
本発明における銀系金属粉末の平均粒子径は限定されず、所望により適宜、決定すればよい。
【0051】
電子材料の分野に用いられる銀系金属粉末の平均粒子径は50μm以下である事が一般的であり、微細な回路パターン形成を考慮すると平均粒子径は10μm以下である事がより好ましい。
【0052】
平均粒子径が10μm以下の微粉を製造するには、収率の観点から微粉化が容易な水アトマイズ法で製造するとよい。
【0053】
平均粒子径は、銀系金属粉末をレーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。
【実施例】
【0054】
本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0055】
(粉末の作製)
原料の高純度銀地金(99.99%以上)を加熱して溶解した後、表1~3記載の各不純物元素を適宜投入して成分を調整した。
【0056】
溶融状態の実施例及び比較例の各溶湯を自由落下させたところに高圧水を吹き付け、溶湯を飛散、急冷凝固させる水アトマイズ法により各銀系金属粉末を得た。
【0057】
得られた各銀系金属粉末は100meshの篩を用いて粗大粒子を除去した。
【0058】
(平均粒子径の測定)
各銀系金属粉末の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置MT3000II(マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定した。
【0059】
本発明における「平均粒子径」は、体積基準の累積50%粒子径(D50径)である。
【0060】
(銀系金属粉末中の不純物元素の定量)
各不純物元素の含有量は、得られた各銀系金属粉末を酸溶解して溶液化した後、ICP発光分光分析装置iCAP7600(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用いて測定した。
【0061】
表1~3中の空欄は検出限界である10ppm未満であることを示す。
【0062】
得られた各銀系金属粉末はZSX PrimusIV(株式会社リガク製)を用いて蛍光X線による定性分析を実施し、表1~3に記載する元素以外の元素のピークが検出されないことを確認した。
【0063】
(焼結性の評価)
実施例及び比較例の各銀系金属粉末に潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を用いて金型潤滑を行い、圧粉体密度が7.7g/cm3となるようにΦ14-7×5mmの円筒形に成形し、露点0℃の純窒素雰囲気中、400℃で15分保持して焼結体を得た。
【0064】
得られた各焼結体について、オートグラフAG-IS 50kN(株式会社島津製作所製)を用いてJIS Z 2507に従って圧環強度を測定した。
【0065】
各粉末の焼結性の評価はn数:5で行い、測定した圧環強度が全て120MPa以上であれば焼結性評価は◎、100MPa以上であれば焼結性評価は〇、ひとつでも100MPa未満となれば焼結性評価は×として評価した。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
表1に示す実施例1~9と比較例1~3の比較により、希土類元素に分類されるイットリウム(Y)とネオジム(Nd)を合計した含有量が500ppm以下であれば焼結性は安定しており、500ppmを超えると安定性が低下することが確認された。さらに、100ppm以下であれば焼結性が特に安定している事が確認された。
【0070】
また、表1に示す実施例10~12と比較例4の比較により、リチウム(Li)が500ppm以下であれば焼結性は安定しており、500ppmを超えると安定性が低下することが確認された。さらに、100ppm以下であれば焼結性が特に安定している事が確認された。
【0071】
また、表2に示す実施例13~21と比較例5~7の比較により、カルシウム(Ca)とマグネシウム(Mg)を合計した含有量が500ppm以下であれば焼結性は安定しており、500ppmを超えると安定性が低下することが確認された。さらに、300ppm以下であれば焼結性が特に安定している事が確認された。
【0072】
また、表2に示す実施例22~24と比較例8の比較により、ジルコニウム(Zr)が500ppm以下であれば焼結性は安定しており、500ppmを超えると安定性が低下することが確認された。さらに、300ppm以下であれば焼結性が特に安定している事が確認された。
【0073】
また、表3に示す実施例25~27と比較例9の比較により、ケイ素(Si)が500ppm以下であれば焼結性は安定しており、500ppmを超えると安定性が低下することが確認された。さらに、300ppm以下であれば焼結性が特に安定している事が確認された。
【0074】
また、表3に示す実施例28~30と比較例10の比較により、アルミニウム(Al)が500ppm以下であれば焼結性は安定しており、500ppmを超えると安定性が低下することが確認された。さらに、300ppm以下であれば焼結性が特に安定している事が確認された。
【0075】
また、表3に示す実施例31~34と比較例11~14の比較により、600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが当該温度域と同一の温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギー以下であり、かつ、銀との混合エンタルピーがアルミニウム以下である不純物元素の総含有量が500ppm以下であれば焼結性は安定しており、500ppmを超えると安定性が低下することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明における銀系金属粉末は、600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギー以下であり、かつ、銀との混合エンタルピーがアルミニウム以下である不純物元素の総含有量が500ppm以下であるから、低温や露点の高い雰囲気であっても安定した焼結・焼成が可能であり、焼結体の強度や寸法のばらつきが少ないので、粉末冶金用途の原料粉末や導電ペースト材料の原料粉末として好適に使用することができる。
したがって、本発明は産業上の利用可能性の高い発明である。
【要約】
【課題】
低温や露点の高い雰囲気であっても安定した焼結・焼成が可能であり、焼結体の強度や寸法のばらつきが少ないので、粉末冶金用途の原料粉末や導電ペースト材料の原料粉末として好適に使用することができる銀系金属粉末を提供する。
【解決手段】
銀系金属粉末であって、前記銀系金属粉末が含有する600℃以下の温度域における酸化物の標準生成自由エネルギーが前記温度域における二酸化ケイ素の標準生成自由エネルギー以下であり、かつ、銀との混合エンタルピーがアルミニウム以下である不純物元素の総含有量が500ppm以下である銀系金属粉末。
【選択図】なし