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特許7416545状態感知機能を備えた検査器搬送システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】状態感知機能を備えた検査器搬送システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/82 20060101AFI20240110BHJP
   G01N 29/26 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
G01N27/82
G01N29/26
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022560357
(86)(22)【出願日】2022-08-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2022110271
(87)【国際公開番号】W WO2022253363
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】202210707663.1
(32)【優先日】2022-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522388545
【氏名又は名称】シノマック センシング テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SINOMACH SENSING TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】242 Beihai Street, Dadong District Shenyang, Liaoning 110043 China
(73)【特許権者】
【識別番号】522388556
【氏名又は名称】シェンヤン アカデミー オブ インストゥルメンテーション サイエンス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHENYANG ACADEMY OF INSTRUMENTATION SCIENCE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】242 Beihai Street, Dadong District Shenyang, Liaoning 110043 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チュ,シュアイ
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン,チュングアン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジャフゥイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヂーチャオ
(72)【発明者】
【氏名】リー,シャンチン
(72)【発明者】
【氏名】アン,レイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ジャルイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴン,インジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ユービン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン,ジュンフォン
(72)【発明者】
【氏名】スン,ヂータオ
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】実公平06-032618(JP,Y2)
【文献】米国特許出願公開第2020/0292136(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0089502(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111220705(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/72-27/9093
G01N 29/00-29/52
G01N 21/84-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプライン検査器の動きを感知する機能を備える検査器搬送システムであって、
パイプライン搬送装置と、ピグトラップと、ピグトラップ把持装置と、制御装置と、を含み、
前記ピグトラップ把持装置は、前記パイプライン搬送装置の上方に設けられ、前記ピグトラップ把持装置は、前記ピグトラップに接続され、
前記制御装置は、それぞれ前記パイプライン搬送装置と、前記ピグトラップと、前記ピグトラップ把持装置とに接続され、
前記パイプライン搬送装置は、被検査パイプラインを搬送するために用いられ、
前記ピグトラップは、前記パイプライン検査器を発射及び受取するために用いられ、前記パイプライン検査器は、ピグトラップから被検査パイプラインに入って検査を行い、
前記ピグトラップ把持装置は、前記ピグトラップを搬送するために用いられ、
前記パイプライン搬送装置は、パイプライン搬送フレームと、第1の動力ローラと、第1の液圧支柱と、固定支柱と、を含み、
前記第1の動力ローラは、複数の第1の搬送ローラと、第1の動力ローラ伝動部材と、第1の動力ローラ制動部材と、を含み、複数の前記第1の搬送ローラは、前記パイプライン搬送フレームに順次間隔を置いて互いに平行に配列して設けられ、
前記第1の動力ローラ伝動部材は、前記第1の搬送ローラに接続され、
前記第1の動力ローラ制動部材は、前記第1の搬送ローラに接続され、
前記第1の液圧支柱は、前記パイプライン搬送フレームにヒンジ接続され、前記第1の液圧支柱は、前記パイプライン搬送フレームを上昇させるために用いられ、
前記固定支柱は、前記パイプライン搬送フレームにヒンジ接続され、前記固定支柱は、前記パイプライン搬送フレームの後端箇所に位置し、
前記ピグトラップ把持装置は、把持装置フレームと、第1のレールと、第1の直線駆動機構と、ロボットアームと、第2の変位センサと、を含み、
前記把持装置フレームは、前記パイプライン搬送フレームの上方に設けられ、
前記第1の直線駆動機構は、前記把持装置フレームに設けられている第1のレールに設けられ、
前記ロボットアームは、前記第1の直線駆動機構に設けられ、前記ロボットアームは、前記第1の直線駆動機構の下方に位置し、前記ロボットアームは、前記ピグトラップに接続され、
前記第2の変位センサは、前記第1の直線駆動機構に設けられ、前記第1の直線駆動機構の変位距離を検出する、
ことを特徴とする検査器搬送システム。
【請求項2】
前記搬送システムは、前記パイプライン搬送装置の先端箇所に設けられ、前記パイプライン搬送装置と同軸に設けられ、前記制御装置に接続される補助搬送装置をさらに含み、
前記補助搬送装置は、補助搬送フレームと、第2の動力ローラと、第2の液圧支柱と、傾斜機構フレームと、第1の電動シリンダと、第1の機械トレイと、を含み、
前記第2の動力ローラは、複数の第2の搬送ローラと、第2の動力ローラ伝動部材と、第2の動力ローラ制動部材と、を含み、複数の前記第2の搬送ローラは、前記補助搬送フレームに順次間隔を置いて互いに平行に配列して設けられ、
前記第2の動力ローラ伝動部材は、前記第2の搬送ローラに接続され、
前記第2の動力ローラ制動部材は、前記第2の搬送ローラに接続され、
前記第2の液圧支柱は、前記補助搬送フレームに固定接続され、前記第2の液圧支柱の数は4つであり、4つの前記第2の液圧支柱は、それぞれ前記補助搬送フレームの四隅箇所に位置し、
前記傾斜機構フレームは、前記補助搬送フレームに固定接続され、前記傾斜機構フレームは、前記補助搬送フレームの下方に位置し、
前記第1の電動シリンダは、前記傾斜機構フレームに設けられ、
前記第1の機械トレイは、第1の電動シリンダに設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の検査器搬送システム。
【請求項3】
前記補助搬送装置は、第2の緩衝ブラケットと、第2の補助支柱と、第3の変位センサと、を含み、
前記第2の緩衝ブラケットは、前記補助搬送フレームに固定接続され、前記第2の緩衝ブラケットは、前記補助搬送フレームの下方に設けられ、
前記第2の補助支柱は、前記第2の緩衝ブラケットの下方に設けられ、前記第2の補助支柱は、前記第2の緩衝ブラケットに接触し、
前記第3の変位センサは、前記第2の液圧支柱に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の検査器搬送システム。
【請求項4】
前記搬送システムは、前記パイプライン搬送フレームの下方に設けられ、前記制御装置に接続されるピグトラップ受取装置をさらに含み、
前記ピグトラップ受取装置は、受取装置フレームと、第2のレールと、第2の直線駆動機構と、第2の電動シリンダと、第2の機械トレイと、を含み、
前記受取装置フレームは、前記パイプライン搬送フレームに固定接続され、前記受取装置フレームは、前記パイプライン搬送フレームの後端箇所に位置し、
前記第2のレールは、前記受取装置フレームに設けられ、
前記第2の直線駆動機構は、前記第2のレールに設けられ、
前記第2の電動シリンダは、前記第2の直線駆動機構に設けられ、
前記第2の機械トレイは、前記第2の電動シリンダに設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の検査器搬送システム。
【請求項5】
前記ピグトラップ受取装置は、第3の緩衝ブラケットと、第3の補助支柱と、第4の変位センサと、リミットスイッチと、をさらに含み、
前記第3の緩衝ブラケットは、前記受取装置フレームに固定接続され、前記第3の緩衝ブラケットは、前記受取装置フレームの下方に設けられ、
前記第3の補助支柱は、前記第3の緩衝ブラケットの下方に設けられ、前記第3の補助支柱は、前記第3の緩衝ブラケットに接触し、
前記第4の変位センサは、前記第2の直線駆動機構に設けられ、
前記リミットスイッチは、前記第2のレールに設けられ、前記リミットスイッチは、前記第2のレールの先端箇所に位置する、
ことを特徴とする請求項4に記載の検査器搬送システム。
【請求項6】
前記搬送システムは、前記パイプライン搬送フレーム及び/又は補助輸送フレームに設けられ、前記制御装置に接続される中心線調整装置をさらに含み、
前記中心線調整装置は、ペアとなる電動スライドテーブルと、調整ブロックと、距離センサと、を含み、
前記調整ブロック及び距離センサは、前記電動スライドテーブルに設けられ、
前記電動スライドテーブルは、前記パイプライン搬送フレーム及び/又は補助搬送フレームに設けられる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の検査器搬送システム。
【請求項7】
前記パイプライン搬送装置は、第1の緩衝ブラケットと、第1の補助支柱と、第1の変位センサと、第1の傾斜角センサと、赤外線発信機と、赤外線受信機と、をさらに含み、
前記第1の緩衝ブラケットは、前記パイプライン搬送フレームに固定接続され、前記第1の緩衝ブラケットは、前記パイプライン搬送フレームの下方に設けられ、
前記第1の補助支柱は、前記第1の緩衝ブラケットの下方に設けられ、前記第1の補助支柱は、前記第1の緩衝ブラケットに接触し、
前記第1の変位センサは、前記第1の液圧支柱に設けられ、
前記第1の傾斜角センサは、前記パイプライン搬送フレームに設けられ、前記第1の傾斜角センサは、前記パイプライン搬送フレームの後端箇所に位置し、
前記赤外線発信機と赤外線受信機とは、ペアとなって前記パイプライン搬送フレームに設けられ、前記赤外線発信機と赤外線受信機とは、それぞれ前記パイプライン搬送フレームの両側に位置し、
前記赤外線発信機と赤外線受信機との間に形成された光路は、前記パイプライン搬送フレームの中心軸線に垂直であり、
前記赤外線発信機と赤外線受信機との数は、2対であり、2対の前記赤外線発信機と赤外線受信機とは、前記パイプライン搬送フレームの先端箇所に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の検査器搬送システム。
【請求項8】
前記ピグトラップは、その両端が開口である円筒状のピグトラップケースと、吊り具と、第1の電動ラッチと、第2の電動ラッチと、第1の赤外線測距センサと、第2の赤外線測距センサと、第3の赤外線測距センサと、第2の傾斜角センサと、を含み、
前記吊り具は、前記ピグトラップケースの上方の外壁に設けられ、前記吊り具は、前記ロボットアームに接続され、
前記第1の電動ラッチは、前記ピグトラップケースの一端の外壁に固定され、
前記第2の電動ラッチは、前記ピグトラップケースの他端の外壁に固定され、
前記第1の赤外線測距センサは、前記ピグトラップケースの一端の外壁に設けられ、
前記第2の赤外線測距センサは、前記ピグトラップケースの一端の内壁に設けられ、
前記第3の赤外線測距センサは、前記ピグトラップケースの他端の内壁に設けられ、
前記第2の傾斜角センサは、前記ピグトラップケースに設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の検査器搬送システム。
【請求項9】
前記ピグトラップ把持装置は、前記ピグトラップを前記搬送システムの補助搬送装置に配置するために用いられ、
前記第1の赤外線測距センサは、前記ピグトラップと前記被検査パイプラインとの間の距離を検出するために用いられ、
前記制御装置は、前記補助搬送装置及び前記搬送システムの中心線調整装置を制御して前記被検査パイプラインとの距離が予め設定された値を満たすように前記ピグトラップを調整するために用いられ、
前記第2の傾斜角センサは、前記ピグトラップの傾斜角度を検出するために用いられ、
前記制御装置は、前記傾斜角度が設定値を超える場合、警報を発するために用いられる、
ことを特徴とする請求項8に記載の検査器搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、搬送システムの技術分野に関し、特に状態感知機能を備えた検査器搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パイプライン完全性管理は、膨大なシステム工学であり、データに対するリスク分析及び安全評価は、システム工学全体の核心である。これにより、出荷前に、パイプライン検査器を用いてパイプラインを検査することが求められている。パイプライン検査器は、パイプライン検査用ロボットとも呼ばれ、現在、無動力のパイプライン検査器と動力のパイプライン検査器とに分けられる。
【0003】
無動力のパイプライン検査器には、作業を実施するために必ずスマート搬送システムが必要である。動力のパイプライン検査器には、設計の実質から見て、パイプライン検査器の検査の実施のためにその自体全部がパイプライン内に入ることが必要であり、このように、パイプライン検査器の長さ分が検査できない検査不感帯が存在し、この部分を切り取ると、リソースの浪費を引き起こし、製造コストが高まる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願における状態感知機能を備えた検査器搬送システムは、無動力のパイプライン検査器には作業を実施するためにスマート搬送システムが必要であり、動力のパイプライン検査器にはパイプライン検査器の長さ分が検査できない検査不感帯が存在するという問題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願における状態検知機能を備えた検査器搬送システムは、パイプライン搬送装置と、ピグトラップと、ピグトラップ把持装置と、制御装置と、を含み、
ピグトラップ把持装置は、パイプライン搬送装置の上方に設けられ、ピグトラップ把持装置は、ピグトラップに接続され、制御装置は、それぞれパイプライン搬送装置と、ピグトラップと、ピグトラップ把持装置とに接続され、パイプライン搬送装置は、パイプライン搬送フレームと、第1の動力ローラと、第1の液圧支柱と、固定支柱と、を含み、第1の動力ローラは、複数の第1の搬送ローラと、第1の動力ローラ伝動部材と、第1の動力ローラ制動部材と、を含み、複数の第1の搬送ローラは、パイプライン搬送フレームに順次間隔を置いて互いに平行に配列され、第1の動力ローラ伝動部材は、第1の搬送ローラに接続され、第1の動力ローラ制動部材は、第1の搬送ローラに接続され、第1の液圧支柱は、パイプライン搬送フレームにヒンジ接続され、固定支柱は、パイプライン搬送フレームにヒンジで接続され、固定支柱は、パイプライン搬送フレームの後端箇所に位置し、ピグトラップ把持装置は、把持装置フレームと、第1のレールと、第1の直線駆動機構と、ロボットアームと、第2の変位センサと、を含み、把持装置フレームは、パイプライン搬送フレームの上方に設けられ、第1の直線駆動機構は、把持装置フレームに設けられている第1のレールに設けられ、ロボットアームは、第1の直線駆動機構に設けられ、ロボットアームは、第1の直線駆動機構の下方に位置し、ロボットアームは、ピグトラップに接続され、第2の変位センサは、第1の直線駆動機構に設けられる。
【0006】
選択的に、搬送システムは、パイプライン搬送装置の先端箇所に設けられ、パイプライン搬送装置と同軸に設けられ、制御装置に接続される補助搬送装置をさらに含み、補助搬送装置は、補助搬送フレームと、第2の動力ローラと、第2の液圧支柱と、傾斜機構フレームと、第1の電動シリンダと、第1の機械トレイと、を含み、第2の動力ローラは、複数の第2の搬送ローラと、第2の動力ローラ伝動部材と、第2の動力ローラ制動部材と、を含み、複数の第2の搬送ローラは、補助搬送フレームに順次間隔を置いて互いに平行に配列して設けられ、第2の動力ローラ伝動部材は、第2の搬送ローラに接続され、第2の動力ローラ制動部材は、第2の搬送ローラに接続され、第2の液圧支柱は、補助搬送フレームに固定接続され、第2の液圧支柱の数は、4つであり、4つの第2の液圧支柱は、それぞれ補助搬送フレームの四隅箇所に位置し、傾斜機構フレームは、補助搬送フレームに固定接続され、傾斜機構フレームは、補助搬送フレームの下方に位置し、第1の電動シリンダは、傾斜機構フレームに設けられ、第1の機械トレイは、第1の電動シリンダに設けられる。
【0007】
選択的に、補助搬送装置は、第2の緩衝ブラケットと、第2の補助支柱と、第3の変位センサと、を含み、第2の緩衝ブラケットは、補助搬送フレームに固定接続され、第2の緩衝ブラケットは、補助搬送フレームの下方に設けられ、第2の補助支柱は、第2の緩衝ブラケットの下方に設けられ、第2の補助支柱は、第2の緩衝ブラケットに接触し、第3の変位センサは、第2の液圧支柱に設けられる。
【0008】
選択的に、搬送システムは、パイプライン搬送フレームの下方に設けられ、制御装置に接続されるピグトラップ受取装置をさらに含み、ピグトラップ受取装置は、受取装置フレームと、第2のレールと、第2の直線駆動機構と、第2の電動シリンダと、第2の機械トレイと、を含み、受取装置フレームは、パイプライン搬送フレームに固定接続され、受取装置フレームは、パイプライン搬送フレームの後端箇所に位置し、第2のレールは、受取装置フレームに設けられ、第2の直線駆動機構は、第2のレールに設けられ、第2の電動シリンダは、第2の直線駆動機構に設けられ、第2の機械トレイは、第2の電動シリンダに設けられる。
【0009】
選択的に、ピグトラップ受取装置は、第3の緩衝ブラケットと、第3の補助支柱と、第4の変位センサと、リミットスイッチと、をさらに含み、第3の緩衝ブラケットは、受取装置フレームに固定接続され、第3の緩衝ブラケットは、受取装置フレームの下方に設けられ、第3の補助支柱は、第3の緩衝ブラケットの下方に設けられ、第3の補助支柱は、第3の緩衝ブラケットに接触し、第4の変位センサは、第2の直線駆動機構に設けられ、リミットスイッチは、第2のレールに設けられ、リミットスイッチは、第2のレールの先端箇所に位置する。
【0010】
選択的に、搬送システムは、パイプライン搬送フレーム及び/又は補助輸送フレームに設けられ、制御装置に接続される中心線調整装置をさらに含み、中心線調整装置は、ペアとなる電動スライドテーブルと、調整ブロックと、距離センサと、を含み、調整ブロック及び距離センサは、電動スライドテーブルに設けられ、電動スライドテーブルは、パイプライン搬送フレーム及び/又は補助搬送フレームに設けられる。
【0011】
任意選択的に、パイプライン搬送装置は、第1の緩衝ブラケットと、第1の補助支柱と、第1の変位センサと、第1の傾斜角センサと、赤外線発信機と、赤外線受信機と、をさらに含み、第1の緩衝ブラケットは、パイプライン搬送フレームに固定接続され、第1の緩衝ブラケットは、パイプライン搬送フレームの下方に設けられ、第1の補助支柱は、第1の緩衝ブラケットの下方に設けられ、第1の補助支柱は、第1の緩衝ブラケットに接触し、第1の変位センサは、第1の液圧支柱に設けられ、第1の傾斜角センサは、パイプライン搬送フレームに設けられ、第1の傾斜角センサは、パイプライン搬送フレームの後端箇所に位置し、赤外線発信機と赤外線受信機とは、ペアとなってパイプライン搬送フレームに設けられ、赤外線発信機と赤外線受信機とは、それぞれパイプライン搬送フレームの両側に位置し、赤外線発信機と赤外線受信機との間に形成された光路は、パイプライン搬送フレームの中心軸線に垂直であり、赤外線発信機と赤外線受信機との数は、2対であり、2対の赤外線発信機と赤外線受信機とは、パイプライン搬送フレームの先端箇所に位置する。
【0012】
選択的に、ピグトラップは、その両端が開口である円筒状のピグトラップケースと、吊り具と、第1の電動ラッチと、第2の電動ラッチと、第1の赤外線測距センサと、第2の赤外線測距センサと、第3の赤外線測距センサと、第2の傾斜角センサと、を含み、吊り具は、ピグトラップケースの上方の外壁に設けられ、吊り具は、ロボットアームに接続され、第1の電動ラッチは、ピグトラップケースの一端の外壁に固定され、第2の電動ラッチは、ピグトラップケースの他端の外壁に固定され、第1の赤外線測距センサは、ピグトラップケースの一端の外壁に設けられ、第2の赤外線測距センサは、ピグトラップケースの一端の内壁に設けられ、第3の赤外線測距センサは、ピグトラップケースの他端の内壁に設けられ、第2の傾斜角センサは、ピグトラップケースに設けられる。
【発明の効果】
【0013】
本願における状態検知機能を備えた検査器搬送システムは、パイプライン搬送装置と、ピグトラップと、ピグトラップ把持装置と、制御装置と、を含み、ピグトラップ把持装置は、パイプライン搬送装置の上方に設けられ、ピグトラップ把持装置は、ピグトラップケースに接続され、制御装置は、それぞれパイプライン搬送装置とピグトラップとピグトラップ把持装置とに接続される。搬送システムは、無動力のパイプライン検査器にも動力のパイプライン検査器にも使用可能であり、検査不感帯が存在しない。第1の変位センサ、第1の傾斜角センサ、赤外線発信機、赤外線受信機、第1の赤外線測距センサ、第2の赤外線測距センサ、第3の赤外線測距センサ、第2の傾斜角センサ、第2の変位センサ、距離センサ、第3の変位センサ、第4の変位センサなどの複数種のセンサを用い、各機構の動作状態に対して状態感知機能を備え、自動化のパイプライン搬送及び検査を効果的に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
以下、本願の技術的解決手段をより明確に説明するために、実施例において使用する必要がある図面を簡単に紹介し、当業者であれば、創造的な労力をせず、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができることは明らかである。
図1】本願に記載の状態感知機能を備えた検査器搬送システムの構造概略図である。
図2】本願に記載の状態感知機能を備えた検査器搬送システムの正面図である。
図3】本願に記載の補助搬送装置の平面図である。
図4】本願に記載の状態感知機能を備えた検査器搬送システムの動作状態概略図である。
図5】本願に記載の制御装置の概略図である。
図6】本願に記載の状態感知機能を備えた検査器搬送システムの一実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら実施例を詳細に説明する。以下の説明が図に関与する場合、特に断りのない限り、異なる図における同じの数字は同一又は類似の要素を表す。以下の実施例において説明される実施形態は、本願に一致するすべての実施形態を示すものではない。特許請求の範囲に詳しく記載されるような、本願のいくつかの態様に一致するシステム及び方法の例にすぎない。
【0016】
パイプライン製品の検査方法は、主に目視、浸透探傷、磁粉探傷、漏洩磁束探傷、渦電流探傷、超音波探傷や、放射線透過試験による検査を含む。しかし、各検査方法は、ほとんどが表面又は表面近くの欠陥しか検査できず、作業周期が長い。上記の欠点を解消するために、パイプライン検査用ロボットとも呼ばれるパイプライン検査器を使用することができる。
【0017】
パイプライン検査器は、無動力のパイプライン検査器と動力のパイプライン検査器とに分けられることができる。無動力のパイプライン検査器には、作業を実施するために必ずスマート搬送システムが必要である。動力のパイプライン検査器には、設計の実質から見て、パイプライン検査器の検査の実施のためにその自体全部がパイプライン内に入ることが必要であり、このように、パイプライン検査器の長さ分が検査できない検査不感帯が存在し、この部分を切り取ると、リソースの浪費を引き起こし、製造コストが高まる。直接使用すると、この部分のパイプライン内部に欠陥が存在するおそれがあり、安全事故のリスクがある。
【0018】
本願における状態検知機能を備えた検査器搬送システムは、図6に示すように、パイプライン搬送装置1と、ピグトラップ2と、ピグトラップ把持装置3と、制御装置7と、を含む。ピグトラップ把持装置3は、パイプライン搬送装置1の上方に設けられ、ピグトラップ2に接続され、制御装置7は、それぞれパイプライン搬送装置1と、ピグトラップ2とピグトラップ把持装置3とに接続される。
【0019】
パイプライン搬送装置1は、被検査パイプラインを搬送するために用いられる。ピグトラップ2は、パイプライン検査器の発射と受取のために用いられる。ピグトラップ把持装置3は、ピグトラップ2を搬送するために用いられる。
【0020】
図5に示すように、制御装置7は、各センサからフィードバックされる信号を受信し、各装置及び機構の動作を制御するために用いられる。一例として、制御装置7は、コンピュータ、サーバ、産業用コンピュータ、ワンチップマイコン、PLC(Programmable Logic Controller、プログラマブルロジックコントローラ)、DSP(digital signal processor、デジタル信号プロセッサ)、FPGA(Field Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)、ASIC(Application-specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)などの、記憶及び演算機能を有する機器であってもよく、本願の実施例は、これについて限定しない。
【0021】
パイプライン搬送装置1は、パイプライン搬送フレーム11と、第1の動力ローラ12と、第1の液圧支柱13と、固定支柱14と、を含む。第1の動力ローラ12は、複数の第1の搬送ローラと、第1の動力ローラ伝動部材と、第1の動力ローラ制動部材と、を含み、第1の搬送ローラは、パイプライン搬送フレーム11に順次間隔を置いて互いに平行に配列して設けられ、第1の動力ローラ伝動部材は、第1の搬送ローラに接続され、第1の動力ローラ制動部材は、第1の搬送ローラに接続される。
【0022】
第1の動力ローラ12は、被検査パイプラインを搬送するために用いられる。被検査パイプラインは、第1の搬送ローラ上に配置され、第1の動力ローラ伝動部材は、第1の搬送ローラの回転を制御して被検査パイプラインを被検査領域に搬送し、第1の動力ローラ制動部材は、第1の搬送ローラの制動を制御して被検査パイプラインをクランプすることにより、被検査パイプラインを被検査領域に移動不可に固定させ、これにより、被検査パイプラインの検査が容易となる。
【0023】
第1の液圧支柱13は、パイプライン搬送フレーム11にヒンジ接続され、固定支柱14は、パイプライン搬送フレーム11にヒンジ接続され、固定支柱14は、パイプライン搬送フレーム11の後端箇所に位置する。
【0024】
本願において、先端は、図1に示すA端方向であり、後端は、図1に示すB端方向である。第1の液圧支柱13は、パイプライン搬送フレーム11を上昇させるために用いられる。パイプライン搬送フレーム11の後端が固定支柱14にヒンジ接続されるため、第1の液圧支柱13がパイプライン搬送フレーム11をさせると、パイプライン搬送フレーム11はその先端が上昇された傾斜状態となる。
【0025】
例示的な実施形態では、パイプライン搬送装置1は、第1の緩衝ブラケット15と、第1の補助支柱16と、第1の変位センサ17と、第1の傾斜角センサ18と、赤外線発信機19と、赤外線受信機110と、をさらに含む。第1の緩衝ブラケット15は、パイプライン搬送フレーム11に固定接続され、第1の緩衝ブラケット15は、パイプライン搬送フレーム11の下方に設けられ、第1の補助支柱16は、第1の緩衝ブラケット15の下方に設けられ、第1の補助支柱16は、第1の緩衝ブラケット15に接触する。
【0026】
第1の補助支柱16及び第1の緩衝ブラケット15は、1つ又は複数設けられることができ、パイプライン搬送フレーム11を補助支持し、被検査パイプラインの重さによるパイプライン搬送フレーム11の変形を防止するために用いられる。
【0027】
第1の変位センサ17は、第1の液圧支柱13に設けられる。第1の変位センサ17は、第1の液圧支柱13の上昇高さを検出し、上昇高さデータを制御装置7にフィードバックするために用いられ、予め設定された高さに達すると、制御装置7は、上昇を停止するように第1の液圧支柱13を制御することができる。
【0028】
第1の傾斜角センサ18は、パイプライン搬送フレーム11の後端箇所に設けられる。第1の傾斜角センサ18は、パイプライン搬送フレーム11の傾斜角度を検出してその傾斜角度データを制御装置7にフィードバックするために用いられ、傾斜角度が設定値を超える場合、制御装置7は、警報を発し、逆方向への調整を行うように第1の液圧支柱13を連動制御する。
【0029】
赤外線発信機19と赤外線受信機110とは、ペアとなってパイプライン搬送フレーム11に設けられ、図3に示すように、赤外線発信機19と赤外線受信機110とは、それぞれパイプライン搬送フレーム11の両側に位置し、赤外線発信機19と赤外線受信機110との間に形成された光路は、パイプライン搬送フレーム11の中心軸線に垂直であり、赤外線発信機19と赤外線受信機110との数は、2対であり、2対の赤外線発信機19と赤外線受信機110とは、パイプライン搬送フレーム11の先端箇所に位置する。
【0030】
2対の赤外線発信機19と赤外線受信機110とにおいて、1対は、パイプライン搬送フレーム11の先端の端点に設けられ、もう1対は、先端の端点から予め設定された距離を置いて設けられ、予め設定された距離は、被検査パイプラインの長さより小さい。被検査パイプラインが被検査領域に入っていない場合、2対の赤外線発信機19と赤外線受信機110との光路は遮断されず、被検査パイプラインが検査対象領域に入り始まった場合、先端の端点における1対の赤外線発信機19と赤外線受信機110との光路は遮断され、被検査パイプラインが被検査領域に完全に入った場合、先端の端点における1対の赤外線発信機19と赤外線受信機110との光路が遮断されず、もう1対の赤外線発信機19と赤外線受信機110との光路は遮断される。赤外線発信機19と赤外線受信機110とは、光路が遮断されたか否かの信号を制御装置7にフィードバックし、制御装置7は、フィードバックされた信号に基づいてパイプライン搬送装置1を制御して、被検査パイプラインを被検査領域に進入させることができる。
【0031】
ピグトラップ把持装置3は、把持装置フレーム31と、第1のレール32と、第1の直線駆動機構33と、ロボットアーム(マニピュレータ)34と、第2の変位センサ35と、を含む。把持装置フレーム31は、パイプライン搬送フレーム11の上方に設けられ、把持装置フレーム31には第1のレール32が設けられており、第1の直線駆動機構33は、第1のレール32に設けられ、ロボットアーム34は、第1の直線駆動機構33に設けられ、ロボットアーム34は、第1の直線駆動機構33の下方に位置し、ロボットアーム34は、ピグトラップ2に接続される。
【0032】
図2に示すように、ロボットアーム34は、ピグトラップ2を挟持してピグトラップ2を上下に移動させるために用いられる。第1の直線駆動機構33は、ロボットアーム34を駆動して第1のレール32上で移動させ、ピグトラップ2を被検査パイプラインの先端又は後端に移動可能にするために用いられる。一例として、第1のレール32にラック(rack)が設けられ、第1の直線駆動機構33は、第1のレール32に装着されるスライダと、スライダに設けられるステッピングモータと、ステッピングモータの出力軸に設けられ、第1のレール32におけるラックと噛み合う歯車と、を含み、ステッピングモータの回転を制御することにより、スライダを第1のレール32上で移動可能にする。第1の直線駆動機構33とロボットアーム34とは、2組設けられ、2組のロボットアーム34を用いてピグトラップ2をより安定的に挟持することができる。
【0033】
第2の変位センサ35は、第1の直線駆動機構33に設けられる。第2の変位センサ35は、第1の直線駆動機構33の変位距離を検出し、変位距離データを制御装置7にフィードバックするために用いられ、被検査パイプラインの長さに応じて変位距離が設定され、制御装置7は、第1の直線駆動機構33を予め設定された変位距離に達するように制御することができる。
【0034】
例示的な実施形態では、ピグトラップ2は、両端が開口である円筒状のピグトラップケース21と、ピグトラップケース21の上方の外壁に設けられ、ロボットアーム34に接続される吊り具22と、第1の電動ラッチ23と、第2の電動ラッチ24と、第1の赤外線測距センサ25と、第2の赤外線測距センサ26と、第3の赤外線測距センサ27と、第2の傾斜角センサ28と、を含む。
【0035】
一例として、ロボットアーム34は、吊り具22にヒンジ接続されてもよく、グリッパー方式を用いて吊り具22に着脱可能に接続されてもよく、ヒンジ接続の方式を用いると、ロボットアーム34の構造が簡単であり、グリッパー方式を用いると、より能動的であり、拡張可能性が高い。
【0036】
第1の電動ラッチ23は、ピグトラップケース21の一端の外壁に固定され、第2の電動ラッチ24は、ピグトラップケース21の他端の外壁に固定される。第1の電動ラッチ23及び第2の電動ラッチ24は、パイプライン検査器を阻止して、ピグトラップ2の搬送過程においてパイプライン検査器が両端の開口から落下することを防止するために用いられる。
【0037】
第1の赤外線測距センサ25は、ピグトラップケース21の一端の外壁に設けられ、第2の赤外線測距センサ26は、ピグトラップケース21の一端の内壁に設けられ、第3の赤外線測距センサ27は、ピグトラップケース21の他端の内壁に設けられる。
【0038】
図3に示すように、第1の赤外線距離測定センサ25は、ピグトラップ2と被検査パイプラインとの間の距離を検出するために用いられる。第1の赤外線測距センサ25は、検出した距離データを制御装置7にフィードバックし、制御装置7は、フィードバックされた距離データに基づいてピグトラップ把持装置3を制御して、ピグトラップ2と被検査パイプラインとの間の距離を予め設定された範囲内に保持させることができる。第2の赤外線測距センサ26及び第3の赤外線測距センサ27は、パイプライン検査器とピグトラップ2の両端の開口との距離を検出するために用いられる。第2の赤外線測距センサ26及び第3の赤外線測距センサ27は、検出した距離データを制御装置7にフィードバックし、制御装置7は、フィードバックされた距離データに基づいて第1の電動ラッチ23及び第2の電動ラッチ24を制御して、パイプライン検査器をピグトラップ2から離間可能にし、又はピグトラップ2がパイプライン検査器を受取した後それを阻止するようにできる。
【0039】
第2の傾斜角センサ28は、ピグトラップケース21に設けられる。第2の傾斜角センサ28は、ピグトラップケース21の傾斜角度を検出してその傾斜角度データを制御装置7にフィードバックするために用いられ、傾斜角度が設定値を超えると、制御装置7は警報を発する。
【0040】
例示的な実施形態では、図1に示すように、搬送システムは、補助搬送装置5をさらに含む。補助搬送装置5は、パイプライン搬送装置1の先端位置に、パイプライン搬送装置1と同軸となるように設けられ、制御装置7に接続される。
【0041】
補助搬送装置5は、ピグトラップ2を補助搬送することにより、ピグトラップ2と被検査パイプラインとの間の距離の制御をより正確にするために用いられる。
【0042】
補助搬送装置5は、補助搬送フレーム51と、第2の動力ローラ51と、第2の液圧支柱53と、傾斜機構フレーム54と、第1の電動シリンダ55と、第1の機械トレイ56とを含む。第2の動力ローラ52は、複数の第2の搬送ローラと、第2の動力ローラ伝動部材と、第2の動力ローラ制動部材と、を含み、第2の搬送ローラは、補助搬送フレームに順次間隔を置いて互いに平行に配列して設けられ、第2の動力ローラ伝動部材は、第2の搬送ローラに接続され、第2の動力ローラ制動部材は、第2の搬送ローラに接続される。
【0043】
第2の動力ローラ52は、被検査パイプラインとピグトラップ2とを搬送するために用いられ、第2の動力ローラ52の機能は、第1の動力ローラ12の機能と同様である。
【0044】
第2の液圧支柱53は、補助搬送フレーム51に固定接続され、第2の液圧支柱53の数は4つであり、4つの第2の液圧支柱53は、それぞれ補助搬送フレーム51の四隅箇所に位置する。第2の液圧支柱53は、補助搬送フレーム51を上昇させるために用いられる。
【0045】
傾斜機構フレーム54は、補助搬送フレーム51に固定接続され、傾斜機構フレーム54は、補助搬送フレーム51の下方に位置し、第1の電動シリンダ55は、傾斜機構フレーム54に設けられ、第1の機械トレイ56は、第1の電動シリンダ55に設けられる。第1の電動シリンダ55は、第1の機械トレイ56を上昇させるために用いられ、第1の機械トレイ56がピグトラップ2に接触することにより、ピグトラップ2を傾斜させる。
【0046】
例示的な実施形態では、補助搬送装置5は、第2の緩衝ブラケット57と、第2の補助支柱58と、第3の変位センサ59と、を含む。第2の緩衝ブラケット57は、補助搬送フレーム51に固定接続され、第2の緩衝ブラケット57は、補助搬送フレーム51の下方に設けられ、第2の補助支柱58は、第2の緩衝ブラケット57の下方に設けられ、第2の補助支柱58は、第2の緩衝ブラケット57に接触する。
【0047】
第2の補助支柱58及び第2の緩衝ブラケット57は、1つ又は複数設けられることができ、補助搬送フレーム51を補助支持し、被検査パイプラインの重さによる補助搬送フレーム51の変形を防止するために用いられる。
【0048】
第3の変位センサ59は、第2の液圧支柱53に設けられる。第3の変位センサ59は、第2の液圧支柱53の上昇高さを検出し、その上昇高さデータを制御装置7にフィードバックするために用いられ、予め設定された高さに達すると、制御装置7は、上昇を停止するように第2の液圧支柱53を制御することができる。
【0049】
例示的な実施形態では、搬送システムは、パイプライン搬送フレーム11の下方に設けられ、制御装置7に接続されるピグトラップ受取装置6をさらに含む。
【0050】
ピグトラップ受取装置6は、被検査パイプラインの後端箇所でピグトラップ2を補助受取することにより、ピグトラップ2を被検査パイプラインの後端箇所においてさらに安定させるために用いられる。
【0051】
ピグトラップ受取装置6は、受取装置フレーム61と、第2のレール62と、第2の直線駆動機構63と、第2の電動シリンダ64と、第2の機械トレイ65と、を含む。受取装置フレーム61は、パイプライン搬送フレーム11の後端箇所に固定接続され、第2のレール62は、受取装置フレーム61に設けられ、第2の直線駆動機構63は、第2のレール62に設けられ、第2の電動シリンダ64は、第2の直線駆動機構63に設けられ、第2の機械トレイ65は、第2の電動シリンダ64に設けられる。
【0052】
第2の直線駆動機構63は、第2の電動シリンダ64及び第2の機械トレイ65を駆動して第2のレール62上で移動させるために用いられる。一例として、第2のレール62にラックが設けられ、第2の直線駆動機構63は、第2のレール62に装着されるスライダと、スライダに設けられるステッピングモータと、ステッピングモータの出力軸に設けられ、第2のレール62におけるラックと噛み合う歯車と、を含み、ステッピングモータの回転を制御することにより、スライダを第2のレール62上で移動可能にする。第2の直線駆動機構63と第2の電動シリンダ64と第2の機械トレイ65とは、2組設けられ、2組の第2の機械トレイ65を用いてピグトラップ2をより安定的に受取することができる。
【0053】
例示的な実施形態では、ピグトラップ受取装置6は、第3の緩衝ブラケット66と、第3の補助支柱67と、第4の変位センサ68と、リミットスイッチ69と、をさらに含み、第3の緩衝ブラケット66は、受取装置フレーム61に固定接続され、第3の緩衝ブラケット66は、受取装置フレーム61の下方に設けられ、第3の補助支柱67は、第3の緩衝ブラケット66の下方に設けられ、第3の補助支柱67は、第3の緩衝ブラケット66に接触する。
【0054】
第3の緩衝ブラケット66及び第3の補助支柱67は、1つ又は複数設けることができ、受取装置フレーム61を補助支持し、被検査パイプラインの重さによる受取装置フレーム61の変形を防止するために用いられる。
【0055】
第4の変位センサ68は、第2の直線駆動機構63に設けられる。第4の変位センサ68は、第2の直線駆動機構63の変位距離を検出し、その変位距離データを制御装置7にフィードバックするために用いられ、被検査パイプラインの長さに応じて変位距離が設定され、制御装置7は、第2の直線駆動機構63が予め設定された変位距離に達するように制御することができる。
【0056】
リミットスイッチ69は、第2のレール62の先端箇所に設けられ、第2の直線駆動機構63のストロークを制限するために用いられる。
【0057】
例示的な実施形態では、搬送システムは、パイプライン搬送フレーム11及び/又は補助輸送フレーム51に設けられ、制御装置7に接続される中心線調整装置4をさらに含む。中心線調整装置4は、ペアとなる電動スライドテーブル41と、調整ブロック42と、距離センサ43と、を含み、調整ブロック42及び距離センサ43は、電動スライドテーブル41に設けられ、電動スライドテーブル41は、パイプライン搬送フレーム11及び/又は補助搬送フレーム51に設けられる。
【0058】
図2に示すように、中心線調整装置4は、被検査パイプライン及び/又はピグトラップ2を調整してパイプライン搬送フレーム11の中心軸線に位置させるために用いられる。電動スライドテーブル41は、調整ブロック42を駆動して動作させる。電動スライドテーブル41は、被検査パイプラインの両側に対称的に配置される。距離センサ43は、被検査パイプライン両側の距離を検出し、その距離データを制御装置7にフィードバックするために用いられ、被検査パイプライン両側の距離データが設定値を超える場合、制御装置7は、電動スライドテーブル41の動作を制御して、調整ブロック42を被検査パイプラインに接触させ、被検査パイプラインをパイプライン搬送フレーム11の中心軸線に位置するように調整する。一例として、距離センサ43は、超音波センサを用いることができ、調整ブロック42は、ローラの形式を用いることができる。
【0059】
動作時に、パイプライン検査器が無動力のものであることを例とし、パイプライン検査器は、ピグトラップ2内に搭載され、ピグトラップ2における第1の電動ラッチ23と第2の電動ラッチ24とは閉じてパイプライン検査器をその中に阻止させる。ピグトラップ把持装置3は、ピグトラップ2を挟持して空中に停留させる。被検査パイプラインは、先端箇所から補助搬送装置5における第2の動力ローラ52により被検査領域に搬送され、パイプライン搬送フレーム11の先端の端点における1対の赤外線発信機19と赤外線受信機110との光路が遮断されるときに、被検査パイプラインが被検査領域に入り始まることを示し、パイプライン搬送フレーム11の先端の端点における1対の赤外線発信機19と赤外線受信機110との光路が遮断されず、もう1対の赤外線発信機19と赤外線受信機110との光路が遮断されるときに、被検査パイプラインが被検査領域に完全に入ったことを示し、この場合、制御装置7は、第1の動力ローラ12を制動して被検査パイプラインが被検査領域に停留するように制御する。被検査パイプラインの搬送過程において、中心線調整装置4は、被検査パイプラインがパイプライン搬送フレーム11の中心軸線に位置するように被検査パイプラインを絶えず調整する。
【0060】
制御装置7は、第1の変位センサ17及び第3の変位センサ59の検査データに基づいて、第1の液圧支柱13及び第2の液圧支柱53が予め設定された高さまで上昇するように制御して、パイプライン搬送フレーム11及び被検査パイプラインが傾斜状態されるようにする。第1の傾斜角センサ18は、パイプライン搬送フレーム11の傾斜角度を検出し、制御装置7は、傾斜角度が設定値を超えると警報を発し、逆方向調整を行うように第1の液圧支柱13を連動制御する。
【0061】
図4に示すように、ピグトラップ把持装置3は、ピグトラップ2を補助搬送装置5に配置し、ピグトラップ2における第1の赤外線測距センサ25によりピグトラップ2と被検査パイプラインとの間の距離を検出し、制御装置7は、補助搬送装置5及び中心線調整装置4を制御して被検査パイプラインとの距離が予め設定された値を満たすようにピグトラップ2を微調整する。制御装置7は、第1の電動ラッチ23を制御して開き、第1の電動シリンダ55を制御して第1の機械トレイ56を上昇させる。第1の機械トレイ56がピグトラップ2に接触することにより、ピグトラップ2を傾斜させ、重力によりパイプライン検査器がピグトラップ2から被検査パイプラインに入るときから検査を開始する。第2の傾斜角センサ28は、ピグトラップ2の傾斜角度を検出し、制御装置7は、傾斜角度が設定値を超えると警報を発する。
【0062】
制御装置7は、第2の赤外線距離測定センサ26がパイプライン検査器がピグトラップ2から離れたことを検査すると、第1の電動ラッチ23を閉じるように制御し、ロボットアーム34を制御してピグトラップ2を上昇させ、続いて第1の直線駆動機構33を制御して被検査パイプラインの後端に移動させる。第1の直線駆動機構33の移動距離は、被検査パイプラインの長さに応じて設定され、第2の変位センサ35により第1の直線駆動機構33の移動距離を検出する。また、第4の変位センサ68により第2の直線駆動機構63の移動距離を検出し、ピグトラップ受取装置6も被検査パイプラインの後端に移動するように制御する。ピグトラップ受取装置6が受取位置に到達した後、制御装置7は、第2の電動シリンダ64を制御して第2の機械トレイ65を受取位置まで上昇させ、続いてロボットアーム34を制御してピグトラップ2を第2の機械トレイ65に配置し、第2の電動ラッチ24を開く。
【0063】
パイプライン検査器は、検査完了後、被検査パイプラインの後端からピグトラップ2中に入り、第3の赤外線測距センサ27が、パイプライン検査器がピグトラップ2に入ったことを検出したときに、制御装置7は、第2の電動ラッチ24を閉じるように制御し、続いてピグトラップ把持装置3を制御してピグトラップ2を先端の初期位置に搬送するとともに、ピグトラップ受取装置6、第1の液圧支柱13及び第2の液圧支柱53を初期位置に戻るように制御する。最後に、パイプライン搬送装置1を制御して被検査パイプラインを次の工程に搬送し、一検査作業を完了する。
【0064】
パイプライン検査器が動力を有する場合、全体の検査プロセスは、上記プロセスと同じであるが、第1の液圧支柱13及び第2の液圧支柱53の上昇を制御する必要がなく、パイプライン検査器がピグトラップ2に位置している時から検査を開始し、被検査パイプラインに入った後に検査不感帯が生じない点で異なる。
【0065】
本願における状態検知機能を備えた検査器搬送システムは、パイプライン搬送装置1と、ピグトラップ2と、ピグトラップ把持装置3と、制御装置7と、を含み、ピグトラップ把持装置3は、パイプライン搬送装置1の上方に設けられ、ピグトラップ把持装置3は、ピグトラップケース2に接続され、制御装置7は、それぞれパイプライン搬送装置1とピグトラップ2とピグトラップ把持装置3とに接続される。搬送システムは、無動力のパイプライン検査器にも動力のパイプライン検査器にも使用可能であり、検査不感帯が存在しない。第1の変位センサ17、第1の傾斜角センサ18、赤外線発信機19、赤外線受信機110、第1の赤外線測距センサ25、第2の赤外線測距センサ26、第3の赤外線測距センサ27、第2の傾斜角センサ28、第2の変位センサ25、距離センサ43、第3の変位センサ59、第4の変位センサ68などの複数種のセンサを用い、各機構の動作状態に対して状態感知機能を備え、自動化のパイプライン搬送及び検査を効果的に実現することができる。
【0066】
本願における実施例間の類似部分は、相互に参照すればよく、以上で説明された具体的な実施形態は、本願の全面的な構想におけるいくつかの例にすぎず、本願の保護範囲を限定するものではない。当業者であれば、創造的な労働付与無しで、本願の解決手段に基づいて拡張して得る他の実施例は、いずれも本願に保護される範囲に属する。
【符号の説明】
【0067】
1 パイプライン搬送装置
11 パイプライン搬送フレーム
12 第1の動力ローラ
13 第1の液圧支柱
14 固定支柱
15 第1の緩衝ブラケット
16 第1の補助支柱
17 第1の変位センサ
18 第1の傾斜角センサ
19 赤外線発信機
110 赤外線受信機
2 ピグトラップ
21 ピグトラップケース
22 吊り具
23 第1の電動ラッチ
24 第2の電動ラッチ
25 第1の赤外線測距センサ
26 第2の赤外線測距センサ
27 第3の赤外線測距センサ
28 第2の傾斜角センサ
3 ピグトラップ把持装置
31 把持装置フレーム
32 第1のレール
33 第1の直線駆動機構
34 ロボットアーム
35 第2の変位センサ
4 中心線調整装置
41 電動スライドテーブル
42 調整ブロック
43 距離センサ
5 補助搬送装置
51 補助搬送フレーム
52 第2の動力ローラ
53 第2の液圧支柱
54 傾斜機構フレーム
55 第1の電動シリンダ
56 第1の機械トレイ
57 第2の緩衝ブラケット
58 第2の補助支柱
59 第3の変位センサ
6 ピグトラップ受取装置
61 受取装置フレーム
62 第2のレール
63 第2の直線駆動機構
64 第2の電動シリンダ
65 第2の機械トレイ
66 第3の緩衝ブラケット
67 第3の補助支柱
68 第4の変位センサ
69 リミットスイッチ
7 制御装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6